JP2022017911A - ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法 - Google Patents

ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022017911A
JP2022017911A JP2020120756A JP2020120756A JP2022017911A JP 2022017911 A JP2022017911 A JP 2022017911A JP 2020120756 A JP2020120756 A JP 2020120756A JP 2020120756 A JP2020120756 A JP 2020120756A JP 2022017911 A JP2022017911 A JP 2022017911A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
beer
taste beverage
thick
less
ebc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020120756A
Other languages
English (en)
Inventor
龍雲 江熊
Ryuun Eguma
梓 後藤
Azusa Goto
篤史 谷川
Atsushi Tanigawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sapporo Breweries Ltd
Original Assignee
Sapporo Breweries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sapporo Breweries Ltd filed Critical Sapporo Breweries Ltd
Priority to JP2020120756A priority Critical patent/JP2022017911A/ja
Publication of JP2022017911A publication Critical patent/JP2022017911A/ja
Priority to JP2023071275A priority patent/JP2023083552A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)
  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

【課題】ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が増強されたビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法を提供することを課題とする。【解決手段】本発明に係るビールテイスト飲料は、糖質の含有量が1.0g/100mL未満であり、色度が10.0°EBC以上35.0°EBC未満である。本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、糖質の含有量を1.0g/100mL未満とし、色度を10.0°EBC以上35.0°EBC未満とする工程を含む。本発明に係るビールテイスト飲料の品質向上方法は、ビールテイスト飲料の糖質の含有量を1.0g/100mL未満とし、色度を10.0°EBC以上35.0°EBC未満とする工程を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法に関する。
消費者の多様な嗜好に応えるべく、多くの種類のビールテイスト飲料やその製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、麦芽および/または未発芽の麦類を原料の少なくとも一部とする、糖質濃度が1.1g/100mL未満のビールテイスト飲料であって、HPLC分析用ゲル濾過法で分画された前記飲料由来の全ペプチド質量に対する飲料中の分子量800~1500Da(HPLC分析用ゲル濾過法)のペプチド質量の比率(百分率)が25~45%である、ビールテイスト飲料が開示されている。
特開2018-42494号公報
特許文献1に記載の発明のように、低糖質のビールテイスト飲料の薄い香味印象の改善に着目し、味の厚みを付与しようとする技術は存在する。
本発明者らも、低糖質のビールテイスト飲料の厚みのない味の改善を検討していたが、単純に味全体が厚くなるだけではビールテイスト飲料の価値の向上にはつながらないと考え、ホップ様のビールらしい苦味の厚み(適宜「厚みのある苦味」と示す)を増強させるべきであると考えた。
また、本発明者らは、低糖質のビールテイスト飲料の香りに関して、ビールらしい香りの程度が十分でなく、改善の余地があると考えた。
