JP6402724B2 - アリールスルホン酸化合物及びその利用 - Google Patents
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Description
本発明は、アリールスルホン酸化合物及びその利用に関し、詳述すれば、スルホニルピレン基とフルオロアリール基とがエーテル基を介して連結した構造を有するアリールスルホン酸化合物、及び当該化合物のドーパントとしての利用に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、ディスプレイや照明といった分野での実用化が期待されており、低電圧駆動、高輝度、高寿命等を目的とし、材料や素子構造に関する様々な開発がなされている。
有機EL素子においては複数の機能性薄膜が用いられるが、その中の1つである正孔注入層は、陽極と、正孔輸送層あるいは発光層との電荷の授受を担い、有機EL素子の低電圧駆動及び高輝度を達成するために重要な機能を果たす。
この正孔注入層の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスと、スピンコート法に代表されるウェットプロセスとに大別されるが、これらのプロセスを比べると、ウェットプロセスの方が大面積に平坦性の高い薄膜を効率的に製造できることから、特にディスプレイの分野においてはウェットプロセスがよく用いられる。
上記事情の下、有機EL素子の高機能化を実現できる、ウェットプロセスで形成可能な正孔注入層の開発は常に期待されている。
有機EL素子においては複数の機能性薄膜が用いられるが、その中の1つである正孔注入層は、陽極と、正孔輸送層あるいは発光層との電荷の授受を担い、有機EL素子の低電圧駆動及び高輝度を達成するために重要な機能を果たす。
この正孔注入層の形成方法は、蒸着法に代表されるドライプロセスと、スピンコート法に代表されるウェットプロセスとに大別されるが、これらのプロセスを比べると、ウェットプロセスの方が大面積に平坦性の高い薄膜を効率的に製造できることから、特にディスプレイの分野においてはウェットプロセスがよく用いられる。
上記事情の下、有機EL素子の高機能化を実現できる、ウェットプロセスで形成可能な正孔注入層の開発は常に期待されている。
J. Phys. Chem. B, 2007, 111, 478-484
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、優れた輝度特性の有機EL素子を与え得る材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、スルホニルピレン基とフルオロアリール基とがエーテル基を介して連結した構造を有するアリールスルホン酸化合物が、ドーパントとして機能し得、室温で非晶性を示すだけでなく、各種有機溶媒への高溶解性を示すこと、当該アリールスルホン酸化合物を電荷輸送性物質とともに有機溶媒へ溶解させることで得られるワニスから、高電荷輸送性を有する薄膜が得られること、及び当該薄膜を正孔注入層として用いることで、優れた輝度特性の有機EL素子が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記アリールスルホン酸化合物等を提供する。
1.式(A1)又は(A2)で表されるアリールスルホン酸化合物。
[式中、Ar1は、m個のZ0で置換されるとともに、フッ素原子で置換された炭素数6〜20の1価の芳香族基を表し、Ar2は、m個のZ0で置換されるとともに、フッ素原子で置換された炭素数6〜20の2価の芳香族基を表し、
Lは、式(P1)で表される基を表し、
Z0は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基若しくはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
mは、0〜2の整数を表す。
(式中、nは、1〜4の整数を表す。)]
2.1のアリールスルホン酸化合物からなるドーパント。
3.2のドーパントと、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性ワニス。
4.3の電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜。
5.4の電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子。
6.3の電荷輸送性ワニスを用いることを特徴とする電荷輸送性薄膜の製造方法。
7.3の電荷輸送性ワニスを用いることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
8.式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物と、式(F1)又は(F2)で表されるハロアリール化合物とを反応させて式(A1')又は(A2')で表されるアリールスルホン酸塩を得、この塩をイオン交換処理することを特徴とする1のアリールスルホン酸化合物の製造方法。
[式中、Xは、ハロゲン原子を表し、L'は、式(P1')で表される基を表し、Ar1及びAr2は、上記と同じ意味を表す。
(式中、Mは、アルカリ金属原子を表し、nは、上記と同じ意味を表す。)]
1.式(A1)又は(A2)で表されるアリールスルホン酸化合物。
Lは、式(P1)で表される基を表し、
Z0は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基若しくはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルケニル基を表し、
mは、0〜2の整数を表す。
2.1のアリールスルホン酸化合物からなるドーパント。
3.2のドーパントと、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性ワニス。
4.3の電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜。
5.4の電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子。
6.3の電荷輸送性ワニスを用いることを特徴とする電荷輸送性薄膜の製造方法。
7.3の電荷輸送性ワニスを用いることを特徴とする有機EL素子の製造方法。
8.式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物と、式(F1)又は(F2)で表されるハロアリール化合物とを反応させて式(A1')又は(A2')で表されるアリールスルホン酸塩を得、この塩をイオン交換処理することを特徴とする1のアリールスルホン酸化合物の製造方法。
なお、特許文献1、2には、ピレン基とハロアリール基とがエーテル基を介して連結した構造を有する化合物が、非特許文献1には、スルホン酸ナトリウム基で置換されたピレン基とシアノアリール基とがエーテル基を介して連結した構造を有する化合物が、それぞれ開示されている。しかし、いずれの文献にも、本発明の化合物は具体的に開示されていない。また、本発明のアリールスルホン酸化合物がドーパントとして好適であることを教示する記載もない。
本発明のアリールスルホン酸化合物は、ドーパントとして機能し得、室温で非晶性を示すだけでなく、各種有機溶媒に対する溶解性が高いため、例えばアニリン誘導体からなる電荷輸送性物質とともに有機溶媒に溶解させることで、電荷輸送性に優れた薄膜を与えるワニスを調製でき、更に、そのような薄膜を正孔注入層として用いることで、優れた輝度特性の有機EL素子を得ることができる。
また、本発明のアリールスルホン酸化合物は、ドーパントとして機能し得、電荷輸送性物質ともに用いて形成した薄膜が高輸送性を示すことから、コンデンサ電極保護膜、帯電防止膜、有機薄膜太陽電池の陽極バッファ層等への応用も期待される。
また、本発明のアリールスルホン酸化合物は、ドーパントとして機能し得、電荷輸送性物質ともに用いて形成した薄膜が高輸送性を示すことから、コンデンサ電極保護膜、帯電防止膜、有機薄膜太陽電池の陽極バッファ層等への応用も期待される。
Ar1は、m個のZ0で置換されるとともに、フッ素原子で置換された炭素数6〜20の1価の芳香族基を表し、Ar2は、m個のZ0で置換されるとともに、フッ素原子で置換された炭素数6〜20の2価の芳香族基を表す。
このような芳香族基を構成する芳香環としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、ターフェニル等が挙げられるが、本発明のアリールスルホン酸化合物の溶解性を高める観点から、ベンゼン、アントラセン、ビフェニルが好ましく、ベンゼン、ビフェニルがより好ましい。
Z0は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、ニトロ基若しくはハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、又はハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数2〜20のアルケニル基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、ドーパントとしての機能性を考慮すると、フッ素原子が最適である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、ドーパントとしての機能性を考慮すると、フッ素原子が最適である。
このようなハロゲン原子で置換されてもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の無置換アルキル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロピル基、4,4,4−トリフルオロブチル基、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4,4−ノナフルオロブチル基等のハロアルキル基が挙げられる。
このような炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基等の無置換アルケニル基、パーフルオロビニル基、パーフルオロプロペニル基(アリル基)、パーフルオロブテニル基等のハロアルケニル基が挙げられる。
とりわけ、本発明のアリールスルホン酸化合物の有機溶媒への溶解性を高める観点から、アルキル基の炭素数は、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、より一層好ましくは2以下であり、更に好ましくは1である。また、アルケニル基の炭素数は、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、より一層好ましくは2である。
そして、ドーパントとしての機能性を考慮すると、アルキル基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましく、フッ素原子で全置換(パーフルオロ化)されていることがより一層好ましい。
そして、ドーパントとしての機能性を考慮すると、アルキル基及びアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていることが好ましく、フッ素原子で置換されていることがより好ましく、フッ素原子で全置換(パーフルオロ化)されていることがより一層好ましい。
Z0としては、アリールスルホン酸化合物の有機溶媒への溶解性とそのドーパントとしての機能性とのバランスを考慮すると、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロメチル基、パーフルオロアリル基が好ましく、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロメチル基、パールフオロアリル基がより好ましい。
mは、芳香族基に置換するZ0の数を表し、0〜2の整数である。ここで、mが0であるときは、芳香族基は、置換基としてZ0を有しないことを意味する。
mの好ましい値は、芳香族基を構成する芳香環の種類、芳香族基に置換するフッ素原子の数やその置換位置等に応じて変化するものであるが、例えば、ドーパントとしての機能性を考慮すると、Z0が、無置換のアルキル基、無置換のアルケニル基等の比較的弱い電子吸引性の基であるときは、mは、1以下が好ましく、0がより好ましい。
また、Z0が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロメチル基、パーフルオロアリル基等の比較的強い電子吸引性の基(原子)であるときは、これらの基(原子)が芳香環上の水素原子の代わりに芳香環に結合する限りにおいて、mは、1以上が好ましく、2がより好ましい。
mの好ましい値は、芳香族基を構成する芳香環の種類、芳香族基に置換するフッ素原子の数やその置換位置等に応じて変化するものであるが、例えば、ドーパントとしての機能性を考慮すると、Z0が、無置換のアルキル基、無置換のアルケニル基等の比較的弱い電子吸引性の基であるときは、mは、1以下が好ましく、0がより好ましい。
また、Z0が、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ニトロ基、シアノ基、パーフルオロメチル基、パーフルオロアリル基等の比較的強い電子吸引性の基(原子)であるときは、これらの基(原子)が芳香環上の水素原子の代わりに芳香環に結合する限りにおいて、mは、1以上が好ましく、2がより好ましい。
炭素数6〜20の1価又は2価の芳香族基に置換するフッ素原子の数は、1以上であれば特に限定されないが、ドーパントとしての機能性を考慮すると、より高いほうがより好ましく、典型的には、最大の置換数であることが最適である。
すなわち、例えば、1価の芳香族基を構成する芳香環がベンゼン環である場合においては、置換するフッ素原子数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がより一層好ましく、5が最適である。また、2価の芳香族基を構成する芳香環がベンゼン環である場合においては、置換するフッ素原子数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4が最適である。
