JP2024039759A - ビールテイスト飲料 - Google Patents

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千晶 岡本
隆之 小杉
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Abstract

【課題】本発明は、麦芽比率が高く、かつプリン体含有量が低いビールテイスト飲料においても、清酒様の香味が低減されたビールテイスト飲料を提供することを目的とする。【解決手段】麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であり、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上である、ビールテイスト飲料。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料に関する。
近年、健康志向の上昇からプリン体含有量が低減されたビールテイスト飲料の需要が高まっている。プリン体含有量が低減されたビールテイスト飲料に関しては、これまでに様々な飲料が開示されている。例えば、特許文献1又は2には、プリン体の含有量が一定量以下の飲料において、プリン体濃度とプロリン濃度との比が所定の範囲内である、飲みごたえのある又は優れた味わいのビールテイスト飲料が開示されている。
国際公開第2019/130458号公報 特開2020-167955号公報
一方、本発明者らの検討によれば、麦芽比率が高いかつプリン体含有量が低いビールは、清酒様の香味を有するためビールらしさがないという課題を見出した。しかしながら、上記の課題を解決する技術手段は十分に検討されていなかった。
そこで本発明は、麦芽比率が高く、かつプリン体含有量が低いビールテイスト飲料においても、清酒様の香味が低減されたビールテイスト飲料を提供することを目的とする。
本発明は、麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であり、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上である、ビールテイスト飲料に関する。
本発明に係るビールテイスト飲料は、総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整しているため、麦芽比率が50質量%以上、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満でありながら、清酒様の香味が低減されている。
上記ビールテイスト飲料は、プリン体含有量が、2.5mg/100mL以下であってもよい。本発明に係るビールテイスト飲料は、プリン体含有量を上記範囲内まで低減させた場合であっても、上述した効果を奏する。
上記ビールテイスト飲料は、プリン体含有量が、0.5mg/100mL以下であってもよい。本発明に係るビールテイスト飲料は、プリン体含有量をさらに上記範囲内まで低減させた場合であっても、上述した効果を奏する。
上記ビールテイスト飲料は、総ポリフェノール含有量が、50mg/L以上であってもよい。総ポリフェノール含有量がこの範囲内にあることで、より清酒様の香味を低減させることができる。
上記ビールテイスト飲料は、4-ビニルグアイアコール含有量が10μg/L以上であってもよい。
本発明はまた、麦芽比率を50質量%以上に調整する工程、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整する工程、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法にも関する。
本発明は更に、麦芽比率を50質量%以上に調整すること、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整すること、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の清酒様の香味を低減する方法にも関する。
本発明は、例えば、以下に示す発明を包含する。
[1]
麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であり、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上である、ビールテイスト飲料。
[2]
上記プリン体含有量が、2.5mg/100mL以下である[1]に記載のビールテイスト飲料。
[3]
上記プリン体含有量が、0.5mg/100mL以下である、[1]又は[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
上記総ポリフェノール含有量が、50mg/L以上である、[1]~[3]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[5]
4-ビニルグアイアコール含有量が10μg/L以上である、[1]~[4]のいずれかに記載のビールテイスト飲料。
[6]
麦芽比率を50質量%以上に調整する工程、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整する工程、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
[7]
麦芽比率を50質量%以上に調整すること、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整すること、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の清酒様の香味を低減する方法。
本発明によれば、麦芽比率が高く、かつプリン体含有量が低いビールテイスト飲料においても、清酒様の香味が低減されたビールテイスト飲料を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
