JPWO2016104154A1 - 部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、部分分繊繊維束 - Google Patents
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Abstract
Description
(1)複数の単糸からなる繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
(2)複数の単糸からなる繊維束に複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ、前記分繊手段を前記繊維束の長手方向に沿って走行させながら分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過する位置まで前記分繊手段を走行させた後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
(3)前記分繊手段を抜き取り後、一定時間経過後に再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、(1)または(2)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(4)前記分繊手段を前記繊維束に突き入れた後、一定時間経過後に抜き取ることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(5)前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記押圧力の上昇に伴って前記繊維束から前記分繊手段を抜き取ることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(6)前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に具備することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(7)前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記撮像手段により撚りを検知し、前記突出部が該撚りに接触する直前から通過するまで、前記押圧力が低減するように前記分繊手段を制御することを特徴とする、(6)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(8)複数の前記突出部が、それぞれ独立して制御可能であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(9)前記分繊手段が、前記繊維束の長手方向に直交する回転軸を備え、前記回転軸表面に前記突出部が設けられていることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(10)前記繊維束が強化繊維であることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(11)前記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする、(10)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(12)複数の単糸からなる繊維束を、複数の束に分繊する部分分繊繊維束の製造装置であって、前記繊維束を繰り出す繰り出し手段と、前記繊維束を分繊する突出部を複数備えた分繊手段と、前記分繊手段を前記繊維束に突き入れ/抜き取りさせる制御手段と、分繊された部分分繊繊維束を巻き取る巻き取り手段と、を少なくとも備えることを特徴とする部分分繊繊維束の製造装置。
(13)前記分繊手段を、前記繊維束の繰り出し方向に直交する回転軸に沿って回転可能にするための回転機構を更に有することを特徴とする、(12)に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
(14)前記繊維束に突き入れた前記突出部における前記繊維束からの押圧力を検知する押圧力検知手段と、検知した押圧力を演算して前記制御手段により前記分繊手段を前記繊維束から抜き取る押圧力演算手段を更に有することを特徴とする、(12)または(13)に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
(15)前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に有することを特徴とする、(12)〜(14)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造装置。
(16)複数の単糸からなる繊維束の長手方向に沿って複数の束に分繊された分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成されてなることを特徴とする部分分繊繊維束。
(17)少なくとも1つの前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部、および/または該絡合部が集積されてなる絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、(16)に記載の部分分繊繊維束。