同様に、例えば、1価の芳香族基を構成する芳香環がナフタレン、アントラセン、ビフェニル及びターフェニルであるときは、置換するフッ素原子数は、それぞれ7、9、9及び13が最適であり、2価の芳香族基を構成する芳香環がナフタレン、アントラセン、ビフェニル及びターフェニルであるときは、置換するフッ素原子数は、それぞれ6、8、8及び12が最適である。
すなわち、例えば、1価の芳香族基を構成する芳香環がベンゼン環である場合においては、置換するフッ素原子数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4以上がより一層好ましく、5が最適である。また、2価の芳香族基を構成する芳香環がベンゼン環である場合においては、置換するフッ素原子数は、2以上が好ましく、3以上がより好ましく、4が最適である。
同様に、例えば、1価の芳香族基を構成する芳香環がナフタレン、アントラセン、ビフェニル及びターフェニルであるときは、置換するフッ素原子数は、それぞれ7、9、9及び13が最適であり、2価の芳香族基を構成する芳香環がナフタレン、アントラセン、ビフェニル及びターフェニルであるときは、置換するフッ素原子数は、それぞれ6、8、8及び12が最適である。
nは、ピレン基に置換するスルホン酸基の数を表し、1〜4の整数であるが、本発明のアリールスルホン酸化合物の溶解性を高める観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上である。
なお、式(P1)は、n個のスルホン酸基が、ピレン環上の任意の位置に置換していることを意味し、結合手も、ピレン環上の任意の位置にあることを意味する。
なお、式(P1)は、n個のスルホン酸基が、ピレン環上の任意の位置に置換していることを意味し、結合手も、ピレン環上の任意の位置にあることを意味する。
本発明のアリールスルホン酸化合物は、式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物と、式(F1)又は(F2)で表されるハロアリール化合物とを反応させて式(A1')又は(A2')で表されるアリールスルホン酸塩を得、この塩をイオン交換処理することで、得ることができる。
式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物としては、ピラニン等が挙げられるが、これに限定されない。
式(F1)又は(F2)で表されるハロアリール化合物としては、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、3−(ペンタフルオロフェニル)−ペンタフルオロ−1−プロペン、ペンタフルオロニトロベンゼン、ペンタフルオロベンゾニトリル、1,2−ジシアノ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−ジニトロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、2,3,4,5−テトラフルオロベンゾニトリル、2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル、2,4,5−トリフルオロベンゾニトリル、2,4,6−トリフルオロベンゾニトリル、2,3,4−トリフルオロベンゾニトリル、2,3,5−トリフルオロベンゾニトリル、2,3,6−トリフルオロベンゾニトリル、1,3,4,5−テトラフルオロ−2−ニトロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロ−5−ニトロベンゼン、3,4,5−トリフルオロニトロベンゼン、2,4,6−トリフルオロニトロベンゼン、2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン、2,3,5−トリフルオロニトロベンゼン、2,3,6−トリフルオロニトロベンゼン、2,4−ジニトロフルオロベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、パーフルオロビフェニル、2,2',4,4',6,6'−ヘキサフルオロビフェニル、2,2',3,4,5,6,6'−ヘプタフルオロー1,1'−ビフェニル、4H,4'H−オクタフルオロビフェニル、パーフルオロナフタレン、1,2,3,4−テトラフルオロナフタレン、1,2,4,5,6,8−ヘキサフルオロナフタレン、1,2,3,4,5,8−ヘキサフルオロ−6,7−ジメチルナフタレン、パーフルオロアントラセン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロナフタレン、9,10−ジクロロ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロナフタレン、1,2,3,4−テトラフルオロナフタレン、1,2,3,4−テトラフルオロアントラセン等が挙げられるが、これらに限定されない。
式(F1)又は(F2)で表されるハロアリール化合物としては、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、3−(ペンタフルオロフェニル)−ペンタフルオロ−1−プロペン、ペンタフルオロニトロベンゼン、ペンタフルオロベンゾニトリル、1,2−ジシアノ−3,4,5,6−テトラフルオロベンゼン、3,4,5,6−テトラフルオロ−1,2−ジニトロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、2,3,4,5−テトラフルオロベンゾニトリル、2,3,5,6−テトラフルオロベンゾニトリル、2,4,5−トリフルオロベンゾニトリル、2,4,6−トリフルオロベンゾニトリル、2,3,4−トリフルオロベンゾニトリル、2,3,5−トリフルオロベンゾニトリル、2,3,6−トリフルオロベンゾニトリル、1,3,4,5−テトラフルオロ−2−ニトロベンゼン、1,2,3,4−テトラフルオロ−5−ニトロベンゼン、3,4,5−トリフルオロニトロベンゼン、2,4,6−トリフルオロニトロベンゼン、2,3,4−トリフルオロニトロベンゼン、2,3,5−トリフルオロニトロベンゼン、2,3,6−トリフルオロニトロベンゼン、2,4−ジニトロフルオロベンゼン、1,4−ジシアノテトラフルオロベンゼン、パーフルオロビフェニル、2,2',4,4',6,6'−ヘキサフルオロビフェニル、2,2',3,4,5,6,6'−ヘプタフルオロー1,1'−ビフェニル、4H,4'H−オクタフルオロビフェニル、パーフルオロナフタレン、1,2,3,4−テトラフルオロナフタレン、1,2,4,5,6,8−ヘキサフルオロナフタレン、1,2,3,4,5,8−ヘキサフルオロ−6,7−ジメチルナフタレン、パーフルオロアントラセン、1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロナフタレン、9,10−ジクロロ−1,2,3,4,5,6,7,8−オクタフルオロナフタレン、1,2,3,4−テトラフルオロナフタレン、1,2,3,4−テトラフルオロアントラセン等が挙げられるが、これらに限定されない。
上記反応においては、アリールスルホン酸塩を効率的に得る観点から、塩基を用いることが好ましい。
その具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、t−ブトキシリチウム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属単体、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルコキシアルカリ金属、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属;炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属;n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等の有機リチウム;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられるが、この種の反応に用いられるものであれば特に限定されない。特に、取り扱いが容易であることから、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好適である。
塩基の使用量は、通常、式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物に対して1.0〜1.5当量程度で足りるが、触媒の種類に応じて適宜決定されることが好ましい。
その具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、t−ブトキシリチウム、t−ブトキシナトリウム、t−ブトキシカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属単体、水素化アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、アルコキシアルカリ金属、炭酸アルカリ金属、炭酸水素アルカリ金属;炭酸カルシウム等の炭酸アルカリ土類金属;n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等の有機リチウム;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、ピリジン等のアミン類等が挙げられるが、この種の反応に用いられるものであれば特に限定されない。特に、取り扱いが容易であることから、水素化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好適である。
塩基の使用量は、通常、式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物に対して1.0〜1.5当量程度で足りるが、触媒の種類に応じて適宜決定されることが好ましい。
式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物と、式(F1)表されるハロアリール化合物との仕込み比は、ハロアリール化合物1モルに対して、ヒドロキシピレン化合物を0.5〜2.0モル程度とすればよいが、式(A1')で表されるアリールスルホン酸塩を効率よく得る観点から、好ましくは0.8〜1.2程度である。
式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物と、式(F2)表されるハロアリール化合物との仕込み比は、ハロアリール化合物1モルに対して、ヒドロキシピレン化合物を1.0〜4.0程度とすればよいが、式(A2')で表されるアリールスルホン酸塩を効率よく得る観点から、好ましくは1.6〜2.4程度である。
式(H1)で表されるヒドロキシピレン化合物と、式(F2)表されるハロアリール化合物との仕込み比は、ハロアリール化合物1モルに対して、ヒドロキシピレン化合物を1.0〜4.0程度とすればよいが、式(A2')で表されるアリールスルホン酸塩を効率よく得る観点から、好ましくは1.6〜2.4程度である。
反応溶媒は、非プロトン性極性有機溶媒が好ましく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。反応後の反応溶媒の除去容易性の観点から、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が好適である。
反応温度は、用いる溶媒や触媒の種類、原料化合物の種類等を考慮して、上記反応が進行し得る溶媒の融点と沸点の間の温度を採用すればよいが、通常、概ね50〜120℃である。反応時間は、反応条件により異なるため一概に規定できないが、概ね0.1〜100時間である。
反応終了後、ろ過、反応溶媒の留去等によって式(A1')又は(A2')で表されるアリールスルホン酸塩を回収し、その回収した塩を、例えば陽イオン交換樹脂によってプロトン化することで、本発明のアリールスルホン酸化合物を得ることができる。
なお、ハロアリール化合物は、市販品を用いてもよく、公知の方法(例えば特開2002−179637号公報、特開2005−255531号公報、特開昭61−047426号公報、J. Fluor. CHEM. Vol. 29(4) p.417-424等参照)によって合成したものを用いてもよい。また、ヒドロキシピレン化合物は、市販品を用いてもよく、公知の方法によって合成したものを用いてもよい。このようは公知の方法としては、例えば、ピレンを、公知の方法でヒドロキシ化し、それを濃硫酸、発煙硫酸、ハロ硫酸を用いた一般的なスルホン酸化反応によってスルホン化し、それをアルカリ金属塩と反応させる手法が挙げられる。
[電荷輸送性ワニス]
本発明の電荷輸送性ワニスは、ドーパントとして本発明のアリールスルホン酸化合物を含み、更に電荷輸送性物質及び有機溶媒を含む。
ここで、電荷輸送性とは、導電性と同義であり、正孔輸送性と同義である。電荷輸送性物質は、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、ドーパントとともに用いた際に電荷輸送性があるものでもよい。電荷輸送性ワニスは、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、それにより得られる固形膜が電荷輸送性を有するものでもよい。
本発明の電荷輸送性ワニスは、ドーパントとして本発明のアリールスルホン酸化合物を含み、更に電荷輸送性物質及び有機溶媒を含む。
ここで、電荷輸送性とは、導電性と同義であり、正孔輸送性と同義である。電荷輸送性物質は、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、ドーパントとともに用いた際に電荷輸送性があるものでもよい。電荷輸送性ワニスは、それ自体に電荷輸送性があるものでもよく、それにより得られる固形膜が電荷輸送性を有するものでもよい。
このような電荷輸送性物質としては、従来有機ELの分野等で用いられるものを用いることができる。その具体例としては、オリゴアニリン誘導体、N,N'−ジアリールベンジジン誘導体、N,N,N',N'−テトラアリールベンジジン誘導体等のアニリン誘導体(アリールアミン誘導体)、オリゴチオフェン誘導体、チエノチオフェン誘導体、チエノベンゾチオフェン誘導体等のチオフェン誘導体、オリゴピロール等のピロール誘導体等の各種正孔輸送性物質が挙げられる。これらの中でも、アニリン誘導体、チオフェン誘導体が好ましく、アニリン誘導体がより好ましい。
