JPWO2016140045A1 - 界面活性剤含有アミド化合物水溶液 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アミド化合物と界面活性剤を含むアミド化合物水溶液に関する。より詳細には、アミド化合物1kgに対して、陽イオン界面活性剤を2.7〜20mg含むか、又は陰イオン界面活性剤として炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩を0.05〜10mg含むアミド化合物水溶液に関する。本発明によれば、生体触媒を用いてアミド化合物を製造する場合であっても、アミド化合物水溶液の発泡性を低減でき、アミド化合物系重合体の製造における操作性や収率を改善することができる。

Description

[関連出願]
本出願は、日本特許出願2015−039814(2015年3月2日出願)に基づく優先権を主張しており、この内容は本明細書に参照として取り込まれる。
本発明は、アクリルアミド等のアミド化合物水溶液に関する。より詳細には、界面活性剤含有アミド化合物水溶液に関する。
アクリルアミド等のアミド化合物の重合体は、凝集剤、石油回収剤、製紙工業における紙力増強剤、抄紙用増粘剤など、多くの用途を有しており、アミド化合物はその重合体の原料として有用な物質である。
アクリルアミドの工業的製造方法としては、古くは、アクリロニトリルを硫酸及び水とともに加熱してアクリルアミド硫酸塩水溶液を得る硫酸加水分解法が用いられていた。その後、アクリルアミドの工業的製造方法は、アクリロニトリルを金属銅、還元銅、ラネー銅等の銅触媒の存在下に水和させてアクリルアミド水溶液を得る銅触媒法に転換された。
さらに近年、副生成物の少ない製造方法として、微生物に由来するニトリル水和酵素等の生体触媒を利用してアクリルアミド等のアミド化合物水溶液を得る、生体触媒法による工業的製造が主流になりつつある。
しかしながら、生体触媒法により製造されたアミド化合物水溶液には、タンパク質や糖類等の生体触媒由来の不純物が含まれるため、得られたアミド化合物水溶液は発泡し易い。そのため、アミド化合物水溶液を移液、運搬、貯蔵する際に取り扱いが難しくなるだけでなく、アミド化合物を重合させてアミド化合物系重合体を得る際に、発泡によりアミド化合物水溶液が重合釜から溢流し、アミド化合物系重合体の収率が低下するという問題もあった。
そこで、生体触媒を用いて製造したアミド化合物水溶液においても、発泡性が低いことが望まれている。アクリルアミド水溶液の発泡を抑える方法としては、発泡の原因が生体触媒由来のタンパク質であることから、アクリルアミド水溶液に特定の比表面積を有する活性炭を接触させてタンパク質を除去する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2012−62268号公報
しかし、特許文献1に記載の方法では、アミド化合物水溶液に活性炭を添加したり除去したりする手間がかかるだけでなく、アミド化合物水溶液を活性炭で処理するための機器や装置を新たに設置する必要がある。さらに、アミド化合物水溶液との接触により活性炭が目詰まりするため、活性炭を再生させる操作が必要となり、そのための機器や装置も必要となるので、アミド化合物水溶液の製造工程が複雑になり、工業的には不利である。
そこで、本発明は、生体触媒を用いて製造したアミド化合物水溶液であっても、発泡性の低いアミド化合物水溶液を提供することを主な目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アクリルアミド等のアミド化合物水溶液中に特定濃度の陽イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤(炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩)を存在させることにより、上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(12)に関する。
(1)アミド化合物と、
前記アミド化合物1kgに対して、陽イオン界面活性剤を2.7〜20mg含む、又は
前記アミド化合物1kgに対して、陰イオン界面活性剤として炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩を0.01〜10mg含む、アミド化合物水溶液。
(2)アミド化合物1kgに対して、陽イオン界面活性剤を2.7〜20mg含む、上記(1)に記載のアミド化合物水溶液。
(3)陽イオン界面活性剤が、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム及び塩化デカリニウムから選ばれる少なくとも1種である、
上記(1)又は(2)に記載のアミド化合物水溶液。
(4)陽イオン界面活性剤が、塩化ベンゼトニウム及び塩化ベンザルコニウムから選ばれる少なくとも1種である、上記(1)〜(3)のいずれかに記載のアミド化合物水溶液。
(5)アミド化合物水溶液に含まれるタンパク質1gに対して、陽イオン界面活性剤を15〜150mg含む、アミド化合物水溶液。
