JPWO2016117522A1 - 電荷輸送性ワニス、電荷輸送性薄膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

電荷輸送性ワニス、電荷輸送性薄膜及び有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Abstract

式(1)で表されるアリールアミン誘導体からなる電荷輸送性物質、ドーパント及び有機溶媒を含む電荷輸送性ワニスを提供する。

Description

本発明は、電荷輸送性ワニス、電荷輸送性薄膜及び有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子に関する。
有機EL素子には、発光層や電荷注入層として、有機化合物からなる電荷輸送性薄膜が用いられる。特に、正孔注入層は、陽極と、正孔輸送層あるいは発光層との電荷の授受を担い、有機EL素子の低電圧駆動及び高輝度を達成するために重要な機能を果たす。
正孔注入層の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスとスピンコート法に代表されるウェットプロセスとに大別される。これら各プロセスを比べると、ウェットプロセスの方が大面積に平坦性の高い薄膜を効率的に製造できる。それゆえ、有機ELディスプレイの大面積化が進められている現在、ウェットプロセスで形成可能な正孔注入層が望まれている。
このような事情に鑑み、本発明者らは、各種ウェットプロセスに適用可能であるとともに、有機EL素子の正孔注入層に適用した場合に優れたEL素子特性を実現できる薄膜を与える電荷輸送性材料や、それに用いる有機溶媒に対する溶解性の良好な化合物を開発してきている(例えば特許文献1〜4参照)。
国際公開第2008/032616号 国際公開第2008/129947号 国際公開第2006/025342号 国際公開第2010/058777号
本発明は、これまでに開発してきた前記特許文献の技術と同様に、各種ウェットプロセスに適用可能であり、有機EL素子の正孔注入層に適用した場合に優れた特性を実現できる薄膜を与える電荷輸送性ワニスを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定のアリールアミン誘導体からなる電荷輸送性物質、ドーパント及び有機溶媒を含むワニスから得られる薄膜が高い電荷輸送性を有し、当該薄膜を有機EL素子の正孔注入層に適用した場合に、優れた特性及び優れた耐久性を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記電荷輸送性ワニス、電荷輸送性薄膜及び有機EL素子を提供する。
1.式(1)で表されるアリールアミン誘導体からなる電荷輸送性物質、ドーパント及び有機溶媒を含むことを特徴とする電荷輸送性ワニス。
Figure 2016117522
[式中、R1及びR2は、互いに独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のヘテロアリールオキシ基、又は少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基を表し、これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよく;
Rは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基を表し;
1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し;
2は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し;
nは、互いに独立して、0〜5の整数であり、mは、互いに独立して、0〜4の整数であり、pは、互いに独立して、0〜3の整数である。]
2.R1及びR2が、ともに炭素数1〜20のアルキル基又はともに少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基である1の電荷輸送性ワニス。
3.n、m及びpが、全て0である1又は2の電荷輸送性ワニス。
4.前記ドーパントがヘテロポリ酸である1〜3のいずれかの電荷輸送性ワニス。
5.1〜4のいずれかの電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜。
6.5の電荷輸送性薄膜を備える有機EL素子。
7.前記電荷輸送性薄膜が正孔注入層である6の有機EL素子。
8.式(1')で表されるアリールアミン誘導体。
Figure 2016117522
[式中、R1'及びR2'は、互いに独立して、少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基を表し、該基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよく;
Rは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基を表し;
1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し;
2は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し;
nは、互いに独立して、0〜5の整数であり、mは、互いに独立して、0〜4の整数であり、pは、互いに独立して、0〜3の整数である。]
本発明で用いるアリールアミン誘導体は有機溶媒に溶けやすく、これをドーパントと共に有機溶媒へ溶解させて容易に電荷輸送性ワニスを調製することができる。
本発明の電荷輸送性ワニスから作製した薄膜は、高い電荷輸送性を示すため、有機EL素子をはじめとした電子デバイス用薄膜として好適に用いることができる。特に、この薄膜を有機EL素子の正孔注入層に適用することで、特性に優れた有機EL素子を得ることができる。
また、本発明の電荷輸送性ワニスは、スピンコート法やスリットコート法等、大面積に成膜可能な各種ウェットプロセスを用いた場合でも電荷輸送性に優れた薄膜を再現性よく製造できるため、近年の有機EL素子の分野における進展にも十分対応できる。
[電荷輸送性物質]
本発明の電荷輸送性ワニスは、下記式(1)で表されるアリールアミン誘導体からなる電荷輸送性物質を含む。なお、本発明において、電荷輸送性とは、導電性と同義であり、正孔輸送性と同義である。電荷輸送性物質は、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、電子受容性物質と共に用いた際に電荷輸送性があるものでもよい。電荷輸送性ワニスは、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、それにより得られる固形膜が電荷輸送性を有するものでもよい。
Figure 2016117522
式中、R1及びR2は、互いに独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のヘテロアリールオキシ基、又は少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基を表す。なお、これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
Rは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基を表す。
1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基を表す。
2は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロブチル基、ビシクロペンチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エチニル基、n−1−プロピニル基、n−2−プロピニル基、n−1−ブチニル基、n−2−ブチニル基、n−3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、n−1−ペンチニル基、n−2−ペンチニル基、n−3−ペンチニル基、n−4−ペンチニル基、1−メチル−n−ブチニル基、2−メチル−n−ブチニル基、3−メチル−n−ブチニル基、1,1−ジメチル−n−プロピニル基、n−1−ヘキシニル基、n−1−デシニル基、n−1−ペンタデシニル基、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリール基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基等が挙げられる。
炭素数2〜20のヘテロアリール基の具体例としては、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等が挙げられる。
炭素数1〜20のアルコキシ基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルコキシ基;シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロノニルオキシ基、シクロデシルオキシ基、ビシクロブチルオキシ基、ビシクロペンチルオキシ基、ビシクロヘキシルオキシ基、ビシクロヘプチルオキシ基、ビシクロオクチルオキシ基、ビシクロノニルオキシ基、ビシクロデシルオキシ基等の炭素数3〜20の環状アルコキシ基が挙げられる。
炭素数2〜20のアルケニルオキシ基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エテニルオキシ基、n−1−プロペニルオキシ基、n−2−プロペニルオキシ基、1−メチルエテニルオキシ基、n−1−ブテニルオキシ基、n−2−ブテニルオキシ基、n−3−ブテニルオキシ基、2−メチル−1−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、1−エチルエテニルオキシ基、1−メチル−1−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、n−1−ペンテニルオキシ基、n−1−デセニルオキシ基、n−1−エイコセニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜20のアルキニルオキシ基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、エチニルオキシ基、n−1−プロピニルオキシ基、n−2−プロピニルオキシ基、n−1−ブチニルオキシ基、n−2−ブチニルオキシ基、n−3−ブチニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、n−1−ペンチニルオキシ基、n−2−ペンチニルオキシ基、n−3−ペンチニルオキシ基、n−4−ペンチニルオキシ基、1−メチル−n−ブチニルオキシ基、2−メチル−n−ブチニルオキシ基、3−メチル−n−ブチニルオキシ基、1,1−ジメチル−n−プロピニルオキシ基、n−1−ヘキシニルオキシ基、n−1−デシニルオキシ基、n−1−ペンタデシニルオキシ基、n−1−エイコシニルオキシ基等が挙げられる。
