JPWO2016140065A1 - 非発酵ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

本発明は、発酵工程を経ずに製造されているにもかかわらず、酸味の突出が抑えられており、ビールらしい酸味を有する非発酵ビールテイスト飲料を提供する。本発明は、グルコン酸及びフィチン酸を含有する、非発酵ビールテイスト飲料、さらに、リン酸を含有する前記記載の非発酵ビールテイスト飲料、グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.10〜0.70の範囲内である前記いずれか記載の非発酵ビールテイスト飲料、並びに、さらに、大豆ペプチドを含有する、前記いずれかに記載の非発酵ビールテイスト飲料である。

Description

本発明は、発酵工程を経ずに製造されているにもかかわらず、酸味の突出が抑えられており、ビールらしい酸味を有する非発酵ビールテイスト飲料に関する。
本願は、2015年3月4日に、日本に出願された特願2015−042489号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年の消費者の健康志向から、低カロリーや低糖質のビールテイスト飲料に対する需要が高まっており、ビール各社より非発酵のビールテイスト飲料が各種発売されている。原因の一つに、酵母による発酵工程を経ずに製造される非発酵ビールテイスト飲料は、使用する原料の組成を調整することにより、カロリーや糖質の含有量を所望の範囲内に調節しやすいことが挙げられる。
非発酵ビールテイスト飲料は、一般的に、麦芽エキス、ホップエキス、酸味料、及び甘味料等の原料を混合し、得られた調合液に炭酸ガスを導入することにより製造される。原料としてエタノールを混合することにより、アルコールを含有する非発酵のビールテイスト飲料が製造される。ホップエキスに代えて、苦味付与物質としてクワシンやナリンジンを用いる場合もある。酸味料としては、リン酸、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸が汎用されている。
各原料を混合して得られる非発酵ビールテイスト飲料では、酸味料や甘味料の呈味が突出し、味のまとまりが弱い傾向がある。非発酵ビールテイスト飲料の味を調和させるために、各種方法が開示されている。例えば特許文献1及び2には、苦味物質とクエン酸及び/又はリンゴ酸を含有する非発酵ビールテイスト飲料において、不快な鋭い酸味の突出と苦味の減退による飲料全体の香味の単調化を改善するために、アルギン酸類等の増粘剤を少量添加したり、pHを3.7以下に低下させる方法が開示されている。
特開2014−56号公報 特開2014−55号公報
本発明は、発酵工程を経ずに製造されているにもかかわらず、酸味の突出が抑えられており、ビールらしい酸味を有する非発酵ビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、非発酵ビールテイスト飲料において酸味料として一般的に使用されているリン酸、クエン酸及びリンゴ酸などの酸味料ではなく、グルコン酸及びフィチン酸を併用することによって、必要なpHは保持しながら、突出する酸味を低減させ、よりビールらしい酸味を付与できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、下記[1]〜[9]である。
[1] グルコン酸及びフィチン酸を含有する、非発酵ビールテイスト飲料。
[2] さらに、リン酸を含有する、前記[1]の非発酵ビールテイスト飲料。
[3] グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.10〜0.70の範囲内である、前記[1]又は[2]の非発酵ビールテイスト飲料。
[4] グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.10〜0.60の範囲内である、前記[1]又は[2]の非発酵ビールテイスト飲料。
[5] グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.15〜0.50の範囲内である、前記[1]又は[2]の非発酵ビールテイスト飲料。
[6] さらに、大豆ペプチドを含有する、前記[1]〜[5]のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料。
[7] pHが3.0以上4.0未満である、前記[1]〜[6]のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料。
[8] エタノール含有量が0.05容量%未満である、前記[1]〜[7]のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料。
[9] エタノール含有量が0.05容量%以上である、前記[1]〜[7]のいずれかの非発酵ビールテイスト飲料。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、不快な酸味の突出が抑えられており、雑味が少ないが、酸味による適度な刺激(抑揚)があり、ビールらしい酸味を有する、非常に味のバランスのよいビールテイスト飲料である。
本発明及び本願明細書においては、「ビールらしさ」とは、製品名称・表示にかかわらず、香味上ビールを想起させる呈味のことを意味する。つまり、ビールテイスト飲料とは、アルコール含有量、麦芽及びホップの使用の有無に関わらず、ビールと同等の又はそれと似た風味・味覚及びテクスチャーを有する発泡性飲料である。