(6)アミド化合物1kgに対して、陰イオン界面活性剤として炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩を0.01〜10mg含む、上記(1)に記載のアミド化合物水溶液。
(7)陰イオン界面活性剤がペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、上記(6)に記載のアミド化合物水溶液。
(8)アミド化合物水溶液に含まれるタンパク質1gに対して、陰イオン界面活性剤を0.02〜100mg含む、アミド化合物水溶液。
(9)アミド化合物が、生体触媒によりニトリル化合物を水和して生成させたものである、
上記(1)〜(8)のいずれかに記載のアミド化合物水溶液。
(10)アミド化合物水溶液中のアミド化合物の濃度が25〜60質量%である、
上記(1)〜(9)のいずれかに記載のアミド化合物水溶液。
(11)アミド化合物がアクリルアミドである、
上記(1)〜(10)のいずれかに記載のアミド化合物水溶液。
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載のアミド化合物水溶液中のアミド化合物を重合する、アミド化合物系重合体の製造方法。
本発明によれば、アクリルアミド水溶液中に特定の濃度の陽イオン界面活性剤又は陰イオン界面活性剤(炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩)を存在させることにより、アクリルアミド水溶液の発泡性を低下させることができ、移液や運搬、貯蔵、重合操作を行う際に、取り扱い易くなる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
(1)生体触媒
本発明におけるアミド化合物水溶液は、反応副生物が少なく高純度なアミド化合物が得られるので、生体触媒法で製造されたものが好ましい。生体触媒によるアミド化合物の製造方法に関しては、ニトリルヒドラターゼを初めとする水和酵素によって対応するニトリル化合物からアミド化合物が生成すれば限定されず、使用する酵素の種類、微生物の種類、反応条件等は当業者が適宜選択することができる。例えば、国際公開第2009/113654号パンフレット記載の方法を挙げることができる。
本発明のアミド化合物水溶液を生成するために使用する生体触媒としては、目的とする反応の触媒となる酵素を含有する動物細胞、植物細胞、細胞小器官、菌体(生菌体又は死滅体)もしくはその処理物が含まれる。
酵素の処理物としては、細胞から抽出された粗酵素又は精製酵素、さらに動物細胞、植物細胞、細胞小器官、菌体(生菌体又は死滅体)又は酵素自体を包括法、架橋法、担体結合法等で固定化したものが挙げられる。
包括法とは、菌体又は酵素を高分子ゲルの微細な格子の中に包み込むか、半透膜性の高分子の皮膜によって被覆する方法である。また、架橋法とは、酵素を2個又はそれ以上の官能基を持った試薬(多官能性架橋剤)で架橋する方法である。また、担体結合法とは、水不溶性の担体に酵素を結合させる方法である。
固定化に用いる固定化担体としては、例えば、ガラスビーズ、シリカゲル、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カラギーナン、アルギン酸、寒天、ゼラチン等が挙げられる。
菌体としては、例えば、ノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobavter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属等に属する微生物が挙げられる。
酵素としては、例えば、前記微生物が産生するニトリルヒドラターゼが挙げられる。
(2)アミド化合物の製造
生体触媒を用いたアミド化合物の製造方法は、連続反応により行う方法(連続的にアミド化合物を生成させる方法)であってもよいし、バッチ反応により行う方法(非連続的にアミド化合物を生成させる方法)であってもよい。工業的な生産効率の点から、連続反応により行う方法が好ましい。
ここで、連続反応により行う方法とは、反応原料(原料水、生体触媒及びニトリル化合物を含む)の連続的又は間歇的な供給と、反応混合物(生成したアミド化合物を含む)の連続的又は間歇的な取り出しとを行いながら、反応器内の反応混合物を全量抜き出すことなく連続的にアミド化合物を製造する方法を意味する。
生体触媒の使用量は、効率良くアミド化合物が製造できれば特には限定されず、当業者は用いる生体触媒の種類、形態に応じて適宜選択することができる。例えば、反応器に供給する生体触媒の活性を、反応温度10℃で乾燥菌体1mg当たり50〜500U程度となるように調整することが好ましい。前記単位U(ユニット)とは、1分間に対応するニトリル化合物からアミド化合物を1マイクロモル生成させることを意味する。
反応中の反応液中のニトリル化合物濃度は、用いる生体触媒の種類、形態によっても異なるが、0.5〜15質量%程度であることが好ましい。
以上のようにして製造するアミド化合物水溶液の濃度は、特には限定されず、使用目的等に応じて適宜選択することができる。例えば、25〜60質量%のアミド化合物水溶液を製造するのが好ましく、30〜55質量%のアミド化合物水溶液を製造することがより好ましい。
