JPWO2016121370A1 - 第3級アミン化合物及びその製造方法、及びそれを含有する液体柔軟剤組成物 - Google Patents

第3級アミン化合物及びその製造方法、及びそれを含有する液体柔軟剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維製品の吸水性が損なわれるのを抑えつつ柔軟性を付与できる技術を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される1種の化合物または一般式(1)で表される2種以上の化合物を含む混合物、および当該化合物または混合物を柔軟剤基剤として含む液体柔軟剤組成物に関する。液体柔軟剤組成物は、例えば毛髪、ウィッグ、かつら、衣料、繊維、紙製品、布製品に対して有効に使用できる。[式中、R1〜R4は同一でも異なっていてもよく、R1〜R4として表される4か所の置換基の内、平均1.6〜2.0か所が炭素数8〜22の飽和、不飽和、または分岐型脂肪酸残基からなる疎水性置換基であり、その他は水素原子であり、;mは2〜6の整数であり、;n、o、pおよびqは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数であり、;AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である]【選択図】なし【化1】

Description

本発明は、柔軟剤基剤として使用できる化合物及びそれを含有する液体柔軟剤組成物に関する。
繊維製品の柔軟剤組成物には、各種繊維により良好な柔軟性を付与することが要求される。さらに、柔軟性が付与できることに加え、繊維製品の吸水性の機能も損なわないことが要求される。
従来、繊維製品の柔軟剤組成物において、代表的な柔軟剤成分としては、ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、或いはエステル型ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、或いは、それらの3級アミン化合物が用いられてきた。
第4級アンモニウム化合物は少量でも各種繊維に対して良好な柔軟性を付与することができるが、繊維製品は油っぽい仕上がりで好ましい感触を付与することができず、且つ木綿のタオル等の繊維製品に対しては吸水性が低下してしまう問題があった。
吸水性を損なわないための手段として、不飽和炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩を用いる技術が開示されているが性能は十分ではない。(例えば、特許文献1、2)また、長鎖疎水基を少なくとも1つ有するポリカチオンと陰イオン性界面活性剤の混合物を用いることが開示されている。(例えば、特許文献3)
特公平4−28826号 特公平7−23584号 特開平9−111660号
本発明の目的は、繊維製品の吸水性が損なわれるのを抑えつつ繊維製品に柔軟性を付与できる技術を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有する3級アミン化合物を見出すとともに当該化合物を柔軟剤基剤として用いることにより繊維製品の吸水力が損なわれるのを抑えつつ繊維製品に柔軟性を付与でき、且つ得られる柔軟剤組成物において保存安定性も従来の柔軟剤組成物と同等または改善できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1] 一般式(1):
[式中、
1〜R4は同一でも異なっていてもよく、R〜Rとして示される4か所の置換基の内、平均1.6〜2.0か所が炭素数8〜22の飽和、不飽和、または分岐型脂肪酸残基からなる疎水性置換基であり、その他は水素原子であり、;
mは2〜6の整数であり、;
n、o、pおよびqは1〜4の整数であり、;
AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。] で表される1種の化合物、または前記一般式(1)で表される2種以上の化合物を含む混合物。
[2] 前記一般式(1)で表される化合物として一般式(6):
[R,Rは、炭素数7〜21の飽和、不飽和、または分岐アルキルからなる疎水性置換基であり、;
m、n、o、p、q、およびAOは式(1)と同じ。]で表される化合物を含む[1]記載の化合物または混合物。
[3] 前記一般式(1)で表される化合物においてR〜Rとして表される疎水性置換基が炭素数18の飽和または不飽和脂肪酸残基である[1]または[2]記載の化合物または混合物。
[4] 脂肪酸残基中、不飽和脂肪酸残基の割合が70%以上である[3]記載の化合物または混合物。
[5] 前記一般式(1)において、mが2であり、n、o、pおよびqが1であり、AOがオキシエチレン基である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物または混合物。
[6] 一般式(3):