加えて、本発明者らは、低糖質のビールテイスト飲料の色味に関しても、薄い色を呈するために飲用者にライトな味の印象(薄い印象)を与える傾向があることから、少しでも厚みのある色味とすることで飲用者に濃くて重厚な味の印象を飲用する前の段階で与えることができるように色味についても改善したいと考えた。
そこで、本発明は、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が増強されたビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法を提供することを課題とする。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)糖質の含有量が1.0g/100mL未満であり、色度が10.0°EBC以上35.0°EBC未満であるビールテイスト飲料。
(2)色度が15.0°EBC以上である前記1に記載のビールテイスト飲料。
(3)糖質の含有量を1.0g/100mL未満とし、色度を10.0°EBC以上35.0°EBC未満とする工程を含むビールテイスト飲料の製造方法。
(4)ビールテイスト飲料のビールらしい香りと厚みのある苦味と厚みのある色味とを増強する品質向上方法であって、前記ビールテイスト飲料の糖質の含有量を1.0g/100mL未満とし、色度を10.0°EBC以上35.0°EBC未満とする工程を含むビールテイスト飲料の品質向上方法。
本発明に係るビールテイスト飲料は、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が増強している。
本発明に係るビールテイスト飲料の製造方法は、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が増強したビールテイスト飲料を製造することができる。
本発明に係るビールテイスト飲料の品質向上方法は、ビールテイスト飲料のビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味を増強させることができる。
以下、本発明に係るビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法を実施するための形態(本実施形態)について説明する。
[ビールテイスト飲料]
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、糖質の含有量が所定値未満となる低糖質のビールテイスト飲料であって、色度が所定範囲内となる飲料である。
ここで、ビールテイスト飲料とは、ビール様(風)飲料とも呼ばれ、ビール様の香味を奏する飲料、言い換えると、ビール様の香味を奏するように調製された飲料である。そして、ビールテイスト飲料としては、例えば、酒税法(平成三十年六月二十日公布(平成三十年法律第五十九号)改正)で定義される「発泡性酒類」(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)に分類されるものが挙げられる。なお、前記したその他の発泡性酒類としては、「その他の醸造酒(発泡性)(1)」(第三のビール)や「リキュール(発泡性)(1)」(新ジャンルビール)がある。また、ビールテイスト飲料としては、ビール様の香味を奏していればよく、酒税法で定義される発泡性酒類には属さない飲料および清涼飲料水(例えばノンアルコールビールテイスト飲料など)も挙げることができる。
(糖質)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、糖質の含有量が制限されている。
ここで、糖質とは、食品の栄養表示基準(平成15年厚生労働省告示第176号)に基づく糖質をいう。具体的には、糖質は、食品から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分を除いたものをいう。また、食品中の糖質の量は、当該食品の重量から、タンパク質、脂質、食物繊維、灰分、水分及びアルコール分の量を控除して算定される。そして、タンパク質、脂質、灰分、水分の量は、栄養表示基準に掲げる方法により測定することができる。なお、アルコール分の量は、水分量とともに測定することができる。
具体的には、タンパク質の量は改良デュマ法による全窒素(タンパク質)の定量法で測定し、脂質の量はエーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法で測定し、食物繊維の量はプロスキー法で測定し、灰分の量は酢酸マグネシウム添加灰化法、直接灰化法又は硫酸添加灰化法で測定し、水分及びアルコール分の量はカールフィッシャー法、乾燥助剤法、減圧加熱乾燥法、常圧加熱乾燥法又はプラスチックフィルム法で測定することができる。
そして、本発明者らは、ビールテイスト飲料の糖質が低く制限された場合、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が乏しく、これらに関して改善の余地があることを確認している。