アミド化合物水溶液中のアミド化合物濃度を25質量%以上とすることにより、貯蔵や保管に用いるタンク容積をより小さくすることができ、また、輸送コストを抑制することができる。また、アミド化合物水溶液中のアミド化合物濃度を60質量%以下とすることにより、常温近くでアミド化合物の結晶が析出するのを防ぐことができるため、加熱装置が必要となり設備コストが増加するのを防ぐことができ、また、温度管理が必要となることにより操作性が複雑化するのを防ぐことができる。
反応終了後、必要に応じてアミド化合物水溶液中の生体触媒を除去することができる。アミド化合物水溶液中の生体触媒の分離方法としては、ろ過、遠心分離、凝集、吸着等の方法が挙げられる。
本発明にかかる「アミド化合物」は特に限定されないが、重合体の原料となる不飽和結合を有するアミド化合物は産業上の利用価値が高い。そのような不飽和結合を有するアミド化合物としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ニコチンアミド、クロトンアミド、チグリックアミド、2−ペンテン酸アミド、3−ペンテン酸アミド、4−ペンテン酸アミド、2−ヘキセン酸アミド、3−ヘキセン酸アミド、5−ヘキセン酸アミド等のモノアミド化合物、フマル酸ジアミド、マレイン酸ジアミド、シトラコン酸ジアミド、メサコン酸ジアミド、イタコン酸ジアミド、2−ペンテン二酸ジアミド、3−ヘキセン二酸ジアミド等のジアミド化合物などが挙げられる。好ましくは、モノアミド化合物であり、より好ましくは、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。なお、本明細書中では、アクリルアミドおよびメタクリルアミドを併せて「(メタ)アクリルアミド」と記載することもある。
(3)陽イオン界面活性剤
本発明におけるアミド化合物水溶液は、陽イオン界面活性剤を含有することができる。陽イオン界面活性剤の含有量は、アミド化合物1kgに対して2.7mg以上とするのが好ましい。陽イオン界面活性剤の含有量を、アミド化合物1kgに対して3.0mg以上とすることがより好ましく、3.5mg以上とすることが更に好ましい。
なお、アミド化合物水溶液に陽イオン界面活性剤が複数種類含まれる場合は、その複数種類の陽イオン界面活性剤の総量を、アミド化合物1kgに対して2.7mg以上とする。アミド化合物水溶液中の陽イオン界面活性剤の総含有量は、アクリルアミド1kgに対して3.0mg以上とすることがより好ましく、3.5mg以上とすることが更に好ましい。
アミド化合物水溶液中の陽イオン界面活性剤の含量をアミド化合物1kgに対して2.7mg以上とすることにより、アミド化合物水溶液の発泡を十分に抑制することができる。
アミド化合物水溶液中の陽イオン界面活性剤の含有量の上限は特には限定されないが、アミド化合物の品質および経済性の点から、アミド化合物1kgに対して20mg以下とすることが好ましく、15mg以下とするがより好ましく、10mg以下とすることが更に好ましい。
アミド化合物水溶液中に陽イオン界面活性剤を含有させる方法については限定されず、アミド化合物水溶液中に陽イオン界面活性剤を添加すればよい。その際、陽イオン界面活性剤をそのまま添加してもよいし、陽イオン界面活性剤を水溶液として添加してもよい。
なお、陽イオン界面活性剤は、アミド化合物を製造する工程の何れの工程において添加してもよい。例えば、生体触媒を調製する工程、生体触媒の存在下ニトリル化合物を水和してアミド化合物を生成させる工程、アミド化合物水溶液を精製する工程、アミド化合物水溶液を貯蔵する工程等のいずれにおいても陽イオン界面活性剤を添加することができる。陽イオン界面活性剤を添加する工程は、1つに限られない。
また、製造工程上、アミド化合物水溶液中に陽イオン界面活性剤が含まれる場合であって、その量がアミド化合物1kgに対して2.7mg未満の場合、アミド化合物水溶液に陽イオン界面活性剤を添加して、2.7mg以上とすることができる。
アミド化合物水溶液中に含まれる陽イオン界面活性剤の量を確認する方法は特には限定されず、例えば、液体クロマトグラフィー質量分析法等を用いて測定することができる。
本発明で使用する陽イオン界面活性剤は、陽イオン性の親水基を持つ界面活性剤であれば特には限定されず、例えば、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、塩化デカリニウム等を使用することができる。これらの中でも、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウムが好ましい。これらの陽イオン界面活性剤は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。
また、本発明における陽イオン界面活性剤の使用量を、アミド化合物水溶液中に含まれるタンパク質の量を基準に設定することも可能である。例えば、アミド化合物水溶液中に含まれるタンパク質1gに対して、陽イオン界面活性剤の添加量(含有量)を15〜150mgとすることが好ましく、16〜145mgとすることがより好ましく、18〜140mgとすることが更に好ましい。
本明細書において、アミド化合物水溶液中に含まれるタンパク質の量を測定する方法としては、限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、ローリー法により測定することができる。
