JPWO2016104582A1 - 体腔液処理システム - Google Patents

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Abstract

腹水処理システムの濃縮器におけるサイトカインなどの不要物質の除去率を上げる。腹水処理システム1は、腹水バッグ20と、濾過器21と、濃縮器22及び濃縮腹水バッグ23を有する腹水処理回路10と、腹水処理回路10における腹水又は濾過液の少なくともいずれかを加温して濃縮器22に導入される液体の温度を上げる加温手段11および希釈手段100と、を有する。

Description

本発明は、腹水、胸水、心嚢液等の体腔液処理システムに関する。
例えば難治性腹水症の治療法として、患者から腹水を採取し、当該腹水を濾過して癌細胞や細菌などの病因物質を除去し、次に、そのアルブミンなどのタンパク質の有用物質を含む濾過液を濃縮し、その後、当該濃縮液を体内に再注入する腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy)がある。
かかる治療法には、通常腹水処理システムが用いられ、当該腹水処理システムは、腹水バッグと、濾過膜を備えた濾過器と、濃縮膜を備えた濃縮器と、濃縮腹水バッグとをこの順番で直列的に接続した液体回路を備えている(特許文献1、2、3参照)。
特開平5−220219号公報 特開平5−168699号公報 WO2014/112352号公報
ところで、上述のような腹水処理システムの濾過器では、比較的大きな病因物質である癌細胞や細菌が除去されるものの、比較的小さな物質は濾過膜を通過し濾過液内に残る。この残留物質の中には、サイトカイン(インターロイキンIL−6、IL−8など)や遊離ヘモグロビンなど、体内に再注入すると患者の体調に悪影響を及ぼす可能性のある物質(以下、「不要物質」とする。)が含まれており、かかる不要物質は可能な限り濃縮器で除去するのが好ましい。
しかしながら、腹水から生成された濾過液は、非常に高い粘性を有するものであり、濃縮器の例えば中空糸膜などの濃縮膜を通過しにくい状態になっている。この結果、濃縮器において濃縮膜を通過するための十分な流動性(流速)が得られず、サイトカインなどの不要物質を水分と共に十分に除去することは難しかった。特許文献3には、濾過器、濃縮器及び循環流路等をまとめて収容する恒温容器を設け、原液を加温することが記載されているものの、濃縮膜の通過性を向上させるには不十分であり、さらなる改良が望まれていた。
本出願はかかる点に鑑みてなされたものであり、濃縮器におけるサイトカインなどの不要物質の除去率を上げることができる腹水処理システムなどの体腔液処理システムを提供することをその目的とする。
本発明者らは、上記課題について濃縮器に入る濾過液の温度を上げつつ濃縮器に導入される液体を希釈することにより濃縮器における不要物質の除去率が上がることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の態様は以下を含む。
(1)体腔液を貯留する体腔液貯留部と、前記体腔液貯留部の体腔液を濾過膜で濾過して体腔液から病因物質を除去する濾過器と、前記濾過器で濾過された濾過液を濃縮膜で濃縮する濃縮器と、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を貯留する濃縮液貯留部と、を有する液体回路と、前記液体回路における前記体腔液又は前記濾過液の少なくともいずれかを加温して前記濃縮器に導入される液体の温度を上げる加温手段と、前記液体回路に希釈液を加えて前記濃縮器に導入される液体を希釈する希釈手段と、を有する、体腔液処理システム。
(3)前記加温手段は、前記体腔液貯留部を加温する装置を有する、請求項1又は2に記載の体腔液処理システム。
(4)前記希釈手段は、前記濾過器と前記濃縮器との間の液体流路に希釈液を供給可能に構成されている、(1)〜(3)に記載の体腔液処理システム。
(5)前記希釈手段は、前記体腔液貯留部と前記濾過器との間の流体流路に希釈液を供給可能に構成されている、(1)〜(4)に記載の体腔液処理システム。
(6)前記加温手段は、前記希釈手段の希釈液を加温する装置を有する、(1)〜(5)のいずれかに記載の体腔液処理システム。
(7)前記液体回路は、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を再度前記濃縮器に送る再濃縮回路を有し、前記加温手段は、前記再濃縮回路を加温する装置を有する、(1)〜(6)のいずれかに記載の体腔液処理システム。
(8)前記液体回路は、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を再度前記濃縮器に送る再濃縮回路を有し、前記希釈手段は、前記再濃縮回路の濃縮液を希釈できる、(1)〜(7)のいずれかに記載の体腔液処理システム。