[式中、mは2〜6の整数であり、;rは0〜2の整数であり、;AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である]で表されるジアミンにアルキレンオキサイドを付加させ、一般式(2):
[式中、mは2〜6の整数であり、;n、o、pおよびqは1〜4の整数であり、;AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である]で表されるジアミン誘導体を得て、
得られた前記一般式(2)で表されるジアミン誘導体と炭素数8〜22の脂肪酸またはそれらの脂肪酸エステルとを縮合反応させて一般式(1)で表される化合物を得ることを含む、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の化合物または混合物の製造方法。
[7] 以下の(a)〜(d)成分を含有し、前記(a)成分の割合が組成物全体に対し4〜30質量%である液体柔軟剤組成物。
(a)成分: [1]〜[5]のいずれか1つに記載の化合物または混合物、あるいはそれらの中和物
(b)成分: 一般式(5):
[式中、Rは炭素数8〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、;
sは2又は3であり;
tはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す5〜50の数である。]で表される化合物。
(c)成分: 無機酸又は有機酸。
(d)成分: 水
[8] (e)成分: ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、エステル型ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、或いは、それらのうちの一方または両方の3級アミン化合物をさらに含む[7]記載の液体柔軟剤組成物。
本発明によれば、繊維製品の吸水性が損なわれるのを抑えつつ繊維製品に柔軟性を付与できる技術を提供することができる。
実施例1の柔軟剤基剤のH−NMRを示す図である。 実施例2の柔軟剤基剤のH−NMRを示す図である。
以下、本発明の実施形態の1つについて説明する。
まず、柔軟剤基剤として使用できる一般式(1)で表される1種の化合物、または一般式(1)で表される2種類以上の化合物を含む混合物に関して詳細に述べる。
[式中、
1〜R4は同一でも異なっていてもよく、R〜Rとして示される4か所の置換基の内、平均1.6〜2.0か所が炭素数8〜22の飽和、不飽和、または分岐型脂肪酸残基からなる疎水性置換基であり、その他は水素原子である。
mは2〜6の整数である。
n、o、pおよびqは1〜4の整数である。
AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。]
上述のとおり、一般式(1)において、R〜Rとして示される置換基は、水素原子、または炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基からなる疎水性置換基である。炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基である疎水性置換基の具体例としては、オクタノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、オレオイル基等が挙げられる。
〜Rとして示される4か所の置換基の内、平均1.6〜2.0か所が炭素数8〜22の飽和、不飽和、または分岐型脂肪酸残基である疎水性置換基であることが好ましい。
〜Rとして示される4か所の置換基のうち炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基である疎水性置換基であるのが平均1.6か所未満である場合は、範囲内にある場合と比較して、繊維製品の柔軟性が劣るため、好ましくない。また、R〜Rとして示される4か所の置換基のうち炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基である疎水性置換基であるのが2.0か所より多い場合は、範囲内にある場合と比較して、柔軟剤組成物への相溶性が劣るため好ましくない。
式中R〜Rとして示される4か所の置換基の内、いずれか2か所が炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基である疎水性置換基である場合、疎水性置換基は分子内に2個存在する2つの窒素原子から各々1か所結合された形、即ちRとRが炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基であること、またはRとRが炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基であることが、繊維製品の柔軟性及び柔軟剤組成物への相溶性の点でより有利であり、より好ましい。
繊維製品の柔軟性及び柔軟剤組成物への相溶性をさらにより改善できるため、一般式(1)で表される化合物が一般式(6)で表される化合物であることが、より一層好ましい。
{式中、RおよびRは、炭素数7〜21の飽和、不飽和または分岐アルキルからなる疎水性置換基であり、
