JPWO2016135858A1 - 電気車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の制御装置であって、車両速度の情報に基づいて電力変換装置1を何れの制御系で起動するか選択する信号選択部9および信号切替器10を備え、車両速度に基づいて電力変換装置1(11,12,……,1N)が同一の制御系で動作を開始する。

Description

本発明は、同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の制御装置に関する。
同期電動機のセンサレス制御は、位置センサまたは速度センサを用いずに、同期電動機を所望のトルクおよび所望の回転速度で制御するため、回転子の回転速度または回転子の磁極位置を推定し、磁極位置に対応した位相で電力変換装置から同期電動機に電流を供給することで、同期電動機を制御する技術である。
このようなセンサレス制御を電力変換装置に適用した場合、回転子の回転速度または回転子の磁極位置を検出できるのは、電力変換装置が動作中の場合であり、電力変換装置が停止中の場合は、回転速度または磁極位置が分からなくなる。
このような同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を搭載した電気車では、電力変換装置が停止中であっても、電気車は停止中でない場合がある。例えば上り坂で減速する場合、下り坂で加速する場合、電気車の慣性エネルギーにより惰性で走行する、いわゆる惰行状態の場合がこれらに該当する。これらの運転状態では、電気車自体の速度も変化するため、回転子の回転速度または回転子の磁極位置を特定することができなくなる。
したがって、電力変換装置が停止中の状態であるときに、センサレス制御によって電力変換装置の動作を開始するためには、回転子の回転速度または回転子の磁極位置を検出するための初期値を瞬時に設定する必要がある。
ここで、下記特許文献1には、回転子が回転停止している場合に、磁気的飽和を利用して初期磁極位置を推定する手法が開示されている。また、下記特許文献2には、回転子が回転している場合に、巻線に発生する誘起電圧を利用して初期速度および初期磁極位置を推定する手法が開示されている。
同期電動機のセンサレス制御を電気車の制御装置に適用する場合、回転速度または磁極位置を精度良く検出する必要があり、複数の推定手法が併用して用いられることが多い。例えば、下記特許文献3には、初期速度および初期磁極位置を初期値とし、運転指令値に基づいて同期電動機を制御する技術が開示されている。
特許第4271397号公報 特許第5318286号公報 特許第5291184号公報
しかしながら、電力変換装置を複数台備えた電気車の場合、個々の同期電動機が機械的に接続されている車輪の車輪径が、電気車内ですべて同じとは限らないため、同期電動機の回転子の回転速度も同じとは限らない。このような状態で、従来技術のセンサレス制御を適用した場合、個々の電力変換装置の動作にばらつきが生じてしまうことになる。例えば、個々の電力変換装置が惰行状態から、再力行指令もしくはブレーキ指令を受信した場合、各車両ごとに、加速しようとするタイミングにずれが生じたり、減速しようとするタイミングにずれが生じたりして、車両同士が接近と離反とを繰り返す玉突き状態となり、乗り心地を悪化させるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の制御装置において、玉突き状態を抑止して、乗り心地の改善を図ることができる電気車の制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の制御装置であって、車速センサから得られた車両速度の情報に基づいて前記電力変換装置を何れの制御系で起動するか選択する起動選択部を備え、前記車両速度に基づき各前記電力変換装置が同一の制御系で動作を開始することを特徴とする。
本発明によれば、同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の制御装置において、電気車が玉突き状態となる状況を抑止して、乗り心地の改善を図ることができる、という効果を奏する。
実施の形態1に係る電気車の制御装置を含む全体のシステム構成図 実施の形態1に係る電力変換装置の細部構成を示すブロック図 実施の形態1に係る信号選択部の処理の流れを示すフローチャート 実施の形態2に係る電気車の制御装置を含む全体のシステム構成図 実施の形態2に係る電力変換装置の細部構成を示すブロック図 第2の判定値の設定概念の説明に供する図
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る電気車の制御装置について説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る電気車の制御装置を含む全体のシステム構成図である。また、図2は、実施の形態1に係る電力変換装置1の細部構成を示すブロック図である。
まず、図1において、列車50を構成する各車両40(1号車:40,2号車:40,……,N号車:40)には、列車50を駆動する電動機2(2,2,……,2)および、電動機2を回転駆動する電力変換装置1(1,1,……,1)が搭載されている。なお、電動機2は、センサレス制御で駆動される同期電動機である。
