JPWO2016136799A1 - チタニアからなるモノリス多孔体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
有機溶媒中で、チタン前駆体と第1の陰イオン源を混合させてチタン前駆体溶液を調製する第1の工程と、
前記チタン前駆体溶液に水または第2の陰イオン源を含む水溶液を加え、加水分解反応と重縮合反応を開始させてゾルを調製する第2の工程と、
前記ゾルに対して、所定のゲル化促進温度に維持して、前記加水分解反応と前記重縮合反応の進行により、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させてチタニアヒドロゲル相と溶媒相の共連続構造体を形成する第3の工程と、
前記共連続構造体から前記溶媒相を除去する第4の工程と、を有し、
前記チタン前駆体は、チタンメトキシドを除くチタンアルコキシドであり、
前記第1及び第2の陰イオン源は、前記チタン前駆体との反応でプロトンを放出して陰イオンとして作用し、前記チタン前駆体と配位結合する化合物であり、
前記第1、第2、及び、第3の工程において、前記チタン前駆体溶液及び前記ゾルの温度を、前記チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に維持し、
前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に水を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が1.05以上となるように、前記第1の陰イオン源の配合量を設定し、
前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が3.0を超えないように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とするモノリス多孔体の製造方法を提供する。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)2.1mLと1−プロパノール(有機溶媒)3.4mLとを混合し、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源のモル比は1.05である。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱するが、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら3時間撹拌して均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で水1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ15秒でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。
アセト酢酸エチル2mLと1−プロパノール3.5mLとを混合し、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源のモル比は1.0である。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱するが、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら3時間撹拌して均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で水1mLを撹拌下で滴下したところ瞬時にゲル化して、沈殿物が発生した。
実施例1と同様に、本温度制御が行われたが、チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比が1.0であり、モル比制御条件(1.05以上)が満たされなかった結果、均質なゲルは得られなかった。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)20mLと1−プロパノール(有機溶媒)35mLとを混合し、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド50mLを加え均一な溶液とし、更に、硝酸アンモニウム(陰イオン源1B)0.8gを追加し、3時間撹拌して均質なチタン前駆体溶液を得た。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.0、第1の陰イオン源(陰イオン源1B)のモル比は0.05、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)の合計モル比は1.05である。当該チタン前駆体溶液に40℃のゲル化促進温度で水10mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ3分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液500mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液500mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水500mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。得られた焼結ゲルの窒素ガス吸脱着法による細孔構造解析結果を図7に示す。焼結ゲルは、細孔直径ピークが8nm、細孔直径が約3〜10nmの範囲に分布し、比表面積が203m2/g、細孔容積が0.29cm3/gのモノリス多孔体であることが確認された。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)20mLと1−プロパノール(有機溶媒)35mLとを混合し、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド50mLを加え均一な溶液とした。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱したが、発熱時の溶液温度の抑制をしなかったため、チタン前駆体の混合中に溶媒が沸騰し、5分の1〜4分の1程度の溶媒が減少した。溶液温度は90℃〜95℃程度で推移していた。その後、硝酸アンモニウム(陰イオン源1B)0.8gを加えて3時間撹拌してチタン前駆体溶液とした後、水10mLを撹拌下で滴下していったところ、前駆体ゾルに沈殿物が発生して不透明となり、均質なゲルは得られなかった。実施例9と同様に、チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.0、第1の陰イオン源(陰イオン源1B)のモル比は0.05、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)の合計モル比は1.05であり、モル比制御条件(1.05以上)は満たされたが、本温度制御が行われなかった結果、均質なゲルは得られなかった。
本製造方法1の第1の工程において、チタンイソプロポキシドの添加前に相分離誘起剤であるポリエチレングリコール(分子量35000)2.5gを混合した以外は、上述の実施例9と同様の製造手順で焼結ゲルを得た。得られた焼結ゲルの窒素ガス吸脱着法による細孔構造解析結果を図8に示す。焼結ゲルは、細孔直径ピークが6nm、細孔直径が約3〜9nmの範囲に分布し、比表面積が215m2/g、細孔容積が0.27cm3/gのモノリス多孔体であることが確認された。また、得られた焼結ゲルの電子顕微鏡写真を図9に示す。図9より、当該焼結ゲルが、骨格径及び貫通孔径の夫々が約1μmの共連続構造を有する多孔体であることが分かり、細孔構造解析結果と総合すると、二段階階層的多孔構造を有するチタニアモノリス多孔体であることが確認された。