(18)前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部を含む絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、(17)に記載の部分分繊繊維束。
(19)交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記分繊処理区間が前記繊維束内にランダムに設けられていることを特徴とする、(16)〜(18)のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
(20)交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記繊維束の長手方向における任意長さの全幅領域において、少なくとも1つの前記分繊処理区間を有することを特徴とする、(16)〜(18)のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。なお、本発明は当該図面の態様に何ら限定されるものではない。
本発明において使用する繊維束100は、複数の単糸からなる繊維束であれば繊維種類は特に限定されるものではない。このうち、強化繊維を用いることが好ましく、中でも、炭素繊維、アラミド繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらは単独で使用してもよく2種類以上を併用することもできる。中でも炭素繊維は、軽量でかつ強度に優れた複合材料を提供することが可能となるので、特に好適である。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系のいずれでもよく、その平均繊維径は3〜12μmが好ましく、6〜9μmがより好ましい。
本発明は、繊維束が走行する場合に限らず、図5に示すように、静止状態の繊維束100に対して、分繊手段200を突き入れ(矢印(1))、その後、分繊手段200を繊維束100に沿って走行(矢印(2))させながら分繊処理部150を生成し、その後、分繊手段200を抜き取る(矢印(3))方法でもよい。その後は、図6(A)に示すように、静止していた繊維束100を一定距離移動させた後に、分繊手段200を元の位置(矢印(4))に戻してもよいし、図6(B)に示すように、繊維束100は移動させず、分繊手段200が絡合蓄積部120を経過するまで移動(矢印(4))させてもよい。
いずれの場合であっても、繊維束走行方向上流側に配置した、繊維束を巻き出す巻き出し装置(図示せず)などから繊維束を巻き出す。繊維束の巻き出し方向は、ボビンの回転軸と垂直に交わる方向に引き出す横出し方式や、ボビン(紙管)の回転軸と同一方向に引き出す縦出し方式が考えられるが、解除撚りが少ないことを勘案すると横出し方式が好ましい。
本発明は分繊手段200の突き入れと抜き取りを繰り返して分繊処理部150を形成する。その際、再度突き入れるタイミングは、分繊手段200を抜き取った後の経過時間で設定することが好ましい。また、再度抜き取るタイミングも、分繊手段200を突き入れた後の経過時間で設定することが好ましい。突き入れ、および/または抜き取りのタイミングを時間で設定することで、所定距離間隔の分繊処理区間110および、未分繊処理区間130を生成することが可能となり、分繊処理区間110と未分繊処理区間130の比率も任意に決定することが可能となる。また、所定時間間隔は、常時同じでもよいが、分繊処理を進めた距離に応じて長くしていくもしくは短くしていくことや、その時々の繊維束の状態に応じて、例えば繊維束が元々もっている毛羽や単糸の交絡が少ない場合には、所定時間間隔を短くするなど、状況に応じて変化させてもよい。
繊維束100に分繊手段200を突き入れると、分繊処理の経過にしたがって、生成する絡合部160が突出部210を押し続けるため、分繊手段200は絡合部160から押圧力を受ける。
繊維束100に突き入れた分繊手段200から繊維束100の長手方向に沿った前後の少なくとも一方10〜1000mm離れた範囲において、繊維束100の撚りの有無を検知する撮像手段を具備することも好ましい。この撮像により、撚りの位置をあらかじめ特定し、撚りに分繊手段200を突き入れないように制御することで、突き入れミスを防止することができる。また、突き入れた分繊手段200に撚りが接近した際に、分繊手段200を抜き出すこと、つまり撚りを分繊処理しないことで、繊維束100の狭幅化を防ぐことが出来る。ここで、突き入れミスとは、撚りに分繊手段200を突き入れてしまい、繊維束100を分繊手段200の突き入れ方向に押し動かすのみで、分繊処理されないことをいう。
繊維束100の撚りを検知した場合、前述の撚りに分繊手段200を突き入れないように制御する以外にも、繊維束100の走行速度を変化させてもよい。具体的には、撚りを検知した後、分繊手段200が繊維束100から抜き出ているタイミングで、撚りが分繊手段200を経過するまでの間、繊維束100の走行速度を早くすることで、効率よく撚りを回避することができる。
繊維束100の狭幅化について、図10を用いて説明する。図10は回転分繊手段220を用いた図の一例を示しており、分繊手段の形態はこれに限定されるものではない。図10(A)は、繊維束100を繊維走行方向Bに沿って走行させている際に、突出部210を繊維束100に突き入れ、分繊処理を行っている状態である。この状態では、撚り部300は突出部210に接触していない。図10(A)における実線310、一点鎖線320は、それぞれ繊維束100中の単糸を示す。これらの単糸310、320は、撚り部300を境に位置が入れ替わっている。繊維束100を走行させ、撚り部300に突出部210をそのまま接触させて分繊処理を行った場合、図10(B)で示すように、繊維束の幅はCからDへと狭くなる。符号310、320が単糸の場合を説明したが、この態様に限らず、ある程度の単糸がまとまった繊維束状態で撚り部300が形成される場合も同様である。
