JPWO2016104154A1 - 部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、部分分繊繊維束 - Google Patents

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Abstract

複数の単糸からなる繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの分繊処理部における突出部との接触部に単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に分繊手段を繊維束から抜き取り、絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度分繊手段を繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法、製造装置、これらの方法、装置で得られた部分分繊繊維束。繊維束を連続して安定的にスリット可能な部分分繊繊維束の製造方法および製造装置を提供できる。特に、撚りが含まれる繊維束や、ラージトウの単糸数の多い繊維束であっても、回転刃の交換寿命を気にすることなく、連続したスリット処理を可能とする、部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、ならびにこれらの製造方法や製造装置で得られた部分分繊繊維束を提供できる。

Description

本発明は、部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、ならびにこれらの製造方法や製造装置で得られた部分分繊繊維束に関する。さらに詳しくは、分繊することを想定していない、単糸数の多い安価なラージトウを、糸切れを起こすことなく、連続して分繊することを可能にした部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、ならびにこれらの製造方法や製造装置で得られた部分分繊繊維束に関する。
不連続の強化繊維(例えば、炭素繊維)の束状集合体(以下、繊維束ということもある。)とマトリックス樹脂からなる成形材料を用いて、加熱、加圧成形により、所望形状の成形品を製造する技術が知られている。このような成形材料において、単糸数が多い繊維束からなる成形材料では成形の際の流動性には優れるが、成形品の力学特性は劣る傾向がある。これに対し、成形時の流動性と成形品の力学特性の両立を狙い、成形材料内の繊維束として、任意の単糸数に調整した繊維束が使用されている。
繊維束の単糸数を調整する方法として、例えば特許文献1、2には、複数の繊維束を事前に巻き取った複数繊維束巻取体を用いて、分繊処理を行う方法が開示されている。しかし、これらの方法は、事前処理の繊維束の単糸数の制約を受けるため、調整範囲が限定され、所望の単糸数へ調整しづらいものであった。
また、例えば特許文献3〜5には、円盤状の回転刃を用いて繊維束を所望の単糸数に縦スリットする方法が開示されている。これらの方法は、回転刃のピッチを変更することで単糸数の調整が可能ではあるものの、長手方向全長に渡って縦スリットされた繊維束は収束性がないため、縦スリット後の糸をボビンに巻き取ったり、巻き取ったボビンから繊維束を巻き出すことといった取扱いが困難になりやすい。また、縦スリット後の繊維束を搬送する際には、縦スリットによって発生した枝毛状の繊維束が、ガイドロールや送りロールなどに巻きつき、搬送が容易でなくなるおそれがある。
また、特許文献6には、繊維方向に平行な縦スリット機能のある縦刃に加え、繊維方向に垂直な横刃を有した分繊カッターによって、縦スリットと同時に繊維を所定長に切断する方法が開示されている。この方法であれば、縦スリット後の繊維束を一旦ボビンに巻き取って搬送することが不要となり、取り扱い性は改善される。しかし、分繊カッターは、縦刃と横刃を備えるため、一方の刃が先に切断寿命に達すると、刃全体を交換せざるを得なくなる弊害が生じるものであった。
特開2002−255448号公報 特開2004−100132号公報 特開2013−49208号公報 特開2014−30913号公報 特許第5512908号公報 国際公開2012/105080号公報
上述の如く、流動性と力学特性を備えた成形品を製造するためには、任意の単糸数に調整された繊維束が必要である。
さらに、繊維束自体に撚りが存在することや、分繊処理工程で繊維束の走行中に撚りが入ることなど、繊維束が撚れた状態で、上述の縦スリット工程を通過する場合、交差した繊維束を長手方向に切断することから、縦スリット工程前後で、繊維束が寸断され、連続的に縦スリット処理が行えない不具合が発生する。
そこで、本発明の目的は、繊維束を連続して安定的にスリット可能な部分分繊繊維束の製造方法および製造装置を提供することにある。特に、撚りが含まれる繊維束や、ラージトウの単糸数の多い繊維束であっても、回転刃の交換寿命を気にすることなく、連続したスリット処理を可能とする、部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、ならびにこれらの製造方法や製造装置で得られた部分分繊繊維束を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を有する。
(1)複数の単糸からなる繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
(2)複数の単糸からなる繊維束に複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ、前記分繊手段を前記繊維束の長手方向に沿って走行させながら分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過する位置まで前記分繊手段を走行させた後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
