JPWO2016114122A1 - イムノクロマトグラフキット - Google Patents

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Abstract

【課題】専用の分析装置を必要としない高感度な測定を実現するイムノクロマトグラフキットを提供する。【解決手段】試料液を展開させる不溶性担体(2)、被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質を含む標識保持パッド(3)、第1の増幅液(41)を不溶性担体(2)に送液する送液用パッド(4)、および不溶性担体(2)の他端に接触して配置された吸収パッド(5)を備え、不溶性担体(2)の標識保持パッド(3)と吸収パッド(5)との間に、被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域(L1)、第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域(L2)、第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域(L3)を標識保持パッド側から順に有する検査用ストリップ(1)と、送液用パッド(4)の下方に配置された、第1の増幅液(41)を封入した第1のポット(40)と、吸収パッド(5)の上方に配置された、第2の増幅液(51)を封入した第2のポット(50)とをハウジングケース(9)内に備える。【選択図】図1

Description

本発明は、検出感度を高めるためのシグナル増幅操作を行うイムノクロマトグラフキットに関する。
免疫測定方法の中でもイムノクロマトグラフ法は、操作が簡便であり短時間で測定可能であることから、簡易な被検物質検出方法として一般に広く利用されている。
イムノクロマトグラフ法においては、被検物質が含まれているにも関わらず感度が低いために検出されず偽陰性を示すという問題を回避するために、検出シグナルを増幅させる技術が提案されている。検出シグナルを増幅させる方法としては、増幅を触媒する液と増幅を行う液の2種類の液を用いる方法が知られている。特に、金属コロイドあるいは金属硫化物などからなる標識に、銀イオンを含む溶液および銀イオン還元剤を含む溶液を反応させて増感する方法が、高感度で簡便に被検物質量を測定する技術として有望である。このような増幅を用いたイムノクロマトグラフ法が特許文献1〜4などに記載されている。
上記した検出シグナルの増幅方法においては、銀イオン還元剤を含む溶液のような増幅を触媒する液と、銀イオンを含む溶液のような増幅を行う液との2種類の液を供給するタイミング、液を供給する方法や供給位置を制御する必要がある。液の流れる方向や液の供給タイミングを規定しないと増幅反応が正常に行われなかったり、バックグラウンドシグナルが増大したりし、被検物質を適切に検出することができない場合がある。したがって、2種類の液を供給するタイミング、方法、位置を精度よく制御するには、専用装置を使用して測定を制御することが繰り返し再現性などの精度を保証する上で好ましい。
特許文献1においては、増幅を行う液の展開方向を検体溶液の展開方向に対して90°とする方法が採用されているが、液の供給タイミングについての詳細は言及されていない。他方、特許文献2には、上記の液の供給タイミングを規定して、再現性よく、高感度な検出を可能とする専用の分析装置が開示されている。
特開2011−99724号公報 特開2012−103150号公報 特開2013−213803号公報 特開2014−066674号公報
しかしながら、特許文献2に記載のような分析装置は、緊急災害時などの電気のインフラが停止した状況や、電気の通じていない環境では使用できない。したがって、このような非常時、あるいは分析装置が設置されていない環境下において、複数の液を利用した増幅技術による高感度な測定を行っても、良好な繰り返し再現性や精度よい測定が実現できないという問題がある。
シグナル増幅のためには、イムノクロマトグラフ担体上の増幅させたい部位が上述の2液のうちの第1の液で満たされた後に、第2の液を供給して増幅させる場合がある。特許文献3には、第2の液の供給タイミングのずれによる増幅不良が生じることを防止するために、クロマトグラフ担体上の増幅させたい部位が第1の液で満たされていることを容易に確認できるように、第1の液を検出するための領域を設けたクロマトグラフキットが開示されている。
また、特許文献4には、特許文献3と同様の構成のクロマトグラフキットにおいて、被検試料のクロマトグラフ担体への添加と第1の液の添加タイミングを規定することにより、正常な増幅反応を行うことを可能とする方法が開示されている。
一方で、特許文献3、4に記載のクロマトグラフキットにおいて、シグナル増幅のための第1および第2の液は、クロマトグラフキットのクロマトグラフ担体を内包するハウジングケースに設けられた充填孔から注入される構成となっており、第1および第2の液はハウジングケース内に一体としては構成されていない。
しかしながら、イムノクロマトグラフキットとして、少なくとも測定に必要な化学物質として増幅のための液がキットに一体として構成されていないと、上述したような緊急災害時や、各種のインフラが停止した状況や、電気の通じていない環境や装置を設置していない環境などにおいての高感度な測定を実現することは難しい。
第1の本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、専用の分析装置を必要としない高感度な測定を実現するイムノクロマトグラフキットを提供することを目的とする。
また、上述のような信号増幅を行うイムノクロマトグラフ法においては、試料液、増幅のための2種類の液をイムノクロマトグラフ担体に供給する必要があり、増幅しない測定法の場合と比べて供給される液量が多い。したがって、イムノクロマトストリップの長さや液体を吸収するパッド(吸収パッド)の吸水力によっては、不当に検査時間が長くなってしまうという問題がある。病院など、診療現場で測定を行うPOCT(Point of care testing)では、検査時間が長くなってしまうことは望ましくない。
第2の本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、専用の分析装置を必要としない高感度な測定を、適切な検査時間内に実現するイムノクロマトグラフキットを提供することを目的とする。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットは、試料液中の被検物質を検出するイムノクロマトグラフキットであって、
試料液を展開させる不溶性担体、不溶性担体上に固定された被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質を含む標識保持パッド、不溶性担体の一端に接触して配置された第1の増幅液を不溶性担体に送液する送液用パッド、および不溶性担体の他端に接触して配置された吸収パッドを備え、不溶性担体の標識保持パッドと吸収パッドとの間に、被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域、第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域、第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域を標識保持パッド側から順に有する検査用ストリップと、
送液用パッドの下方に配置された、第1の増幅液を封入した第1のポットと、
吸収パッドの上方に配置された、第2の増幅液を封入した第2のポットと、
検査用ストリップ、第1のポット、および第2のポットを内包し、標識保持パッドを臨む試料液滴下用開孔を有するハウジングケースとを備えたイムノクロマトグラフキットである。
なお、ここで、第2の増幅液は第1の増幅液とは異なる溶液であり、第1の増幅液と共に標識物質に作用して標識からのシグナルを増幅する効果を奏するものである。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットは、ハウジングケースを、開口を有する上部ケースと、検査用ストリップが配置される収容部を有する下部ケースと、上部ケースおよび下部ケースの間に配置される中間部材とからなるものとし、中間部材が、第2のポットを受容し、第2の増幅液を流下させるための孔を底面に備えたポット収容部を有することが好ましい。
上記において、第1のポットおよび第2のポットが、それぞれシート部材を備えた一面を有していることが望ましい。ここで、シート部材とは外的な押圧作用により破断可能なシートからなるものとする。
このとき、中間部材のポット収容部内に、第2のポットのシート部材を破断する突起部を、第2のポットのシート部材に面して備え、
突起部によりシート部材が破断される位置まで、第2のポットを突起部に対して相対的に移動させる可動部材を備えていることが好ましい。
ここで、「相対的に移動させる」とは、第2のポットを突起部に向けて移動させるものであってもよいし、突起部を第2のポットに向けて移動させるものであってもよいし、さらには第2のポットおよび突起部の双方を互いに向けて移動させるものであってもよいことを意味する。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットは、第1のポットのシート部材を備えた一面が送液用パッドに面して配置されており、
送液用パッドを介して第1のポットのシート部材と対向する位置に配置され、外部からの押圧力により送液用パッドを押圧して変位させて、第1のポットのシート部材を破断させて第1のポットの内部に送液用パッドを押し込む可動部材を備えていることが好ましい。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットは、標識保持パッドの少なくとも2辺がフィルム状固定部材により覆われて不溶性担体に固定されており、標識保持パッドの、ハウジングケースの試料液滴下用開孔に臨む領域は、フィルム状固定部材に覆われていないことが望ましい。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の増幅液を銀イオンのための還元剤液とし、第2の増幅液を銀イオンを含む溶液とすることが好ましい。
ここで、第1の増幅液が、2価の鉄イオンを含む溶液であることが特に好ましい。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、増幅指標領域に含まれる、第1の増幅液と反応する物質が、プロトンを介して反応する物質であることが好ましい。
また、標識保持パッドに含まれる、不溶性担体上に固定された被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質としては、金属コロイドが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットは、試料液中の被検物質を検出するイムノクロマトグラフキットであって、