また、撮像手段で得られた画像を演算する画像演算処理手段を更に備え、画像演算処理手段の演算結果に基づき、分繊手段200の押圧力を制御する押圧力制御手段を更に備えてもよい。例えば、画像演算処理手段が撚りを検知した場合、分繊手段が撚りを経過する際の撚りの通過性をよくすることが出来る。具体的には、撮像手段により撚りを検知し、突出部210が検知した撚りに接触する直前から通過するまで、押圧力が低減するように分繊手段200を制御することが好ましい。撚りを検知した際、押圧力の上限値の0.01〜0.8倍の範囲に低減させることが好ましい。この範囲を下回る場合、実質的に押圧力を検知できなくなり、押圧力の制御が困難になったり、制御機器自体の検出精度を高める必要が生じる。また、この範囲を上回る場合には、撚りを分繊処理する頻度が多くなり、繊維束が細くなる。
突出部210を備えた分繊手段200を単純に繊維束100に突き入れる以外にも、分繊手段として回転可能な回転分繊手段220を用いることも好ましい態様である。図7は、回転分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す説明図である。回転分繊手段220は繊維束100の長手方向に直交する回転軸240を備えた回転機構を有しており、回転軸240表面には突出部210が設けられている。図中の繊維束走行方向B(矢印)に沿って繊維束100が走行するのにあわせ、回転分繊手段220に設けられた突出部210が繊維束100に突き入れられ、分繊処理が始まる。ここで、図示は省略するが、回転分繊手段220は、押圧力検知機構と回転停止位置保持機構を有していることが好ましい。双方機構によって、所定の押圧力が回転分繊手段220に作用するまでは、図7(A)の位置で回転停止位置を保持し分繊を続ける。突出部210に絡合部160が生じる等、所定の押圧力を超えると、図7(B)のように、回転分繊手段220が回転を始める。その後、図7(C)のように、突出部210(黒丸印)が繊維束100から抜け、次の突出部210(白丸印)が繊維束100に突き入る動作を行う。図7(A)〜図7(C)の動作が短ければ短いほど、未分繊処理区間は短くなるため、繊維束の分繊処理区間の割合を多くしたい場合には図7(A)〜図7(C)の動作を短くすることが好ましい。
回転分繊手段220に突出部210を多く配置することで、分繊処理割合の多い繊維束100を得られたり、回転分繊手段220の寿命を長くしたりすることができる。分繊処理割合の多い繊維束とは、繊維束内における分繊処理された長さを長くした繊維束もしくは、分繊処理された区間と未分繊処理の区間との発生頻度を高めた繊維束のことである。また、1つの回転分繊手段に設けられた突出部210の数が多いほど、繊維束100と接触して突出部210が磨耗する頻度を減らすことにより、寿命を長くすることができる。突出部210を設ける数としては、円盤状の外縁に等間隔に3〜12個配置することが好ましく、より好ましくは4〜8個である。
前記停止時間をゼロに、つまり、停止せず連続して回転し続けることもできる。
また、回転分繊手段220の間欠的な回転と停止を繰り返す方法以外にも、常に回転分繊手段220を回転し続けてもよい。その際、繊維束100の走行速度と回転分繊手段220の回転速度とを、相対的にいずれか一方を早くする、もしくは遅くすることが好ましい。速度が同じ場合には、突出部210を繊維束100に突き刺す/抜き出す、の動作が行われるため、分繊処理区間は形成できるものの、繊維束100に対する分繊作用が弱いため、分繊処理が十分に行われない場合がある。またいずれか一方の速度が相対的に早過ぎる、もしくは遅すぎる場合には、繊維束100と突出部210とが接触する回数が多くなり、擦過によって糸切れするおそれがあり、連続生産性に劣ることがある。
本発明は、分繊手段200、回転分繊手段220の突き入れと抜き取りを、分繊手段200、回転分繊手段220の往復移動によって行う往復移動機構を更に有してもよい。また、分繊手段200、回転分繊手段220を繊維束100の繰り出し方向に沿って往復移動させるための往復移動機構を更に有することも好ましい態様である。往復移動機構には、圧空や電動のシリンダやスライダなどの直動アクチュエータを用いることができる。
突出部210の先端における繊維束100との接触部の形状は、図3に示すように、角部を丸めた形状とすることが好ましい。突出部210の角部230L、230Rは、図4(A)に示すような円弧状(曲率半径:r)、図4(B)に示すような部分的に円弧R1、R2(角度範囲:θ1、θ2、曲率半径:r1、r2)と直線L1の組み合わせのように、角部全体として曲面状に形成することが好ましい。
本発明に係る部分分繊繊維束について説明する。図8は、本発明における繊維束に分繊処理を施した部分分繊繊維束の一例を示す概略2次元平面図である。本発明における部分分繊繊維束は、複数の単糸からなる繊維束100に繊維束の長手方向に沿って部分的に分繊処理が施された分繊処理区間111a〜118aと、隣接する分繊処理区間の間に形成される未分繊処理区間とが、交互に形成されることを特徴とする。
繊維束(1):
繊維径7μm、引張弾性率230GPa、フィラメント数12000本の連続した炭素繊維束を用いた。
繊維束(2):
繊維径7.2μm、引張弾性率240GPa、フィラメント数50000本の連続した炭素繊維束を用いた。