〔ビールテイスト飲料〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であり、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上である。
本明細書において、「ビールテイスト飲料」とは、ビール様の香味を有する飲料を意味する。本実施形態に係るビールテイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるビールテイストアルコール飲料であってもよく、アルコール度数が1v/v%未満であるビールテイストノンアルコール飲料であってもよい。なお、本明細書においてアルコールとは、特に言及しない限りエタノールを意味する。
ビールテイストアルコール飲料としては、これに限られるものではないが、例えば、酒税法(令和二年法律第八号)上の「発泡性酒類」(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)に分類されるものが挙げられる。なお、前記したその他の発泡性酒類としては、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」や「リキュール(発泡性)(2)」がある。また、ビールテイスト飲料としては、ビール様の香味を奏していればよく、酒税法で定義される発泡性酒類には属さない飲料および清涼飲料水(例えばノンアルコールビールテイスト飲料など)も挙げることができる。本実施形態に係るビールテイストアルコール飲料は、上記例示したものに限られない。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がビールテイストアルコール飲料である場合、アルコール度数は、特に制限されず、例えば、1v/v%以上、2v/v%以上、3v/v%以上、3.5v/v%以上、4v/v%以上、4.5v/v%以上、5v/v%以上、5.5v/v%以上、6.0v/v%以上又は6.5v/v%以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、20v/v%以下、15v/v%以下、10v/v%以下、9v/v%以下、8v/v%以下、7v/v%以下、6.5v/v%以下、6v/v%以下、5.5v/v%以下、5v/v%以下、4.5v/v%以下、4v/v%以下、3.5v/v%以下、又は3v/v%以下であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料がビールテイストノンアルコール飲料である場合、アルコール度数は、特に制限されないが、1v/v%未満であればよく、0.9v/v%以下、0.8v/v%以下、0.7v/v%以下、0.6v/v%以下、0.5v/v%以下、0.4v/v%以下、0.3v/v%以下、0.2v/v%以下、0.1v/v%以下、又は0.005v/v%未満(0.00v/v%)であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、0.1v/v%以上、0.2v/v%以上、0.3v/v%以上、0.4v/v%以上、0.5v/v%以上であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.3.6 ビール、アルコール(アルコライザー法)」や「8.3.7 ヘッドスペースGC-FID法」に記載の方法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、アルコールの添加により上記範囲内に調整してもよく、醸造により得られた発酵液からアルコールを除去して上記範囲内に調整してもよく、醸造に際してアルコール生成を抑える条件(例えば、糖化条件によってβ-アミラーゼの活性を制御する方法、α-グルコシダーゼやグルコアミラーゼ等の適切な酵素剤を適宜使用する方法により仕込むことにより糖化(マルトース、マルトトリオース生成)を制御して発酵前液を得ることや、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母を使用すること等)で発酵して発酵液を得ることで上記範囲内に調整してもよく、発酵工程を途中で止めたり(途中で発酵温度を下げる)、発酵工程の初めから低温で発酵させる等の手法で発酵工程を制御してもよく、別途調製したアルコール含有量の低い発酵後液、又はアルコールを含まない水若しくは炭酸水と混合することによって調整してもよく、またこれらを併用して上記範囲内に調整してもよい。添加するアルコールに特に制限はなく、例えば、蒸留アルコール(例えば、原料用アルコール、スピリッツ、ウォッカ)であってもよく、醸造により得られた発酵液であってもよい。醸造により得られた発酵液からアルコールを除去する方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のプリン体含有量は、2.7mg/100mL未満であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のプリン体含有量は、本発明による効果がより顕著になることから、例えば、2.6mg/100mL以下、2.5mg/100mL以下、2.0mg/100mL以下、1.5mg/100mL以下、1.0mg/100mL以下、0.5mg/100mL以下、0.4mg/100mL以下、0.35mg/100mL以下、0.3mg/100mL以下、0.25mg/100mL以下、0.2mg/100mL以下、0.15mg/100mL以下、0.1mg/100mL以下、0.05mg/100mL以下であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料のプリン体含有量は、例えば、0.02mg/100mL以上、0.05mg/100mL以上、0.1mg/100mL以上であってよい。
本明細書において、ビールテイスト飲料のプリン体含有量は、アデニン、キサンチン、グアニン、及びヒポキサンチンのプリン体塩基4種の含有量の総量を意味する。ビールテイスト飲料中のプリン体含有量は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定することができる。
