JPWO2016121638A1 - 面形状不良発生領域推定方法、面形状不良原因領域推定方法、面形状不良発生領域推定装置、面形状不良原因領域推定装置、プログラム、及び、記録媒体 - Google Patents

面形状不良発生領域推定方法、面形状不良原因領域推定方法、面形状不良発生領域推定装置、面形状不良原因領域推定装置、プログラム、及び、記録媒体 Download PDF

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Abstract

この面形状不良発生領域推定方法は、被加工材を塑性加工して得られる塑性加工品の面形状不良の発生領域を推定する面形状不良発生領域推定方法であって、第一応力分布σ(T1)を取得する第一応力分布取得工程と、第二応力分布σ(T2)を取得する第二応力分布取得工程と、比較応力分布σ(T1,T2)を取得する比較応力分布取得工程と、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する分割比較応力分布取得工程と、分割領域Dkそれぞれが面形状不良の発生領域であるか否かを推定する面形状不良発生領域推定工程と、を備える。

Description

本発明は、被加工材を塑性加工した際に発生する面形状不良について、その発生領域又は原因領域を推定するための方法、装置、プログラム、及び、記録媒体に関する。
本願は、2015年1月26日に、日本に出願された特願2015−012325号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ドアやバンパーなど多くの自動車用部材、家電部材、建材等は鋼板のプレス成形により製造されている。近年、それらの部材(プレス成形品)に対する軽量化の要求が高まっており、その要求を実現するために高強度を有する鋼材を使用することによって鋼材を薄手化するなどの対応が図られている。
しかしながら、鋼板の高強度化に伴い、プレス成形による部材形状の確保には厳しい管理が必要となっている。このような管理において重要な項目として、プレス成形時に鋼板に生じた残留応力を駆動力として鋼板の弾性変形分が弾性回復する変形であるスプリングバックの発生や、プレス成形中の撓みに起因するシワの発生が挙げられる。
特に、昨今は、自動車等の開発工数及びコスト削減のため、デザイン段階と同時に、その成形部材の成形方法を検討する設計段階が開始される傾向にある。しかしながら、デザイン段階でデザイン変更が生じると、それと同時に設計段階での成形部材の変更をも生じるため、成形部材の成形方法を検討する設計段階での工数やコストは、自動車等の開発工程や開発費において、より大きな問題となっている。
以上のことから、近年では、成形方法を検討する設計段階つまり実際に成形を行う事前の段階にて、前述のような「スプリングバック」や「シワ」の発生領域や原因領域を推定できる方法が望まれている。
特許文献1〜3には、スプリングバックの原因領域を特定する方法として、有限要素法により、成形下死点における応力状態を複数の特定領域に分割し、当該特定領域の応力を数値演算し、スプリングバック計算を実行することで、スプリングバックの原因領域を特定する方法が記載されている。
日本国特許第5068783号公報 日本国特許第4894294号公報 日本国特開2009−286351号公報
従来では、特許文献1〜3のように、「スプリングバック」の発生領域や原因領域を残留応力等の客観的な指標によって推定する手法は検討されているものの、プレス成形時に生じる「シワ」や「面ひずみ」などの面形状不良の発生領域や原因領域を定量的に推定する手法については、未だ検討されておらず、その手法の確立が要求されてきている。
同様の課題は、鋼板のプレス成形に限らず、長手形状の鋼材のロールフォーム成形や鋼管のハイドロフォームなどの場合においても存在する。また、被加工材の素材も鋼に限らず、アルミやチタン等の金属材料、FRPやFRTP等のガラス繊維強化樹脂材料、更にはこれらの複合材料などの場合にも、同様の課題が存在する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、被加工材を塑性加工した際に発生する面形状不良について、その発生領域および原因領域を推定するための方法、装置、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決することを目的とした本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)本発明の第一の態様は、塑性加工開始時点TSTARTから塑性加工完了時点TENDに至るまで被加工材を塑性加工して得られる塑性加工品の面形状不良の発生領域を推定する面形状不良発生領域推定方法であって、有限要素法により、前記塑性加工開始時点TSTARTよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前である第一加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第一応力分布σ(T1)を取得する第一応力分布取得工程と、有限要素法により、前記第一加工時点Tよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前又は同時である第二加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第二応力分布σ(T2)を取得する第二応力分布取得工程と、前記第一応力分布σ(T1)と前記第二応力分布σ(T2)との比較に基づき、前記被加工材の比較応力の分布である比較応力分布σ(T1,T2)を取得する比較応力分布取得工程と、前記比較応力分布σ(T1,T2)を、複数の分割領域Dに分割することで、それぞれの分割領域Dの比較応力の分布である分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する分割比較応力分布取得工程と、前記分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を用い、前記分割領域Dそれぞれについて求めた面形状不良発生評価指標αに基づき、前記分割領域Dそれぞれが面形状不良の発生領域であるか否かを推定する面形状不良発生領域推定工程と、を備える。
(2)上記(1)に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記面形状不良発生評価指標αが比較応力の最小値であってもよい。
(3)上記(1)に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値であってもよい。
(4)上記(1)に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値であってもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記分割比較応力分布取得工程において、前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定してもよい。
(6)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記分割比較応力分布取得工程において、前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定してもよい。
(7)上記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記分割比較応力分布取得工程において、前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定してもよい。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記第二加工時点Tが前記塑性加工完了時点TENDであってもよい。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記被加工材が金属であってもよい。
(10)上記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記塑性加工がプレス成形であってもよい。
(11)上記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法では、前記面形状不良がシワであってもよい。
(12)本発明の第二の態様は、上記(1)〜(11)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法によって推定された前記面形状不良の発生領域を基準領域mとして特定するとともに、前記基準領域mの周囲を複数の周辺領域m(k=1、2、3、・・・n)に分割する領域分割工程と、前記第一応力分布σ(T1)において、前記複数の周辺領域mのうち任意の周辺領域mの応力値を変更した場合の修正第一応力分布σ’(T1)を各周辺領域m毎に取得する修正第一応力分布取得工程と、前記修正第一応力分布σ’(T1)について前記第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで修正第二応力分布σ’(T2)を各周辺領域m毎に取得する修正第二応力取得工程と、前記周辺領域mそれぞれについて、前記修正第一応力分布σ’(T1)と、前記修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき、前記被加工材の修正比較応力の分布である修正比較応力分布σ’(T1,T2)を取得する修正比較応力分布取得工程と、前記周辺領域mそれぞれの前記修正比較応力分布σ’(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(mk)と、前記比較応力分布σ(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(m0)との比較値β(mk,m0)に基づき、前記周辺領域mそれぞれが面形状不良原因領域であるか否かを推定する面形状不良原因領域推定工程と、を備える面形状不良原因領域推定方法である。
