JPWO2016136799A1 - チタニアからなるモノリス多孔体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

チタン前駆体として種々のチタンアルコキシドを用いてゾルゲル法により均質なチタニアモノリス多孔体を安定的に作製できる製造方法を提供する。有機溶媒中でチタン前駆体であるチタンメトキシドを除くチタンアルコキシドと第1の陰イオン源を混合させてチタン前駆体溶液を調製する工程と、チタン前駆体溶液に水または第2の陰イオン源を含む水溶液を加えてゾルを調製する工程と、ゾルに対してゾルゲル転移と相分離を並行して発現させてチタニアヒドロゲル相と溶媒相の共連続構造体を形成する工程と、共連続構造体から溶媒相を除去する工程を有し、最初の3工程においてチタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に維持し、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比または第1及び第2の陰イオン源の合計モル比が1.05以上となるように、第1の陰イオン源または第1及び第2の陰イオン源の配合量を設定する。

Description

本発明は、ゾルゲル法による3次元連続網目構造のチタニアからなるモノリス多孔体の製造方法に関する。
三次元連続網目状構造を持つ無機多孔体であるモノリスに、チタンアルコキシド等のチタン化合物を出発原料として作製されるチタン酸化物(チタニア)からなるチタニアモノリスがある。チタニアモノリスは、その出発原料であるチタン前駆体を水により加水分解・重縮合を並行して発現させ、ゾルゲル転移を経てチタニアモノリスゲルが作製されるが、シリカアルコキシドを出発原料として作製されるシリカゲルと比べて、チタンアルコキシド[化学式:Ti(OR)、Rはアルキル基]は水分子に対して極めて反応性が高いことから製造方法が限定されている。
具体的なチタニアモノリス多孔体の製造方法として、下記の特許文献1に、pH3.5以下の酸性水溶液化にてチタンアルコキシドを反応させチタニアモノリスを製造する方法(第1の従来製法)が開示されている。この第1の従来製法では、チタンアルコキシドを強塩酸下でチタン塩化物として安定化させゾルゲル反応に進む。しかし、当該強酸を用いる製造方法は、反応が激しく製造条件が限定的であり、また金属上へのコーティングといった酸に耐性がない材料への処理には適さないという問題がある。
これに対する解決法として、下記の非特許文献1,2に、有機溶剤を用いた温和な条件でチタンアルコキシドを加水分解してチタニアモノリスを合成する方法(第2の従来製法)が提案されている。当該第2の従来製法では、チタンアルコキシドに陰イオンを配位させ安定化させたチタン前駆体に、水分子を反応させて加水分解・重縮合反応を緩やかに進行させることにより、チタニアモノリスゲルが作製される。
特許第4874976号明細書
George Hasegawa et al., "FacilePreparation of Hierarchically Porous TiO2 Monoliths", J. Am. Ceram. Soc., 93 [10] 3110-3115 (2010) George Hasegawa et al., "Facile preparationof transparent monolithic titania gels utilizing a chelating ligand and mineralsalts" J Sol-Gel Sci Technol (2010) 53:59-66
上記第2の従来製法における反応機構は、以下の2つの反応機構を有する。第1の反応機構では、有機溶媒中、チタンアルコキシドに陰イオンが配位して錯形成し、安定化したチタン前駆体溶液が調整される。より具体的には、チタンアルコキシドにβジケトン類を反応させチタン前駆体溶液とする。βジケトン類はケト−エノール互変異性により、エノール体が安定化しており、チタンアルコキシドとの反応でプロトンを放出してエノラートアニオンとなり、配位性の陰イオンとして作用する。
第2の反応機構では、第1の反応機構で得られたチタン前駆体溶液に水分子を反応させることにより、陰イオンとの錯形成反応を経て水分子を取り込み加水分解と重縮合が並行して進行し、Ti−O−Ti結合のネットワークを形成しながらゾルゲル転移し、チタニアゲルが形成される。
つまり、当該第2の従来製法では、チタンアルコキシドに陰イオンが配位することにより、チタン前駆体と水との反応による加水分解と重縮合反応が抑制されることで、安定した加水分解・重縮合反応が得られる。
しかし、当該第2の従来製法では、以下に示す問題がある。第1に、有機溶媒中でチタンアルコキシドに陰イオンを配位させ安定化させたうえで、水を加えて加水分解と重縮合を並行して発現させてゲル化する反応では、チタンアルコキシドと陰イオンとの反応で生ずる副生成物が、メタノール、エタノール、プロパノール等の比較的低沸点のアルコールであり、更に、陰イオンとの反応が発熱反応であるため、当該反応熱によって反応系内の当該副生成物のアルコールを含む有機溶媒が蒸発し排除され、反応系の組成が大きく変化してしまう。つまり、チタンアルコキシドに陰イオンを配位させて調整したチタン前駆体のゾルに含まれる有機溶媒の量にバラツキが生じ、再現性良く均質なチタニアモノリス多孔体を作製することが困難となる。
第2に、当該第2の従来製法では、上記第2の反応機構において、水分子の供給に陰イオンを含む水溶液を使用しているため、当該水溶液中の陰イオンがチタンアルコキシドに配位することによるチタン前駆体の安定化と、チタン前駆体と水との反応による加水分解と重縮合反応が並行して進行するため、反応条件によっては、加水分解と重縮合反応が十分に抑制されずに急激に進行し、重合不可能な不溶物が沈殿物として発生し、不均質なチタニアゲルとなるか、或いは、モノリス多孔体が形成されない可能性がある。
実際、上記特許文献1及び非特許文献1,2では、チタンアルコキシドとして、比較的反応性の低いチタンn−プロポキシドを用いた実施例において実用性が確認されているだけで、チタンn−プロポキシドより分子鎖の短い、より反応性の高い他のチタンアルコキシド、例えば、チタンイソプロポキシド、チタンエトキシド等については、実用性は一切検証されていない。従って、従来、当該他のチタンアルコキシドは、反応性が高いため、チタニアモノリス多孔体の製造においてチタン前駆体として使用されることはなかった。
更に、上記非特許文献1,2では、上記第1の問題は認識されておらず、当然に、その解決策についても何らの言及もされていない。更に、上記非特許文献1,2では、チタンアルコキシドに陰イオンを配位させ安定化させる工程において、使用するチタンアルコキシドに応じてどの程度の量の陰イオンが必要となるかに関しても、何ら検討はなされていない。上記非特許文献2では、チタンn−プロポキシドと陰イオン源のアセト酢酸エチルのモル比とゲル化時間の関係が示されているだけである。
従って、チタンn−プロポキシド以外のチタンイソプロポキシド、チタンエトキシド等のチタンアルコキシドを用いて均質なチタニアからなるモノリス多孔体を安定的に作製する方法は、未だ確立されていないのが実情である。
本発明は、上述の従来のチタニアモノリス多孔体の製造方法の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、チタンn−プロポキシドより分子鎖の短いチタンアルコキシドを含むチタン前駆体を用いてゾルゲル法により均質なチタニアモノリス多孔体を安定的に作製できる製造方法を提供することにある。
本願発明者等は、鋭意研究により、分子鎖の異なる3種類のチタンアルコキシド(分子鎖の長い順に、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、チタンエトキシド)に対して、夫々安定化に必要な陰イオン源となる化合物のモル比が、共通して概ね1.05以上であれば良いことを見出した。更に、チタンアルコキシドに対する陰イオン源のモル比は1.05以上であっても、チタンアルコキシドと陰イオン源との反応からゲル化に至る反応系に対する温度制御の必要性を見出し、チタンアルコキシドと陰イオン源との反応で生成される副生成物を含むチタン前駆体溶液中の最も低沸点の化合物の当該沸点より低温に制御することで、当該反応系での組成の変化が十分に抑制され、均質なチタニアゲルが再現性良く得られることを確認した。
即ち、本発明では、上記目的を達成するため、ゾルゲル法による3次元連続網目構造のチタニアからなるモノリス多孔体の製造方法であって、
有機溶媒中で、チタン前駆体と第1の陰イオン源を混合させてチタン前駆体溶液を調製する第1の工程と、
前記チタン前駆体溶液に水または第2の陰イオン源を含む水溶液を加え、加水分解反応と重縮合反応を開始させてゾルを調製する第2の工程と、
前記ゾルに対して、所定のゲル化促進温度に維持して、前記加水分解反応と前記重縮合反応の進行により、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させてチタニアヒドロゲル相と溶媒相の共連続構造体を形成する第3の工程と、
前記共連続構造体から前記溶媒相を除去する第4の工程と、を有し、
前記チタン前駆体は、チタンメトキシドを除くチタンアルコキシドであり、
前記第1及び第2の陰イオン源は、前記チタン前駆体との反応でプロトンを放出して陰イオンとして作用し、前記チタン前駆体と配位結合する化合物であり、
前記第1、第2、及び、第3の工程において、前記チタン前駆体溶液及び前記ゾルの温度を、前記チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に維持し、
前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に水を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が1.05以上となるように、前記第1の陰イオン源の配合量を設定し、
前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が3.0を超えないように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とするモノリス多孔体の製造方法を提供する。