また、図1では、列車50の運行を支援するシステムとして、運転支援システム22および列車情報管理装置(Train Information Management System)26が示されている。運転支援システム22は、主たる構成部として、制御開始操作部13、列車保安装置14、ハンドル15、キロ程管理装置16、車速センサである速度発電機17および運転支援装置23を有して構成されている。
図1の構成要素の中で、実施の形態1に係る電気車の制御装置は、列車50に搭載される複数台の電動機2をセンサレス制御で駆動する電力変換装置1(1,1,……,1)によって構成される。なお、図1では、図示した車両の全てに電力変換装置1と電動機2とが搭載される場合を例示しているが、電力変換装置1および電動機2が搭載されない車両があることは言うまでもない。また、図1では、制御開始操作部13、列車保安装置14、ハンドル15、キロ程管理装置16、速度発電機17、運転支援装置23および列車情報管理装置26を列車50の外部に示しているが、列車50を構成する各車両40(40,40,……,40)の何れかに搭載されて構成される。特に、速度発電機17に関しては、前述のような電力変換装置1および電動機2が搭載されない車両の車輪軸の回転速度を計測するように設置される場合が多い。
また、電力変換装置1は、図2に示すように、架線51から集電装置52を介して供給される直流電力もしくは交流電力を取り込んで電動機2に駆動用の交流電力を供給する電力変換部3、電力変換部3を構成する図示しないスイッチング素子を駆動するためのスイッチング信号SWを生成する処理部4および、処理部4が生成した初期値を記憶する記憶部5を有して構成される。
電力変換部3と電動機2との間には、電力変換部3と電動機2との間に流れる電流、電力変換部3から電動機2への印加電流を検出するための電流センサである電流検出部11が設けられている。電流検出部11の検出値は、後述する第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8の各々に入力される。なお、図示の例では、UVW相の各配線のうち、U相およびW相にセンサを配置しているが、U相およびV相に配置してもよいし、V相およびW相に配置してもよい。配置していない相の電流は、相電流の平衡条件から演算で求めることができる。また、何れかの2相ではなく、3相の全てに配置してもよい。なお、3相の全てに配置すれば、全ての相電流を検出できるので、演算処理は不要である。
また、電力変換部3には、中間リンク部の電圧もしくはフィルタコンデンサ電圧を検出するための電圧検出器3aが設けられている。電圧検出器3aが検出した電圧(以下「中間リンク電圧」という)EFCは、図1では図示していないが、後述する第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8に入力され、変調率演算に用いられる。
処理部4は、機能的な構成要素として、磁気飽和を利用して初期磁極位置θ01の推定処理を行う第1の起動部6と、誘起電圧を利用して初期速度ω02および初期磁極位置θ02の推定処理を行う第2の起動部7と、初期速度および初期磁極位置を初期値として生成したトルク制御指令で電動機2を駆動する処理を行う電動機制御部8と、車両速度14Dならびに、力行指令11Dおよびブレーキ指令12Dなどの運転指令に基づいて、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8のうちの何れかが生成したスイッチング信号SWを選択するための選択信号SFを生成する信号選択部9と、信号選択部9が出力する選択信号SFに従って、実際に、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8のうちの何れの出力を選択する信号切替器10と、を備えて構成される。これら信号選択部9および信号切替器10は、起動選択部を構成する。
信号切替器10には、接点10a,10b,10c,10d,10eが設けられている。接点10aは、電力変換部3にスイッチング信号SWを出力するときの出力端となる。また、接点10bには第1の起動部6の出力が接続され、以下同様に、接点10cには第2の起動部7の出力が接続され、接点10dには電動機制御部8の出力が接続される。また、接点10eには何も接続されていない。このように接続された信号切替器10に対し、信号選択部9から選択信号SFが入力されると、以下のように動作する。
まず、第1の起動部6を選択する選択信号SFが信号切替器10に入力されると、信号切替器10の切替スイッチは接点10dに接続される。その結果、第1の起動部6が出力するスイッチング信号SWが接点10aを介して電力変換部3に印加される。
第2の起動部7を選択する選択信号SFが信号切替器10に入力されると、信号切替器10の切替スイッチは接点10cに接続される。その結果、第2の起動部7が出力するスイッチング信号SWが接点10aを介して電力変換部3に印加される。