(13)上記(12)に記載の面形状不良原因領域推定方法では、前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、修正比較応力の最小値であってもよい。
(14)上記(12)に記載の面形状不良原因領域推定方法では、前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値であってもよい。
(15)上記(12)に記載の面形状不良原因領域推定方法では、前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値であってもよい。
(16)本発明の第三の態様は、塑性加工開始時点TSTARTから塑性加工完了時点TENDに至るまで被加工材を塑性加工して得られる塑性加工品の面形状不良の発生領域を推定する面形状不良発生領域推定装置であって、有限要素法により、前記塑性加工開始時点TSTARTよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前である第一加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第一応力分布σ(T1)を取得する第一応力分布取得部と、有限要素法により、前記第一加工時点Tよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前又は同時である第二加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第二応力分布σ(T2)を取得する第二応力分布取得部と、前記第一応力分布σ(T1)と前記第二応力分布σ(T2)との比較に基づき、前記被加工材の比較応力の分布である比較応力分布σ(T1,T2)を取得する比較応力分布取得部と、前記比較応力分布σ(T1,T2)を、複数の分割領域Dに分割することで、それぞれの分割領域Dの比較応力の分布である分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する分割比較応力分布取得部と、前記分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を用い、前記分割領域Dそれぞれについて求めた面形状不良発生評価指標αに基づき、前記分割領域Dそれぞれが面形状不良の発生領域であるか否かを推定する面形状不良発生領域推定部と、を備える。
(17)上記(16)に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記面形状不良発生評価指標αが比較応力の最小値であってもよい。
(18)上記(16)に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値であってもよい。
(19)上記(16)に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値であってもよい。
(20)上記(16)〜(19)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記分割比較応力分布取得部において、前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定してもよい。
(21)上記(16)〜(19)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記分割比較応力分布取得部において、前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定してもよい。
(22)上記(16)〜(19)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記分割比較応力分布取得部において、前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定してもよい。
(23)上記(16)〜(22)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記第二加工時点Tが前記塑性加工完了時点TENDであってもよい。
(24)上記(16)〜(23)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記被加工材が金属であってもよい。
(25)上記(16)〜(24)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記塑性加工がプレス成形であってもよい。
(26)上記(16)〜(25)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置では、前記面形状不良がシワであってもよい。
(27)本発明の第四の態様は、上記(16)〜(26)のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置によって推定された前記面形状不良の発生領域を基準領域mとして特定するとともに、前記基準領域mの周囲を複数の周辺領域m(k=1、2、3、・・・n)に分割する領域分割部と、前記第一応力分布σ(T1)において、前記複数の周辺領域mのうち任意の周辺領域mの応力値を変更した場合の修正第一応力分布σ’(T1)を各周辺領域m毎に取得する修正第一応力分布取得部と、前記修正第一応力分布σ’(T1)について前記第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで修正第二応力分布σ’(T2)を各周辺領域m毎に取得する修正第二応力取得部と、前記周辺領域mそれぞれについて、前記修正第一応力分布σ’(T1)と、前記修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき、前記被加工材の修正比較応力の分布である修正比較応力分布σ’(T1,T2)を取得する修正比較応力分布取得部と、前記周辺領域mそれぞれの前記修正比較応力分布σ’(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(mk)と、前記比較応力分布σ(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(m0)との比較値β(mk,m0)に基づき、前記周辺領域mそれぞれが面形状不良原因領域であるか否かを推定する面形状不良原因領域推定部と、を備える面形状不良原因領域推定装置である。
(28)上記(27)に記載の面形状不良原因領域推定装置では、前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、修正比較応力の最小値であってもよい。
(29)上記(27)に記載の面形状不良原因領域推定装置では、前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値であってもよい。
(30)上記(27)に記載の面形状不良原因領域推定装置では、前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値であってもよい。
(31)本発明の第五の態様は、上記(1)に記載の面形状不良発生領域推定方法を実行するプログラムである。
(32)本発明の第六の態様は、上記(12)に記載の面形状不良原因領域推定方法を実行するプログラムである。
(33)本発明の第七の態様は、上記(31)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
(34)本発明の第八の態様は、上記(32)に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、被加工材を塑性加工した際に発生する塑性加工品の面形状不良の発生領域又は原因領域を推定する方法、装置、プログラム、及び記録媒体を提供できる。
本発明の第一実施形態に係る面形状不良発生領域推定方法、および本発明の第二実施形態に係る面形状不良原因領域推定方法の数値解析に用いられるプレス金型モデルの説明模式図である。 本発明の第一実施形態に係る面形状不良発生領域推定方法の処理順序を示すフローチャートである。 第一加工時点Tにおける鋼板Sの第一応力分布σ(T1)のコンター図である。 第二加工時点Tにおける鋼板Sの第二応力分布σ(T2)のコンター図である。 第一応力分布σ(T1)と第二応力分布σ(T2)との差分に基づき取得された比較応力分布σ(T1,T2)のコンター図である。 図5に示す比較応力分布σ(T1,T2)のコンター図において、分割領域D〜D10の位置を示す図である。 図6に示す分割領域D〜D10について、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を個別に示す図である。 本発明の第二実施形態に係る面形状不良原因領域推定方法の処理順序を示すフローチャートである。 面形状不良発生領域として推定された分割領域Dを基準領域mとして特定するとともに、その周囲を周辺領域m〜m10に分割した図である。 第一応力分布σ(T1)のうち、周辺領域mの応力値を0に近似して取得される修正第一応力分布σ’(T1)のコンター図である。 図10に示す修正第一応力分布σ’(T1)の状態から第二加工時点Tに至るまで成形解析を続行して取得される修正第二応力分布σ’(T2)のコンター図である。 修正第一応力分布σ’(T1)と修正第二応力分布σ’(T2)との差分に基づき取得される修正比較応力分布σ’(T1,T2)のコンター図である。 本発明の第三実施形態に係る面形状不良発生領域推定装置10を示す模式図である。 本発明の第四実施形態に係る面形状不良原因領域推定装置20を示す模式図である。 コンピュータープログラムを稼働させるシステムバスを示す図である。 第一加工時点Tにおける鋼板Sにシェーディングした図である。 第二加工時点Tにおける鋼板Sにシェーディングした図である。