試料液を展開させる不溶性担体、不溶性担体上に固定された被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質を含む標識保持パッド、不溶性担体の一端に接触して配置された第1の増幅液を不溶性担体に送液する送液用パッド、および不溶性担体の他端に接触して配置された吸収パッドを備え、不溶性担体上の標識保持パッドと吸収パッドとの間に、被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域を有する検査用ストリップと、
送液用パッドの下方に配置された、第1の増幅液を封入した第1のポットと、
吸収パッドの上方に配置された、第2の増幅液を封入した第2のポットと、
検査用ストリップ、第1のポット、および第2のポットを内包するハウジングケースとを備え、
ハウジングケースが、検査用ストリップが配置される収容部を備えた下部ケースと、下部ケースと嵌合する上部ケースと、上部ケースおよび下部ケースの間に配置される流路形成部材とを備え、
流路形成部材は、不溶性担体の表面との間に、不溶性担体上に滴下される第2の増幅液を検査領域上に導く間隙を形成する一面を有するものであり、
吸収パッドの吸水力が45μL/分以上90μL/分以下であり、
検査用ストリップにおいて送液用パッド側を上流、吸収パッド側を下流としたとき、不溶性担体の一端と吸収パッドの上流側の端との距離が44mm以上64mm以下であり、
流路形成部材の上記一面の上流側の端と、標識保持パッドの下流側の端との距離が1mm以上19mm以下である。
なお、ここで、第2の増幅液は第1の増幅液とは異なる溶液であり、第1の増幅液と共に標識物質に作用して標識からのシグナルを増幅する効果を奏するものである。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第2の増幅液を検査領域上に導く上記間隙が、0.01mm以上1.00mm以下であることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、標識保持パッドの上流側の端と送液用パッドの下流側の端との距離が12mm以上30mm以下であることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、不溶性担体の一端と吸収パッドの上流側の端との距離が49mm以上59mm以下であることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、吸収パッドの吸水力が65μL/分以上75μL/分以下であることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、不溶性担体上の検査領域と吸収パッドとの間に、第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域、第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域を検査領域側から順に有することが好ましい。
上記増幅指標領域に含まれる、第1の増幅液と反応する物質が、プロトンを介して反応する物質であることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、上部ケースと下部ケースとの間に配置される中間部材を備え、中間部材が、第2のポットを受容し、第2の増幅液を不溶性担体上に滴下させるための孔を底面に備えたポット収容部を有することが好ましい。
なお、中間部材は、流路形成部材と一体的に形成されていることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第2の増幅液を、不溶性担体の検査領域よりも下流側に滴下されるように構成することが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の増幅液を銀イオンのための還元剤液とし、第2の増幅液を銀イオンを含む溶液とすることが好ましい。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットにおいては、第1の増幅液を2価の鉄イオンを含む溶液とすることが好ましい。
また、標識保持パッドに含まれる、不溶性担体上に固定された被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質としては、金属コロイドが好ましい。
第1の本発明のイムノクロマトグラフキットは、シグナル増幅のための第1の増幅液が封入された第1のポットおよび第2の増幅液が封入された第2のポットを検査ストリップと共にハウジングケース内に備えているので、第1および第2の増幅液を外部から注入するために別途用意する必要がなく1本のイムノクロマトグラフキットのみでシグナル増幅による高感度な検出を行うことができる。また、不溶性担体に第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域を備えており、第2の増幅液の供給タイミングを視覚的に認識することができるため、専用の分析装置がなくても、増幅反応を正常に行うことができる。したがって本発明のイムノクロマトグラフキットは専用の分析装置を備えていない、あるいは分析装置が使用できない非常時、災害時等において特に有用である。
また、第1の増幅液のポットを送液用パッドの下方に備えた構成であるため、第1の増幅液の送液は、送液用パッドを第1の増幅液中に浸すことにより、送液用パッド中を毛細管現象により浸透して、標識保持パッド側へと展開させることができるので、送液用パッドの内部から第1の増幅液を展開させることができる。送液用パッドの上方から増幅液を滴下させる場合に比して、不溶性担体の内部に確実に第1の増幅液を浸透させることができ、より高い増幅効果を得ることができる。
第2の本発明のイムノクロマトグラフキットは、シグナル増幅のための第1の増幅液が封入された第1のポットおよび第2の増幅液が封入された第2のポットを検査用ストリップと共にハウジングケース内に備えているので、第1および第2の増幅液を外部から注入するために別途用意する必要がなく1本のイムノクロマトグラフキットのみでシグナル増幅による高感度な検出を行うことができる。本発明のイムノクロマトグラフキットは専用の分析装置を備えていない、あるいは分析装置が使用できない非常時、災害時等において特に有用である。
また、第1の増幅液のポットを送液用パッドの下方に備えた構成であるため、第1の増幅液の送液は、送液用パッドを第1の増幅液中に浸すことにより、送液用パッド中を毛細管現象により浸透させて標識保持パッド側へと展開させることができるので、送液用パッドの内部から第1の増幅液を展開させることができる。送液用パッドの上方から増幅液を滴下させる場合に比して、不溶性担体の内部に確実に第1の増幅液を浸透させることができ、より高い増幅効果を得ることができる。
ハウジングケースが、検査用ストリップが配置される収容部を備えた下部ケースと、下部ケースと嵌合する上部ケースと、上部ケースおよび下部ケースの間に配置される流路形成部材とを備え、流路形成部材は、不溶性担体の表面との間に、不溶性担体上に滴下される第2の増幅液を検査領域上に導く間隙を形成する一面を有するものであり、吸収パッドの吸水力が45μL/分以上90μL/分以下であり、検査用ストリップにおいて送液用パッド側を上流、吸収パッド側を下流としたとき、不溶性担体の一端と吸収パッドの上流側の端との距離が44mm以上64mm以下であり、流路形成部材の上記一面の上流側の端と、標識保持パッドの下流側の端との距離が1mm以上19mm以下であるので、検査時間が長くなりすぎることなく、POCTに適した検査時間を実現することができる。
本発明のイムノクロマトグラフキットの一実施形態の態様を示す分解概略斜視図である。 検査用ストリップおよび流路形成部材と一体的に形成された中間部材の位置関係を示す概略側面図である。 イムノクロマトグラフキットのハウジングケースの試料液滴下用開孔の部分を示す概略平面図である。 イムノクロマトグラフキットのハウジングケースの試料液滴下用開孔の部分を示す概略平面図である。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの可動部材の押圧前の概略断面図である。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの可動部材の押圧後の概略断面図である。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの中間部材の上部ケース側の構成を示す概略斜視図である。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの中間部材の下部ケース側の構成を示す概略斜視図である。 図1に示すイムノクロマトグラフキットの中間部材の下部ケース側の面を示す概略底面図である。 イムノクロマトグラフキットの第1の可動部材の一態様を示す概略断面図である。 イムノクロマトグラフキットの第1の可動部材の他の態様を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜変化させてある。なお、以下に説明する本実施形態は、第1の本発明の実施形態であり、また、第2の本発明の実施形態でもある。
図1は、本発明の実施形態にかかるイムノクロマトグラフキット100の分解概略斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のイムノクロマトグラフキット100は、試料液を展開させるための不溶性担体2を含む検査用ストリップ1と、シグナル増幅のための第1の増幅液を封入した第1のポット40と、第2の増幅液を封入した第2のポット50とが、ハウジングケース9に内包されてなる。ハウジングケース9は、不溶性担体2が載置される不溶性担体収容部11を備えた下部ケース10と、下部ケース10と嵌合する上部ケース20と、上部ケース20と下部ケース10との間に配置される流路形成部材65とを備えている。なお、本実施形態においては、上部ケース20は、検査用ストリップ1上の所定位置に試料液滴下用開孔21を有するものである。
図2は検査用ストリップ1および流路形成部材65の配置を示す概略側断面図である。