(3)前記分繊手段を抜き取り後、一定時間経過後に再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、(1)または(2)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(4)前記分繊手段を前記繊維束に突き入れた後、一定時間経過後に抜き取ることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(5)前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記押圧力の上昇に伴って前記繊維束から前記分繊手段を抜き取ることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(6)前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に具備することを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(7)前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記撮像手段により撚りを検知し、前記突出部が該撚りに接触する直前から通過するまで、前記押圧力が低減するように前記分繊手段を制御することを特徴とする、(6)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(8)複数の前記突出部が、それぞれ独立して制御可能であることを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(9)前記分繊手段が、前記繊維束の長手方向に直交する回転軸を備え、前記回転軸表面に前記突出部が設けられていることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(10)前記繊維束が強化繊維であることを特徴とする、(1)〜(9)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(11)前記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする、(10)に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
(12)複数の単糸からなる繊維束を、複数の束に分繊する部分分繊繊維束の製造装置であって、前記繊維束を繰り出す繰り出し手段と、前記繊維束を分繊する突出部を複数備えた分繊手段と、前記分繊手段を前記繊維束に突き入れ/抜き取りさせる制御手段と、分繊された部分分繊繊維束を巻き取る巻き取り手段と、を少なくとも備えることを特徴とする部分分繊繊維束の製造装置。
(13)前記分繊手段を、前記繊維束の繰り出し方向に直交する回転軸に沿って回転可能にするための回転機構を更に有することを特徴とする、(12)に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
(14)前記繊維束に突き入れた前記突出部における前記繊維束からの押圧力を検知する押圧力検知手段と、検知した押圧力を演算して前記制御手段により前記分繊手段を前記繊維束から抜き取る押圧力演算手段を更に有することを特徴とする、(12)または(13)に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
(15)前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に有することを特徴とする、(12)〜(14)のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造装置。
(16)複数の単糸からなる繊維束の長手方向に沿って複数の束に分繊された分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成されてなることを特徴とする部分分繊繊維束。
(17)少なくとも1つの前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部、および/または該絡合部が集積されてなる絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、(16)に記載の部分分繊繊維束。
(18)前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部を含む絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、(17)に記載の部分分繊繊維束。
(19)交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記分繊処理区間が前記繊維束内にランダムに設けられていることを特徴とする、(16)〜(18)のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
(20)交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記繊維束の長手方向における任意長さの全幅領域において、少なくとも1つの前記分繊処理区間を有することを特徴とする、(16)〜(18)のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
本発明によれば、繊維束を連続して安定的にスリット可能な部分分繊繊維束の製造方法および製造装置を提供することができる。特に、撚りが含まれる繊維束や、ラージトウの単糸数の多い繊維束であっても、回転刃の交換寿命を気にすることなく、連続したスリット処理を可能とする、部分分繊繊維束の製造方法および製造装置、ならびにこれらの製造方法や製造装置で得られた部分分繊繊維束を提供することができる。さらに、安価なラージトウの連続スリット処理が可能となり、成形品の材料コスト、製造コストの低減をはかることが可能になる。
本発明における繊維束に分繊処理を施した部分分繊繊維束の一例を示す概略平面図である。 走行する繊維束に分繊手段を突き入れた一例を示す(A)概略平面図と(B)概略側面図である。 分繊手段の一部をなす突出部の接触部の一例を示す、図2中のA部分の部分拡大図である。 突出部における接触部の角部の例を示す概略断面図である。 繊維束に走行する分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す(A)概略平面図と(B)概略側面図である。 繊維束に走行する分繊手段を突き入れる移動サイクルの他の一例を示す概要説明図である。 回転分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す説明図である。 本発明における繊維束に分繊処理を施した分繊繊維束の一例を示す概略平面図である。 本発明における繊維束に分繊処理を施した部分分繊繊維束の例を示す概略平面図であり、(A)は並列分繊処理、(B)は互い違い分繊処理、(C)はランダム分繊処理の例を示している。 (A)撚り部を分繊処理する前と、(B)撚り部を分繊処理した後で繊維束の幅が狭くなることを示す概要説明図である。