m、n、o、p、qおよびAOは式(1)と同じ。}
一般式(6)で表される化合物等の一般式(1)で表される化合物において、2つの窒素原子の連絡基であるアルキレン基はmにより指定される。mは2〜6の整数であり、mが2未満の場合は原料に用いるジアミンの供給性の不都合があり好ましくない。また、mが6を超えている場合は柔軟剤組成物の安定性などの不都合があり好ましくない。好適にはmは2であることが一般式(1)で表される化合物を効率良く製造することが可能であり、柔軟剤組成物の安定性もより改善できるため、より好ましい。
一般式(6)で表される化合物等の一般式(1)で表される化合物において、窒素原子とR〜Rで示される置換基は、少なくとも1つの炭素数2〜4のオキシアルキレン基により結合される。オキシアルキレン基n+o+p+qの合計(重合度)が4を超えて大きくなると柔軟剤組成物への相溶性が4以下である場合と比較して低下するため、4以下であることが好ましい。より好適には、一般式(1)において、オキシアルキレン基に関するn、o、pおよびqに関し、n=o=p=q=1の関係を満足することで柔軟剤組成物への相溶性の効果が顕著になり、柔軟剤組成物の安定性もより改善できるため、好ましい。
窒素原子とR〜Rで示される置換基を連結する炭素数2〜4のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基及びオキシブチレン等が挙げられ、このうち、オキシエチレン基であることが柔軟剤組成物の安定性の点でより好ましい。
〜Rの置換基として一般式(1)の化合物に含まれる疎水性置換基は、すでに記載した通り、炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基であることが好ましい。
疎水性置換基のアシル組成において炭素数が8未満の場合、繊維製品の柔軟性が劣るため好ましくなく、炭素数が22を越えると繊維製品の吸水力が劣るため好ましくない。
疎水性置換基のアシル組成のより好ましくは、オレオイル基やステアロイル基などの炭素数が18の飽和、または不飽和脂肪酸残基である。
疎水性置換基のアシル組成が、炭素数が18の飽和、または不飽和脂肪酸残基である場合において、脂肪酸残基中、不飽和脂肪酸残基70%未満の場合、吸水性が70%以上と比較して低下する。そのため、脂肪酸残基中、不飽和脂肪酸残基は70%以上(不飽和脂肪酸メチルとしてヨウ素価60〜100)であることがより好ましい。
一般式(6)で表される化合物などの一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(2)で示されるジアミン誘導体と炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸、またはそのエステルとを縮合反応させることにより得ることができる。
一般式(2)で表されるジアミン誘導体における4か所の末端の水素原子への上記脂肪酸等の反応頻度はほぼ等しい。そのため、必然的にジアミン誘導体に対して平均1.6〜2か所で疎水性置換基が導入されるため、NN型よりNN‘型が約2倍の頻度で生成される。
一般式(2)で表されるジアミン誘導体は、一般式(3)で表されるジアミンにアルキレンオキサイドを付加させることにより得ることができる。
[式中、mは2〜6の整数である。n、o、pおよびqは同一でも異なっていてもよい1〜4の整数である。 AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。]
[式中、mは2〜6の整数である。rは0〜2の整数である。AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。]
一般式(2)で表されるジアミン誘導体として好適な例は、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンが挙げられる。
一般式(3)で表されるジアミンとして好適な例は、エチレンジアミン、ヘキサエチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、アミノプロピルエタノールアミンが挙げられ、アミノエチルエタノールアミンが以下の理由から特に好ましい。
アミノエチルエタノールアミンは、エチレンジアミンに比べると、アルキレンオキサイドとの間で沸点についてより大きな違いがあるため、アルキレンオキサイドを付加させる反応条件がより緩和される。更に、アミノエチルエタノールアミンは、エチレンジアミンに比べ、高温での反応が危険性が少なく組み込める為、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンの収率が向上する。
具体的には、エチレンジアミンの沸点は117℃、アミノエチルエタノールアミンの沸点は239℃である為、エチレンジアミンへのアルキレンオキサイドの付加では、反応の制御が容易になる事から溶媒中で反応を行うが、アミノエチルエタノールアミンへのアルキレンオキサイドの付加では無溶媒で反応を行える。
