JPWO2016114181A1 - トランス型移相器、移相回路および通信端末装置 - Google Patents

トランス型移相器、移相回路および通信端末装置 Download PDF

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Abstract

第1コイル(L1)および第1コイル(L1)に対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイル(L2)を有し、並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分を含むトランス(T)と、トランス(T)のインピーダンスを調整するリアクタンス素子を含むインピーダンス調整用回路と、を備えることで、小型化、低損失化、移相量の周波数依存性低減に有利な、トランス型移相器や移相回路を構成する。

Description

本発明は、アンテナと給電回路との間に接続されるトランス型移相器、移相回路およびトランス型移相器や移相回路を備えた通信端末装置に関する。
例えば、携帯電話をはじめとする通信端末装置においては、一般に小型で高効率な高周波回路が構成されることが望まれる。
高周波回路において、伝送信号を所定の位相で後段(次段)の回路へ与えるために位相角を回転させる位相シフト回路すなわち移相回路が一つの回路要素として用いられる。
例えば、送信回路に設けられる高周波パワーアンプとアンテナとの間に、移相回路およびアンテナ整合回路を設け、移相回路の移相量を適宜設定して、パワーアンプとアンテナ整合回路とのマッチングを図ることで、パワーアンプの効率を向上させ、高調波の発生を抑制することができる。
特開2003−32003号公報
従来、例えば特許文献1に示されているような伝送線路型の移相器は、挿入損失特性と周波数依存性の点で優れるが、大きな移相量を得ようとすると大型化する欠点がある。また、伝送線路型の移相器は移相量の周波数依存性があるので、広帯域の高周波回路に適用し難い。
一方、分布定数型ディレイライン等の部品を用いた移相回路においては、移相量の周波数依存性が大きいので、広帯域の高周波回路への適用が難しい。そのため、広帯域化が進んでいる携帯電話端末等では利用し難い。また、移相量を大きくしようとすると、信号の挿入損失が増大する欠点がある。
図15は、従来の分布定数型ディレイラインによる移相器を設けた伝送線路の移相特性を示す図である。ここで横軸は周波数、縦軸は移相量である。特性ラインAは伝送線路単体での特性、特性ラインBは移相器を設けた状態での特性である。両者の移相量の差が移相器による移相量である。この例では、伝送線路による移相量は周波数1GHzで−30°、周波数1.9GHzで−60°であり、移相器を接続した状態での移相量は、周波数1GHzで−90°、周波数1.9GHzで−180°である。したがって、移相器単体での移相量は、周波数1GHzで−60°、周波数1.9GHzで−120°である。
このように、伝送線路でも分布定数型ディレイライン等の移相器でも周波数依存性が大きい。すなわち、必要な移相量が大きいほど、広帯域での使用は困難になる。また、伝送線路でも分布定数型ディレイラインでも、高周波になるほど挿入損失が大きく、特に分布定数型ディレイラインでは高周波における挿入損失の増大が顕著である。したがって、移相量を大きくしようとするほど挿入損失は増大する。
本発明の目的は、小型化、低損失化、移相量の周波数依存性低減に有利な、トランス型移相器、移相回路およびトランス型移相器や移相回路を備えた通信端末装置を提供することにある。
(1)本発明のトランス型移相器は、
第1コイルおよび前記第1コイルに対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルを有し、並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分を含むトランスと、
前記トランスのインピーダンスを整合させるためのリアクタンス素子を含むインピーダンス調整用回路と、
を備えることを特徴とする。
(2)上記(1)において、前記インピーダンス調整用回路は、
前記第1コイルに並列に接続された第1キャパシタンス素子と、
前記第2コイルに並列に接続された第2キャパシタンス素子と、
前記第1コイルと前記第2コイルとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、
を含むことが好ましい。前記第1キャパシタンス素子、前記第2キャパシタンス素子および前記第3キャパシタンス素子の少なくともいずれかは前記トランスの浮遊容量で構成されてもよいし、浮遊容量とともに実部品で構成されていてもよい。