[方法および装置全体]
以下、図面を参照しながら本発明を説明する。なお、本発明は当該図面の態様に何ら限定されるものではない。
図1は、本発明における繊維束に分繊処理を施した部分分繊繊維束の一例を示しており、図2は、その分繊処理の一例を示している。本発明の部分分繊繊維束の製造方法および製造装置について、図2を用いて説明する。図2は、走行する繊維束に分繊手段を突き入れた一例を示す(A)概略平面図、(B)概略側面図である。図中の繊維束走行方向A(矢印)が繊維束100の長手方向であり、図示されない繊維束供給装置から連続的に繊維束100が供給されていることを表す。
分繊手段200は、繊維束100に突き入れ易い突出形状を有する突出部210を具備しており、走行する繊維束100に突き入れ、繊維束100の長手方向に略平行な分繊処理部150を生成する。ここで、分繊手段200は、繊維束100の側面に突き入れることが好ましい。繊維束の側面とは、繊維束の断面が、横長の楕円もしくは横長の長方形のような扁平形状であるとした場合の水平方向の面(例えば、図2に示す繊維束100の側表面に相当する)である。また、具備する突出部210は、1つの分繊手段200につき1つでもよく、また複数であってもよい。1つの分繊手段200で突出部210が複数ある場合、突出部210の磨耗頻度が減ることから、交換頻度を減らすことも可能となる。さらに、分繊する繊維束数に応じて、複数の分繊手段200を同時に用いることも可能である。複数の分繊手段200を、並列、互い違い、位相をずらす等して、複数の突出部210を任意に配置することができる。
複数の単糸からなる繊維束100を、分繊手段200により本数のより少ない分繊束に分けていく場合、複数の単糸は、実質的に繊維束100内で、引き揃った状態ではなく、単糸レベルでは交絡している部分が多いため、分繊処理中に接触部211付近に単糸が交絡する絡合部160を形成する場合がある。
ここで、絡合部160を形成するとは、例えば、分繊処理区間内に予め存在していた単糸同士の交絡を分繊手段200により接触部211に形成(移動)させる場合や、分繊手段200によって新たに単糸が交絡した集合体を形成(製造)させる場合等が挙げられる。
任意の範囲に分繊処理部150を生成した後、分繊手段200を繊維束100から抜き取る。この抜き取りによって分繊処理が施された分繊処理区間110が生成し、それと同時に絡合部160が蓄積した絡合蓄積部120が生成する。また、分繊処理中に繊維束から発生した毛羽は毛羽溜まり140として分繊処理時に絡合蓄積部120付近に生成する。
その後再度分繊手段200を繊維束100に突き入れることで、未分繊処理区間130が生成する。
繊維束の走行速度は変動の少ない安定した速度が好ましく、一定の速度がより好ましい。
分繊手段200は、本発明の目的が達成できる範囲であれば特に制限がなく、金属製の針や薄いプレート等の鋭利な形状のような形状を備えたものが好ましい。分繊手段200は、分繊処理を行う繊維束100の幅方向に対して、複数の分繊手段200を設けることが好ましく、分繊手段200の数は、分繊処理を行う繊維束100の構成単糸本数F(本)によって任意に選択できる。分繊手段200の数は、繊維束100の幅方向に対して、(F/10000−1)個以上(F/50−1)個未満とすることが好ましい。(F/10000−1)個未満であると、後工程で強化繊維複合材料にした際に力学特性の向上が発現しにくく、(F/50−1)個以上であると分繊処理時に糸切れや毛羽立ちのおそれがある。
[繊維束]
本発明において使用する繊維束100は、複数の単糸からなる繊維束であれば繊維種類は特に限定されるものではない。このうち、強化繊維を用いることが好ましく、中でも、炭素繊維、アラミド繊維およびガラス繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これらは単独で使用してもよく2種類以上を併用することもできる。中でも炭素繊維は、軽量でかつ強度に優れた複合材料を提供することが可能となるので、特に好適である。炭素繊維としては、PAN系、ピッチ系のいずれでもよく、その平均繊維径は3〜12μmが好ましく、6〜9μmがより好ましい。
炭素繊維の場合は、通常、連続繊維からなる単糸が3000〜60000本程度集束した繊維束を、ボビンに巻き取った巻糸体(パッケージ)として供給される。繊維束は無撚りが好ましいものの、撚りが入っているストランドでも使用可能であり、搬送中に撚りが入っても、本発明には適用可能である。単糸数にも制約はなく、単糸数が多い、いわゆるラージトウを用いる場合は、繊維束の単位重量あたりの価格は安価であるため、単糸数が多いほど、最終製品のコストを減らすことができて好ましい。また、ラージトウとして、繊維束同士を1つの束にまとめて巻き取った、いわゆる合糸した形態を使用してもよい。
強化繊維を用いる際は、強化繊維複合材料とする際のマトリックス樹脂との接着性を向上する等の目的で表面処理されていることが好ましい。表面処理の方法としては,電解処理、オゾン処理、紫外線処理等がある。また、強化繊維の毛羽立ちを防止したり、強化繊維ストランドの収束性を向上させたり、マトリックス樹脂との接着性を向上する等の目的でサイジング剤が付与されていても構わない。サイジング剤としては、特に限定されないが、エポキシ基、ウレタン基、アミノ基、カルボキシル基等の官能基を有する化合物が使用でき、これらは1種または2種以上を併用してもよい。
本発明において使用する繊維束は、予め集束された状態であることが好ましい。ここで予め集束された状態とは、例えば、繊維束を構成する単糸同士の交絡による集束した状態や、繊維束に付与されたサイジング剤による集束した状態、繊維束の製造工程で含有されてなる撚りによる集束した状態を指す。
[分繊手段の走行]
本発明は、繊維束が走行する場合に限らず、図5に示すように、静止状態の繊維束100に対して、分繊手段200を突き入れ(矢印(1))、その後、分繊手段200を繊維束100に沿って走行(矢印(2))させながら分繊処理部150を生成し、その後、分繊手段200を抜き取る(矢印(3))方法でもよい。その後は、図6(A)に示すように、静止していた繊維束100を一定距離移動させた後に、分繊手段200を元の位置(矢印(4))に戻してもよいし、図6(B)に示すように、繊維束100は移動させず、分繊手段200が絡合蓄積部120を経過するまで移動(矢印(4))させてもよい。
このように、分繊手段200によって、分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成される。