また、アルキレンオキサイドの付加温度については、130℃〜150℃の条件でN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンが選択的に得られる事を確認しており、エチレンジアミンであると、沸点以上でのアルキレンオキサイド付加であると危険性が有り、130℃以下にて付加反応を行うが、アミノエチルエタノールアミンであると沸点以下での付加反応となるので制御も容易であり、選択的にN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを得ることができる。
アルキレンオキサイドとして好適な例は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられ、反応性が良好であり、付加により効果的に親水性を付与できるため、特にエチレンオキサイドが好ましい。
一般式(1)においてR〜Rとして示される置換基中、炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基からなる疎水性置換基は、例えば、一般式(4)で表される特定のアルキル脂肪酸、またはそれら脂肪酸のエステルを一般式(2)で表されるジアミン誘導体に反応させることにより導入することができる。
[式中、Rは炭素数8〜22の飽和、不飽和または分岐型脂肪酸残基である。Rは炭素数1〜2のアルキル基または水素原子である。]
一般式(4)で表されるアルキル脂肪酸またはそれら脂肪酸のエステルとして好適な例は、へプタン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ヤシ油脂肪酸またはそれら脂肪酸のメチルエステルが挙げられる。繊維製品の吸水力低下抑制および及び柔軟性向上の観点から、ステアリン酸メチルまたはオレイン酸メチル70%以上(オレイン酸メチルとしてヨウ素価60〜100)が特に好ましい。
一般式(1)で表される化合物等を柔軟剤基剤として含有する液体柔軟剤組成物に関して述べる。
本実施形態の液体柔軟剤組成物は、(a)成分、(b)成分、(c)成分及び(d)成分を含有し、組成物中の(a)成分の含有量は4〜30質量%である液体柔軟剤組成物である。なお、(b)成分、(c)成分及び(d)成分の割合は特に限定されず、当業者が適宜設定できる。
(a)成分は、一般式(1)で表される、1種または2種以上の第3級アミン化合物及び/またはその中和物である。(a)成分は柔軟剤基剤である。
(b)成分は、一般式(5)で表される化合物であり、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルである。
[式中
は炭素数8〜26のアルキル基又はアルケニル基である。
sは2又は3である。
tはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す5〜50の数である。]
(c)成分は無機酸又は有機酸である。当該(c)成分は(a)成分を中和する作用を有する。
(d)成分は水である。
(a)成分の含量が4質量%未満の場合は、繊維製品の柔軟性が範囲内にある場合と比較して劣るため好ましくない。また、(a)成分の含量が30質量%を越えると、範囲内にある場合と比較して、組成物の溶液安定性が劣り、また繊維製品の吸水力が劣るため好ましくない。
より好ましい態様として、組成物全体で(a)成分5〜10質量%が望ましい。
ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテルの好適な例としては、POE(20)オクチルドデシルエーテル、POE(19)ラウリルエーテルが挙げられる。
無機酸又は有機酸として好適な例としては、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、グリコール酸が挙げられる。入手の容易さなどの点で、塩酸が特に好ましい。
本実施形態の柔軟剤組成物においてジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、或いはエステル型ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、或いは、それらうち一方または両方の3級アミン化合物をさらに含む場合は、繊維製品の従来の柔軟性を保持しながら、吸水力が向上し、柔軟剤組成物の溶液安定性も向上させることができるため、好ましい。
本実施形態の柔軟剤組成物の効果を阻害しない範囲で、本実施形態の繊維製品柔軟剤組成物に、通常柔軟剤組成物に配合される公知の成分を目的に応じて配合することができる。例えば、ポリジメチルシロキサンやアミン変性ポリジメチルシロキサン等のシリコーン化合物、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などの高級脂肪酸又はそれら低級アルコールとのエステルなど、脂肪酸グリセリンエステルなどの非イオン界面活性剤、ステアリルアルコール、パルミチルアルコール、オレイルアルコールなどの高級アルコール、エタノール、エチレングリコール、グリセリンなどの低温安定化剤などが配合でき、その他、尿素、セルロース誘導体、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、香料、染料、抗菌剤、殺菌剤、キレート剤、などを配合することができる。