ビールテイスト飲料の糖質は、1.0g/100mL未満が好ましく、0.8g/100mL以下、0.6g/100mL以下、0.5g/100mL未満がより好ましい。糖質が所定値未満(又は以下)となることによって、健康志向の消費者に適する飲料となるだけでなく、本発明の課題(ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味に乏しい)が明確になる。
なお、ビールテイスト飲料の糖質の下限は、特に限定されず、例えば、0.00g/100mL以上、0.05g/100mL以上、0.1g/100mL以上である。
(色度)
本実施形態に係るビールテイスト飲料の色度は、飲料の色の濃淡を示す指標である。
そして、本発明者らは、低糖質のアルコール飲料の色度を所定範囲内とすることによって、「ビールらしい香り」、「厚みのある苦味」、「厚みのある色味」という3種の品質特性の全てを同時に増強できることを見出した。
ビールテイスト飲料の色度は、10.0°EBC以上が好ましく、11.0°EBC以上、11.2°EBC以上、15.0°EBC以上、18.0°EBC以上、20.0°EBC以上、20.6°EBC以上、25.0°EBC以上、30.0°EBC以上、30.5°EBC以上がより好ましい。色度が所定値以上であることによって、ビールらしい香りと厚みのある苦味と厚みのある色味とを増強させることができる。
ビールテイスト飲料の色度は、35.0°EBC未満が好ましく、34.0°EBC以下、33.0°EBC以下がより好ましい。色度が所定値以下であることによって、ビールらしい香りが損なわれる事態を確実に回避することができる。
色度は、例えば、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.8 色度 8.8.2 吸光度法」に記載されている方法によって測定することができる。
また、色度は、後記する発酵前工程(仕込み工程)で使用する原料によって制御することができ、また、発酵後工程での色素の添加によって制御してもよい。なお、色素としては、カラメル色素、カカオ色素、ベニバナ色素等が挙げられるものの後記するカラメル色素が好ましい。
(カラメル色素)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、前記した「色度」に代えて(又は、併用して)カラメル色素の含有量を特定してもよい。
そして、本発明者らは、色度と同様、低糖質のアルコール飲料のカラメル色素の含有量を所定範囲内とすることによって、「ビールらしい香り」、「厚みのある苦味」、「厚みのある色味」という3種の品質特性の全てを同時に増強できることを見出した。
ここで、カラメル色素とは、糖類を加熱して得られる褐色の物質である。
なお、カラメル色素は、製造方法に応じてカラメルI、II、III、IVに分類されるものの、香味について大きな差は確認できないことから、いずれを用いても本発明の効果を発揮することができる。ただ、本発明で使用するカラメル色素としては、後記の実施例で実際に使用したカラメルI(定義等は、第9版 食品添加物公定書 2018(厚生労働省)を参照)が好ましい。
ビールテイスト飲料のカラメル色素の含有量は、0.028g/100mL以上が好ましく、0.031g/100mL以上、0.040g/100mL以上、0.050g/100mL以上、0.060g/100mL以上、0.062g/100mL以上、0.070g/100mL以上、0.080g/100mL以上、0.090g/100mL以上、0.093g/100mL以上がより好ましい。カラメル色素の含有量が所定値以上であることによって、ビールらしい香りと厚みのある苦味と厚みのある色味とを増強させることができる。
ビールテイスト飲料のカラメル色素の含有量は、0.120g/100mL以下が好ましく、0.115g/100mL以下、0.110g/100mL以下、0.100g/100mL以下がより好ましい。カラメル色素の含有量が所定値以下であることによって、ビールらしい香りが損なわれる事態を確実に回避することができる。
(アルコール度数)
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、特に限定されないものの、例えば、1%(v/v%)以上、3%以上、4%以上であり、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、6%以下である。
本実施形態に係るビールテイスト飲料のアルコール度数は、麦由来原料を発酵させて得られた飲料の値であってもよいが、当該飲料に対して、適宜、蒸留アルコールを添加して調製してもよいし、発酵を経ない場合(調合の場合)は、蒸留アルコールの添加のみで調製してもよい。
蒸留アルコールとしては、焼酎、ブランデー、ウォッカ、ウイスキー等の各種スピリッツ、原料用アルコール等が挙げられる。蒸留アルコールは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、本明細書において「スピリッツ」とは、蒸留酒であるスピリッツを指し、酒税法上のスピリッツとは異なる場合もある。