チタニアモノリス多孔体の貫通孔は添加する相分離誘起剤の量を変化させることで調整可能である。本製造方法1の第1の工程において、ポリエチレングリコールの量を3.0gとし、その他は上述の実施例15と同様の製造手順で焼結ゲルを作製した。得られた焼結ゲルの電子顕微鏡写真を図10に示す。図10より、当該焼結ゲルが、骨格径及び貫通孔径の夫々が約2〜3μmの共連続構造を有する多孔体であることが分かる。尚、得られた焼結ゲルの細孔構造は、上述の実施例15と同様であるので解析結果の説明は省略する。以上より、当該焼結ゲルが、二段階階層的多孔構造を有するチタニアモノリス多孔体として、骨格径と貫通孔径が相分離誘起剤の量で制御できることが確認された。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)5.5mLに、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら撹拌下で、チタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えて、均質なチタン前駆体溶液とした後、水1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを40℃のゲル化促進温度で静置したところ60分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源のモル比は2.75である。
本製造方法1の第3の工程におけるゲル化促進温度を60℃とした以外は、上述の実施例9と同様の製造手順で焼結ゲルを得た。ゲル化時間は、実施例13の60分から10分に短縮された。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)5.5mLに、撹拌下で、チタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えてチタン前駆体溶液を調製した。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱したが、発熱時の溶液温度の抑制をしなかったため、チタン前駆体の混合中に溶媒が沸騰して減少した。溶液温度は90℃〜95℃程度で推移していた。溶媒減少後のチタン前駆体溶液に水1mLを撹拌下で滴下したところ、前駆体ゾルに沈殿物が発生して不透明となり、得られた前駆体ゾルを40℃のゲル化促進温度で静置したが均質なゲルは得られなかった。実施例13と同様に、チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は2.75であり、モル比制御条件(1.05以上)は満たされたが、本温度制御が行われなかった結果、均質なゲルは得られなかった。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)20mLと1−プロパノール(有機溶媒)35mLとを混合し、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド50mLを加え均質なチタン前駆体溶液とし、更に、40℃のゲル化促進温度にて1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液10mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ1分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.0、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.05、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は1.05である。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液500mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液500mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水500mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。
アセト酢酸エチル200mLと1−プロパノール350mLとを混合し、水冷ジャケットにより発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド500mLを加え均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液100mLを滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ1分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。チタンイソプロポキシドに対する第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の各モル比及び合計モル比は、上述の実施例31と同じである。本製造方法によれば、第1の工程で調整するチタン前駆体溶液が大幅に増大しても、均質なチタニアモノリス多孔体を製造可能である。
アセト酢酸エチル1.5mLと1−プロパノール4mLとを混合し、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加え均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で6mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液1mLを滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ3分でゲル化したが、針状結晶が発生し、硝酸アンモニウム(陰イオン源2)が溶解せずに析出し、均質なゲルが得られなかった。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は0.75、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.3、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は1.05である。第1及び第2の陰イオン源の合計モル比1.05は、合計モル比に対するモル比制御条件(1.05以上)は満足しているが、硝酸アンモニウム(陰イオン源2)が、1−プロパノール及びアセト酢酸エチルとチタンイソプロポキシドの反応の副生成物である2−プロパノールに対して難溶性であるにも拘わらず、第2の陰イオン源のモル比に対するモル比制御条件(0.3未満)が満たされなかった結果、均質なゲルが得られなかった。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)2.5mLと1−プロパノール(有機溶媒)2.5mLとを混合し、更に、相分離誘起剤であるポリエチレングリコール(分子量35000)0.35gを混合し、空冷により発熱時の溶液温度を80℃に抑えながら、撹拌下でチタンn−イソプロポキシド5mLを加え均質なチタン前駆体溶液とし、更に、40℃のゲル化促進温度で1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ2分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して、二段階階層的多孔構造を有する焼結ゲルを得た。