本実施形態の液体柔軟剤組成物は、毛髪、ウィッグ、かつら、衣料、繊維、紙製品、布製品等の繊維製品に対して、有効に使用できる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。配合量については特に断りのない限り質量%で示す。
実施例の化合物(柔軟剤基剤)を表1に示される組み合わせで合成した。
実施例1
(1)撹拌式1Lオートクレーブに、アミノエチルエタノールアミン1モルを仕込み、窒素置換を行い、140℃まで昇温した。昇温後、130℃〜150℃でエチレンオキサイド(EO)を3モル付加させた。EO付加工程終了後、この温度を尚120分間保持した。N,N,N',N'-テトラキス(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを主成分とする反応物を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1モル、ステアリン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をガスクロマトフラフィー(GC)を用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。実施例1について、1H-NMRを用いて構造解析を行った(図1)。
[実施例2]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびオレイン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。実施例2について、1H-NMRを用いて構造解析を行った(図2)。
[実施例3]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびオレイン酸メチルエステル2.0倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[実施例4]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびステアリン酸メチルエステル及びオレイン酸メチルエステルの混合物1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。ステアリン酸メチルエステル及びオレイン酸メチルエステルの混合比率を変化させ実施例4−1〜実施例4−3を製造した。
[実施例4−1]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびステアリン酸メチルエステル1.35倍モル及びオレイン酸メチルエステル0.45倍モルの混合物及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[実施例4−2]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびステアリン酸メチルエステル0.90倍モル及びオレイン酸メチルエステル0.90倍モルの混合物及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[実施例4−3]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびステアリン酸メチルエステル0.45倍モル及びオレイン酸メチルエステル1.35倍モルの混合物及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[実施例5]
(1)撹拌式1Lオートクレーブに、エチレンジアミン1モル及び溶剤を仕込み、窒素置換を行い、30℃まで昇温した。昇温後、30〜50℃でエチレンオキサイド(EO)を4モル付加させた。EO付加工程終了後、この温度を尚120分間保持した。冷却後に、溶剤を真空中での蒸発により反応生成物から分離除去した。N,N,N',N'−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンを主成分とする反応物を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1モル、ステアリン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[実施例6]
(1)上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびステアリン酸40%、オレイン酸35%およびパルミチン酸25%よりなる混合脂肪酸(平均分子量277)1.8倍モルをフラスコに仕込み、160℃まで昇温した。その温度で、生成する水を留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物を酸価に基づき脂肪酸含量を測定したところ、未反応の脂肪酸は0.9%であった。