(4)陰イオン界面活性剤
本発明におけるアミド化合物水溶液は、陰イオン界面活性剤を含有することもできる。陰イオン界面活性剤としては、炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩を使用する。
炭素数15〜20のカルボン酸としては、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であっても良いが、飽和脂肪酸を使用するのが好ましい。これらのカルボン酸の中でも、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸及びアラキジン酸から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ステアリン酸がより好ましい。
また、炭素数15〜20のカルボン酸と塩を形成する元素としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属が好ましい。
陰イオン界面活性剤の含有量は、アミド化合物1kgに対して0.01〜10mgであることが好ましく、0.02〜9mgがより好ましく、0.03〜8mgが更に好ましく、0.05〜1mgが最も好ましい。陰イオン界面活性剤の含有量をアミド化合物1kgに対して0.01mg以上とすることにより、十分な泡切れ効果を得ることができる。また、陰イオン界面活性剤の含有量をアミド化合物1kgに対して10mg以下とするのは、これ以上添加しても飛躍的な効果が得られにくいからである。
また、本発明における陰イオン界面活性剤の使用量を、アミド化合物水溶液中に含まれるタンパク質の量を基準に設定することも可能である。例えば、アミド化合物水溶液中に含まれるタンパク質1gに対して、陰イオン界面活性剤の添加量(含有量)を0.02〜100mgとすることが好ましく、0.04〜95mgとすることがより好ましく、0.06〜90mgとすることが更に好ましい。
本明細書において、アミド化合物水溶液中に含まれるタンパク質の量を測定する方法としては、限定されず、公知の方法を使用することができる。例えば、ローリー法により測定することができる。
本発明の発泡性を低減させたアミド化合物水溶液は、移液、貯蔵、輸送およびアミド化合物重合体を製造する際に、取り扱い易くなる。さらに、アミド化合物重合体の製造において、アミド化合物水溶液の発泡による重合釜からの溢流を抑制できるので、アミド化合物からアミド化合物系重合体を製造する際の収率低下を防止できる。
また、陽イオン界面活性剤または陰イオン界面活性剤は、アミド化合物又はそれを用いて得られたアミド化合物系重合体の品質への影響はほとんどない。すなわち、本発明の発泡性を低減させたアミド化合物水溶液の品質は、陽イオン界面活性剤を添加していないアミド化合物水溶液の品質と同等であり、それぞれのアミド化合物を用いて得られたアミド化合物系重合体の品質もほとんど同等である。
(5)アミド化合物系重合体の製法
本発明は、界面活性剤を含有するアミド化合物水溶液を用いた、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアミド化合物重合体の製造方法も提供する。前記方法は、アミド化合物を単独重合するものであっても、1又は2以上の他の単量体と共重合するものであってもよい。
共重合可能な単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸及びその塩;ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びそれらの塩;(メタ)アクリル酸のアルキルアミノアルキルエステル又はその誘導体;N,N-ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド又はその誘導体;アセトンアクリルアミド、N-プロピルアクリルアミドなどの親水性アクリルアミド;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、などの(メタ)アクリレート誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブテン等のオレフィン類が挙げられる。
重合方法は、常法にしたがい、原料となる単量体を含む水溶液(アミド化合物、他の単量体を含む水溶液)に重合開始剤を加えて、適当な条件で重合を行う。重合方法は水溶液重合、懸濁重合、乳化重合のいずれであってもよい。
重合開始剤としては、ラジカル開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジクロリド等のアゾ系遊離基開始剤;上記過酸化物と重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、硫化第一鉄アンモニウム等の還元剤を併用するいわゆるレドックス系触媒が挙げられる。上述した重合開始剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の製造方法によれば、生体触媒を用いてアミド化合物を製造した場合においても、発泡性の低いアクリルアミド水溶液が提供できるので、アミド化合物の移液、運搬、貯蔵、アミド化合物を重合してアミド化合物系重合体を製造する際のアミド化合物水溶液の取り扱いが容易になる。また、重合釜からのアミド化合物水溶液の溢流を抑制できるので、アミド化合物からアミド化合物系重合体を製造する際の収率低下を防止できる。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