尚、前記チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物とは、第2の工程で前記チタン前駆体溶液に水を加える場合は、上述のチタンアルコキシドと第1の陰イオン源との反応で生成される副生成物を含むチタン前駆体溶液中の最も低沸点の化合物に相当し、有機溶媒、チタンアルコキシド、第1の陰イオン源、及び、当該副生成物の中の最も低沸点の化合物であり、第2の工程で前記チタン前駆体溶液に第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、上述のチタンアルコキシドと第1及び第2の陰イオン源との反応で生成される副生成物を含むチタン前駆体溶液中の最も低沸点の化合物に相当し、有機溶媒、チタンアルコキシド、第1及び第2の陰イオン源、及び、当該副生成物の中の最も低沸点の化合物である。
上記特徴のモノリス多孔体の製造方法では、基本的には、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が、1.05以上となるように、第1の陰イオン源の配合量を設定することで、チタン前駆体溶液の安定化が図られ、チタン前駆体溶液に水または水溶液を加えることで開始する加水分解反応と重縮合反応の急速な進行が抑制されるが、第2の工程で、チタン前駆体溶液に第2の陰イオン源を含む水溶液を加えてゾルを調製する場合には、第1の陰イオン源の配合量を1.05未満に減じても、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源と第2の陰イオン源の合計のモル比を1.05以上とすることで、その不足分を第2の陰イオン源によって補うことができ、上記抑制効果を維持することができる。但し、第2の陰イオン源が有機溶媒に対して難溶性の場合は、チタン前駆体に対する第2の陰イオン源のモル比が0.3を超えないように、第2の陰イオン源の配合量を制限するのが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記チタン前駆体が、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも1つを含むことが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも1つを含むことが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が0.2以下となるように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となり、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が0.85以上となるように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法では、前記第1の工程において、前記第1の陰イオン源を前記有機溶媒として使用しても良い。つまり、前記第1の陰イオン源と前記有機溶媒が同じであっても良い。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記第1の工程において、前記有機溶媒と前記第1の陰イオン源を混合した溶媒中に前記チタン前駆体を加えて前記チタン前駆体溶液を調製することが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記第1の工程において、ゾルゲル転移とスピノーダル分解型相分離を並行して誘起する働きを有する共存物質を前記有機溶媒に添加することが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記第1の陰イオン源が、前記有機溶媒に対して可溶性、且つ、水に対して難溶性の第1タイプの配位性化合物、または、前記有機溶媒と水の両方に対して可溶性の第2タイプの配位性化合物であり、前記第2の陰イオン源が、前記第2タイプの配位性化合物、または、前記有機溶媒に対して難溶性、且つ、水溶性の第3タイプの配位性化合物であることが好ましい。
更に、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法は、前記第1の陰イオン源が、βジケトン類、カルボン酸、または、これらの異性体或いは複合体を含むことが好ましい。
上記特徴のモノリス多孔体の製造方法によれば、先ず、前記第1、第2、及び、第3の工程において、前記チタン前駆体溶液及び前記ゾルの温度を、前記第1の工程中において前記チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に維持することにより、当該化合物の蒸発によるチタン前駆体溶液及びゾル中の組成の変化を抑制でき、均質なゾルが調整でき、結果として、均質なゲルが再現性良く得られる。更に、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比を1.05以上に設定するか、或いは、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の合計のモル比を1.05以上、但し、第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合はチタン前駆体に対する第2の陰イオン源のモル比は3.0未満となるように設定することで、チタン前駆体溶液が十分に安定化され、第2の工程で、チタン前駆体溶液に水または第2の陰イオン源を含む水溶液を混合させた後に、加水分解反応と重縮合反応が急激に進行するのが抑制され、結果として、重縮合不可能な不溶物が沈殿物として発生して不均質なゲルの生成が抑制される。以上の温度制御と陰イオン源の配合量の制御の2つの制御を行うことにより、従来はチタン前駆体として使用されていなかった、チタンn−プロポキシドより分子鎖の短い反応性の高いチタンアルコキシドを用いて、ゾルゲル法により均質なチタニアモノリス多孔体を作製することができる。尚、チタンn−プロポキシド及びそれより分子鎖の長いチタンアルコキシド(例えば、チタンn−ブトキシド、チタンs−ブトキシド、チタンt−ブトキシド、等)は、反応性が低くより安定であるので、上記特徴のモノリス多孔体の製造方法において、チタンイソプロポキシド等と同様に、チタン前駆体として使用することができる。
本発明に係るチタニアモノリス多孔体の製造方法の典型的な概略の構成を示す工程流れ図 実施例1〜25と比較例1〜12の使用原料に関する製造条件を示す一覧表 実施例26〜39と比較例13〜18の使用原料に関する製造条件を示す一覧表 実施例1〜25と比較例1〜12に対する各種制御条件と製造結果を示す一覧表 実施例26〜39と比較例13〜18に対する各種制御条件と製造結果を示す一覧表 実施例1〜39と比較例1〜18を各使用原料の有無に基づいて9グループに分類した表 実施例9の細孔構造解析結果を示す図 実施例15の細孔構造解析結果を示す図 実施例15の二段階階層的多孔構造を示す電子顕微鏡写真 実施例16の二段階階層的多孔構造を示す電子顕微鏡写真
本発明に係るゾルゲル法による3次元連続網目構造のチタニアからなるモノリス多孔体の製造方法(以下、適宜「本製造方法」という。)の実施の形態につき、図面を参照して説明する。
本製造方法は、図1に示すように、以下に説明する第1、第2、第3、及び、第4の工程を備えて構成される。第1の工程では、有機溶媒中で、チタン前駆体と第1の陰イオン源を攪拌等により混合させてチタン前駆体溶液を調製する。第2の工程では、第1の工程で調製したチタン前駆体溶液に、水または第2の陰イオン源を含む水溶液(以下、便宜的に「陰イオン水溶液」と称す)を加え、加水分解反応と重縮合反応を開始させて前駆体ゾルを調製する。第3の工程では、第2の工程で調製した前駆体ゾルに対して、所定のゲル化促進温度に維持して、第2の工程で開始した加水分解反応と重縮合反応を進行させて、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させ、チタニアヒドロゲル(湿潤ゲル)相と溶媒相の共連続構造体を形成する。第4の工程では、第3の工程で形成された共連続構造体から溶媒相を除去する。尚、図1は、本製造方法の典型的な構成例を示すもので、第3の工程は、第2の工程が終了してから開始するように図示されているが、前駆体ゾルの調整が完全に完了してから開始する必要はなく、第2の工程の途中から、或いは、開始と同時に、前駆体ゾルの調整と並行して開始しても良い。更に、第3の工程で維持されるゲル化促進温度は、第2の工程において予め設定し、その後、第3の工程を通して、当該ゲル化促進温度を維持するようにしても良い。
図1では、第2の工程は、第1の工程で調製したチタン前駆体溶液に水を加えて前駆体ゾルを調製する場合(第2の工程(1))と、第1の工程で調製したチタン前駆体溶液に陰イオン水溶液を加えて前駆体ゾルを調製する場合(第2の工程(2))が図示されているが、第1の工程後に、第2の工程(1)と(2)の何れか一方を実行した後に、第3の工程に移行する。第2の工程(1)は、第2の工程(2)において陰イオン水溶液の第2の陰イオン源のモル濃度が0の場合に相当する。
本実施形態では、チタン前駆体として、チタンメトキシドを除くチタンアルコキシドを使用し、好ましくは、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも何れか1つを使用し、より好ましくは、チタンイソプロポキシドとチタンエトキシドの内の少なくとも何れか1つを使用し、更に好ましくは、チタンイソプロポキシドを使用する。
第1及び第2の陰イオン源は、チタンアルコキシドとの反応でプロトンを放出して陰イオンとして作用し、チタンアルコキシドと配位結合する化合物である。従って、第1の工程では、チタンアルコキシドに第1の陰イオン源が配位結合し、その副生成物として、チタンアルコキシドのアルコキシド基に応じたアルコールが生成される。更に、第2の工程で、陰イオン水溶液を使用して前駆体ゾルを調製する場合には、チタン前駆体溶液中のチタンアルコキシドに第2の陰イオン源が配位結合し、その副生成物として、チタンアルコキシドのアルコキシド基に応じたアルコールが生成される。チタン前駆体が、チタンn−プロポキシドの場合は、沸点が約97〜98℃の1−プロパノールが、チタンイソプロポキシドの場合は、沸点が82.4℃の2−プロパノールが、チタンエトキシドの場合は、沸点が78.37℃のエタノールが、夫々生成される。