[比較例1]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびカプロン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[比較例2]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびリグノセリン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[比較例3]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびオレイン酸メチルエステル1.0倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.1%であった。
[比較例4]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびオレイン酸メチルエステル1.5倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.2%であった。
[比較例5]
上記実施例1の(1)で得られた化合物1モルおよびオレイン酸メチルエステル2.2倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.5%であった。
[比較例6]
(1)撹拌式1Lオートクレーブに、アミノエチルエタノールアミン1モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液を仕込み、窒素置換を行い、140℃まで昇温した。昇温後、130℃〜150℃でエチレンオキサイド(EO)を19モル付加させた。EO付加工程終了後、この温度を尚120分間保持し、生成物である化合物を得た。(2)上記(1)で得られた化合物1モル、オレイン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCにてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[比較例7]
(1)撹拌式1Lオートクレーブに、ヘプタエチレンジアミン1モルを仕込み、窒素置換を行い、140℃まで昇温した。昇温後、130℃〜150℃でエチレンオキサイド(EO)を4モル付加させた。EO付加工程終了後、この温度を尚120分間保持し、生成物である化合物を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1モル、オレイン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[比較例8]
(1)撹拌式1Lオートクレーブに、アミノエチルエタノールアミン1モルを仕込み、窒素置換を行い、140℃まで昇温した。昇温後、130℃〜150℃でエチレンオキサイド(EO)を1モル付加させた。EO付加工程終了後、この温度を尚120分間保持し、生成物である化合物を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物1モル、オレイン酸メチルエステル1.8倍モル及び触媒量のソジウムメチレートの28%メタノール溶液をフラスコに仕込み、100℃まで昇温した。その温度で、生成するメタノールを留去しながら加熱した結果、表1.記載の組成を主成分とする反応物を得た。得られた反応物をGCを用いてメチルエステル含量を測定したところ、未反応のメチルエステルは0.4%であった。
[比較例9]
エステル型ジアルキルアンモニウム塩を特許第3984401号(ライオン株式会社)を参考に脂肪酸組成を変えて試作し、比較を行った。
(1)トリエタノ−ルアミン1モル及びステアリン酸40%、オレイン酸35%およびパルミチン酸25%よりなる混合脂肪酸(平均分子量277)1.8倍モルをフラスコに仕込み、190℃まで昇温した。その温度で、生成する水を留去しながら加熱し、未反応脂肪酸1%以下になるまで10時間反応させて反応物を得た。
(2)上記(1)で得られた化合物、1モルを温度計、滴下ロ−ト、冷却器を備えた4つ口フラスコに入れ、窒素置換した。次いで80〜90℃に加熱し、ジメチル硫酸0.98モルを1時間にわたり滴下した。滴下終了後反応物が増粘するので温度を110℃に上昇し、3時間熟成した。 反応終了後、内容物の10wt%量のエタノ−ルを滴下しながら冷却し、エタノ−ル溶液を調製した。
[比較例10]
比較例9の混合脂肪酸をオレイン酸100%として試作を行った。
[液体柔軟剤組成物の調製]
実施例及び比較例で試作を行った各種化合物((a)成分、柔軟剤基剤)と(b)、(c)および(d)成分を表2記載の割合で配合し、得られた実施例7〜17および比較例11〜20の柔軟剤組成物の評価を行った。
(a)成分 柔軟剤基剤
(b)成分 C1225O(EO)12H または C1837O(EO)20
(c)成分 塩酸
(d)成分 精製水
表中の柔軟剤組成物は以下の方法で調製した。
まず、(d)成分である60〜80℃の温水中に(b)成分に示す成分を溶解させた。
得られた溶液に(a)成分を、固体である場合は融解し、撹拌下で添加して分散させた。