プリン体含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲内になるようにプリン体源を添加する方法、プリン体含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、酵素剤種類、又は活性炭処理条件(例えば、活性炭種類、活性炭濃度、攪拌速度等)やプリン体吸着材の種類を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。プリン体源の添加は、例えば、プリン体(アデニン、キサンチン、グアニン、及びヒポキサンチンからなる群より選択される少なくとも1種のプリン体塩基)そのものを添加してもよく、微生物由来の原料(酵母エキス等)、植物由来の原料(モルトエキス、大豆ペプチド、エンドウタンパク等)又はこれらに加水分解等の処理を施したものを添加してもよい。なお、本発明で使用されるエンドウタンパクは、エンドウ豆から抽出し、精製分離して得た植物性タンパクであり、商業的に入手可能である。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の総ポリフェノール含有量は、30mg/L以上であればよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の総ポリフェノール含有量は、清酒様の香味が低減されるという観点から、40mg/L以上、50mg/L以上、60mg/L以上、70mg/L以上、80mg/L以上、90mg/L以上、100mg/L以上、110mg/L以上、120mg/L以上であってもよい。また、本実施形態に係るビールテイスト飲料の総ポリフェノール含有量は、250mg/L以下、220mg/L以下、200mg/L以下、180mg/L以下、160mg/L以下、150mg/L以下、140mg/L以下、130mg/L以下、120mg/L以下であってもよい。
本明細書における総ポリフェノール含有量とは、ビールテイスト飲料に含まれるポリフェノールの総含有量をいう。ポリフェノールとしては、特に限定されないが、例えば、キサントフモール、カテキン、ヘスペリジン、クロロゲン酸、レスベラトロール、ケルセチン、アントシアノーゲン、タンニン等が挙げられる。
ビールテイスト飲料中の総ポリフェノール含有量は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.19 総ポリフェノール」に記載の方法によって測定することができる。
総ポリフェノール含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲内になるようにポリフェノールを添加する方法、総ポリフェノール含有量が高くなる、又は低くなるような原料(例えば麦芽やホップ、モルトエキス)の種類、使用量及び添加タイミングを適宜選択する方法、仕込条件や発酵・貯酒条件(例えば、温度、時間等)、ろ過条件(PVPP等のポリフェノール吸着剤の使用有無)、活性炭処理条件(例えば、活性炭種類、活性炭濃度、攪拌速度等)を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。ポリフェノールを添加する方法において、ポリフェノールの添加は、ポリフェノールそのものを添加してもよく、ポリフェノールを含有する組成物等を添加してもよい。
4-ビニルグアイアコールは、4-ビニル-2-メトキシフェノールとも称される化合物である。本実施形態に係るビールテイスト飲料の4-ビニルグアイアコール含有量は、特に制限されないが、鼻につくエタノールの臭い(アルコールの刺激)が低減されるという観点から、例えば、10μg/L以上、11μg/L以上、12μg/L以上、13μg/L以上、14μg/L以上、15μg/L以上であってもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の4-ビニルグアイアコール含有量は、20μg/L以下、19μg/L以下、18μg/L以下、17μg/L以下、16μg/L以下、15μg/L以下であってもよい。
4-ビニルグアイアコール含有量は、例えば、SPME-GC-MS法によって測定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料中の4-ビニルグアイアコール含有量は、例えば、常法によりビールテイスト飲料を製造する際、含有量が上記範囲内になるように4-ビニルグアイアコールを添加する方法、4-ビニルグアイアコールの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類(例えば、麦芽の種類)を適宜選択する方法、4-ビニルグアイアコールの生成能が高い又は低い酵母(例えば、4-ビニルグアイアコール生成能を指標として酵母をスクリーニングして得られる酵母)を使用して発酵させる方法、仕込工程の制御(例えば、糖化工程の温度設定、酵素添加、煮沸時間の調整等)により4-ビニルグアイアコールの生成量を制御する方法、活性炭処理条件(例えば、活性炭種類、活性炭濃度、攪拌速度等)を適宜選択する方法、及びこれらを任意に組み合わせた方法により調整することができる。4-ビニルグアイアコールを添加する方法において、4-ビニルグアイアコールの添加は、4-ビニルグアイアコールそのものを添加してもよく、4-ビニルグアイアコールを含有する香料組成物等を添加してもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として麦原料を含有していてもよく、原料として麦原料を含有していなくてもよい。本明細書において麦原料とは、麦又は麦加工物をいう。麦としては、例えば、大麦、小麦、ライ麦、カラス麦、オート麦、ハト麦、エン麦が挙げられる。麦加工物としては、例えば、麦エキス、麦芽、モルトエキスが挙げられる。麦エキスは、麦から糖分及び窒素分を含む麦エキス分を抽出することにより得られる。麦芽は麦を発芽させることにより得られる。モルトエキスは、麦芽から糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として、麦以外の原料を含有していてもよく、麦以外の原料を含有していなくてもよい。