(9)前記液体回路は、前記濾過器から排出された液体を再度前記濾過器に送る再濾過回路を有し、前記加温手段は、前記再濾過回路を加温する装置を有する、(1)〜(8)のいずれかに記載の体腔液処理システム。
(10)前記液体回路は、前記濾過器から排出された液体を再度前記濾過器に送る再濾過回路を有し、前記希釈手段は、前記再濾過回路の液体を希釈できる、(1)〜(9)のいずれかに記載の体腔液処理システム。
(11)体腔液中に含まれるIL−6を80%以上の除去率で除去する、(1)〜(10)のいずれかに記載の体腔液処理システム。
なお、加温手段には、体腔液又は濾過液に直接熱を加えて加温するもののみならず、体腔液又は濾過液に、熱を加えた液体等を加えて間接的に加温するものも含まれる。
本発明によれば、濃縮器におけるサイトカインなどの不要物質の除去率を上げることができる。
第1の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第2の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第3の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第4の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第5の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第6の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第7の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第7の実施の形態における腹水処理システムの他の構成の概略を示す説明図である。 第8の実施の形態における腹水処理システムの構成を示す説明図である。 第9の実施の形態における腹水処理システムの構成の概略を示す説明図である。 第10の実施の形態における腹水処理システムの構成を示す説明図である。
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、図面の上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る体腔液処理システムとしての腹水処理システム1の構成の概略を示す説明図である。図1に示すように腹水処理システム1は、例えば液体回路としての腹水処理回路10と、加温手段11と、制御装置12と、希釈手段100を備えている。
腹水処理回路10は、体腔液貯留部としての腹水バッグ20と、濾過器21と、濃縮器22と、濃縮液貯留部としての濃縮腹水バッグ23と、腹水バッグ20と濾過器21を接続する第1の流路24と、濾過器21と濃縮器22を接続する第2の流路25と、濃縮器22と濃縮腹水バッグ23を接続する第3の流路26とを有している。
腹水バッグ20は、例えばポリ塩化ビニルなど軟質性の樹脂からなる容器であり、患者から採取された体腔液としての腹水を収容できる。
濾過器21は、腹水から癌細胞、細菌などの所定の病因物質を除去し、それ以外のアルブミンなどのタンパク質の有用物質を含む成分を通過させる中空糸膜からなる濾過膜30を有している。中空糸膜の材質としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン−ポリアリレートのポリマーアロイ等のポリスルホン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートやその共重合体等のメタクリレート系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(エバール)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルエーテルケトン等が挙げられる。
さらに、親水化処理を施してもよく、親水化剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体(エバール)、等が挙げられる。濾過器21は、孔径0.2μm以下の微多孔膜からなり、例えば腹水が濾過膜30の一次側(中空糸膜の内側)の入口から供給され、当該腹水が濾過膜30を通過して濾過膜30の二次側(中空糸膜の外側)に排出されることにより、腹水を濾過することができる。濾過器21の濾過膜30の一次側の出口は、濾過膜30を通過しない成分が排液される図示しない排液部に連通している。
第1の流路24は、例えばポリ塩化ビニルなど軟質性のチューブであり、腹水バッグ20の出口から濾過器21の濾過膜30の一次側の入口に接続されている。第1の流路24には、例えばチューブポンプ40が設けられ、腹水バッグ20の腹水を濾過器21に送ることができる。なお、チューブポンプ40を設けずに、腹水バッグ20の腹水を重力落下により濾過器21に供給するようにしてもよい。