流路形成部材65は、不溶性担体2の表面2Sとの間に、不溶性担体2上に滴下される第2の増幅液を後述の検査領域上に導く間隙60を形成する一面62を有するものであり、本実施形態においては、第2のポット50を受容し、第2の増幅液51を不溶性担体2上に滴下させるための増幅液充填孔34を底面に備えたポット収容部32を有している中間部材30と一体的に形成されている。なお、ポット収容部32を有する中間部材30と、流路形成部材65とは、別体として構成されていてもよいが、一体的に構成されていることにより、部品数を抑制することができ好ましい。以下、本実施形態においては、中間部材30は流路形成部材65を含むものとして、すなわち、流路形成部材65は中間部材30の一部を構成するものとして説明する。すなわち、本実施形態においては、ハウジングケース9は、検査用ストリップ1が載置されるストリップ収容部11を有する下部ケース10と、検査用ストリップ1上の所定位置に試料液滴下用開孔21を有する上部ケース20と、下部ケース10と上部ケース20との間に配置される中間部材30とにより構成される。
図1においては、内部を理解しやすくするためにハウジングケース9が上部ケース20、中間部材30および下部ケース10の部品に分けて示されているが、実際に使用する際は、これらの部品を嵌合させて一体として使用する。
検査用ストリップ1は、図2に示すように、試料液を展開させる不溶性担体2と、不溶性担体2上に固定された被検物質に結合可能な第1の物質で修飾された標識物質を含む標識保持パッド3と、不溶性担体2の一端2aに接触して配置された第1の増幅液41を不溶性担体2に送液する送液用パッド4と、不溶性担体2の他端に接触して配置された吸収パッド5とを備えている。不溶性担体2はバック粘着シート7上に固定されて支持されている。そして、不溶性担体2は、標識保持パッド3と吸収パッド5との間に、被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域L、第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域L、第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域Lを標識保持パッド3側から順に有する。
なお、本明細書において検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lが形成されてなる不溶性担体2をクロマトグラフ担体と称する場合がある。また、本明細書においては、図1、2記載のように送液用パッド4側を上流、吸収パッド5側を下流として定義している。また、図1の紙面における上下方向により上部、下部を定義する。
本実施形態においては、不溶性担体2の上記一端2aである上流側の端(以下において、上流端2a)と吸収パッド5の上流側の端(上流端)5aとの距離Aは44mm以上64mm以下である。この距離Aが44mm以上であれば、増幅後の感度が良好であり、64mm以下であれば、検査時間を15分以下とすることが可能となるため、好ましい。より好ましい範囲は49mm以上59mm以下である。
本実施形態においては、吸収パッド5の吸水力は、45μL/分以上90μL/分以下である。吸収パッド5としては、不溶性担体2に供給された試料液と、第1の増幅液41、および第2の増幅液51を吸収し、短時間で検査を完了させるために吸収速度の速い(吸水力の大きい)パッドを使用する必要がある。45μL/分以上であれば、検査時間を15分以下とすることが可能となり、90μL/分以下であれば、吸収パッドとしての厚みが嵩みすぎることなくコンパクトなキットを構成できるため好ましい。より好ましい範囲は65μL/分以上75μL/分以下である。なお、吸水力の定義および測定方法については後記する。
流路形成部材65の、不溶性担体2の表面2Sとの間に間隙60を形成する一面62の上流側の端(上流端)64と、標識保持パッド3の下流側の端(下流端)3bとの距離Bが、1mm以上19mm以下である。この距離Bが1mm以上であれば、標識保持パッド3上に滴下される試料液が間隙60に入り込むのを抑制することができ、増幅異常の発生を回避できるので好ましく、19mm以下であれば、検査時間を15分以内とすることが可能となるので好ましい。なおここで、一面62の上流端64は不溶性担体2の表面2Sと流路形成部材65の一面62より形成される間隙60の上流端と一致する。
流路形成部材65の一面62と不溶性担体2の表面2Sとの間隙60の距離Dは、第2の増幅を濃度ムラがなく均一にしかも迅速に実施することを可能とするために、この間隙60内を第2の増幅液により均一に濡らし、間隙60内を第2の増幅液により迅速に満たす必要がある。これを実現するためには、この間隙60の距離Dを、0.01mm以上1.00mm以下とすることが好ましい。
標識保持パッド3の上流側の端(上流端)3aと送液用パッド4の下流側の端(下流端)4bとの距離Cは、12mm以上30mm以下であることが好ましい。この距離Cが12mm以上であると、試料液と第1の増幅液41が混合することによる増幅のムラの発生がなく好ましく、30mm以下であれば、検査時間を短縮化することができるので、好ましい。
不溶性担体2としては、例えば、ニトロセルロースメンブレンなどを使用することができる。また、不溶性担体2が固定されるバック粘着シート7とは、不溶性担体2が貼り付けられる面が粘着面であるシート状基材である。
不溶性担体中の試料液の移動速度は、毛細管流動速度(キャピラリーフローレート)として、水が4cmの不溶性担体2中を流れるのに要する時間を測定して求めた1cm移動するのに要する時間で定義される。本実施形態においては、キャピラリーフローレートが120〜180秒/cmの不溶性担体を用いることが好ましい。120秒/cm以上であれば、検査領域上の第2の物質と被検物質とを十分に反応させること、および、標識物質を修飾した第1の物質に結合可能な物質と第1の物質とを十分に反応させることが可能となり好ましい。一方、キャピラリーフローレートが180秒/cm以下であれば、試料液の不溶性担体中の移動を迅速に行うことが可能であり、検査時間が15分以内に完了する迅速処理が可能となり、好ましい。
不溶性担体2は、長手方向に50mm以上70mm以下程度の長さを有することが好ましい。
標識保持パッド3は、不溶性担体2の長手方向中央部に固定されている。標識物質は、例えば、直径50nmの金コロイド(EM.GC50、BBI社製)を用いることが可能である。標識物質の表面は、被検物質と結合する物質で修飾することにより、被検物質との結合体を形成することが可能である。
標識物質は上記に限るものではなく、通常のクロマトグラフ法に用いることができる金属硫化物、免疫凝集反応に用いられる着色粒子などを使用することができ、特には、金属コロイドが好ましい。金属コロイドとしては、金コロイド、銀コロイド、白金コロイド、鉄コロイド、水酸化アルミニウムコロイド、およびこれらの複合コロイドなどが挙げられ、特に、適当な粒径において、金コロイドは赤色、銀コロイドは黄色を示す点でこのましく、その中でも金コロイドが最も好ましい。
図2に示すように、標識保持パッド3は、その上流側と下流側の2辺が、封止フィルム等からなるフィルム状固定部材6で不溶性担体2に固定されていることが好ましい。フィルム状固定部材6で覆われていない部分が、被検物質溶液(試料液)を点着する領域に相当する。なお、標識保持パッド3が固定される2辺は図2に示す上流側と下流側に限るものではなく、不溶性担体の長さ方向に平行な2辺であってもよい。また、標識保持パッド3のフィルム状固定部材6に覆われて不溶性担体に固定されている辺は2辺のみに限らず、3辺あるいは4辺全てであってもよい。
標識保持パッド3を、少なくとも2辺で不溶性担体に固定化することで、検査用ストリップ1を作製する段階での取り扱い性が向上すると共に、輸送時、使用時など、不慮の衝撃を受けた場合にずれて、測定精度が悪化することがない。また、少なくとも2辺をフィルム状固定部材6により覆って不溶性担体2に固定化することにより、標識保持パッド3に滴下される試料液(被検物質溶液)が、標識保持パッド3からこぼれてしまうことがなく、すべての試料液を、標識保持パッド3を経由させて不溶性担体2に移行させることができるので試料液を有効に測定に供することが可能になる。
なお、検査用ストリップ1の上部ケース20の試料液滴下用開孔21に臨む領域は全域が標識保持パッド3となるように上部ケース20および検査用ストリップ1の位置を規定することが好ましい。また、標識保持パッド3を不溶性担体2上に固定するフィルム状固定部材6は、図3Aに示すように、上部ケース20の試料液滴下用開孔21から視認される標識保持パッド3の領域がフィルム状固定部材6で覆われることがないように、フィルム状固定部材6の貼付位置を定めることが特に望ましい。図3Bに示すように、上部ケース20の試料液滴下用開孔21から視認される標識保持パッド3が一部フィルム状固定部材6で覆われている場合と比べて開孔21から滴下した試料液を全て標識保持パッド3上に滴下することが可能となり、試料液中の全ての被検物質を無駄にすることなく標識化することが可能になる。
なお、フィルム状固定部材6が流路形成部材65側に延びて配置されていても、フィルム状固定化部材は不溶性物質であるため、フィルム状固定化部材を通して試料液が流路形成部材65と不溶性担体2との間隙60に入ることはない。
検査領域Lは、被検物質に結合する第2の物質を含み、被検物質と結合した標識物質が被検物質を介して補足される標識物質補足領域である。例えば、インフルエンザA型ウィルスあるいはそのバイオマーカーを被検物質として検出したい場合には、例えば、抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)が物理吸着によりライン状に固定化されている抗体固定化ラインにより検査領域Lを構成する態様が好ましい。
この検査領域Lに被検物質と第1の物質を介して標識物質が結合した複合体が到達すると第2の物質と被検物質が特異的に結合し、被検物質と第1の物質を介して標識物質が補足されることとなる。一方、被検物質との複合体を構成していない標識物質は、検査領域Lに補足されることなく通過する。
確認領域Lは、第1の物質に結合可能な物質を含み、標識保持パッド3から試料液と共に不溶性担体2中を展開され、検査領域Lを通過した標識物質が第1の物質を介して補足され、試料液の展開の完了を確認するための領域である。例えば、インフルエンザA型ウィルスあるいはそのバイオマーカーを被検物質として検出したい場合には、例えば、抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L)、ウサギF(ab')2、品番566−70621、和光純薬工業(株)社製)が物理吸着によりライン状に固定化されている態様が好ましい。
増幅指標領域Lは、第1の増幅液41と反応する物質を含み、第1の増幅液41と反応して発色もしくは色が変化することにより、第1の増幅液41がその領域まで展開されたことを示し、第2の増幅液51の滴下のタイミングの指標となる領域である。例えば、第1の増幅液41として、硝酸鉄水溶液とクエン酸(和光純薬工業(株)社製、038−06925)の混合水溶液を使用する場合には、ブロモクレゾールグリーン(和光純薬工業(株)社製)がライン状に固定化された発色試薬固定化ラインにより増幅指標領域Lを構成する態様が好ましい。このとき第1の増幅液41が増幅指標領域Lに到達すると、領域Lは緑色からオレンジ色へと変化する。この変色は、検査領域Lおよび確認領域Lが第1の増幅液41により十分に満たされたことの指標として捕えることができる。