なお、本明細書においてアルコールとは、特に明記しない限り、エタノールのことをいう。そして、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定することができる。
(発泡性)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発泡性であるのが好ましい。
そして、本実施形態に係るビールテイスト飲料の20℃におけるガス圧は、特に限定されないものの、例えば、2.0kg/cm以上、2.2kg/cm以上、2.3kg/cm以上、2.4kg/cm以上であり、5.0kg/cm以下、4.0kg/cm以下、3.0kg/cm以下である。そして、ビールテイスト飲料のアルコール度数は、例えば、国税庁所定分析法(訓令)8-3ガス圧に基づいて測定することができる。
(その他)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、本発明の所望の効果が阻害されない範囲で飲料として通常配合される甘味料、高甘味度甘味料、酸化防止剤、香料、酸味料、塩類、食物繊維など(以下、適宜「添加剤」という)を添加することもできる。甘味料としては、例えば、果糖ぶどう糖液糖、グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、グリコーゲンやデンプンなどを用いることができる。高甘味度甘味料としては、例えば、ネオテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、サッカリン、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、チクロ、ズルチン、ステビア、グリチルリチン、ソーマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテームなどを用いることができる。酸化防止剤としては、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどを用いることができる。酸味料としては、例えば、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム、グルコノデルタラクトン、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸、L-酒石酸、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、二酸化炭素、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、リン酸などを用いることができる。塩類としては、例えば、食塩、酸性りん酸カリウム、酸性りん酸カルシウム、りん酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、メタ重亜硫酸カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウムなどを用いることができる。食物繊維としては、例えば、難消化性デキストリン、ペクチン、ポリデキストロース、グアーガム分解物などを用いることができる。
そして、前記した各原料は、一般に市販されているものを使用することができる。
(容器詰めビールテイスト飲料)
本実施形態に係るビールテイスト飲料は、各種容器に入れて提供することができる。各種容器にビールテイスト飲料を詰めることにより、長期間の保管による品質の劣化を好適に防止することができる。
なお、容器は密閉できるものであればよく、金属製(アルミニウム製又はスチール製など)のいわゆる缶容器・樽容器を適用することができる。また、容器は、ガラス容器、ペットボトル容器などを適用することもできる。容器の容量は特に限定されるものではなく、現在流通しているどのようなものも適用することができる。なお、気体、水分および光線を完全に遮断し、長期間常温で安定した品質を保つことが可能な点から、金属製の容器を適用することが好ましい。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が増強している。
[ビールテイスト飲料の製造方法]
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法について説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、糖質の含有量を低く規制し、色度を所定範囲内とする工程を含む。そして、詳細には、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、発酵前工程と、発酵工程と、発酵後工程と、を含む。
(発酵前工程)
発酵前工程では、麦芽、麦、糖類、酵素、各種添加剤、副原料等を適宜混合して原料を糖化し、糖化液を得る。そして、糖化液を適宜ろ過して得られた麦汁に、適宜、ホップの添加、煮沸、冷却等を行って発酵前液を調製する。