炭素数6〜20のアリールオキシ基の具体例としては、フェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントリルオキシ基、2−アントリルオキシ基、9−アントリルオキシ基、1−フェナントリルオキシ基、2−フェナントリルオキシ基、3−フェナントリルオキシ基、4−フェナントリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基等が挙げられる。
炭素数2〜20のヘテロアリールオキシ基の具体例としては、2−チエニルオキシ基、3−チエニルオキシ基、2−フラニルオキシ基、3−フラニルオキシ基、2−オキサゾリルオキシ基、4−オキサゾリルオキシ基、5−オキサゾリルオキシ基、3−イソオキサゾリルオキシ基、4−イソオキサゾリルオキシ基、5−イソオキサゾリルオキシ基、2−チアゾリルオキシ基、4−チアゾリルオキシ基、5−チアゾリルオキシ基、3−イソチアゾリルオキシ基、4−イソチアゾリルオキシ基、5−イソチアゾリルオキシ基、2−イミダゾリルオキシ基、4−イミダゾリルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基等が挙げられる。
少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基としては、少なくとも1つのメチレン基が酸素原子で置換された直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられる。ただし、フルオレン骨格に結合するメチレン基が酸素原子で置換されたものではなく、かつ、隣接するメチレン基が同時に酸素原子に置換されたものではない。このような基としては、原料化合物の入手容易性を考慮すると、式(A)で表される基が好ましく、このうち、式(B)で表される基がより好ましい。。
−(RAO)r−RB (A)
−(CH2CH2O)r−CH3 (B)
(式中、RAは炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、RBは炭素数1〜[20−(RAの炭素数)×r]の直鎖状又は分岐状のアルキル基を表し、rは1〜9の整数である。rは、ドーパントとの相溶性の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上であり、原料化合物の入手容易性の観点から、好ましくは5以下、より好ましくは4以下である。)
少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基としては、-CH2OCH3、-CH2OCH2CH3、-CH2O(CH2)2CH3、-CH2OCH(CH3)2、-CH2O(CH2)3CH3、-CH2OCH2CH(CH3)2、-CH2OC(CH3)3、-CH2O(CH2)4CH3、-CH2OCH(CH3)(CH2)2CH3、-CH2O(CH2)2CH(CH3)2、-CH2OCH(CH3)(CH2)3CH3、-CH2O(CH2)5CH3、-CH2OCH2CH(CH3)(CH2)2CH3、-CH2O(CH2)2CH(CH3)CH2CH3、-CH2O(CH2)3CH(CH3)2、-CH2OC(CH3)2(CH2)2CH3、-CH2OCH(CH2CH3)(CH2)2CH3、-CH2OC(CH3)2CH(CH3)2、-CH2O(CH2)6CH3、-CH2O(CH2)7CH3、-CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH2)3CH3、-CH2O(CH2)8CH3、-CH2O(CH2)9CH3、-CH2O(CH2)10CH3、-CH2O(CH2)11CH3、-CH2O(CH2)12CH3、-CH2O(CH2)13CH3、-CH2O(CH2)14CH3、-CH2O(CH2)15CH3、-CH2O(CH2)16CH3、-CH2O(CH2)17CH3、-CH2O(CH2)18CH3、-CH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2O(CH2)2CH3、-CH2CH2OCH(CH3)2、-CH2CH2O(CH2)3CH3、-CH2CH2OCH2CH(CH3)2、-CH2CH2OC(CH3)3、-CH2CH2O(CH2)4CH3、-CH2CH2OCH(CH3)(CH2)2CH3、-CH2CH2OCH2CH(CH3)2、-CH2CH2O(CH2)2CH(CH3)2、-CH2CH2OC(CH3)3、-CH2CH2OCH(CH3)(CH2)3CH3
-CH2CH2O(CH2)5CH3、-CH2CH2OCH(CH3)(CH2)3CH3、-CH2CH2OCH2CH(CH3)(CH2)2CH3、-CH2CH2O(CH2)2CH(CH3)CH2CH3、-CH2CH2O(CH2)3CH(CH3)2、-CH2CH2OC(CH3)2(CH2)2CH3、-CH2CH2OCH(CH2CH3)(CH2)2CH3、-CH2CH2OC(CH3)2CH(CH3)2、-CH2CH2O(CH2)6CH3、-CH2CH2O(CH2)7CH3、-CH2CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH2)3CH3、-CH2CH2O(CH2)8CH3、-CH2CH2O(CH2)9CH3、-CH2CH2O(CH2)10CH3、-CH2CH2O(CH2)11CH3、-CH2CH2O(CH2)12CH3、-CH2CH2O(CH2)13CH3、-CH2CH2O(CH2)14CH3、-CH2CH2O(CH2)15CH3、-CH2CH2O(CH2)16CH3、-CH2CH2O(CH2)17CH3、-CH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)2CH3、-CH2CH2CH2OCH(CH3)2、-CH2CH2CH2O(CH2)3CH3、-CH2CH2CH2OCH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2OC(CH3)3、-CH2CH2CH2O(CH2)4CH3、-CH2CH2CH2OCH(CH3)(CH2)2CH3、-CH2CH2CH2OCH2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2O(CH2)2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2OC(CH3)3、-CH2CH2CH2OCH(CH3)(CH2)3CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)5CH3、-CH2CH2CH2OCH(CH3)(CH2)3CH3、-CH2CH2CH2OCH2CH(CH3)(CH2)2CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)2CH(CH3)CH2CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)3CH(CH3)2、-CH2CH2CH2OC(CH3)2(CH2)2CH3、-CH2CH2CH2OCH(CH2CH3)(CH2)2CH3、-CH2CH2CH2OC(CH3)2CH(CH3)2、-CH2CH2CH2O(CH2)6CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)7CH3、-CH2CH2CH2OCH2CH(CH2CH3)(CH2)3CH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH2CH2CH2CH2OCH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2OCH2CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)8CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)9CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)10CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)11CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)12CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)13CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)14CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)15CH3、-CH2CH2CH2O(CH2)16CH3等が挙げられる。
1及びR2の少なくとも一方は、前記アルキル基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、又は少なくとも1つのエーテル構造を含むアルキル基であるが、両方ともこれらの基のいずれかであることが好ましい。特に、両方ともアルキル基、又は両方とも少なくとも1つのエーテル構造を含むアルキル基であることが好ましい。
式(1)中、nは、互いに独立して、0〜5の整数であり、mは、互いに独立して、0〜4の整数であり、pは、互いに独立して、0〜3の整数である。本発明のフルオレン誘導体の電荷輸送性を向上させる観点から、n、m及びpは、互いに独立して、0〜2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が最適である。特に、n、m及びpが、全て0であることが好ましい。
[アリールアミン誘導体の製造方法]
前記アリールアミン誘導体は、下記合成スキームAに従って式(1')で表される中間体を合成した後、公知のカップリング反応を利用して合成することができる。
Figure 2016117522
(式中、R1、R2、R及びpは前記と同じ。X、X1及びX2は、互いに独立して、ハロゲン原子又は擬ハロゲン基を表す。)
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。また、擬ハロゲン基としては、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、ノナフルオロブタンスルホニルオキシ基等のフルオロアルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等の芳香族スルホニルオキシ基等が挙げられる。