電荷輸送性物質の分子量は、電荷輸送性物質の析出の抑制、ワニスの塗布性向上等を考慮すると、好ましくは9,000以下、より好ましくは8,000以下、より一層好ましくは7,000以下、更に好ましくは6,000以下、更に一層好ましくは5,000以下であり、一方、より高い電荷輸送性を有する薄膜を得ることを考慮すると、好ましくは300以上である。なお、薄膜化した場合に電荷輸送性物質が分離することを防ぐ観点から、電荷輸送性物質は分子量分布のない(分散度が1)ことが好ましい(すなわち、単一の分子量であることが好ましい)。
式(1)において、X1は、−NY1−、−O−、−S−、−(CR7R8)l−又は単結合を表すが、j又はkが0であるときは、−NY1−を表す。
Y1は、互いに独立して、水素原子、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ2で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基を表す。
式(1)における炭素数1〜20のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ビシクロブチル基、ビシクロペンチル基、ビシクロヘキシル基、ビシクロヘプチル基、ビシクロオクチル基、ビシクロノニル基、ビシクロデシル基等の炭素数3〜20の環状アルキル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数2〜20のアルケニル基の具体例としては、エテニル基、n−1−プロペニル基、n−2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、n−1−ブテニル基、n−2−ブテニル基、n−3−ブテニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−エチルエテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、n−1−ペンテニル基、n−1−デセニル基、n−1−エイコセニル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数2〜20のアルキニル基の具体例としては、エチニル基、n−1−プロピニル基、n−2−プロピニル基、n−1−ブチニル基、n−2−ブチニル基、n−3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、n−1−ペンチニル基、n−2−ペンチニル基、n−3−ペンチニル基、n−4−ペンチニル基、1−メチル−n−ブチニル基、2−メチル−n−ブチニル基、3−メチル−n−ブチニル基、1,1−ジメチル−n−プロピニル基、n−1−ヘキシニル基、n−1−デシニル基、n−1−ペンタデシニル基、n−1−エイコシニル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数6〜20の芳香族基の具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基等が挙げられる。
式(1)における炭素数2〜20の複素芳香族基の具体例としては、2−チエニル基、3−チエニル基、2−フラニル基、3−フラニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、3−イソオキサゾリル基、4−イソオキサゾリル基、5−イソオキサゾリル基、2−チアゾリル基、4−チアゾリル基、5−チアゾリル基、3−イソチアゾリル基、4−イソチアゾリル基、5−イソチアゾリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基等が挙げられる。
R7及びR8は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、水酸基、チオール基、スルホン酸基、カルボン酸基、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、Z2で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基、−NHY2、−NY3Y4、−C(O)Y5、−OY6、−SY7、−SO3Y8、−C(O)OY9、−OC(O)Y10、−C(O)NHY11、又は−C(O)NY12Y13基を表し、Y2〜Y13は、互いに独立して、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ2で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。その他、R7〜R8及びY2〜Y13のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基並びに複素芳香族基としては、上記と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、R7及びR8としては、水素原子、又はZ1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、又はZ1で置換されていてもよいメチル基がより好ましく、ともに水素原子が最適である。
lは、−(CR7R8)−で表される2価のアルキレン基の繰り返し単位数を表し、1〜20の整数であるが、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜2がより一層好ましく、1が最適である。なお、lが2以上である場合、複数のR7は、互いに同一であっても異なっていてもよく、複数のR8も、互いに同一であっても異なっていてもよい。
とりわけ、X1としては、−NY1−又は単結合が好ましい。また、Y1としては、水素原子、又はZ1で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、水素原子、又はZ1で置換されていてもよいメチル基がより好ましく、水素原子が最適である。
R1〜R6は、互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、水酸基、チオール基、スルホン酸基、カルボン酸基、Z1で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、Z2で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基、−NHY2、−NY3Y4、−C(O)Y5、−OY6、−SY7、−SO3Y8、−C(O)OY9、−OC(O)Y10、−C(O)NHY11、又は−C(O)NY12Y13基を表し(Y2〜Y13は、上記と同じ意味を表す。)、これらハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基及び複素芳香族基としては、上記と同様のものが挙げられる。
特に、式(1)において、R1〜R4としては、水素原子、ハロゲン原子、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はZ2で置換されていてもよい炭素数6〜14の芳香族基が好ましく、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、全て水素原子が最適である。
また、R5及びR6としては、水素原子、ハロゲン原子、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜14の芳香族基、又はZ2で置換されていてもよいジフェニルアミノ基(Y3及びY4がZ2で置換されていてもよいフェニル基である−NY3Y4基)が好ましく、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基がより好ましく、同時に水素原子又はジフェニルアミノ基がより一層好ましい。
また、R5及びR6としては、水素原子、ハロゲン原子、Z1で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、Z2で置換されていてもよい炭素数6〜14の芳香族基、又はZ2で置換されていてもよいジフェニルアミノ基(Y3及びY4がZ2で置換されていてもよいフェニル基である−NY3Y4基)が好ましく、水素原子、フッ素原子、又はフッ素原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基がより好ましく、同時に水素原子又はジフェニルアミノ基がより一層好ましい。
そして、これらの中でも、R1〜R4が、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、R5及びR6が、水素原子、フッ素原子、フッ素原子で置換されていてもよいジフェニルアミノ基、X1が、−NY1−又は単結合、かつ、Y1が、水素原子又はメチル基の組み合わせが好ましく、R1〜R4が、水素原子、R5及びR6が、同時に水素原子又はジフェニルアミノ基、X1が、−NH−又は単結合の組み合わせがより好ましい。
式(1)において、j及びkは、互いに独立して、0以上の整数を表し、1≦j+k≦20を満たすが、得られる薄膜の電荷輸送性とアニリン誘導体の溶解性とのバランスを考慮すると、2≦j+k≦8を満たすことが好ましく、2≦j+k≦6を満たすことがより好ましく、2≦j+k≦4を満たすことがより一層好ましい。
なお、上記Y1〜Y13及びR1〜R8のアルキル基、アルケニル基並びにアルキニル基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、水酸基、チオール基、スルホン酸基、カルボン酸基、又はZ3で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基であるZ1で置換されていてもよく、上記Y1〜Y13及びR1〜R8の芳香族基及び複素芳香族基は、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、水酸基、チオール基、スルホン酸基、カルボン酸基、又はZ3で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基であるZ2で置換されていてもよく、これらの基は、更にハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、アルデヒド基、水酸基、チオール基、スルホン酸基、又はカルボン酸基であるZ3で置換されていてもよい(ハロゲン原子としては、上記と同様のものが挙げられる。)。
特に、Y1〜Y13及びR1〜R8において、置換基Z1は、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
また、置換基Z2は、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
そして、Z3は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
また、置換基Z2は、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、ハロゲン原子、又はZ3で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
そして、Z3は、ハロゲン原子が好ましく、フッ素がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
Y1〜Y13及びR1〜R8では、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基の炭素数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、より一層好ましくは4以下である。
また、芳香族基及び複素芳香族基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
また、芳香族基及び複素芳香族基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
式(1)で表されるアニリン誘導体の分子量は、溶解性を高める観点から、好ましくは9,000以下、より好ましくは7,000以下、より一層好ましくは5,000以下である。
なお、本発明で用いられるアニリン誘導体の合成法としては、特に限定されないが、ブレティン・オブ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan)(1994年、第67巻、p. 1749-1752)、シンセティック・メタルズ(Synthetic Metals)(1997年、第84巻、p. 119-120)、シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films)(2012年、520(24)、7157-7163)、国際公開第2008/032617号、国際公開第2008−032616号、国際公開第2008−129947号、国際公開第2014/148415号等に記載の方法が挙げられる。
なお、本発明で用いられるアニリン誘導体の合成法としては、特に限定されないが、ブレティン・オブ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン(Bulletin of Chemical Society of Japan)(1994年、第67巻、p. 1749-1752)、シンセティック・メタルズ(Synthetic Metals)(1997年、第84巻、p. 119-120)、シン・ソリッド・フィルムズ(Thin Solid Films)(2012年、520(24)、7157-7163)、国際公開第2008/032617号、国際公開第2008−032616号、国際公開第2008−129947号、国際公開第2014/148415号等に記載の方法が挙げられる。
以下、本発明において好適なアニリン誘導体を挙げるが、これらに限定されない。
本発明の電荷輸送性ワニスは、その他のドーパントを含んでいてもよく、特に、本発明のアリールスルホン酸化合物との相溶性や得られる薄膜の電荷輸送性の観点から、ヘテロポリ酸化合物が好ましい一例として挙げられる。