第1の増幅液41と反応する物質とは、第1の増幅液41を検出するための発色試薬であり、例えば、イオンに反応して発色する化合物を使用することが好ましい。第1の増幅液41の詳細については後記するが、例えば、第1の増幅液41が、2価の鉄イオン(Fe2+)を含む場合には、その発色試薬としては、Fe2+イオンと反応して発色する化合物を使用することができる。Fe2+イオンと反応して発色する化合物としては、Fe2+イオンと錯形成することで発色できる化合物を使用することができる。Fe2+イオンと反応して発色する化合物の具体例としては、フェナントロリン骨格を有する化合物[例えば、1,10-フェナントロリン、5-メチルフェナントロリン、5-ニトロフェナントロリン、バソフェナントロリン(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、またはバソフェナントロリンジスルホン酸など]、あるいはビピリジン骨格を有する化合物[例えば、2,2'-ビピリジンなど]を使用することができ、好ましくはフェナントロリン骨格を有する化合物を使用することができる。また、被検物質を含む水溶液と第1の増幅液41のpHが異なる場合には、第1の増幅液41を検出するために、プロトンにより構造変化が生じて色味が変化する試薬を使用することが好ましい。特に第1の増幅液41が酸性(pH7より小さい、プロトン濃度が高い)である場合には、酸性領域用のpH指示薬として公知の発色試薬であるH+イオンと反応して発色する化合物(例えば、メチルオレンジ、メチルレッド、コンゴーレッドおよびメチルイエローなどのジアゾ系の発色試薬、並びに、チモールブルー、ブロモクレゾールグリーン、ブロモクレゾールパープルおよびブロモチモールブルーなどのサルトン系の発色試薬)等を、増幅試薬を含む水溶液のpHに合わせて適宜選択して使用することが好ましい。上記の中でも、1,10-フェナントロリン、バソフェナントロリンまたはブロモクレゾールグリーンを使用することがより好ましい。
さらに、イムノクロマトグラフキット100を構成する各部品の構成および部品が一体化された構成並びにその使用形態について説明する。
図4および図5は、イムノクロマトグラフキット100のシグナル増幅前および増幅後の態様を示す概略断面図であり、図6は中間部材30の上面(上部ケース側)を臨む斜視図、図7および図8は中間部材30の下面(下部ケース側)を臨む概略斜視図および概略底面図である。
第1の増幅液41が封入された第1のポット40は、例えば樹脂材料から構成された一面に開口を有する容器42に増幅液41が充填され、その容器42の開口を破断可能なシート部材43により覆って封止してなるものである。
第2の増幅液51が封入された第2のポット50も同様に、例えば樹脂材料から構成された一面に開口を有する容器52に第2の増幅液51が充填され、その容器52の開口を破断可能なシート部材53により覆って封止してなるものである。
第1のポット40および第2のポット50におけるシート部材43、53としては、アルミ箔やアルミラミシートなどが好適に使用される。
金属コロイドなどの金属系標識物質のシグナルを増幅させる方法としては、標識物質に銀イオンおよび銀イオンのための還元剤を接触させ、還元剤によって銀イオンを還元して銀粒子を生成させ、その銀粒子が標識物質を核として標識物質上に沈着することにより標識物質によるシグナルを増幅させる方法(以下において、銀増幅)を用いることが好ましい。
銀増幅を実現させるために、第1の増幅液41としては、銀イオンのための還元剤を含む還元剤液を、第2の増幅液51としては銀イオンを含む溶液を用いればよい。
第1の増幅液41として好ましい態様である銀イオンのための還元剤としては、銀イオンを銀に還元することができれば、無機、有機のいかなる材料または混合物でも用いることができる。
無機還元剤としては、Fe2+、V2+、Ti3+などの金属イオンで原子価の変化しうる還元性金属塩、還元性金属錯塩を挙げることができる。無機還元剤を用いる場合には、酸化されたイオンを錯形成するか還元することにより、除去するか還元性への影響を排除する必要がある。例えば、Fe2+を還元剤として用いる場合には、クエン酸やEDTA(ethylenediaminetetraacetic acid:エチレンジアミン四酢酸)を用いて亜酸化物であるFe3+の錯体を形成し、還元性への影響を排除することができる。本系ではこのような無機還元剤を用いることが好ましく、Fe2+の金属塩が特に好ましい。
還元剤の他の例については、特開2014−66674号公報等の記載を参照できる。
第2の増幅液51として好ましい銀イオンを含む溶液としては、溶媒中に銀イオン含有化合物が溶解されているものである。銀イオン含有化合物としては有機銀塩、無機銀塩、もしくは銀錯体を用いることができる。好ましくは、無機銀塩もしくは銀錯体である。無機銀塩としては、水などの溶媒に対して溶解度の高い銀イオン含有化合物を使用することが可能であり、硝酸銀、酢酸銀、乳酸銀、酪酸銀、チオ硫酸銀などが挙げられる。特に好ましくは硝酸銀である。銀錯体としては、水酸基やスルホン基など水溶性基を有する配位子に配位された銀錯体が好ましく、ヒドロキシチオエーテル銀などが挙げられる。
図1および図4に示すように、下部ケース10と中間部材30とは、中間部材30に形成された係合突起部36が、下部ケース10に形成された係合口であって係合突起部36に対応する係合口16に挿入されることにより係合される。そして、下部ケース10と上部ケース20とは、下部ケース10と中間部材30とが係合された状態で、上部ケース20の4隅に形成された嵌合突起部29が、下部ケース10に形成された嵌合口であってそれらの嵌合突起部29にそれぞれ対応する嵌合口19に挿入されて嵌合される。
下部ケース10には、検査用ストリップ1が配置される収容部として、不溶性担体2が載置される不溶性担体収容部11およびその下流側に吸収パッド5が載置される吸収パッド収容部13が設けられている。また、不溶性担体収容部11の上流側には第1のポット40が収容される第1のポット収容部12が設けられている。
検査用ストリップ1は下部ケース10内の収容部に載置され、第1のポット収容部12には、第1のポット40が、そのシート部材43を有する面が上面となるように配置されており、そのシート部材43の表面に検査用ストリップ1の送液用パッド4が配置される。
図1〜図8に示すように、中間部材30は、第2のポット50を受容し、第2の増幅液51を不溶性担体2上に滴下させるための増幅液充填孔34を底面に備えたポット収容部32を有している。また、ポット収容部32内の第2のポット50のシート部材53に面する位置にシート部材53を破断する突起部33が設けられている。本例においては、ポット収容部32の上方に第2のポット50が、そのシート部材53を有する面が下面となるように配置されており、そのシート部材53に対向するポット収容部32の底面に突起部33が設けられている。中間部材30を下部ケース10に装着する際に、第2のポット50のシート部材53が突起部33により破られないように、第2のポット50と中間部材30のポット収容部32の底面との間に、例えばバネ部材を挿入して、第2のポット50が上部ケース20側に付勢されるように構成されていてもよい。
また中間部材30の増幅液充填孔34に隣接する部分には増幅液充填孔のリブ35が設けられており、ポット収容部32の裏面側には、下部ケース10と係合する際に、吸収パッド5の押さえとなる吸収パッド押さえ突起37が備えられている。そして、このリブ35に連続して中間部材30の一部として流路形成部材65の一面62が形成されている。なお、中間部材30は、この一面62が検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lの上方に位置するように配置されるものであり、この一面62は、検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lを上方から視認可能とするために、透明な材料で形成されており、観察窓61の一面を兼ねている。
上部ケース20の上面の中間部には、既述の通り試料液滴下用開孔21が設けられており、この開孔21から検査用ストリップ1の標識保持パッド3上に試料液を滴下する。開孔21と標識保持パッド3との位置が一致するように、標識保持パッド3の位置を調整することで、標識保持パッド3上に確実に試料液を点着することが可能となる。
上部ケース20の、中間部材30の観察窓61に対応する位置は開口28とされており、観察窓61からの視認性を妨げないように構成されている。
また、上部ケース20の、下部ケース10のポット収容部12に対応する位置には、細い矩形の開口からなる差込口23が設けられており、その差込口23に挿入可能とされた柱状部22aを有する第1の可動部材22が、その柱状部22aの先端が差込口23に挿入された状態で保持されている。第1の可動部材22は、力を加えることによって下部に押し込むことができるように構成されており、可動部材22を押し込むことによって、送液用パッド4を押圧して変位させて、第1の増幅液が封入された第1のポット40のシート部材を破断させて第1のポット内部に送液用パッドを押し込み、送液用パッドを第1の増幅液に浸らせることができる。この状態で、送液用パッドを通じて、第1の増幅液を不溶性担体上に展開することが可能となる。
可動部材22の柱状部22aの先端が差込口23に挿入された状態で、かつ外力を加えて押下するまでは、ポットのシート部材を突き破ることなく保持された状態を維持する機構としては、例えば、柱状部22aの先端に上部ケース20から容易に抜けない引き抜き防止機構が設けられており、かつ、例えば、上部ケース20の上面と可動部材22の頭部22hとの間にバネ部材を備えた構成を有していればよい。
なお、第1の可動部材22に力を加えるタイミングは、不溶性担体2上の標識保持パッド3上に、試料液を滴下した直後から30秒以内が好ましく、直後がさらに好ましい。このようなタイミングで第1の増幅液41を不溶性担体2に提供することによって、吸収パッド5の毛細管現象による吸引力を利用して、試料液を、検査領域L、確認領域L、増幅指標領域Lの方向に展開することができ、同様に第1の増幅液41を検査領域L、確認領域L、増幅指標領域Lの方向に展開することが可能となる。
上記のように、第1のポット40を送液用パッド4の下方に配置する構造をとることで、イムノクロマトグラフキットに第1の増幅液41の内蔵を可能とすると共に、十分な量の増幅液41の供給が可能となり、増幅条件の安定が可能となる。