濃縮器22は、濾過器21を通過した濾過液中の水分を除去して濃縮する中空糸膜からなる濃縮膜50を有している。中空糸膜の材質としては、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルスルホン−ポリアリレートのポリマーアロイ等のポリスルホン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレートやその共重合体等のメタクリレート系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(エバール)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート等のセルロースアセテート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、ポリアリルエーテルケトン等が挙げられる。
さらに、親水化処理を施してもよく、親水化剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリプロピレングリコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体(エバール)、等が挙げられる。濃縮膜50は孔径0.1μm以下の微多孔膜からなり、水分に加え、濾過液に含まれる微小な所定物質も除去できる。当該除去物質には、患者に悪影響を与えるサイトカイン(IL−6、IL−8、IL−10)、遊離ヘモグロビン、ビリルビン、カリウムなどの電解質などの不要物質が含まれる。濃縮器22は、例えば濾過液が濃縮膜50の一次側(中空糸膜の内側)の入口から供給され、当該濾過液に含まれる水分が、濃縮膜50を通じて濃縮膜50の二次側(中空糸膜の外側)に抜けることにより、濾過液を濃縮できる。またこの際、水分と共に不要物質が濃縮膜50を通過することにより、濾過液から不要物質を除去できる。また、濃縮膜50は、アルブミンなどのタンパク質の有用物質を通過させず、濃縮液として残す。濃縮器22の濃縮膜50の二次側は、濾過液から排出された水分や不要物質が排液される排液部に連通している。
第2の流路25は、例えばポリ塩化ビニルなど軟質性チューブであり、濾過器21の濾過膜30の二次側の出口から濃縮器22の濃縮膜50の一次側の入口に接続されている。第2の流路25には、例えばチューブポンプ60が設けられ、濾過器21で濾過された濾過液を濃縮器22に送ることができる。
第3の流路26は、例えばポリ塩化ビニルなど軟質性チューブであり、濃縮器22の濃縮膜50の一次側の出口から濃縮腹水バッグ23に接続されている。
濃縮腹水バッグ23は、例えばポリ塩化ビニルなど軟質性の樹脂からなる容器であり、濃縮器22で濃縮された有用物質を含む濃縮液を収容できる。
加温手段11は、例えば第2の流路25に接触するように設けられた装置としてのヒータ70を有し、第2の流路25を流れる濾過液を所定の温度に加温できる。なお、第2の流路25は、ヒータ70の近傍において蛇行していてもよい。
制御装置12は、例えばCPU、メモリ等を有するマイクロコンピュータであり、例えばチューブポンプ40、60の動作を制御して、腹水バッグ20の腹水を濾過器21及び濃縮器22を通して濃縮腹水バッグ23に送ることができる。また制御装置12は、加温手段11の動作を制御して、濃縮器22に導入される濾過水の温度を所定の温度に加温できる。さらに制御装置12は、チューブポンプ122等の希釈手段100の動作を制御して、濃縮器22に導入される濾過水を希釈できる。すなわち、制御装置12は、例えば予めメモリに記憶されたプログラムを実行して各種装置の動作を制御して所定の腹水処理を実施できる。
希釈手段100は、腹水や濾過液よりも粘性の低い希釈液が貯留された希釈液貯留部120と、当該希釈液貯留部120から第2の流路25に通じる第1の接続流路121を備えている。第1の接続流路121は、例えば第2の流路25のヒータ70の上流側に接続されている。第1の接続流路121には、例えばチューブポンプ122が設けられている。
希釈液には、例えば水、生理食塩水等が用いられるが腹水などの体腔液や濾過液よりも度が低いものであれば特に限定されない。また、希釈液には、ヘパリンなどの抗凝固剤が含まれていてもよい。濾過液は、2倍以上、好ましくは2倍〜20倍、より好ましくは2倍〜10倍、さらに好ましくは3倍〜10倍の希釈倍率に希釈される。ここで希釈倍率とは、希釈前の腹水中のタンパク質濃度A1を、希釈後の腹水中のタンパク質濃度A2で割った値(A1/A2(倍))を示す。
次に、腹水処理システム1で行われる腹水処理について説明する。
先ず、患者から採取した腹水を収容した腹水バッグ20が第1の流路24に接続される。このとき、腹水の温度は、例えば常温となる。次に例えば加温手段11のヒータ70が作動し、第2の流路25を通る濾過液を加熱できる状態にする。このときの濾過液の目標加温温度は、常温よりも高い温度、好ましくは20℃〜40℃、より好ましくは25℃〜40℃に設定される。