(3)本発明のトランス型移相器は、
第1コイルおよび前記第1コイルに対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルを有し、第1ポートと第2ポートとの間に接続されたトランスと、
前記トランスの第1ポートとグランドとの間に接続された第1キャパシタンス素子と、
前記トランスの第2ポートとグランドとの間に接続された第2キャパシタンス素子と、
前記トランスの第1ポートと第2ポートとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、
を備えることを特徴とする。前記第1キャパシタンス素子、前記第2キャパシタンス素子および前記第3キャパシタンス素子の少なくともいずれかは前記トランスの浮遊容量で構成されてもよいし、浮遊容量とともに実部品で構成されていてもよい。
上記(1)(2)(3)のいずれの構成でも、
前記トランス回路の、前記第1コイルに対する入出力信号と前記第2コイルに対する入出力信号との位相差(180°)に、前記トランス回路の並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分による移相量を加算した、すなわち180°を超える移相を行うことができる。
また、前記トランスが有する並列寄生インダクタンス成分および直列寄生インダクタンス成分の存在により、トランスのインピーダンスは規定値(例えば50Ω)から外れてしまうが、前記リアクタンス素子(キャパシタンス素子)を備えることで、インピーダンスを調整することが可能となる。
(4)上記(2)または(3)において、前記トランスは、複数の基材層が積層された単一の積層体内に設けられ、前記第1コイルおよび前記第2コイルは前記基材層に形成された導体パターンで構成されることが好ましい。このことにより、単一の部品としての移相器をプリント配線板等に実装するだけでよく、通信端末装置等への実装が容易となる。
(5)上記(4)において、前記第1コイルおよび前記第2コイルは、実質的に同一の内外径を有し、コイル軸が同軸関係にあることが好ましい。このことにより、第1コイルおよび第2コイルの巻回数が少ないながらも、すなわち小型でありながら、適度に高い結合係数のトランスが得られる。
(6)上記(2)から(5)のいずれかにおいて、前記第3キャパシタンス素子は、主に前記第1コイルと前記第2コイルとの間に生じるコイル間容量で構成されることが好ましい。このことにより、第3キャパシタンス素子形成用のパターンが不要であり、または部品としての第3キャパシタンス素子が不要であるので、小型化・低コスト化できる。
(7)上記(2)から(6)のいずれかにおいて、前記第1キャパシタンス素子は、主に前記第1コイルの線間容量で構成され、前記第2キャパシタンス素子は、主に前記第2コイルの線間容量で構成されることが好ましい。このことにより、第1キャパシタンス素子および第2キャパシタンス素子形成用のパターンが不要であり、または部品としての第1キャパシタンス素子および第2キャパシタンス素子が不要であるので、小型化・低コスト化できる。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記第1コイルと前記第2コイルによるトランス比は1:n(nは1以外の値)にすることも可能である。このことにより、移相と共にトランスによるインピーダンス変換ができ、第1ポートに接続される回路と第2ポートに接続される回路とのインピーダンス整合回路の機能を兼ねることができる。
(9)本発明の移相回路は、上記(1)から(8)のいずれかに記載のトランス型移相器と、前記トランス型移相器に対して直列に接続された、移相量90°未満の移相線路とを備えることを特徴とする。この構成により、180°を超える広範囲に亘り、且つ微調整された所定の移相が可能となる。もちろん、前記移相線路は、基板とその基板に形成された導体パターンとで構成されてもよい。
(10)本発明の通信端末装置は、電力増幅回路を有する給電回路と、前記給電回路に接続されるアンテナ素子と、を備える通信端末装置であって、
前記給電回路と前記アンテナ素子との間に、上記(1)から(8)のいずれかに記載のトランス型移相器または上記(9)に記載の移相回路を備えることを特徴とする。これにより、アンテナを含む送信回路系において高効率化または小型化が図れる。
本発明のトランス型移相器によれば、小型、低損失でありながら180°を超える大きな移相量が得られる。また、移相量の周波数依存性の小さな移相特性が得られる。また、インピーダンス調整用回路を備えることで、移相量を微調整できる。
