JP2022061202A - ビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法 - Google Patents

ビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】麦芽比率及び糖質含有量が低いながらも、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられるビールテイスト飲料を提供すること。【解決手段】麦芽比率が50質量%未満であり、糖質有含量が2.0g/100mL以下であり、酢酸エチル含有量が20mg/L以上65mg/L以下であり、かつ酢酸イソアミル含有量が2.5mg/L以上7.0mg/L以下である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料及びその製造方法、並びにビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法に関する。
近年の健康志向の上昇から、糖質含有量の低いビールテイスト飲料(例えば、糖質オフビールテイスト飲料)の需要が高まっている。そこで、糖質含有量の低いビールテイスト飲料の香味を改善する方法が検討されている。例えば、特許文献1には、低糖質発酵飲料またはその製造原料として適する発酵液の製造方法であって、1)下記成分を水と混合して発酵原液を調製する工程:a)糖化液を含む糖源、b)発酵により下記(2)で規定する量の酢酸イソアミルを生じさせるのに十分なロイシンまたはロイシン残基を含むアミノ酸源、及びc)所望によりホップおよび/または酵母エキス、および2)上記発酵原液を醸造用酵母により発酵させるが、その際、(A)発酵物上清中の不揮発性物質(真正エキスと呼ぶ)の量が4.0重量%未満、好ましくは2.5重量%未満に減少し、及び(B)発酵物上清中の酢酸イソアミルが2.0ppmを超え且つ10.0ppm未満になるまで、発酵を行って発酵液を得、所望であれば酵母の除去を行う工程、を含んでなる、上記発酵液の製造方法が開示されている。
特開2012-105673号公報
糖質含有量、及び麦芽の使用比率(麦芽比率)が低いビールテイスト飲料は、苦味のボリュームが充分ではなく、また酸味が目立ち甘味も少なく感じるという課題があった。本発明者らは、麦芽比率及び糖質含有量のいずれも低減されたビールテイスト飲料において、酢酸エチル含有量及び酢酸イソアミル含有量を特定の範囲内に調整することによって、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられるビールテイスト飲料が得られることを見出した。本発明は、この知見に基づくものであり、麦芽比率及び糖質含有量が低いながらも、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられるビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、麦芽比率が50質量%未満であり、糖質有含量が2.0g/100mL以下であり、酢酸エチル含有量が20mg/L以上65mg/L以下であり、かつ酢酸イソアミル含有量が2.5mg/L以上7.0mg/L以下である、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、酢酸エチル含有量及び酢酸イソアミル含有量が特定の範囲内にあることで、麦芽比率及び糖質含有量が低いながらも、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられる。
上記ビールテイスト飲料は、糖質含有量が0.3g/100mL以上1.0g/100mL以下であってもよい。本発明に係るビールテイスト飲料は、糖質含有量を上記範囲内にまで低減させた場合であっても、上述した効果を奏する。
本発明はまた、麦芽比率を50質量%未満に調整すること、糖質含有量を2.0g/100mL以下に調整すること、酢酸エチル含有量を20mg/L以上65mg/L以下に調整すること、及び酢酸イソアミル含有量を2.5mg/L以上7.0mg/L以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法に関する。
本発明に係る製造方法は、麦芽比率、糖質含有量、酢酸エチル含有量及び酢酸イソアミル含有量をそれぞれ特定の範囲内に調整することを含んでいるため、麦芽比率及び糖質含有量が低いながらも、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられるビールテイスト飲料を得ることができる。
本発明はさらに、麦芽比率を50質量%未満に調整すること、糖質含有量を2.0g/100mL以下に調整すること、酢酸エチル含有量を20mg/L以上65mg/L以下に調整すること、及び酢酸イソアミル含有量を2.5mg/L以上7.0mg/L以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法と捉えることもできる。
本発明によれば、麦芽比率及び糖質含有量が低いながらも、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられるビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率が50質量%未満であり、糖質有含量が2.0g/100mL以下であり、酢酸エチル含有量が20mg/L以上65mg/L以下であり、かつ酢酸イソアミル含有量が2.5mg/L以上7.0mg/L以下である。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、酢酸エチル含有量及び酢酸イソアミル含有量が特定の範囲内にあることで、麦芽比率及び糖質含有量が低いながらも、苦味のボリュームが充分に感じられると共に、不快な酸味が低減され、かつ優しい自然な甘味を感じられる。