スキームAの反応において用いる溶媒としては、脂肪族炭化水素類(ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、デカリン等)、ハロゲン化脂肪族炭化水素類(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、尿素類(N,N−ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア等)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド、スルホラン等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)、水等が好ましく、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、水等がより好ましい。
スキームAの反応において用いる触媒としては、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムヨージド、メチルトリ−n−オクチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
反応温度は、通常、溶媒の融点から沸点までの間で適宜決定されるが、通常、0〜140℃である。反応時間は、通常、0.1〜100時間である。
カップリング反応を利用して、式(1')で表される中間体から前記アリールアミン誘導体を合成する方法の例を以下に示す。
まず、下記スキームBに示されるように、式(1')で表される中間体とビフェニルボロン酸化合物とを、触媒存在下で反応させて式(1'')で表される中間体を合成する。
Figure 2016117522
(式中、R1、R2、R、X1、X2、n、m及びpは前記と同じ。)
次いで、下記スキームCに示されるように、式(1'')で表される中間体と、ビス(ビフェニリル)アミン化合物とを、触媒存在下でクロスカップリング反応させることで、式(1)で表されるアリールアミン誘導体を合成できる。
Figure 2016117522
(式中、R1、R2、R、X1、n、m及びpは前記と同じ。)
スキームB及びCの反応において用いる触媒としては、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(PdCl2(dppf))、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(Pd(PPh3)4)、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウム(Pd(PPh3)2Cl2)、ビス(ベンジリデンアセトン)パラジウム(Pd(dba)2)、トリス(ベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(Pd(P-t-Bu3)2)等のパラジウム触媒等が挙げられる。
スキームB及びCの反応において用いる溶媒は、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、クメン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等)、アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等)、水等が好ましい。
反応温度は、通常、溶媒の融点又は−50℃から使用する溶媒の沸点まで可能であるが、0〜140℃の範囲が好ましい。反応時間は、通常、0.1〜100時間である。
反応終了後は、常法にしたがって後処理をし、目的とするアリールアミン誘導体を得ることができる。
[ドーパント]
本発明の電荷輸送性ワニスは、ドーパントを含む。ドーパントとしては、特に限定されず、無機系ドーパント、有機系ドーパントのいずれも用いることができる。
中でも、最も好ましい態様としては、本発明の電荷輸送性ワニスは、ドーパントとしてヘテロポリ酸を含む。この場合、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極からの高正孔受容能のみならず、アルミニウムに代表される金属陽極からの高正孔受容能を示す電荷輸送性に優れた薄膜を得ることができる。
ヘテロポリ酸とは、代表的に式(A1)で示されるKeggin型あるいは式(A2)で示されるDawson型の化学構造で示される、ヘテロ原子が分子の中心に位置する構造を有し、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等のオキソ酸であるイソポリ酸と、異種元素のオキソ酸とが縮合してなるポリ酸である。このような異種元素のオキソ酸としては、主にケイ素(Si)、リン(P)、ヒ素(As)等のオキソ酸が挙げられる。
Figure 2016117522
ヘテロポリ酸の具体例としては、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングストモリブデン酸等が挙げられる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、本発明で用いるヘテロポリ酸は、市販品として入手可能であり、また、公知の方法により合成することもできる。
特に、ドーパントが1種類のヘテロポリ酸からなる場合、その1種類のヘテロポリ酸はリンタングステン酸又はリンモリブデン酸であることが好ましく、リンタングステン酸であることがより好ましい。また、ドーパントが2種類以上のヘテロポリ酸からなる場合、そのうち少なくとも1種はリンタングステン酸又はリンモリブデン酸であることが好ましく、リンタングステン酸であることがより好ましい。
なお、ヘテロポリ酸は、元素分析等の定量分析において、一般式で表される構造から元素の数が多いもの又は少ないものであっても、それが市販品として入手したもの、あるいは、公知の合成方法にしたがって適切に合成したものである限り、本発明において用いることができる。
すなわち、例えば、一般的にリンタングステン酸は化学式H3(PW1240)・nH2Oで、リンモリブデン酸は化学式H3(PMo1240)・nH2Oでそれぞれ表されるが、定量分析において、この式中のP(リン)、O(酸素)又はW(タングステン)若しくはMo(モリブデン)の数が多いもの又は少ないものであっても、それが市販品として入手したもの、あるいは公知の合成方法にしたがって適切に合成したものである限り、本発明において用いることができる。この場合、本発明に規定されるヘテロポリ酸の質量とは、合成物や市販品中における純粋なリンタングステン酸の質量(リンタングステン酸含量)ではなく、市販品として入手可能な形態及び公知の合成法にて単離可能な形態において、水和水やその他の不純物等を含んだ状態での全質量を意味する。
本発明の電荷輸送性ワニスに含まれるドーパントは、質量比で、電荷輸送性物質1に対して0.05〜10.0程度である。ドーパントとしてヘテロポリ酸のみを用いる場合、ヘテロポリ酸は、質量比で、電荷輸送性物質1に対して0.05〜10.0程度とすることができるが、好ましくは0.1〜6.0程度である。
[有機溶媒]
本発明の電荷輸送性ワニスに含まれる有機溶媒は、前記アリールアミン誘導体とドーパントとを良好に溶解するものである限り特に限定されないが、アミド類を含むことが好ましく、下記式(2)で表される酸アミド誘導体を含むことがより好ましい。
Figure 2016117522
式中、R11は、プロピル基又はイソプロピル基を表し、イソプロピル基が好ましい。R12及びR13は、互いに独立して、炭素数1〜4のアルキル基を表す。炭素数1〜4のアルキル基は直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基等が挙げられる。これらのうち、R12及びR13としては、メチル基又はエチル基が好ましい。
式(2)で表される酸アミド誘導体としては、N,N−ジメチルブチルアミド、N,N−ジエチルブチルアミド、N,N−メチルエチルブチルアミド、N,N−ジメチルイソブチルアミド(DMIB)、N,N−ジエチルイソブチルアミド、N−エチル−N−メチルイソブチルアミド等が挙げられる。これらのうち、特にDMIBが好ましい。
式(2)で表される酸アミド誘導体は、対応するカルボン酸エステルとアミンとの置換反応によって合成してもよいし、市販品を使用してもよい。
式(2)で表される酸アミド誘導体を含むため、本発明の電荷輸送性ワニスを用いると、従来のワニスよりも、各種ウェットプロセスによって平坦性と均一性に優れた電荷輸送性薄膜を再現性よく得ることができる。
また、本発明で用いる有機溶媒は、式(2)で表される酸アミド誘導体以外のその他の有機溶媒を含んでもよい。このような有機溶媒としては、
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等のアミド類;
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(ヘキシレングリコール)、1,3−オクチレングリコール、3,6−オクチレングリコール等のグリコール類;
グリセリン等のトリオール類;
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノヘキシルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル等のエチレングリコールモノアリールエーテル類、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等のプロピレングリコールモノアリールエーテル類等のアルキレングリコールモノアリールエーテル類;
エチレングリコールモノベンジルエーテル等のエチレングリコールモノアラルキルエーテル類、プロピレングリコールモノベンジルエーテル等のプロピレングリコールモノアラルキルエーテル類等のアルキレングリコールモノアラルキルエーテル類;
エチレングリコールブトキシエチルエーテル等のエチレングリコールアルコキシアルキルエーテル類、プロピレングリコールブトキシエチルエーテル等のプロピレングリコールアルコキシアルキルエーテル類等のアルキレングリコールアルコキシアルキルエーテル類;
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジプロピルエーテル、エチレングリコールジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、プロピレングリコールジイソプロピルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等のアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
エチレングリコールモノアセテート等のエチレングリコールモノアセテート類、プロピレングリコールモノアセテート等のプロピレングリコールモノアセテート類等のアルキレングリコールモノアセテート類;
