JP2024015281A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】糖質含有量が低減されながらも香味のバランスが優れたビールテイスト飲料を提供することを目的とする。【解決手段】原料中の麦芽の比率が50重量%以上であり、糖質含有量が1.60g/100ml以下であり、アルコール度数が6.0v/v%以上である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明はビールテイスト飲料に関する。
糖質含有量が低減されたビールテイスト飲料の需要が高まっている。例えば特許文献1には、分子量800~1500Daのペプチドの比率を特定範囲内にすることを特徴とする低糖質のビールテイスト飲料が開示されている。
特開2018-042494号広報
しかし、ビールテイスト飲料において、糖質含有量が低減されながらも香味のバランスが優れる技術手段の検討は、充分に行われておらず、このような技術手段の開発が望まれていた。
そこで、本発明は上記事情に鑑みたものであり、糖質含有量が低減されながらも香味のバランスが優れたビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、原料中の麦芽の比率が50重量%以上であり、糖質含有量が1.60g/100ml以下であり、アルコール度数が6.0v/v%以上である、ビールテイスト飲料に関する。
上記ビールテイスト飲料は、原料中の麦芽の比率、糖質含有量及びアルコール度数が特定の範囲内にあるため、糖質含有量が低減されながらも、香味のバランスが優れる。
一態様において、ビールテイスト飲料は、糖質含有量x(g/100ml)及びアルコール度数y(v/v%)が下記式(1)の条件を満たしてよい。このような条件を満たすことにより、「アルコール臭」及び「エグ味」がより抑えられ、「甘味」及び「キレ」がより良好になり、香味のバランスがより優れる。
y≦21x-13 (1)
一態様において、ビールテイスト飲料は、糖質含有量が1.20g/100ml以上であってよい。これにより、「マイルドさ」がより良好になり、香味のバランスがより優れる。
一態様において、ビールテイスト飲料は、糖質含有量が1.40g/100ml以下であってよい。
一態様において、ビールテイスト飲料は、アルコール度数が13.0v/v%以下であってよい。これにより、香味のバランスがより優れる。
一態様において、ビールテイスト飲料は、アルコール度数が7.0v/v%以上であってよい。これにより、「マイルドさ」がより良好になり、香味のバランスがより優れる。
一態様において、ビールテイスト飲料は、原料中の麦芽の比率が66重量%以上であってよい。
一態様において、ビールテイスト飲料は、原料中の麦芽の比率が99重量%以上であってよい。
一態様において、ビールテイスト飲料は、リナロール濃度が1.0μg/L以上であってよい。
本発明によれば、糖質含有量が低減されながらも香味のバランスが優れたビールテイスト飲料を提供することができる。
実施例及び比較例のビールテイスト飲料の糖質含有量及びアルコール度数を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、ppmはmg/Lを意味する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料中の麦芽の比率が50重量%以上であり、糖質含有量が1.6g/100ml以下であり、アルコール度数が6.0v/v%以上である。
本明細書において、ビールテイスト飲料とは、ビールのような味及び香りを呈するものであって、飲用の際にビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料を意味する。ビールテイスト飲料としては、例えば、日本国酒税法(平成三十年四月一日時点)上のビール、発泡酒、リキュール又はスピリッツに分類されるものであってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料において、糖質含有量x(g/100ml)及びアルコール度数y(v/v%)の関係は、下記式(1)に示す条件を満たしてよい。
y≦21x-13 (1)
本明細書における糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除することにより算定される。タンパク質、脂質、灰分及び水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定する。水分及びアルコール分の合計のうち、アルコール分の量は、国税庁所定分析方法平成19年国税庁訓令第6号記載の蒸留-密度(比重)法、ガスクロマトグラフ分析法、酸化法等で測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、1.60g/100ml以下である。ビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば、1.55g/100ml以下、1.50g/100ml以下、1.45g/100ml以下、1.40g/100ml以下又は1.35g/100ml以下であってよい。また、ビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば、0.00g/100mlであってよく、0.05g/100ml以上、0.10g/100ml以上、0.20g/100ml以上、0.50g/100ml以上、0.75g/100ml以上、1.00g/100ml以上又は1.10g/100ml以上であってよく、香味のバランスの観点から、1.20g/100ml以上、1.25g/100ml以上又は1.30g/100ml以上が好ましい。ビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば、使用する原料の種類及び量を調整することによって、調整することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、アルコール度数が6.0v/v%以上である。ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、6.5v/v%以上であってよく、香味のバランスの観点から、7.0v/v%以上が好ましい。また、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、20.0v/v%以下又は15.0v/v%以下であってよく、香味のバランスの観点から、13.0v/v%以下、12.0v/v%以下、11.0v/v%以下、10.0v/v%以下又は9.0v/v%以下が好ましく、8.5v/v%以下、8.0v/v%以下、7.5v/v%以下又は7.0v/v%以下がより好ましい。
本発明の一実施形態において、糖質含有量x(g/100ml)及びアルコール度数y(v/v%)の関係は、下記式(2)、(3)及び(4)に示す条件を満たしてよい。
y≦ax+b(2)
(9.0-1.29a-b)(6.0-1.15a-b)<0 (3)
7.0-1.34a-b≦0(4)
上記式(3)を満たす直線y=ax+bは、点(X、Y)=(1.29、9.0)と点(X、Y)=(1.15、6.0)との間に存在する直線を意味する。上記式(2)及び(4)を満たす(X、Y)領域は、上記式(3)を満たす直線y=ax+bを境に、点(X、Y)=(1.34、7.0)が存在する領域を意味する。本実施形態において、点(X、Y)=(1.34、7.0)は、当該直線y=ax+bよりも下、又は、当該直線y=ax+b上に存在することとなる。
上記式(2)、(3)及び(4)において、aは、例えば、1、2、5、10又は30であってよい。また、上記式(2)、(3)及び(4)において、bは、例えば、-29、-4、2、5又は7であってよい。
本発明の一実施形態において、糖質含有量x(g/100ml)及びアルコール度数y(v/v%)の関係は、下記式(5)、(6)及び(7)に示す条件を満たしてよい。
y≧ax+b (5)
(9.0-1.29a-b)(6.0-1.15a-b)<0 (6)
7.0-1.34a-b≧0 (7)
上記式(6)を満たす直線y=ax+bは、点(X、Y)=(1.29、9.0)と点(X、Y)=(1.15、6.0)との間に存在する直線を意味する。上記式(5)及び(7)を満たす(X、Y)領域は、上記式(6)を満たす直線y=ax+bを境に、点(X、Y)=(1.34、7.0)が存在する領域を意味する。本実施形態において、点(X、Y)=(1.34、7.0)は、当該直線y=ax+bよりも上、又は、当該直線y=ax+b上に存在する。
上記式(5)、(6)及び(7)において、aは、例えば、-30、-20、-10、-2、-1又は2であってよい。また、上記式(5)、(6)及び(7)において、bは、例えば、4、8、9.5、20、30又は45であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のリナロール濃度は、例えば、0.5μg/l以上、1.0μg/l以上、2.0μg/l以上、5.0μg/l以上又は7.5μg/l以上であってよく、香味のバランスの観点から、10.0μg/l以上、20.0μg/l以上又は30.0μg/l以上であることが好ましい。また、ビールテイスト飲料のリナロール濃度は、例えば、500.0μg/l以下、200.0μg/l以下、100.0μg/l以下又は50.0μg/l以下であってよく、香味のバランスの観点から、40.0μg/l以下、35.0μg/l以下又は30.0μg/l以下であることが好ましい。
リナロールはホップに含まれる成分である。ビールテイスト飲料のリナロール濃度は、例えば、ホップの種類、使用量、添加タイミング等を調整することによって、調整することができる。ホップとは別にリナロールを添加してリナロール濃度を調整してもよい。