電動機制御部8を選択する選択信号SFが信号切替器10に入力されると、信号切替器10の切替スイッチは接点10bに接続される。その結果、電動機制御部8が出力するスイッチング信号SWが接点10aを介して電力変換部3に印加される。
なお、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8のうちの何れも選択しない選択信号SFも意味をなす。具体的には、全ゲートオフ信号、すなわち全てのスイッチング素子を動作させないスイッチング信号を意味する。選択信号SFが全ゲートオフ信号である場合、信号切替器10の切替スイッチは接点10eに接続される。その結果、接点10aには、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8のうちの何れの出力も接続されず、第1の起動部6、第2の起動部7または電動機制御部8が動作していても、電力変換部3にはスイッチング信号が印加されない。
処理部4は、ハードウェア的には、マイクロコンピュータ(以下「マイコン」と表記)または、DSP(Digital Signal Processor)およびFPGAなどのハードウェア回路に論理構成されたプロセッサを有して構成される。処理部4がマイコンを有する場合、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8における演算処理は、マイコンが記憶部5に記憶されたプログラムを実行することにより、実現可能である。なお、複数のプロセッサおよび複数のメモリが連携して上記機能を実行してもよい。また、DSPおよびFPGAのうちの少なくとも1つがハードウェア回路に論理構成されたプロセッサを有する場合であれば、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8における制御系の処理を当該プロセッサにて実現してもよい。その際、演算処理の部分は、マイコンにてソフトウェア的に処理してもよい。記憶部5には、プログラムが記憶される他、第1の起動部6が推定した初期磁極位置θ01、第2の起動部7が推定した初期速度ω02および初期磁極位置θ02が記憶される。また、記憶部5には、電動機2の電気回路定数、制御に必要なパラメータなども記憶される。
つぎに、第1の起動部6、第2の起動部7および電動機制御部8が実行する処理について説明する。
(第1の起動部6について)
第1の起動部6は、上述のように磁気飽和を利用して初期磁極位置θ01を推定する処理を行う制御系を有する機能部であり、本実施の形態では上述した特許文献1に開示された手法を用いる。処理の細部は、特許文献1に詳細に開示されているため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、特許文献1に記載された全ての内容もしくはその一部の内容は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成する。
(第2の起動部7について)
第2の起動部7は、上述のように誘起電圧を利用して初期速度ω02および初期磁極位置θ02を推定する処理を行う制御系を有する機能部であり、本実施の形態では上述した特許文献2に開示された手法を用いる。処理の細部は、特許文献2に詳細に開示されているため、ここでの詳細な説明は省略する。なお、特許文献2に記載された全ての内容もしくはその一部の内容は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成する。
(電動機制御部8について)
電動機制御部8は、第1の起動部6が推定した初期磁極位置θ01または、第2の起動部7が推定した初期速度ω02および初期磁極位置θ02のうちの何れか一方を初期値として使用し、当該初期値を使用して生成したトルク制御指令で電動機2を駆動する処理を行う制御系を有する機能部であり、本実施の形態では上述した特許文献3に開示された手法を用いる。なお、第1の起動部6の起動後に電動機制御部8を動作させる処理は、電動機2が停止している場合、もしくは、停止していると見なされる場合であり、初期速度はゼロとして処理することが可能である。なお、処理の細部は、特許文献3に詳細に開示されているため、ここでの詳細な説明は省略する。特許文献3に記載された全ての内容もしくはその一部の内容は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成する。
つぎに、図1に戻り、運転支援システム22を構成する各要素の機能および役割ならびに列車情報管理装置26を経由する各種情報の流れについて説明する。
まず、制御開始操作部13は、定速運転を開始するときに使用するものである。乗務員が当該制御開始操作部13を操作することにより、定速運転の開始を示す制御開始指令1Dを出力することが可能である。
列車保安装置14は、図示しないATC(Automatic Train Control)装置からATC制限速度を示す制限速度情報2Dを受信することが可能である。ハンドル15は、乗務員によってアクセルまたはブレーキ操作が行われたときに、ハンドル操作情報3Dを出力することが可能である。なお、列車保安装置14としてATC装置を例示したが、これに限定されるものではなく、ATS(Automatic Train Stop)などの運転保安装置を使用することも可能である。