麦以外の原料は、例えば、コーン、米類、コウリャン等の穀類;馬鈴薯、サツマイモ等のイモ類;大豆、エンドウ等の豆類等の植物原料であってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料としてホップを含有していてもよく、原料としてホップを含有していなくてもよい。ホップには、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが含まれ、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率(水及びホップ以外の原料に占める麦芽の割合)が50質量%以上である。麦芽比率は、51質量%以上、53質量%以上、55質量%以上、57質量%以上、60質量%以上、62質量%以上、65質量%以上、66質量%以上、67質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、99質量%以上、又は100質量%であってよい。また、麦芽比率は、100質量%未満、95質量%以下、90質量%以下、80質量%以下、70質量%以下、66質量%以下、65質量%以下、又は60質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として糖類を含有していてもよい。糖類としては、例えば、液糖、及びグラニュー糖などの粉状の糖を挙げることができる。糖類を使用する場合、糖類の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、10質量%以上、15質量%以上、20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上であってよい。また、糖類の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、35質量%以下、30質量%以下、25質量%以下、20質量%以下、15質量%以下、又は10質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、原料として水溶性食物繊維を含有していてもよい。水溶性食物繊維とは、水に可溶な食物繊維である。食物繊維とは、人の消化酵素で消化されない、食品中の難消化成分である。水溶性食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、難消化性グルカン、その他の難消化性多糖類等であってよい。水溶性食物繊維は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。水溶性食物繊維を使用する場合、水溶性食物繊維の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、1質量%以上、2質量%以上、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってよい。また、水溶性食物繊維の使用比率(水及びホップ以外の原料に占める割合)は、例えば、10質量%以下、9質量%以下、8質量%以下、7質量%以下、又は6質量%以下であってよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の効果を損なわない範囲で、飲料に通常配合される苦味料、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、酸味料、香料、塩類等のその他原料を含んでいてもよい。苦味料としては、上記のホップの他、例えば、イソα酸、カフェイン、ゲンチアナ抽出物、ペプチド類、テオブロミン、ナリンジン、ニガキ抽出物、ニガヨモギ抽出物、キナ抽出物等が挙げられる。着色料としては、例えば、カラメル色素、クチナシ色素、果汁色素、野菜色素、合成色素を挙げることができる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲン、デンプンを挙げることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムK、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームを挙げることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールを挙げることができる。酸味料としては、例えば、リン酸、乳酸、DL-リンゴ酸、クエン酸、アジピン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウムを挙げることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムを挙げることができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、特に制限されないが、例えば、2.0g/100mL以下、1.8g/100mL以下、1.6g/100mL以下、1.4g/100mL以下、1.2g/100mL以下、1.0g/100mL以下、0.9g/100mL以下、0.8g/100mL以下、0.7g/100mL以下、0.6g/100mL以下、0.5g/100mL以下であってもよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の糖質含有量は、例えば、0g/100mL超であってよく、0.1g/100mL以上、0.2g/100mL以上、0.3g/100mL以上、0.4g/100mL以上であってもよい。なお、健康志向の消費者により適する飲料となることから糖質が所定値未満(又は以下)となることが好ましい。