図2に示すような方法にて分繊繊維束を作成した。強化繊維束(1)を、ワインダーを用いて一定速度10m/minで巻出し、巻き出した強化繊維束(1)を5Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに強化繊維束を通し、強化繊維束幅を拡幅した後に、20mm幅に規制された幅規制ロールを通すことで20mmへ拡幅した拡幅強化繊維束を得た。得られた拡幅繊維束に対して、厚み0.3mm、幅3mm、高さ20mmの突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを、強化繊維束の幅方向に対して5mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を準備した。この分繊処理手段を拡幅強化繊維束に対して、図2に示す様に間欠式に抜き挿しし、部分分繊繊維束を作成した。
強化繊維束(2)を用いて、強化繊維束を拡幅後、25mm幅に規制した規制ロールに通し、25mmに拡幅した拡幅強化繊維束を得た以外は実施例1と同様に部分分繊繊維束を作成した。得られた部分分繊繊維束は分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して5分割に分繊されており、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していた。部分分繊繊維束を500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。結果を表1に示す。
強化繊維束(2)を用いて、強化繊維束を10Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに強化繊維束を通し、拡幅後、50mm幅に規制した規制ロールに通し、50mmに拡幅した拡幅強化繊維束を得た。得られた拡幅繊維束に対して、突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを強化繊維束の幅方向に対して1mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を用いて部分分繊繊維束を作成した以外は実施例1と同様に部分分繊繊維束を作成した。得られた部分分繊繊維束は分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して39分割に分繊されており、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していた。また、実施例2と比較して、結合蓄積部の品位が優れていた。部分分繊繊維束を500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。結果を表1に示す。
強化繊維束(2)を用いて、図6(A)に示すような方法にて、部分分繊繊維束を作成した。強化繊維束を一度10Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに強化繊維束を通し、拡幅後、50mm幅に規制した規制ロールに通し、50mmに拡幅した拡幅強化繊維束を得た。得られた拡幅強化繊維束を、張力を張った状態で静止させ、実施例3と同様の突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを強化繊維束の幅方向に対して1mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を突き入れ、繊維束長手方向に対して巻き取り方向とは逆に40mm分繊処理手段を走行させた後に、抜き取り、抜き取った状態で、元の位置へ戻した。同時に拡幅繊維束を巻き取り方向に対して39mm巻取り、再度張力を張った状態で静止させ、繊維束の長手方向に対して、分繊処理手段が1mmオーバーラップするように、再度分繊処理手段を突き入れた。以降同じ動作を繰り返し行い、部分分繊繊維束を得た。
強化繊維束(1)を用いて、分繊処理手段が強化繊維束に対して常に突き刺した状態となるように保持し、連続分繊処理を施した連続分繊処理繊維束を作成した以外は実施例1と同様とした。得られた連続分繊処理繊維束は分繊処理区間が繊維長手方向に連続して形成され、一部で著しい毛羽立ちによる品位悪化が見られ、繊維束内に存在した繊維の撚りが分繊処理手段に集積され、部分的な糸切れが生じ、連続して分繊処理を行うことが出来なかった。結果を表2に示す。
強化繊維束(2)を用いて、分繊処理手段が強化繊維束に対して常に突き刺した状態となるように保持し、連続分繊処理を施した連続分繊処理繊維束を作成した以外は実施例3と同様とした。得られた連続分繊処理繊維束は分繊処理区間が繊維長手方向に連続して形成され、一部で著しい毛羽立ちによる品位悪化が見られ、繊維束内に存在した繊維の撚りが分繊処理手段に集積され、部分的な糸切れが生じ、連続して分繊処理を行うことが出来なかった。結果を表2に示す。
110、110a、110b、111a、111b、111c、111d、112a、112b、113a、113b、113c、113d、114a、115a、116a、116b、117a、118a 分繊処理区間
120、830 絡合蓄積部
130 未分繊処理区間
140 毛羽溜まり
150 分繊処理部
160 絡合部
170 分繊距離
200 分繊手段
210 突出部
211 接触部
220 回転分繊手段
230L、230R 角部
240 回転軸
300 撚り部
310、320 繊維束に含まれる単糸
810、820、821 部分分繊繊維束の長手方向における任意長さ領域
Claims (20)