ヘテロポリ酸化合物とは、代表的に式(2)で表されるKeggin型あるいは式(3)で表されるDawson型の化学構造で示される、ヘテロ原子が分子の中心に位置する構造を有し、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)等の酸素酸であるイソポリ酸と、異種元素の酸素酸とが縮合してなるポリ酸である。このような異種元素の酸素酸としては、主にケイ素(Si)、リン(P)、ヒ素(As)の酸素酸が挙げられる。
ヘテロポリ酸化合物の具体例としては、リンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン酸、リンタングストモリブデン酸等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。なお、ヘテロポリ酸化合物は、市販品として入手可能であり、また、公知の方法により合成することもできる。
とりわけ、得られる薄膜の電荷輸送性を考慮すると、リンタングステン酸又はリンモリブデン酸が好ましく、リンタングステン酸がより好ましい。
とりわけ、得られる薄膜の電荷輸送性を考慮すると、リンタングステン酸又はリンモリブデン酸が好ましく、リンタングステン酸がより好ましい。
なお、ヘテロポリ酸は、元素分析等の定量分析において、一般式で表される構造から元素の数が多く又は少ないものであっても、それが市販品として入手したもの、あるいは、公知の合成方法に従い適切に合成したものである限り、本発明において用いることができる。
すなわち、例えば、一般的には、リンタングステン酸は化学式H3(PW12O40)・nH2Oで、リンモリブデン酸は化学式H3(PMo12O40)・nH2Oでそれぞれ表されるが、定量分析において、この式中のP(リン)、O(酸素)又はW(タングステン)若しくはMo(モリブデン)の数が多く、又は少ないものであっても、それが市販品として入手したもの、あるいは、公知の合成方法に従い適切に合成したものである限り、本発明において用いることができる。この場合、本発明に規定されるヘテロポリ酸の質量とは、合成物や市販品中における純粋なリンタングステン酸の質量(リンタングステン酸含量)ではなく、市販品として入手可能な形態及び公知の合成法にて単離可能な形態において、水和水やその他の不純物等を含んだ状態での全質量を意味する。
すなわち、例えば、一般的には、リンタングステン酸は化学式H3(PW12O40)・nH2Oで、リンモリブデン酸は化学式H3(PMo12O40)・nH2Oでそれぞれ表されるが、定量分析において、この式中のP(リン)、O(酸素)又はW(タングステン)若しくはMo(モリブデン)の数が多く、又は少ないものであっても、それが市販品として入手したもの、あるいは、公知の合成方法に従い適切に合成したものである限り、本発明において用いることができる。この場合、本発明に規定されるヘテロポリ酸の質量とは、合成物や市販品中における純粋なリンタングステン酸の質量(リンタングステン酸含量)ではなく、市販品として入手可能な形態及び公知の合成法にて単離可能な形態において、水和水やその他の不純物等を含んだ状態での全質量を意味する。
本発明においては、電荷輸送性ワニス中のアリールスルホン酸の量は、物質比で、電荷輸送性物質1に対して、通常0.5〜10程度、好ましくは0.75〜5程度である。
本発明の電荷輸送性ワニスは、ワニスの基板への塗布性の調節、得られる薄膜のイオン化ポテンシャルの調整等を目的として、有機シラン化合物を含んでいでもよい。
この有機シラン化合物としては、ジアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物又はテトラアルコキシシラン化合物が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
とりわけ、有機シラン化合物としては、ジアルコキシシラン化合物又はトリアルコキシシラン化合物が好ましく、トリアルコキシシラン化合物がより好ましい。
この有機シラン化合物としては、ジアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物又はテトラアルコキシシラン化合物が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
とりわけ、有機シラン化合物としては、ジアルコキシシラン化合物又はトリアルコキシシラン化合物が好ましく、トリアルコキシシラン化合物がより好ましい。
テトラアルコキシシラン化合物、トリアルコキシシラン化合物及びジアルコキシシラン化合物としては、例えば、式(4)〜(6)で表されるものが挙げられる。
Si(OR9)4 (4)
SiR10(OR9)3 (5)
Si(R10)2(OR9)2 (6)
Si(OR9)4 (4)
SiR10(OR9)3 (5)
Si(R10)2(OR9)2 (6)
式中、R9は、互いに独立して、Z4で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ5で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基を表し、R10は、互いに独立して、Z6で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、又はZ7で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基を表す。
Z4は、ハロゲン原子、又はZ8で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基を表し、Z5は、ハロゲン原子、又はZ8で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基を表す。
Z6は、ハロゲン原子、Z8で置換されていてもよい、炭素数6〜20の芳香族基若しくは炭素数2〜20の複素芳香族基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基(−NHCONH2)、チオール基、イソシアネート基(−NCO)、アミノ基、−NHY14基、又は−NY15Y16基を表す。
Z7は、ハロゲン原子、Z8で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基(−NHCONH2)、チオール基、イソシアネート基(−NCO)、アミノ基、−NHY14基、又は−NY15Y16基を表し、Y14〜Y16は、互いに独立して、Z8で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基、又は炭素数2〜20の複素芳香族基を表す。
Z8は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、又はチオール基を表す。
Z7は、ハロゲン原子、Z8で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基若しくは炭素数2〜20のアルキニル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基(−NHCONH2)、チオール基、イソシアネート基(−NCO)、アミノ基、−NHY14基、又は−NY15Y16基を表し、Y14〜Y16は、互いに独立して、Z8で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基、又は炭素数2〜20の複素芳香族基を表す。
Z8は、ハロゲン原子、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、又はチオール基を表す。
式(4)〜(6)における、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20の芳香族基、及び炭素数2〜20の複素芳香族基としては、上記と同様のものが挙げられる。
R9及びR10において、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基の炭素数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、より一層好ましくは4以下である。
また、芳香族基及び複素芳香族基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
R9及びR10において、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基の炭素数は、好ましくは10以下であり、より好ましくは6以下であり、より一層好ましくは4以下である。
また、芳香族基及び複素芳香族基の炭素数は、好ましくは14以下であり、より好ましくは10以下であり、より一層好ましくは6以下である。
R9としては、Z4で置換されていてもよい、炭素数1〜20のアルキル基若しくは炭素数2〜20のアルケニル基、又はZ5で置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、Z4で置換されていてもよい、炭素数1〜6のアルキル基若しくは炭素数2〜6のアルケニル基、又はZ5で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、Z4で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、又はZ5で置換されていてもよいフェニル基がより一層好ましく、Z4で置換されていてもよい、メチル基又はエチル基が更に好ましい。
また、R10としては、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよい炭素数6〜14の芳香族基がより好ましく、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族基がより一層好ましく、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよいフェニル基が更に好ましい。
なお、複数のR9は、全て同一であっても異なっていてもよく、複数のR10も、全て同一であっても異なっていてもよい。
また、R10としては、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよい炭素数6〜14の芳香族基がより好ましく、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよい炭素数6〜10の芳香族基がより一層好ましく、Z6で置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル基、又はZ7で置換されていてもよいフェニル基が更に好ましい。
なお、複数のR9は、全て同一であっても異なっていてもよく、複数のR10も、全て同一であっても異なっていてもよい。
Z4としては、ハロゲン原子、又はZ8で置換されていてもよい炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、フッ素原子、又はZ8で置換されていてもよいフェニル基がより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
また、Z5としては、ハロゲン原子、又はZ8で置換されていてもよい炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、フッ素原子、又はZ8で置換されていてもよい炭素数1〜10アルキルがより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
また、Z5としては、ハロゲン原子、又はZ8で置換されていてもよい炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、フッ素原子、又はZ8で置換されていてもよい炭素数1〜10アルキルがより好ましく、存在しないこと(すなわち、非置換であること)が最適である。
一方、Z6としては、ハロゲン原子、Z8で置換されていてもよいフェニル基、Z8で置換されていてもよいフラニル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基、チオール基、イソシアネート基、アミノ基、Z8で置換されていてもよいフェニルアミノ基、又はZ8で置換されていてもよいジフェニルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、フッ素原子、又は存在しないこと(すなわち、非置換であること)がより一層好ましい。
また、Z7としては、ハロゲン原子、Z8で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z8で置換されていてもよいフラニル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基、チオール基、イソシアネート基、アミノ基、Z8で置換されていてもよいフェニルアミノ基、又はZ8で置換されていてもよいジフェニルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、フッ素原子、又は存在しないこと(すなわち、非置換であること)がより一層好ましい。
そして、Z8としては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子又は存在しないこと(すなわち、非置換であること)がより好ましい。
また、Z7としては、ハロゲン原子、Z8で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基、Z8で置換されていてもよいフラニル基、エポキシシクロヘキシル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、ウレイド基、チオール基、イソシアネート基、アミノ基、Z8で置換されていてもよいフェニルアミノ基、又はZ8で置換されていてもよいジフェニルアミノ基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、フッ素原子、又は存在しないこと(すなわち、非置換であること)がより一層好ましい。
そして、Z8としては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子又は存在しないこと(すなわち、非置換であること)がより好ましい。
以下、本発明で使用可能な有機シラン化合物の具体例を挙げるが、これらに限定されない。
ジアルコキシシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