なお、繊維束100を構成する単糸の交絡状態によっては、任意長さの未分繊処理区間を確保する(例えば図2において、分繊処理区間110を処理後、一定長さの未分繊処理区間130を確保した上で次の分繊処理部150を処理する)ことなく、分繊処理区間の終端部近傍から、引き続き分繊処理を再開することもできる。例えば、図6(A)に示すように、繊維束100を間欠的に移動させながら分繊処理を行う場合は、分繊手段200が分繊処理を行った(矢印(2))後、繊維束100の移動長さを、直前で分繊処理した長さより短くすることで、再度分繊手段200を突き入れる位置(矢印(1))が、直前に分繊処理した分繊処理区間に重ねることができる。一方、図6(B)に示すように分繊手段200自身を移動させながら分繊処理を行う場合は、一旦、分繊手段200を抜き取った後(矢印(3))、一定長さを移動させる(矢印(4))ことなく、再び分繊手段200を繊維束に突き入れる(矢印(5))ことができる。
このような分繊処理は、繊維束100を構成する複数の単糸同士が交絡している場合、繊維束内で単糸が実質的に引き揃った状態にはないため、繊維束100の幅方向に対して、既に分繊処理された位置や、分繊手段200を抜き取った箇所と同じ位置に再度分繊手段200を突き入れても、単糸レベルで突き入れる位置がずれやすく、直前に形成された分繊処理区間とは、分繊された状態(空隙)が連続することなく、別々の分繊処理区間として存在させることができる。
分繊処理1回あたり分繊する分繊処理区間170の長さは、分繊処理を行う繊維束の単糸交絡状態にもよるが、1mm以上5000mm未満が好ましい。1mm未満であると分繊処理の効果が不十分であり、5000mm以上になると強化繊維束によっては糸切れや毛羽立ちのおそれがある。より好ましくは10mm以上3000mm未満、更に好ましくは30mm以上1000mm未満である。
さらに、分繊手段200が複数設けられる場合には、交互に形成される分繊処理区間と未分繊処理区間とを、繊維束の幅方向に対して、略平行に複数設けることもできる。この際、前述したように、複数の分繊手段200を、並列、互い違い、位相をずらす等して、複数の突出部210を任意に配置することができる。
また更に、複数の突出部210を、独立して制御することもできる。詳細は後述するが、分繊処理に要する時間や、突出部210が検知する押圧力により、個々の突出部210が独立して分繊処理することも好ましい。
[巻出]
いずれの場合であっても、繊維束走行方向上流側に配置した、繊維束を巻き出す巻き出し装置(図示せず)などから繊維束を巻き出す。繊維束の巻き出し方向は、ボビンの回転軸と垂直に交わる方向に引き出す横出し方式や、ボビン(紙管)の回転軸と同一方向に引き出す縦出し方式が考えられるが、解除撚りが少ないことを勘案すると横出し方式が好ましい。
また、巻き出し時のボビンの設置姿勢については、任意の方向に設置することができる。中でも、クリールにボビンを突き刺した状態において、クリール回転軸固定面でない側のボビンの端面が水平方向以外の方向を向いた状態で設置する場合は、繊維束に一定の張力がかかった状態で保持されることが好ましい。繊維束に一定の張力が無い場合は、繊維束がパッケージ(ボビンに繊維束が巻き取られた巻体)からズレ落ちパッケージから離れる、もしくは、パッケージから離れた繊維束がクリール回転軸に巻きつくことで、巻き出しが困難になることが考えられる。
また、巻き出しパッケージの回転軸固定方法としては、クリールを使う方法の他に、平行に並べた2本のローラーの上に、ローラーと平行にパッケージを載せ、並べたローラーの上でパッケージを転がすようにして、繊維束を巻き出す、サーフェス巻き出し方式も適用可能である。
また、クリールを使った巻き出しの場合、クリールにベルトをかけ、その一方を固定し、もう一方に錘を吊るす、バネで引っ張るなどして、クリールにブレーキをかけることで、巻き出し繊維束に張力を付与する方法が考えられる。この場合、巻き径に応じて、ブレーキ力を可変することが、張力を安定させる手段として有効である。
また、分繊後の単糸本数の調整には、繊維束を拡幅する方法と、繊維束の幅方向に並べて配置した複数の分繊手段のピッチによって調整が可能である。分繊手段のピッチを小さくし、繊維束幅方向により多くの分繊手段を設けることで、より単糸本数の少ない、いわゆる細束に分繊処理が可能となる。また、分繊手段のピッチを狭めずとも、分繊処理を行う前に繊維束を拡幅し、拡幅した繊維束をより多くの分繊手段で分繊することでも、単糸本数の調整が可能である。
ここで拡幅とは、繊維束100の幅を広げる処理を意味する。拡幅処理方法としては特に制限がなく、振動ロールを通過させる振動拡幅法、圧縮した空気を吹き付けるエア拡幅法などが好ましい。
[突き入れ、抜き取り:時間]
本発明は分繊手段200の突き入れと抜き取りを繰り返して分繊処理部150を形成する。その際、再度突き入れるタイミングは、分繊手段200を抜き取った後の経過時間で設定することが好ましい。また、再度抜き取るタイミングも、分繊手段200を突き入れた後の経過時間で設定することが好ましい。突き入れ、および/または抜き取りのタイミングを時間で設定することで、所定距離間隔の分繊処理区間110および、未分繊処理区間130を生成することが可能となり、分繊処理区間110と未分繊処理区間130の比率も任意に決定することが可能となる。また、所定時間間隔は、常時同じでもよいが、分繊処理を進めた距離に応じて長くしていくもしくは短くしていくことや、その時々の繊維束の状態に応じて、例えば繊維束が元々もっている毛羽や単糸の交絡が少ない場合には、所定時間間隔を短くするなど、状況に応じて変化させてもよい。
[抜き取り:押圧力や張力、張力差]
繊維束100に分繊手段200を突き入れると、分繊処理の経過にしたがって、生成する絡合部160が突出部210を押し続けるため、分繊手段200は絡合部160から押圧力を受ける。
前述の通り、複数の単糸は実質的に繊維束100内で引き揃った状態ではなく、単糸レベルで交絡している部分が多く、さらに繊維束100の長手方向においては、交絡が多い箇所と少ない箇所が存在する場合がある。単糸交絡の多い箇所は分繊処理時の押圧力の上昇が早くなり、逆に、単糸交絡の少ない箇所は押圧力の上昇が遅くなる。したがって、本発明の分繊手段200には、繊維束100からの押圧力を検知する押圧力検知手段を備えることが好ましい。