まず、従来に採用されていたシワ発生領域の推定方法について説明する。
図16A、図16Bに、後に詳しく説明する図1のプレス金型モデルを用いてプレス成形を行ったプレス成形品(鋼板S)のシェーディング図を示す。図16Aは、上型101が下死点の5ミリ手前にあるときの鋼板Sのシェーディング図、図16Bは、上型101が下死点にあるときの鋼板Sのシェーディング図である。
図16Aにおいて、濃淡が確認される部位はプレス前から下死点5ミリ手前までの間に鋼板Sの形状が変化した部位である。すなわち、当該部位にシワの元になる撓み部が発生しているとも推定できるが、濃淡がついている部位はあくまで、鋼板Sの形状が変化した部位であり、撓み部であるとも推定できるし、製品形状とも推定される。
さらに、図16Bに示すように、上型101が下死点にあるときのシェーディング図からは、濃淡がはっきりせず、シワ発生領域を推定することは困難である。
つまり、前述のようなシェーディング図を用いた推定方法では、シワ発生領域を定量的に推定することは困難であった。特に、製品形状が複雑な場合は、撓み部又はシワであるのか加工すべき形状(デザイン)であるのかをシェーディング図から判別することは極めて困難であった。
また、鋼板における応力分布を求める手法として、FEM解析法を利用した鋼板のプレス成形の解析法がある。この解析法では、鋼板を複数の有限要素に分割し、各有限要素ごとに応力を推測し、鋼板における応力分布を求めることが可能である。しかしながら、応力分布からシワ発生領域を直接予測することは困難である。応力分布が発生する原因は、シワの発生以外にも種々の要因が考えられ、一義的に応力分布の発生をシワの発生に結びつけられないためである。
本発明者らは、鋼板に発生するシワは、鋼板の加工量が大きくなるに連れて発生しやすくなり、上型が下死点に到達する直前において最も発生しやすくなることに着目し、異なる加工時点における鋼板の応力分布の比較はシワ発生の予測において重要であることを知見した。
更に本発明者らは、上型が下死点に到達してプレス成形が終了すると、シワの元になる撓み部が金型によって潰され、その結果、応力の分布が生じることに着目し、下死点到達前の鋼板の応力分布と、下死点到達後の鋼板の応力分布とを比較することがシワ発生を更に正確に予測する上で重要であることを知見した。
以下、上述の知見に基づきなされた本発明に係る面形状不良発生領域推定方法、面形状不良原因領域推定方法、面形状不良発生領域推定装置、面形状不良原因領域推定装置、プログラム、及び、記録媒体について、実施形態に基づき詳細に説明する。
尚、いずれの実施形態についても、本発明をより分かりやすく説明するために、被加工材として引張強さ462MPa、降伏応力360MPaの440MPa級冷延鋼板である鋼板Sについて、後述するプレス金型モデルを用いたプレス成形を有限要素法により数値解析し、シワ発生領域又はシワ原因領域を予測する場合を例に挙げて説明する。
具体的に、当該数値解析は、図1に示す上型(パンチ)101、しわ押さえ金型102及び下型(ダイス)103を備えたプレス金型モデルを用いて行われる。このプレス金型モデルは、鋼板Sを下型103の上に置き、しわ押さえ金型102を下降させて鋼板Sを下型103としわ押さえ金型102とで挟んだ状態で、上型101を相対的に下降させることによりプレス成形を行うモデルとする。
また、本明細書においては、
(1)被加工材の塑性変形が開始する時点を塑性加工開始時点TSTART
(2)被加工材の塑性変形が完了する時点を塑性加工完了時点TEND
(3)塑性加工開始時点TSTARTよりも後であって、且つ、塑性加工完了時点TENDよりも前の時点を第一加工時点T
(4)第一加工時点Tよりも後であって、且つ、塑性加工完了時点TENDよりも前又は同時である時点を第二加工時点T
と定義する。
尚、以下に示す図面においては、図示される部材の形状や大きさ、寸法等は、実際の部材の寸法等とは異なる場合がある。
「領域」とは、有限要素法における1個以上の要素からなる微小領域、又は、要素が連続した集合体などである。
<第一実施形態>
本発明の第一実施形態は、プレス成形の開始時点(塑性加工開始時点TSTART)からプレス成形の完了時点(塑性加工完了時点TEND)に至るまで鋼板Sをプレス成形して得られるプレス成形品(塑性加工品)のシワ発生領域(面形状不良発生領域)を推定する面形状不良発生領域推定方法である。
本実施形態に係る面形状不良発生領域推定方法は、図2に示すように、第一応力分布取得工程S11と、第二応力分布取得工程S12と、比較応力分布取得工程S13と、分割比較応力分布取得工程S14と、面形状不良発生領域推定工程S15と、を備える。
以下、各工程について詳述する。
(第一応力分布取得工程S11)
第一応力分布取得工程S11では、有限要素法による数値解析によって、プレス成形の対象である鋼板Sの第一加工時点Tにおける応力分布である第一応力分布σ(T1)を取得する。具体的には、第一加工時点T、すなわち、上型101が鋼板Sに接触して鋼板Sの変形が開始した後であって、上型101が下死点に到達する前の時点における鋼板Sの応力分布を、有限要素法による数値解析により、第一応力分布σ(T1)として取得する。
図3に、第一応力分布取得工程S11によって取得された第一応力分布σ(T1)のコンター図(等高線図)を示す。
(第二応力分布取得工程S12)
第二応力分布取得工程S12では、有限要素法による数値解析によって、プレス成形の対象である鋼板Sの第二加工時点Tにおける応力分布である第二応力分布σ(T2)を取得する。具体的には、第二加工時点T、すなわち、第一加工時点Tの後であって、且つ、塑性加工完了時点TENDよりも前または同時である時点における鋼板Sの応力分布を、有限要素法による数値解析により、第二応力分布σ(T2)として取得する。
図4に、第二応力分布取得工程S12によって取得された第二応力分布σ(T2)のコンター図を示す。
第一加工時点T、及び、第二加工時点Tにおいては、図3および図4に示すように、部分的に残留応力が高くなっている部位(例えば図4に示す矢印)が確認できる。この部位は、加工度が高く、過酷な成形が施されている部位であり、周辺部位から材料が流入している部位である。つまり、当該部位にシワ(又は撓み部)が発生している可能性も否定できないが、従来のシェーディング図による推定法と同様に、シワであるのか加工すべき形状(デザイン)であるのかを判別することはできない。また、シワが発生していると推定したとしても、シワの大きさ等を定量的に推定することは困難である。
なお、有限要素法による数値解析は、市販の有限要素法(FEM)解析システム(例えば市販のソフトウェアPAM−STAMP、LS−DYNA、Autoform、OPTRIS、ITAS−3D、ASU/P−FORM、ABAQUS、ANSYS、MARC、HYSTAMP、Hyperform、SIMEX、Fastform3D、Quikstamp)を用いて行うことができる。これらの有限要素法(FEM)解析システムを用いることで、プレス成形する鋼板Sの形状データ(板厚、長さ、幅等)及び、強度や伸び等の鋼板特性に基づいて、金型形状(ダイ及びパンチ形状、曲率、潤滑条件)、プレス圧力(温度、圧力等)などの成形条件を設定し、プレス成形解析を行い、かつ、プレス成形後の成形品の応力分布を定量的に推定することができる。
(比較応力分布取得工程S13)
比較応力分布取得工程S13では、第一応力分布σ(T1)と、第二応力分布σ(T2)との比較に基づき、第一応力と第二応力との比較応力の分布である比較応力分布σ(T1,T2)を取得する。
より具体的には、第一応力分布σ(T1)と、第二応力分布σ(T2)とを比較し、各有限要素毎の応力の差分又は変化率を求めることで、比較応力分布σ(T1,T2)を取得することができる。
図5に、比較応力分布取得工程S13によって取得された比較応力分布σ(T1,T2)のコンター図を示す。
塑性加工の進行に伴い撓み部が潰されていくため、シワの発生部位には圧縮残留応力が、そしてその周辺部位には引張残留応力が発生する。そのため、図5で示すように、第一加工時点Tにおける鋼板Sの第一応力分布σ(T1)と、第一加工時点Tよりも塑性加工が進行した第二加工時点Tにおける鋼板Sの第二応力分布σ(T2)との間の応力値の差分又は変化率を算出し、コンター図により表示させることで、シワの発生部位(図中の矢印)を明瞭に観察することができる。
(分割比較応力分布取得工程S14)
分割比較応力分布取得工程S14では、比較応力分布σ(T1,T2)を複数の分割領域D(k=1、2、3、・・・n)に分割することで、それぞれの分割領域Dの比較応力の分布である分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する。