本明細書において「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるビールテイストアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるノンアルコールビールテイスト飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ビールテイストアルコール飲料としては、これに限られるものではないが、例えば、酒税法(令和二年法律第八号)上の発泡酒、その他の醸造酒、リキュールに分類されるものが挙げられる。本実施形態に係るビールテイストアルコール飲料は、上記例示したものに限られない。
ビールテイストアルコール飲料のアルコール度数は、特に制限されず、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、4v/v%以上、又は5v/v%以上であってよい。また、ビールテイストアルコール飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6v/v%以下、5v/v%以下、4v/v%以下、又は3v/v%以下であってよい。
ノンアルコールビールテイスト飲料は、実質的にアルコールを含有しないビールテイスト飲料である。ノンアルコールビールテイスト飲料のアルコール度数は、1v/v%未満であればよく、0.5v/v%以下であってよく、0.1v/v%以下であってよく、0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。
ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)「3清酒 3-4アルコール分」に記載されている振動式密度計法に基づいて測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酢酸エチル含有量は、20mg/L以上65mg/L以下であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酢酸エチル含有量は、本発明による効果がより顕著になることから、例えば、25mg/L以上65mg/L以下であってよく、30mg/L以上60mg/L以下であってよく、35mg/L以上55mg/L以下であってよく、40mg/L以上50mg/L以下であってよい。
ビールテイスト飲料中の酢酸エチル含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酢酸エチル含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲になるように酢酸エチルを添加する方法、酢酸エチルの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法、醸造条件の制御(例えば、発酵温度等)により酢酸エチルの生成量を制御する方法、酢酸エチル高産生能酵母を用いる方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。酢酸エチルを添加する方法において、酢酸エチルの添加は、例えば、酢酸エチルそのものを添加してもよく、酢酸エチルを含有する香料組成物、原料等を添加してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酢酸イソアミル含有量は、2.5mg/L以上7.0mg/L以下であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酢酸イソアミル含有量は、本発明による効果がより顕著になることから、例えば、3.0mg/L以上7.0mg/L以下であってよく、3.5mg/L以上6.5mg/L以下であってよく、4.0mg/L以上6.0mg/L以下であってよく、4.5mg/L以上5.5mg/L以下であってよい。
ビールテイスト飲料中の酢酸イソアミル含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料中の酢酸イソアミル含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲になるように酢酸イソアミルを添加する方法、酢酸イソアミルの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法、醸造条件の制御(例えば、発酵温度等)により酢酸イソアミルの生成量を制御する方法、酢酸イソアミル高産生能酵母を用いる方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。酢酸イソアミルを添加する方法において、酢酸イソアミルの添加は、例えば、酢酸イソアミルそのものを添加してもよく、酢酸イソアミルを含有する香料組成物、原料等を添加してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。麦芽としては、麦芽を製造する際の焙燥や焙煎を比較的高い温度(例えば約120℃)で行い、焦がすことで製造した色麦芽(例えば、カラメル麦芽、クリスタル麦芽、黒麦芽、チョコレート麦芽、コーヒー麦芽等)を用いてもよい。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、原料としてホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が50質量%未満である。麦芽比率は、5質量%以上、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上、又は45質量%以上であってよい。また、麦芽比率は、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、25質量%未満、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として糖類を含有していてもよい。糖類としては、例えば、液糖、及びグラニュー糖などの粉状の糖を挙げることができる。糖類を使用する場合、糖類の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってよい。また、糖類の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、85質量%以下、80質量%以下、75質量%以下、70質量%以下、65質量%以下、又は60質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として水溶性食物繊維を含有していてもよい。