また、分繊手段200の前後で繊維束100の張力が変化することがあるため、分繊手段200の近辺には繊維束100の張力を検知する張力検知手段を少なくとも1つ備えてもよく、複数備えて張力差を演算してもよい。これら押圧力、張力、張力差の検知手段は、個別に備えることもでき、いずれかを組み合わせて設けることもできる。ここで、張力を検知する張力検知手段は、分繊手段200から繊維束100の長手方向に沿って前後の少なくとも一方10〜1000mm離れた範囲に配置することが好ましい。
これら押圧力、張力、張力差は、検出した値に応じて分繊手段200の抜き出しを制御することが好ましい。検出した値の上昇に伴って、任意に設定した上限値を超えた場合に分繊手段200を抜き出すよう制御することが更に好ましい。上限値は、押圧力、張力の場合は0.01〜1N/mmの範囲、張力差は0.01〜0.8N/mmの範囲で上限値を設定することが好ましい。なお、上限値は、繊維束の状態に応じて、±10%の幅で変動させてもよい。ここで、押圧力、張力、張力差の単位(N/mm)は、繊維束100の幅あたりに作用する力を示す。
押圧力、張力、張力差の上限値の範囲を下回ると、分繊手段200を突き入れてすぐに、分繊手段200を抜き取る押圧力や張力、張力差に到達するため、十分な分繊距離が取れず、分繊処理区間110が短くなりすぎ、本発明で得ようとする分繊処理が施された繊維束が得られなくなる。一方、上限値の範囲を上回ると、分繊手段200を突き入れた後、分繊手段200を抜き取る押圧力や張力、張力差に到達する前に繊維束100に単糸の切断が増えるため、分繊処理が施された繊維束が枝毛状に飛び出すことや、発生する毛羽が増えるなどの不具合が発生しやすくなる。飛び出した枝毛は、搬送中のロールに巻きついたり、毛羽は駆動ロールに堆積し繊維束に滑りを発生させたりする等、搬送不良を発生させやすくする。
分繊手段200の抜き取りタイミングを時間で制御する場合とは異なり、押圧力、張力、張力差を検知する場合には、分繊処理時に繊維束100を切断するほどの力がかかる前に分繊手段200を抜き取るため、繊維束100に無理な力がかからなくなり、連続した分繊処理が可能になる。
更に、繊維束100が部分的に切断されたような枝切れや毛羽立ちの発生を抑えつつ、分繊処理区間110が長く、かつ、絡合蓄積部120の形状が長手方向に安定的な繊維束100を得るためには、押圧力は、0.04〜0.4N/mm、張力は0.02〜0.2N/mm範囲、張力差は0.05〜0.5N/mmの範囲とすることが好ましい。
[画像検知]
繊維束100に突き入れた分繊手段200から繊維束100の長手方向に沿った前後の少なくとも一方10〜1000mm離れた範囲において、繊維束100の撚りの有無を検知する撮像手段を具備することも好ましい。この撮像により、撚りの位置をあらかじめ特定し、撚りに分繊手段200を突き入れないように制御することで、突き入れミスを防止することができる。また、突き入れた分繊手段200に撚りが接近した際に、分繊手段200を抜き出すこと、つまり撚りを分繊処理しないことで、繊維束100の狭幅化を防ぐことが出来る。ここで、突き入れミスとは、撚りに分繊手段200を突き入れてしまい、繊維束100を分繊手段200の突き入れ方向に押し動かすのみで、分繊処理されないことをいう。
分繊手段200が繊維束100の幅方向に複数存在し、かつ、等間隔に配置される構成では、繊維束100の幅が変化すると、分繊された単糸本数も変化するため、安定した単糸本数の分繊処理が行えなくなることがある。また、撚りを無理やり分繊処理すると、繊維束100を単糸レベルで切断し毛羽を多く発生させるため、絡合部160が集積されてなる絡合蓄積部120の形状が大きくなる。大きな絡合蓄積部120を残しておくと、巻体から解舒される繊維束100に引っかかりやすくなる。
[撚り部早送り回避]
繊維束100の撚りを検知した場合、前述の撚りに分繊手段200を突き入れないように制御する以外にも、繊維束100の走行速度を変化させてもよい。具体的には、撚りを検知した後、分繊手段200が繊維束100から抜き出ているタイミングで、撚りが分繊手段200を経過するまでの間、繊維束100の走行速度を早くすることで、効率よく撚りを回避することができる。
[狭幅化]
繊維束100の狭幅化について、図10を用いて説明する。図10は回転分繊手段220を用いた図の一例を示しており、分繊手段の形態はこれに限定されるものではない。図10(A)は、繊維束100を繊維走行方向Bに沿って走行させている際に、突出部210を繊維束100に突き入れ、分繊処理を行っている状態である。この状態では、撚り部300は突出部210に接触していない。図10(A)における実線310、一点鎖線320は、それぞれ繊維束100中の単糸を示す。これらの単糸310、320は、撚り部300を境に位置が入れ替わっている。繊維束100を走行させ、撚り部300に突出部210をそのまま接触させて分繊処理を行った場合、図10(B)で示すように、繊維束の幅はCからDへと狭くなる。符号310、320が単糸の場合を説明したが、この態様に限らず、ある程度の単糸がまとまった繊維束状態で撚り部300が形成される場合も同様である。
[押圧変更]
また、撮像手段で得られた画像を演算する画像演算処理手段を更に備え、画像演算処理手段の演算結果に基づき、分繊手段200の押圧力を制御する押圧力制御手段を更に備えてもよい。例えば、画像演算処理手段が撚りを検知した場合、分繊手段が撚りを経過する際の撚りの通過性をよくすることが出来る。具体的には、撮像手段により撚りを検知し、突出部210が検知した撚りに接触する直前から通過するまで、押圧力が低減するように分繊手段200を制御することが好ましい。撚りを検知した際、押圧力の上限値の0.01〜0.8倍の範囲に低減させることが好ましい。この範囲を下回る場合、実質的に押圧力を検知できなくなり、押圧力の制御が困難になったり、制御機器自体の検出精度を高める必要が生じる。また、この範囲を上回る場合には、撚りを分繊処理する頻度が多くなり、繊維束が細くなる。
[回転分繊手段]
突出部210を備えた分繊手段200を単純に繊維束100に突き入れる以外にも、分繊手段として回転可能な回転分繊手段220を用いることも好ましい態様である。図7は、回転分繊手段を突き入れる移動サイクルの一例を示す説明図である。回転分繊手段220は繊維束100の長手方向に直交する回転軸240を備えた回転機構を有しており、回転軸240表面には突出部210が設けられている。図中の繊維束走行方向B(矢印)に沿って繊維束100が走行するのにあわせ、回転分繊手段220に設けられた突出部210が繊維束100に突き入れられ、分繊処理が始まる。ここで、図示は省略するが、回転分繊手段220は、押圧力検知機構と回転停止位置保持機構を有していることが好ましい。双方機構によって、所定の押圧力が回転分繊手段220に作用するまでは、図7(A)の位置で回転停止位置を保持し分繊を続ける。突出部210に絡合部160が生じる等、所定の押圧力を超えると、図7(B)のように、回転分繊手段220が回転を始める。その後、図7(C)のように、突出部210(黒丸印)が繊維束100から抜け、次の突出部210(白丸印)が繊維束100に突き入る動作を行う。図7(A)〜図7(C)の動作が短ければ短いほど、未分繊処理区間は短くなるため、繊維束の分繊処理区間の割合を多くしたい場合には図7(A)〜図7(C)の動作を短くすることが好ましい。