発酵前工程において調製される発酵前液は、酵母が資化可能な窒素源及び炭素源となる麦由来原料(麦芽や麦、又はそれらのエキス)を含む溶液であれば特に限られない。窒素源及び炭素源は、酵母が資化可能なものであれば特に限られない。酵母が資化可能な窒素源とは、例えば、麦由来原料に含まれるアミノ酸及びペプチドのうちの少なくとも一つである。酵母が資化可能な炭素源とは、例えば、前記した糖類や麦由来原料に含まれる糖類である。
発酵前工程で使用する麦芽は、麦を発芽させ焙燥した後に根を除いたものであり、また、発酵前工程で使用する麦とは、発芽させていない状態の麦である。そして、麦とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦等であるが、大麦が好ましい。
なお、麦芽比率(ビールテイスト飲料の製造に用いられる原料のうち水及びホップ以外のものの全重量に占める麦芽の重量の比率)は、特に限定されないものの、例えば、下限は1%以上、10%以上、25%以上、30%以上、50%以上であり、上限は100%以下、95%以下である。
発酵前工程で使用する副原料は、酒税法施行規則(平成三十年三月三十一日公布(平成三十年財務省令第十九号)改正)の第4条第2項各号に掲げられている物品、さらには、果実(果実を乾燥させ、若しくは煮つめたもの又は濃縮させた果汁を含む)等が挙げられる。
発酵前工程で使用するホップは、特に限定されず、例えば、乾燥ホップ、ホップペレット、ホップエキスが挙げられるとともに、ローホップ、ヘキサホップ、テトラホップ、イソ化ホップエキス等のホップ加工品であってもよい。
(発酵工程)
発酵工程は、発酵前液に酵母を添加してアルコール発酵を行う工程である。本実施形態においては、例えば、予め温度が所定の範囲内(例えば、0~40℃の範囲)に調製された発酵前液に酵母を添加して発酵液を調製し、発酵を行う。
発酵工程においては、さらに熟成を行うこととしてもよい。熟成は、上述のような発酵後の発酵液をさらに所定の温度で所定の時間だけ維持することにより行う。この熟成により、発酵液中の不溶物を沈殿させて濁りを取り除き、また、香味を向上させることができる。
こうして発酵工程においては、酵母により生成されたエタノール及び各種成分を含有する発酵後液を得ることができる。発酵後液に含まれるエタノールの濃度(アルコール度数)は、例えば、1~20%とすることができる。
(発酵後工程)
発酵後工程は、発酵後液に所定の処理を施して最終的にビールテイスト飲料を得る工程である。発酵後工程としては、例えば、発酵工程により得られた発酵後液のろ過(いわゆる一次ろ過)が挙げられる。この一次ろ過により、発酵後液から不溶性の固形分や酵母を除去することができる。また、発酵後工程においては、さらに発酵後液の精密ろ過(いわゆる二次ろ過)を行ってもよい。二次ろ過により、発酵後液から雑菌や、残存する酵母を除去することができる。なお、精密ろ過に代えて、発酵後液を加熱することにより殺菌することとしてもよい。発酵後工程における一次ろ過、二次ろ過、加熱は、ビールテイスト飲料を製造する際に使用される一般的な設備で行うことができる。
なお、発酵後工程には、前記した容器に充填する工程も含まれる。
発酵後工程によって得られるビールテイスト飲料の糖質の含有量を低くする方法としては、以下の方法が挙げられる。
例えば、発酵前工程と発酵工程において使用する麦芽の使用量を低減させるといった方法、発酵工程において発酵度を高める方法、発酵後工程において得られた発酵後液を薄めるといった方法などが挙げられる。
また、発酵後工程によって得られるビールテイスト飲料の色度を所定範囲内とする方法としては、以下の方法が挙げられる。
例えば、発酵前工程と発酵工程において、使用する麦芽の選択(濃色麦芽の割合を変更する)といった方法や、発酵後工程において、前記したような各色素(特にカラメル色素)を添加して調整するといった方法などが挙げられる。
また、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、発酵工程を経ないで製造することもできる。つまり、本実施形態に係るビールテイスト飲料は、非発酵飲料として製造されてもよい。
この場合、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、混合タンクに、水、糖質、色素、添加剤、麦芽エキス、蒸留アルコールなどの原料を適宜投入する調合工程(混合工程)と、ろ過、殺菌、炭酸ガスの付加、容器への充填などの処理を行う後処理工程と、を含むこととなる。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料の製造方法は、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味が増強したビールテイスト飲料を製造することができる。
[ビールテイスト飲料の品質向上方法]
次に、本実施形態に係るビールテイスト飲料の品質向上方法を説明する。
本実施形態に係るビールテイスト飲料の品質向上方法は、ビールテイスト飲料のビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味を増強させる品質向上方法であって、低糖質のビールテイスト飲料の色度(又は、カラメル色素の含有量)を所定範囲内とする方法である。