- 複数の単糸からなる繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
- 複数の単糸からなる繊維束に複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ、前記分繊手段を前記繊維束の長手方向に沿って走行させながら分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過する位置まで前記分繊手段を走行させた後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記分繊手段を抜き取り後、一定時間経過後に再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、請求項1または2に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記分繊手段を前記繊維束に突き入れた後、一定時間経過後に抜き取ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記押圧力の上昇に伴って前記繊維束から前記分繊手段を抜き取ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に具備することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記撮像手段により撚りを検知し、前記突出部が該撚りに接触する直前から通過するまで、前記押圧力が低減するように前記分繊手段を制御することを特徴とする、請求項6に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 複数の前記突出部が、それぞれ独立して制御可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記分繊手段が、前記繊維束の長手方向に直交する回転軸を備え、前記回転軸表面に前記突出部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記繊維束が強化繊維であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 前記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする、請求項10に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
- 複数の単糸からなる繊維束を、複数の束に分繊する部分分繊繊維束の製造装置であって、
前記繊維束を繰り出す繰り出し手段と、
前記繊維束を分繊する突出部を複数備えた分繊手段と、
前記分繊手段を前記繊維束に突き入れ/抜き取りさせる制御手段と、
分繊された部分分繊繊維束を巻き取る巻き取り手段と、
を少なくとも備えることを特徴とする部分分繊繊維束の製造装置。 - 前記分繊手段を、前記繊維束の繰り出し方向に直交する回転軸に沿って回転可能にするための回転機構を更に有することを特徴とする、請求項12に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
- 前記繊維束に突き入れた前記突出部における前記繊維束からの押圧力を検知する押圧力検知手段と、検知した押圧力を演算して前記制御手段により前記分繊手段を前記繊維束から抜き取る押圧力演算手段を更に有することを特徴とする、請求項12または13に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
- 前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に有することを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造装置。
- 複数の単糸からなる繊維束の長手方向に沿って複数の束に分繊された分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成されてなることを特徴とする部分分繊繊維束。
- 少なくとも1つの前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部、および/または該絡合部が集積されてなる絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、請求項16に記載の部分分繊繊維束。
- 前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部を含む絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、請求項17に記載の部分分繊繊維束。
- 交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記分繊処理区間が前記繊維束内にランダムに設けられていることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
- 交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記繊維束の長手方向における任意長さの全幅領域において、少なくとも1つの前記分繊処理区間を有することを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
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