本発明の移相回路によれば、小型化、低損失化、移相量の周波数依存性低減を確保したまま180°よりさらに大きな移相量を容易に得ることができる。
本発明の通信端末装置によれば、アンテナを含む送信回路系において高効率化または小型化が図れる。
図1は第1の実施形態に係るトランス型移相器11の回路図である。 図2(A)(B)はトランスTの等価回路図である。 図3はトランス型移相器11の外観斜視図である。 図4はトランス型移相器11の各層の平面図である。 図5はトランス型移相器11の縦断面図である。 図6(A)は、トランス型移相器11の回路図である。図6(B)は、トランス型移相器11の等価回路図である。 図7はトランスTによる移相作用をスミスチャート上に示す図である。 図8はトランス型移相器11の移相量の周波数特性を示す図である。 図9はトランス型移相器11の挿入損失の周波数特性を示す図である。 図10(A)(B)は第2の実施形態に係る移相回路30A,30Bの構成を示すブロック図である。 図11(A)(B)(C)(D)は、第2の実施形態に係る4つの移相回路31,32,33,34の回路構成を示す図である。 図12は第3の実施形態に係るトランス型移相器13の回路図である。 図13は第4の実施形態に係るトランス型移相器14の回路図である。 図14は第5の実施形態に係る通信端末装置200のブロック図である。 図15は従来の分布定数型ディレイラインによる移相器を設けた伝送線路の移相特性を示す図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付す。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点について説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るトランス型移相器11の回路図である。トランス型移相器11はトランスTを備えている。トランスTは、第1コイルL1および第1コイルL1に対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルL2を有する。また、トランス型移相器11は、第1キャパシタンス素子C1、第2キャパシタンス素子C2および第3キャパシタンス素子C3によるインピーダンス調整用回路を備えている。
第1キャパシタンス素子C1は第1コイルL1に並列接続されていて、第2キャパシタンス素子C2は第2コイルL2に並列接続されている。また、第3キャパシタンス素子C3は第1コイルL1と第2コイルL2との間に接続されている。
図2(A)(B)は上記トランスTの各種等価回路図である。トランスTの等価回路は幾つかの形式で表すことができる。図2(A)の表現では、理想トランスITと、その1次側に直列接続されたインダクタLaと、1次側に並列接続されたインダクタLbと、2次側に直列接続されたインダクタLcとで表される。
図2(B)の表現では、理想トランスITと、その1次側に直列接続された2つのインダクタLa,Lc1と、1次側に並列接続されたインダクタLbとで表される。
ここで、トランスTのトランス比を1:n、第1コイルL1と第2コイルL2(図1参照)との結合係数をk、第1コイルL1のインダクタンスをL1、第2コイルL2のインダクタンスをL2でそれぞれ表すと、上記インダクタLa,Lb,Lcのインダクタンスは次の関係にある。
La:L1(1-k)
Lb:k*L1
Lc:L2(1-k)
Lc1:n2*L2*(1-k)
理想トランスのトランス比は第1コイルL1と第2コイルL2との巻回数によるトランス比である。
いずれにせよ、本実施形態のトランスTは、第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数kが1未満であることに伴い、直列インダクタンス成分および並列インダクタンス成分が生じる。
図3は本実施形態のトランス型移相器11の外観斜視図であり、図4はトランス型移相器11の各層の平面図である。また、図5はトランス型移相器11の断面図である。トランス型移相器11は、複数の絶縁性の基材S1〜S9を備えている。基材S1〜S9には各種導体パターンが形成されている。「各種導体パターン」には、基材の表面に形成された導体パターンだけでなく、層間接続導体を含む。層間接続導体はビア導体だけでなく、積層体100の端面に形成される端面電極も含む。
基材S1の上面は積層体100の実装面(下面)に相当する。基材S1には第1ポートP1としての端子T1、第2ポートP2としての端子T2、グランド端子GND、空き端子NCが形成されている。
基材S5,S4には、導体L1A1,L1A2がそれぞれ形成されている。基材S3には導体L1A3,L1B1が形成されている。基材S2には導体L1B2,L1Cが形成されている。