ジアルコキシシラン化合物の具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
トリアルコキシシラン化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘプチルトリメトキシシラン、ヘプチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)シラン、ドデシルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、(トリエトキシシリル)シクロヘキサン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、トリエトキシフルオロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、トリエトキシ−2−チエニルシラン、3−(トリエトキシシリル)フラン等が挙げられる。
テトラアルコキシシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリエトキシ(4−(トリフルオロメチル)フェニル)シラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルトリエトキシシラン等が好ましい。
本発明の電荷輸送性ワニス中の有機シラン化合物の含有量は、得られる薄膜の高電荷輸送性を維持する点を考慮すると、電荷輸送性物質及びドーパントの総質量に対して、通常0.1〜50質量%程度であるが、好ましくは0.5〜40質量%程度、より好ましくは0.8〜30質量%程度、より一層好ましくは1〜20質量%である。
電荷輸送性ワニスを調製する際に用いられる有機溶媒としては、電荷輸送性物質及びドーパントを良好に溶解し得る高溶解性溶媒を用いることができる。
このような高溶解性溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル等の有機溶媒を用いることができる。これらの溶媒は1種単独で又は2種以上混合して用いることができ、その使用量は、ワニスに使用する溶媒全体に対して5〜100質量%とすることができる。
なお、電荷輸送性物質及びドーパントは、いずれも上記溶媒に完全に溶解しているか、均一に分散している状態となっていることが好ましく、完全に溶解していることがより好ましい。
また、本発明においては、ワニスに、25℃で10〜200mPa・s、特に35〜150mPa・sの粘度を有し、常圧(大気圧)で沸点50〜300℃、特に150〜250℃の高粘度有機溶媒を少なくとも1種類含有させることで、ワニスの粘度の調整が容易になり、その結果、平坦性の高い薄膜を再現性よく与える、用いる塗布方法に応じたワニス調製が可能となる。
高粘度有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、シクロヘキサノール、エチレングリコール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3−オクチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、へキシレングリコール等が挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
本発明のワニスに用いられる溶媒全体に対する高粘度有機溶媒の添加割合は、固体が析出しない範囲内であることが好ましく、固体が析出しない限りにおいて、添加割合は、5〜80質量%が好ましい。
更に、基板に対する濡れ性の向上、溶媒の表面張力の調整、極性の調整、沸点の調整等の目的で、その他の溶媒を、ワニスに使用する溶媒全体に対して1〜90質量%、好ましくは1〜50質量%の割合で混合することもできる。
このような溶媒としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジアセトンアルコール、γ−ブチロラクトン、エチルラクテート、n−ヘキシルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの溶媒は、1種単独で又は2種以上混合して用いることができる。
本発明のワニスの粘度は、作製する薄膜の厚み等や固形分濃度に応じて適宜設定されるものではあるが、通常、25℃で1〜50mPa・sである。
また、本発明における電荷輸送性ワニスの固形分濃度は、ワニスの粘度及び表面張力等や、作製する薄膜の厚み等を勘案して適宜設定されるものではあるが、通常、0.1〜10.0質量%程度であり、ワニスの塗布性を向上させることを考慮すると、好ましくは0.5〜5.0質量%程度、より好ましくは1.0〜3.0質量%程度である。
また、本発明における電荷輸送性ワニスの固形分濃度は、ワニスの粘度及び表面張力等や、作製する薄膜の厚み等を勘案して適宜設定されるものではあるが、通常、0.1〜10.0質量%程度であり、ワニスの塗布性を向上させることを考慮すると、好ましくは0.5〜5.0質量%程度、より好ましくは1.0〜3.0質量%程度である。
電荷輸送性ワニスの調製方法としては、特に限定されないが、例えば、本発明のアリールスルホン酸化合物を先に溶媒に溶解させ、そこへ電荷輸送性物質を加える方法や、本発明のアリールスルホン酸化合物と電荷輸送性物質との混合物を溶媒に溶解させる方法が挙げられる。有機溶媒が複数ある場合は、本発明のアリールスルホン酸や電荷輸送性物質をよく溶解する溶媒に、まずこれらを溶解させ、そこへその他の溶媒を加えてもよく、複数の有機溶媒の混合溶媒に、本発明のアリールスルホン酸や電荷輸送性物質を順次、あるいはこれらを同時に溶解させてもよい。
本発明においては、電荷輸送性ワニスは、高平坦性薄膜を再現性よく得る観点から、本発明アリールスルホン酸化合物からなるドーパント、電荷輸送性物質等を有機溶媒に溶解させた後、サブマイクロオーダーのフィルター等を用いて濾過することが望ましい。
本発明の電荷輸送性ワニスを基材上に塗布して焼成することで、基材上に電荷輸送性薄膜を形成させることができる。ワニスの塗布方法としては、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り、インクジェット法、スプレー法、スリットコート等が挙げられるが、これらに限定されない。塗布方法に応じて、ワニスの粘度及び表面張力を調節することが好ましい。
また、本発明においては、焼成は、大気雰囲気だけでなく窒素等の不活性ガスや真空中でも可能であるが、均一な成膜面及び高い電荷輸送性を有する薄膜を再現性よく得ることを考慮すると、用いる電荷輸送性物質や溶媒の種類を考慮して決定されることが好ましい。
電荷輸送性薄膜の膜厚は、特に限定されないが、有機EL素子の正孔注入層として用いる場合、5〜200nmが好ましい。膜厚を変化させる方法としては、ワニス中の固形分濃度を変化させたり、塗布時の基板上の溶液量を変化させたりする等の方法がある。
本発明の電荷輸送性薄膜は、有機EL素子において、正孔注入層として好適に用いることができるが、正孔注入輸送層等の電荷輸送性機能層としても使用可能である。
[有機EL素子]
本発明の有機EL素子は、一対の電極を有し、これら電極の間に、上述の本発明の電荷輸送性薄膜を有するものである。
本発明の有機EL素子は、一対の電極を有し、これら電極の間に、上述の本発明の電荷輸送性薄膜を有するものである。
有機EL素子の代表的な構成としては、下記(a)〜(f)が挙げられるが、これらに限定されない。なお、下記構成において、必要に応じて、発光層と陽極の間に電子ブロック層等を、発光層と陰極の間にホール(正孔)ブロック層等を設けることもできる。また、正孔注入層、正孔輸送層あるいは正孔注入輸送層が電子ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよく、電子注入層、電子輸送層あるいは電子注入輸送層がホール(正孔)ブロック層等としての機能を兼ね備えていてもよい。
(a)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(c)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(f)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極
(a)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(b)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(c)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(d)陽極/正孔注入輸送層/発光層/電子注入輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
(f)陽極/正孔注入輸送層/発光層/陰極
「正孔注入層」、「正孔輸送層」及び「正孔注入輸送層」とは、発光層と陽極との間に形成される層であって、正孔を陽極から発光層へ輸送する機能を有するものである。発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「正孔注入輸送層」であり、発光層と陽極の間に、正孔輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陽極に近い層が「正孔注入層」であり、それ以外の層が「正孔輸送層」である。特に、正孔注入層及び正孔注入輸送層は、陽極からの正孔受容性だけでなく、それぞれ正孔輸送層及び発光層への正孔注入性にも優れる薄膜が用いられる。
「電子注入層」、「電子輸送層」及び「電子注入輸送層」とは、発光層と陰極との間に形成される層であって、電子を陰極から発光層へ輸送する機能を有するものである。発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が1層のみ設けられる場合、それが「電子注入輸送層」であり、発光層と陰極の間に、電子輸送性材料の層が2層以上設けられる場合、陰極に近い層が「電子注入層」であり、それ以外の層が「電子輸送層」である。
「発光層」とは、発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料とを含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
本発明の電荷輸送性ワニスを用いて有機EL素子を作製する場合の使用材料や作製方法としては、下記のようなものが挙げられるが、これらに限定されない。
使用する電極基板は、洗剤、アルコール、純水等による液体洗浄をあらかじめ行って浄化しておくことが好ましく、例えば、陽極基板では使用直前にUVオゾン処理、酸素−プラズマ処理等の表面処理を行うことが好ましい。ただし、陽極材料が有機物を主成分とする場合、表面処理を行わなくともよい。
本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜が正孔注入層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。
上述の方法により、陽極基板上に本発明の電荷輸送性ワニスを塗布して焼成し、電極上に正孔注入層を作製する。この正孔注入層の上に、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極をこの順で設ける。正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層は、用いる材料の特性等に応じて、蒸着法又は塗布法(ウェットプロセス)のいずれかで形成すればよい。
陽極材料としては、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)に代表される透明電極や、アルミニウムに代表される金属やこれらの合金等から構成される金属陽極が挙げられ、平坦化処理を行ったものが好ましい。高電荷輸送性を有するポリチオフェン誘導体やポリアニリン誘導体を用いることもできる。
なお、金属陽極を構成するその他の金属としては、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、インジウム、スカンジウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ハフニウム、タリウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、プラチナ、金、チタン、鉛、ビスマスやこれらの合金等が挙げられるが、これらに限定されない。