15分間撹拌後、得られた分散液に(C)成分を加えて所定のpHに調整した後、撹拌を行いながら30℃以下に冷却を行い、液体柔軟剤組成物を得た。
[液体柔軟剤組成物の評価方法]
(A)柔軟性及び吸水性
市販の木綿タオル(FACE TOWEL 林株式会社、白色)を、市販洗剤トップ(ライオン株式会社製、登録商標)で5回繰り返して洗濯し、タオルについている糊を除去した後、20℃水道水中、上記方法により調製を行った表2の液体柔軟剤組成物を0.3重量%(対タオル重量)用い、浴比20L/kg(対タオル重量)で、攪拌下5分間処理した。それらのタオルを25℃、40%RHの恒温恒湿室で24時間乾燥させた。それぞれのタオルについて、柔軟性及び吸水性の評価を下記の評価基準に基づいて行った。その結果を併せて表2に示す。
(柔軟性)
比較例9の化合物を配合して調製した液体柔軟剤組成物を対象(基準0)とし、他の化合物(基剤)を配合した場合と比較を行い、下記評価基準により、柔軟性を評価した。下記評価基準において0またはそれ以上である場合に、柔軟性が付与できていると判定した。
+2 :対照より柔らかい
+1 :対照よりやや柔らかい
0 :対照と同じ
−1 :対照の方がやや柔らかい
−2 :対照の方が柔らかい
(吸水性)
上記同様の処理を行い、25℃/40%RHの恒温恒湿室で調湿した木綿タオル(FACE TOWEL 林株式会社、白色)について、その平織り部分から2.5cm×25cm角の試験布を切り出した。当該試験布の下端を20℃±2℃の水に浸し、10分後の水の上昇した高さ(mm)を測定し、下記評価基準により、吸水性を評価した。下記評価基準において△、○、および◎である場合について吸水性が損なわれていないと判定した。
◎ :130mm以上
〇 :120mm以上
△ :100mm以上
× :100mm未満
(B)安定性評価(柔軟剤基剤の加水分解後の粘度)
上記方法で調製した液体柔軟剤組成物を広口規格瓶(SV−50A)に50mL注ぎ、キャップを閉め50℃の恒温槽に一か月間放置した。その後、外観を観察することにより粘度を下記評価基準で評価した。下記評価基準において○および◎である場合について保存安定性が同等または改善されていると判定した。
その結果を表2に示す。
◎ :保存後の粘度が変化無し
〇 :保存後の粘度がやや上昇
△ :保存後の粘度が上昇
× :固化
表2の結果から明らかなとおり、実施例1〜6の本発明範囲内にある柔軟剤基剤を配合した処方は、汎用的なエステル型ジアルキルアンモニウム塩の使用例である比較例19及び20との比較において、吸水性が損なわれることなく柔軟性を付与できており、繊維製品により好ましい風合いを付与することができていた。また、得られた実施例の柔軟剤組成物は、比較例19及び20の柔軟剤組成物と比較して、保存安定性も同等または改善されていた。
比較例11及び12と本発明実施例を比較すると本発明柔軟剤基剤においては特定の疎水基長が必用であることを示している。即ちジアミン誘導体に導入された疎水基の炭素数が8未満の場合、柔軟性が劣り、炭素数が22より大きいと吸水性が劣った。
実施例8(実施例2の柔軟剤基剤を使用した処方)と比較例13〜15との比較から、ジアミン誘導体に対するアシル基(オレイン酸基)の比率が変わることにより柔軟剤基剤としての性質が大きく変わることが理解できる。アシル基の比率が1.5以下であると、柔軟付与効果が少なく、2.2以上であると相溶性が落ち、処方安定性に劣った。
比較例16〜18の測定結果は、ジアミン誘導体のオキシアルキレン基の付加モル数及び2つの窒素原子連絡基の有効範囲が本発明柔軟剤基剤には重要な要素であることを示している。一般式(1)中のオキシアルキレン基に関するn、o、p、qのうち1つまたは2つ以上の値が0であると柔軟性、処方安定性が落ち、n+o+p+qの合計(重合度)が4を超えると相溶性が落ち、ジアミン誘導体の2つの窒素原子連絡基については、6を超えると、相溶性が劣った。
[実施例18 液体柔軟剤組成物]
以下の配合比率で液体柔軟剤組成物を調製した。柔軟性、吸水性、安定性に優れる液体柔軟剤であった。
(A)実施例1の柔軟剤基剤 5.0%
(B)POE(20)オクチルドデシルエーテル 1.0%
(C)ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 75%品 注1 5.0%
(D)塩酸 pH3.5とする量
(E)ポリジメチルシロキサン 0.2%
(F)ヒドロキシエタンジホスホン酸塩 0.1%
(G)精製水 100%とする量
注1: コータミンD86P 花王株式会社製
[実施例19 液体柔軟剤組成物]
以下の配合比率で液体柔軟剤組成物を調製した。柔軟性、吸水性、安定性に優れる液体柔軟剤であった。
(A)実施例1の柔軟剤基剤 2.0%
(B)POE(20)オクチルドデシルエーテル 1.0%
(C)比較例7 注2 8.0%
(D)塩酸 pH3.5とする量
(E)ステアリルアルコール 0.2%
(F)ヒノキチオール 0.1%
(G)精製水 100%とする量
注2: エステル型ジアルキルアンモニウム塩相当品
[実施例20 液体柔軟剤組成物]
以下の配合比率で液体柔軟剤組成物を調製した。柔軟性、吸水性、安定性に優れる液体柔軟剤であった。