次に、チューブポンプ40、60が駆動し、腹水バッグ20の腹水が、第1の流路24を通って濾過器21に供給され濾過される。このとき、腹水が、濾過器21の濾過膜30を透過する際に癌細胞や細菌などの所定の病因物質が除去される。濾過膜30を通過した濾過液は、第2の流路25を通じて濃縮器22に供給される。この際、濾過液は、希釈手段100により希釈され、加温装置11のヒータ70により目標温度、例えば20℃〜40℃、好ましくは、22℃〜40℃、より好ましくは、25℃〜40℃に加温される。
濾過液が希釈される際には、チューブポンプ122が作動し、希釈液貯留部120の希釈液が第1の接続流路121を通じて第2の流路25に供給され、濾過液に加えられる。希釈液には、例えば水、生理食塩水等が用いられる。希釈された濾過液は、ヒータ70で加温され、この結果、希釈と加温により粘性が低下した濾過液が濃縮器22に導入される。
濾過液は、濃縮器22の濃縮膜50の一次側に導入され、濃縮膜50の一次側の出口に向かって流れる。このとき、濾過液中の水分が濃縮膜50を透過して二次側に排出され、濾過液が濃縮されるとともに、濾過液中のサイトカインなどの不要物質も濃縮膜50を透過して二次側に排出される。濃縮器22で濃縮されたアルブミンなどの有用物質を含む濃縮液は、第3の流路26を通じて濃縮腹水バッグ23に送られ収容される。こうして、腹水バッグ20内の全ての腹水が、濾過濃縮されると、腹水処理が終了する。その後、濃縮腹水バッグ23の濃縮液は、患者に再注入される。
本実施の形態によれば、腹水処理システム1が、加温手段11により濃縮器22に導入される濾過液の温度を上げることができるので、濃縮器22を流れる濾過液の粘性が下がり、濃縮器22における濾過液の流動性(流速)を上げることができる。さらに、希釈されることによって濃縮器22における濾過液の流動性が飛躍的に上がる。この結果、濾過液の水分や、サイトカイン等の不要物質が濃縮膜50を通過しやすくなり、濾過液からのサイトカイン等の不要物質の除去率を向上できる。よって、濾過液から不要物質を十分に除去することができ、より有用な濃縮腹水を患者に再注入することができる。
加温手段11が、濾過器21と濃縮器22との間の第2の流路25を加温する装置であるので、濃縮器22に入る直前の濾過液を加温できる。このため、濃縮器22に導入される濾過液の温度を確実に上げることができるので、濃縮器22における濾過液の流動性を確実に上げて不要物質の除去率を向上できる。
(第2の実施の形態)
上記第1の実施の形態において、腹水処理システム1の加温手段11が、第2の流路25を加温するものであったが、腹水バッグ20を加温するものであってもよい。かかる場合、図2に示すように腹水バッグ20には、加温手段11のヒータ90が設けられる。そして、腹水処理の際には、先ず、患者から採取した腹水が腹水バッグ20に収容されている状態で、加温手段11のヒータ90が作動し、腹水バッグ20内の腹水が目標温度に加温される。このときの腹水の目標加温温度は、常温よりも高い温度、好ましくは20℃〜45℃、より好ましくは25℃〜45℃に設定される。
次に、チューブポンプ40、60が駆動し、腹水バッグ20の加温された腹水が、第1の流路24を通じて濾過器21に供給され濾過され、さらにその濾過液が、第2の流路25を通じて濃縮器22に供給される。このとき、通常よりも高い温度の濾過液が濃縮器22に導入され、濾過液中の水分や不要物質が濃縮膜50を通過して濾過液が濃縮される。濃縮器22で濃縮された濃縮液は、第3の流路26を通じて濃縮腹水バッグ23に収容されて、腹水処理が終了する。
本実施の形態においても、濃縮器22に導入される濾過液の温度を上げることができるので、濃縮器22を流れる濾過液の粘性が下がり、濾過液の流動性を上げることができる。この結果、濾過液の水分や、サイトカイン等の不要物質が濃縮膜50を通過しやすくなり、濾過膜からのサイトカイン等の不要物質の除去率を向上できる。よって、濾過液から不要物質を十分に除去することができ、より有用な濃縮腹水を患者に再注入することができる。
また、加温手段11が、腹水バッグ20において腹水が加温されるので、濾過器21に高い温度の腹水が流入する。この結果、濾過器21においても腹水の粘性が低下し、腹水の流動性が上がり、濾過膜30における病因物質の除去率も向上できる。また、濾過器21の濾過膜30における目詰まりも抑制できる。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態において、腹水処理システム1の加温手段11が第2の流路25を加温するものであり、第2の実施の形態において、加温手段11が腹水バッグ20を加温するものであったが、その両方であってもよい。かかる場合、例えば図3に示すように第2の流路25には加温手段11のヒータ70が設けられ、腹水バッグ20には加温手段11のヒータ90が設けられる。そして、腹水処理の際には、先ず腹水バッグ20において腹水が加温され、次に第2の流路25において濾過液が加温される。なお、このとき、腹水バッグ20における腹水の加温温度と、第2の流路25における濾過液の加温温度は異なっていてもよく、前者が後者よりも低く設定されていてもよいし、高く設定されていてもよい。