また、本発明及び本願明細書における非発酵ビールテイスト飲料とは、発酵工程を経ずに製造される飲料であって、ビールらしさと炭酸ガスによる発泡性を有する飲料を意味する。非発酵ビールテイスト飲料は、アルコール飲料であってもよく、エタノール含有量が0.05容量%未満であるいわゆるノンアルコール飲料であってもよく、エタノール含有量が1容量%未満であるいわゆるローアルコール飲料であってもよい。具体的には、ビール、発泡酒、ローアルコール発泡性飲料、ノンアルコールビール等が挙げられる。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、グルコン酸及びフィチン酸を含有することを特徴とする。クエン酸やリンゴ酸による酸味は鋭い先味であるため、これらを酸味料とした非発酵ビールテイスト飲料では、酸味が突出してしまう。また、酸味料としてグルコン酸のみを用いた場合には、水っぽく頼りない酸味となり、酸味料としてフィチン酸のみを用いた場合には、雑味と渋味を伴うだらっとした酸味があり、いずれもビールらしさに劣る。本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、グルコン酸及びフィチン酸を併用するため、必要なpHは保持しつつ、酸味の突出が低減され、よりビールらしい酸味を有する。なお、「ビールらしい酸味」とは、不快な突出した酸味がなく、雑味もないが、酸味による適度な刺激(抑揚)があることを意味する。
グルコン酸に由来する酸味とフィチン酸に由来する酸味とのバランスがよく、ビールらしい酸味を達成しやすいことから、本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料におけるグルコン酸及びフィチン酸の含有量は、グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.10〜0.70の範囲内であることが好ましく、0.10〜0.60の範囲内であることがより好ましく、0.15〜0.50の範囲内であることがさらに好ましく、0.30〜0.50の範囲内であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料におけるグルコン酸の含有量としては、0.055〜0.120質量/容量%(550〜1200ppm)であることが好ましく、0.060〜0.100質量/容量%であることがより好ましく、0.060〜0.070質量/容量%であることがさらに好ましい。本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料におけるフィチン酸の含有量としては、0.010〜0.037質量/容量%(100〜370ppm)であることが好ましく、0.013〜0.030質量/容量%であることがより好ましく、0.015〜0.030質量/容量%であることがさらに好ましく、0.026〜0.030質量/容量%であることがよりさらに好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、グルコン酸及びフィチン酸に加えて、さらにリン酸を含有することも好ましい。これらの3種の有機酸を併用することにより、より酸味の突出が抑えられ、味のバランスがとりやすくなる。本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料におけるリン酸の含有量としては、0.005〜0.020質量/容量%(50〜200ppm)であることが好ましく、0.010〜0.018質量/容量%であることがより好ましく、0.010〜0.015質量/容量%であることがさらに好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料のpHは、3.0〜4.5であることが好ましく、3.0以上4.0未満がより好ましく、3.5以上4.0未満がさらに好ましい。飲料のpHが当該範囲内であることにより、グルコン酸及びフィチン酸をビールらしい酸味を達成するために充分な量含有させた場合でも、味のバランスを安定して達成させることができる。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、グルコン酸等に加えて、大豆ペプチドを含有することが好ましい。大豆ペプチドを含有させることにより、飲料のpHをより安定させることができる。また、大豆ペプチドは、起泡剤としても機能し得る。なお、大豆ペプチドは、例えば、分離大豆タンパクカードを酵素等により分解し、得られたタンパク分解物水溶液にクエン酸等の酸を加えてpHを酸性に調整して等電点沈殿を生じさせ、これを珪藻土濾過して不溶物を除去することにより調製できる。また、分離大豆タンパクカードは、例えば、大豆を脱脂した脱脂大豆を水抽出して酸沈殿させることにより調製することができる。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、さらに水溶性食物繊維を含有する事が好ましい。水溶性食物繊維とは、水に溶解し、かつヒトの消化酵素により消化されない又は消化され難い炭水化物を意味する。水溶性食物繊維は、コク感を高めることができる。また、水溶性食物繊維は、さらに起泡剤としても機能するため、別途起泡剤を配合せずとも泡品質のよい非発酵ビールテイスト飲料が得られる。