上部ケース20の、中間部材30のポット収容部32と対応する位置には、クロス状開口からなる差込口25が設けられており、差込口25とほぼ同形状の断面を有する柱状部24aを有する第2の可動部材24の柱状部24aの先端が差込口25に挿入された状態で保持されている。第2の可動部材24は、力を加えることによって、下部に押し込むことができるように構成されており、可動部材24を押し込むことによって、中間部材30のポット収容部32内の突起部33により第2のポット50のシート部材53が破断される位置まで、第2のポット50を突起部33に向けて移動させる。これにより、突起部33が第2のポット50のシート部材53を突き破り、第2の増幅液51を外部に供給することが可能となる。中間部材30のポット収容部32の底面に設けられている増幅液充填孔34から不溶性担体2の上部に増幅液が滴下されて不溶性担体上の検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lに第2の増幅液51を供給することが可能となる。なお、この際、増幅液充填孔34から不溶性担体2の上部に滴下された第2の増幅液51は、中間部材30と不溶性担体2との隙間に充填されていき、隙間を通って検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lの上方に供給されて、徐々に不溶性担体2に浸透する。
第2の可動部材24の柱状部24aの先端が差込口25に挿入された状態で、かつ外力を加えて押下するまでは、第2のポット50を押し下げないように保持された状態を維持する機構としては、第1の可動部材22の場合と同様に、例えば、柱状部24aの先端に上部ケース20から容易に抜けない引き抜き防止機構が設けられており、かつ、例えば、上部ケース20の上面と可動部材24の頭部の間にバネ部材を備えた構成を有していればよい。
なお、本実施形態において、第2の可動部材24は、第2のポット50を中間部材30に設けられている突起部33に向けて移動させるものとしたが、第2の可動部材は、第2のポットを突起部に対して相対的に移動させることができればよく、第2のポットを移動させることなく、突起部を移動させることにより、突起部により第2のポットのシート部材を破断させる構成、あるいは、第2のポットおよび突起部の両者を移動させて突起部によりシート部材を破断させる構成であってもよい。例えば、中間部材の収容部に配置された突起部が第2の可動部材に接続されており、第2の可動部材を外部から押すことにより突起部をシート部材に向けて移動させる構成などが考えられる。
第2のポットのシート部材は、必ずしも検査用ストリップに面して位置されていなくてよく、破断されてポットから流出する第2の増幅液を収容部32底面の増幅液充填孔34から不溶性担体2上に滴下させることができる構成であれば、第2のポットおよび第2のポットを収容する収容部の構成も本実施形態の構成に限らない。
図4に示すように、ハウジングケース9の各部材が一体化された状態において、下部ケース10の略中央部に標識保持パッド3が位置するように不溶性担体2が位置されており、その上流側の一端に送液用パッド4、下流側に吸収パッド5がそれぞれ一部不溶性担体2と重なりを持って配置されており、上部ケース20の試料液注入用の開孔21が標識保持パッド3を臨む位置となるように検査用ストリップ1の配置が調整されている。送液用パッド4は、一端が不溶性担体2と重なり、他端は不溶性担体2と重ならずに伸びており、この伸びた部分がポット収容部12に備えられた第1のポット40の上面に位置するように配置されている。
吸収パッド5の不溶性担体と重なる領域および検査領域L、確認領域L、増幅指標領域Lの上部に中間部材30は配置されている。中間部材30の吸収パッド押さえ突起37が不溶性担体2と重なる領域で吸収パッド5を抑えるように位置されており、既述の通り、領域L〜Lは中間部材30の観察窓61の下方に位置され、その一面62が不溶性担体2との間に間隙60を構成している。上部ケース20の開口28が観察窓61の上方に位置する。また、第1の可動部材22および第1の可動部材22が挿入される差込口23は送液用パッド4の上方に位置し、第2の可動部材24および第2の可動部材24が挿入されるクロス状差込口25は第2のポット50の上方に位置している。
中間部材30のポット収容部32の形状は、第2の増幅液51を封入した第2のポット50と嵌合する構造であることが好ましい。このような構造とすることで、第2の増幅液51を不溶性担体2に供給する時の供給量と供給速度の繰り返し再現性を高めることが可能となる。また、増幅液充填孔34から不溶性担体2上に第2の増幅液51を供給する構造をとることで、第2の増幅液51が、外部にこぼれるのを防止できる。
また、第2の増幅液51を不溶性担体2の下流側上方から供給する構成、すなわち、試料液の展開方向、第1の増幅液41の展開方向および第2の増幅液51の展開方向が同一の直線上であるため、1つの吸収パッド5で、被検物質を含む試料液、第1の増幅液41、第2の増幅液51の3つの溶液の吸収を行うことが可能となり、コンパクトなキットの設計が可能となる。
<イムノクロマトグラフ検査方法>
上記イムノクロマトグラフキット100を用いたイムノクロマトグラフ検査方法について簡単に説明する。
試料液滴下用開孔21から試料液を標識保持パッド3上に滴下する。試料液中に被検物質が含まれている場合には、標識保持パッド3において、被検物質と第1の物質が結合することにより、第1の物質を介する被検物質と標識物質との複合体が形成され、この複合体が試料液と共に吸収パッド5の吸引力により毛細管現象で吸収パッド5側に向かって展開される。この試料液を滴下すると同時もしくはその後、第1の可動部材22を押下し、送液用パッド4を変位させて第1のポット40のシート部材43を破断させ、送液用パッド4を第1の増幅液41に浸して第1の増幅液41を送液する。なお、第1の可動部材22を押下するタイミングは試料液の滴下時から30秒以内とすることが好ましく試料液の滴下の直後が特に好ましい。
検査領域Lに到達した複合体は、検査領域Lの第2の物質と結合し捕捉される。また、被検物質と結合していない第1の物質は検査領域Lを通過して確認領域Lに到達し、確認領域Lの第1の物質と結合する物質と結合し捕捉される。
第1の増幅液41は検査領域L、確認領域Lを経て増幅指標領域Lへ到達する。このとき、増幅指標領域Lが変色することにより、第1の増幅液41の増幅指標領域Lへの到達を視覚的に認識することができる。増幅指標領域Lの変色を確認後、第2の可動部材24を押下して第2の増幅液51を不溶性担体2上に供給する。本実施形態においては、増幅液充填孔34から不溶性担体2上の領域L〜Lよりも下流側に滴下された第2の増幅液51は、流路形成部材65の一面62と不溶性担体2の表面2Sとの間隙60に浸透してこの間隙60により検査領域Lに導かれる。
第2の増幅液51を不溶性担体2に供給してから反応終了を待ち、観察窓61から、検査領域Lおよび確認領域Lの発色を確認する。検査領域Lの発色により被検物質の有無およびその濃度の高低を確認することが可能であり、確認領域Lの発色により被検物質を測定する検査が成功したかどうかを確認することができる。検査領域Lおよび確認領域Lにおける発色は標識のシグナルを増幅して得られたものであり、高感度な検査を実現することができる。
以上のように、本イムノクロマトグラフキット100を用いれば、専用の分析装置などを用いることなく、このキット単体で精度よく検査を行うことができる。
以下に、可動部材22の柱状部22aの先端が差込口23に挿入された状態で容易に抜けることなく、かつ外力を加えて押下するまでは、ポットのシート部材を突き破ることなく保持された状態を維持する機構の好ましい具体的な態様について図9および図10を参照して説明する。
まず、図9を参照して第1の態様について説明する。図9は、イムノクロマトグラフキット100の可動部材22の周辺を示す概略断面図であり、Aは第1の可動部材22の押下前、Bは第1の可動部材22の押下後を示す。
可動部材22の柱状部22aの先端に上部ケース20から容易に抜けない引き抜き防止突起22bが設けられている。また、柱状部22aの頭部側に所定深さまでハウジングケース内に挿入されたときに可動部材22の上方への移動を制限する移動防止突起22cが設けられている。
柱状部22aに設けられているこれらの突起22bおよび22cは先端側に向けて細くなる突起部であり、細くなっている側から差込口23に挿入される際は、弾性により若干縮まり容易に挿入することができるが、ハウジングケース内に一旦挿入された後は、突起部の末広がり側が上部ケース20に引っかかり差込口23から引き抜けなくなる。
可動部材22の押下前に柱状部22aの先端22dのみが差込口23に挿入されて下方に下がらないようにするための機構は、図9のA、Bに示すようなバネ部材22eの弾性力を利用することにより実現することができる。
図10は図9に説明した態様の一部設計変更例である。図10において、Aは可動部材22の押下前の状態を示す概略平面図であり、Bは概略平面図A中のB−B線における概略断面図であり、Cは可動部材22の押下後の状態を示す概略断面図である。
可動部材22の柱状部22aに備えられている引き抜き防止突起22bおよび移動防止突起22cについては図9のものと同様である。
本設計変更例においては、可動部材22の押下前に柱状部22aの先端22dのみが差込口23に挿入されて下方に下がらないようにするための機構が異なる。ここでは、取り外し可能な押下防止のためのクリップ部材22fを備えている。押下前においては、クリップ部材22fが、可動部材22の頭部22hと上部ケース20の上面との間に、柱状部22bを挟むようにして差し込まれており可動部材22を押下する際に、クリップ部材22fを引き抜いた状態で可動部材22を押下する。バネ部材よりも構成が簡易であり、クリップ部材22fを備えた状態で可動部22に力が加わっても可動部22は移動しないため、運搬時などに多少の衝撃を受けても可動部材22による第1のポットのシート部材の破断を生じることなく好ましい。
なお、第2の可動部材24の柱状部24aの先端が差込口25に挿入された状態で容易に抜けることなく、かつ外力を加えて押下するまでは第2のポットを移動させることなく保持された状態を維持する機構としても上記の構成を同様に用いることが可能である。
なお、本発明のイムノクロマトグラフキットには、検体の抽出を補助する補助薬品などを含む検体抽出液を内包するポットや検体希釈液を内包するポット、キットの保存を助ける乾燥剤や脱酸素剤、取扱い説明書などの添付文書、および、綿棒などの検体採取器具などの検査に必要な器材一式もしくはその一部を含んでも良い。
以下、本発明のイムノクロマトグラフキットの実施例および比較例について説明する。実施例および比較例のイムノクロマトグラフキットは、被検物質としてインフルエンザウィルス抗原を検出するためのインフルエンザウィルス抗原検出用イムノクロマトグラフキットである。
(1)イムノクロマトグラフキットの作製