チタンアルコキシドと第1及び第2の陰イオン源との反応により急激な発熱が生じ得るため、当該発熱をそのまま放置すると、当該副生成物のアルコールが蒸発して、チタン前駆体溶液中或いは前駆体ゾル中の組成が変化する。しかし、当該変化は必ずしも一様でないため、前駆体ゾルの調整、及び、ゾルゲル転移等に影響を及ぼし、均質なゲルを再現性良く作製することが困難となる。そこで、本実施形態では、第1、第2及び第3の工程を通して、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度が、チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点以上とならないように温度制御を行う(以下、便宜的に当該温度制御を「本温度制御」と称する)。具体的には、沸点が当該副生成物のアルコールの沸点以上の有機溶媒の使用を想定した場合、チタン前駆体がチタンn−プロポキシドの場合は、97℃より低温に、チタン前駆体がチタンイソプロポキシドの場合は、82.4℃より低温に、チタン前駆体がチタンエトキシドの場合は、78.37℃より低温に、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度を制御する。尚、当該本温度制御のための冷却方法としては、第1の工程において有機溶媒、チタン前駆体、及び、第1の陰イオン源を収容する反応容器の外部に冷却された気体を対流させる、該反応容器外部から水浴、氷浴等によって冷却する等の外冷式の冷却法がある。また、第1の工程における別の冷却方法として、冷却して固体状態にしたチタン前駆体を用いて、固体状態のチタン前駆体と液体の第1の陰イオン源とを固液表面で反応させながらチタン前駆体の溶解熱を利用する内冷式の冷却法がある。更に、第1の工程における本温度制御として、冷却によらず、或いは、上述の冷却方法と併用して、反応時の温度上昇が、所定の温度を超えないようにチタン前駆体と第1の陰イオン源の混合速度を調整しても良い。また、第2の工程における当該本温度制御として、第1の工程と同様に外冷式の冷却方法が使用できる。尚、第2の工程でチタン前駆体溶液に水を加える場合は、チタン前駆体と第2の陰イオン源との反応による発熱が生じないので、第1の工程と同様の本温度制御は必ずしも要しない。
第2の工程でチタン前駆体溶液に水を加える場合(第2の工程(1))、つまり、当該チタン前駆体溶液に第2の陰イオン源を加えない場合は、第1の工程において、チタン前駆体との反応に供する第1の陰イオン源の配合量は、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が1.05以上となるように設定する。或いは、第2の工程でチタン前駆体溶液に陰イオン水溶液を加える場合(第2の工程(2))は、第1及び第2の工程において、チタン前駆体との反応に供する第1及び第2の陰イオン源の各配合量は、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、第2の陰イオン源が有機溶媒に対して難溶性である場合は、チタン前駆体に対する第2の陰イオン源のモル比が0.3を超えないように、より好ましくは、0.2以下となるように、設定する。上記の要領で、第1の陰イオン源の配合量、或いは、第1及び第2の陰イオン源の各配合量を調整することで、チタン前駆体に陰イオン源が適正に配位して安定化するため、水或いは陰イオン水溶液を加えた直後に急激に加水分解反応と重縮合反応が進行するのが抑制され、重縮合不可能な不溶物の発生していない均質な前駆体ゾルが得られる。この結果、第3の工程において、当該不溶物が沈殿物として発生するのが抑制され、均質なチタニアモノリスゲルが生成される。以下、上述の第1の陰イオン源、または、第1及び第2の陰イオン源の各配合量の設定を、便宜的に、「モル比制御」と称す。
第1の工程における原料(有機溶媒、チタン前駆体、第1の陰イオン源)、及び、第2の工程における原料(チタン前駆体溶液、水または陰イオン水溶液)の混合方法は、反応容器にこれら液体の原料を入れマグネットスターラーや攪拌翼といった機械的な方法にて攪拌する方法、或いは、振盪による方法、等が利用できる。また、原料の添加方法は、手動による添加、或いは、ポンプ等の自動化された機械的手段による均一な速度での添加が可能である。
第1の工程において、有機溶媒中で、チタン前駆体と第1の陰イオン源を混合する手順として、有機溶媒と第1の陰イオン源を混合した溶媒中に、撹拌下でチタン前駆体を添加して、均質なチタン前駆体溶液を調製する方法がある。当該手順において、チタン前駆体を添加した後に、更に、先に混合した第1の陰イオン源と同じ或いは別の第1の陰イオン源を追加して、所定時間撹拌し、均質なチタン前駆体溶液を得るようにしても良い。更には、有機溶媒にチタン前駆体を溶解させた溶液を作製後、撹拌下で第1の陰イオン源を添加して、均質なチタン前駆体溶液を得るようにしても良い。更に、第1の工程において、第1の陰イオン源を有機溶媒として使用し、チタン前駆体と第1の陰イオン源を直接混合させて、チタン前駆体溶液を調製しても良い。
第2の工程において、チタン前駆体溶液に水または陰イオン水溶液を添加する速度は、一気に添加すると重縮合不可能な不溶物が発生する可能性があるので、当該不溶物が発生しない程度の範囲内に調整するのが好ましい。尚、当該添加の速度に拘わらず、第2の工程の途中或いは開始と同時に、第3の工程を開始して、第3の工程の終了までに、水または陰イオン水溶液の添加を完了するようにしても良い。
第3の工程では、前駆体ゾルを所定のゲル化促進温度に維持して、第2の工程で開始した加水分解反応と重縮合反応を進行させて、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させる。ここで、第1及び第2の工程では、チタン前駆体と第1の陰イオン源または第1及び第2の陰イオン源の反応による温度上昇が、上述の本温度制御で抑制されるが、当該反応が終了するか、或いは、或る程度進行すると、第2の工程における前駆体ゾルの温度は、当該本温度制御によって、通常は、ゲル化促進温度の下限値より低くなっている。よって、第3の工程では、前駆体ゾルを所定のゲル化促進温度に加熱して、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させる。また、第3の工程でのゲル化速度が速い場合は、第2の工程で予めゲル化促進温度に設定して、第3の工程において当該ゲル化促進温度をそのまま維持するようにしても良い。
ゲル化促進温度は、前駆体ゾルの凝固点温度より高温で、且つ、上述のチタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に設定される。つまり、ゲル化促進温度の設定により、実質的に、上述の本温度制御が実施される。ゲル化促進温度はゾルゲル転移を促進させ上述の共連続構造体が形成されるまでの時間を決定する要素となるため、当該共連続構造体が形成されるまでの時間が実用上操作可能な範囲となるように、上記温度範囲内において任意に設定することができる。本実施形態では、例えば、40℃〜60℃の範囲内に設定される。
第1の工程で用いる第1の陰イオン源は、有機溶媒に対して可溶性、且つ、水に対して難溶性の第1タイプの配位性化合物、または、有機溶媒と水の両方に対して可溶性の第2タイプの配位性化合物が好ましく、第2の工程(2)で用いる第2の陰イオン源が、上記第2タイプの配位性化合物、または、有機溶媒に対して難溶性、且つ、水溶性の第3タイプの配位性化合物が好ましい。
第1及び第2タイプの配位性化合物として、例えばケト−エノール平衡を示すβジケトン類やカルボン酸やこれらの異性体、複合体が挙げられる。第1タイプの配位性化合物として、具体的には、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸ブチル、マロン酸エステル、等が使用できる。また、第2タイプの配位性化合物として、具体的には、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、及び、マロン酸、並びに、アルキルアンモニウムのフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、及び、過塩素酸塩が使用できる。
第3タイプの配位性化合物として、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、典型金属、遷移金属、希土類、及び、アンモニウム等のフッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、リン酸塩、酢酸塩、及び、過塩素酸塩、等の無機塩が使用でき、より具体的には、フッ化ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、リン酸アルミニウム、塩化鉄、塩化イットリウム、塩化ランタン、塩化セリウム、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、バナジウム酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が使用できる。
第1の工程で用いる有機溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フェノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、及び、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系の有機溶媒が使用でき、更に、これらのハロゲン化物、チオール、スルフィド、エポキシド、ニトリル、アミン、アミド等の誘導体や異性体であっても良い。更に、当該有機溶媒は、上述した第1または第2の陰イオン源の置換基を含むものであっても良い。
第1の工程において、第1の陰イオン源の有機溶媒に対する溶解度が低い場合は、チタン前駆体を混合する前に、第1の陰イオン源と有機溶媒を、攪拌時間を長くするか、加熱するか、或いは、超音波を印加する等の方法により、第1の陰イオン源を有機溶媒に十分に溶解させておく。