水溶性食物繊維としては、例えば、大豆食物繊維、ポリデキストロース、難消化性デキストリン、ガラクトマンナン、イヌリン、グアーガム分解物、ペクチン、アラビアゴム等が挙げられる。本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料としては、大豆食物繊維を含有するものが好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、大豆ペプチドや水溶性食物繊維以外の起泡剤を含有していてもよい。当該起泡剤としては、例えば、大豆サポニン、アルギン酸エステル、キラヤサポニン等が挙げられる。これらの起泡剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、さらに、1種又は2種以上の甘味成分を含有することが好ましい。当該甘味成分としては、単糖よりも、比較的甘味度の低いものが好ましく、具体的には、多糖類、甘味系アミノ酸、高感度甘味料等が挙げられる。多糖類とは、3以上の単糖が重合した糖質を意味する。多糖類は、主にその大きさによって、でんぷん、デキストリン、及びオリゴ糖に大別される。オリゴ糖は、3〜10個程度の単糖が重合した糖質であり、デキストリンは、でんぷんを加水分解して得られる糖質であって、オリゴ糖よりも大きなものを指す。甘味系アミノ酸としては、アラニンやグリシンが挙げられ、アラニンが好ましい。当該高感度甘味料としては、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア、酵素処理ステビア、スクラロース等が挙げられる。本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料としては、少量の含有量で充分な甘味を達成でき、かつカロリーも抑えられることから、高感度甘味料を使用することが好ましい。
グルコン酸及びフィチン酸の併用により達成される酸味と、甘味とのバランスの点から、本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料としては、糖質含有量が低いものが好ましく、糖質濃度が0.5g/100mL以下であるものがより好ましく、糖質濃度が0.5g/100mL未満であるものがさらに好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、さらに、色素を含有することが好ましい。本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料が含有する色素としては、ビールらしい色を付与可能であり、かつ飲食可能な色素であれば特に限定されるものではないが、カラメル化反応物(カラメル色素)が特に好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、さらに、苦味料を含有することが好ましい。当該苦味料としては、製品である非発酵ビールテイスト飲料において、ビールと同質若しくは近似する苦味を呈するものであれば特に限定されるものではなく、ホップ中に含まれている苦味成分であってもよく、ホップには含まれていない苦味成分であってもよい。当該苦味料としては、具体的には、マグネシウム塩、カルシウム塩、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル、ナリンジン、クワシン、イソα酸、テトライソα酸、β酸の酸化物、キニーネ、モモルデシン、クエルシトリン、テオブロミン、カフェイン等の苦味付与成分、及びゴーヤ、センブリ茶、苦丁茶、ニガヨモギ抽出物、ゲンチアナ抽出物、キナ抽出物等の苦味付与素材が代表的に挙げられる。これらの苦味料は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料としては、さらに、香味料を含有していてもよい。当該香味料としては、ビールフレーバー、ビール香料、ホップ香料等が挙げられる。ホップ香料とは、例えば、ホップに含まれている香味成分であるリナロール(Linalool)、フムレンエポキシド、エステル類等を主要成分として含有する香料である。当該エステル類としては、具体的には、エチルイソブチレイト、エチル−2−メチルブチレイト、及び、エチルイソバレレイト等が挙げられる。
ノンアルコール飲料よりもアルコール飲料のほうが、酸味や甘味、苦味等の味がまとまりやすい傾向にある。このため、本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、エタノールを含有するアルコール飲料であってもよいが、グルコン酸及びフィチン酸の併用によるビールらしい酸味の達成という効果がより充分に発揮されることから、エタノール含有量が0.05容量%未満のいわゆるノンアルコール飲料であることが好ましく、原料としてエタノールを使用せずに製造された非発酵ビールテイスト飲料であることがより好ましい。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料がエタノールを含有する場合、飲料中のエタノール濃度は1容量%以上10容量%未満が好ましく、1〜9容量%がより好ましく、1〜8容量%がさらに好ましく、1〜7容量%がよりさらに好ましい。なお、エタノールは、酒類の製造において一般的に用いられている原料エタノールが用いられる。
本発明に係る非発酵ビールテイスト飲料は、例えば、各原料を混合する方法(調合法)によって製造できる。具体的には、以下の工程(a)〜(b)を有する製造方法により製造し得る。