エチレングリコールジアセテート等のエチレングリコールジアセテート類、プロピレングリコールジアセテート等のプロピレングリコールジアセテート類等のアルキレングリコールジアセテート類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルのジエチレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールモノフェニルエーテル等のジエチレングリコールモノアリールエーテル類、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテル等のジプロピレングリコールモノアリールエーテル類等のジアルキレングリコールモノアリールエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル等のジプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルアセテートのジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノヘキシルエーテルアセテート等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類等のジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;
トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のトリエチレングリコールモノアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等のトリプロピレングリコールモノアルキルエーテル類等のトリアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;
トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル等のトリエチレングリコールジアルキルエーテル類、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル等のトリプロピレングリコールジアルキルエーテル類等のトリアルキレングリコールジアルキルエーテル類;
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール等の直鎖脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール等の環状脂肪族アルコール類等の脂肪族アルコール類;
フェノール等のフェノール類;
ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類;
フルフリルアルコール等の複素環含有アルコール類;
テトラヒドロフルフリルアルコール等の水素化複素環含有アルコール類;
ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、ジ−n−ヘキシルエーテル等のジアルキルエーテル類;
メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、n−ブチルフェニルエーテル、ベンジル(3−メチルブチル)エーテル、(2−メチルフェニル)メチルエーテル、(3−メチルフェニル)メチルエーテル、(4−メチルフェニル)メチルエーテル等のアルキルアリールエーテル類;
エチルベンジルエーテル等のアルキルアラルキルエーテル類;
2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状アルキルモノエーテル類;
1,4−ジオキサン等の環状アルキルジエーテル類;
トリオキサン等の環状アルキルトリエーテル類;
ジグリシジルエーテル等のジエポキシアルキルエーテル類;
エチルアセテート、n−プロピルアセテート、イソプロピルアセテート、n−ブチルアセテート、イソブチルアセテート、s−ブチルアセテート、t−ブチルアセテート、n−ペンチルアセテート、(3−メチルブチル)アセテート、n−ヘキシルアセテート、(2−エチルブチル)アセテート、(2−エチルヘキシル)アセテート等の直鎖状又は分岐状アルキルアセテート類、シクロヘキシルアセテート、2−メチルシクロヘキシルアセテート等の環状アルキルアセテート類等のアルキルアセテート類;エチルプロピオネート、n−プロピルプロピオネート、イソプロピルプロピオネート、n−ブチルプロピオネート、イソブチルプロピオネート、s−ブチルプロピオネート、t−ブチルプロピオネート、n−ペンチルプロピオネート、(3−メチルブチル)プロピオネート、n−ヘキシルプロピオネート、(2−エチルブチル)プロピオネート、(2−エチルヘキシル)プロピオネート等の直鎖状又は分岐状アルキルプロピオネート類、シクロヘキシルプロピオネート、2−メチルシクロヘキシルプロピオネート等の環状アルキルプロピオネート類等のアルキルプロピオネート類;エチルブチレート、n−プロピルブチレート、イソプロピルブチレート、n−ブチルブチレート、イソブチルブチレート、s−ブチルブチレート、t−ブチルブチレート、n−ペンチルブチレート、(3−メチルブチル)ブチレート、n−ヘキシルブチレート、(2−エチルブチル)ブチレート、(2−エチルヘキシル)ブチレート等の直鎖状又は分岐状アルキルブチレート類、シクロヘキシルブチレート、2−メチルシクロヘキシルブチレート等の環状アルキルブチレート類等のアルキルブチレート類;エチルラクテート、n−プロピルラクテート、イソプロピルラクテート、n−ブチルラクテート、イソブチルラクテート、s−ブチルラクテート、t−ブチルラクテート、n−ペンチルラクテート、(3−メチルブチル)ラクテート、n−ヘキシルラクテート、(2−エチルブチル)ラクテート、(2−エチルヘキシル)ラクテート等の直鎖状又は分岐状アルキルラクテート類、シクロヘキシルラクテート、2−メチルシクロヘキシルラクテート等の環状アルキルラクテート類等のアルキルラクテート類等のアルキルエステル類;
ベンジルアセテート等のアラルキルアセテート類、ベンジルプロピオネート等のアラルキルプロピオネート類、ベンジルブチレート等のアラルキルブチレート類、ベンジルラクテート等のアラルキルラクテート類等のアラルキルアルキルエステル類;
ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−ブチルケトン、ジ−n−プロピルケトン等のジアルキルケトン類;
イソホロン等の環状アルケニルケトン類;
シクロヘキサノン等の環状アルキルケトン類;
4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン(ジアセトンアルコール)等のヒドロキシジアルキルケトン類;
フルフラール等の複素環含有アルデヒド類;
ヘプタン、オクタン、2,2,3−トリメチルヘキサン、デカン、ドデカン等の直鎖状又は分岐状アルカン類;
トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、メシチレン、テトラリン、シクロヘキシルベンゼン等のアルキルベンゼン類;
シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状アルカン類
等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの溶媒は、1種又は2種以上使用することができる。
また、本発明の電荷輸送性ワニスが式(2)で表される酸アミド以外のその他の有機溶媒を含む場合、当該その他の有機溶媒は、グリコール類、トリオール類、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールジアルキルエーテル類、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、ジアルキレングリコールジアルキルエーテル類等を含むことが好ましく、グリコール類、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル類等を含むことがより好ましく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル等を含むことがより一層好ましく、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等を含むことが更に好ましい。
有機溶媒として式(2)で表される酸アミド誘導体とその他の有機溶媒とを用いる場合、全有機溶媒中の当該酸アミド誘導体の含有量は、膜の平坦性と均一性を再現性よく実現する観点から、好ましくは35質量%以上、より好ましくは50質量%以上、より一層好ましくは55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上、更に一層好ましくは70質量%以上、以降、75質量%以上、80質量%以上の順で好ましくなる。
[電荷輸送性ワニス]
本発明の電荷輸送性ワニスは、前記アリールアミン誘導体からなる電荷輸送性物質、ドーパント及び有機溶媒を含むものである。
本発明のワニスの粘度は、作製する薄膜の厚み等や固形分濃度に応じて適宜設定されるものではあるが、通常、25℃で1〜50mPa・sである。
また、本発明における電荷輸送性ワニスの固形分濃度は、ワニスの粘度及び表面張力等や、作製する薄膜の厚み等を勘案して適宜設定されるものではあるが、通常、0.1〜10.0質量%程度であり、ワニスの塗布性を向上させることを考慮すると、好ましくは0.5〜5.0質量%程度、より好ましくは1.0〜3.0質量%程度である。
電荷輸送性ワニスの調製方法としては、特に限定されないが、例えば、アリールアミン誘導体を先に溶媒に溶解させ、そこへドーパントを加える方法や、アリールアミン誘導体とドーパントとの混合物を溶媒に溶解させる方法が挙げられる。有機溶媒が複数ある場合は、アリールアミン誘導体やドーパントをよく溶解する溶媒に、まずこれらを溶解させ、そこへその他の溶媒を加えてもよく、複数の有機溶媒の混合溶媒に、アリールアミン誘導体やドーパントを順次、あるいはこれらを同時に溶解させてもよい。
本発明においては、電荷輸送性ワニスは、高平坦性薄膜を再現性よく得る観点から、電荷輸送性物質、ドーパント等を有機溶媒に溶解させた後、サブマイクロオーダーのフィルター等を用いて濾過することが望ましい。
[電荷輸送性薄膜]
本発明の電荷輸送性ワニスは、塗布型電荷輸送薄膜形成用ワニスとして好適であり、当該ワニスを基材上に塗布して焼成することで、基材上に電荷輸送性薄膜を形成させることができる。
ワニスの塗布方法としては、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート法等が挙げられるが、これらに限定されない。塗布方法は、再現性よく平坦性の高い電荷輸送薄膜を得ることを考慮すると、スピンコート法、インクジェット法、スプレー法等が好ましい。なお、塗布方法に応じて、ワニスの粘度及び表面張力を調節することが好ましい。
また、本発明のワニスを用いる場合、均一な成膜面及び高い電荷輸送性を有する薄膜を得るためには、本発明に含まれる前記アリールアミン誘導体と共に含まれるドーパントや溶媒の種類等を考慮して、焼成雰囲気(大気雰囲気下、窒素等の不活性ガス下、真空下等)を選択する必要があるが、大抵の場合、大気雰囲気下で焼成することで、均一で電荷輸送性に優れる薄膜を得ることができる。
焼成温度は、得られる薄膜の用途、得られる薄膜に付与する電荷輸送性の程度等を勘案して、100〜260℃程度の範囲内で適宜設定されるが、得られる薄膜を有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、140〜250℃程度が好ましく、145〜240℃程度がより好ましい。