本実施の形態によれば、腹水バッグ20の腹水と第2の流路25の濾過液が加温されるので、濃縮器22に導入される濾過液の温度を確実に上げることができる。よって、濃縮器22において、濾過液から濃縮膜50を通じて排出されるサイトカイン等の不要物質の除去率を確実に上げることができる。
なお、以上の実施の形態における加温手段11は、腹水バッグ20や第2の流路25を加温するものであったが、濃縮器22に導入される前の腹水或いは濾過液を加温できるもの、すなわち腹水処理回路10の濃縮器22よりも上流側を加温できるものであれば、腹水バッグ20や第2の流路25以外の他の部分を加温するものであってもよい。例えば加温手段11は、第1の流路24や濾過器21を加温するものであってもよい。また、それらの加温手段11の加温する部分は、一か所や二か所に限られず、3か所以上の複数個所であってもよい。また、それらの加温する箇所、例えば腹水バッグ20、第1の流路24、濾過器21及び第2の流路25を任意に組み合わせて加温してもよい。
また、加温手段11は、給電により発熱するヒータを用いて加温するものに限られず、公知の他の方法を用いて加温するものであってもよい。例えば、加温手段は、熱風・熱水など高温物質と接触させるもの、マイクロ波など超音波などで振動させるもの、さらに後述する加温された希釈液などの液体と混合するものであってもよい。
(第4の実施の形態)
以上の実施の形態において、希釈手段100は、第2の流路25に希釈液を供給するものであったが、第1の流路24に希釈液を供給するものであってもよい。かかる場合、例えば図4に示すように希釈手段100は、希釈液が貯留された希釈液貯留部130と、当該希釈液貯留部130から第1の流路24に通じる第2の接続流路131を備えている。第2の接続流路131には、例えばチューブポンプ132が設けられている。
腹水処理の際には、チューブポンプ132が作動し、希釈液貯留部130の希釈液が第2の接続流路131を通じて第1の流路24に供給され、腹水が希釈される。希釈液には、例えば水、生理食塩水等が用いられる。また、希釈液には、ヘパリンなどの抗凝固剤が含まれていてもよい。腹水は、2倍以上、好ましくは2倍〜20倍、より好ましくは2倍〜10倍、さらに好ましくは3倍〜10倍の希釈倍率に希釈される。ここで希釈倍率とは、希釈前の腹水中のタンパク質濃度A1を、希釈後の腹水中のタンパク質濃度A2で割った値(A1/A2(倍))を示す。希釈された腹水は、濾過器21を通過して濾過され、その濾過液は、ヒータ70で加温され、濃縮器22に導入される。これにより、濃縮器22に導入される濾過液が、加温及び希釈され、流動性が飛躍的に上がる。この結果、濾過液から濃縮膜50を通じて排出されるサイトカイン等の不要物質の除去率を向上できる。また、濾過器21に導入される腹水の流動性も向上するので、濾過器21における病因物質の除去率も向上できる。また、濾過器21の濾過膜30や濃縮器22の濃縮膜50の目詰まりも抑制できる。
(第5の実施の形態)
上記第1〜3の実施の形態では、腹水処理システム1の希釈手段100が第2の流路25の濾過液を希釈するものであり、第4の実施の形態では、希釈手段100が第1の流路24の腹水を希釈するものであったが、その両方であってもよい。かかる場合、例えば図5に示すように希釈手段100は、第2の流路25に希釈液を供給するための、希釈液貯留部120、第1の接続流路121及びチューブポンプ122を有し、さらに、第1の流路24に希釈液を供給するための、希釈液貯留部130、第2の接続流路131及びチューブポンプ132を有する。そして、腹水処理の際には、先ず第1の流路24において腹水が希釈され、次に第2の流路25において濾過液が希釈される。そして、第2の流路25において濾過液が加温され、濃縮器22に希釈及び加温された濾過液が導入される。なお、このとき、第1の流路24における腹水の希釈倍率と、第2の流路25における濾過液の希釈倍率は異なっていてもよく、前者が後者よりも低く設定されていてもよいし、高く設定されていてもよい。
本実施の形態によれば、濃縮器22に導入される濾過液の流動性が飛躍的に上がるので、濾過液から濃縮膜50を通じて排出されるサイトカイン等の不要物質の除去率を確実に上げることができる。
(第6の実施の形態)
加温手段11が、希釈手段100の希釈液を加温する装置を有していてもよい。かかる場合、例えば図6に示すように加温手段11が、希釈手段100の希釈液貯留部120及び希釈液貯留部130を加温するヒータ140を有している。これにより、希釈液が加温されるので、希釈液により希釈された腹水や濾過液も加温される。よって、希釈及び加温された濾過液が濃縮器22に導入されるので、濃縮器22において濾過液の流動性が上がり、濃縮膜50によりサイトカイン等の不要物質の除去率を向上できる。