(a)原料を混合することにより、調合液を調製する工程;及び(b)前記工程(a)により得られた調合液に炭酸ガスを加える工程。
まず、工程(a)において、原料を混合することにより、調合液を調製する。工程(a)においては、炭酸ガス以外の全ての原料を混合した調合液を調製することが好ましい。各原料を混合する順番は特に限定されるものではない。原料水に、全ての原料を同時に添加してもよく、先に添加した原料を溶解させた後に残る原料を添加する等、順次原料を添加してもよい。また、例えば、原料水に、固形(例えば粉末状や顆粒状)の原料及びアルコールを混合してもよく、固形原料を予め水溶液としておき、これらの水溶液、及びアルコール、必要に応じて原料水を混合してもよい。
工程(a)において調製された調合液に、不溶物が生じた場合には、工程(b)の前に、当該調合液に対して濾過等の不溶物を除去する処理を行うことが好ましい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、濾過法、遠心分離法等の当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。本発明においては、不溶物は濾過除去することが好ましく、珪藻土濾過により除去することがより好ましい。
次いで、工程(b)として、工程(a)により得られた調合液に炭酸ガスを加える。これにより、非発酵ビールテイスト飲料を得る。炭酸を加えることによって、ビールと同様の爽快感が付与される。なお、炭酸ガスの添加は、常法により行うことができる。例えば、工程(a)により得られた調合液、及び炭酸水を混合してよく、工程(a)により得られた調合液に炭酸ガスを直接加えて溶け込ませてもよい。
炭酸ガスを添加した後、得られた非発酵ビールテイスト飲料に対して、さらに濾過等の不溶物を除去する処理を行ってもよい。不溶物除去処理は、特に限定されるものではなく、当該技術分野で通常用いられている方法で行うことができる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以降の実施例において、特段の表記がない限り、「%」は「質量/容量%」を意味する。
[実施例1]
難消化性デキストリン(「ファイバーソルII」、松谷化学工業社製)、大豆食物繊維(「ソヤファイブ−S−LN」、不二製油社製)、大豆ペプチド(「ハイニュートD1」、不二製油社製)、カラメル(カラメルSP 天野実業社製)、ホップエキス(ホップスタイナー社製)及びアセスルファムカリウムの混合液からなるベース液に、表2及び3に記載の有機酸を添加してpHが3.8になるように調整した後、炭酸水500mLを添加し、次いで1Lに調製することにより、サンプル1−1〜1−14を調製した。なお、各サンプルにおける難消化性デキストリン、大豆食物繊維、大豆ペプチド、及びアセスルファムカリウムの最終濃度を表1に示す。
Figure 2016140065
各サンプルの酸味について、ビールについてよく訓練された10名の専門パネルによりブラインドでの官能評価を実施した。評価は、突出した酸味(○:酸味が突出していない、△:酸味がやや突出している、×:酸味が突出している。)、雑味(○:雑味がない、△:雑味がややある、×:雑味がある。)、及び酸味による適度な刺激(抑揚)(○:抑揚がある、△:抑揚がややある、×:抑揚がない。)について行った。各サンプルの評価結果を、専門パネルによるフリーコメントと共に表2及び3にそれぞれ示す。
Figure 2016140065
Figure 2016140065
この結果、リンゴ酸やクエン酸を用いたサンプル1−3、1−5、及び1−9は、酸味が突出しており、ビールらしさに乏しかった。また、その他の有機酸を1種類のみ用いたサンプル1−1、1−2、1−4、1−6、及び1−7や、リン酸と乳酸、リン酸と酒石酸を用いたサンプル1−8及び1−10は、酸味の突出はみられないものの、雑味があり、抑揚も弱かった。リン酸とグルコン酸を用いたサンプル1−11は、酸味は突出しておらず、抑揚も充分であったが、雑味がややあり、リン酸とフィチン酸を用いたサンプル1−12は、酸味は突出しておらず、雑味もなかったが、抑揚が弱かった。これに対して、リン酸とグルコン酸とフィチン酸を用いたサンプル1−13やグルコン酸とフィチン酸を用いたサンプル1−14は、酸味が突出しておらず、雑味もないが、充分な抑揚を有しており、ビールらしい酸味であった。
[実施例2]
有機酸として、グルコン酸及び/又はフィチン酸を用い、最終的に調製された飲料中のこれらの有機酸の濃度が表4及び5に記載の濃度となるように添加した以外は、実施例1と同様にして、サンプル2−1〜2−9を調製した。各サンプルのpHとグルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])を表4及び5に示す。この結果、各サンプルのpHはほぼ同程度であった。
各サンプルのビールらしい酸味について、10名の専門パネルによりブラインドでの官能評価を実施した。評価は、突出した酸味、雑味、抑揚について総合的に評価し、最終的に3段階(○:ビールらしい酸味である、△:ビールらしい酸味がややある、×:ビールらしい酸味ではない。)で評価した。各サンプルの評価結果を、専門パネルによるフリーコメントと共に表4及び5にそれぞれ示す。
Figure 2016140065
Figure 2016140065