キロ程管理装置16は、列車がどのキロ程にいるのかを管理し、キロ程情報4Dを出力することが可能であり、駅間の走行基準時間に対する定時運転を行うときなどに用いられる。
速度発電機17は、車両の速度センサであり、検出した速度を速度信号5Dとして出力することが可能である。なお、速度発電機17は、車輪径の違いにより、車軸ごともしくは車両ごとに値が異なっていることが通常である。このため、速度発電機17から得られる値の平均値を速度信号5Dとして管理し、もしくは、車輪径の最も小さな車軸に設けられた速度発電機17から得られた値を速度信号5Dとして管理し、もしくは、先頭車両の速度信号5Dのみ受信して管理することが好ましい。このようにすれば、列車情報管理装置26が管理する速度信号5Dはユニークな値となり、電力変換装置1の動作がばらつくのを回避することができる。また、前述のように電力変換装置1および電動機2が搭載されない車両の車輪軸の回転速度を計測するように設置する。電動機2が搭載されている車輪軸は電動機2の回転力を車輪を介してレールに伝達することで車両を加減速させるが、雨の日などでレールが濡れている場合など車輪が空転/滑走(スリップ/スライド)しやすい場合がある。このような空転/滑走が発生すると正しく車両速度を検出できなくなる。したがって、電動機2が搭載されない車輪軸の速度信号5Dのみ受信して管理することが好ましい。
運転支援装置23は、走行管理部25および速度規制区間記憶部24を有して構成されている。運転支援装置23は、通常、先頭車両などに搭載されるが、これに限定されるものではない。
速度規制区間記憶部24には、速度規制区間における規制速度情報17Dなどが予め格納されている。なお、速度規制区間記憶部24に格納される情報は、これに限定されるものではない。例えば、列車速度、走行距離に基づく残走距離、路線勾配などにより、予めキロ程毎の到達予測時間を演算しておき、この到達予測時間を運行開始前に速度規制区間記憶部24に格納しておき、定速運転に使用するように構成してもよい。
走行管理部25は、制御開始指令1Dを受信したとき、規制速度情報17Dまたは制限速度情報2Dに従い、定速運転を行うために必要な目標速度を設定する。目標速度は、制限速度情報2Dまたは規制速度情報17Dから約3km/h減じた値で示されるが、これに限定されるものではない。この定速運転制御は、列車の速度を上述した目標速度に追従するようにノッチを調整して実現している。このノッチに関する情報は、走行管理部25において、キロ程を一定速度で走行できるノッチ情報として記録されているので、走行距離などから、当該キロ程情報に対応するノッチを導き出し、列車の速度が目標速度に追従するように、追従する速度を中心にして、ノッチを上げたり、または下げたりしながら運転速度を微調整することで定速運転を実現している。なお、ここでは、規制速度情報17Dを速度規制区間記憶部24から読み出して使用する態様となっているが、これに限定されるものではなく、例えば、規制速度情報17Dやキロ程情報などを、予め持ち運び可能な記憶媒体などに記録し、列車運行前に受け渡し、運転支援装置23に外部接続する態様であってもよい。
走行管理部25は、速度信号5Dに基づいて現在の列車速度を目標速度に近づけるため、力行指令6Dまたはブレーキ指令7Dを出力することが可能である。車両速度9Dが目標速度10Dに近づくと、走行管理部25は定速運転指令8Dを出力し、定速運転に切り替えることが可能である。また、走行管理部25は、定速運転中にハンドル操作情報3Dを受信した場合、定速運転指令8Dの出力を中断し、手動運転に切り替えることが可能である。また、手動運転に切り替えた後に、制御開始指令1Dを受信した場合、定速運転指令8Dを出力し再び定速運転に切り替えることが可能である。
列車情報管理装置26は、走行管理部25から送信された情報を一括管理することが可能である。図1において、列車情報管理装置26は1台のみ記載されているが、これに限定されるものではなく、列車情報管理装置26を各車両に搭載し、車両間に敷設されている伝送路に接続することにより、力行指令11D、ブレーキ指令12D、定速運転指令13D、車両速度14D、および目標速度15Dなどの情報を、例えば先頭車両の列車情報管理装置26から先頭車両以外の車両に搭載されている列車情報管理装置26に中継することが可能である。各車両の列車情報管理装置26は、力行指令11D、ブレーキ指令12D、定速運転指令13D、車両速度14D、および目標速度15Dなどの情報を電力変換装置1(1,1,……,1)に伝達する。なお、このような伝送形態は一例であり、他の伝送形態を採用してもよい。例えば、各車両の列車情報管理装置26を使用せずに、先頭車両の列車情報管理装置26から直接、各車両の電力変換装置1(1,1,……,1)に情報伝達してもよい。
列車を加速する場合、電力変換装置1(1,1,……,1)は、列車情報管理装置26から送信された目標速度15D、車両速度14Dおよび力行指令11Dに基づいて、電動機2(2,2,……,2)の回転を制御する。