なお、かかる加温手段11のヒータ140は、希釈液貯留部120又は希釈液貯留部130のいずれかに設けられていてもよいし、第1の接続流路121又は第2の接続流路131の少なくともいずれかを加温するものであってもよい。
(第7の実施の形態)
以上の実施の形態において、図7に示すように腹水処理回路10が、濃縮器22で濃縮された濃縮液を再度濃縮器22に送る再濃縮回路150を有し、加温手段11は、再濃縮回路150を加温する装置を有していてもよい。かかる場合、例えば再濃縮回路150は、濃縮腹水バッグ23から第2の流路25に接続される接続流路160と、当該接続流路160に設けられたチューブポンプ161を有している。接続流路160は、例えば軟質性のチューブである。加温手段11は、接続流路160を加温するヒータ162を有している。
腹水処理の際には、チューブポンプ161が作動し、濃縮腹水バッグ23に回収された濃縮液が再度、接続流路160に流出し、ヒータ162により加温されて、第2の流路25に流入する。この濃縮液は、第2の流路25を通って再度濃縮器22に供給され、再濃縮される。これにより、高い濃縮率の濃縮液を実現できる。また、この際、循環される濃縮液が加温されているので、濃縮器22に導入される濃縮液及び濾過液の流動性が上がり、濃縮器22におけるサイトカイン等の不要物質の除去率を上げることができる。
第7の実施の形態において、図8に示すように接続流路160を第2の流路25のヒータ70よりも上流側に接続してもよい。かかる場合、濃縮液を再濃縮する際に、ヒータ70により加温できる。
(第8の実施の形態)
第7の実施の形態において、図9に示すように希釈手段100が、濃縮器22で濃縮された濃縮液を再度濃縮器22に送る再濃縮回路150に設けられていてもよい。かかる場合、腹水処理の際に、チューブポンプ161が作動し、濃縮腹水バッグ23に回収された濃縮液が再度、接続流路160に流出する。このとき希釈手段100から接続流路160に希釈液が供給される。よって、接続流路160に流入した濃縮液は、希釈液によって希釈されて、第2の流路25に流入する。この希釈された濃縮液は、第2の流路25で加温された濾過液と合流し、第2の流路25を通って再度濃縮器22に供給され、再濃縮される。これにより、再濃縮される濃縮液が希釈及び加温されているので、濃縮器22に導入される液体の流動性が上がり、濃縮器22におけるサイトカイン等の不要物質の除去率を上げることができる。
なお、本実施の形態において、再濃縮回路150には、希釈手段100と共に、上記第7の実施の形態で記載した加温手段11が設けられていてもよい。
(第9の実施の形態)
以上の実施の形態において、図10に示すように腹水処理回路10が、濾過器21から排出された液体を再度濾過器21に送る再濾過回路180を有し、加温手段11は、再濾過回路180を加温する装置を有していてもよい。かかる場合、例えば再濾過回路180は、濾過器21の濾過膜30の一次側の出口から腹水バッグ20に接続される接続流路181を有している。接続流路181は、例えば軟質性のチューブである。加温手段11は、接続流路181を加温するヒータ182を有している。
腹水処理の際には、濾過器21から排出された液体は、再濾過回路180を通じて腹水バッグ20に戻される。この際、当該液体が、ヒータ182により加温される。腹水バッグ20に戻された液体は、再度第1の流路24を通って濾過器21に供給され、濾過される。その濾過液は、第2の流路25を通じて希釈され、その後濃縮器22に導入される。これにより、濃縮器22に導入される濾過液が、加温及び希釈され、流動性が飛躍的に上がる。この結果、濾過液から濃縮膜50を通じて排出されるサイトカイン等の不要物質の除去率を向上できる。また、濾過器21に導入される液体の流動性も向上するので、濾過器21における病因物質の除去率も向上できる。また、濾過器21の濾過膜30や濃縮器22の濃縮膜50の目詰まりも抑制できる。なお、接続流路181は、濾過器21の濾過膜30の一次側の出口から第1の流路24に接続されるものであってもよい。
(第10の実施の形態)
上記第9の実施の形態において、加温手段11に代えて図11に示すように希釈手段100が、濾過器21から排出された液体を希釈できる再濾過回路180に設けられていてもよい。かかる場合、腹水処理の際に、濾過器21から排出された液体が、再濾過回路180を通じて腹水バッグ20に戻される。この際、希釈手段100から再濾過回路180に希釈液が供給され、濾過器21から排出された液体が希釈される。希釈された液体は、第1の流路24及び濾過器21を通過して再度濾過され、その濾過液は、ヒータ70で加温され、濃縮器22に導入される。これにより、濃縮器22に導入される濾過液が、加温及び希釈され、流動性が飛躍的に上がる。この結果、濾過液から濃縮膜50を通じて排出されるサイトカイン等の不要物質の除去率を向上できる。また、濾過器21に導入される液体の流動性も向上するので、濾過器21における病因物質の除去率も向上できる。また、濾過器21の濾過膜30や濃縮器22の濃縮膜50の目詰まりも抑制できる。