(1−1)被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質としての抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイドの作製
直径50nm金コロイド溶液(品番:EM.GC50、BBI社製)9mLに50mmol/LのKHPOバッファー(pH7.5)を1mL加えることでpHを調整した金コロイド溶液に、160μg/mLの抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)溶液1mLを加えて攪拌した。10分間静置した後、1%ポリエチレングリコール(PEG(polyethylene glycol);重量平均分子量(Mw.):20000、品番:168−11285、和光純薬工業(株)社製)水溶液を550μL加えて攪拌し、続いて10%牛血清アルブミン(BSA(Bovine serum albumin);FractionV、品番:A−7906、SIGMA社製)の水溶液を1.1mL加えて攪拌した。この溶液を遠心加速度8000×g、4℃で30分遠心(himacCF16RX、日立(株)社製)した後、1mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散した。この後、20mLの金コロイド保存液(20mmol/L Tris−HCl(トリス塩酸)バッファー(pH8.2)、0.05%PEG(Mw.20000)、150mmol/L NaCl、1%BSA)に分散し、再び8000×g、4℃で30分間遠心した後、1mL程度を残して上清を取り除き、超音波洗浄機により金コロイドを再分散し、抗体修飾金コロイド(50nm)溶液を得た。
(1−2)標識保持パッドとしての抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドの作製
(1−1)で作製したインフルエンザA型抗体修飾金コロイドを、Tris−HClバッファー(pH8.2)の濃度が20mmol/L、PEG(Mw.20000)の濃度が0.05質量%、スクロースの濃度が5質量%、そして光路長10mmとしたときの金コロイドの520nmの光学濃度が0.1となるように水で希釈し、金コロイド塗布液とした。この塗布液を、12mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製)1枚あたり0.8mLずつ均一に塗布し、24時間減圧乾燥することでインフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドを得た。
(1−3)クロマトグラフ担体の作製
不溶性担体2として60mm×300mmに切断したニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF120、ミリポア社製)を用い、このメンブレン上に以下のような方法により、検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lを形成してクロマトグラフ担体を作製した。
60mm×300mmの矩形のニトロセルロースメンブレンの300mmの2つの長辺のうちの一辺から他辺側に15mmの位置に、1.5mg/mLとなるように調製した抗インフルエンザA型モノクローナル抗体(Anti−Influenza A SPTN−5 7307、Medix Biochemica社製)溶液をライン状に塗布し検査領域Lとした。さらに同じ一辺から他辺側に11mmの位置に、0.2mg/mLとなるように調製した抗マウスIgG抗体(抗マウスIgG(H+L)、ウサギF(ab')2、品番566−70621、和光純薬工業(株)社製)溶液をライン状に塗布し確認領域Lとした。さらに同じ一辺から他辺側に9mmの位置に、30mmol/Lに調製したブロモクレゾールグリーン(和光純薬工業(株)社製)をライン状に塗布し増幅指標領域Lとした。それぞれの塗布の後にニトロセルロースメンブレンを、温風式乾燥機で50℃、30分間乾燥した。ブロッキング液(0.5質量%カゼイン(乳由来、品番030-01505、和光純薬工業(株)社製)を含有する50mmol/Lのホウ酸バッファー(pH8.5))500mLをバットに入れ、メンブレンを浸漬させてそのまま30分間静置した。その後、別のバットに入れた洗浄・安定化液(0.5質量%スクロースおよび0.05質量%コール酸ナトリウムを含む50mmol/L Tris−HCl(pH7.5)バッファー500mLにニトロセルロースメンブレンを移して浸し、そのまま30分間静置した。その後、ニトロセルロースメンブレンを液から取り出し、25℃の環境で24時間乾燥させた。
本実施例においては、抗インフルエンザA型抗体が被検物質に結合する第2の物質に相当し、抗マウスIgG抗体が第1の物質に結合可能な物質に相当し、プロモクレゾールグリーンが第1の増幅液と反応する物質に相当する。
(1−4) 検査用ストリップの作製
バック粘着シート(60mm×300mm(ニップンテクノクラスタ社製))に、(1−3)で作製したクロマトグラフ担体(検査領域L、確認領域Lおよび増幅指標領域Lが形成された不溶性担体2)を貼り付けた。次に不溶性担体2の中央近傍の所定箇所に(1−2)で作製した標識保持パッド3としての金コロイド抗体保持パッドを配置し、幅4mmの封止フィルムで金コロイド保持パッドの両端を1.5mmがフィルムと金コロイド保持パッドに重なるように貼り付けて、不溶性担体2に固定した。送液用パッド4(25mm×300mmに切ったグラスファイバーパッド(Glass Fiber Conjugate Pad、ミリポア社製))を不溶性担体2の上流側に、送液用パッド4と不溶性担体2が7mm重なるように貼り付けた。こうして作製した部材を、300mmの長辺と垂直な方向に対して平行に、幅が5mmとなるようにギロチン式カッター(CM4000、ニップンテクノクラスタ社製)で切断し、60本の検査用ストリップ(但し、吸収パッドを含まない。)を作製した。
(1−5)増幅液の作製
(1−5−1)第1の増幅液(還元剤溶液)の作製
水290gに、硝酸鉄(III)九水和物(和光純薬工業(株)社製、095−00995)を水に溶解して作製した1mol/Lの硝酸鉄水溶液23.6mL、クエン酸(和光純薬工業(株)社製、038−06925)13.1gを溶解させた。全て溶解したら、スターラーで攪拌しながら硝酸(10重量%)を36mL加え、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和物(和光純薬工業(株)社製、091−00855)を60.8g加えてこれを第1の増幅液41である還元剤溶液とした。
(1−5−2)第2の増幅液(銀イオン溶液)の作製
水66gに、硝酸銀溶液8mL(10gの硝酸銀を含む)と1mol/Lの硝酸鉄水溶液24mLを加えた。さらに、この溶液と、硝酸(10重量%)5.9mL、ドデシルアミン(和光純薬工業(株)社製、123−00246)0.1g、界面活性剤C1225-C64-O-(CH2CH2O)50H 0.1gをあらかじめ47.6gの水に溶解した溶液を混合し、これを第2の増幅液51である銀イオン溶液とした。
(1−6)吸収パッドの作製
12mm×10mmに切ったグラスファイバーパッド(ガラス濾紙、アドバンテック社製)を60枚準備し、各検査用ストリップの吸収パッド5とした。
(1−7)イムノクロマトグラフキットの部品の作製
図1に示したハウジングケース9を構成する下部ケース10、上部ケース20、中間部材30、およびハウジングケース9に備えられる第1の可動部材22、第2の可動部材24、第1の増幅液41を収容する第1のポット40、第2の増幅液51を収容する第2のポット50を、ポリプロピレンを材料として射出成形によりそれぞれ作製した。
以下、まず第1の発明の実施例および比較例(実施例1、2および比較例1、2とする)について説明する。
(1−8−1)実施例1のイムノクロマトグラフキットの作製
下部ケース10、(1−4)で作製した検査用ストリップと(1−6)で作製した吸収パッドを、図4に示すように固定した。次に、第1のポット40、第2のポット50に、それぞれ、(1−5−1)、(1−5−2)で作製した第1の増幅液、第2の増幅液を充填し、シート部材としてのアルミ箔で封止し、図4に示すように、それぞれ下部ケース10、中間部材30に装着した。第1の可動部材22、第2の可動部材24を上部ケース20にそれぞれ差込口23、25に装着し、下部ケース10、中間部材30、上部ケース20を図4のように組み立ててイムノクロマトグラフキットを作製した。なお、この際、金コロイド抗体保持パッドを固定する封止フィルムが試料液滴下用開孔から見えない配置とした(図3A参照)。すなわち、実施例1のイムノクロマトグラフキットは、試料液滴下用開孔に臨む領域は標識保持パッドの封止フィルムで覆われてない領域となるように構成した。
(1−8−2)実施例2のイムノクロマトグラフキットの作製
実施例1のイムノクロマトグラフキットの作製において、金コロイド抗体保持パッドを固定するフィルム状固定部材が被検物質滴下用開孔部から見えるように設置した(図3B参照)以外は同様にして実施例2のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(1−8−3)比較例1のイムノクロマトグラフキットの作製
(1−3)のクロマトグラフ担体の作製において、金コロイド抗体保持パッドを不溶性担体に封止フィルムで固定しない、すなわち金コロイド抗体保持パッドが不溶性担体に固定されていない点以外は(1−3)の記載と同様にしてクロマトグラフ担体を作製し、他は実施例1と同様にして比較例1のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(1−8−4)比較例2のイムノクロマトグラフキットの作製
(1−3)のクロマトグラフ担体の作製において、増幅指標領域(発色試薬固定化ライン)を設けない以外は(1−3)の記載と同様にしてクロマトグラフ担体を作製し、他は実施例1と同様にして比較例2のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(2)評価
(2−1)点着
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B−(ベクトン・ディッキンソン社製))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1%BSA−PBS)を用いて2560倍に希釈した液を作製し、40μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(2−2)第1の増幅液(還元剤溶液)の展開
(2−1)の試料液の点着直後に、第1の可動部材を押下して送液用パッドを変位させて第1のポットに送液用パッドを押し込むことにより、第1の増幅液を封止しているアルミ箔を破り、第1のポットの中に送液用パッドを浸すことにより、毛細管現象を利用して第1の増幅液をクロマトグラフ担体に供給した。