図6に、比較応力分布σ(T1,T2)を分割領域D〜D10に分割する場合の一例を示す。
また、図7に、図6に示す分割領域D〜D10それぞれの分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を示す。
尚、図7において、Minは「比較応力の最小値(GPa)」、Maxは「比較応力の最大値(GPa)」、Max−Minは「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値(GPa)」、Grad.Maxは「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値(GPa/mm)」を示す。
尚、分割領域Dの画定手法については特に限定されるものではないが、後述する手法を用いてもよい。
(面形状不良発生領域推定工程S15)
面形状不良発生領域推定工程S15では、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を用い、分割領域Dそれぞれについて求めた面形状不良発生評価指標αに基づき、前記分割領域Dそれぞれがシワ発生領域であるか否かを推定する。
面形状不良発生評価指標αとしては、例えば下記の評価指標を用いることができる。
面形状不良発生評価指標α1:比較応力の最小値
面形状不良発生評価指標α2:互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値
面形状不良発生評価指標α3:互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値
(面形状不良発生評価指標α1)
面形状不良発生評価指標α1を用いる場合、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)のそれぞれにおける「比較応力の最小値」が閾値よりも小さい分割領域Dをシワ発生領域として推定する。
シワの元になる撓み部は、第一加工時点Tにおいて発生し、その後、成形が進むに連れて潰されていく。従って、第二加工時点Tでは、潰された撓み部(シワ)又は潰されつつある撓み部(シワ)に起因する圧縮残留応力が生じる。
従って、圧縮残留応力が大きい分割領域Dにおいて、シワが発生している可能性が高いと言える。
そのため、「比較応力の最小値」が閾値よりも小さい分割領域Dをシワ発生領域と推定することができる。
具体例を挙げると、図7に示す「Min」の値を考慮し、例えば閾値を−0.700(GPa)と設定する場合、分割領域D、分割領域D、分割領域Dをシワ発生領域として推定することができる。
面形状不良発生評価指標α1を用いる場合の閾値は、最終製品(プレス成形品)において如何なる高さのシワを許容しうるかにより決定してよい。つまり、例えば、より苛酷な環境で用いるプレス成形品の場合は、小さなシワでも製品性能に大きく作用するため、閾値を「低く」設定することで、シワの発生をより厳しく評価できる。
(面形状不良発生評価指標α2)
面形状不良発生評価指標α2を用いる場合、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)のそれぞれにおける「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」が閾値よりも大きい分割領域Dをシワ発生領域として推定する。
上述の通り、シワの元になる撓み部は、第一加工時点Tにおいて発生し、その後、成形が進むに連れて潰され、第二加工時点Tでは、潰された撓み部(シワ)又は潰されつつある撓み部(シワ)に起因する圧縮残留応力が生じる。更に、この圧縮残留応力の周囲には、引張残留応力が発生する。
従って、残留応力の最大値と最小値との差分が大きい分割領域Dにおいて、シワが発生している可能性が高いと言える。
そのため、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」が閾値よりも大きい分割領域Dをシワ発生領域と推定することが好ましい。
具体例を挙げると、図7に示す「Max−Min」の値を考慮し、例えば閾値を1.500(GPa)と設定する場合、分割領域D、分割領域D、分割領域Dをシワ発生領域として推定することができる。
面形状不良発生評価指標α2を用いる場合の閾値も、面形状不良発生評価指標α1と同様、最終製品(プレス成形品)において如何なる高さのシワを許容しうるかにより決定してよい。面形状不良発生評価指標α2を用いる場合、閾値を「高く」設定することで、シワの発生をより厳しく評価できる。
尚、面形状不良発生評価指標α2を用いる場合、面形状不良発生評価指標α1を用いる場合に比べ、シワの周囲の引張残留応力の値も考慮するため、面形状不良発生評価指標α1を用いる場合よりも正確にシワ発生領域を推定することが可能である。
(面形状不良発生評価指標α3)
面形状不良発生評価指標α3を用いる場合、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)のそれぞれにおける「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値」が閾値よりも大きい分割領域Dをシワ発生領域として推定する。
上述の通り、残留応力の最大値と最小値との差分が大きい分割領域Dにおいて、シワが発生している可能性が高い。ただし、分割領域Dの画定の仕方によっては、一つの分割領域Dにおいて複数のシワ発生部位が含まれる場合がある。その場合、一つのシワ発生部位に起因する残留応力の最大値と、他のシワ発生部位に起因する残留応力の最小値との差分が算出される可能性がある。
従って、より確実にシワ発生領域の推定を行うためには、「一つ」のシワ発生部位に起因する圧縮残留応力と引張残留応力との差分を評価指標とすることが好ましいと言える。
そのため、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値」が閾値よりも大きい分割領域Dをシワ発生領域と推定することがより好ましい。
具体例を挙げると、図7に示す「Grad.Max」の値を考慮し、例えば閾値を0.260(GPa/mm)と設定する場合、分割領域D、分割領域D、分割領域D10をシワ発生領域として推定することができる。
面形状不良発生評価指標α3を用いる場合の閾値も、面形状不良発生評価指標α1、α2と同様、最終製品(プレス成形品)において如何なる高さのシワを許容しうるかにより決定してよい。面形状不良発生評価指標α3を用いる場合、面形状不良発生評価指標α2と同様に、閾値を「高く」設定することで、シワの発生をより厳しく評価できる。
尚、面形状不良発生評価指標α3を用いる場合、面形状不良発生評価指標α1、α2を用いる場合に比べ、差分勾配を考慮するため、面形状不良発生評価指標α1、α2を用いる場合よりも更に正確にシワ発生領域を推定することが可能である。
尚、上述の分割比較応力分布取得工程S14に関し、分割領域Dの画定手法については、機械的に、等分割(例えばサイコロ状)してもよく、シワが発生しやすい箇所と、シワが発生しにくい箇所を経験値から推測し、その予測に基づいて決定してもよい。
ただし、より精度を高めるために、上記の面形状不良発生評価指標α1〜α3を考慮し、下記のように分割領域Dを画定してもよい。
(分割領域画定手法1)
分割領域画定手法1では、まず、比較応力分布σ(T1,T2)のうち、「比較応力が最小である要素」を包含する第一分割領域Dを複数の分割領域Dの一つとして画定する。
そして、比較応力分布σ(T1,T2)から第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、「比較応力が最小である要素」を包含する第二分割領域Dを複数の分割領域Dの一つとして画定する。
同様の画定方法を繰り返していくことで、分割領域Dを機械的に画定することができる。同様の画定方法を繰り返す回数は特に制限されないが、例えば、画定された分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)における「比較応力の最小値」が、第一分割領域Dの「比較応力の最小値」の2倍以上となるまで、上記の手法を繰り返してもよい。
(分割領域画定手法2)
分割領域画定手法2では、まず、比較応力分布σ(T1,T2)のうち、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素」を包含する第一分割領域Dを複数の分割領域Dの一つとして画定する。
そして、比較応力分布σ(T1,T2)から第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素」を包含する第二分割領域Dを複数の分割領域Dの一つとして画定する。
同様の画定方法を繰り返していくことで、分割領域Dを機械的に画定することができる。同様の画定方法を繰り返す回数は特に制限されないが、例えば、画定された分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)における「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」が、第一分割領域Dの「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」の50%以下となるまで、上記の手法を繰り返してもよい。
(分割領域画定手法3)
分割領域画定手法3では、まず、比較応力分布σ(T1,T2)のうち、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素」を包含する第一分割領域Dを複数の分割領域Dの一つとして画定する。