導体L1A1の第1端は第1ポートの端子T1に接続されている。導体L1A1の第2端はビア導体V1を介して導体L1A2の第1端に接続されている。導体L1A2の第2端はビア導体V2を介して導体L1A3の第1端に接続されている。導体L1A3の第2端は導体L1B1の第1端に接続されている。導体L1A3の第2端および導体L1B1の第1端はビア導体V3を介して導体L1B2の第1端に接続されている。導体L1B1の第2端はビア導体V4を介して導体L1B2の第2端に接続されている。導体L1B2の第2端は導体L1Cの第1端に接続されている。導体L1Cの第2端はグランド端子GNDに接続されている。
基材S6,S7には、導体L2A1,L2A2がそれぞれ形成されている。基材S8には導体L2A3,L2B1が形成されている。基材S9には導体L2B2,L2Cが形成されている。
導体L2A1の第1端は第2ポートの端子T2に接続されている。導体L2A1の第2端はビア導体V5を介して導体L2A2の第1端に接続されている。導体L2A2の第2端はビア導体V6を介して導体L2A3の第1端に接続されている。導体L2A3の第2端は導体L2B1の第1端に接続されている。導体L2A3の第2端および導体L2B1の第1端はビア導体V7を介して導体L2B2の第1端に接続されている。導体L2B1の第2端はビア導体V8を介して導体L2B2の第2端に接続されている。導体L2B2の第2端は導体L2Cの第1端に接続されている。導体L2Cの第2端はグランド端子GNDに接続されている。
上記導体L1A1,L1A2,L1A3,L1B1,L1B2,L1Cおよびビア導体V1,V2,V3,V4によって第1コイルL1が構成される。また、上記導体L2A1,L2A2,L2A3,L2B1,L2B2,L2Cおよびビア導体V5,V6,V7,V8によって第2コイルL2が構成される。第1コイルL1、第2コイルL2は共に矩形ヘリカル状のコイルである。
積層体100の各基材層はLTCC(LowTemperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)等で構成された非磁性セラミック積層体であってもよいし、ポリイミドや液晶ポリマ等の樹脂材料で構成した樹脂積層体であってもよい。このように、基材層が非磁性体であることにより(磁性体フェライトではないので)、700MHzを超える高周波数帯でも所定インダクタンス、所定結合係数のトランスおよび移相器として用いることができる。
上記導体パターンおよび層間接続導体は、AgやCuを主成分とする比抵抗の小さな導体材料によって構成される。基材層がセラミックであれば、例えば、AgやCuを主成分とする導電性ペーストのスクリーン印刷および焼成により形成される。また、基材層が樹脂であれば、例えば、Al箔やCu箔等の金属箔がエッチング等によりパターニングされることにより形成される。
第1コイルL1および第2コイルL2は、ほぼ同一の内外径を有し、コイル巻回軸CAが同じ(同軸)関係にある。そのため、第1コイルL1および第2コイルL2の巻回数が少ないながらも、すなわち小型でありながらも、適度に結合係数kが高いトランスが得られる。また、第1コイルL1と第2コイルL2との間に、大きなコイル間容量を生じさせることができ、所定容量の第3キャパシタンス素子C3を構成できる。
図6(A)は、本実施形態のトランス型移相器11の回路図である。ここで、第1コイルL1および第2コイルL2でトランスが構成される。
第1キャパシタンス素子C1は、主に基材S2,S3,S4,S5に形成されている導体の層間に生じる浮遊容量で構成される。同様に、第2キャパシタンス素子C2は、主に基材S6,S7,S8,S9に形成されている導体の層間に生じる浮遊容量で構成される。また、第3キャパシタンス素子C3は、主に第1コイルL1と第2コイルL2との間に生じるコイル間浮遊容量であり、特に主に、導体L1A1と導体L2A1との間に生じる容量で構成される。
第1コイルL1および第2コイルL2を構成する複数の導体の層間距離を狭めることで、キャパシタンス素子C1,C2,C3を浮遊容量のみで構成すれば、第1コイルL1および第2コイルL2の自己インダクタンスおよび相互インダクタンスを高めることができる。
なお、第1キャパシタンス素子C1、第2キャパシタンス素子C2および第3キャパシタンス素子C3の少なくともいずれかは浮遊容量とともに実部品で構成されていてもよい。
図6(B)は、トランス型移相器11を、理想トランスITと寄生インダクタンスとに分けて表した等価回路図である。インダクタLa,Lcは直列寄生インダクタンス成分、インダクタLbは並列寄生インダクタンス成分をそれぞれ表している。