更に、第3の工程でゲル化される前駆体ゾル中に、ゾルゲル転移とスピノーダル分解型相分離を並行して誘起する働きを有する共存物質(相分離誘起剤)を予め混合しておいても良い。相分離誘起剤の存在によって、ゾルゲル転移と相分離が並行して発現していく途中で、スピノーダル分解型相分離が誘起されるため、貫通孔と細孔からなる二段階階層的多項構造の共連続構造体のモノリス多孔体が得られる。この場合、3次元連続網目構造の貫通孔と骨格体の共連続構造体が得られるが、相分離誘起剤の量を調整することで、貫通孔径と骨格体の径が制御できる。
相分離誘起剤の添加は、ゾルゲル転移が開始する前の第1または第2の工程で行うのが好ましく、特に、チタン前駆体溶液に水または陰イオン水溶液が加えられて、加水分解反応と重縮合反応が開始する前の第1の工程で行うのがより好ましい。第1の工程で、有機溶媒中にチタン前駆体、第1の陰イオン源、及び、相分離誘起剤を添加する順序は特に問わないが、一例として、有機溶媒と第1の陰イオン源を混合した溶媒を調整するときに、第1の陰イオン源の添加と同時またはその前後に、相分離誘起剤を添加しても良い。第2の工程で相分離誘起剤を添加する場合は、相分離誘起剤または相分離誘起剤と第2の陰イオン源が溶解した水溶液を、チタン前駆体溶液に添加する方法が考えられる。
相分離誘起剤は、チタン前駆体溶液に均一に溶解し得るものであれば良く、具体的には高分子金属塩であるポリスチレンスルホン酸のナトリウム塩またはカリウム塩、高分子酸であって解離してポリアニオンとなるポリアクリル酸、高分子塩基であって水溶液中でポリカチオンを生ずるポリアリルアミン及びポリエチレンイミン、或いは、中性高分子であって主鎖にエーテル結合を持つポリエチレンオキシド、側鎖にピロリドン環を有するポリビニルピロリドン、等が好適である。また、界面活性を有する化合物、例えばポリエーテルを含むポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールの各ブロック鎖から構成されるジブロック或いはトリブロック共重合体(Pluronic F127,P123,F68,L122,L121他、何れもドイツBASF社製品)も、相分離誘起剤として好適に使用できる。更に、ハロゲン化アルキルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸(LDA)等の両イオン性界面活性剤も、相分離誘起剤として用いることができる。また、この中でもカチオン性界面活性剤は第1または第2の陰イオン源として用いても良い。
第4の工程では、第3の工程で形成された共連続構造体を水や有機溶媒に浸漬することで、共連続構造体から溶媒相を除去するとともに、湿潤ゲル内に残存する化合物を除去して、湿潤ゲルの洗浄を行う。また、ゲル化直後の湿潤ゲルは加水分解・重縮合反応が完全には完了しておらず、水、または、水と親水性有機溶媒を混和した溶媒に浸すことで、湿潤ゲルは加水分解・重縮合反応を進行し得る。溶媒に浸漬する際に加温することで、湿潤ゲル内に取り込まれた湿潤ゲル内に残存する化合物の溶解度を高め、更には加水分解及び重縮合反応速度を加速させることも可能となる。溶媒は上述したチタン前駆体溶液と混合する有機溶媒が挙げられる。また、洗浄液として酸やアルカリ等のゲルの等電点と異なるpHの溶液を用いても、湿潤ゲル内の残留物を除去することができる。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、酢酸、ギ酸、炭酸、クエン酸、リン酸を始めとする各種の酸、及び、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア、水溶性アミン、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムを始めとする各種の塩基を用いることができる。
本実施形態では、第4の工程において、湿潤ゲルの洗浄に引き続き、湿潤ゲルの乾燥を行う。湿潤ゲルの乾燥は、自然乾燥を採用しても良く、真空下での減圧乾燥、電気オーブン等を用いた加温下での乾燥、湿潤ゲル内の溶媒を当該溶媒より表面張力が低い低表面張力溶媒に置換してから行う乾燥、凍結昇華による乾燥、更に、湿潤ゲル内の溶媒を超臨界状態の二酸化炭素に交換してから無表面張力状態で行う超臨界乾燥等を採用するのも好ましい。得られた乾燥ゲルは焼成により焼結させ多孔質のチタニアモノリス焼結体とすることが可能である。
次に、本製造方法において上述の本温度制御とモル比制御を行うことの効果について検証した実験結果について説明する。先ず、当該検証実験用に作製したチタニアモノリス多孔体の実施例1〜39と比較例1〜18について、図2〜図6を参照して説明する。尚、以下の説明では、便宜的に、本製造方法において、第2の工程でチタン前駆体溶液に水を加える場合を「本製造方法1」と称し、第2の工程でチタン前駆体溶液に陰イオン水溶液を加える場合を「本製造方法2」と称す。
図2に、本製造方法1で作製した実施例1〜25と比較例1〜12につき、第1の工程で使用するチタン前駆体、有機溶媒、第1の陰イオン源の物質名とその分量(単位:mL)または重量(単位:g)、第2の工程で添加する水の分量(単位:mL)、及び、相分離誘起剤の添加する場合の添加量(単位:g)をまとめて表示する。但し、比較例6は、本製造方法1で作製されたグループに分類されているが、第1の工程が省略されている。尚、当グループには、2種類の第1の陰イオン源を使用する実施例9〜11,15〜17と比較例5,8が存在するので、図2及び図4では、当該2種類の第1の陰イオン源を、夫々、陰イオン源1A及び陰イオン源1Bと表示する。図3に、本製造方法2で作製した実施例26〜39と比較例13〜18につき、第1の工程で使用するチタン前駆体、有機溶媒、第1の陰イオン源とその分量(単位:mL)、第2の工程で添加する陰イオン水溶液の分量(単位:mL)と第2の陰イオン源の種類と体積モル濃度(単位:M)と重量(単位:g)、及び、相分離誘起剤の添加する場合の添加量(単位:g)をまとめて表示する。図3及び図5では、第1及び第2の陰イオン源を、夫々、陰イオン源1及び陰イオン源2と表示する。尚、図2及び図3では、チタン前駆体の種類を記号A1〜A3で示し、有機溶媒の種類を記号B1,B2で示し、第1及び第2のイオン源の種類を記号C1〜C5で示している。A1はチタンイソプロポキシド、A2はチタンn−プロポキシド、A3はチタンエトキシドを夫々表している。B1は1−プロパノール、B2はメタノールを夫々表している。C1はアセト酢酸エチル、C2は酢酸、C3は硝酸アンモニウム、C4は硝酸テトラエチルアンモニウム、C5はテトラエチルアンモニウムクロリドを夫々表している。
図4に、本製造方法1で作製した実施例1〜25と比較例1〜12の本温度制御の条件、ゲル化促進温度、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)のチタン前駆体に対する各モル比と合計モル比、ゲル化時間、及び、正常にゲル化しない場合(比較例)の特記事項をまとめて表示する。図5に、本製造方法2で作製した実施例26〜39と比較例13〜18の本温度制御の条件、ゲル化促進温度、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1,2)のチタン前駆体に対する各モル比と合計モル比、ゲル化時間、及び、正常にゲル化しない場合(比較例)の特記事項をまとめて表示する。尚、ゲル化時間は、前駆体ゾルに、水または陰イオン水溶液を添加してから、当該前駆体ゾルが流動性を失うまでの時間として測定した。
図2及び図3に示すように、チタン前駆体に関しては、実施例1〜17,26〜35と比較例1〜8,13〜18はチタンイソプロポキシド(A1)を使用し、実施例18〜21,36,37と比較例9〜11はチタンn−プロポキシド(A2)を使用し、実施例22〜25,38,39と比較例12はチタンエトキシド(A3)を使用している。
図2及び図3に示すように、有機溶媒に関しては、実施例1〜12,15,16,18〜33,36〜38と比較例1〜5,9〜18は1−プロパノール(B1)を使用し、実施例17と比較例8はメタノール(B2)を使用し、実施例13,14,34,35,39と比較例6,7は、有機溶媒を使用していない。但し、実施例13,14,34,35,39と比較例7では、第1の陰イオン源(陰イオン源1A)が実質的に有機溶媒として兼用され、第1の工程において、チタン前駆体と第1の陰イオン源(陰イオン源1A)が直接混合されてチタン前駆体溶液が調整されている。
図2及び図3に示すように、第1の陰イオン源(陰イオン源1A)に関しては、実施例1〜11,13〜39と比較例1〜5,7〜18はアセト酢酸エチル(C1)を使用し、実施例12は酢酸(C2)を使用し、比較例6は、第1及び第2の陰イオン源を使用していない。また、図2に示すように、追加の第1の陰イオン源(陰イオン源1B)に関しては、実施例9,10,15〜17と比較例5,8は硝酸アンモニウム(C3)を使用し、実施例11は硝酸テトラエチルアンモニウム(C4)を使用しており、これら以外の本製造方法1で作製した実施例と比較例は、追加の第1の陰イオン源(陰イオン源1B)は使用していない。更に、図3に示すように、第2の陰イオン源(陰イオン源2)に関しては、実施例26〜32,34,36〜39と比較例13〜18は硝酸アンモニウム(C3)を使用し、実施例33はテトラエチルアンモニウムクロリド(C5)を使用し、実施例35は酢酸(C2)を使用している。
図2及び図3に示すように、実施例15〜17,37,39と比較例8は、第1の工程において、有機溶媒と第1の陰イオン源(陰イオン源1A)を混合した溶媒中に、チタン前駆体を添加する前に、上述の相分離誘起剤として、ポリエチレングリコール(分子量35000)を添加している。図2及び図3では、ポリエチレングリコールを記号Dで表示している。実施例15〜17,37,39と比較例8以外の実施例と比較例では、第1及び第2の工程において、上述の相分離誘起剤は添加されていない。