[撚り部早回し回避]
回転分繊手段220に突出部210を多く配置することで、分繊処理割合の多い繊維束100を得られたり、回転分繊手段220の寿命を長くしたりすることができる。分繊処理割合の多い繊維束とは、繊維束内における分繊処理された長さを長くした繊維束もしくは、分繊処理された区間と未分繊処理の区間との発生頻度を高めた繊維束のことである。また、1つの回転分繊手段に設けられた突出部210の数が多いほど、繊維束100と接触して突出部210が磨耗する頻度を減らすことにより、寿命を長くすることができる。突出部210を設ける数としては、円盤状の外縁に等間隔に3〜12個配置することが好ましく、より好ましくは4〜8個である。
このように、分繊処理割合と突出部の寿命とを優先させつつ、繊維束幅が安定した繊維束100を得ようとする場合、回転分繊手段220には、撚りを検知する撮像手段を有していることが好ましい。具体的には、撮像手段が撚りを検知するまでの通常時は、回転分繊手段220は回転および停止を間欠的に繰り返すことで分繊処理を行い、撚りを検知した場合には、回転分繊手段220の回転速度を通常時より上げる、および/または停止時間を短くすることで、繊維束幅を安定させることができる。
[連続回転回避]
前記停止時間をゼロに、つまり、停止せず連続して回転し続けることもできる。
[連続回転分繊]
また、回転分繊手段220の間欠的な回転と停止を繰り返す方法以外にも、常に回転分繊手段220を回転し続けてもよい。その際、繊維束100の走行速度と回転分繊手段220の回転速度とを、相対的にいずれか一方を早くする、もしくは遅くすることが好ましい。速度が同じ場合には、突出部210を繊維束100に突き刺す/抜き出す、の動作が行われるため、分繊処理区間は形成できるものの、繊維束100に対する分繊作用が弱いため、分繊処理が十分に行われない場合がある。またいずれか一方の速度が相対的に早過ぎる、もしくは遅すぎる場合には、繊維束100と突出部210とが接触する回数が多くなり、擦過によって糸切れするおそれがあり、連続生産性に劣ることがある。
[分散手段:上下往復]
本発明は、分繊手段200、回転分繊手段220の突き入れと抜き取りを、分繊手段200、回転分繊手段220の往復移動によって行う往復移動機構を更に有してもよい。また、分繊手段200、回転分繊手段220を繊維束100の繰り出し方向に沿って往復移動させるための往復移動機構を更に有することも好ましい態様である。往復移動機構には、圧空や電動のシリンダやスライダなどの直動アクチュエータを用いることができる。
[角部]
突出部210の先端における繊維束100との接触部の形状は、図3に示すように、角部を丸めた形状とすることが好ましい。突出部210の角部230L、230Rは、図4(A)に示すような円弧状(曲率半径:r)、図4(B)に示すような部分的に円弧R1、R2(角度範囲:θ1、θ2、曲率半径:r1、r2)と直線L1の組み合わせのように、角部全体として曲面状に形成することが好ましい。
角部の形状が不十分で鋭利な場合、単糸が切断されやすくなり、分繊処理する際に、繊維束100が枝毛状に飛び出したり、毛羽の発生が増えやすくなる。枝毛が飛び出すと、搬送中のロールに巻きついたり、毛羽が駆動ロールに堆積して繊維束を滑らせたり、等の搬送不良を発生させることがある。また、切断された単糸は毛羽となって絡合部を形成する原因となりうる。絡合部が集積されてなる絡合蓄積部が大きくなると、巻体から解舒される繊維束に引っかかりやすくなる。
図4(A)における曲率半径rは、接触部の板厚寸法に0.01〜0.5を乗じた寸法が好ましく、0.01〜0.2を乗じた寸法がより好ましい。また、図4(B)の円弧部分は、複数設けてもよい。円弧部分と直線部分は任意に設定することができる。
[部分分繊繊維束]
本発明に係る部分分繊繊維束について説明する。図8は、本発明における繊維束に分繊処理を施した部分分繊繊維束の一例を示す概略2次元平面図である。本発明における部分分繊繊維束は、複数の単糸からなる繊維束100に繊維束の長手方向に沿って部分的に分繊処理が施された分繊処理区間111a〜118aと、隣接する分繊処理区間の間に形成される未分繊処理区間とが、交互に形成されることを特徴とする。
更に少なくとも1つの分繊処理区間(図8の例では分繊処理区間112a)の少なくとも一方の端部に、単糸が交絡した絡合部が集積されてなる絡合蓄積部830が形成されてなることも好ましい。絡合蓄積部830は、前述したように、分繊処理区間内に予め存在していた単糸同士の交絡を分繊手段200により接触部211に形成(移動)させた場合や、分繊手段200によって新たに単糸が交絡した集合体を形成(製造)させた場合等によって形成される。複数の分繊手段200が独立に制御される場合には、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも一方の端部に絡合蓄積部830が形成されるが、繊維束100を構成する単糸に元々交絡が多い場合等、複数の分繊手段200を独立して制御することが困難な場合等は、複数の分繊手段200を同じ動作条件で分繊処理を行い、分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部を含む絡合蓄積部が形成されてなることも更に好ましい。
また更に、本発明に係る部分分繊繊維束は、分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成される限りにおいて、種々の態様を採ることができる。前述したように、複数の分繊手段200を繊維束100の幅方向に並べ、独立して制御することが可能であることから、交互に形成される分繊処理区間と未分繊処理区間とが、繊維束100の幅方向に平行に複数設けられることが好ましい。
具体的には、図9(A)に示すように並列に分繊処理区間(111a〜111d、112a〜112d、113a〜113d)が並んでいたり、図9(B)に示すように分繊処理区間110aが互い違いに配置されていたり、図9(C)に示すように分繊処理区間110bがランダムに配置されていたり等、繊維束100の幅方向に対して任意に位相をずらして分繊処理区間を配置することができる。なお、図9において、符号内の同じ数字の分繊処理区間(例:111aと111b)は、同一の分繊手段200で処理されたことを示している。