なお、焼成の際、より高い均一成膜性を発現させたり基材上で反応を進行させたりする目的で、2段階以上の温度変化をつけてもよい。加熱は、例えば、ホットプレートやオーブン等適当な機器を用いて行えばよい。
電荷輸送性薄膜の膜厚は、特に限定されないが、有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、5〜200nmが好ましい。膜厚を変化させる方法としては、ワニス中の固形分濃度を変化させたり、塗布時の基板上の溶液量を変化させたりする等の方法がある。
本発明の電荷輸送性薄膜は、有機EL素子において、正孔注入層として好適に用いることができるが、正孔注入輸送層等の電荷輸送性機能層としても使用可能である。
[有機EL素子]
本発明の有機EL素子は、一対の電極を有し、これら電極の間に、前述の本発明の電荷輸送性薄膜を有するものである。
有機EL素子の代表的な構成としては、下記(a)〜(f)が挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記構成において、必要に応じて、発光層と陽極の間に電子ブロック層等を、発光層と陰極の間にホール(正孔)ブロック層等を設けることもできる。また、正孔注入層、正孔輸送層あるいは正孔注入輸送層が電子ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよく、電子注入層、電子輸送層あるいは電子注入輸送層がホール(正孔)ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよい。
(a)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(c)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(f)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極
「正孔注入層」、「正孔輸送層」及び「正孔注入輸送層」とは、発光層と陽極との間に形成される層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有するものである。発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「正孔注入輸送層」であり、発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陽極に近い層が「正孔注入層」であり、それ以外の層が「正孔輸送層」である。特に、正孔注入層及び正孔注入輸送層は、陽極からの正孔受容性だけでなく、それぞれ正孔輸送層及び発光層への正孔注入性にも優れる薄膜が用いられる。
「電子注入層」、「電子輸送層」及び「電子注入輸送層」とは、発光層と陰極との間に形成される層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有するものである。発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「電子注入輸送層」であり、発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陰極に近い層が「電子注入層」であり、それ以外の層が「電子輸送層」である。
「発光層」とは、発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料とを含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
本発明の電荷輸送性ワニスを用いて有機EL素子を作製する場合の使用材料や作製方法としては、下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。
使用する電極基板は、洗剤、アルコール、純水等による液体洗浄をあらかじめ行って浄化しておくことが好ましく、例えば、陽極基板では使用直前にUVオゾン処理、酸素−プラズマ処理等の表面処理を行うことが好ましい。ただし、陽極材料が有機物を主成分とする場合、表面処理を行わなくともよい。
本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜が正孔注入層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。
前述の方法により、陽極基板上に本発明の電荷輸送性ワニスを塗布して焼成し、電極上に正孔注入層を作製する。この正孔注入層の上に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極をこの順で設ける。正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層は、用いる材料の特性等に応じて、蒸着法又は塗布法(ウェットプロセス)のいずれかで形成すればよい。
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極や、アルミニウムに代表される金属やこれらの合金等から構成される金属陽極が挙げられ、平坦化処理を行ったものが好ましい。高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体を用いることもできる。
なお、金属陽極を構成するその他の金属としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、インジウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウム、タリウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、金、チタン、鉛、ビスマスやこれらの合金等が挙げられるが、これらに限定されない。
正孔輸送層を形成する材料としては、(トリフェニルアミン)ダイマー誘導体、[(トリフェニルアミン)ダイマー]スピロダイマー、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン(α−NPD)、N,N'−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−2,2'−ジメチルベンジジン、2,2',7,7'−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ビフェニル−4−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ナフタレン−2−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニルアミノ)−フェニル]−9H−フルオレン、2,2',7,7'−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)−アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、2,2'−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、2,2'−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、ジ−[4−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−フェニル]シクロヘキサン、2,2',7,7'−テトラ(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−9,9−スピロビフルオレン、N,N,N',N'−テトラ−ナフタレン−2−イル−ベンジジン、N,N,N',N'−テトラ−(3−メチルフェニル)−3,3'−ジメチルベンジジン、N,N'−ジ(ナフタレニル)−N,N'−ジ(ナフタレン−2−イル)−ベンジジン、N,N,N',N'−テトラ(ナフタレニル)−ベンジジン、N,N'−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ジフェニルベンジジン−1,4−ジアミン、N1,N4−ジフェニル−N1,N4−ジ(m−トリル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N2,N2,N6,N6−テトラフェニルナフタレン−2,6−ジアミン、トリス(4−(キノリン−8−イル)フェニル)アミン、2,2'−ビス(3−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)フェニル)ビフェニル、4,4',4''−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4',4''−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)等のトリアリールアミン類、5,5''−ビス−{4−[ビス(4−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−2,2':5',2''−ターチオフェン(BMA−3T)等のオリゴチオフェン類等の正孔輸送性低分子材料等が挙げられる。
発光層を形成する材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(II)(Znq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq)、4,4'−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2,2'−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,3,5−トリス(ピレン−1−イル)ベンゼン、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン、2,2'−ビ(9,10−ジフェニルアントラセン)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、6,13−ジ(ビフェニル−4−イル)ペンタセン、3,9−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、3,10−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、トリス[4−(ピレニル)−フェニル]アミン、10,10'−ジ(ビフェニル−4−イル)−9,9'−ビアントラセン、N,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−[1,1':4',1'':4'',1'''−クォーターフェニル]−4,4'''−ジアミン、4,4'−ジ[10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル]ビフェニル、ジベンゾ{[f,f']−4,4',7,7'−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