ビールテイスト飲料のリナロール濃度は、SPME-GC-MS法で測定することができる。当該方法では、標準添加法を用いることが好ましい。測定に際し、夾雑物質の影響を受ける場合、及び/又は感度が不足する場合には、ファイバーの種類、吸着温度、吸着時間、カラムの種類等の条件を適宜変更するか、または、GC/MS/MS又は2次元GC-MSを用いることが好ましい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料中の麦芽の比率が50重量%以上である。原料中の麦芽の比率は、60重量%以上、65重量%以上、66重量%以上、67重量%以上、70重量%以上、80重量%以上、90重量%以上、95重量%以上、99重量%以上又は100重量%であってよい。また、原料中の麦芽の比率は、100重量%未満、90重量%以下、95重量%以下、90重量%以下、80重量%以下又は70重量%以下であってよい。
麦芽は麦を発芽させることにより得られる。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等が挙げられる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦芽以外の麦原料を含んでいてよい。麦芽以外の麦原料としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦等の麦;麦エキス等の麦加工物等が挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキスを抽出することにより得られる。
ビールテイスト飲料の原料としては、麦原料以外の原料として副原料を用いてもよい。副原料としては、コーン、コーンスターチ、コーングリッツ、米、こうりゃん等の澱粉原料、液糖、砂糖等の糖質原料が挙げられる。ビールテイスト飲料の原料として、酒税法の第三条第十二号ロに記載の政令で定める果実及び香味料を更に含んでいてもよい。これらの原料を含有する場合、上記果実及び香味料の含有量は、麦芽100重量部に対して、5重量部未満であることが好ましい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、副原料としてタンパク質分解物を用いてもよい。タンパク質分解物は、動物又は植物に由来するタンパク質の分解物であってよい。タンパク質分解物は、タンパク質の加水分解(例えば、酸、酵素等による加水分解)によって得られる。タンパク質分解物としては、例えば、小麦タンパク質分解物、大豆タンパク質分解物、とうもろこしタンパク質分解物、乳タンパク質分解物、エンドウタンパク質分解物等が挙げられる。タンパク質分解物には、ペプチド、タンパク質、アミノ酸等が含まれている。タンパク質分解物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、飲料に通常配合される酸味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、塩類等の添加剤を含んでいてもよい。酸味料としては、例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、リン酸、コハク酸、酒石酸、酢酸等を挙げることができる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素等を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプン等を挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、リチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム等を挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール等を挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム等を挙げることができる。これらの添加剤は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、1~50であってよく、40.0未満、30.0未満、20.0未満、10.0未満、5.0未満、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下、0.5以下又は0であってよく、0.5以上、1.0以上、1.5以上、2.0以上、2.5以上、3.0以上、5.0以上、10.0以上、15.0以上、20.0以上又は30.0以上であってよい。
苦味価は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器又は樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