上記寄生インダクタンス成分(インダクタLa,Lb,Lc)によって、トランスのインダクタンスは規定値(例えば50Ω)から外れてしまうが、キャパシタンス素子C1,C2,C3を備えることで、トランスのインピーダンスが規定値に調整される。特に、キャパシタンス素子C1,C2は並列寄生インダクタンス成分Lbによるインピーダンスのずれを補正するように作用し、キャパシタンス素子C3は直列寄生インダクタンス成分La,Lcによるインピーダンスのずれを補正するように作用する。
なお、図4に示したビア導体V3,V4の位置によって、図6(A)に示す第1コイルL1に占める、導体L1B1,L1B2の並列接続部の割合が定まる。同様に、図4に示したビア導体V7,V8の位置によって、図6(A)に示す第2コイルL2に占める、導体L2B1,L2B2の並列接続部の割合が定まる。したがって、これらビア導体V3,V4の位置によって第1コイルL1のインダクタンスを微調整でき、ビア導体V7,V8の位置によって第2コイルL2のインダクタンスを微調整できる。
上記導体L1B1,L1B2の並列接続部には電流が分散して流れるのに対し、導体L1A1にはそのような電流の分散がない。同様に、導体L2B1,L2B2の並列接続部には電流が分散して流れるのに対し、導体L2A1にはそのような電流の分散がない。
第1コイルL1と第2コイルL2とは、積層方向に近接している導体部分が結合に最も寄与する。すなわち、全周に亘って積層方向に対向する導体L1A1,L2A1部分が、第1コイルL1と第2コイルL2の結合に寄与する。上述したように、この導体L1A1,L2A1部分には上記並列接続部による電流の分散が無いので、第1コイルL1と第2コイルL2との結合度は高い。
このように、並列接続部を、相手側コイルの導体パターンに対し積層方向で離れた位置に設けることで、並列接続部を設けることによる結合度の低下が抑制される。
また、端子T1,T2に接続される導体L1A1,L2A1を積層方向の中央付近に配置し、グランド端子GNDが接続される導体L1C,L2Cを積層方向の上下に配置することにより、複雑な構造とならずに、第1コイルL1と第2コイルL2とが磁束を共有するトランスを構成でき、さらにキャパシタンス素子C3の調整が容易になる、という効果を奏する。
図7はトランスTによる移相作用をスミスチャート上に示す図である。トランス比1:1で、且つ寄生成分の無いトランス(トランス比1:1の理想トランス)であれば、そのトランスの第1ポートP1から見たインピーダンスも第2ポートP2から見たインピーダンスもスミスチャート上の中心にプロットされる。但し、ポートP1−P2間の位相差は180°である。図7中の半円状の矢印はそのことを表している。
図8は本実施形態のトランス型移相器11の移相量の周波数特性を示す図である。図8において横軸は周波数、縦軸は移相量である。移相量は±180°の範囲で表している。この例では、マーカーm1は周波数1GHzにおける移相量、マーカーm2は周波数1.9GHzにおける移相量をそれぞれ示している。図8の表記では、上辺の180°から読み取り値を減じた値に180°を加算した値が移相量である。すなわち、移相量は1GHzで180°+65°=245°、1.9GHzで180°+115°=295°である。
このように、周波数が約2倍異なっていても、移相量は約1.2倍になるだけ(2割変化するだけ)である。
図9は本実施形態のトランス型移相器11の挿入損失の周波数特性を示す図である。周波数1GHzで約−0.4dB、周波数1.9GHzで約−0.3dBであり、低挿入損失特性が得られる。この例で、周波数1GHzより周波数1.9GHzで挿入損失がより低下しているのは、トランスTを介さずに、第3キャパシタンス素子C3を直接通過する信号成分が増大するためである。
なお、第1キャパシタンス素子C1や第2キャパシタンス素子C2は、コイルの線間容量だけに限らず、コイル以外の導体パターンで構成してもよい。さらには外付け部品としてのキャパシタを接続してもよい。また、第3キャパシタンス素子C3は、コイル間容量だけに限らず、コイル以外の導体パターンで構成してもよい。さらには外付け部品としてのキャパシタを接続してもよい。
《第2の実施形態》
図10(A)(B)は第2の実施形態に係る移相回路30A,30Bの構成を示すブロック図である。移相回路30A,30Bは給電回路9とアンテナ1との間に接続されている。移相回路30Aは、トランス型移相器10と、トランス型移相器10に対して直列に接続された移相線路20とで構成されている。また、移相回路30Bは、移相線路20と、移相線路20に対して直列に接続されたトランス型移相器10とで構成されている。トランス型移相器10の基本構成は第1の実施形態で示したトランス型移相器11と同じである。移相線路20は移相量90°未満の移相線路である。