1',2',3'−lm]ペリレン、1−(7−(9,9'−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1−(7−(9,9'−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、1,3,5−トリス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、4,4',4''−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2'−ジメチルビフェニル、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン、2,2',7,7'−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジ(p−トリル)フルオレン、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)−フェニル]フルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メチルフェニルメタン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン、4,4''−ジ(トリフェニルシリル)−p−ターフェニル、4,4'−ジ(トリフェニルシリル)ビフェニル、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール、2,6−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、トリフェニル(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン、9,9−ジメチル−N,N−ジフェニル−7−(4−(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−2−アミン、3,5−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、9,9'−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)、3−(2,7−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール、4,4,8,8,12,12−ヘキサ(p−トリル)−4H−8H−12H−12C−アザジベンゾ[cd,mn]ピレン、4,7−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−1,10−フェナントロリン、2,2'−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ビフェニル、2,8−ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン、ビス(2−メチルフェニル)ジフェニルシラン、ビス[3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジフェニルシラン、3,6−ビス(カルバゾール−9−イル)−9−(2−エチル−ヘキシル)−9H−カルバゾール、3−(ジフェニルホスホリル)−9−(4−(ジフェニルホスホリル)フェニル)−9H−カルバゾール、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニルカルバゾール等が挙げられる。これらの材料と発光性ドーパントとを共蒸着することによって、発光層を形成してもよい。
発光性ドーパントとしては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−10−(2−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1gh]クマリン、キナクリドン、N,N'−ジメチル−キナクリドン、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(ppy)2(acac))、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(III)(Ir(mppy)3)、9,10−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]アントラセン、9,10−ビス[フェニル(m−トリル)アミノ]アントラセン、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(II)、N10,N10,N10,N10−テトラ(p−トリル)−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、N10,N10,N10,N10−テトラフェニル−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、N10,N10−ジフェニル−N10,N10−ジナフタレニル−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、4,4'−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1'−ビフェニル、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、1,4−ビス[2−(3−N−エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4'−[(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、ビス[3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)]イリジウム(III)、4,4'−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレートイリジウム(III)、N,N'−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−トリス(9,9−ジメチルフルオレニレン)、2,7−ビス{2−[フェニル(m−トリル)アミノ]−9,9−ジメチル−フルオレン−7−イル}−9,9−ジメチル−フルオレン、N−(4−((E)−2−(6((E)−4−(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン−2−イル)ビニル)フェニル)−N−フェニルベンゼンアミン、fac−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2)、mer−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2)、2,7−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]−9,9−スピロビフルオレン、6−メチル−2−(4−(9−(4−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)アントラセン−10−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール、1,4−ジ[4−(N,N−ジフェニル)アミノ]スチリルベンゼン、1,4−ビス(4−(9H−カルバゾール−9−イル)スチリル)ベンゼン、(E)−6−(4−(ジフェニルアミノ)スチリル)−N,N−ジフェニルナフタレン−2−アミン、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)(5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾール)((2,4−ジフルオロベンジル)ジフェニルホスフィネート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(ベンジルジフェニルホスフィネート)イリジウム(III)、ビス(1−(2,4−ジフルオロベンジル)−3−メチルベンズイミダゾリウム)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(4',6'−ジフルオロフェニルピリジネート)イリジウム(III)、ビス(4',6'−ジフルオロフェニルピリジナト)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−2−(2'−ピリジル)ピロレート)イリジウム(III)、ビス(4',6'−ジフルオロフェニルピリジナト)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、(Z)−6−メシチル−N−(6−メシチルキノリン−2(1H)−イリデン)キノリン−2−アミン−BF2、(E)−2−(2−(4−(ジメチルアミノ)スチリル)−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ジュロリジル−9−エニル−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン、トリス(ジベンゾイルメタン)フェナントロリンユーロピウム(III)、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[4,4'−ジ−t−ブチル−(2,2')−ビピリジン]ルテニウム(III)・ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、2,8−ジ−t−ブチル−5,11−ビス(4−t−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、5,10,15,20−テトラフェニルテトラベンゾポルフィリン白金、オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジン)−ピラゾレート)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジメチルフェニルホスフィン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン]イリジウム(III)、トリス[2−フェニル−4−メチルキノリン]イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジエチル−フルオレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルピリジン)(3−(ピリジン−2−イル)−2H−クロメン−2−オネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、ビス(フェニルイソキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(4−フェニルチエノ[3,2−c]ピリジナト−N,C2)アセチルアセトネート、(E)−2−(2−t−ブチル−6−(2−(2,6,6−トリメチル−2,4,5,6−テトラヒドロ−1H−ピローロ[3,2,1−ij]キノリン−8−イル)ビニル)−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(1−イソキノリル)ピラゾレート)(メチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス[(4−n−ヘキシルフェニル)イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、白金(II)オクタエチルポルフィン、ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[(4−n−ヘキシルフェニル)キソキノリン]イリジウム(III)等が挙げられる。