そして、比較応力分布σ(T1,T2)から第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素」を包含する第二分割領域Dを複数の分割領域Dの一つとして画定する。
同様の画定方法を繰り返していくことで、分割領域Dを機械的に画定することができる。同様の画定方法を繰り返す回数は特に制限されないが、例えば、画定された分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)における「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値」が、第一分割領域Dの「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大値」の50%以下となるまで、上記の手法を繰り返してもよい。
尚、分割領域画定手法1は、面形状不良発生評価指標α1を考慮した方法であり、分割領域画定手法2は、面形状不良発生評価指標α2を考慮した方法であり、分割領域画定手法3は、面形状不良発生評価指標α3を考慮した方法である。従って、分割領域画定手法1を用いて分割領域を画定した場合には、面形状不良発生評価指標α1を用いることが好ましい。
尚、第一加工時点Tは、本実施形態については、プレス成形する鋼板Sの形状や、鋼板特性、金型形状、プレス条件等に基づき適宜決定してよい。例えば、上型101の下死点からの離間距離が0mm超5mm以下となる加工時点、あるいは、上型101の下死点からの離間距離がプレス成形品の部位毎に許容されるシワ高さの1〜5倍の高さとなる加工時点としてもよい。
また、第二加工時点Tは、上型101が下死点となる加工時点、すなわち、塑性加工完了時点TENDであることが好ましい。
以上説明した各ステップによって、プレス成形品のシワ発生領域を定量的に推定することができ、プレス成形品の成形方法を検討する設計段階での工数やコストを低減することができる。
<第二実施形態>
本発明の第二実施形態は、上述した「面形状不良発生領域推定方法」によって推定されたシワ発生領域について、その原因領域を推定する面形状不良原因領域推定方法である。
本実施形態に係る面形状不良原因領域推定方法は、図8に示すように、領域分割工程S21と、修正第一応力分布取得工程S22と、修正第二応力取得工程S23と、修正比較応力分布取得工程S24と、面形状不良原因領域推定工程S25と、を備える。
以下、各工程について詳述する。
(領域分割工程S21)
領域分割工程S21では、上述した「面形状不良発生領域推定方法」によって推定されたシワ発生領域の一つを基準領域mとして特定するとともに、その基準領域mの周囲を複数の周辺領域m(k=1、2、3、・・・n)に分割する。
以下、具体例として、図6に示す分割領域Dを基準領域mとして特定し、その周囲を周辺領域m〜m10に分割する場合に基づき説明する。
尚、この例では、図6に示す分割領域D〜D10と同様に周辺領域m〜m10を画定しているが、周辺領域mの画定手法は特に限定されるものではなく、機械的に、等分割(例えばサイコロ状)してもよく、シワの原因となりやすい箇所と、シワの原因となりにくい箇所とを経験値から推測し、その予測に基づいて決定してもよい。また、上記第一実施形態で説明した分割領域画定手法1〜3に沿って周辺領域mを画定してもよい。
尚、シワ発生領域の近傍の周囲領域mについてはその領域を細かく画定する(有限要素を小さく限定する)ことで、シワ原因領域を精度良く推定することができる。
(修正第一応力分布取得工程S22)
修正第一応力分布取得工程S22では、第一加工時点Tにおける鋼板Sの第一応力分布σ(T1)において、各周辺領域mのうち任意の周辺領域mの応力値を0に変更した場合の応力分布である修正第一応力分布σ’(T1)を各領域m毎に取得する。
尚、「周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)」とは、周辺領域mについて応力を変更して取得された修正第一応力分布σ’(T1)を意味する。同様に、「周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)」とは、周辺領域mについて応力を変更して取得された修正第一応力分布σ’(T1)を意味する。本実施形態では10個の周辺領域m〜m10が存在するため、修正第一応力分布σ’(T1)を10個取得する。
図10に、周辺領域mの応力値を0に変更して取得される周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)のコンター図を示す。
尚、本実施形態では周辺領域m〜m10それぞれについて応力値を0に変更しているが、応力値は0以外の所定の値、例えば0に近似した値に変更してもよい。また、例えば、比較応力値の最大値の10倍、或いは1/10倍の比較応力値に変更してもよい。更には、周辺領域mの各要素の比較応力値を、一定の倍率で増大又は減少させてもよい。後述するが、このように周辺領域mの各要素の比較応力値を変更することで、その変更に伴う基準領域mの応力値への影響度を検証することが可能となる。
(修正第二応力分布取得工程S23)
修正第二応力分布取得工程S23では、前記修正第一応力分布σ’(T1)に基づいて第二加工時点Tまで有限要素法による成形解析を行うことで得られる応力分布である修正第二応力分布σ’(T2)を各周辺領域m毎に取得する。すなわち、各周辺領域mの応力値を所定値に変更した応力状態から数値解析を継続し、第二加工時点Tに至るまで解析することで、各周辺領域mごとの修正第二応力分布σ’(T2)を取得する。
尚、「周辺領域mの修正第二応力分布σ’(T2)」とは、周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)に基づいて第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで得られる修正第二応力分布σ’(T2)を意味する。同様に、「周辺領域mの修正第二応力分布σ’(T2)」とは、周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)に基づいて第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで得られる修正第二応力分布σ’(T2)を意味する。本実施形態では10個の周辺領域m〜m10が存在するため、修正第二応力分布σ’(T1)を10個取得する。
図11に、図10に示された周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)に基づいて第二加工時点Tまで有限要素法による成形解析を行うことで取得される周辺領域mの修正第二応力分布σ’(T2)のコンター図を示す。
(修正比較応力分布取得工程S24)
修正比較応力分布取得工程S24では、修正第一応力分布取得工程S22で取得した修正第一応力分布σ’(T1)と、修正第二応力分布取得工程S23で取得した修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき得られる修正比較応力の分布である修正比較応力分布σ’(T1,T2)を周辺領域m毎に取得する。
より具体的には、各周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)と、修正第二応力分布σ’(T2)とを比較し、各有限要素毎の応力の差分又は変化率を求めることで、修正比較応力分布σ’(T1,T2)を取得することができる。
尚、「周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)」とは、周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)と周辺領域mの修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき取得される修正比較応力分布σ’(T1,T2)を意味する。同様に、「周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)」とは、周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)と周辺領域mの修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき取得される修正比較応力分布σ’(T1,T2)を意味する。本実施形態では10個の周辺領域m〜m10が存在するため、修正比較応力分布σ’(T1,T2)を10個取得する。
図12に、図10に示された周辺領域mの修正第一応力分布σ’(T1)と図11に示された周辺領域mの修正第二応力分布σ’(T2)とを比較し、各有限要素毎の修正比較応力の差分を求めることで取得される周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)のコンター図を示す。図12には、周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)の基準領域mにおける下記のデータを示している。
Min:「修正比較応力の最小値(GPa)」、
Max:「修正比較応力の最大値(GPa)」、
Max−Min:「互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値(GPa)」、
Grad.Max:「互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値(GPa/mm)」
(面形状不良原因領域推定工程S25)
面形状不良原因領域推定工程S25では、周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)における基準領域mの面形状不良原因評価指標β(mk)の値と、比較応力分布σ(T1,T2)における基準領域mの面形状不良原因評価指標β(m0)の値との比較値β(mk,m0)に基づき、前記周辺領域mそれぞれがシワ原因領域であるか否かを推定する。
本実施形態では、10個の周辺領域m〜m10が存在するため、10個の周辺領域それぞれについて、面形状不良原因評価指標β(mk)の値を取得する。
「面形状不良原因評価指標β(m0)」及び「面形状不良原因評価指標β(mk)」は、共に同じ種類の面形状不良原因評価指標であることが好ましい。面形状不良原因評価指標の種類としては、「修正比較応力の最小値」、「互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値」、又は、「互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値」、を用いることができる。
比較値β(mk,m0)は、「周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)における基準領域mの面形状不良原因評価指標β(mk)の値」と、「比較応力分布σ(T1,T2)における基準領域mの面形状不良原因評価指標β(m0)の値」との差分又は変化率の値であればよい。
そして、その比較値が所定の閾値よりも大きいか小さいかに基づき、周辺領域mをシワ原因領域として推定する。
尚、シワ原因領域として推定された周辺領域mに対しては、金型の対応箇所へのパッドの設置、材料設計変更、シワ発生を見込んだ金型変更等を行うことにより、シワ発生対策を行うことができる。
以下、面形状不良原因評価指標β(m0)、β(mk)して、例えば「互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値」を用いる場合を例に挙げて説明する。
表1に、各周辺領域m〜m10についてのMin、Max、及び、Max−Minの値を示す。例えば、mの列のMaxの行の欄は、周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)における基準領域mの修正比較応力の最大値(GPa)を意味する。
表1には更に比較値を示している。ここでは面形状不良原因評価指標β(m0)、β(mk)して、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」を用いるため、(1)周辺領域mの修正比較応力分布σ’(T1,T2)における基準領域mの、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」を、(2)比較応力分布σ(T1,T2)における基準領域mの、「互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値」(=1.528GPa)で割った値を変化率として算出している。
尚、ここでは両者の変化率を比較値とするが、差分であってもよい。
そして、その比較値(変化率)が閾値よりも大きい周辺領域mをシワ原因領域として推定する。例えば、閾値を1.10(110%)と設定する場合、周辺領域mがシワ原因領域として推定される。
なお、シワ原因領域と推定するための評価基準である「閾値」は、第一実施形態と同様に、最終製品(プレス成形品)において如何なる高さのシワを許容しうるかにより決定してよい。
以上説明したように、本実施形態に係る面形状不良原因領域推定方法によれば、第二加工時点Tにある際のシワ発生部位を含む基準領域mの残留応力の変動に着目することで、応力を所定値に変化させた周辺領域mがシワ発生領域に対してどのくらい影響を与えているかを定量的に評価することができ、どの周辺領域mがプレス成形品のシワ原因領域であるかを推定することができる。その結果、プレス成形品のシワ原因領域を定量的に推定することができ、プレス成形品の成形方法を検討する設計段階での工数やコストを低減することができる。
<第三実施形態>
本発明の第三実施形態は、プレス成形が開始する時点(塑性加工開始時点TSTART)からプレス成形が完了する時点(塑性加工完了時点TEND)に至るまで鋼板をプレス成形して得られるプレス成形品(塑性加工品)のシワ発生領域(面形状不良発生領域)を推定する面形状不良発生領域推定装置10である。
本実施形態に係る面形状不良発生領域推定装置10は、図13に示すように、第一応力分布取得部11と、第二応力分布取得部12と、比較応力分布取得部13と、分割比較応力分布取得部14と、面形状不良発生領域推定部15と、を備える。
各構成の説明については第一実施形態に係る面形状不良発生領域推定方法と同様であるため、重複する説明は省略する。
第一応力分布取得部11では、有限要素法により、塑性加工開始時点TSTARTよりも後であって、且つ、塑性加工完了時点TENDよりも前である第一加工時点Tにおける被加工材の応力の分布である第一応力分布σ(T1)を取得する。
第二応力分布取得部12では、有限要素法により、第一加工時点Tよりも後であって、且つ、塑性加工完了時点TENDよりも前又は同時である第二加工時点Tにおける被加工材の応力の分布である第二応力分布σ(T2)を取得する。
比較応力分布取得部13では、第一応力分布σ(T1)と第二応力分布σ(T2)との比較に基づき、被加工材の比較応力の分布である比較応力分布σ(T1,T2)を取得する。
分割比較応力分布取得部14では、比較応力分布σ(T1,T2)を、複数の分割領域Dに分割することで、それぞれの分割領域Dの比較応力の分布である分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する。
面形状不良発生領域推定部15では、分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を用い、分割領域Dそれぞれについて求めた面形状不良発生評価指標αに基づき、分割領域Dそれぞれがシワ発生領域であるか否かを推定する。
本実施形態に係る面形状不良発生領域推定装置10によれば、第一実施形態で説明した面形状不良発生領域推定方法と同様、プレス成形品のシワ発生部位を定量的に推定することができ、プレス成形品の成形方法を検討する設計段階での工数やコストを低減することができる。
<第四実施形態>
本発明の第四実施形態は、上述した「面形状不良発生領域推定装置10」によって推定されたシワ発生領域について、その原因領域を推定する面形状不良原因領域推定装置20である。
本実施形態に係る面形状不良原因領域推定装置20は、図13に示すように、領域分割工程S21と、修正第一応力分布取得工程S22と、修正第二応力取得工程S23と、修正比較応力分布取得工程S24と、面形状不良原因領域推定工程S25と、を備える。
各構成の説明については第二実施形態に係る面形状不良原因領域推定方法と同様であるため、重複する説明は省略する。
領域分割部21では、第三実施形態で説明した面形状不良発生領域推定装置10によって推定されたシワ発生領域を基準領域mとして特定するとともに、基準領域mの周囲を複数の周辺領域mに分割する。
修正第一応力分布取得部22では、第一応力分布σ(T1)において、複数の周辺領域mのうち任意の周辺領域mの応力値を変更した場合の修正第一応力分布σ’(T1)を各周辺領域m毎に取得する。
修正第二応力取得部23では、修正第一応力分布σ’(T1)について第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで修正第二応力分布σ’(T2)を各周辺領域m毎に取得する。
修正比較応力分布取得部24では、周辺領域mそれぞれについて、修正第一応力分布σ’(T1)と、修正第二応力分布σ’(T2)とを比較して修正比較応力分布σ’(T1,T2)を取得する。
面形状不良原因領域推定部25では、周辺領域mそれぞれの修正比較応力分布σ’(T1,T2)を用いて求めた基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(mk)と、比較応力分布σ(T1,T2)を用いて求めた基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(m0)との比較値β(mk,m0)に基づき、周辺領域mそれぞれが面形状不良原因領域であるか否かを推定する。
本実施形態に係る面形状不良原因領域推定装置20によれば、第二実施形態で説明した面形状不良原因領域推定方法と同様、プレス成形品のシワ原因部位を定量的に推定することができ、プレス成形品の成形方法を検討する設計段階での工数やコストを低減することができる。
図15に、コンピュータープログラムを稼働させるシステムバスを示す。
上述した面形状不良発生領域推定装置10又は面形状不良原因領域推定装置20を構成する各ユニットの機能は、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。同様に、面形状不良発生領域推定方法又は面形状不良原因領域推定方法の各ステップは、コンピュータのRAMやROM等に記憶されたプログラムが動作することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