水溶性食物繊維とは、水に可溶な食物繊維である。食物繊維とは、人の消化酵素で消化されない、食品中の難消化成分である。水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、難消化性グルカン、その他の難消化性多糖類等であってよい。水溶性食物繊維は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。水溶性食物繊維を使用する場合、水溶性食物繊維の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってよい。また、水溶性食物繊維の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、又は6質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、イソα酸、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、2.0g/100mL以下であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば、1.8g/100mL以下であってよく、1.6g/100mL以下であってよく、1.4g/100mL以下であってよく、1.2g/100mL以下であってよく、1.0g/100mL以下であってよく、0.9g/100mL以下であってよく、0.8g/100mL以下であってよく、0.7g/100mL以下であってよく、0.6g/100mL以下であってよく、栄養表示基準における「糖質ゼロ」、すなわち0.5g/100mL以下であってもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば、0g/100mL超であってよく、0.1g/100mL以上であってよく、0.2g/100mL以上であってよく、0.3g/100mL以上であってよく、0.4g/100mL以上であってよい。糖質含有量は、原料の種類及び使用量等によって調節することができる。
本明細書において糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。ビールテイスト飲料中の糖質含有量は、当該ビールテイスト飲料の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除することにより算定される。タンパク質、脂質、灰分、水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法又はプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、0.0以上50.0以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、例えば、40.0以下、30.0以下、20.0以下、又は15.0以下であってよく、1.0以上、2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上、又は10.0以上であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、ビールテイスト飲料の麦芽比率を50質量%未満に調整すること、ビールテイスト飲料中の糖質含有量を2.0g/100mL以下に調整すること、ビールテイスト飲料中の酢酸エチル含有量を20mg/L以上65mg/L以下に調整すること、及びビールテイスト飲料中の酢酸イソアミル含有量を2.5mg/L以上7.0mg/L以下に調整することを含む製造方法により製造することができる。当該製造方法は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造するものであってもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造するものであってもよい(発酵法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水と、酢酸エチルと、酢酸イソアミルと、必要に応じて、アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ及びウォッカ等の蒸留アルコール、醸造により得られた発酵液)及び/又は各種添加物(例えば、苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類、水溶性食物繊維等)と、その他麦汁等の原料とを原料タンクに配合する配合工程を含む。配合工程は、麦芽比率、糖質含有量、酢酸エチル含有量及び酢酸イソアミル含有量を上記範囲内に調整することの他は、常法に従って実施することができる。酢酸エチルは、酢酸エチルそのものを配合してもよく、酢酸エチルを含む香料組成物、食品添加物、原料として配合してもよい。酢酸イソアミルは、酢酸イソアミルそのものを配合してもよく、酢酸イソアミルを含む香料組成物、食品添加物、原料等として配合してもよい。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。
他の実施形態における製造方法(発酵法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、例えば、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る工程であってよい。仕込工程はまた、例えば、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含むものであってよい。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)、各種添加物(例えば、苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類、水溶性食物繊維)の添加等を行ってもよい。