電子輸送層を形成する材料としては、8−ヒドロキシキノリノレート−リチウム、2,2',2''−(1,3,5−ベンジントリル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)、2−(4−ビフェニル)5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム、1,3−ビス[2−(2,2'−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、6,6'−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2'−ビピリジン、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,7−ビス[2−(2,2'−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5f][1,10]フェナントロリン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、フェニル−ジピレニルホスフィンオキサイド、3,3',5,5'−テトラ[(m−ピリジル)−フェン−3−イル]ビフェニル、1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン、4,4'−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ビフェニル、1,3−ビス[3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル]ベンゼン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ジフェニルビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)シラン、3,5−ジ(ピレン−1−イル)ピリジン等が挙げられる。
電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al2O3)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、三酸化モリブデン(MoO3)、アルミニウム、リチウムアセチルアセトネート(Li(acac))、酢酸リチウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。
また、本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜が正孔注入層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法のその他の例は、以下のとおりである。
前述した有機EL素子作製方法において、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の真空蒸着操作を行うかわりに、正孔輸送層、発光層を順次形成することによって本発明の電荷輸送性ワニスによって形成される電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子を作製することができる。具体的には、陽極基板上に本発明の電荷輸送性ワニスを塗布して前記の方法により正孔注入層を作製し、その上に正孔輸送層、発光層を順次形成し、更に陰極材料を蒸着して有機EL素子とする。
使用する陰極及び陽極材料としては、前述のものと同様のものが使用でき、同様の洗浄処理、表面処理を行うことができる。
正孔輸送層及び発光層の形成方法としては、正孔輸送性高分子材料若しくは発光性高分子材料、又はこれらにドーパントを加えた材料に溶媒を加えて溶解するか、均一に分散し、それぞれ正孔注入層又は正孔輸送層の上に塗布した後、焼成することで成膜する方法が挙げられる。
正孔輸送性高分子材料としては、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,1'−ビフェニレン−4,4−ジアミン)]、ポリ[(9,9−ビス{1'−ペンテン−5'−イル}フルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン]−エンドキャップド ウィズ ポリシルセスキオキサン、ポリ[(9,9−ジジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(p−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]等が挙げられる。
発光性高分子材料としては、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)等のポリフルオレン誘導体、ポリ(2−メトキシ−5−(2'−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)等のポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロホルム等が挙げられる。溶解又は均一分散法としては、攪拌、加熱攪拌、超音波分散等の方法が挙げられる。
塗布方法としては、特に限定されず、インクジェット法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り等が挙げられる。なお、塗布は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
焼成方法としては、不活性ガス下又は真空中、オーブン又はホットプレートで加熱する方法が挙げられる。
本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜が正孔注入輸送層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。
陽極基板上に正孔注入輸送層を形成し、この正孔注入輸送層の上に、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極をこの順で設ける。発光層、電子輸送層及び電子注入層の形成方法及び具体例としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
陽極材料、発光層、発光性ドーパント、電子輸送層及び電子ブロック層を形成する材料、陰極材料としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
なお、電極及び前記各層の間の任意の間に、必要に応じてホールブロック層、電子ブロック層等を設けてもよい。例えば、電子ブロック層を形成する材料としては、トリス(フェニルピラゾール)イリジウム等が挙げられる。
陽極と陰極及びこれらの間に形成される層を構成する材料は、ボトムエミッション構造、トップエミッション構造のいずれを備える素子を製造するかで異なるため、その点を考慮して、適宜材料を選択する。
通常、ボトムエミッション構造の素子では、基板側に透明陽極が用いられ、基板側から光が取り出されるのに対し、トップエミッション構造の素子では、金属からなる反射陽極が用いられ、基板と反対方向にある透明電極(陰極)側から光が取り出される。そのため、例えば陽極材料について言えば、ボトムエミッション構造の素子を製造する際はITO等の透明陽極を、トップエミッション構造の素子を製造する際はAl/Nd等の反射陽極を、それぞれ用いる。
本発明の有機EL素子は、特性悪化を防ぐため、定法に従い、必要に応じて捕水剤等と共に封止してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。なお、使用した装置は以下のとおりである。
(1)1H-NMR測定:日本電子(株)製、ECX-300
(2)ES-MS:Waters社製、ZQ2000
(3)MALDI-TOF MS:Bruker Daltonics社製、autoflex III smartbeam
(4)基板洗浄:長州産業(株)製、基板洗浄装置(減圧プラズマ方式)
(5)ワニスの塗布:ミカサ(株)製、スピンコーターMS-A100
(6)膜厚測定:(株)小坂研究所製、微細形状測定機サーフコーダET-4000
(7)有機EL素子の作製:長州産業(株)製、多機能蒸着装置システムC-E2L1G1-N
(8)有機EL素子の輝度等の測定:(有)テック・ワールド製、I-V-L測定システム
[1]化合物の合成
[合成例1]化合物H1の合成
特開2013−234169号公報に記載の方法に従い、下記式で表される化合物H1を合成した。
Figure 2016117522
[合成例2]中間体Aの合成
フラスコ内に、2−ブロモ−7−ヨードフルオレン7.42g、ジメチルスルホキシド30mL、ヨウ化カリウム330mg及び水酸化カリウム2.81gを入れた後、氷浴条件で攪拌しながらジエチレングリコール2−ブロモエチルメチルエーテルのジメチルスルホキシド混合液30mL(濃度:330g/L)を滴下した。1.5時間後、氷浴を外し室温で更に58.5時間攪拌した。反応混合物にイオン交換水及び酢酸エチルを加え、分液処理を行った。得られた有機層をイオン交換水、飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=40/60→0/100)により、分離、精製を行い、目的物を含むフラクションを集め、溶媒を減圧留去した後、乾燥を行い、下記式で表される中間体Aを得た(収量:8.16g、収率:62%)。1H-NMR及びES-MSの測定結果を以下に示す。
1H-NMR (300MHz, CDCl3 ) δ [ppm]: 7.74(d, J=1.4Hz, 1H), 7.67(dd, J=8.2,1.4Hz,1H), 7.44-7.54(m, 3H), 7.39(d, J=8.2Hz, 1H), 3.47-3.55(m, 8H), 3.37-3.41(m, 4H), 3.34(s, 6H), 3.19-3.22(m, 4H), 2.79(t, J=7.2Hz, 4H), 2.33(t, J=7.2Hz, 4H).
ES(+)-MS m/Z found: 680.19 ([M+NH4]+ calcd: 680.11).