移相回路30A,30Bはトランス型移相器10による移相量と移相線路20による移相量とを加算した位相角だけ、ポートP1−P2間に位相差をもたせる。
トランスの寄生インダクタンス成分によるインピーダンスのずれを、並列接続のキャパシタンス素子および直列接続のキャパシタンス素子を付加することにより微調整した後の移相量をαで表すと、トランス型移相器10の移相量は180°+αである。移相線路20による移相量をβとすると、移相回路30A,30Bの移相量は、180°+α+βである。
このように、移相線路20を付加することで180°を大きく超える移相を行うことができ、トランス型移相器10による上記αの移相量で全体の移相量を微調整できる。
なお、図10(A)(B)において、移相回路30A,30Bとアンテナ1との間にアンテナ整合回路が設けられていてもよい。
図11(A)(B)(C)(D)は、4つの移相回路31,32,33,34の回路構成を示す図である。図11(A)(B)(C)(D)において、移相線路21,22等は分布定数回路であるが、これらを集中定数回路で表している。各移相線路は、いずれも伝送線路に対してシリーズ接続されたインダクタLd1,Ld2、およびグランドに対してシャント接続されたキャパシタCd1,Cd2を備える。
図11(A)の例では、トランス型移相器11と移相線路21とで移相回路31が構成されている。トランス型移相器11は、第1の実施形態で図1に示したものと同じである。
図11(B)の例では、トランス型移相器主要部11Bと移相線路22とで移相回路32が構成されている。移相線路22の一部であるキャパシタンス素子C2とトランス型移相器主要部11Bとでトランス型移相器が構成されている。
図11(C)の例では、トランス型移相器主要部11C、キャパシタンス素子C2および移相線路21で移相回路33が構成されている。トランス型移相器主要部11Cと外付け部品であるキャパシタンス素子C2とでトランス型移相器が構成されている。
図11(D)の例では、図11(A)に示した移相回路が単一の部品として構成されている。
なお、上記移相線路20は、伝送線路(50Ω線路)の電気長を定めることによって移相量を設定したものであってもよいし、インダクタやキャパシタ等の集中定数素子またはLC回路を付加することで移相量を調整したものであってもよい。
上述のとおり、図10(A)(B)に示す移相回路30A,30Bの移相量は180°+α+βであるが、トランス型移相器に含まれるトランスの寄生成分(並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分)が大きいと(結合係数kが小さいと)、上記αを大きくすることができる。しかし、キャパシタンス素子C1,C2,C3等のインピーダンス調整用回路でインピーダンスを整合させる場合、広帯域に亘るインピーダンス整合は困難になる(周波数スイープにより描かれるインピーダンス軌跡をスミスチャートの中心付近に集めることが困難になる)。そのため、適用する周波数帯域が広い場合には、上記αは小さめにし、その分、βで所定の移相量を得ることが好ましい。そのことで、インピーダンス整合を保ちつつ移相できる。逆に、適用周波数帯が狭帯域である場合には、αを大きめにし、その分βを小さくすればよい。そのことで、周波数に対する移相量変化が抑えられる。例えば、広帯域で用いる場合には、トランスTの結合係数kを0.5≦k<1.0の範囲で定め、狭帯域で用いる場合には、トランスTの結合係数kを0.3≦k<1.0の範囲で定める。
《第3の実施形態》
図12は第3の実施形態に係るトランス型移相器13の回路図である。第1の実施形態で、図1、図2(A)(B)等に示した例では、インピーダンス変換比1:1のトランスを用いる移相器を示したが、インピーダンス変換比は1:n(nは1以外の値)であってもよい。例えばn<1であれば、給電回路のインピーダンスより低いインピーダンスのアンテナを給電回路のインピーダンスに整合させることができる。したがって、本実施形態によれば、所定の移相と共にインピーダンス整合を行うことができる。
《第4の実施形態》
図13は第4の実施形態に係るトランス型移相器14の回路図である。本実施形態のトランス型移相器14は、互いに磁界結合する第1コイルL1と第2コイルL2とで構成されるオートトランス型のトランスを備えている。第1ポートP1とグランドとの間に第1キャパシタンス素子C1、第2ポートP2とグランドとの間に第2キャパシタンス素子C2がそれぞれ接続されている。また、第1ポートP1と第2ポートP2との間に第3キャパシタンス素子C3が接続されている。