本明細書において糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。ビールテイスト飲料中の糖質含有量は、当該ビールテイスト飲料の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除することにより算定される。タンパク質、脂質、灰分、水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定する。アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量は高速液体クロマトグラフ法又はプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定することができる。
糖質含有量の調整は、例えば、糖類を原料液に添加することにより実施することができる。また、糖質含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法によって、糖質含有量の調整を行ってもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価(BU)は、例えば、0.0以上50.0以下であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料のBUは、例えば、40.0以下、30.0以下、20.0以下、又は15.0以下であってよく、1.0以上、2.0以上、3.0以上、4.0以上、5.0以上、又は10.0以上であってよい。本実施形態に係るビールテイスト飲料の苦味価は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.15 苦味価」に記載されている方法によって測定することができる。苦味価は、例えば、原料の種類及び使用量を調整することにより、上記範囲で適宜設定することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵飲料(ビールテイスト発酵飲料)であってもよく、非発酵飲料(ビールテイスト非発酵飲料)であってもよい。発酵飲料は、酵母等による発酵を経て製造されるものである。非発酵飲料は、酵母等による発酵を行わずに製造されるものである。なお、非発酵飲料には、酵母等による発酵を行わず、アルコール(例えば、スピリッツ、原料用アルコール等の蒸留アルコール)を配合して製造されるビールテイスト飲料も含まれる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発泡性であってもよく、発泡性であってもよい。ここで、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)未満であることをいい、発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm)以上であることをいう。発泡性とする場合、ガス圧の上限は0.294MPa(3.0kg/cm)程度であってもよく、0.25MPa(2.55kg/cm)程度としてもよい。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、容器に入れて提供することができる。容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器、紙容器、パウチ容器等を適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分及び光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
〔ビールテイスト飲料の製造方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率を50質量%以上に調整する工程、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整する工程、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整する工程を含む方法により製造することができる。当該製造方法は、麦芽比率を50質量%以上に調整する工程、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整する工程、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整する工程、の他は常法に従って実施することができる。
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、例えば、原料を混合してビールテイスト飲料を製造してもよく(調合による方法)、酵母等による発酵を経てビールテイスト飲料を製造してもよい(醸造による方法)。
一実施形態に係る製造方法(調合による方法)は、例えば、水、プリン体源、及びポリフェノール、並びに必要に応じて、4-ビニルグアイアコール、アルコール、及び/又はその他原料を原料タンクに配合する配合工程を含む。プリン体源としては、例えば、プリン体(アデニン、キサンチン、グアニン、及びヒポキサンチンからなる群より選択される少なくとも1種のプリン体塩基)そのものであってもよく、微生物由来の原料(酵母エキス等)、植物由来の原料(モルトエキス、大豆ペプチド、エンドウタンパク等)又はこれらに加水分解等の処理を施したものであってもよい。
本実施形態に係る製造方法は、配合工程において各成分を混合して得た混合液をろ過するろ過工程と、ろ過工程でろ過したろ過液を殺菌する第一の殺菌工程と、第一の殺菌工程で殺菌した殺菌済みのろ過液をビン、缶、ペットボトル等の容器に充填する充填工程と、充填工程で容器に充填されたろ過液を容器ごと殺菌する第二の殺菌工程と、を更に含んでいてもよい。
配合工程は、各成分がよく混ざるよう、撹拌機等により撹拌しながら混合してもよい。また、ろ過工程は、例えば、一般的なフィルター又はストレーナーによって行うことができる。第一の殺菌工程は、処理速度等の観点から、プレート殺菌によって行ってもよく、同様の処理を行うことができるのであれば、これに限定されることなく適用可能である。充填工程は、飲料の製造において通常行われる程度にクリーン度を保ったクリーンルームにて充填してもよい。第二の殺菌工程は、所定の温度及び所定の時間でろ過液を容器ごと加熱することにより行うことができる。第一又は第二の殺菌工程は、非加熱の殺菌工程としてもよい。非加熱の殺菌工程としては、紫外線(UV)殺菌等が挙げられる。殺菌工程を行わない無殺菌充填を行うことも可能である。また、発泡性の飲料とする場合は、例えば、充填工程の前でカーボネーションを行うとよい。