ここで、繊維束の幅方向に平行に複数設けられた、交互に形成される分繊処理区間と未分繊処理区間とは、繊維束100の長手方向における任意長さにおいて、少なくとも1つの分繊処理区間を有することが好ましい。例えば図8に示すように、任意長さ領域810を例にとると、少なくとも分繊処理区間111b、112a、113a、115a、116aおよび118aが含まれる。任意長さ領域810や任意長さ領域820には、領域内のいずれの分繊処理区間も、その一方の端部が含まれているが、このような態様に限定されず、任意長さ領域821のように、分繊処理区間112bおよび116bの中央部のみが含まれる態様であってもよい。このように、任意長さ領域に含まれる分繊処理区間の数は一定でなくともよく、分繊処理区間の数が変動することで、例えば、後工程で部分分繊繊維束を所定の長さにカットして不連続繊維にした際に、分繊処理区間の数が多い箇所が分繊起点となって、所定の単糸本数からなる繊維束に分割制御しやすくすることができる。一方、部分分繊繊維束をカットせず連続繊維として用いる際は、後工程で樹脂等を含浸し強化繊維複合材料とする際に、分繊処理区間が多く含まれる領域から、強化繊維束内に樹脂が含浸する起点となり、成形時間が短縮できるとともに、強化繊維複合材料中のボイド等を低減させることができる。
未分繊処理区間は、1つの分繊処理区間(一例:図8における111a)の分繊処理を終えた後、一定の距離をおいて新たに分繊処理される分繊処理区間(111b)との隣接する端部同士の区間として説明してきたが、これに限定されるものではない。図9(A)の部分拡大図に例示するように、繊維束の長手方向に対して分繊処理区間113c、113dの端部同士の区間で未分繊処理区間が形成されない場合がある。このような場合であっても、単糸レベルで繊維束100の幅方向に対して分繊位置がずれて、異なる分繊処理区間がそれぞれ形成されていれば、繊維束内長手方向に有限長さの分繊処理区間として存在する限りにおいて、分繊処理区間の先端同士が近接(実質的に繋がっている)していても良い。少なくとも単糸レベルで幅方向に対して分繊位置がずれて別々の分繊処理区間が形成されることで、連続して分繊処理を行う際に、糸切れや毛羽立ちを抑制することができ、品位の良い分繊処繊維束を得ることができる。
部分分繊繊維束に糸切れが生じていると、部分分繊繊維束を所定の長さにカットし、不連続繊維強化複合材料とする際に、糸切れを起こした箇所でカット長が短くなり、不連続繊維強化複合材料とした際の力学特性が低下するおそれがある。また、部分分繊繊維束を連続繊維として用いる際であっても、糸切れを起こした箇所で繊維が不連続となり、力学特性が低下する恐れがある。
繊維束に強化繊維を用いる場合の分繊処理区間の数は、ある幅方向の領域において少なくとも(F/10000−1)箇所以上(F/50−1)箇所未満の分繊処理区間数を有することが好ましい。ここで、Fは分繊処理を行う繊維束を構成する総単糸本数(本)である。分繊処理区間の数は、ある幅方向の領域において少なくとも(F/10000−1)箇所以上分繊処理区間を有することで、部分分繊繊維束を所定の長さにカットし不連続繊維強化複合材料にした際に、不連続繊維強化複合材料中の強化繊維束端部が細かく分割されるため、力学特性に優れた不連続繊維強化複合材料を得ることができる。また、部分分繊繊維束をカットせず連続繊維として用いる際は、後工程で樹脂等を含浸し強化繊維複合材料とする際に、分繊処理区間が多く含まれる領域から、強化繊維束内に樹脂が含浸する起点となり、成形時間が短縮できるとともに、強化繊維複合材料中のボイド等を低減させることができる。分繊処理区間数を(F/50−1)箇所未満とすることで、得られる部分分繊繊維束が糸切れを起こしにくく、繊維強化複合材料とした際の力学特性の低下を抑制できる。
分繊処理区間を、繊維束100の長手方向に周期性や規則性を持たせて設けると、後工程で部分分繊繊維束を所定の長さにカットした不連続繊維とする場合、所定の分繊繊維束本数へ制御しやすくすることができる。
次に、本発明の実施例、比較例について説明する。なお、本発明は本実施例や比較例によって何ら制限されるものではない。
まず、実施例、比較例で用いた繊維束(強化繊維束)について説明する。
繊維束(1):
繊維径7μm、引張弾性率230GPa、フィラメント数12000本の連続した炭素繊維束を用いた。
繊維束(2):
繊維径7.2μm、引張弾性率240GPa、フィラメント数50000本の連続した炭素繊維束を用いた。
(実施例1)
図2に示すような方法にて分繊繊維束を作成した。強化繊維束(1)を、ワインダーを用いて一定速度10m/minで巻出し、巻き出した強化繊維束(1)を5Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに強化繊維束を通し、強化繊維束幅を拡幅した後に、20mm幅に規制された幅規制ロールを通すことで20mmへ拡幅した拡幅強化繊維束を得た。得られた拡幅繊維束に対して、厚み0.3mm、幅3mm、高さ20mmの突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを、強化繊維束の幅方向に対して5mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を準備した。この分繊処理手段を拡幅強化繊維束に対して、図2に示す様に間欠式に抜き挿しし、部分分繊繊維束を作成した。
この時、分繊処理手段は一定速度10m/minで走行する拡幅繊維束に対して、3sec間分繊処理手段を突き刺し分繊処理区間を生成し、0.2sec間で分繊処理手段を抜き、再度突き刺す動作を繰り返し行なった。
得られた部分分繊繊維束は、分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して4分割に分繊されており、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していた。部分分繊繊維束を500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。結果を表1に示す。
(実施例2)