(1)アクリルアミド水溶液中の陽イオン界面活性剤の濃度測定
製品50質量%アクリルアミド水溶液(三菱レイヨン株式会社製:生体触媒法によりアクリロニトリルを水和させて製造、pH6.8)の塩化ベンゼトニウム濃度を液体クロマトグラフィーにより分析した。
分析には、HPLC alliance 2695(waters社製)装置を使用し、カラムはZORBAX Eclipse XDB−C18(5μm、4.6×150mm、Agilent社製)を用いた。移動相を100mM NaCl/メタノール=20/80、1.0m/minとして、試料を10μL注入し、PDA:2996(waters社製)で検出した。
その結果、アクリルアミド1kgに対して、塩化ベンゼトニウムは2.3mg含まれていた。
(2)陽イオン界面活性剤の含有量の調整
塩化ベンゼトニウム(関東化学株式会社、鹿1級)を純水で希釈し、1000mg/kgの濃度に調整した。
製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg(即ち、アクリルアミド500g)取り、これに1000mg/kgの塩化ベンザルコニウム水溶液を0.25g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して塩化ベンゼトニウムを2.8mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液1)を調製した。
(3)アクリルアミド水溶液の泡立ちテスト
外径25mm、孔径30μmのエアースパージャーを容器底面に備えた容積1000mLのガラス製円筒容器内に、アクリルアミド水溶液1を500mL入れた。
エアースパージャーから空気を100mL/minで30秒供給してアクリルアミド水溶液を泡立たせた後、空気の供給を停止した。空気の供給を停止してからアクリルアミド水溶液の泡が消えるまでの時間を測定したところ、その時間は5秒であった(泡が消えるまでの好ましい時間は10秒以下である)。
[比較例1]
アクリルアミド水溶液に塩化ベンゼトニウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様に実験を行った。その結果、泡が消えるまでの時間は29秒であった。
[実施例2]
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに実施例1で調製した1000mg/kgの塩化ベンゼトニウム水溶液を0.85g加えてよく混合し、アクリルアミド1kgに対して塩化ベンゼトニウムを4.0mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液2)を調製した。
アクリルアミド水溶液2を用いた以外は、実施例1と同様にアクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は4秒であった。
[比較例2]
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに実施例1で調製した1000mg/kgの塩化ベンゼトニウム水溶液を0.15g加えてよく混合し、アクリルアミド1kgに対して塩化ベンゼトニウムを2.6mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液3)を調製した。
アクリルアミド水溶液3を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は18秒であった。
[実施例3]
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに実施例1で調製した1000mg/kgの塩化ベンゼトニウム水溶液を1.85g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して塩化ベンゼトニウムを6.0mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液4)を調製した。
アクリルアミド水溶液4を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は4秒であった。
実施例1〜3、比較例1及び2の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2016140045
[実施例4]
塩化ベンザルコニウム(関東化学株式会社、鹿1級)を純水で希釈し、1000mg/kgの濃度に調整した。