(2−3)銀増幅
増幅指標領域Lが緑からオレンジに変色した後、第2の可動部材24を押下して第2のポットを中間部材30のポット収容部の突起部に向けて移動させることにより、第2のポットの第2の増幅液を封止しているアルミ箔を突起部により押し破り、銀イオン溶液を中間部材30の銀イオン溶液充填孔からクロマトグラフ担体に供給して、銀増幅反応を行った。
なお、比較例2については、第1の増幅液の送液開始から5〜10分後に第2の可動部材24を押下して第2のポットを中間部材30のポット収容部の突起部に向けて移動させることにより、第2のポットの第2の増幅液を封止しているアルミ箔を突起部により押し破り、銀イオン溶液を中間部材30の銀イオン溶液充填孔からクロマトグラフ担体に供給して、銀増幅反応を行った。
(2−4)増幅成功率の算出
各実施例および比較例のイムノクロマトグラフキットを用意し、上記の(2−1)、(2−2)及び(2−3)に記載した処理を10回試行し、増幅成功率を算出した。検査領域Lおよび確認領域Lに黒色ラインが認められたら増幅成功とした。
(2−5)検査領域の濃度値の算出
繰り返し再現性を確認するために、増幅処理済みの各実施例および比較例のイムノクロマトグラフキットから、クロマトグラフ担体を取り出し、検査領域Lの濃度をLAS4000(Fujifilm(株)社製)で撮影し、濃度差(Δ=(検査領域Lの濃度)−(バックグラウンド部の濃度))を算出した。そして各実施例および比較例につき10回分(N=10)の濃度差のばらつきを求めた。
各実施例および比較例の差異および評価結果を表1に纏めて示す。
Figure 2016114122
標識保持パッドを不溶性担体に固定し、増幅指標領域を不溶性担体に設けることで、銀増幅反応の成功率が増すと共に、10回同様の検査を繰り返したときの濃度のばらつき(CV:coefficient of variation)が良好であり、測定精度が高いことがわかった。しかも、試料液滴下用開孔から金コロイド抗体保持パッドを固定する封止フィルムが見えない配置とし、試料液滴下用開孔からは標識保持パッドの封止フィルムに覆われていない領域のみが見えるようにすることで、さらに濃度ばらつき(CV)が低下し再現性を向上させることが可能となることが明らかになった。
金コロイド保持パットを不溶性担体に固定化しない場合には、パットがずれて、不溶性担体の幅方向で展開する金コロイドの濃度ムラが生じる場合があり、測定濃度がばらつき、CVの低下が観察された。増幅指標領域(発色試薬固定化ライン)を設けない場合には、銀イオン溶液を供給するタイミングが不安定になり、意図する増幅がおこなわれない確率が高くなり、検出精度が低くなった。これらの結果から、本発明の効果が確認された。
次に第2の発明の実施例および比較例(実施例11〜20および比較例1〜4とする。)について説明する。
(21)イムノクロマトグラフキットの作製方法
上記(1)イムノクロマトグラフキットの作製方法とほぼ同様であり、(1)の作製方法と異なる点のみ説明する。
(1−3)クロマトグラフ担体の作製において、ニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF120、ミリポア社製)に代えてニトロセルロースメンブレン(プラスチックの裏打ちあり、HiFlow Plus HF135(キャピラリーフローレート=135秒/cm)、ミリポア社製)を用いた。
(1−4)検査用ストリップの作製において、不溶性担体2上の標識保持パッド3の位置は標識保持パッド3の上流端3aと送液用パッド4の下流端4bとの距離Bが12mmとなるようにした。
(21−8−1)実施例11のイムノクロマトグラフキットの作製
下部ケース10、(1−4)で作製した検査用ストリップと(1−6)で作製した吸収パッド5を、図4に示すように固定した。次に、第1のポット40、第2のポット50に、それぞれ、(1−5−1)、(1−5−2)で作製した第1の増幅液41、第2の増幅液51を充填し、シート部材としてのアルミ箔で封止し、図4に示すように、それぞれ下部ケース10、中間部材30に装着した。第1の可動部材22、第2の可動部材24を上部ケース20にそれぞれ差込口23、25に装着し、下部ケース10、中間部材30、上部ケース20を図4のように組み立ててイムノクロマトグラフキットを作製した。
本実施例11は、不溶性担体2の上流端2aと吸収パッド5の上流端5aとの距離Aを54mm、標識保持パッド3の下流端3bと流路形成部材65の一面62の上流端64との距離Bを3mmとした。
(21−8−2)実施例12〜14および比較例11〜13のイムノクロマトグラフキットの作製
上記実施例11のイムノクロマトグラフキットにおいて、下記の表1に示すように、不溶性担体2の上流端2aと吸収パッド5の上流端5aとの距離Aを変更し、吸水力の異なる吸収パッド5に変更し、他は実施例11と同様の構成および手順で実施例12〜14および比較例11〜13のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(21−8−3)実施例15、16および比較例14のイムノクロマトグラフキットの作製
上記実施例11のイムノクロマトグラフキットの作製方法の工程(1−4)において、不溶性担体2上の標識保持パッド3を固定する位置を調整し、下記の表1に示すように、標識保持パッド3の下流端3bと流路形成部材65の一面62の上流端64との距離Bを変更し、他は実施例11と同様の構成および手順で実施例15、16および比較例14のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(21−8−4)実施例17のイムノクロマトグラフキットの作製
上記実施例14のイムノクロマトグラフキットの作製方法の工程(1−4)において、不溶性担体2上の標識保持パッド3を固定する位置を調整し、下記の表1に示すように、標識保持パッド3の下流端3bと流路形成部材65の一面62の上流端64との距離Bを変更し、他は実施例14と同様の構成および手順で実施例17のイムノクロマトグラフキットを作製した。
(21−8−5)実施例18〜20のイムノクロマトグラフキットの作製
上記実施例11のイムノクロマトグラフキットの作製方法の工程(1−4)において、送液用パッド4を貼る位置を調整し、標識保持パッド3の上流端3aと送液用パッド4の下流端4bとの距離Cを変更し、他は実施例1と同様の構成および手順で実施例18〜19のイムノクロマトグラフキットを作製した。距離Cについて、それぞれ実施例18は10mm、実施例19は18mm、実施例20は30mmとした。
(22)評価
(22−1)点着
模擬陽性検体(BD FluエグザマンコントロールA+B−(ベクトン・ディッキンソン社製))を抽出液(1質量%BIGCHAP含有1%BSA−PBS)を用いて2560倍に希釈した液を作製し、40μLを抗インフルエンザA型抗体修飾金コロイド保持パッドに点着した。
(22−2)第1の増幅液(還元剤溶液)の展開
(22−1)の試料液の点着直後に、第1の可動部材22を押下して送液用パッド4を変位させて第1のポット40に送液用パッド4を押し込むことにより、第1の増幅液41を封止しているアルミ箔を破り、第1のポット40の中に送液用パッド4を浸すことにより、毛細管現象を利用して第1の増幅液41をクロマトグラフ担体に供給した。
(22−3)発色時間の測定
(22−2)で第1の増幅液41をクロマトグラフ担体に供給した直後から、増幅指標領域Lが緑からオレンジに変色するまでの時間を発色時間として、計測した。
(22−4)増幅方法
増幅指標領域Lが緑からオレンジに変色した後、第2の可動部材24を押下して第2のポット50を中間部材30のポット収容部32の突起部33に向けて移動させることにより、第2のポット50の第2の増幅液51を封止しているアルミ箔を突起部33により押し破り、第2の増幅液51である銀イオン溶液を中間部材30の増幅液充填孔34からクロマトグラフ担体に供給して、銀増幅反応を行った。増幅液充填孔34から滴下された第2の増幅液51は、流路形成部材65の一面62と不溶性担体2との間隙60に充填され毛細管現象により検査領域Lに導かれ、銀増幅反応は数十秒で完了する。
(22−5)検査領域の濃度値の算出
増幅処理済みの各実施例および比較例のイムノクロマトグラフキットから、クロマトグラフ担体を取り出し、検査領域Lの濃度をLAS4000(Fujifilm(株)社製)で撮影し、濃度差(ΔOD=(検査領域Lの濃度)−(バックグラウンド部の濃度))を算出した。発色時間の規格は、POCTに適する検査時間を鑑みて15分以下を好ましい範囲とした。
(22−6)吸収パッドの吸水力の測定方法
本明細書において、吸収パッドの吸水力は1分間当たりの吸水量で定義されるものであり、具体的には、以下のようにして求めたものとする。
HiFlow Plus HF135(キャピラリーフローレート135秒/cm、ミリポア社製)のメンブレンを20mm×20mmの大きさに切り出して、水を飽和量吸収させた。このメンブレン上に、縦15mm×横10mm×高さ2mmの大きさの吸収パッドを載せ、その上に20mm×20mmの底面積をもつ630gの重りを乗せた状態で、10秒間押し付けた。10秒後に吸収パッドを回収して重量を測定した。吸収パッドをメンブレン上に載せる前後における重量の増加分である水の吸収量を計算し、吸収パッドの吸水量として1分当たりの吸水量を求めた。
(22−7) 濃度ムラの評価
濃度ムラについて官能評価を行った。評価の基準は以下の通りとした。
A 濃度ムラが発生しない。
B 濃度ムラがわずかに発生するが気にならない。
C 濃度ムラが発生し、実用的に許容されない。
実施例11〜17および比較例11〜14のイムノクロマトグラフキットについて、構成上の差異および上記測定結果についてまとめ下記表2に示す。なお、いずれの実施例および比較例についても流路形成部材65の一面62と不溶性担体2の表面2Sとにより形成される間隙60の距離Dは、0.3mmとした。
Figure 2016114122
表2の結果より、吸収パッド5の吸水力が45μL/分以上であり、不溶性担体2の上流端2aと吸収パッド5の上流端5aの距離Aが44mm〜64mmであるとき、発色時間は15分以下に抑えられ、濃度ムラなく良好な検査を行うことができることが明らかである。比較例11、12のように吸水力が45μL/分より小さいとき、発色時間が20分超えとなり、POCTに適さない結果となった。比較例13のように、距離Aが大き過ぎると、第1の増幅液の拡散が途中で止まってしまい、発色自体生じなかった。また、比較例4のように、流路形成部材65の一面62の上流端64と、標識保持パッド3の下流端3bとの距離Bが1.0mm未満の場合、試料液を標識保持パッド3に点着した際に、流路形成部材65と不溶性担体2の間隙60に試料液が毛管力で入り込み、濃度ムラが発生した。すなわち、標識保持パッド3の下流端3bと流路形成部材65の一面62の上流端64との距離Bは1.0mm以上とする必要性があることが明らかになった。