酢酸エチルの含有量の調整は、例えば、酢酸エチルを原料液に添加することにより実施することができる。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。酢酸エチルの含有量の調整はまた、例えば、酢酸エチルの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法、醸造条件の制御(例えば、発酵温度等)により酢酸エチルの生成量を制御する方法、酢酸エチル高産生能酵母を用いる方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法によって、酢酸エチルの含有量の調整を行ってもよい。
酢酸イソアミルの含有量の調整は、例えば、酢酸イソアミルを原料液に添加することにより実施することができる。また、酢酸イソアミルの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法、醸造条件の制御(例えば、発酵温度等)により酢酸イソアミルの生成量を制御する方法、酢酸イソアミル高産生能酵母を用いる方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法によって、酢酸イソアミルの含有量の調整を行ってもよい。
〔ビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法〕
上述した本発明は、麦芽比率を50質量%未満に調整すること、糖質含有量を2.0g/100mL以下に調整すること、酢酸エチル含有量を20mg/L以上65mg/L以下に調整すること、及び酢酸イソアミル含有量を2.5mg/L以上7.0mg/L以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法と捉えることもできる。当該方法における具体的な態様等として、上述した態様を制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1:ビールテイスト飲料の製造及び評価〕
(ビールテイスト飲料の製造)
麦芽(麦芽比率50質量%未満)、糖類(水及びホップ以外の原料に占める割合40質量%以上)、ホップ及び水溶性食物繊維を用いて、常法により発酵前液を得た。発酵前液にビール酵母を添加して発酵させ、発酵後液を得た。発酵後液にアルコールを添加した後、これを濾過し、試験例1-1のビールテイスト飲料(アルコール度数4.34v/v%、酢酸エチル含有量14.9mg/L、酢酸イソアミル含有量2.0mg/L、糖質含有量0.39g/100mL、BU22.6)を得た。次いで、試験例1-1のビールテイスト飲料に表1に示す濃度となるように酢酸エチル及び/又は酢酸イソアミルを添加し、試験例1-2~1-10のビールテイスト飲料を得た。
ビールテイスト飲料中の糖質含有量は、以下の方法で測定した。まず、測定サンプルの水分、アルコール分、タンパク質、灰分の量をそれぞれ測定した。水分及びアルコール分の合計重量は、常圧加熱乾燥法により測定した。タンパク質量は、改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法により測定した。灰分量は、直接灰化法により測定した。測定サンプル中の脂質量を0g/100mLとみなし、測定サンプルの重量から、水分、アルコール分、タンパク質量、灰分量及び食物繊維量を引いた値を測定サンプルの糖質含有量(g/100mL)として算定した。
ビールテイスト飲料の酢酸エチル含有量及び酢酸イソアミル含有量は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.22 低沸点香気成分」に記載の方法によって測定した。
(官能評価)
得られたビールテイスト飲料に対して、「不快な酸味」、「苦味のボリューム」及び「優しい自然な甘味」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。
「不快な酸味」は、評点が高いほど不快な酸味を強く感じることを示す。すなわち、不快な酸味は評点が低いほど好ましく感じることを意味する。「苦味のボリューム」は、評点が高いほど苦味のボリュームを強く感じることを示す。「優しい自然な甘味」は、評点が高いほど優しい自然な甘味(単純な甘味強度のみではなく、柔らかな甘味)を強く感じることを示す。なお、試験例1-1のビールテイスト飲料の「不快な酸味」、「苦味のボリューム」及び「優しい自然な甘味」の評点をそれぞれ5点、1点及び1点として固定し、これを基準として他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022061202000001
表1に示すとおり、麦芽比率及び糖質含有量が低いビールテイスト飲料であっても、酢酸エチル含有量が20mg/L以上65mg/L以下の範囲内にあり、かつ酢酸イソアミル含有量が2.5mg/L以上7.0mg/L以下の範囲内にあることで、「不快な酸味」が低減し、「苦味のボリューム」及び「優しい自然な甘味」を充分に感じることができる。

Claims (4)

  1. 麦芽比率が50質量%未満であり、糖質有含量が2.0g/100mL以下であり、酢酸エチル含有量が20mg/L以上65mg/L以下であり、かつ酢酸イソアミル含有量が2.5mg/L以上7.0mg/L以下である、ビールテイスト飲料。
  2. 糖質含有量が0.3g/100mL以上1.0g/100mL以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 麦芽比率を50質量%未満に調整すること、糖質含有量を2.0g/100mL以下に調整すること、酢酸エチル含有量を20mg/L以上65mg/L以下に調整すること、及び酢酸イソアミル含有量を2.5mg/L以上7.0mg/L以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  4. 麦芽比率を50質量%未満に調整すること、糖質含有量を2.0g/100mL以下に調整すること、酢酸エチル含有量を20mg/L以上65mg/L以下に調整すること、及び酢酸イソアミル含有量を2.5mg/L以上7.0mg/L以下に調整することを含む、ビールテイスト飲料に苦味のボリュームを付与する方法。
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