一実施形態における製造方法は、麦芽の比率が50重量%以上である原料を用い、糖質含有量が1.6g/100ml以下であり、アルコール度数が6.0v/v%以上となるように調整すること以外は、常法に従って製造することができる。本実施形態に係る製造方法は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液(糖含有液)にホップを添加してもよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。
本実施形態に係る製造方法では、仕込工程において酵素を添加してもよい。この場合、原料中の糖質を酵母が資化可能な糖へ分解する反応を促進することができる。仕込工程で添加される酵素としては、例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、プルラナーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ(β-グルカナーゼを含む)、ヘミセルラーゼ等の多糖分解酵素、プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素等が挙げられる。酵素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。酵素の添加量は、例えば、麦芽の総量に対して0.001重量%以上、0.01重量%以上、0.05重量%以上、0.1重量%以上、0.5重量%以上、1.0重量%以上又は2.0重量%以上であってよく、5.0重量%以下、3.0重量%以下、1.0重量%以下、0.5重量%以下、0.4重量%以下、0.3重量%以下又は0.1重量%以下であってよい。
発酵工程では、発酵前液を酵母により発酵させて発酵後液を得る。発酵工程では、酵母を添加してアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)、各種添加剤(例えば、着色料、酸化防止剤、酸味料、苦味料、香料)の添加、アルコールの添加、カーボネーション等を行ってもよい。発酵後工程で添加するアルコールとしては、例えば、スピリッツを用いることができる。
ビールテイスト飲料が非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)である場合は、上記発酵工程を行うことなく製造してもよい。
他の実施形態における製造方法は、例えば、水と、原料と、必要に応じて、蒸留アルコール及び各種添加剤(例えば、着色料、酸化防止剤、酸味料、苦味料、香料等)と、を原料タンクに配合する配合工程を含む。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ビン、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料品の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一の殺菌工程及び第二の殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、第一の殺菌工程と充填工程の間でカーボネーションを行うとよい。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔試験例1:ビールテイスト飲料の調製〕
エンドウタンパク及び表1に示す原料を用いて実施例1及び2のビールテイスト飲料を調製した。
ホップ、多糖分解酵素及び表1に示す原料を用いて常法により、発酵前液を得た。なお、エンドウタンパクの量は0.1重量%未満とした。次いで、発酵前液にビール酵母を添加して発酵させ、発酵後液を得た。発酵後液を濾過し、実施例1及び2のビールテイスト飲料を得た。
Figure 2024015281000001
〔試験例2:ビールテイスト飲料の調製及び評価〕
実施例1のビールテイスト飲料に、表2に示すアルコール濃度となるようにアルコールを添加し、実施例3及び4のビールテイスト飲料を得た。実施例1のビールテイスト飲料を、表2に示すアルコール濃度となるように水で希釈し、実施例5及び比較例1のビールテイスト飲料を得た。実施例2のビールテイスト飲料に、表2に示す糖質含有量となるように糖類を添加し、実施例6及び比較例2のビールテイスト飲料を得た。市販品のビールテイスト飲料(アルコール度数:5.0v/v%、糖質含有量:1.0~1.5g/100ml)を比較例3のビールテイスト飲料とした。実施例1及び3~6及び比較例1~3のビールテイスト飲料における糖質含有量及びアルコール度数の関係を図1に示す。
Figure 2024015281000002
<官能評価>
実施例1及び3~6及び比較例1~3のビールテイスト飲料に対して、「アルコール臭」、「甘味」、「マイルドさ」、「キレ」、「エグ味」及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル2名により実施した。「アルコール臭」、「甘味」、「マイルドさ」、「キレ」及び「エグ味」の評価項目は、いずれも評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。結果を表2に示す。