この結果、飲料のpHはほぼ同程度であるにもかかわらず、グルコン酸とフィチン酸をそれぞれ単独で用いたサンプル2−1及び2−9よりも、両者を併用したサンプルのほうがビールらしい酸味を有していた。また、[フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度]が0.150〜0.476の範囲内であるサンプル2−3〜2−6は、[フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度]が当該範囲外であるサンプル2−2、2−7、及び2−8に比べて、よりビールらしい酸味を有しており、特に[フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度]が0.388〜0.476の範囲内であるサンプル2−5及び2−6は、味のバランスが良好であった。
[実施例3]
仕込槽に、粉砕麦芽30kgと温水100Lを投入し、50℃から76℃の範囲の温度でタンパク休止及び糖化を行った。得られた糖化液を濾過槽であるロイターにて濾過し、その後、煮沸釜に移して、液糖を主とする副原料10kgとホップ50gを添加し、液量を160Lに調整した上で60分間煮沸した。煮沸後の麦汁に、蒸発分の温水を追加し、ワールプール槽にて熱トルーブを除去した後、プレートクーラーを用いて3℃まで冷却し170Lの冷麦汁を得た。この冷麦汁に脱気水を加えて希釈した後、珪藻土を用いて濾過することによって清澄な麦汁を得た。この清澄な麦汁に、2.9ガスボリュームとなるように炭酸ガスを溶解させ、アルコールを含まない非発酵ビールテイスト飲料(ベース液)を得た。
得られたベース液に、最終濃度が表6に記載の濃度となるようにリン酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、及びフィチン酸をそれぞれ添加することによって、サンプル3−1〜3−2を調製した。
各サンプルのビールらしい酸味について、実施例2と同様にして評価した。各サンプルの評価結果を、酸味が強いと指摘した専門パネルの数(表中、「酸味の指摘人数」)と専門パネルによるフリーコメントと共に表6にそれぞれ示す。
Figure 2016140065
この結果、リン酸とリンゴ酸とクエン酸を用いたサンプル3−1では、酸味がやや強く、ビールらしくない酸味であったのに対して、リン酸とグルコン酸とフィチン酸を用いたサンプル3−2では、酸味が突出しておらず、ビールらしい酸味であった。なお、サンプル3−1では、リンゴ酸とクエン酸を用いたにもかかわらず、麦汁を原料としていない実施例1のサンプル1−3、1−5、及び1−9に比べて、酸味の突出がやや抑えられていた。これは、麦芽に由来する様々な成分によって、リンゴ酸とクエン酸の酸味がやや抑えられたためと推察される。
[実施例4]
実施例3で調製されたベース液に、最終濃度が表7に記載の濃度となるようにリン酸、グルコン酸、及びフィチン酸をそれぞれ添加することによって、サンプル4−1〜4−2を調製した。
各サンプルのビールらしい酸味について、専門パネル8名で行った以外は実施例3と同様にして評価した。各サンプルの評価結果を、酸味が強いと指摘した専門パネルの数(表中、「酸味の指摘人数」)と専門パネルによるフリーコメントと共に表7にそれぞれ示す。
Figure 2016140065
この結果、グルコン酸とフィチン酸を用いたサンプル4−2は、リン酸とグルコン酸とフィチン酸を用いたサンプル4−1と同様に、酸味の突出がなく、ビールらしい酸味であった。

Claims (9)

  1. グルコン酸及びフィチン酸を含有する、非発酵ビールテイスト飲料。
  2. さらに、リン酸を含有する、請求項1に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  3. グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.10〜0.70の範囲内である、請求項1又は2に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  4. グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.10〜0.60の範囲内である、請求項1又は2に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  5. グルコン酸に対するフィチン酸の濃度比率([フィチン酸濃度]/[グルコン酸濃度])が0.15〜0.50の範囲内である、請求項1又は2に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  6. さらに、大豆ペプチドを含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  7. pHが3.0以上4.0未満である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  8. エタノール含有量が0.05容量%未満である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
  9. エタノール含有量が0.05容量%以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の非発酵ビールテイスト飲料。
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