実施例1〜39と比較例1〜18を、有機溶媒、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)、第2の陰イオン源(陰イオン源2)、相分離誘起剤の夫々の有無によって分類すると、図6に示すように、9つのグループに分類される。グループ1〜4の各実施例は、本製造方法1(第2の工程で水を使用)で作製され、グループ1〜4の各比較例は、上述の本温度制御とモル比制御の少なくとも何れか一方を行わない以外は本製造方法1と同様に作製され、グループ5〜8の各実施例は、本製造方法2(第2の工程で陰イオン水溶液を使用)で作製され、グループ5〜8の各比較例は、上述の本温度制御とモル比制御の少なくとも何れか一方を行わない以外は本製造方法2と同様に作製され、グループ9の比較例6は、第1の工程が省略された本製造方法1(第2の工程で水を使用)で作製されており、有機溶媒、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)、第2の陰イオン源(陰イオン源2)、相分離誘起剤の何れも使用されておらず、第2の工程においてチタン前駆体(チタンイソプロポキシド)に直接水を添加して前駆体ゾルを調整している。
グループ1〜3,5,6は、第1の工程で第1の陰イオン源(陰イオン源1A)とは異なる有機溶媒を使用している。グループ4,7,8は、第1の工程で第1の陰イオン源(陰イオン源1A)を有機溶媒として兼用しており、第1の陰イオン源(陰イオン源1A)とは異なる有機溶媒を個別に使用していない。グループ2,3は、本製造方法1の第1の工程において、2種類の第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)を使用している。グループ3は、本製造方法1の第1の工程において、相分離誘起剤を使用しており、グループ6,8は、本製造方法2の第1の工程において、相分離誘起剤を使用している。
グループ1が、本製造方法1の基本的な構成により作製されており、グループ2が、当該基本的な本製造方法1の第1の工程において、追加の第1の陰イオン源(陰イオン源1B)を使用し、更に、グループ3が、当該基本的な本製造方法1の第1の工程において、追加の第1の陰イオン源(陰イオン源1B)と相分離誘起剤を使用し、グループ4が、当該基本的な本製造方法1の第1の工程において、第1の陰イオン源(陰イオン源1A)を有機溶媒として兼用している。
グループ5が、本製造方法2の基本的な構成により作製されており、グループ6が、当該基本的な本製造方法2の第1の工程において、相分離誘起剤を使用し、グループ7が、当該基本的な本製造方法1の第1の工程において、第1の陰イオン源(陰イオン源1A)を有機溶媒として兼用しており、グループ8が、当該基本的な本製造方法1の第1の工程において、第1の陰イオン源(陰イオン源1A)を有機溶媒として兼用し、且つ、相分離誘起剤を使用している。
次に、上記各グループ1〜9から選択した代表的な実施例と比較例の具体的な作製手順とその結果を簡単に説明する。下記で説明していない実施例と比較例については、同じグループ内の下記の実施例と比較例に基づいて、使用する原料、及び、その分量等の変更により、同様の手順で作製することができる。
〈実施例1(グループ1)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)2.1mLと1−プロパノール(有機溶媒)3.4mLとを混合し、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源のモル比は1.05である。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱するが、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら3時間撹拌して均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で水1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ15秒でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。
〈比較例3(グループ1)〉
アセト酢酸エチル2mLと1−プロパノール3.5mLとを混合し、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源のモル比は1.0である。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱するが、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら3時間撹拌して均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で水1mLを撹拌下で滴下したところ瞬時にゲル化して、沈殿物が発生した。
実施例1と同様に、本温度制御が行われたが、チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比が1.0であり、モル比制御条件(1.05以上)が満たされなかった結果、均質なゲルは得られなかった。
〈実施例9(グループ2)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)20mLと1−プロパノール(有機溶媒)35mLとを混合し、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド50mLを加え均一な溶液とし、更に、硝酸アンモニウム(陰イオン源1B)0.8gを追加し、3時間撹拌して均質なチタン前駆体溶液を得た。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.0、第1の陰イオン源(陰イオン源1B)のモル比は0.05、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)の合計モル比は1.05である。当該チタン前駆体溶液に40℃のゲル化促進温度で水10mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ3分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液500mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液500mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水500mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。得られた焼結ゲルの窒素ガス吸脱着法による細孔構造解析結果を図7に示す。焼結ゲルは、細孔直径ピークが8nm、細孔直径が約3〜10nmの範囲に分布し、比表面積が203m/g、細孔容積が0.29cm/gのモノリス多孔体であることが確認された。
〈比較例5(グループ2)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)20mLと1−プロパノール(有機溶媒)35mLとを混合し、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド50mLを加え均一な溶液とした。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱したが、発熱時の溶液温度の抑制をしなかったため、チタン前駆体の混合中に溶媒が沸騰し、5分の1〜4分の1程度の溶媒が減少した。溶液温度は90℃〜95℃程度で推移していた。その後、硝酸アンモニウム(陰イオン源1B)0.8gを加えて3時間撹拌してチタン前駆体溶液とした後、水10mLを撹拌下で滴下していったところ、前駆体ゾルに沈殿物が発生して不透明となり、均質なゲルは得られなかった。実施例9と同様に、チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.0、第1の陰イオン源(陰イオン源1B)のモル比は0.05、第1の陰イオン源(陰イオン源1A,1B)の合計モル比は1.05であり、モル比制御条件(1.05以上)は満たされたが、本温度制御が行われなかった結果、均質なゲルは得られなかった。
〈実施例15(グループ3)〉
本製造方法1の第1の工程において、チタンイソプロポキシドの添加前に相分離誘起剤であるポリエチレングリコール(分子量35000)2.5gを混合した以外は、上述の実施例9と同様の製造手順で焼結ゲルを得た。得られた焼結ゲルの窒素ガス吸脱着法による細孔構造解析結果を図8に示す。焼結ゲルは、細孔直径ピークが6nm、細孔直径が約3〜9nmの範囲に分布し、比表面積が215m/g、細孔容積が0.27cm/gのモノリス多孔体であることが確認された。また、得られた焼結ゲルの電子顕微鏡写真を図9に示す。図9より、当該焼結ゲルが、骨格径及び貫通孔径の夫々が約1μmの共連続構造を有する多孔体であることが分かり、細孔構造解析結果と総合すると、二段階階層的多孔構造を有するチタニアモノリス多孔体であることが確認された。
〈実施例16(グループ3)〉
チタニアモノリス多孔体の貫通孔は添加する相分離誘起剤の量を変化させることで調整可能である。本製造方法1の第1の工程において、ポリエチレングリコールの量を3.0gとし、その他は上述の実施例15と同様の製造手順で焼結ゲルを作製した。得られた焼結ゲルの電子顕微鏡写真を図10に示す。図10より、当該焼結ゲルが、骨格径及び貫通孔径の夫々が約2〜3μmの共連続構造を有する多孔体であることが分かる。尚、得られた焼結ゲルの細孔構造は、上述の実施例15と同様であるので解析結果の説明は省略する。以上より、当該焼結ゲルが、二段階階層的多孔構造を有するチタニアモノリス多孔体として、骨格径と貫通孔径が相分離誘起剤の量で制御できることが確認された。
〈実施例13(グループ4)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)5.5mLに、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら撹拌下で、チタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えて、均質なチタン前駆体溶液とした後、水1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを40℃のゲル化促進温度で静置したところ60分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源のモル比は2.75である。
〈実施例14(グループ4)〉
本製造方法1の第3の工程におけるゲル化促進温度を60℃とした以外は、上述の実施例9と同様の製造手順で焼結ゲルを得た。ゲル化時間は、実施例13の60分から10分に短縮された。
〈比較例8(グループ4)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)5.5mLに、撹拌下で、チタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えてチタン前駆体溶液を調製した。チタンイソプロポキシドを添加した際に激しく発熱したが、発熱時の溶液温度の抑制をしなかったため、チタン前駆体の混合中に溶媒が沸騰して減少した。溶液温度は90℃〜95℃程度で推移していた。溶媒減少後のチタン前駆体溶液に水1mLを撹拌下で滴下したところ、前駆体ゾルに沈殿物が発生して不透明となり、得られた前駆体ゾルを40℃のゲル化促進温度で静置したが均質なゲルは得られなかった。実施例13と同様に、チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は2.75であり、モル比制御条件(1.05以上)は満たされたが、本温度制御が行われなかった結果、均質なゲルは得られなかった。
〈実施例28(グループ5)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)20mLと1−プロパノール(有機溶媒)35mLとを混合し、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド50mLを加え均質なチタン前駆体溶液とし、更に、40℃のゲル化促進温度にて1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液10mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ1分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.0、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.05、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は1.05である。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液500mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液500mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水500mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。
〈実施例29(グループ5)〉
アセト酢酸エチル200mLと1−プロパノール350mLとを混合し、水冷ジャケットにより発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド500mLを加え均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液100mLを滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ1分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。チタンイソプロポキシドに対する第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の各モル比及び合計モル比は、上述の実施例31と同じである。本製造方法によれば、第1の工程で調整するチタン前駆体溶液が大幅に増大しても、均質なチタニアモノリス多孔体を製造可能である。
〈比較例13(グループ5)〉
アセト酢酸エチル1.5mLと1−プロパノール4mLとを混合し、実施例1と同様に空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加え均質なチタン前駆体溶液とした後、40℃のゲル化促進温度で6mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液1mLを滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ3分でゲル化したが、針状結晶が発生し、硝酸アンモニウム(陰イオン源2)が溶解せずに析出し、均質なゲルが得られなかった。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は0.75、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.3、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は1.05である。第1及び第2の陰イオン源の合計モル比1.05は、合計モル比に対するモル比制御条件(1.05以上)は満足しているが、硝酸アンモニウム(陰イオン源2)が、1−プロパノール及びアセト酢酸エチルとチタンイソプロポキシドの反応の副生成物である2−プロパノールに対して難溶性であるにも拘わらず、第2の陰イオン源のモル比に対するモル比制御条件(0.3未満)が満たされなかった結果、均質なゲルが得られなかった。
〈実施例37(グループ6)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)2.5mLと1−プロパノール(有機溶媒)2.5mLとを混合し、更に、相分離誘起剤であるポリエチレングリコール(分子量35000)0.35gを混合し、空冷により発熱時の溶液温度を80℃に抑えながら、撹拌下でチタンn−イソプロポキシド5mLを加え均質なチタン前駆体溶液とし、更に、40℃のゲル化促進温度で1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ2分でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して、二段階階層的多孔構造を有する焼結ゲルを得た。チタンn−プロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.2、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.05、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は1.25である。実施例40では、チタン前駆体としてチタンn−イソプロポキシドを使用しているため、チタン前駆体溶液中の最も低沸点の化合物は、沸点が約97〜98℃の1−プロパノールであるため、発熱時のチタン前駆体溶液の温度を80℃に抑えるだけで、溶媒の沸騰は回避できる。
〈実施例34(グループ7)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)5.5mLに、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えて、均質なチタン前駆体溶液とした後、1mol/Lの硝酸アンモニウム水溶液1mLを撹拌下で滴下し得られた前駆体ゾルを40℃のゲル化促進温度で静置したところ180分以上でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は3、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は0.05、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は3.05である。
〈実施例35(グループ7)〉
アセト酢酸エチル(陰イオン源1A)2.5mLに、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、撹拌下でチタン(IV)イソプロポキシド5mLを加えて、均質なチタン前駆体溶液とした後、酢酸(陰イオン源2)3gを含む酢酸水溶液1mLを40℃のゲル化促進温度で撹拌下にて滴下し得られた前駆体ゾルを引き続き40℃のゲル化促進温度で静置したところ30秒でゲル化し透明の湿潤ゲルが得られた。得られた湿潤ゲルを80%エタノール水溶液50mLに40℃で12時間浸漬し、続けて50%エタノール水溶液50mLに同様に浸漬し、その後は蒸留水50mLに同様の条件で浸漬した。蒸留水に湿潤したゲルを取り出し自然乾燥させたあと、乾燥ゲルを300℃にて2時間熱処理して焼結ゲルを得た。チタンイソプロポキシドに対する第1の陰イオン源(陰イオン源1A)のモル比は1.25、第2の陰イオン源(陰イオン源2)のモル比は3、第1及び第2の陰イオン源(陰イオン源1A,2)の合計モル比は4.25である。実施例38では、第2のイオン源である酢酸が、アセト酢酸エチルとチタンイソプロポキシドの反応の副生成物である2−プロパノールに対して可溶性であるため、第2の陰イオン源のモル比に対するモル比制御条件(0.3未満)が適用対象外となり、当該条件が充足されていなくても、均質なチタニアモノリス多孔体を得ることができる。
〈実施例39(グループ8)〉
本製造方法1の第1の工程において、チタンイソプロポキシドの添加前に相分離誘起剤であるポリエチレングリコール(分子量35000)0.24gを混合した以外は、上述の実施例37と同様の製造手順で二段階階層的多孔構造を有する焼結ゲルを得た。
モノリス多孔体を得ることができる。
〈比較例6(グループ9)〉
本製造方法1の第1の工程によるチタン前駆体溶液を調製せずに、チタン(IV)イソプロポキシド5mLに、空冷により発熱時の溶液温度を70℃に抑えながら、40℃のゲル化促進温度で水1mLを撹拌下で直接滴下したところ瞬時にゲル化して、沈殿物が発生した。比較例6は、モル比制御条件(1.05以上)が充足されない極端な比較例である。
次に、本製造方法1及び2における本温度制御とモル比制御の各制御条件の妥当性について、実施例1〜39と比較例1〜18の結果に基づいて確認する。