「アルコール臭」は、薬品的なアルコールの香りであり、評点が低いほど好ましくないアルコール臭を強く感じることを示す。「甘味」は、甘味が強すぎることがなく弱すぎることもない、適度な甘味であり、評点が高いほど、好ましい適度な甘味を感じることを示す。「マイルドさ」は、マイルドな飲みやすい感覚であり、評点が高いほど好ましいマイルドさを強く感じることを示す。「キレ」は、後味が口に残らない感覚であり、評点が高いほどキレを強く感じることを示す。「エグ味」は、飲料を飲んだ際に後に残るエグ味であり、評点が低いほど好ましくないエグ味を強く感じることを示す。なお、「アルコール臭」、「甘味」、「マイルド」、「切れず」及び「エグ味」の官能評価は、比較例1のビールテイスト飲料の評点をそれぞれ5点、3点、1点、4点及び4点として固定し、これを基準として他のビールテイスト飲料を評価した。
「総合評価」は、以下の基準により、各ビールテイスト飲料の香味を、A~Eの5段階で評価した。結果を表2に示す。なお、合計スコアとは、「アルコール臭」、「甘味」、「マイルドさ」、「キレ」及び「エグ味」の評価スコアの合計を示す。
A:「合計スコアが17.5以上であり、かつ、ホップのような爽やかな香りをほど良く感じる」
B:「合計スコアが17.5以上であり、かつ、『アルコール臭』、『甘味』、『マイルドさ』、『キレ』及び『エグ味』の全ての評価スコアが2.5より大きい(ただし、Aを除く)」
C:「合計スコアが17.5以上であり、かつ、『アルコール臭』、『甘味』、『マイルドさ』、『キレ』及び『エグ味』のうち少なくとも1つの評価スコアが2.5以下である」、又は、「合計スコアが16.0以上17.5未満であり、かつ、『アルコール臭』、『甘味』、『マイルドさ』、『キレ』及び『エグ味』の全ての評価スコアが1.5より大きい」
D:「合計スコアが13.5以上16.0未満であり、かつ、『アルコール臭』、『甘味』、『マイルドさ』、『キレ』及び『エグ味』の全ての評価スコアが1.5より大きい」
E:「合計スコアが13.5未満である」、又は、「『アルコール臭』、『甘味』、『マイルドさ』、『キレ』及び『エグ味』のうち少なくとも1つの評価スコアが1.5以下である」
原料中の麦芽の比率が99重量%以上であり、糖質含有量が1.60g/100ml以下であり、アルコール度数が6.0v/v%以上である、ビールテイスト飲料(実施例1及び3~5のビールテイスト飲料)は、比較例1~3のビールテイスト飲料と比較して、総合評価が高く、香味のバランスが優れていることが示された。また、麦芽の量を減らした場合であっても、同様の傾向が示された(実施例6のビールテイスト飲料)。
実施例の中でも、糖質含有量x(g/100ml)及びアルコール度数y(v/v%)が下記式(1)の条件を満たす実施例1、3、5及び6のビールテイスト飲料は、「アルコール臭」及び「エグ味」より抑えられ、「甘味」及び「キレ」がより良好になり、香味のバランスがより優れることが示された。
y≦21x-13 (1)
上記の条件に加え、糖質含有量が1.20g/100ml以上である実施例1、3及び6のビールテイスト飲料は、「マイルドさ」がより良好になり、香味のバランスがより優れることが示された。また、アルコール度数が8.5v/v%以下である実施例1、5及び6のビールテイスト飲料は、「アルコール臭」及び「エグ味」がより抑えられ、「キレ」がより良好になり、香味のバランスがより優れることが示された。
アルコール度数が7.0v/v%以上である実施例1、3、4及び6のビールテイスト飲料は、「マイルドさ」がより良好になり、香味のバランスがより優れることが示された。
〔試験例3:ビールテイスト飲料の調製及び評価〕
実施例1のビールテイスト飲料に、表3に示すリナロール濃度となるようにリナロールを添加し、実施例7~10のビールテイスト飲料を得た。実施例7~10のビールテイスト飲料における糖質含有量及びアルコール度数の関係を図1に示す。
Figure 2024015281000003
実施例7~10のビールテイスト飲料の官能評価は、試験例2のビールテイスト飲料と同様にして行った。結果を表3に示す。
リナロール濃度が10.0μg/L以上30.0以下μg/Lであると、総合評価が高く、香味バランスがより優れることが示された。

Claims (3)

  1. 原料中の麦芽の比率が50重量%以上であり、糖質含有量が1.00g/100ml以上であり、糖質含有量x(g/100ml)及びアルコール度数y(v/v%)が下記式(5)の条件を満たす、ビールテイスト飲料。
    y≧2x+4 (5)
  2. アルコール度数が7.0v/v%以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. リナロール濃度が1.0μg/L以上である、請求項1又は2に記載のビールテイスト飲料。

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