正孔輸送層を形成する材料としては、(トリフェニルアミン)ダイマー誘導体、[(トリフェニルアミン)ダイマー]スピロダイマー、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン(α−NPD)、N,N'−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジメチル−フルオレン、N,N'−ビス(3−メチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−9,9−ジフェニル−フルオレン、N,N'−ビス(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−2,2'−ジメチルベンジジン、2,2',7,7'−テトラキス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ビフェニル−4−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N,N−ビス−ナフタレン−2−イル−アミノ)フェニル]−9H−フルオレン、9,9−ビス[4−(N−ナフタレン−1−イル−N−フェニルアミノ)−フェニル]−9H−フルオレン、2,2',7,7'−テトラキス[N−ナフタレニル(フェニル)−アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、N,N'−ビス(フェナントレン−9−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン、2,2'−ビス[N,N−ビス(ビフェニル−4−イル)アミノ]−9,9−スピロビフルオレン、2,2'−ビス(N,N−ジフェニルアミノ)−9,9−スピロビフルオレン、ジ−[4−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−フェニル]シクロヘキサン、2,2',7,7'−テトラ(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)−9,9−スピロビフルオレン、N,N,N',N'−テトラ−ナフタレン−2−イル−ベンジジン、N,N,N',N'−テトラ−(3−メチルフェニル)−3,3'−ジメチルベンジジン、N,N'−ジ(ナフタレニル)−N,N'−ジ(ナフタレン−2−イル)−ベンジジン、N,N,N',N'−テトラ(ナフタレニル)−ベンジジン、N,N'−ジ(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ジフェニルベンジジン−1,4−ジアミン、N1,N4−ジフェニル−N1,N4−ジ(m−トリル)ベンゼン−1,4−ジアミン、N2,N2,N6,N6−テトラフェニルナフタレン−2,6−ジアミン、トリス(4−(キノリン−8−イル)フェニル)アミン、2,2'−ビス(3−(N,N−ジ(p−トリル)アミノ)フェニル)ビフェニル、4,4',4''−トリス[3−メチルフェニル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(m−MTDATA)、4,4',4''−トリス[1−ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(1−TNATA)等のトリアリールアミン類、5,5''−ビス−{4−[ビス(4−メチルフェニル)アミノ]フェニル}−2,2':5',2''−ターチオフェン(BMA−3T)等のオリゴチオフェン類等の正孔輸送性低分子材料等が挙げられる。
発光層を形成する材料としては、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、ビス(8−キノリノラート)亜鉛(II)(Znq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラート)−4−(p−フェニルフェノラート)アルミニウム(III)(BAlq)、4,4'−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル、9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−t−ブチル−9,10−ジ(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2,7−ビス[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2−メチル−9,10−ビス(ナフタレン−2−イル)アントラセン、2−(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(9,9−スピロビフルオレン−2−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2−[9,9−ジ(4−メチルフェニル)−フルオレン−2−イル]−9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレン、2,2'−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,3,5−トリス(ピレン−1−イル)ベンゼン、9,9−ビス[4−(ピレニル)フェニル]−9H−フルオレン、2,2'−ビ(9,10−ジフェニルアントラセン)、2,7−ジピレニル−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、1,3−ジ(ピレン−1−イル)ベンゼン、6,13−ジ(ビフェニル−4−イル)ペンタセン、3,9−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、3,10−ジ(ナフタレン−2−イル)ペリレン、トリス[4−(ピレニル)−フェニル]アミン、10,10'−ジ(ビフェニル−4−イル)−9,9'−ビアントラセン、N,N'−ジ(ナフタレン−1−イル)−N,N'−ジフェニル−[1,1':4',1'':4'',1'''−クォーターフェニル]−4,4'''−ジアミン、4,4'−ジ[10−(ナフタレン−1−イル)アントラセン−9−イル]ビフェニル、ジベンゾ{[f,f']−4,4',7,7'−テトラフェニル}ジインデノ[1,2,3−cd:1',2',3'−lm]ペリレン、1−(7−(9,9'−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1−(7−(9,9'−ビアントラセン−10−イル)−9,9−ジヘキシル−9H−フルオレン−2−イル)ピレン、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、1,3,5−トリス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン、4,4',4''−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)ビフェニル(CBP)、4,4'−ビス(カルバゾール−9−イル)−2,2'−ジメチルビフェニル、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジメチルフルオレン、2,2',7,7'−テトラキス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジ(p−トリル)フルオレン、9,9−ビス[4−(カルバゾール−9−イル)−フェニル]フルオレン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−スピロビフルオレン、1,4−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メチルフェニルメタン、2,7−ビス(カルバゾール−9−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン、4,4''−ジ(トリフェニルシリル)−p−ターフェニル、4,4'−ジ(トリフェニルシリル)ビフェニル、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ジトリチル−9H−カルバゾール、9−(4−t−ブチルフェニル)−3,6−ビス(9−(4−メトキシフェニル)−9H−フルオレン−9−イル)−9H−カルバゾール、2,6−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、トリフェニル(4−(9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)フェニル)シラン、9,9−ジメチル−N,N−ジフェニル−7−(4−(1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル)フェニル)−9H−フルオレン−2−アミン、3,5−ビス(3−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル)ピリジン、9,9−スピロビフルオレン−2−イル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド、9,9'−(5−(トリフェニルシリル)−1,3−フェニレン)ビス(9H−カルバゾール)、3−(2,7−ビス(ジフェニルホスホリル)−9−フェニル−9H−フルオレン−9−イル)−9−フェニル−9H−カルバゾール、4,4,8,8,12,12−ヘキサ(p−トリル)−4H−8H−12H−12C−アザジベンゾ[cd,mn]ピレン、4,7−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−1,10−フェナントロリン、2,2'−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ビフェニル、2,8−ビス(ジフェニルホスホリル)ジベンゾ[b,d]チオフェン、ビス(2−メチルフェニル)ジフェニルシラン、ビス[3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジフェニルシラン、3,6−ビス(カルバゾール−9−イル)−9−(2−エチル−ヘキシル)−9H−カルバゾール、3−(ジフェニルホスホリル)−9−(4−(ジフェニルホスホリル)フェニル)−9H−カルバゾール、3,6−ビス[(3,5−ジフェニル)フェニル]−9−フェニルカルバゾール等が挙げられる。これらの材料と発光性ドーパントとを共蒸着することによって、発光層を形成してもよい。
発光性ドーパントとしては、3−(2−ベンゾチアゾリル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、2,3,6,7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル−1H,5H,11H−10−(2−ベンゾチアゾリル)キノリジノ[9,9a,1gh]クマリン、キナクリドン、N,N'−ジメチル−キナクリドン、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy)3)、ビス(2−フェニルピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(ppy)2(acac))、トリス[2−(p−トリル)ピリジン]イリジウム(III)(Ir(mppy)3)、9,10−ビス[N,N−ジ(p−トリル)アミノ]アントラセン、9,10−ビス[フェニル(m−トリル)アミノ]アントラセン、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(II)、N10,N10,N10,N10−テトラ(p−トリル)−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、N10,N10,N10,N10−テトラフェニル−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、N10,N10−ジフェニル−N10,N10−ジナフタレニル−9,9'−ビアントラセン−10,10'−ジアミン、4,4'−ビス(9−エチル−3−カルバゾビニレン)−1,1'−ビフェニル、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−t−ブチルペリレン、1,4−ビス[2−(3−N−エチルカルバゾリル)ビニル]ベンゼン、4,4'−ビス[4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]ビフェニル、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4'−[(ジ−p−トリルアミノ)スチリル]スチルベン、ビス[3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジル)フェニル−(2−カルボキシピリジル)]イリジウム(III)、4,4'−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]ビフェニル、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレートイリジウム(III)、N,N'−ビス(ナフタレン−2−イル)−N,N'−ビス(フェニル)−トリス(9,9−ジメチルフルオレニレン)、2,7−ビス{2−[フェニル(m−トリル)アミノ]−9,9−ジメチル−フルオレン−7−イル}−9,9−ジメチル−フルオレン、N−(4−((E)−2−(6((E)−4−(ジフェニルアミノ)スチリル)ナフタレン−2−イル)ビニル)フェニル)−N−フェニルベンゼンアミン、fac−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2)、mer−イリジウム(III)トリス(1−フェニル−3−メチルベンズイミダゾリン−2−イリデン−C,C2)、2,7−ビス[4−(ジフェニルアミノ)スチリル]−9,9−スピロビフルオレン、6−メチル−2−(4−(9−(4−(6−メチルベンゾ[d]チアゾール−2−イル)フェニル)アントラセン−10−イル)フェニル)ベンゾ[d]チアゾール、1,4−ジ[4−(N,N−ジフェニル)アミノ]スチリルベンゼン、1,4−ビス(4−(9H−カルバゾール−9−イル)スチリル)ベンゼン、(E)−6−(4−(ジフェニルアミノ)スチリル)−N,N−ジフェニルナフタレン−2−アミン、ビス(2,4−ジフルオロフェニルピリジナト)(5−(ピリジン−2−イル)−1H−テトラゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾール)((2,4−ジフルオロベンジル)ジフェニルホスフィネート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(ベンジルジフェニルホスフィネート)イリジウム(III)、ビス(1−(2,4−ジフルオロベンジル)−3−メチルベンズイミダゾリウム)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジル)ピラゾレート)(4',6'−ジフルオロフェニルピリジネート)イリジウム(III)、ビス(4',6'−ジフルオロフェニルピリジナト)(3,5−ビス(トリフルオロメチル)−2−(2'−ピリジル)ピロレート)イリジウム(III)、ビス(4',6'−ジフルオロフェニルピリジナト)(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)イリジウム(III)、(Z)−6−メシチル−N−(6−メシチルキノリン−2(1H)−イリデン)キノリン−2−アミン−BF2、(E)−2−(2−(4−(ジメチルアミノ)スチリル)−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−ジュロリジル−9−エニル−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジル−9−エニル)−4H−ピラン、4−(ジシアノメチレン)−2−t−ブチル−6−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン、トリス(ジベンゾイルメタン)フェナントロリンユーロピウム(III)、5,6,11,12−テトラフェニルナフタセン、ビス(2−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル−ピリジン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス(1−フェニルイソキノリン)イリジウム(III)、ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[1−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)−イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス[2−(9,9−ジメチル−9H−フルオレン−2−イル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[4,4'−ジ−t−ブチル−(2,2')−ビピリジン]ルテニウム(III)・ビス(ヘキサフルオロホスフェート)、トリス(2−フェニルキノリン)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、2,8−ジ−t−ブチル−5,11−ビス(4−t−ブチルフェニル)−6,12−ジフェニルテトラセン、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、5,10,15,20−テトラフェニルテトラベンゾポルフィリン白金、オスミウム(II)ビス(3−トリフルオロメチル−5−(2−ピリジン)−ピラゾレート)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジフェニルメチルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(2−ピリジル)−1,2,4−トリアゾール)ジメチルフェニルホスフィン、オスミウム(II)ビス(3−(トリフルオロメチル)−5−(4−t−ブチルピリジル)−1,2,4−トリアゾレート)ジメチルフェニルホスフィン、ビス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[2−(4−n−ヘキシルフェニル)キノリン]イリジウム(III)、トリス[2−フェニル−4−メチルキノリン]イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2−(3−メチルフェニル)ピリジネート)イリジウム(III)、ビス(2−(9,9−ジエチル−フルオレン−2−イル)−1−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾラト)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルピリジン)(3−(ピリジン−2−イル)−2H−クロメン−2−オネート)イリジウム(III)、ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、ビス(フェニルイソキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオネート)イリジウム(III)、イリジウム(III)ビス(4−フェニルチエノ[3,2−c]ピリジナト−N,C2)アセチルアセトネート、(E)−2−(2−t−ブチル−6−(2−(2,6,6−トリメチル−2,4,5,6−テトラヒドロ−1H−ピローロ[3,2,1−ij]キノリン−8−イル)ビニル)−4H−ピラン−4−イリデン)マロノニトリル、ビス(3−トリフルオロメチル−5−(1−イソキノリル)ピラゾレート)(メチルジフェニルホスフィン)ルテニウム、ビス[(4−n−ヘキシルフェニル)イソキノリン](アセチルアセトネート)イリジウム(III)、白金(II)オクタエチルポルフィン、ビス(2−メチルジベンゾ[f,h]キノキサリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)、トリス[(4−n−ヘキシルフェニル)キソキノリン]イリジウム(III)等が挙げられる。
電子輸送層を形成する材料としては、8−ヒドロキシキノリノレート−リチウム、2,2',2''−(1,3,5−ベンジントリル)−トリス(1−フェニル−1−H−ベンズイミダゾール)、2−(4−ビフェニル)5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、ビス(2−メチル−8−キノリノレート)−4−(フェニルフェノラト)アルミニウム、1,3−ビス[2−(2,2'−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、6,6'−ビス[5−(ビフェニル−4−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−2−イル]−2,2'−ビピリジン、3−(4−ビフェニル)−4−フェニル−5−t−ブチルフェニル−1,2,4−トリアゾール、4−(ナフタレン−1−イル)−3,5−ジフェニル−4H−1,2,4−トリアゾール、2,9−ビス(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、2,7−ビス[2−(2,2'−ビピリジン−6−イル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]−9,9−ジメチルフルオレン、1,3−ビス[2−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−5−イル]ベンゼン、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン、1−メチル−2−(4−(ナフタレン−2−イル)フェニル)−1H−イミダゾ[4,5f][1,10]フェナントロリン、2−(ナフタレン−2−イル)−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン、フェニル−ジピレニルホスフィンオキサイド、3,3',5,5'−テトラ[(m−ピリジル)−フェン−3−イル]ビフェニル、1,3,5−トリス[(3−ピリジル)−フェン−3−イル]ベンゼン、4,4'−ビス(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ビフェニル、1,3−ビス[3,5−ジ(ピリジン−3−イル)フェニル]ベンゼン、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム、ジフェニルビス(4−(ピリジン−3−イル)フェニル)シラン、3,5−ジ(ピレン−1−イル)ピリジン等が挙げられる。
電子注入層を形成する材料としては、酸化リチウム(Li2O)、酸化マグネシウム(MgO)、アルミナ(Al2O3)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化マグネシウム(MgF2)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化ストロンチウム(SrF2)、三酸化モリブデン(MoO3)、アルミニウム、リチウムアセチルアセトネート(Li(acac))、酢酸リチウム、安息香酸リチウム等が挙げられる。
陰極材料としては、アルミニウム、マグネシウム−銀合金、アルミニウム−リチウム合金、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム等が挙げられる。
また、本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜が正孔注入層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法のその他の例は、以下のとおりである。
上述したEL素子作製方法において、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の真空蒸着操作を行う代わりに、正孔輸送層、発光層を順次形成することによって本発明の電荷輸送性ワニスによって形成される電荷輸送性薄膜を有する有機EL素子を作製することができる。具体的には、陽極基板上に本発明の電荷輸送性ワニスを塗布して上記の方法により正孔注入層を作製し、その上に正孔輸送層、発光層を順次形成し、更に陰極電極を蒸着して有機EL素子とする。
使用する陰極及び陽極材料としては、上述のものと同様のものが使用でき、同様の洗浄処理、表面処理を行うことができる。
正孔輸送層及び発光層の形成方法としては、正孔輸送性高分子材料若しくは発光性高分子材料、又はこれらにドーパントを加えた材料に溶媒を加えて溶解するか、均一に分散し、それぞれ正孔注入層又は正孔輸送層の上に塗布した後、焼成することで成膜する方法が挙げられる。
正孔輸送性高分子材料としては、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,1'−ビフェニレン−4,4−ジアミン)]、ポリ[(9,9−ビス{1'−ペンテン−5'−イル}フルオレニル−2,7−ジイル)−co−(N,N'−ビス{p−ブチルフェニル}−1,4−ジアミノフェニレン)]、ポリ[N,N'−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N'−ビス(フェニル)−ベンジジン]−エンドキャップド ウィズ ポリシルセスキオキサン、ポリ[(9,9−ジジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,4'−(N−(p−ブチルフェニル))ジフェニルアミン)]等が挙げられる。
発光性高分子材料としては、ポリ(9,9−ジアルキルフルオレン)(PDAF)等のポリフルオレン誘導体、ポリ(2−メトキシ−5−(2'−エチルヘキソキシ)−1,4−フェニレンビニレン)(MEH−PPV)等のポリフェニレンビニレン誘導体、ポリ(3−アルキルチオフェン)(PAT)等のポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVCz)等が挙げられる。
溶媒としては、トルエン、キシレン、クロロホルム等が挙げられる。溶解又は均一分散法としては、攪拌、加熱攪拌、超音波分散等の方法が挙げられる。
塗布方法としては、特に限定されず、インクジェット法、スプレー法、ディップ法、スピンコート法、転写印刷法、ロールコート法、刷毛塗り等が挙げられる。なお、塗布は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
焼成方法としては、不活性ガス下又は真空中、オーブン又はホットプレートで加熱する方法が挙げられる。
本発明の電荷輸送性ワニスから得られる薄膜が正孔注入輸送層である場合の、本発明の有機EL素子の作製方法の一例は、以下のとおりである。
陽極基板上に正孔注入輸送層を形成し、この正孔注入輸送層の上に、発光層、電子輸送層、電子注入層、陰極をこの順で設ける。発光層、電子輸送層及び電子注入層の形成方法及び具体例としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
陽極材料、発光層、発光性ドーパント、電子輸送層及び電子ブロック層を形成する材料、陰極材料としては、上述したものと同様のものが挙げられる。
なお、電極及び上記各層の間の任意の間に、必要に応じてホールブロック層、電子ブロック層等を設けてもよい。例えば、電子ブロック層を形成する材料としては、トリス(フェニルピラゾール)イリジウム等が挙げられる。
陽極と陰極及びこれらの間に形成される層を構成する材料は、ボトムミッション構造、トップエミッション構造のいずれを備える素子を製造するかで異なるため、その点を考慮して、適宜材料選択する。
通常、ボトムエミッション構造の素子では、基板側に透明陽極が用いられ、基板側から光が取り出されるのに対し、トップエミッション構造の素子では、金属からなる反射陽極が用いられ、基板と反対方向にある透明電極(陰極)側から光が取り出される。そのため、例えば陽極材料について言えば、ボトムエミッション構造の素子を製造する際はITO等の透明陽極を、トップエミッション構造の素子を製造する際はAl/Nd等の反射陽極を、それぞれ用いる。
本発明の有機EL素子は、特性悪化を防ぐため、定法に従い、必要に応じて捕水剤等とともに封止してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されない。なお、使用した装置は以下のとおりである。
(1)1H−NMR:バリアン製、高分解能核磁気共鳴装置
(2)基板洗浄:長州産業(株)製、基板洗浄装置(減圧プラズマ方式)
(3)ワニスの塗布:ミカサ(株)製、スピンコーターMS-A100
(4)膜厚測定:(株)小坂研究所製、微細形状測定機サーフコーダET-4000
(5)EL素子の作製:長州産業(株)製、多機能蒸着装置システムC-E2L1G1-N
(6)EL素子の輝度等の測定:(有)テック・ワールド製、I-V-L測定システム
(1)1H−NMR:バリアン製、高分解能核磁気共鳴装置
(2)基板洗浄:長州産業(株)製、基板洗浄装置(減圧プラズマ方式)
(3)ワニスの塗布:ミカサ(株)製、スピンコーターMS-A100
(4)膜厚測定:(株)小坂研究所製、微細形状測定機サーフコーダET-4000
(5)EL素子の作製:長州産業(株)製、多機能蒸着装置システムC-E2L1G1-N
(6)EL素子の輝度等の測定:(有)テック・ワールド製、I-V-L測定システム
500mLフラスコ内に、ピラニン5.00g、パーフルオロビフェニル1.08g、炭酸カリウム1.33g及びN,N−ジメチルイミダゾリジノン250mLを入れて窒素置換した後、その混合物を100℃で20時間加熱攪拌した。
攪拌終了後、反応混合物を放冷し、炭酸カリウムの残渣をろ過によって除去した。得られたろ液から減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解させた。そして、トルエン300mLを攪拌した状態に保ち、そこへ得られた溶液をゆっくりと滴下し、適下後30分間更に攪拌した。