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに1000mg/kgの塩化ベンザルコニウム水溶液を0.25g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して陽イオン界面活性剤(塩化ベンゼトニウムと塩化ベンザルコニウムの総量)を2.8mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液5)を調製した。
アクリルアミド水溶液5を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は6秒であった。
[比較例3]
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに実施例4で調製した1000mg/kgの塩化ベンザルコニウム水溶液を0.15g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して陽イオン界面活性剤(塩化ベンゼトニウムと塩化ベンザルコニウムの総量)を2.6mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液6)を調製した。
アクリルアミド水溶液6を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は23秒であった。
[実施例5]
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに実施例4で調製した1000mg/kgの塩化ベンザルコニウム水溶液を0.85g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して陽イオン界面活性剤(塩化ベンゼトニウムと塩化ベンザルコニウムの総量)を4.0mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液7)を調製した。
アクリルアミド水溶液7を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は6秒であった。
[実施例6]
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに実施例4で調製した1000mg/kgの塩化ベンザルコニウム水溶液を1.85g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して陽イオン界面活性剤(塩化ベンゼトニウムと塩化ベンザルコニウムの総量)を6.0mg含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液8)を調製した。
アクリルアミド水溶液8を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は5秒であった。
実施例4〜6及び比較例3の結果をまとめて表2に示す。
Figure 2016140045
[実施例7]
陰イオン界面活性剤であるステアリン酸ナトリウム水溶液(東京化成工業社)を純水で希釈し、1000mg/kgの濃度に調整した。
実施例1で使用した製品50質量%アクリルアミド水溶液を1kg取り、これに上記1000mg/kgのステアリン酸ナトリウム水溶液を0.025g加えてよく混合して、アクリルアミド1kgに対して陰イオン界面活性剤を0.05mg(0.05ppm)含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液9)を調製した。
アクリルアミド水溶液9を用いた以外は、実施例1と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は5秒であった。
[実施例8〜11]
アクリルアミド1kgに対してステアリン酸ナトリウムをそれぞれ0.1mg、0.2mg、0.5mg、1.0mg(それぞれ0.1ppm、0.2ppm、0.5ppm、1.0ppm)含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液10〜13)を調製した以外は、実施例7と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間はそれぞれ7秒、7秒、4秒及び3秒であった。
[比較例4、5]
アクリルアミド1kgに対してミリスチン酸ナトリウム(東京化成工業社)をそれぞれ0.2mg、0.5mg(それぞれ0.2ppm、0.5ppm)含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液14及び15)を調製した以外は、実施例7と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間はそれぞれ150秒及び200秒であった。
[比較例6、7]
アクリルアミド1kgに対してラウリン酸ナトリウム(東京化成工業社)をそれぞれ0.2mg、0.5mg(それぞれ0.2ppm、0.5ppm)含んだアクリルアミド水溶液(アクリルアミド水溶液16及び17)を調製した以外は、実施例7と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間はそれぞれ185秒及び295秒であった。
実施例7〜11及び比較例4〜7の結果をまとめて表3に示す。
Figure 2016140045