先ず、本温度制御の制御条件(チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度が、チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点未満)について確認する。本製造方法1については、実施例2と比較例4を、実施例9と比較例5、実施例13と比較例7を、夫々対比すると、本温度制御の有無だけが異なり、実施例2,9及び13では、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度を、82.4℃(2−プロパノールの沸点)より低温の70℃に制御することで、均質な湿潤ゲルが得られているのに対して、比較例4,5及び7では、本温度制御を行わなかったため、82.4℃(2−プロパノールの沸点)より高温の90〜95℃まで上昇して、沈殿物が発生して均質な湿潤ゲルが得られなかった。また、実施例9と実施例10を対比すると、実施例9では、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度を、82.4℃(2−プロパノールの沸点)より低温の70℃に制御し、実施例10では、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度を、82.4℃(2−プロパノールの沸点)より僅かに低温の80〜82℃に制御しており、本温度制御の上記制御条件が十分に妥当であることが分かる。更に、実施例17と比較例8を対比すると、本温度制御の有無だけが異なり、実施例17では、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度を、有機溶媒のメタノールの沸点64.7℃より低温の60℃に制御することで、均質な湿潤ゲルが得られているのに対して、比較例8では、本温度制御を行わなかったため、64.7℃(メタノールの沸点)より高温の95〜100℃まで上昇して、沈殿物が発生して均質な湿潤ゲルが得られなかった。更に、実施例20と比較例10,11を、夫々対比すると、本温度制御の有無だけが異なり、実施例20では、チタン前駆体溶液及び前駆体ゾルの温度を、約97〜98℃(1−プロパノールの沸点)より低温の70℃に制御することで、均質な湿潤ゲルが得られているのに対して、比較例10では、本温度制御を行わなかったため、約97〜98℃(1−プロパノールの沸点)と略同等の温度の95〜100℃まで上昇して、ゲル化は行われたものの、ゲル化時間にバラツキが生じ、不安定となり、再現性に問題が生じており、比較例11では、本温度制御に代えて強制的にチタン前駆体溶液の温度を100℃に1時間維持したところ、第2の工程で水を添加しても、相分離して混和せず均質なゾルが生成されず、ゲル化しなかった。比較例10の結果より、温度上昇が95〜100℃の範囲では、ゲル化自体は行われ、再現性で問題が生じているので、温度上昇を95℃付近に抑制することで、安定的にゲル化できることが十分に推測される。実施例20及び比較例10,11の結果より、チタン前駆体がチタンn−プロポキシドの場合でも、同じ制御条件が妥当することが分かる。
本製造方法2については、本温度制御を行わない比較例がないため、本製造方法1と同様の対比はできないが、第2の工程において、陰イオン水溶液を使用した場合には、当然に、チタン前駆体と第2の陰イオン源との間で、第1の工程におけるチタン前駆体と第2の陰イオン源と同様の発熱反応が生じ、同じ副生成物が生じるのは明らかであるので、上述の本製造方法1における本温度制御の制御条件が、本製造方法2についてもそのまま妥当することは明らかである。
次に、モル比制御の制御条件について確認する。当該制御条件は、本製造方法1では、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比を1.05以上とする点であり、本製造方法2では、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の合計モル比を1.05以上とする点である。当該条件を、モル比制御の第1制御条件と称する。但し、本製造方法2では、第2の陰イオン源が有機溶媒(チタン前駆体に対する第1の陰イオン源との反応による副生成物を含む)に対して難溶性の場合は、チタン前駆体に対する第2の陰イオン源のモル比が0.3未満、より好ましくは、0.2以下とする。当該条件を、本製造方法2におけるモル比制御の第2制御条件と称する。
本製造方法1については、実施例1〜8と比較例1〜3を対比すると、使用するチタン前駆体、有機溶媒、及び、第1の陰イオン源は同じであるが、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が異なる。実施例1〜8では、当該モル比が、1.05〜2.5の範囲で変化し、ゲル化時間が当該モル比の増加に伴い長くなる傾向が見られるが、何れも沈殿物が発生せずに均質な湿潤ゲルが得られている。一方、比較例1〜3では、当該モル比が、0.5〜1.0の範囲で変化しているが、何れも、第1の工程での第1の陰イオン源の分量が少ないため、チタン前駆体に対する安定化が不十分となり、ゲル化が瞬時に起こり沈殿物も発生している。更に、実施例18,19と比較例9を対比すると、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比だけが異なる。実施例18,19の当該モル比は1.05と1.1であり、何れも沈殿物が発生せずに均質な湿潤ゲルが得られている。一方、比較例9の当該モル比は1.0であり、ゲル化が瞬時に起こり沈殿物も発生している。更に、実施例22,23と比較例12を対比すると、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比だけが異なる。実施例22,23の当該モル比は1.05と1.1であり、何れも沈殿物が発生せずに均質な湿潤ゲルが得られている。一方、比較例12の当該モル比は1.0であり、ゲル化は起こるが沈殿物が数秒で発生し、当該沈殿物を包含したままゲル化が進み、極めて不均質な湿潤ゲルとなる。以上の結果より、チタン前駆体が、チタンイソプロポキシド、チタンn−プロポキシド、及び、チタンエトキシドの何れの場合も、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が1.05以上では正常に均質な湿潤ゲルが得られるのに対して、当該モル比が1.0の場合は、ゲル化が異常となり、均質な湿潤ゲルが得られないことが明らかである。
上記の実施例1〜8,18,19,22,23及び比較例1〜3,9,12では、第1の陰イオン源はアセト酢酸エチルの1種類であるが、実施例9,10,15〜17では、第1の陰イオン源はアセト酢酸エチルと硝酸アンモニウムの2種類であり、チタン前駆体に対するアセト酢酸エチルのモル比は1.0であるが、硝酸アンモニウムのモル比が0.05で両者の合計モル比が1.05となっており、上述のモル比制御の第1制御条件が実質的に充足されており、上記の実施例1〜8,18,19,22,23と同様に、正常に均質な湿潤ゲルが得られている。硝酸アンモニウムは有機溶媒に対して難溶性であるが、少量であれば有機溶媒に溶解してチタン前駆体と反応し得るので、主たる第1の陰イオン源のモル比の1.05に満たない不足分を補うことができる。この点は、後述する本製造方法2の結果とも符合する。
次に、本製造方法2について、実施例26〜32と比較例13〜18を対比すると、使用するチタン前駆体、有機溶媒、第1及び第2の陰イオン源は同じであるが、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の各モル比と合計モル比が異なる。実施例26〜32では、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が0.85〜1.0の範囲で変化し、チタン前駆体に対する第2の陰イオン源のモル比が0.05〜0.2の範囲で変化し、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の合計モル比が1.05〜1.2の範囲で変化し、ゲル化時間が当該合計モル比の増加に伴い長くなる傾向が見られるが、何れも沈殿物が発生せずに均質な湿潤ゲルが得られている。一方、比較例13〜18では、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が0.65〜0.9の範囲で変化し、チタン前駆体に対する第2の陰イオン源のモル比が0.3〜0.4の範囲で変化し、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の合計モル比が1.05〜1.2の範囲で変化している。比較例13〜18では、第2の陰イオン源として有機溶媒に対して難溶性の硝酸アンモニウムを使用しているため、上述のモル比制御の第1制御条件に加えて、第2制御条件も充足される必要がある。しかし、第2の陰イオン源のモル比が0.3以上となっており、硝酸アンモニウムの一部が溶解しきれずに析出し、針状結晶が発生している。当該針状結晶は、微量であれば、第4の工程で溶媒相とともに除去される可能性はあるが、析出量が増加すると湿潤ゲル内に取り込まれる可能性もあり、均質な湿潤ゲルを得るための阻害要因となり問題である。従って、第2の陰イオン源の当該モル比は0.3未満に抑えるのが好ましく、更には、0.2以下がより好ましい。尚、実施例33と実施例35では、第2の陰イオン源として有機溶媒に対して可溶性の化合物を使用しているため、第2の陰イオン源の当該モル比が0.3以上でも、第2の陰イオン源の析出は生じていない。つまり、第2の陰イオン源として有機溶媒に対して可溶性の化合物を使用する場合は、上述のモル比制御の第2制御条件は不必要であることが分かる。