本実施形態のように、オートトランス型のトランスについても、第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数が1未満であることにより、並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分が生じる。そして、キャパシタンス素子C1,C2,C3によって、インピーダンスを整合させることになる。
《第5の実施形態》
第5の実施形態では通信端末装置について示す。図14は第5の実施形態に係る通信端末装置200のブロック図である。本実施形態の通信端末装置200は、アンテナ1、アンテナ整合回路40、移相回路30、通信回路41、ベースバンド回路42、アプリケーションプロセッサ43および入出力回路44を備えている。通信回路41はローバンド(700MHz〜1.0GHz)とハイバンド(1.4GHz〜2.7GHz)についての送信回路および受信回路、さらにはアンテナ共用器を備えている。アンテナ1は、ローバンドとハイバンドに対応するモノポールアンテナまたは逆F型アンテナである。
上記構成要素は1つの筐体内に収納されている。例えば、アンテナ整合回路40、移相回路30、通信回路41、ベースバンド回路42、アプリケーションプロセッサ43はプリント配線板に実装され、プリント配線板は筐体内に収納される。入出力回路44は表示・タッチパネルとして筐体に組み込まれる。アンテナ1はプリント配線板に実装されるか、筐体の内面または内部に配置される。
以上に示した構成により、広帯域に亘って整合するアンテナを備える通信端末装置が得られる。
なお、図14に示したように、移相回路30はマルチバンドの通信信号経路に挿入する構成以外に、例えば、ローバンド(700MHz〜1.0GHz)およびハイバンド(1.4GHz〜2.7GHz)の一方のラインに適用してもよい。
なお、以上に示した実施形態では、トランスのインピーダンスを調整するインピーダンス調整用回路を3つのキャパシタンス素子C1,C2,C3で構成する例を示した。インピーダンス調整用回路は、トランスの寄生成分である並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分によるインピーダンスの変位を補正または積極的に修正するための回路であるので、3つのキャパシタンス素子に限らない。トランスに所定のリアクタンス素子を並列または直列接続することにより、トランスTのインピーダンスを微調整すればよい。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形および変更が適宜可能である。例えば、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
C1…第1キャパシタンス素子
C2…第2キャパシタンス素子
C3…第3キャパシタンス素子
CA…コイル巻回軸
Cd1,Cd2…キャパシタ
IT…理想トランス
L1…第1コイル
L2…第2コイル
L1a,L1b,L1c…導体パターン
L2a,L2b,L2c…導体パターン
La,Lb,Lc…インダクタ
Ld1,Ld2…インダクタ
P1…第1ポート
P2…第2ポート
S1〜S9…基材
T…トランス
T1,T2…端子
GND…グランド端子
NC…空き端子
1…アンテナ
9…給電回路
10,11,13,14…トランス型移相器
11B,11C…トランス型移相器主要部
21,22…移相線路
30,30A,30B,31,32,33,34…移相回路
40…アンテナ整合回路
41…通信回路
42…ベースバンド回路
43…アプリケーションプロセッサ
44…入出力回路
100…積層体
200…通信端末装置
(1)本発明のトランス型移相器は、
第1コイルおよび前記第1コイルに対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルを有し、前記第1コイルと前記第2コイルとの結合によって生じる寄生インダクタンス成分である並列インダクタンス成分および前記第1コイルと前記第2コイルとの結合係数が1未満であることにより生じる寄生インダクタンス成分である直列インダクタンス成分を含むトランスと、
前記並列インダクタンス成分および前記直列インダクタンス成分により生じる、インピーダンスの規定値からのずれ分を補正するためのリアクタンス素子を含むインピーダンス調整用回路と、
を備えることを特徴とする。
(3)本発明のトランス型移相器は、
第1コイルおよび前記第1コイルに対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルを有し、第1ポートと第2ポートとの間に接続されたトランスと、
記第1ポートとグランドとの間に接続された第1キャパシタンス素子と、
記第2ポートとグランドとの間に接続された第2キャパシタンス素子と、