Figure 2016117522
[合成例3]中間体Bの合成
フラスコ内に、中間体A4.97g、4−ビフェニルボロン酸1.49g、Pd(PPh3)4 175mg、トルエン35mL及び炭酸ナトリウム水溶液7mL(濃度:210g/L)を入れ、4時間還流攪拌した。放冷後、反応混合物にイオン交換水及び酢酸エチルを加え、分液処理を行った。得られた有機層をイオン交換水、飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=40/60→20/80)により、分離、精製を行い、目的物を含むフラクションを集め、溶媒を減圧留去した後、乾燥を行い、下記式で表される中間体Bを得た(収量:2.08g、収率:40%)。1H-NMR及びES-MSの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(300MHz, CDCL3) δ [ppm]: 7.32-7.75(m, 15H), 3.42-3.51(m, 8H), 3.36-3.40(m, 4H), 3.30(s, 6H), 3.20-3.23(m, 4H), 2.82-2.88(m, 4H), 2.39-2.45(m, 4H).
ES(+)-MS m/Z found:706.46 ([M+NH4]+ calcd: 706.27).
Figure 2016117522
[合成例4]化合物TEG−H1の合成
フラスコ内に、中間体B2.08g、ビス(4−ビフェニリル)アミン1.06g、Pd(dba)2 51.8mg及びt−ブトキシナトリウム397mgを入れ、窒素置換をした後、トルエン15mL、あらかじめ調製しておいたトリ−t−ブチルホスフィンのトルエン溶液0.5mL(濃度:73g/L)を加え、80℃で2時間攪拌した。放冷後、反応混合物にイオン交換水及び酢酸エチルを加え、分液処理を行った。得られた有機層をイオン交換水、飽和食塩水で分液洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン/酢酸エチル=70/30→0/100)により、分離、精製を行い、目的物を含むフラクションを集め、溶媒を減圧留去した後、乾燥を行い、下記式で表される化合物TEG−H1を得た(収量:2.19g、収率:78%)。1H-NMR及びMALDI-TOF MSの測定結果を以下に示す。
1H-NMR(300MHz, CDCl3) δ [ppm]: 7.14-7.76(m, 33H), 3.41-3.52(m, 12H), 3.25-3.35(m, 10H), 2.86-2.99(m, 4H), 2.26-2.43(m, 4H).
MALDI-TOF MS m/Z found: 929.07([m]+calcd: 929.47).
Figure 2016117522
[2]電荷輸送性ワニスの調製
[実施例1−1]
化合物TEG−H1 0.052g及びリンタングステン酸(日本新金属(株)製)0.010gを、窒素雰囲気下でDMIB2gに溶解させて攪拌し、得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例1−2]
化合物H1 0.025g及びリンタングステン酸(日本新金属(株)製)0.005gを、窒素雰囲気下でDMIB2gに溶解させて攪拌し、得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、電荷輸送性ワニスを得た。
[比較例1]
化合物TEG−H1 0.062gを、窒素雰囲気下でDMIB2gに溶解させて攪拌し、得られた溶液を孔径0.2μmのPTFE製フィルターを用いて濾過し、電荷輸送性ワニスを得た。
[3]有機EL素子の評価
[実施例2−1]
実施例1−1で得たワニスを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、80℃で1分間乾燥し、更に、大気雰囲気下、230℃で15分間焼成し、ITO基板上に25nmの均一な薄膜(正孔注入層)を形成した。ITO基板としては、インジウム錫酸化物(ITO)が表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除去した。
その上に、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いてα−NPD30nmを積層した。この際の蒸着レートは、0.2nm/秒とした。次いで、CBPとIr(PPy)3を共蒸着した。共蒸着はIr(PPy)3の濃度が6%になるように蒸着レートをコントロールし、40nm積層させた。次いで、BAlq、フッ化リチウム及びアルミニウムの薄膜を順次積層して有機EL素子を得た。この際、蒸着レートは、BAlq及びアルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ20nm、0.5nm及び100nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、有機EL素子は封止基板により封止した後、その特性を評価した。封止は以下の手順で行った。
酸素濃度2ppm以下、露点−85℃以下の窒素雰囲気中で、有機EL素子を封止基板の間に収め、封止基板を接着材((株)MORESCO製モレスコモイスチャーカットWB90US(P))により貼り合わせた。この際、捕水剤(ダイニック(株)製HD-071010W-40)を有機EL素子と共に封止基板内に収めた。貼り合わせた封止基板に対し、UV光を照射(波長365nm、照射量6,000mJ/cm2)した後、80℃で1時間、アニーリング処理して接着材を硬化させた。
[実施例2−2]
実施例1−1で得られたワニスのかわりに実施例1−2で得たワニスを用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で素子を得た。
[比較例2]
実施例1−1で得られたワニスのかわりに比較例1で得たワニスを用いた以外は、実施例2−1と同様の方法で素子を得た。
駆動電圧10Vにおける電流密度、輝度、電流効率、及び輝度の半減期(初期輝度5,000cd/m2)を表1に示す。
Figure 2016117522
表1に示されるように、本発明の電荷輸送性ワニスから得られる電荷輸送性薄膜を正孔注入層として用いることで、優れた輝度特性、及び耐久性を有する有機EL素子が得られた。

Claims (8)

  1. 式(1)で表されるアリールアミン誘導体からなる電荷輸送性物質、ドーパント及び有機溶媒を含むことを特徴とする電荷輸送性ワニス。
    Figure 2016117522
    [式中、R1及びR2は、互いに独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜20のヘテロアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20のヘテロアリールオキシ基、又は少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基を表し、これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよく;
    Rは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基を表し;
    1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し;
    2は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し;
    nは、互いに独立して、0〜5の整数であり、mは、互いに独立して、0〜4の整数であり、pは、互いに独立して、0〜3の整数である。]
  2. 1及びR2が、ともに炭素数1〜20のアルキル基又はともに少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基である請求項1記載の電荷輸送性ワニス。
  3. n、m及びpが、全て0である請求項1又は2記載の電荷輸送性ワニス。
  4. 前記ドーパントがヘテロポリ酸である請求項1〜3のいずれか1項記載の電荷輸送性ワニス。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項記載の電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜。
  6. 請求項5記載の電荷輸送性薄膜を備える有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記電荷輸送性薄膜が正孔注入層である請求項6記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 式(1')で表されるアリールアミン誘導体。
    Figure 2016117522
    [式中、R1'及びR2'は、互いに独立して、少なくとも1つのエーテル構造を含む炭素数2〜20のアルキル基を表し、該基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されていてもよく;
    Rは、互いに独立して、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニル基、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、又はZ1で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基を表し;
    1は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基、Z2で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルコキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルキニルオキシ基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜20のアリール基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数2〜20のヘテロアリール基を表し;
    2は、ハロゲン原子、ニトロ基又はシアノ基を表し;
    nは、互いに独立して、0〜5の整数であり、mは、互いに独立して、0〜4の整数であり、pは、互いに独立して、0〜3の整数である。]
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