実施例36,37と実施例38,39は、チタン前駆体がチタンn−プロポキシドとチタンエトキシドであり、実施例26〜32のチタン前駆体(チタンイソプロポキシド)とは異なるが、上述のモル比制御の第1及び第2制御条件の両方を充足しており、実施例26〜32と同様に、何れも沈殿物が発生せずに均質な湿潤ゲルが得られている。以上の結果より、チタン前駆体が、チタンイソプロポキシド、チタンn−プロポキシド、及び、チタンエトキシドの何れの場合も、本製造方法2におけるモル比制御の第1及び第2制御条件が充足されれば、正常に均質な湿潤ゲルが得られることが分かる。尚、本製造方法2におけるモル比制御の第1制御条件が充足されないケースについては、比較例を用いて確認は行っていないが、実施例26〜32,36〜39の中に、チタン前駆体に対する第1及び第2の陰イオン源の合計モル比が1.05の実施例が6点も含まれていることから、本製造方法1の結果、特に、実施例9,10,15〜17の結果と合わせて、本製造方法2においても当該第1制御条件が妥当であることは明らかである。
更に、実施例26〜39と比較例12〜18の結果より、本製造方法2において、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比は、0.85以上であれば、正常に均質な湿潤ゲルが得られることが分かる。但し、当該結果からは、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が0.85未満の場合に、均質な湿潤ゲルが得られないとは、必ずしも断定できない。つまり、例えば、チタン前駆体に対する第1の陰イオン源のモル比が0.8であっても、例えば、第2の陰イオン源として有機溶媒に対して可溶性の化合物を使用して、チタン前駆体に対するモル比を0.3以上にすれば、均質な湿潤ゲルが得られる可能性はある。
以下に、本製造方法の別実施形態につき説明する。
〈1〉 上記実施形態では、主として、第1の陰イオン源としてアセト酢酸エチルを使用し、第2の陰イオン源として硝酸アンモニウムを使用して、本製造方法1,2について詳細に説明したが、第1及び第2の陰イオン源は、アセト酢酸エチルや硝酸アンモニウムに限定されるものではない。第1及び第2の陰イオン源は、チタン前駆体との反応において、プロトンを放出して陰イオンとして作用し、チタン前駆体と配位結合することができれば良く、種々の配位性化合物が使用できる。この点は、例えば、アセト酢酸エチル及び硝酸アンモニウム以外の陰イオン源を用いた実施例11,12,33,35において、当該陰イオン源が所期の機能を果たしていることからも明らかである。
〈2〉 更に、上記実施形態では、本製造方法1で使用する第1の陰イオン源として、有機溶媒に対して可溶性のアセト酢酸エチルを使用した実施例1〜8,13,14,18〜25と、当該アセト酢酸エチルと有機溶媒に対して難溶性の硝酸アンモニウムを組み合わせて使用した実施例9〜10,15〜17を例示した。後者の実施例では、チタン前駆体に対するアセト酢酸エチルのモル比を1.0に固定し、硝酸アンモニウムのモル比を0.05に固定し、両者の合計モル比を1.05に固定している。しかし、本製造方法2の実施例及び比較例の結果から、本製造方法1において補助的に使用する第1の陰イオン源が有機溶媒に対して難溶性である場合は、本製造方法2のモル比制御の第2制御条件がそのまま妥当するものと思料する。従って、本製造方法1において、第1の陰イオン源として、有機溶媒に対して可溶性の陰イオン源と難溶性の陰イオン源の2種類を使用する場合は、チタン前駆体に対する難溶性の陰イオン源のモル比を3.0未満、より好ましくは2.0以下にするのが好ましい。更に、チタン前駆体に対する可溶性の陰イオン源のモル比は、0.85以上が好ましい。
〈3〉 上記実施形態では、チタン前駆体として、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの3種類のチタンアルコキシドを使用して、本製造方法1,2について詳細に説明したが、チタンアルコキシドは、これら3種類より分子鎖の長いチタンアルコキシド(例えば、チタンn−ブトキシド、チタンs−ブトキシド、チタンt−ブトキシド、等)も、上記3種類のチタンアルコキシドより反応性が低く安定であるので、本製造方法においてチタン前駆体として使用することができる。
チタンメトキシドは、上記3種類のチタンアルコキシドより分子鎖が短く反応性が高いため安定性に欠けるため、チタン前駆体としての使用は困難と考えられるので、上記実施形態においても、チタン前駆体の候補から除外しているが、分子鎖の長さの異なる3種類のチタンアルコキシド(チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、チタンエトキシド)に対して、上述のモル比制御の第1制御条件が共通に適用できることから、同じ条件が、チタンメトキシドにも使用できる可能性はあり、更に、当該第1制御条件を緩和することで、つまり、チタンメトキシドに対する陰イオン源のモル比を1.05より大きく設定することで、本製造方法において、チタンメトキシドをチタン前駆体として使用できる可能性はある。尚、チタンメトキシドと陰イオン源との反応で生成される副生成物はメタノール(沸点:64.7℃)であるが、有機溶媒としてメタノールを使用した実施例17において、本温度制御条件を60℃以下とすることで、正常に均質なチタニアゲルが作製できているので、チタン前駆体がチタンメトキシドの場合でも、本温度制御はそのまま適用可能である。
〈4〉 上記実施形態では、本製造方法に関して、具体的な数値(分量、温度、時間等)を明示した実施例を説明したが、本製造方法は、当該実施例で例示された数値条件に限定されるものではない。
本発明に係るチタニアモノリス多孔体の製造方法は、3次元連続網目構造のチタニアからなるモノリス多孔体を、種々のチタンアルコキシドをチタン前駆体として用いゾルゲル法により製造するのに利用可能である。

Claims (10)

  1. ゾルゲル法による3次元連続網目構造のチタニアからなるモノリス多孔体の製造方法であって、
    有機溶媒中で、チタン前駆体と第1の陰イオン源を混合させてチタン前駆体溶液を調製する第1の工程と、
    前記チタン前駆体溶液に水または第2の陰イオン源を含む水溶液を加え、加水分解反応と重縮合反応を開始させてゾルを調製する第2の工程と、
    前記ゾルに対して、所定のゲル化促進温度に維持して、前記加水分解反応と前記重縮合反応の進行により、ゾルゲル転移と相分離を並行して発現させてチタニアヒドロゲル相と溶媒相の共連続構造体を形成する第3の工程と、
    前記共連続構造体から前記溶媒相を除去する第4の工程と、を有し、
    前記チタン前駆体は、チタンメトキシドを除くチタンアルコキシドであり、
    前記第1及び第2の陰イオン源は、前記チタン前駆体との反応でプロトンを放出して陰イオンとして作用し、前記チタン前駆体と配位結合する化合物であり、
    前記第1、第2、及び、第3の工程において、前記チタン前駆体溶液及び前記ゾルの温度を、前記チタン前駆体溶液中に存在する最も低沸点の化合物の沸点より低温に維持し、
    前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に水を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が1.05以上となるように、前記第1の陰イオン源の配合量を設定し、
    前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が0.3を超えないように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とするモノリス多孔体の製造方法。
  2. 前記チタン前駆体が、チタンn−プロポキシド、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  3. 前記チタン前駆体が、チタンイソプロポキシド、及び、チタンエトキシドの内の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  4. 前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となるように、但し、前記第2の陰イオン源が前記有機溶媒に対して難溶性の場合は前記チタン前駆体に対する前記第2の陰イオン源のモル比が0.2以下となるように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  5. 前記第2の工程において、前記チタン前駆体溶液に前記第2の陰イオン源を含む水溶液を加える場合は、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の合計のモル比が1.05以上となり、前記チタン前駆体に対する前記第1の陰イオン源のモル比が0.85以上となるように、前記第1の陰イオン源と前記第2の陰イオン源の配合量を設定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  6. 前記第1の工程において、前記第1の陰イオン源を前記有機溶媒として使用することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  7. 前記第1の工程において、前記有機溶媒と前記第1の陰イオン源を混合した溶媒中に前記チタン前駆体を加えて前記チタン前駆体溶液を調製することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  8. 前記第1の工程において、ゾルゲル転移とスピノーダル分解型相分離を並行して誘起する働きを有する共存物質を前記有機溶媒に添加することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  9. 前記第1の陰イオン源が、前記有機溶媒に対して可溶性、且つ、水に対して難溶性の第1タイプの配位性化合物、または、前記有機溶媒と水の両方に対して可溶性の第2タイプの配位性化合物であり、
    前記第2の陰イオン源が、前記第2タイプの配位性化合物、または、前記有機溶媒に対して難溶性、且つ、水溶性の第3タイプの配位性化合物であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
  10. 前記第1の陰イオン源が、βジケトン類、カルボン酸、または、これらの異性体或いは複合体を含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のモノリス多孔体の製造方法。
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