なお、本実施の形態において、再濾過回路180には、希釈手段100と共に、上記第9の実施の形態で記載した加温手段11が設けられていてもよい。
以上の第1〜第10の実施の形態における希釈手段100は、第1の流路24、第2の流路25、再濃縮回路150、再濾過回路180に希釈液を供給するものであったが、濃縮器22に導入される前の腹水、濾過液或いは循環濃縮液(液体)に希釈液を供給するもの、すなわち腹水処理回路10の濃縮器22よりも上流側で希釈するものであれば、第1の流路24、第2の流路25、再濃縮回路150、再濾過回路180以外の他の部分に希釈液を供給するものであってもよい。例えば希釈手段100は、腹水バッグ20に希釈液を供給するものであってもよい。この場合、希釈液は、腹水バッグ20に腹水を収容する前に、予め腹水バッグ20に供給されていてもよく、この場合、腹水バッグ20に腹水が収容された際に腹水が希釈される。
また、希釈手段100の希釈液を供給する部分は、一か所や二か所に限られず、3か所以上の複数個所であってもよい。また、それらの希釈する箇所、例えば腹水バッグ20、第1の流路24、第2の流路25、再濃縮回路150、再濾過回路180を任意に組み合わせて希釈してもよい。
また希釈手段100は、加温手段11で加温される部分の上流側に設けられていてもよい。
また、希釈手段100の構成は、以上のものに限られず、公知の他の構成のものであってもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば上記実施の形態で記載した腹水処理システム1や腹水処理回路10の構成は、これに限られず他の構成を有するものであっても、本発明は適用できる。また、腹水以外の他の体腔液、例えば胸水を処理する胸水処理システムにも本発明は適用できる。なお、この胸水処理システムは、以上の腹水処理システムと同じ構成を有していてもよいし、異なる構成を有していてもよい。
なお、上記第1〜第10の実施の形態において腹水処理システム1は、希釈手段100を備えるものであったが、上記第1〜第10の実施の形態において希釈手段100を備えず、加温手段11のみで濃縮器に入る濾過液の温度を上げることにより濃縮器における不要物質の除去率を上げることも提案できる。すなわち、体腔液を貯留する体腔液貯留部と、前記体腔液貯留部の体腔液を濾過膜で濾過して体腔液から病因物質を除去する濾過器と、前記濾過器で濾過された濾過液を濃縮膜で濃縮する濃縮器と、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を貯留する濃縮液貯留部と、を有する液体回路と、前記液体回路における前記体腔液又は前記濾過液の少なくともいずれかを加温して前記濃縮器に導入される濾過液の温度を上げる加温手段と、を有する、体腔液処理システムが提案できる。かかる体腔液処理システムは、例えば図1〜11に示した腹水処理システム1において希釈手段100を取り除いた、加温手段11を有する構成により実現できる。また例えば第1〜第10の実施の形態で示した腹水処理システム1の動作のうちの希釈手段100を除いた加温手段11を含む動作を行うことにより実現できる。
以下の実施例において、本発明における加温によるサイトカイン除去効率について検証した実験結果を示す。
<疑似腹水の作製方法>
生体不要成分を含むタンパク質溶液として、ウシの血液を用いた血球成分を含む疑似腹水を作製した。まず、抗凝固剤としてヘパリンナトリウム注(1万単位/牛血液1L)を添加した牛血液を遠心分離し、血漿層、赤血球層およびバフィーコート層の各溶液を得て、これらを別々に回収した。次に血漿と生理食塩液を混和してタンパク質濃度4.0(g/dL)、アルブミン濃度を2.1(g/dL)に調製した疑似腹水を作製した。また、IL−6(商品名 Recombinant humanIL−6、PEPROTECH社製)を用いて、IL−6の濃度が5000pg/mLとなるように調整した。
<タンパク質濃度の測定方法>
タンパク質濃度は、ビューレット法により測定した。自動分析装置(東京貿易メディカルシステム(株)社製、Biolis24i)、測定用試薬としてイアトロTPII((株)LSIメディエンス社製)を用いた。
<アルブミン濃度の測定方法>
アルブミン濃度は、BCG法により測定した。自動分析装置(東京貿易メディカルシステム(株)社製、Biolis24i)、測定用試薬としてイアトロファインALBII((株)LSIメディエンス社製)を用いた。
<IL−6の測定方法>
IL−6は、ELISA法により測定した。Quantikine ELISA Human IL−6 Immunoassay(R&Dシステムズ(株)社製)を用いた。
<希釈倍率>
希釈前の腹水中のタンパク質濃度A1を、希釈後の腹水中のタンパク質濃度A2で割った値(A1/A2(倍))を希釈倍率とした。
<IL−6除去能>