他の実施形態における製造方法(醸造による方法)は、例えば、仕込工程及び発酵工程を備える。
仕込工程では、原料及び仕込水(仕込工程で使用される水)を用いて、発酵前液を得る。つまり、仕込工程は、発酵に用いられる発酵前液を調製する工程である。仕込工程は、原料及び仕込水からもろみを製造する糖化工程、もろみを濾過して糖含有液を得る濾過工程、糖含有液を煮沸する煮沸工程、原料液中の固形分を除去する除去工程、原料液を冷却する冷却工程をこの順に含んでいてよい。
糖化工程では、原料及び仕込水を仕込んだ後、50~76℃に温度を調節して、当該温度を保持するステップを含む。当該ステップでは、例えば、1~200分、50~76℃で温度を保持する。これにより、例えば、原料の糖化が進んだり、可溶性成分が溶出したりして、酵母の代謝に必要な成分を含むもろみが得られる。糖化工程で得られたもろみは、濾過工程で濾過されて糖含有液となる。
煮沸工程では、糖含有液を煮沸して煮沸後液(煮沸後の糖含有液)を得る。糖含有液とは、酵母によるアルコール発酵が可能な成分を含有するものである。糖含有液としては、例えば、麦汁、シロップが挙げられる。麦汁とは、上述の麦原料等の糖化を経て得られる液であり、未発酵のものである。麦汁は、例えば、上述の麦原料等の原料と水とを混合する工程、原料と水とを含む液を常法により糖化して糖化液を得る工程、及び糖化液をろ過する工程を経て得ることができる。
煮沸工程では、原料液にホップを添加してよい。添加するホップとしては、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスを用いることができる。ホップは、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
除去工程では、煮沸後液中の固形分を除去して精製液を得る。除去工程は、例えば、煮沸後液に含まれる不溶性の固形分を沈殿させることにより行うことができる。固形分としては、煮沸工程により生じた熱凝固物、煮沸工程でホップを添加した場合には、ホップのかす等が挙げられる。除去工程は、ワールプール中で実施してよい。冷却工程では、酵母による発酵が可能な温度まで精製液を冷却して発酵前液を得る。除去工程で、煮沸後液中に上述したホップを添加してもよい。
一実施形態に係る製造方法では、必要に応じて酵素剤を使用してもよい。酵素剤としては、例えば、多糖分解酵素(例えば、α-アミラーゼ、β-アミラーゼ、プルラナーゼ、グルコアミラーゼ、α-グルコシダーゼ、イソアミラーゼ、セルラーゼ(β-グルカナーゼを含む)、ヘミセルラーゼ)、タンパク質分解酵素(プロテアーゼ)を用いることができる。酵素剤は、1種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
発酵工程は、発酵前液を酵母で発酵させる工程である。発酵工程により、発酵前液を酵母により発酵させた発酵後液が得られる。発酵工程では、酵母によりアルコール発酵が行われる。より具体的には、発酵前液に酵母を接種して発酵させ、酵母により生成するアルコールを含む発酵後液を得る。
発酵工程で使用する酵母は、通常のビール酵母であってもよく、アルコール生成能が低い酵母(例えば、マルトース資化性及び/又はマルトトリオース資化性が低い酵母)であってもよい。
本実施形態に係る製造方法は、アルコール度数調整工程を更に含んでいてもよい。アルコール度数調整工程は、アルコール度数を上記範囲内に調整する工程である。発酵工程において、発酵期間を短くする、アルコール生成能が低い酵母を使用する等してアルコールの生成を抑えることによって、アルコール度数を調整してもよく、発酵工程において、発酵工程を途中で止めたり(途中で発酵温度を下げる)、発酵工程の初めから低温で発酵させる等の手法で発酵工程を制御したり、通常のビール等のビールテイスト飲料と同様に発酵を行ってアルコールを生成させた後に、アルコールを除去又は低減させることによって、アルコール度数を調整してもよい。アルコールを除去又は低減させる方法に特に制限はなく、例えば、蒸留、透析、希釈等の常法に従って実施することができる。
本実施形態に係る製造方法では、発酵工程後の発酵後工程として、発酵後液を熟成、冷却する工程、及び発酵後液をろ過する工程を備えていてもよい。ろ過工程を実施することにより、発酵後液から不溶性の固形分、酵母等を除去することができる。
本実施形態に係る製造方法では、他の発酵後工程として、発酵後液(又はろ過工程後の発酵後液)に対して加熱(殺菌)等を行ってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、プリン体含有量は、例えば、プリン体源を原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。本明細書において、原料液とは、ビールテイスト飲料のもととなる液を意味する。原料液には、各工程で使用又は製造される液(例えば、糖含有液、煮沸後液、精製液、発酵前液、発酵後液)が含まれる。また、プリン体含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類、酵素剤種類、又は活性炭処理条件(例えば、活性炭種類、活性炭濃度、攪拌速度等)やプリン体の吸着材の種類を適宜選択する方法によって、プリン体含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加するプリン体源は、プリン体(アデニン、キサンチン、グアニン、及びヒポキサンチンからなる群より選択される少なくとも1種のプリン体塩基)そのものであってもよく、微生物由来の原料(酵母エキス等)、植物由来の原料(モルトエキス、大豆ペプチド、エンドウタンパク等)又はこれらに加水分解等の処理を施したものであってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、総ポリフェノール含有量は、例えば、ポリフェノールを原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。また、総ポリフェノール含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法、仕込条件や発酵・貯酒条件(例えば、温度、時間等)、ろ過条件(PVPP等のポリフェノール吸着剤の使用有無)、活性炭処理条件(例えば、活性炭種類、活性炭濃度、攪拌速度等)を適宜選択する方法によって、総ポリフェノール含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