攪拌終了後、得られた懸濁液をろ過し、得られたろ物をメタノール80mLにて洗浄した。そして、洗浄したろ物を水60mLに溶解させ、得られた溶液を用いて陽イオン交換樹脂ダウエックス650C(Hタイプ約200mL、留出溶媒:水)によるカラムクロマトグラフィーを行った。
最後に、減圧下で溶媒を留去し、得られた固体を減圧下でよく乾燥し、目的とするアリールスルホン酸化合物Aを得た(収量2.11g)。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ[ppm]: 8.99-9.03(m, 6H), 8.86(d, J=10.0Hz, 2H), 8.34(d, J=9.6Hz, 2H), 8.18(s, 2H)
攪拌終了後、反応混合物を放冷し、炭酸カリウムの残渣をろ過によって除去した。得られたろ液から減圧下で溶媒を留去し、得られた残渣をN,N−ジメチルホルムアミド100mLに溶解させた。そして、トルエン300mLを攪拌した状態に保ち、そこへ得られた溶液をゆっくりと滴下し、適下後30分間更に攪拌した。
攪拌終了後、得られた懸濁液をろ過し、得られたろ物をメタノール80mLにて洗浄した。そして、洗浄したろ物を水60mLに溶解させ、得られた溶液を用いて陽イオン交換樹脂ダウエックス650C(Hタイプ約200mL、留出溶媒:水)によるカラムクロマトグラフィーを行った。
最後に、減圧下で溶媒を留去し、得られた固体を減圧下でよく乾燥し、目的とするアリールスルホン酸化合物Aを得た(収量2.11g)。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ[ppm]: 8.99-9.03(m, 6H), 8.86(d, J=10.0Hz, 2H), 8.34(d, J=9.6Hz, 2H), 8.18(s, 2H)
1,000mLフラスコ内に、ピラニン10.0g、パーフルオロトルエン4.95g、炭酸カリウム2.90g、及びN,N−ジメチルホルムアミド500mLを入れて窒素置換した後、その混合物を100℃で7時間加熱攪拌した。
攪拌終了後、反応混合物を放冷し、炭酸カリウムの残渣をろ過によって除去した。次いで、得られたろ液から減圧下で溶媒を出来るだけ留去した後、得られた粗物を水100mLに溶解させた。そして、得られた溶液を用いて陽イオン交換樹脂ダウエックス650C(Hタイプ約200mL、留出溶媒:水)によるカラムクロマトグラフィーを行った。
最後に、減圧下で溶媒を留去し、得られた固体を減圧下でよく乾燥し、目的とするアリールスルホン酸化合物Bを得た(収量8.76g)。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ[ppm]: 9.30(d, J=9.6Hz, 1H), 9.15-9.08(m, 3H), 8.50(d, J=9.6Hz, 1H), 8.12(s, 1H)
攪拌終了後、反応混合物を放冷し、炭酸カリウムの残渣をろ過によって除去した。次いで、得られたろ液から減圧下で溶媒を出来るだけ留去した後、得られた粗物を水100mLに溶解させた。そして、得られた溶液を用いて陽イオン交換樹脂ダウエックス650C(Hタイプ約200mL、留出溶媒:水)によるカラムクロマトグラフィーを行った。
最後に、減圧下で溶媒を留去し、得られた固体を減圧下でよく乾燥し、目的とするアリールスルホン酸化合物Bを得た(収量8.76g)。1H−NMRの測定結果を以下に示す。
1H-NMR (400MHz, DMSO-d6) δ[ppm]: 9.30(d, J=9.6Hz, 1H), 9.15-9.08(m, 3H), 8.50(d, J=9.6Hz, 1H), 8.12(s, 1H)
[2]電荷輸送性ワニスの調製
[実施例2−1]
ブレティン・オブ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン、1994年、第67巻、p. 1749-1752に記載されている方法に従って合成した式(g)で表されるアニリン誘導体1 0.151g及びアリールスルホン酸A0.277gを、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)15gに溶解させた。そこへシクロヘキサノール(CHA)3g及びプロピレングリコール(PG)3gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例2−1]
ブレティン・オブ・ケミカル・ソサエティ・オブ・ジャパン、1994年、第67巻、p. 1749-1752に記載されている方法に従って合成した式(g)で表されるアニリン誘導体1 0.151g及びアリールスルホン酸A0.277gを、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)15gに溶解させた。そこへシクロヘキサノール(CHA)3g及びプロピレングリコール(PG)3gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例2−2]
アニリン誘導体1 0.071g及びアリールスルホン酸A0.129gを、DMI7gに溶解させた。そこへCHA1.4g及びPG1.4gを加えて攪拌し、更にそこへ3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.007g及びフェニルトリメトキシシラン0.013gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
アニリン誘導体1 0.071g及びアリールスルホン酸A0.129gを、DMI7gに溶解させた。そこへCHA1.4g及びPG1.4gを加えて攪拌し、更にそこへ3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.007g及びフェニルトリメトキシシラン0.013gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例2−3]
国際公開第2013/084664号に記載されている方法に従って合成した式(f)で表されるアニリン誘導体2 0.155g及びアリールスルホン酸A0.274gを、DMI15gに溶解させた。そこへCHA3g及びPG3gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
国際公開第2013/084664号に記載されている方法に従って合成した式(f)で表されるアニリン誘導体2 0.155g及びアリールスルホン酸A0.274gを、DMI15gに溶解させた。そこへCHA3g及びPG3gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例2−4]
アニリン誘導体2 0.072g及びアリールスルホン酸A0.128gを、DMI7gに溶解させた。そこへCHA1.4g及びPG1.4gを加えて攪拌し、更にそこへ3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.007g及びフェニルトリメトキシシラン0.013gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
アニリン誘導体2 0.072g及びアリールスルホン酸A0.128gを、DMI7gに溶解させた。そこへCHA1.4g及びPG1.4gを加えて攪拌し、更にそこへ3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.007g及びフェニルトリメトキシシラン0.013gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例2−5]
アニリン誘導体1 0.161g及びアリールスルホン酸B0.329gを、DMI8gに溶解させた。そこへCHA12g及びPG4gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
アニリン誘導体1 0.161g及びアリールスルホン酸B0.329gを、DMI8gに溶解させた。そこへCHA12g及びPG4gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[実施例2−6]
アニリン誘導体1 0.066g及びアリールスルホン酸B 0.134gを、DMI3.3gに溶解させた。そこへCHA4.9g及びPG1.6gを加えて攪拌し、更にそこへ3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.007g及びフェニルトリメトキシシラン0.013gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
アニリン誘導体1 0.066g及びアリールスルホン酸B 0.134gを、DMI3.3gに溶解させた。そこへCHA4.9g及びPG1.6gを加えて攪拌し、更にそこへ3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン0.007g及びフェニルトリメトキシシラン0.013gを加えて攪拌し、電荷輸送性ワニスを得た。
[3]有機EL素子の製造及び特性評価
[実施例3−1]
実施例2−1で得られたワニスを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、80℃で1分間乾燥し、更に、大気雰囲気下、230℃で15分間焼成し、ITO基板上に30nmの均一な薄膜を形成した。ITO基板としては、インジウム錫酸化物(ITO)が表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板(以下ITO基板略す)を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除却した。
次いで、薄膜を形成したITO基板に対し、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いてN,N'−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、フッ化リチウム、及びアルミニウムの薄膜を順次積層し、有機EL素子を得た。この際、蒸着レートは、α−NPD、Alq3及びアルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ30nm、40nm、0.5nm及び120nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、有機EL素子は封止基板により封止した後、その特性を評価した。封止は、以下の手順で行った。
酸素濃度2ppm以下、露点−85℃以下の窒素雰囲気中で、有機EL素子を封止基板の間に収め、封止基板を接着材((株)MORESCO製、モレスコモイスチャーカットWB90US(P))により貼り合わせた。この際、捕水剤(ダイニック(株)製、HD-071010W-40)を有機EL素子とともに封止基板内に収めた。
貼り合わせた封止基板に対し、UV光を照射(波長:365nm、照射量:6,000mJ/cm2)した後、80℃で1時間、アニーリング処理して接着材を硬化させた。
[実施例3−1]
実施例2−1で得られたワニスを、スピンコーターを用いてITO基板に塗布した後、80℃で1分間乾燥し、更に、大気雰囲気下、230℃で15分間焼成し、ITO基板上に30nmの均一な薄膜を形成した。ITO基板としては、インジウム錫酸化物(ITO)が表面上に膜厚150nmでパターニングされた25mm×25mm×0.7tのガラス基板(以下ITO基板略す)を用い、使用前にO2プラズマ洗浄装置(150W、30秒間)によって表面上の不純物を除却した。
次いで、薄膜を形成したITO基板に対し、蒸着装置(真空度1.0×10-5Pa)を用いてN,N'−ジ(1−ナフチル)−N,N'−ジフェニルベンジジン(α−NPD)、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム(III)(Alq3)、フッ化リチウム、及びアルミニウムの薄膜を順次積層し、有機EL素子を得た。この際、蒸着レートは、α−NPD、Alq3及びアルミニウムについては0.2nm/秒、フッ化リチウムについては0.02nm/秒の条件でそれぞれ行い、膜厚は、それぞれ30nm、40nm、0.5nm及び120nmとした。
なお、空気中の酸素、水等の影響による特性劣化を防止するため、有機EL素子は封止基板により封止した後、その特性を評価した。封止は、以下の手順で行った。
酸素濃度2ppm以下、露点−85℃以下の窒素雰囲気中で、有機EL素子を封止基板の間に収め、封止基板を接着材((株)MORESCO製、モレスコモイスチャーカットWB90US(P))により貼り合わせた。この際、捕水剤(ダイニック(株)製、HD-071010W-40)を有機EL素子とともに封止基板内に収めた。
貼り合わせた封止基板に対し、UV光を照射(波長:365nm、照射量:6,000mJ/cm2)した後、80℃で1時間、アニーリング処理して接着材を硬化させた。
[実施例3−2〜3−6]
実施例2−1で得られたワニスの代わりに、それぞれ実施例2−2〜2−6で得られたワニスを用いた以外は、実施例3−1と同様の方法で有機EL素子を製造した。
実施例2−1で得られたワニスの代わりに、それぞれ実施例2−2〜2−6で得られたワニスを用いた以外は、実施例3−1と同様の方法で有機EL素子を製造した。
これらの素子について、駆動電圧5Vにおける電流密度、輝度及び電流効率を測定した。結果を表1に示す。
表1に示したように、本発明の電荷輸送性薄膜を正孔注入層として用いることで、優れた輝度特性を有する有機EL素子が得られた。
Claims (8)
- 請求項1記載のアリールスルホン酸化合物からなるドーパント。
- 請求項2記載のドーパントと、電荷輸送性物質と、有機溶媒とを含む電荷輸送性ワニス。
- 請求項3記載の電荷輸送性ワニスを用いて作製される電荷輸送性薄膜。
- 請求項4記載の電荷輸送性薄膜を有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項3記載の電荷輸送性ワニスを用いることを特徴とする電荷輸送性薄膜の製造方法。
- 請求項3記載の電荷輸送性ワニスを用いることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
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