体腔液貯留部に導入した疑似腹水中のIL−6濃度をX1(pg/mL)、濃縮液貯留部に導入した濃縮液中のIL−6濃度をX2(pg/mL)とし、次の式でIL−6除去能率を求めた。
IL−6除去能=(X1−X2)/X1×100(%)
IL−6の除去効率(除去能)を以下の様に判定した
IL−6除去能が85%以上・・・〇
IL−6除去能が85%以下・・・×
(実施例1)
図1に示すように、体腔液貯留部、濾過器、加温手段、希釈手段、濃縮器、濃縮液貯留部を回路で接続した(旭化成メディカル(株)社製 腹水濾過器AHF−MO−Wおよび腹水濃縮器AHF−UP)。また、加温手段(11)を示す位置に、血液浄化装置プラソートiQ21(旭化成メディカル(株)社製)を配置し、そのヒーター部分に回路を配置することで加温手段とした。また、希釈手段(100)の位置に、希釈液として生理食塩水(大塚化学(株)社製)12000mLを導入した。体腔液貯留部に疑似腹水3000mLを導入し、ポンプの流速50mL/minで送液を行った。濃縮液貯留部の濃縮液温度を測定したところ、30.2℃であった。希釈倍率およびIL−6除去能を表1に示した。
(実施例2)
希釈液として、生理食塩水(大塚化学(株)社製)を57000mLにしたこと以外は実施例1と同様の試験を実施した。
(実施例3)
体腔液貯留部に導入する疑似腹水を6000mLを導入し、生理食塩水(大塚化学(株)社製)を24000mLにしたこと以外は実施例1と同様の試験を実施した。
(実施例4)
希釈液として、生理食塩水(大塚化学(株)社製)を3000mLにしたこと以外は実施例1と同様の試験を実施した。
(比較例1)
加温および希釈していないこと以外は、実施例1と同様の試験を実施した。
Figure 2016104582
本発明は、濃縮器におけるサイトカインなどの不要物質の除去率を上げる際に有用である。
1 腹水処理システム
10 腹水処理回路
11 加温手段
12 制御装置
20 腹水バッグ
21 濾過器
22 濃縮器
23 濃縮腹水バッグ
24 第1の流路
25 第2の流路
26 第3の流路
30 濾過膜
50 濃縮膜
100 希釈手段

Claims (11)

  1. 体腔液を貯留する体腔液貯留部と、前記体腔液貯留部の体腔液を濾過膜で濾過して体腔液から病因物質を除去する濾過器と、前記濾過器で濾過された濾過液を濃縮膜で濃縮する濃縮器と、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を貯留する濃縮液貯留部と、を有する液体回路と、
    前記液体回路における前記体腔液又は前記濾過液の少なくともいずれかを加温して前記濃縮器に導入される液体の温度を上げる加温手段と、
    前記液体回路に希釈液を加えて前記濃縮器に導入される液体を希釈する希釈手段と、を有する、体腔液処理システム。
  2. 前記加温手段は、前記濾過器と前記濃縮器との間の液体流路を加温する装置を有する、請求項1に記載の体腔液処理システム。
  3. 前記加温手段は、前記体腔液貯留部を加温する装置を有する、請求項1又は2に記載の体腔液処理システム。
  4. 前記希釈手段は、前記濾過器と前記濃縮器との間の液体流路に希釈液を供給可能に構成されている、請求項1〜3に記載の体腔液処理システム。
  5. 前記希釈手段は、前記体腔液貯留部と前記濾過器との間の流体流路に希釈液を供給可能に構成されている、請求項1〜4に記載の体腔液処理システム。
  6. 前記加温手段は、前記希釈手段の希釈液を加温する装置を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の体腔液処理システム。
  7. 前記液体回路は、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を再度前記濃縮器に送る再濃縮回路を有し、
    前記加温手段は、前記再濃縮回路を加温する装置を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の体腔液処理システム。
  8. 前記液体回路は、前記濃縮器で濃縮された濃縮液を再度前記濃縮器に送る再濃縮回路を有し、
    前記希釈手段は、前記再濃縮回路の濃縮液を希釈できる、請求項1〜7のいずれかに記載の体腔液処理システム。
  9. 前記液体回路は、前記濾過器から排出された液体を再度前記濾過器に送る再濾過回路を有し、
    前記加温手段は、前記再濾過回路を加温する装置を有する、請求項1〜8のいずれかに記載の体腔液処理システム。
  10. 前記液体回路は、前記濾過器から排出された液体を再度前記濾過器に送る再濾過回路を有し、
    前記希釈手段は、前記再濾過回路の液体を希釈できる、請求項1〜9のいずれかに記載の体腔液処理システム。
  11. 体腔液中に含まれるIL−6を80%以上の除去率で除去する、請求項1〜10のいずれかに記載の体腔液処理システム。
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