なお、各成分の含有量等については、前記した「ビールテイスト飲料」において説明した値と同じである。
以上説明したように、本実施形態に係るビールテイスト飲料の品質向上方法は、ビールテイスト飲料のビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味を増強させることができる。
次に、本発明の要件を満たす実施例とそうでない比較例とを例示して、本発明について説明する。
[サンプルの準備]
市販の発泡酒(ビールテイスト飲料、アルコール度数:5.0%、20℃におけるガス圧:2.2kg/cm、カラメルIの含有量:0.025g/100mL、糖質:0.5g/100mL未満)をベース液(サンプル1)とした。
ベース液に対して、カラメル色素(カラメルI)を適宜添加し、表1に示すサンプル2~5を準備した。
なお、サンプルを準備する際に添加したカラメル色素は極微量であったため、各サンプルのアルコール度数やガス圧などは、市販の発泡酒と同じ値と判断することができる。
[色度の測定]
各サンプルの色度は、改訂BCOJビール分析法(公益財団法人日本醸造協会発行、ビール酒造組合国際技術委員会〔分析委員会〕編集、2013年増補改訂)の「8.8 色度 8.8.2 吸光度法」に記載されている方法に基づき、分光光度計(日立ハイテクサイエンス社製)を使用して測定した。
[試験内容]
前記の方法により製造した各サンプルについて、選抜された識別能力のあるパネル3名が下記評価基準に則って「ビールらしい香り」、「厚みのある苦味」、「厚みのある色味」について、1~5点の5段階評価で独立点数付けし、その平均値を算出した。
なお、「ビールらしい香り」と「厚みのある苦味」の評価は、各サンプルを飲んで評価し、「厚みのある色味」の評価は、各サンプルを透明のグラスに注ぎ目視で評価した。
(ビールらしい香り:評価基準)
ビールらしい香りの評価については、サンプル1(対象サンプル)のビールらしい香りを基準(2.0点)とし、「ビールらしい香りが強い」場合を5点、「ビールらしい香りが弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、ビールらしい香りの評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
そして、香りの評価は、立ち昇る香り(立ち香)だけではなく、飲んでいる最中や飲み終わった後に感じる香りも併せて、総合的に判断した。
なお、「ビールらしい香り」については、調合系のビールのように香料の香り(薬品的な香り)が顕著に感じられるものは、ビールらしい香り(麦芽比率100%のビール本来の香り)から離れるため点数が低くなる。一方、香料の香り(薬品的な香り)が低減されているものは、ビールらしい香り(麦芽比率100%のビール本来の香り)に近づくため点数が高くなる。
(厚みのある苦味:評価基準)
厚みのある苦味の評価については、サンプル1(対象サンプル)の厚みのある苦味を基準(2.0点)とし、「厚みのある苦味が強い」場合を5点、「厚みのある苦味が弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、厚みのある苦味の評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「厚みのある苦味」とは、「ホップ様のビールらしい苦味についての厚さ」であって、単なる味全体の厚さとは異なる。そして、このビールらしい苦味の厚さが強い(厚い)ほど、点数が高くなり、ビールらしい苦味の厚さが弱い(薄い)ほど、点数が低くなる。
(厚みのある色味:評価基準)
厚みのある色味の評価については、サンプル1(対象サンプル)の厚みのある色味を基準(1.0点)とし、「厚みのある色味が強い」場合を5点、「厚みのある色味が弱い」場合を1点として5段階で評価した。そして、厚みのある色味の評価については、点数が高いほど、増強されており好ましいと判断できる。
なお、「厚みのある色味」とは、濃厚で重厚なビールの味を想起させるような深みのある濃い色味であって、この深みのある色味が強い(濃い)ほど、点数が高くなり、深みのある色味が弱い(薄い)ほど、点数が低くなる。
表1に、各サンプルの各評価結果を示す。そして、表における色度は実測値を示しており、カラメル色素と糖質は含有量を示している。
Figure 2022017911000001
(結果の検討)
表1の結果から、色度が上昇するに従い、ビールらしい香り、厚みのある苦味、厚みのある色味の点数が全て高くなっていくことが確認できた。つまり、ビールテイスト飲料の色度を高くすることで、「ビールらしい香り」、「厚みのある苦味」、「厚みのある色味」という3種の品質特性の全てを同時に増強できることが確認できた。
ただ、ビールテイスト飲料の色度が上昇し過ぎると、カラメル様の香りが強くなってしまい、ビールらしい香りの点数が低くなることも確認できた。
なお、表1の結果から、カラメル色素の含有量に基づき、前記した色度と同様の傾向が現れることも確認できた。