記第1ポートと前記第2ポートとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、
を備えることを特徴とする。前記第1キャパシタンス素子、前記第2キャパシタンス素子および前記第3キャパシタンス素子の少なくともいずれかは前記トランスの浮遊容量で構成されてもよいし、浮遊容量とともに実部品で構成されていてもよい。
)本発明の移相回路は、上記(1)から()のいずれかに記載のトランス型移相器と、前記トランス型移相器に対して直列に接続された、移相量90°未満の移相線路とを備えることを特徴とする。この構成により、180°を超える広範囲に亘り、且つ微調整された所定の移相が可能となる。もちろん、前記移相線路は、基板とその基板に形成された導体パターンとで構成されてもよい。
)本発明の通信端末装置は、電力増幅回路を有する給電回路と、前記給電回路に接続されるアンテナ素子と、を備える通信端末装置であって、
前記給電回路と前記アンテナ素子との間に、上記(1)から()のいずれかに記載のトランス型移相器または上記()に記載の移相回路を備えることを特徴とする。これにより、アンテナを含む送信回路系において高効率化または小型化が図れる。
図7はトランスTによる移相作用をスミスチャート上に示す図である。トランス比1:1で、且つ寄生成分の無いトランス(トランス比1:1の理想トランス)であれば、第1ポートP1から見たインピーダンスも第2ポートP2から見たインピーダンスもスミスチャート上の中心にプロットされる。但し、ポートP1−P2間の位相差は180°である。図7中の半円状の矢印はそのことを表している。

Claims (10)

  1. 第1コイルおよび前記第1コイルに対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルを有し、並列インダクタンス成分および直列インダクタンス成分を含むトランスと、
    前記トランスのインピーダンスを整合させるためのリアクタンス素子を含むインピーダンス調整用回路と、
    を備えたトランス型移相器。
  2. 前記インピーダンス調整用回路は、
    前記第1コイルに並列に接続された第1キャパシタンス素子と、
    前記第2コイルに並列に接続された第2キャパシタンス素子と、
    前記第1コイルと前記第2コイルとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、
    を含む、請求項1に記載のトランス型移相器。
  3. 第1コイルおよび前記第1コイルに対して結合係数1未満で磁界結合する第2コイルを有し、第1ポートと第2ポートとの間に接続されたトランスと、
    前記トランスの第1ポートとグランドとの間に接続された第1キャパシタンス素子と、
    前記トランスの第2ポートとグランドとの間に接続された第2キャパシタンス素子と、
    前記トランスの第1ポートと第2ポートとの間に接続された第3キャパシタンス素子と、
    を備えた、トランス型移相器。
  4. 前記トランスは、複数の基材層が積層された単一の積層体内に設けられ、前記第1コイルおよび前記第2コイルは前記基材層に形成された導体パターンで構成される、請求項2または3に記載のトランス型移相器。
  5. 前記第1コイルおよび前記第2コイルは、実質的に同一の内外径を有し、コイル軸が同軸関係にある、請求項4に記載のトランス型移相器。
  6. 前記第3キャパシタンス素子は、主に前記第1コイルと前記第2コイルとの間に生じるコイル間容量で構成される、請求項2から5のいずれかに記載のトランス型移相器。
  7. 前記第1キャパシタンス素子は、主に前記第1コイルの線間容量で構成され、前記第2キャパシタンス素子は、主に前記第2コイルの線間容量で構成される、請求項2から6のいずれかに記載のトランス型移相器。
  8. 前記第1コイルと前記第2コイルによるトランス比は1:n(nは1以外の値)である、請求項1から7のいずれかに記載のトランス型移相器。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のトランス型移相器と、前記トランス型移相器に対して直列に接続された、移相量90°未満の移相線路とを備える、移相回路。
  10. 電力増幅回路を有する給電回路と、前記給電回路に接続されるアンテナ素子と、を備える通信端末装置であって、
    前記給電回路と前記アンテナ素子との間に、請求項1から8のいずれかに記載のトランス型移相器または請求項9に記載の移相回路を備えた、通信端末装置。
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