車両速度14Dが目標速度15Dに近づいた場合、定速運転に切り替えるため、電力変換装置1(1,1,……,1)は、定速運転指令13Dに基づいて電動機2(2,2,……,2)の回転を制御する。また、列車を減速する場合、ブレーキ指令12Dに基づいて、電動機2(2,2,……,2)の回転を制御し、また、図示しない制動装置を制御する。
つぎに、図3の図面を基本として、信号選択部9の動作について説明する。図3は、運転指令および車両速度に応じて変化する信号選択部9の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3において、運転指令には、定速運転指令、力行指令およびブレーキ指令が含まれる。以下、定速運転指令、力行指令およびブレーキ指令の3者を総称して、運転指令と称する。
まず、ステップS101では、運転指令の有無が判別される。ここで、運転指令が入力されていればステップS102に移行し、運転指令が入力されていなければステップS111に移行する。ステップS102では、車両速度が第1の判定値以上であるか否かが判別され、車両速度が第1の判定値未満であれば、信号切替器10の切替スイッチを接点10dに接続しステップS103に移行して第1の起動部を動作させる。ステップS104では、第1の起動部6の処理の終了を判定する。第1の起動部6の処理が終了している場合、すなわち初期磁極位置θ01の推定処理が終了している場合には信号切替器10の切替スイッチを接点10bに接続し、ステップS107に移行する。
ステップS102の処理に戻り、車両速度が第1の判定値以上であれば、信号切替器10の切替スイッチは接点10cに接続し、ステップS105に移行して第2の起動部7を動作させる。ステップS106では、第2の起動部7の処理の終了を判定する。第2の起動部7の処理が終了している場合、すなわち初期速度ω02および初期磁極位置θ02の推定処理が終了している場合には信号切替器10の切替スイッチを接点10bに接続し、ステップS107に移行する。
ステップS107では電動機制御部8を動作させ、ステップS108では、運転指令の有無が判別される。運転指令が有れば、すなわち運転指令が入力されていればステップS107の動作およびステップS108での判定処理を繰り返す。一方、運転指令が無ければ、さらにステップS109にて、車両速度が第2の判定値以上であるか否かが判別され、車両速度が第2の判定値以上であれば、ステップS107に戻る。以後、ステップS107の動作ならびに、ステップS108およびステップS109による各判定処理を実行する。なお、第2の判定値は第1の判定値よりも大きい。
また、ステップS109において、車両速度が第2の判定値未満であれば、ステップS110に移行して、全ゲートオフ、すなわち電力変換部3に対するスイッチング制御を停止して、ステップS101の処理に戻る。以後、ステップS101からの処理を繰り返す。
ステップS111の処理に戻り、車両速度が第2の判定値以上であるか否かを判別し、第2の判定値以上であれば、ステップS105の処理に移行して第2の起動部7を動作させる。以後、ステップS106以降の処理を実行する。
また、ステップS111において、車両速度が第2の判定値未満であれば、ステップS112に移行して、電力変換部3に対するスイッチング制御を停止する全ゲートオフ動作を行って、ステップS101の処理に戻る。以後、ステップS101からの処理を繰り返す。
ここで、上記の処理について補足する。ステップS102では、車両速度を第1の判定値と比較しているが、第1の判定値は、電動機2が回転停止していると判断できる車両速度である。電動機2が回転停止していると判断できれば、磁気飽和を利用する処理が可能であり、第1の起動部6を起動してから電動機制御部8を起動することができる。また、第1の判定値によって、電動機2が回転停止していないと判定できれば、第2の起動部7を起動してから電動機制御部8を起動することができる。これらの制御により、センサレス制御を開始するか否かの判断を各々の電力変換装置1(1,1,……,1)で統一することができる。その結果、電動機2(2,2,……,2)からトルクを出力するタイミングを合わせることができるので、車両間の玉突き現象を抑止することができ、電気車の乗り心地を改善することが可能となる。
また、ステップS111とステップS109では、車両速度を第2の判定値と比較しているが、第2の判定値は、電動機2が高速回転しているかどうかを判断できる車両速度である。ここで、電動機2が永久磁石型の電動機であり、且つ、電動機2が高速回転している場合を考える。このような状況下では、永久磁石が回転することにより発生する電動機2の誘起電圧(詳しくは電動機2の端子間電圧)がフィルタコンデンサ電圧を越えるような場合が想定される。このような場合において、電力変換部3が全ゲートオフ状態で何も動作しなければ、電動機2の誘起電圧がフィルタコンデンサ電圧を越えると、電動機2が発電機となり、図示していないが電力変換部3のダイオードを介して架線51に電気を供給してしまう。したがって、このような高速回転域では電力変換部3を動作させ弱め界磁制御を実施することで電動機2の誘起電圧がフィルタコンデンサ電圧を越えないように制御する必要がある。また、上記のような制御は運転指令が入力されていない状態で車両の慣性エネルギーのみの惰性で走行している状態(惰行中と呼ぶ)でも実施する必要があることから、本発明では惰行制御と称する。なお、惰行制御中のトルク指令は零である。このような惰行制御においても上述のような車輪径差の影響により、惰行制御が必要となる車両速度が各々の電力変換装置1(1,1,……,1)ごとに異なることは言うまでもない。