Claims (4)

  1. 糖質の含有量が1.0g/100mL未満であり、
    色度が10.0°EBC以上35.0°EBC未満であるビールテイスト飲料。
  2. 色度が15.0°EBC以上である請求項1に記載のビールテイスト飲料。
  3. 糖質の含有量を1.0g/100mL未満とし、色度を10.0°EBC以上35.0°EBC未満とする工程を含むビールテイスト飲料の製造方法。
  4. ビールテイスト飲料のビールらしい香りと厚みのある苦味と厚みのある色味とを増強する品質向上方法であって、
    前記ビールテイスト飲料の糖質の含有量を1.0g/100mL未満とし、色度を10.0°EBC以上35.0°EBC未満とする工程を含むビールテイスト飲料の品質向上方法。
JP2020120756A 2020-07-14 2020-07-14 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法 Pending JP2022017911A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020120756A JP2022017911A (ja) 2020-07-14 2020-07-14 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法
JP2023071275A JP2023083552A (ja) 2020-07-14 2023-04-25 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020120756A JP2022017911A (ja) 2020-07-14 2020-07-14 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023071275A Division JP2023083552A (ja) 2020-07-14 2023-04-25 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022017911A true JP2022017911A (ja) 2022-01-26

Family

ID=80186111

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020120756A Pending JP2022017911A (ja) 2020-07-14 2020-07-14 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法
JP2023071275A Pending JP2023083552A (ja) 2020-07-14 2023-04-25 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023071275A Pending JP2023083552A (ja) 2020-07-14 2023-04-25 ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法

Country Status (1)

Country Link
JP (2) JP2022017911A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013078332A (ja) * 2010-05-19 2013-05-02 Suntory Holdings Ltd 泡の安定化されたビールテイスト飲料
JP2016182133A (ja) * 2013-01-31 2016-10-20 アサヒビール株式会社 非発酵ビール様発泡性飲料
JP2017112911A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 キリン株式会社 ビールらしい苦味を有する未発酵のビールテイスト飲料

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013078332A (ja) * 2010-05-19 2013-05-02 Suntory Holdings Ltd 泡の安定化されたビールテイスト飲料
JP2016182133A (ja) * 2013-01-31 2016-10-20 アサヒビール株式会社 非発酵ビール様発泡性飲料
JP2017112911A (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 キリン株式会社 ビールらしい苦味を有する未発酵のビールテイスト飲料

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BRAUINDUSTRIE, vol. 67(3), JPN6022040431, 1982, pages 137 - 141, ISSN: 0004977361 *
FRONT. PSYCHOL.,VOL.8,ARTICLE 2205,2017年,[オンライン],[, JPN6022040432, ISSN: 0004977363 *
JOURNAL OF THE INSTITUTE OF BREWING, vol. 107(3), JPN6022040433, 2001, pages 185 - 194, ISSN: 0004977362 *
ブルーバックスB−1632 ビールの化学 麦とホップが生み出すおいしさの秘密, JPN6022040435, 2009, pages 129 - 130, ISSN: 0004977364 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023083552A (ja) 2023-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10512277B2 (en) Method of producing an unfermented beer-taste beverage
JP6792401B2 (ja) 飲料、飲料の製造方法、及び飲料の香味向上方法
JP7249728B2 (ja) ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP2017205036A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味向上方法
JP2022058123A (ja) ビールテイスト飲料
JP7029926B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP2017205038A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及びビールテイスト飲料の香味向上方法
JP6361854B2 (ja) 容器詰めビアテイスト飲料及びその製造方法
JP6876378B2 (ja) ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP7153617B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP2021164432A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP2021145609A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP7182404B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の飲用感向上方法
JP2021145601A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP7182405B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の飲用感向上方法
JP2022017911A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の品質向上方法
JP2021003005A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の飲用感向上方法
JP7201334B2 (ja) ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP7477979B2 (ja) ビールテイスト飲料
JP7469886B2 (ja) ビールテイスト飲料およびその製造方法
JP7283873B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP7194540B2 (ja) ビールテイスト飲料及びビールテイスト飲料の製造方法
TWI417056B (zh) Sour taste reduced ‧ Efforts of unfermented beer flavored malt beverages and their manufacturing methods
JP6954820B2 (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法
JP2023056199A (ja) ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220628

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20220628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220927

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221118

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230425

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20230425

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20230502

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20230630