具体的に、前記プログラムは、例えばCD−ROMのような記録媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記録媒体としては、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワークシステムにおける通信媒体を用いることができる。ここで、コンピュータネットワークとは、LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等であり、通信媒体とは、光ファイバ等の有線回線や無線回線等である。
また、本発明に含まれるプログラムとしては、供給されたプログラムをコンピュータが実行することにより上述の実施形態の機能が実現されるようなもののみではない。例えば、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。また、供給されたプログラムの処理の全て或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて上述の実施形態の機能が実現される場合にも、かかるプログラムは本発明に含まれる。
例えば、図15は、パーソナルユーザ端末装置の内部構成を示す模式図である。この図15において、1200はCPU1201を備えたパーソナルコンピュータ(PC)である。PC1200は、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶された、又はフレキシブルディスク(FD)1212より供給されるデバイス制御ソフトウェアを実行する。このPC1200は、システムバス1204に接続される各デバイスを総括的に制御する。
PC1200のCPU1201、ROM1202またはハードディスク(HD)1211に記憶されたプログラムにより、本実施形態における各手順が実現される。
1203はRAMであり、CPU1201の主メモリ、ワークエリア等として機能する。1205はキーボードコントローラ(KBC)であり、キーボード(KB)1209や不図示のデバイス等からの指示入力を制御する。
1206はCRTコントローラ(CRTC)であり、CRTディスプレイ(CRT)1210の表示を制御する。1207はディスクコントローラ(DKC)である。DKC1207は、ブートプログラム、複数のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイルそしてネットワーク管理プログラム等を記憶するハードディスク(HD)1211、及びフレキシブルディスク(FD)1212とのアクセスを制御する。ここで、ブートプログラムとは、起動プログラム:パソコンのハードやソフトの実行(動作)を開始するプログラムである。
1208はネットワーク・インターフェースカード(NIC)で、LAN1220を介して、ネットワークプリンタ、他のネットワーク機器、或は他のPCと双方向のデータのやり取りを行う。
上記のパーソナルユーザ端末装置によれば、プレス成形品のシワ発生領域又はシワ原因領域を定量的に推定することができる。
このように、本発明は、第一実施形態で説明した面形状不良発生領域推定方法を実行するプログラム、第二実施形態で説明した面形状不良発生領域推定方法を実行するプログラム、更には、これらのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含む。
以上、実施形態に基づき本発明について詳細に説明したが、上記実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらのみによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。
例えば、上記実施形態の説明においては、鋼板のプレス成形を例に挙げたが、本発明はこの例に限らず、長手形状の鋼材のロールフォーム成形や鋼管のハイドロフォームなどにも適用できる。また、被加工材の素材も鋼に限らず、アルミやチタン等の金属材料、FRPやFRTP等のガラス繊維強化樹脂材料、更にはこれらの複合材料などであってもよい。
また、面形状不良としてシワを例に挙げたが、面ひずみなどの面形状不良の推定方法にも適用できる。
本発明によれば、被加工材を塑性加工した際に発生する塑性加工品の面形状不良について、その発生領域および原因領域を推定するための方法、装置、プログラム、及び記録媒体を提供することができる。
S 鋼板
101 上型(パンチ)
102 しわ押さえ金型
103 下型(ダイス)
S11 第一応力分布取得工程
S12 第二応力分布取得工程
S13 比較応力分布取得工程
S14 分割比較応力分布取得工程
S15 面形状不良発生領域推定工程
S21 領域分割工程
S22 修正第一応力分布取得工程
S23 修正第二応力取得工程
S24 修正比較応力分布取得工程
S25 面形状不良原因領域推定工程
11 第一応力分布取得部
12 第二応力分布取得部
13 比較応力分布取得部
14 分割比較応力分布取得部
15 面形状不良発生領域推定部
21 領域分割部
22 修正第一応力分布取得部
23 修正第二応力取得部
24 修正比較応力分布取得部
25 面形状不良原因領域推定部

Claims (34)

  1. 塑性加工開始時点TSTARTから塑性加工完了時点TENDに至るまで被加工材を塑性加工して得られる塑性加工品の面形状不良の発生領域を推定する面形状不良発生領域推定方法であって、
    有限要素法により、前記塑性加工開始時点TSTARTよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前である第一加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第一応力分布σ(T1)を取得する第一応力分布取得工程と、
    有限要素法により、前記第一加工時点Tよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前又は同時である第二加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第二応力分布σ(T2)を取得する第二応力分布取得工程と、
    前記第一応力分布σ(T1)と前記第二応力分布σ(T2)との比較に基づき、前記被加工材の比較応力の分布である比較応力分布σ(T1,T2)を取得する比較応力分布取得工程と、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)を、複数の分割領域Dに分割することで、それぞれの分割領域Dの比較応力の分布である分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する分割比較応力分布取得工程と、
    前記分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を用い、前記分割領域Dそれぞれについて求めた面形状不良発生評価指標αに基づき、前記分割領域Dそれぞれが面形状不良の発生領域であるか否かを推定する面形状不良発生領域推定工程と、
    を備えることを特徴とする面形状不良発生領域推定方法。
  2. 前記面形状不良発生評価指標αが比較応力の最小値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  3. 前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  4. 前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値である
    ことを特徴とする請求項1に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  5. 前記分割比較応力分布取得工程では、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  6. 前記分割比較応力分布取得工程では、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  7. 前記分割比較応力分布取得工程では、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  8. 前記第二加工時点Tが前記塑性加工完了時点TENDである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  9. 前記被加工材が金属である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  10. 前記塑性加工がプレス成形である
    ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  11. 前記面形状不良がシワである
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定方法によって推定された前記面形状不良の発生領域を基準領域mとして特定するとともに、前記基準領域mの周囲を複数の周辺領域m(k=1、2、3、・・・n)に分割する領域分割工程と、
    前記第一応力分布σ(T1)において、前記複数の周辺領域mのうち任意の周辺領域mの応力値を変更した場合の修正第一応力分布σ’(T1)を各周辺領域m毎に取得する修正第一応力分布取得工程と、
    前記修正第一応力分布σ’(T1)について前記第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで修正第二応力分布σ’(T2)を各周辺領域m毎に取得する修正第二応力取得工程と、