原料液に添加するポリフェノールは、ポリフェノールそのもの、又はポリフェノールを含有する組成物等であってもよい。
本実施形態に係る製造方法では、糖質含有量は、例えば、糖類を原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。また、糖質含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類を適宜選択する方法によって、糖質含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
本実施形態に係る製造方法では、4-ビニルグアイアコール含有量は、例えば、4-ビニルグアイアコールを原料液に添加することにより上述の範囲内に調整してもよい。また、4-ビニルグアイアコールの含有量が高くなる、又は低くなるような原料種類(例えば、麦芽の種類)を適宜選択する方法、4-ビニルグアイアコールの生成能が高い又は低い酵母(例えば、4-ビニルグアイアコール生成能を指標として酵母をスクリーニングして得られる酵母)を使用して発酵させる方法、仕込工程の制御(例えば、糖化工程の温度設定、酵素添加、煮沸時間の調整等)により4-ビニルグアイアコールの生成量を制御する方法、活性炭処理条件(例えば、活性炭種類、活性炭濃度、攪拌速度等)を適宜選択する方法によって、4-ビニルグアイアコール含有量を上述した範囲内に調整してもよい。
原料に添加する4-ビニルグアイアコールは、4-ビニルグアイアコールそのものであってもよく、4-ビニルグアイアコールを含有する香料組成物等であってもよい。
〔ビールテイスト飲料の清酒様の香味を低減する方法〕
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、麦芽比率が高く、かつプリン体含有量が低いビールテイスト飲料においても、清酒様の香味が低減されるという効果を奏する。したがって、本発明は、麦芽比率を50質量%以上に調整すること、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整すること、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の清酒様の香味を低減する方法と捉えることもできる。当該方法おける具体的な態様等として、上述した各態様を特に制限なく適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明する、ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(試験例1:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
麦芽(麦芽比率51質量%)、ホップ、糖類、及び多糖分解酵素を原料として使用し、常法に従って発酵前液を得た。その後発酵前液にビール酵母を接種して一定期間発酵させ、発酵後液を得た。次いで発酵後液に対して活性炭を添加して活性炭処理行った。活性炭処理後の溶液を濾過して、参考例1-1及び参考例1-2のビールテイスト飲料を製造した。なお、参考例1-1のビールテイスト飲料においては、クラレ社製の活性炭、参考例1-2のビールテイスト飲料においては、大阪ガスケミカル社製の活性炭を添加した。
参考例1-1及び参考例1-2のビールテイスト飲料において、プリン体含有量を、高速液体クロマトグラフィーによって、総ポリフェノール含有量を、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.19 総ポリフェノール」に記載の方法に従って測定したところ、表1に示す含有量であった。なお、参考例1-1及び参考例1-2のビールテイスト飲料において、アルコール度数は4v/v%であり、糖質含有量は0.4g/100mLであった。
<官能評価>
参考例1-1及び参考例1-2のビールテイスト飲料に対して、「清酒様の香味」、「後味のキレ」、「アルコールの刺激」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。なお、「清酒様の香味」及び「アルコールの刺激」については、参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を5点として固定し、「後味のキレ」及び「総合評価」については、参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。
「清酒様の香味」は、評点が高いほど好ましくない吟醸香やビールにそぐわない果実感を強く感じることを示す。「後味のキレ」は、評点が高いほど飲用後に香味が後残りしない好ましい感覚を強く感じることを示す。「アルコールの刺激」は、評点が高いほど好ましくない鼻につくエタノールの臭いを強く感じることを示す。「総合評価」は、ビールテイスト飲料としての香味バランスに基づき評価を行い、評点が高いほど、ビールテイスト飲料としての香味バランスが優れていることを示す。結果を表1に示す。
Figure 2024039759000001
表1に示すとおり、麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であるビールテイスト飲料(参考例1-1)は、麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mLであるビールテイスト飲料(参考例1-2)と比較して清酒様の香味及びアルコールの刺激の評点が高く、清酒様の香味及びアルコールの刺激が強くなっていた。また、後味のキレ及び総合評価の評点が低く、後味のキレが低減しており、さらに、飲料としての香味バランスが低減していた。