[比較例8]
実施例7のアクリルアミド水溶液9において、陰イオン界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)の代わりに、アルコール系消泡剤としてアデカノールLG295S(ADEKA社製)をそれぞれ濃度0、0.1、0.3、0.5、1、10、100、及び300ppm(mg/kg)となるように添加した以外は、実施例7と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は、アルコール系消泡剤の濃度が1ppm以下の場合は、500〜600秒、アルコール系消泡剤の濃度が10ppm以上の場合は計測不能であった。比較例8の結果をまとめて表4に示す。
[比較例9]
実施例7のアクリルアミド水溶液9において、陰イオン界面活性剤(ステアリン酸ナトリウム)の代わりに、シリコン系消泡剤として信越シリコンKS−604(信越化学社製)をそれぞれ濃度0、0.3、1、及び100ppm(mg/kg)となるように添加した以外は、実施例7と同様に、アクリルアミド水溶液の泡立ちが消えるまでの時間を測定した。その結果、泡が消えるまでの時間は、それぞれ550秒、510秒、300秒及び400秒であった。
比較例9の結果をまとめて表4に示す。
Figure 2016140045
[実施例12]
実施例1で用いたアクリルアミド水溶液1中に含まれるタンパク質濃度を、Lowry法を用いて測定したところ、アクリルアミド水溶液1kgあたり76mgであった。実施例1で使用した陽イオン界面活性剤の濃度を、タンパク質1gあたりの濃度に換算すると、18.4mgであった。
[実施例13]
実施例7で用いたアクリルアミド水溶液1中に含まれるタンパク質濃度を、Lowry法を用いて測定したところ、アクリルアミド水溶液1kgあたり76mgであった。実施例7で使用した陰イオン界面活性剤の濃度を、タンパク質1gあたりの濃度に換算すると、0.7mgであった。
本発明によれば、アクリルアミド等のアミド化合物水溶液の発泡性を低減することができるので、アミド化合物の移液、運搬、貯蔵、アミド化合物を重合してアミド化合物系重合体を製造する際のアミド化合物水溶液の取り扱いを容易にすることができる。
また、本発明によれば、アクリルアミド等のアミド化合物系重合体の製造において、重合釜からのアミド化合物水溶液の溢流を抑制できるので、アミド化合物からアミド化合物系重合体を製造する際の収率低下を防止できる。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願をそのまま参考として本明細書中にとり入れるものとする。

Claims (12)

  1. アミド化合物と、
    前記アミド化合物1kgに対して、陽イオン界面活性剤を2.7〜20mg含む、又は
    前記アミド化合物1kgに対して、陰イオン界面活性剤として炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩を0.01〜10mg含む、アミド化合物水溶液。
  2. アミド化合物1kgに対して、陽イオン界面活性剤を2.7〜20mg含む、請求項1に記載のアミド化合物水溶液。
  3. 陽イオン界面活性剤が、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム及び塩化デカリニウムから選ばれる少なくとも1種である、
    請求項1又は2に記載のアミド化合物水溶液。
  4. 陽イオン界面活性剤が、塩化ベンゼトニウム及び塩化ベンザルコニウムから選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミド化合物水溶液。
  5. アミド化合物水溶液に含まれるタンパク質1gに対して、陽イオン界面活性剤を15〜150mg含む、アミド化合物水溶液。
  6. アミド化合物1kgに対して、陰イオン界面活性剤として炭素数15〜20のカルボン酸又はその塩を0.01〜10mg含む、請求項1に記載のアミド化合物水溶液。
  7. 陰イオン界面活性剤がペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載のアミド化合物水溶液。
  8. アミド化合物水溶液に含まれるタンパク質1gに対して、陰イオン界面活性剤を0.02〜100mg含む、アミド化合物水溶液。
  9. アミド化合物が、生体触媒によりニトリル化合物を水和して生成させたものである、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載のアミド化合物水溶液。
  10. アミド化合物水溶液中のアミド化合物の濃度が25〜60質量%である、
    請求項1〜9のいずれか一項に記載のアミド化合物水溶液。
  11. アミド化合物がアクリルアミドである、
    請求項1〜10のいずれか一項に記載のアミド化合物水溶液。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のアミド化合物水溶液中のアミド化合物を重合する、アミド化合物系重合体の製造方法。
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