(A)実施例1の柔軟剤基剤 1.5%
(B)実施例2の柔軟剤基剤 4.0%
(B)POE(20)オクチルドデシルエーテル 5.0%
(C)塩化ジ硬化牛脂アルキルジメチルアンモニウム 75%品 注3 2.0%
(D)乳酸 pH3.5とする量
(E)EDTA 0.2%
(F)カプリルグリコール 0.2%
(G)香料 0.3%
(H)精製水 100%とする量
注3: アーカード2HT−75 ライオン株式会社製
[実施例21 液体柔軟剤組成物]
以下の配合比率で液体柔軟剤組成物を調製した。柔軟性、吸水性、安定性に優れる液体柔軟剤であった。
(A)実施例2の柔軟剤基剤 5.0%
(B)POE(20)オクチルドデシルエーテル 1.0%
(C)ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド 75%品 注4 5.0%
(D)塩酸 pH3.5とする量
(E)ポリジメチルシロキサン 0.2%
(F)ヒドロキシエタンジホスホン酸塩 0.1%
(G)精製水 100%とする量
注4: コータミンD86P 花王株式会社製
本発明に係る化合物を柔軟剤基剤として含む液体柔軟剤組成物は、繊維製品に対して使用するときに吸水性が損なわれるのを抑えつつ柔軟性を付与することができる。また、当該液体柔軟剤組成物は、同等または改善された保存安定性を有している。
本発明液体柔軟剤組成物は、例えば、毛髪、ウィッグ、かつら、衣料、繊維、紙製品、布製品に対して、有効に使用できる。

Claims (8)

  1. 一般式(1):
    [式中、R1〜R4は同一でも異なっていてもよく、R〜Rとして示される4か所の置換基の内、平均1.6〜2.0か所が炭素数8〜22の飽和、不飽和、または分岐型脂肪酸残基からなる疎水性置換基であり、その他は水素原子であり、;
    mは2〜6の整数であり、;
    n、o、pおよびqは1〜4の整数であり、;
    AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である] で表される1種の化合物、または前記一般式(1)で表される2種以上の化合物を含む混合物。
  2. 前記一般式(1)で表される化合物として一般式(6):
    [RおよびRは、炭素数7〜21の飽和、不飽和、または分岐アルキルからなる疎水性置換基であり、;
    m、n、o、p、q、およびAOは式(1)と同じ。]で表される化合物を含む請求項1記載の化合物または混合物。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物においてR〜Rとして表される疎水性置換基が炭素数18の飽和または不飽和脂肪酸残基である請求項1または2記載の化合物または混合物。
  4. 脂肪酸残基中、不飽和脂肪酸残基の割合が70%以上である請求項3記載の化合物または混合物。
  5. 前記一般式(1)において、mが2であり、n、o、pおよびqが1であり、AOがオキシエチレン基である請求項1〜4のいずれか1つに記載の化合物または混合物。
  6. 一般式(3):
    [式中、mは2〜6の整数であり、;rは0〜2の整数であり、;AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。]で表されるジアミンにアルキレンオキサイドを付加させ、一般式(2):
    [式中、mは2〜6の整数であり、;n、o、pおよびqは1〜4の整数であり、;AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。]で表されるジアミン誘導体を得て、
    得られた前記一般式(2)で表されるジアミン誘導体と炭素数8〜22の脂肪酸またはそれらの脂肪酸エステルとを縮合反応させて一般式(1)で表される化合物を得ることを含む、請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物または混合物の製造方法。
  7. 以下の(a)〜(d)成分を含有し、前記(a)成分の割合が組成物全体に対し4〜30質量%である液体柔軟剤組成物。
    (a)成分: 請求項1〜5のいずれか1つに記載の化合物または混合物、あるいはそれらの中和物
    (b)成分: 一般式(5):
    [式中、
    は炭素数8〜26のアルキル基又はアルケニル基であり、;
    sは2又は3であり、;
    tはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す5〜50の数である。]で表される化合物
    (c)成分: 無機酸又は有機酸
    (d)成分: 水
  8. (e)成分: ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、エステル型ジ長鎖アルキル4級アンモニウム塩、或いは、それらのうちの一方または両方の3級アミン化合物をさらに含む請求項7記載の液体柔軟剤組成物。

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