チタンn−プロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.2、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.05、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は1.25である。実施例40では、チタン前駆体としてチタンn−イソプロポキシドを使用しているため、チタン前駆体溶液中の最も低沸点の化合物は、沸点が約97〜98℃の1−プロパノールであるため、発熱時のチタン前駆体溶液の温度を80℃に抑えるだけで、溶媒の沸騰は回避できる。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)5.5mLに、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えて、均質なチタン前駆体溶液とした後、1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを40℃のゲル化促進温度で静置したところ180分以上でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は3、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.05、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は3.05である。
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)2.5mLに、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えて、均質なチタン前駆体溶液とした後、酢酸(陰イオン源2)3gを含む酢酸水溶液1mLを40℃のゲル化促進温度で撹拌下にて滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ30秒でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.25、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は3、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は4.25である。実施例38では、第2のイオン源である酢酸が、アセト酢酸エチルとチタンイソプロポキシドの反応の副生成物である2−プロパノールに対して可溶性であるため、第2の陰イオン源のモル比に対するモル比制御条件(0.3未満)が適用対象外となり、当該条件が充足されていなくても、均質なチタニアモノリス多孔体を得ることができる。
本製造方法1の第1の工程において、チタンイソプロポキシドの添加前に相分離誘起剤であるポリエチレングリコール(分子量35000)0.24gを混合した以外は、上述の実施例37と同様の製造手順で二段階階層的多孔構造を有する焼結ゲルを得た。
モノリス多孔体を得ることができる。
本製造方法1の第1の工程によるチタン前駆体溶液を調製せずに、チタン(IV)イソプロポキシド5mLに、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、40℃のゲル化促進温度で水1mLを撹拌下で直接滴下したところ瞬時にゲル化して、沈殿物が発生した。比較例6は、モル比制御条件(1.05以上)が充足されない極端な比較例である。
Claims (10)
- ゾルゲル法による3次元連続網目構造のチタニアからなるモノリス多孔体の製造方法であって、
有機溶媒中で、チタン前駆体と第1の陰イオン源を混合させてチタン前駆体溶液を調製する第1の工程と、
前記チタン前駆体溶液に水または第2の陰イオン源を含む水溶液を加え、加水分解反応と重縮合反応を開始させてゾルを調製する第2の工程と、
前記ゾルに対して、所定のゲル化促進温度に維持して、前記加水分解反応と前記重縮合反応の進行により、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させてチタニアヒドロゲル相と溶媒相の共連続構造体を形成する第3の工程と、
前記共連続構造体から前記溶媒相を除去する第4の工程と、を有し、
前記チタン前駆体は、チタンメトキシドを除くチタンアルコキシドであり、
前記第1及び第2の陰イオン源は、前記チタン前駆体との反応でプロトンを放出して陰イオンとして作用し、前記チタン前駆体と配位結合する化合物であり、
前記第1、第2、及び、第3の工程において、前記チタン前駆体溶液及び前記ゾルの温度を、前記チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に維持し、
前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に水を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が1.05以上となるように、前記第1の陰イオン源の配合量を設定し、
前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が0.3を超えないように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とするモノリス多孔体の製造方法。 - 前記チタン前駆体が、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記チタン前駆体が、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が0.2以下となるように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となり、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が0.85以上となるように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記第1の工程において、前記第1の陰イオン源を前記有機溶媒として使用することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記第1の工程において、前記有機溶媒と前記第1の陰イオン源を混合した溶媒中に前記チタン前駆体を加えて前記チタン前駆体溶液を調製することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記第1の工程において、ゾルゲル転移とスピノーダル分解型相分離を並行して誘起する働きを有する共存物質を前記有機溶媒に添加することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
- 前記第1の陰イオン源が、前記有機溶媒に対して可溶性、且つ、水に対して難溶性の第1タイプの配位性化合物、または、前記有機溶媒と水の両方に対して可溶性の第2タイプの配位性化合物であり、
前記第2の陰イオン源が、前記第2タイプの配位性化合物、または、前記有機溶媒に対して難溶性、且つ、水溶性の第3タイプの配位性化合物であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。 - 前記第1の陰イオン源が、βジケトン類、カルボン酸、または、これらの異性体或いは複合体を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
Applications Claiming Priority (3)
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