本発明である図3の説明に戻り、ステップS111とステップS109の処理は上述の惰行制御を実施するか否かの判断を車両速度と第2の判定値を比較することで判定していることになる。このように構成することで、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)が同時に惰行制御を開始することになり、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)の動作ばらつきをなくし、電動機2の誘起電圧が大きくなるのを抑制することが可能となる。
さらに、このような惰行状態から再力行指令、もしくはブレーキ指令が入力された場合であっても、電動機2(2,2,……,2)からトルクを出力するタイミングを合わせることができるので、車両間の玉突き現象を抑止することができ、電気車の乗り心地を改善することが可能となる。
ここで、上記のトルクを出力するタイミングについて補足する。図3に示すように同期電動機のセンサレス制御では、電力変換装置1が停止中(全ゲートオフ状態、図3のステップS112,ステップS110に相当)から電力変換装置1を動作させ電動機をセンサレス制御する状態(図3のS107に相当)に移行させるためには図3に示すような処理を実行する必要がある。ここで、電力変換装置1の動作を停止させた惰行中はステップS101⇒ステップS111⇒ステップS112を経てステップS101の処理に戻るループで待機している状態であり、電力変換装置1を動作させた惰行制御はステップS107⇒ステップS108⇒ステップS109を経てステップS107に戻るループで電動機を制御している状態である。また、運転指令に基づき電動機を制御する状態はステップS107⇒ステップS108の処理を経てステップS107に戻るループである。ここで、上述のような惰行状態から再力行指令、もしくはブレーキ指令が入力された場合、運転指令に基づき電動機を制御する状態に移行するためには、「電力変換装置1の動作を停止させた惰行中」と「電力変換装置1を動作させた惰行制御」とでは移行に要する処理が異なり、電動機2がトルクを出力するタイミングが異なることになる。本発明はこのような課題を解決するものであり、惰行制御を実施するか否かの判断を車両速度と第2の判定値を比較することで判定するように構成することで、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)が同時に惰行制御を開始することになり、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)の動作ばらつきをなくし、電動機2(2,2,……,2)からトルクを出力するタイミングを合わせることができる。
また、上記のような車輪径差に起因する動作のばらつきに対して、車輪径差を積極的に管理し車輪径差に起因する動作のばらつきを軽減することも考えられる。しかしながら、本発明の課題に記載したような同期電動機のセンサレス制御の動作のばらつきを各々の電力変換装置1(1,1,……,1)で統一するためには、各々の電動機2が機械的に接続されている電気車の車輪の車輪径を数mm以下の公差で管理する必要が出てくるため、電気車のメンテナンスコストが増大する場合がある。これは同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の特有の課題である。本発明はこのようなメンテナンスコストの課題に対しても有効であることは言うまでもない。
実施の形態2.
図4は、実施の形態2に係る電気車の制御装置を含む全体のシステム構成図であり、図5は、実施の形態2に係る電力変換装置の細部構成を示すブロック図である。図1および図2に示す実施の形態1に係る電力変換装置1との構成上の相違点は、実施の形態2では、信号選択部9を備えていない点、電圧検出器3aの検出電圧である中間リンク電圧EFCを処理部4に入力するのに加えて、電力変換装置1の外部、より詳細には図5に示すように列車情報管理装置26に入力している点、図示していないが第2の判定値が中間リンク電圧EFCにより可変となる点、および、列車情報管理装置26に演算部26aを備えている点である。なお、その他の構成については、実施の形態1と同一または同等の構成であり、同一または同等の構成部には同一の符号を付して示すと共に、重複する説明は省略する。
実施の形態2に係る電気車の制御装置では、実施の形態1において各々の電力変換装置1(11,12,……,1N)で実行されていた信号選択部9の処理を図4に図示する演算部26aで実行するように構成する。