さらに、表3に、実施例11、実施例18〜20について構成上の差異、および上記測定結果についてまとめて示す。
Figure 2016114122
表3の結果より、標識保持パッド3の上流端3aと送液用パッド4の下流端4bとの距離Cは12mm以上であることが望ましいことがわかった。実施例18のように、距離Cが12mm未満の場合、試料液と第1の増幅液が液状で混合する割合が増加して、増幅のムラ(濃度ムラ)が生じる場合があった。
1 検査用ストリップ
2 不溶性担体
2a 不溶性担体の一端(上流端)
3 標識保持パッド
3a 標識保持パッドの上流端
3b 標識保持パッドの下流端
4 送液用パッド
4b 送液用パッドの下流端
5 吸収パッド
5a 吸収パッドの上流端
6 封止フィルム(フィルム状固定部材)
7 バック粘着シート
9 ハウジングケース
10 下部ケース
11、13 収容部
12 第1のポットの収容部
20 上部ケース
21 試料液滴下用開孔
22 第1の可動部材
23 第1の可動部材の差込口
24 第2の可動部材
25 第2の可動部材の差込口
30 中間部材
32 第2のポットの収容部
33 突起部
34 増幅液充填孔
40 第1の増幅液用の第1のポット
41 第1の増幅液
50 第2の増幅液用の第2のポット
51 第2の増幅液
60 間隙
61 観察窓
62 流路形成部材の一面
64 流路形成部材の上流端
65 流路形成部材
100 イムノクロマトグラフキット
検査領域
確認領域
増幅指標領域

Claims (23)

  1. 試料液中の被検物質を検出するイムノクロマトグラフキットであって、
    前記試料液を展開させる不溶性担体、該不溶性担体上に固定された前記被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質を含む標識保持パッド、前記不溶性担体の一端に接触して配置された第1の増幅液を前記不溶性担体に送液する送液用パッド、および前記不溶性担体の他端に接触して配置された吸収パッドを備え、前記不溶性担体の前記標識保持パッドと前記吸収パッドとの間に、前記被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域、前記第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域、前記第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域を前記標識保持パッド側から順に有する検査用ストリップと、
    前記送液用パッドの下方に配置された、前記第1の増幅液を封入した第1のポットと、
    前記吸収パッドの上方に配置された、第2の増幅液を封入した第2のポットと、
    前記検査用ストリップ、前記第1のポット、および前記第2のポットを内包し、前記標識保持パッドを臨む試料液滴下用開孔を有するハウジングケースとを備えたイムノクロマトグラフキット。
  2. 前記ハウジングケースが、前記試料液滴下用開孔を有する上部ケースと、前記検査用ストリップが配置される収容部を有する下部ケースと、前記上部ケースおよび前記下部ケースの間に配置される中間部材とを備え、
    該中間部材が、前記第2のポットを受容し、前記第2の増幅液を流下させるための孔を底面に備えたポット収容部を有する請求項1に記載のイムノクロマトグラフキット。
  3. 前記第1のポットおよび前記第2のポットが、それぞれシート部材を備えた一面を有している請求項1または2に記載のイムノクロマトグラフキット。
  4. 前記ハウジングケースが、前記試料液滴下用開孔を有する上部ケースと、前記検査用ストリップが配置される収容部を有する下部ケースと、前記上部ケースおよび前記下部ケースの間に配置される中間部材とを備え、
    該中間部材が、前記第2のポットを受容し、前記第2の増幅液を流下させるための孔を底面に備えたポット収容部を有し、
    前記第1のポットおよび前記第2のポットが、それぞれシート部材を備えた一面を有しており、
    前記中間部材の前記ポット収容部内に、前記第2のポットの前記シート部材を破断する突起部を、前記第2のポットの前記シート部材に面して備え、
    前記突起部により前記シート部材が破断される位置まで、前記第2のポットを前記突起部に対して相対的に移動させる可動部材を備えた請求項1に記載のイムノクロマトグラフキット。
  5. 前記第1のポットの前記シート部材を備えた一面が前記送液用パッドに面して配置されており、
    前記送液用パッドを介して前記第1のポットの前記シート部材と対向する位置に配置され、外部からの押圧力により、前記送液用パッドを押圧して変位させて、前記第1のポットの前記シート部材を破断させて前記第1のポットの内部に前記送液用パッドを押し込む可動部材を備えた請求項3または4に記載のイムノクロマトグラフキット。
  6. 前記標識保持パッドの少なくとも2辺がフィルム状固定部材により覆われて前記不溶性担体に固定されており、
    前記標識保持パッドの、前記ハウジングケースの前記試料液滴下用開孔に臨む領域は、前記フィルム状固定部材に覆われていない請求項1から5のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  7. 前記第1の増幅液が、銀イオンのための還元剤液であり、
    前記第2の増幅液が、銀イオンを含む溶液である請求項1から6のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  8. 前記第1の増幅液が、2価の鉄イオンを含む溶液である請求項1から7のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  9. 前記第1の増幅液と反応する物質が、プロトンを介して反応する物質である請求項1から8のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  10. 前記標識物質が金属コロイドである請求項1から9のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  11. 試料液中の被検物質を検出するイムノクロマトグラフキットであって、
    前記試料液を展開させる不溶性担体、該不溶性担体上に固定された前記被検物質に結合可能な第1の物質が修飾された標識物質を含む標識保持パッド、前記不溶性担体の一端に接触して配置された第1の増幅液を前記不溶性担体に送液する送液用パッド、および前記不溶性担体の他端に接触して配置された吸収パッドを備え、前記不溶性担体上の前記標識保持パッドと前記吸収パッドとの間に、前記被検物質に結合する第2の物質を含む検査領域を有する検査用ストリップと、
    前記送液用パッドの下方に配置された、前記第1の増幅液を封入した第1のポットと、
    前記吸収パッドの上方に配置された、第2の増幅液を封入した第2のポットと、
    前記検査用ストリップ、前記第1のポット、および前記第2のポットを内包するハウジングケースとを備え、
    前記ハウジングケースが、前記検査用ストリップが配置される収容部を備えた下部ケースと、該下部ケースと嵌合する上部ケースと、前記上部ケースおよび前記下部ケースの間に配置される流路形成部材とを備え、
    前記流路形成部材は、前記不溶性担体の表面との間に、該不溶性担体上に滴下される前記第2の増幅液を前記検査領域上に導く間隙を形成する一面を有するものであり、
    前記吸収パッドの吸水力が45μL/分以上90μL/分以下であり、
    前記検査用ストリップにおいて前記送液用パッド側を上流、前記吸収パッド側を下流としたとき、前記不溶性担体の前記一端と前記吸収パッドの上流側の端との距離が44mm以上64mm以下であり、
    前記流路形成部材の前記一面の上流側の端と、前記標識保持パッドの下流側の端との距離が1mm以上19mm以下であるイムノクロマトグラフキット。
  12. 前記間隙が、0.01mm以上1.00mm以下である請求項11に記載のイムノクロマトグラフキット。
  13. 前記標識保持パッドの上流側の端と前記送液用パッドの下流側の端との距離が12mm以上30mm以下である請求項11または12に記載のイムノクロマトグラフキット。
  14. 前記不溶性担体の前記一端と前記吸収パッドの上流側の端との距離が49mm以上59mm以下である、請求項11から13のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  15. 前記吸収パッドの吸水力が65μL/分以上75μL/分以下である請求項11から14のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  16. 前記不溶性担体上の前記検査領域と前記吸収パッドとの間に、前記第1の物質に結合可能な物質を含む確認領域、前記第1の増幅液と反応する物質を含む増幅指標領域を前記検査領域側から順に有する請求項1から5のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  17. 前記第1の増幅液と反応する物質が、プロトンを介して反応する物質である請求項16に記載のイムノクロマトグラフキット。
  18. 前記上部ケースと前記下部ケースとの間に配置される中間部材を備え、
    該中間部材が、前記第2のポットを受容し、前記第2の増幅液を前記不溶性担体上に滴下させるための孔を底面に備えたポット収容部を有する請求項11から17のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  19. 前記中間部材が、前記流路形成部材と一体的に形成されている請求項18記載のイムノクロマトグラフキット。
  20. 前記第2の増幅液が、前記不溶性担体の前記検査領域よりも下流側に滴下される請求項1から9いずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  21. 前記第1の増幅液が、銀イオンのための還元剤液であり、
    前記第2の増幅液が、銀イオンを含む溶液である請求項11から20のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  22. 前記第1の増幅液が、2価の鉄イオンを含む溶液である請求項11から21のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
  23. 前記標識物質が金属コロイドである請求項11から22のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフキット。
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