    前記周辺領域mそれぞれについて、前記修正第一応力分布σ’(T1)と、前記修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき、前記被加工材の修正比較応力の分布である修正比較応力分布σ’(T1,T2)を取得する修正比較応力分布取得工程と、
    前記周辺領域mそれぞれの前記修正比較応力分布σ’(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(mk)と、前記比較応力分布σ(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(m0)との比較値β(mk,m0)に基づき、前記周辺領域mそれぞれが面形状不良原因領域であるか否かを推定する面形状不良原因領域推定工程と、
    を備えることを特徴とする面形状不良原因領域推定方法。
  13. 前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、修正比較応力の最小値である
    ことを特徴とする請求項12に記載の面形状不良原因領域推定方法。
  14. 前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値である
    ことを特徴とする請求項12に記載の面形状不良原因領域推定方法。
  15. 前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値である
    ことを特徴とする請求項12に記載の面形状不良原因領域推定方法。
  16. 塑性加工開始時点TSTARTから塑性加工完了時点TENDに至るまで被加工材を塑性加工して得られる塑性加工品の面形状不良の発生領域を推定する面形状不良発生領域推定装置であって、
    有限要素法により、前記塑性加工開始時点TSTARTよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前である第一加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第一応力分布σ(T1)を取得する第一応力分布取得部と、
    有限要素法により、前記第一加工時点Tよりも後であって、且つ、前記塑性加工完了時点TENDよりも前又は同時である第二加工時点Tにおける前記被加工材の応力の分布である第二応力分布σ(T2)を取得する第二応力分布取得部と、
    前記第一応力分布σ(T1)と前記第二応力分布σ(T2)との比較に基づき、前記被加工材の比較応力の分布である比較応力分布σ(T1,T2)を取得する比較応力分布取得部と、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)を、複数の分割領域Dに分割することで、それぞれの分割領域Dの比較応力の分布である分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を取得する分割比較応力分布取得部と、
    前記分割比較応力分布σDIV(T1,T2)を用い、前記分割領域Dそれぞれについて求めた面形状不良発生評価指標αに基づき、前記分割領域Dそれぞれが面形状不良の発生領域であるか否かを推定する面形状不良発生領域推定部と、
    を備えることを特徴とする面形状不良発生領域推定装置。
  17. 前記面形状不良発生評価指標αが比較応力の最小値である
    ことを特徴とする請求項16に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  18. 前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分の最大値である
    ことを特徴とする請求項16に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  19. 前記面形状不良発生評価指標αが、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値である
    ことを特徴とする請求項16に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  20. 前記分割比較応力分布取得部では、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、比較応力が最小である要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定する
    ことを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  21. 前記分割比較応力分布取得部では、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定する
    ことを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  22. 前記分割比較応力分布取得部では、
    前記比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第一分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定するとともに、前記比較応力分布σ(T1,T2)から前記第一分割領域Dを除外した比較応力分布σ(T1,T2)のうち、互いに離間する二つの要素間の比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配が最大となる組合せの二つの要素を包含する第二分割領域Dを前記複数の分割領域Dの一つとして画定する
    ことを特徴とする請求項16〜19のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  23. 前記第二加工時点Tが前記塑性加工完了時点TENDである
    ことを特徴とする請求項16〜22のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  24. 前記被加工材が金属である
    ことを特徴とする請求項16〜23のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  25. 前記塑性加工がプレス成形である
    ことを特徴とする請求項16〜24のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  26. 前記面形状不良がシワである
    ことを特徴とする請求項16〜25のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置。
  27. 請求項16〜26のいずれか一項に記載の面形状不良発生領域推定装置によって推定された前記面形状不良の発生領域を基準領域mとして特定するとともに、前記基準領域mの周囲を複数の周辺領域m(k=1、2、3、・・・n)に分割する領域分割部と、
    前記第一応力分布σ(T1)において、前記複数の周辺領域mのうち任意の周辺領域mの応力値を変更した場合の修正第一応力分布σ’(T1)を各周辺領域m毎に取得する修正第一応力分布取得部と、
    前記修正第一応力分布σ’(T1)について前記第二加工時点Tまで有限要素法により成形解析を行うことで修正第二応力分布σ’(T2)を各周辺領域m毎に取得する修正第二応力取得部と、
    前記周辺領域mそれぞれについて、前記修正第一応力分布σ’(T1)と、前記修正第二応力分布σ’(T2)との比較に基づき、前記被加工材の修正比較応力の分布である修正比較応力分布σ’(T1,T2)を取得する修正比較応力分布取得部と、
    前記周辺領域mそれぞれの前記修正比較応力分布σ’(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(mk)と、前記比較応力分布σ(T1,T2)を用いて求めた前記基準領域mにおける面形状不良原因評価指標β(m0)との比較値β(mk,m0)に基づき、前記周辺領域mそれぞれが面形状不良原因領域であるか否かを推定する面形状不良原因領域推定部と、
    を備えることを特徴とする面形状不良原因領域推定装置。
  28. 前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、修正比較応力の最小値である
    ことを特徴とする請求項27に記載の面形状不良原因領域推定装置。
  29. 前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分の最大値である
    ことを特徴とする請求項27に記載の面形状不良原因領域推定装置。
  30. 前記面形状不良原因評価指標β(mk)、β(m0)が、互いに離間する二つの要素間の修正比較応力の差分をその離間距離で除して得られる差分勾配の最大値である
    ことを特徴とする請求項27に記載の面形状不良原因領域推定装置。
  31. 請求項1に記載の面形状不良発生領域推定方法を実行するプログラム。
  32. 請求項12に記載の面形状不良原因領域推定方法を実行するプログラム。
  33. 請求項31に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
  34. 請求項32に記載のプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
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