また、図4および図5に示すように、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)で検出された中間リンク電圧EFCは、列車情報管理装置26に入力される。中間リンク電圧EFCは、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)に設けられた電圧検出器3aで検出するため、電圧検出器3aの公差の関係で、必ずしも同じ値になるとは限らない。そこで、実施の形態2では、中間リンク電圧EFCを集約して列車情報管理装置26に集め、列車情報管理装置26の演算部26aで中間リンク電圧EFCの平均値EFCmeanもしくは最小値EFCminを算出し、編成全体で統一した値を用いることとする。なお、実施の形態2では、図2の信号選択部9が生成していた選択信号SFを伝送路に載せ、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)に伝達する。このような構成とすることにより、各々の電力変換装置1(1,1,……,1)で実行する処理が少なくなり、電力変換装置1のコスト低減に寄与できる。なお、図4では、中間リンク電圧EFCおよび選択信号SFの情報を列車情報管理装置26の伝送路で伝送しているが、他の伝送路を使用して実現してもよいし、信号選択部9の処理も演算部26aで実行するものに限定するものではない。
つぎに、実施の形態2における信号切替器10での信号切替動作について説明する。実施の形態2でも、図3のフローチャートに従って信号切替動作が実行される。実施の形態2の処理において、図3のフローチャートを実行する際の第2の判定値を中間リンク電圧EFCに従って変更する。なお、以下の説明で使用する中間リンク電圧EFCは各々の電力変換装置1(11,12,……,1N)が検出した中間リンク電圧EFCの平均値EFCmeanもしくは最小値EFCminである。以下、この点について説明する。
まず、第2の判定値は、次式によって定式化することができる。
第2の判定値=中間リンク電圧EFC×比例係数K−制御余裕G ……(1)
上記(1)式における比例係数Kは、最小車輪径の車軸に接続される電動機2の端子間電圧(以下、便宜的に「最小車輪径による電動機電圧」という)と、車両速度とが比例関係にあることから、一意に決まる値であり、次式で表すことができる。
比例係数K=車両速度V÷最小車輪径による電動機電圧 ……(2)
上記(1)式に示される制御余裕Gは、第2の判定値が、中間リンク電圧EFC×比例係数Kによって決まる値よりも低い値となるように調整する設計値である。制御余裕Gを設ける意図は、比例係数Kの変動や、中間リンク電圧EFCの急峻な変動によって、中間リンク電圧EFCが電動機2の端子間電圧よりも小さくなるのを回避するためである。
図6は、第2の判定値の設定概念の説明に供する図である。図6において、横軸には車両速度をとり、縦軸には中間リンク電圧と電動機2の端子間電圧の関係を示している。また、直線Kaは電動機aの端子間電圧を表し、直線Kbは電動機bの端子間電圧を表している。ここで、電動機aは車輪径aの車軸に接続される電動機を意味し、電動機bは車輪径bの車軸に接続される電動機を意味している。なお、ここでは、車輪径a<車輪径bという関係があり、また、車輪径aは編成内で最小の車輪径であると仮定している。すなわち、電動機aは、編成内で最小の車輪径を有する車軸に接続された電動機であり、電動機bは最小の車輪径ではない車軸に接続された電動機の1つを意味している。
図6より、電動機の端子間電圧は車両速度が上昇するにつれて大きくなり、同じ車両速度では最小車輪径である電動機aの端子間電圧が最も電圧上昇する。したがって、最小車輪径による電動機電圧に基づき第2の判定値を可変にすればよいことが分かる。そこで、図6に示す第2の判定値は最小車輪径による電動機電圧である直線Kaに基づき中間リンク電圧に応じて可変となるようにしている。
更に、一般的な電気鉄道などの用途においては中間リンクの直流電圧値は大きく変動する場合があるため、上記(1)式に示されるように制御余裕Gを、これらの条件を加味して中間リンクの直流電圧値×比例定数よりも第2の所定値が低い値なるように調整すれば、中間リンク電圧EFCが電動機の端子間電圧よりも小さくなる状況、すなわち電動機2が回生状態となってしまう状況を確実に回避できるので、各々の電動機2(2,2,……,2)で発生するトルクを確実に揃えることができ、車両間の玉突き現象を抑止して、電気車の乗り心地の改善を図ることが可能となる。
なお、比例係数Kは、電動機2の磁石温度によって若干変動する場合がある。よって、電動機2の磁石温度の影響が大きい場合には、電動機2に温度センサを設け、温度センサの検出情報によって比例係数Kを可変にしてもよい。また、電動機2に流れる電流から磁石温度を推定し、その推定結果によって比例係数Kを可変にしてもよいし、これらの影響を加味して制御余裕Gを調整してもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1(1,1,……,1) 電力変換装置、2(2,2,……,2) 電動機、3 電力変換部、3a 電圧検出器、4 処理部、5 記憶部、6 第1の起動部、7 第2の起動部、8 電動機制御部、9 信号選択部(起動選択部)、10 信号切替器(起動選択部)、11 電流検出部、13 制御開始操作部、14 列車保安装置、15 ハンドル、16 キロ程管理装置、17 速度発電機、22 運転支援システム、23 運転支援装置、24 速度規制区間記憶部、25 走行管理部、26 列車情報管理装置、26a 演算部、40 車両、50 列車、51 架線、52 集電装置。