(試験例2:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
参考例1-1のビールテイスト飲料に、下記表2に示すような総ポリフェノール含有量になるように乾燥ホップエキスを添加し、試験例2-1~2-3のビールテイスト飲料を製造した。また、試験例1と同様にしてプリン体及び総ポリフェノールが下記表2に示す含有量である試験例2-4のビールテイスト飲料を製造した。試験例2-4のビールテイスト飲料を製造する際には、大阪ガスケミカル社製の活性炭を添加した。さらに、試験例2-4のビールテイスト飲料に、下記表2に示すような総ポリフェノール含有量になるように乾燥ホップエキスを添加し、試験例2-5~2-6のビールテイスト飲料を製造した。なお、試験例2-1~2-6のビールテイスト飲料における4-ビニルグアイアコール含有量は、SPME-GC-MS法によって測定したところ、10μg/L以下であった。また、試験例2-1~2-6のビールテイスト飲料において、糖質含有量は0.4g/100mLであった。
<官能評価>
試験例2-1~2-6のビールテイスト飲料に対して、「清酒様の香味」、「後味のキレ」、「アルコールの刺激」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、「清酒様の香味」及び「アルコールの刺激」については、参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を5点として固定し、「後味のキレ」及び「総合評価」については、参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表2に示す。
Figure 2024039759000002
表2に示すとおり、麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であるにも関わらず、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上であるビールテイスト飲料(試験例2-1~2-6)は、基準としたビールテイスト飲料(参考例1-1)と比較して清酒様の香味及びアルコールの刺激の評点が低く、清酒様の香味及びアルコールの刺激が低減されていた。また、後味のキレ及び総合評価の評点が高く、後味のキレが向上しており、さらに、飲料としての香味バランスが優れていた。
(試験例3:ビールテイスト飲料の製造及び評価)
<ビールテイスト飲料の製造>
試験例3-1(試験例2-2)のビールテイスト飲料に、表3に示す含有量となるように4-ビニルグアイアコールを添加して試験例3-2のビールテイスト飲料を製造した。なお、試験例3-1~3-2のビールテイスト飲料において、糖質含有量は0.4g/100mLであった。
<官能評価>
試験例3-1~3-2のビールテイスト飲料に対して、「清酒様の香味」、「後味のキレ」、「アルコールの刺激」、及び「総合評価」の評価項目について官能評価を実施した。官能評価は、選抜された識別能力のあるパネル4名により実施した。いずれの評価項目も、評点1~5の5段階で評価し、その平均値を評価スコアとした。各評価項目についての説明は、試験例1で記載したとおりである。なお、「清酒様の香味」及び「アルコールの刺激」については、参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を5点として固定し、「後味のキレ」及び「総合評価」については、参考例1-1のビールテイスト飲料の評点を1点として固定し、これを基準にその他のビールテイスト飲料を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2024039759000003
表3に示すとおり、麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であり、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上のビールテイスト飲料において、4-ビニルグアイアコール含有量を増加させると、アルコールの刺激の評点が低くなり、アルコールの刺激が低減されていた。それに伴って、総合評価の評点が高くなり、香味のバランスにも優れていた。

Claims (7)

  1. 麦芽比率が50質量%以上であり、プリン体含有量が2.7mg/100mL未満であり、総ポリフェノール含有量が30mg/L以上である、ビールテイスト飲料。
  2. 前記プリン体含有量が、2.5mg/100mL以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 前記プリン体含有量が、0.5mg/100mL以下である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  4. 前記総ポリフェノール含有量が、50mg/L以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  5. 4-ビニルグアイアコール含有量が10μg/L以上である、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  6. 麦芽比率を50質量%以上に調整する工程、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整する工程、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整する工程を含む、ビールテイスト飲料の製造方法。
  7. 麦芽比率を50質量%以上に調整すること、プリン体含有量を2.7mg/100mL未満に調整すること、及び総ポリフェノール含有量を30mg/L以上に調整することを含む、ビールテイスト飲料の清酒様の香味を低減する方法。
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