まず、ステップS101では、運転指令の有無が判別される。ここで、運転指令が入力されていればステップS102に移行し、運転指令が入力されていなければステップS111に移行する。ステップS102では、車両速度が第1の判定値以上であるか否かが判別され、車両速度が第1の判定値未満であれば、信号切替器10の切替スイッチを接点10dに接続しステップS103に移行して第1の起動部を動作させる。ステップS104では、第1の起動部6の処理の終了を判定する。第1の起動部6の処理が終了している場合、すなわち初期磁極位置θ01の推定処理が終了している場合には信号切替器10の切替スイッチを接点10bに接続し、ステップS107に移行する。
実施の形態2に係る電気車の制御装置では、実施の形態1において各々の電力変換装置1(1 ,1 ,……,1 )で実行されていた信号選択部9の処理を図4に図示する演算部26aで実行するように構成する。
つぎに、実施の形態2における信号切替器10での信号切替動作について説明する。実施の形態2でも、図3のフローチャートに従って信号切替動作が実行される。実施の形態2の処理において、図3のフローチャートを実行する際の第2の判定値を中間リンク電圧EFCに従って変更する。なお、以下の説明で使用する中間リンク電圧EFCは各々の電力変換装置1(1 ,1 ,……,1 )が検出した中間リンク電圧EFCの平均値EFCmeanもしくは最小値EFCminである。以下、この点について説明する。
更に、一般的な電気鉄道などの用途においては中間リンクの直流電圧値は大きく変動する場合があるため、上記(1)式に示されるように制御余裕Gを、これらの条件を加味して中間リンクの直流電圧値×比例定数よりも第2の判定値が低い値なるように調整すれば、中間リンク電圧EFCが電動機の端子間電圧よりも小さくなる状況、すなわち電動機2が回生状態となってしまう状況を確実に回避できるので、各々の電動機2(2,2,……,2)で発生するトルクを確実に揃えることができ、車両間の玉突き現象を抑止して、電気車の乗り心地の改善を図ることが可能となる。

Claims (8)

  1. 同期電動機をセンサレス制御で駆動する電力変換装置を複数台備えた電気車の制御装置であって、
    車速センサから得られた車両速度の情報に基づいて前記電力変換装置を何れの制御系で起動するか選択する起動選択部を備え、
    前記車両速度に基づき各々の前記電力変換装置が同一の制御系で動作を開始する
    ことを特徴とする電気車の制御装置。
  2. 前記車両速度の大小を判定する第1の判定値が設定され、
    各々の前記電力変換装置は、運転指令の有無および前記第1の判定値による前記車両速度の大小関係に従って、前記電力変換装置の制御系を切り替える
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気車の制御装置。
  3. 前記車両速度の大小を判定する第2の判定値が設定され、
    前記第2の判定値は、前記第1の判定値よりも値が大きく、
    各々の前記電力変換装置は、前記第2の判定値による前記車両速度の大小関係に従って、電力変換部に対するスイッチング制御を停止する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電気車の制御装置。
  4. 各々の前記電力変換装置は、
    磁気飽和を利用して初期磁極位置の推定処理を行う第1の起動部と、
    誘起電圧を利用して初期速度および初期磁極位置の推定処理を行う第2の起動部と、
    前記第1の起動部が推定した初期磁極位置、または、前記第2の起動部が推定した初期速度および初期磁極位置のうちの何れか一方を初期値として生成したトルク制御指令で前記電動機を駆動する処理を行う電動機制御部と、
    を有して構成されることを特徴とする請求項3に記載の電気車の制御装置。
  5. 各々の前記電力変換装置は、
    運転指令が入力されている場合において、前記車両速度が前記第1の判定値未満の場合に前記第1の起動部を動作させ、前記車両速度が前記第1の判定値以上の場合に前記第2の起動部を動作させる
    ことを特徴とする請求項4に記載の電気車の制御装置。
  6. 各々の前記電力変換装置は、
    運転指令が入力されていない場合において、前記車両速度が前記第2の判定値以上の場合に前記第2の起動部を動作させ、前記車両速度が前記第1の判定値未満の場合に、電力変換部に対するスイッチング制御を停止することを特徴とする請求項4に記載の電気車の制御装置。
  7. 前記第2の判定値は、前記電力変換装置の中間リンク電圧によって調整されることを特徴とする請求項3に記載の電気車の制御装置。
  8. 前記第2の判定値は、前記同期電動機を構成する磁石の温度によって調整されることを特徴とする請求項3に記載の電気車の制御装置。
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