強化繊維束(2)を用いて、強化繊維束を拡幅後、25mm幅に規制した規制ロールに通し、25mmに拡幅した拡幅強化繊維束を得た以外は実施例1と同様に部分分繊繊維束を作成した。得られた部分分繊繊維束は分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して5分割に分繊されており、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していた。部分分繊繊維束を500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。結果を表1に示す。
(実施例3)
強化繊維束(2)を用いて、強化繊維束を10Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに強化繊維束を通し、拡幅後、50mm幅に規制した規制ロールに通し、50mmに拡幅した拡幅強化繊維束を得た。得られた拡幅繊維束に対して、突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを強化繊維束の幅方向に対して1mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を用いて部分分繊繊維束を作成した以外は実施例1と同様に部分分繊繊維束を作成した。得られた部分分繊繊維束は分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して39分割に分繊されており、少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していた。また、実施例2と比較して、結合蓄積部の品位が優れていた。部分分繊繊維束を500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。結果を表1に示す。
(実施例4)
強化繊維束(2)を用いて、図6(A)に示すような方法にて、部分分繊繊維束を作成した。強化繊維束を一度10Hzで軸方向へ振動する振動拡幅ロールに強化繊維束を通し、拡幅後、50mm幅に規制した規制ロールに通し、50mmに拡幅した拡幅強化繊維束を得た。得られた拡幅強化繊維束を、張力を張った状態で静止させ、実施例3と同様の突出形状を具備する分繊処理用鉄製プレートを強化繊維束の幅方向に対して1mm等間隔に並行にセットした分繊処理手段を突き入れ、繊維束長手方向に対して巻き取り方向とは逆に40mm分繊処理手段を走行させた後に、抜き取り、抜き取った状態で、元の位置へ戻した。同時に拡幅繊維束を巻き取り方向に対して39mm巻取り、再度張力を張った状態で静止させ、繊維束の長手方向に対して、分繊処理手段が1mmオーバーラップするように、再度分繊処理手段を突き入れた。以降同じ動作を繰り返し行い、部分分繊繊維束を得た。
得られた部分分繊繊維束は少なくとも1つの分繊処理区間の少なくとも1つの端部に、単糸が交絡した絡合部が蓄積されてなる絡合蓄積部を有していたが、実施例3に比べが絡合蓄積部が目立たず更に品位がよく、部分分繊繊維束の長手方向における任意長さにおいて、少なくとも1つ以上の分繊処理区間を有し、図9(A)に示すように分繊処理手段をオーバーラップさせた区間で繊維束の幅方向に対して隣り合う分繊処理区間位置がずれており、分繊された繊維束同士が単糸および/または複数の単糸で繋がっているが、分繊処理区間で繊維束が幅方向に対して少なくとも39分割に分繊された部分分繊繊維束を得ることが出来た。部分分繊繊維束を500m作成したところ、一度も糸切れ、巻きつきを起こすこと無く、繊維束内に存在した繊維の撚りは分繊処理手段を抜き挿しする際に走行方向へ通過し、安定した幅で分繊処理を行うことが出来た。結果を表1に示す。
(比較例1)
強化繊維束(1)を用いて、分繊処理手段が強化繊維束に対して常に突き刺した状態となるように保持し、連続分繊処理を施した連続分繊処理繊維束を作成した以外は実施例1と同様とした。得られた連続分繊処理繊維束は分繊処理区間が繊維長手方向に連続して形成され、一部で著しい毛羽立ちによる品位悪化が見られ、繊維束内に存在した繊維の撚りが分繊処理手段に集積され、部分的な糸切れが生じ、連続して分繊処理を行うことが出来なかった。結果を表2に示す。
(比較例2)
強化繊維束(2)を用いて、分繊処理手段が強化繊維束に対して常に突き刺した状態となるように保持し、連続分繊処理を施した連続分繊処理繊維束を作成した以外は実施例3と同様とした。得られた連続分繊処理繊維束は分繊処理区間が繊維長手方向に連続して形成され、一部で著しい毛羽立ちによる品位悪化が見られ、繊維束内に存在した繊維の撚りが分繊処理手段に集積され、部分的な糸切れが生じ、連続して分繊処理を行うことが出来なかった。結果を表2に示す。
Figure 2016104154
Figure 2016104154
本発明は、複数の単糸からなる繊維束を2つ以上の細い束に分繊することが望まれるあらゆる繊維束に適用できる。特に強化繊維を用いる際は、得られた部分分繊繊維束はマトリックス樹脂を含浸し、あらゆる強化繊維複合材料に用いることができる。
100 繊維束
110、110a、110b、111a、111b、111c、111d、112a、112b、113a、113b、113c、113d、114a、115a、116a、116b、117a、118a 分繊処理区間
120、830 絡合蓄積部
130 未分繊処理区間
140 毛羽溜まり
150 分繊処理部
160 絡合部
170 分繊距離
200 分繊手段
210 突出部
211 接触部
220 回転分繊手段
230L、230R 角部
240 回転軸
300 撚り部
310、320 繊維束に含まれる単糸
810、820、821 部分分繊繊維束の長手方向における任意長さ領域

Claims (20)

  1. 複数の単糸からなる繊維束を長手方向に沿って走行させながら、複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過した後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
  2. 複数の単糸からなる繊維束に複数の突出部を具備する分繊手段を前記繊維束に突き入れ、前記分繊手段を前記繊維束の長手方向に沿って走行させながら分繊処理部を生成するとともに、少なくとも1つの前記分繊処理部における前記突出部との接触部に前記単糸が交絡する絡合部を形成し、しかる後に前記分繊手段を前記繊維束から抜き取り、前記絡合部を含む絡合蓄積部を経過する位置まで前記分繊手段を走行させた後、再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、部分分繊繊維束の製造方法。
  3. 前記分繊手段を抜き取り後、一定時間経過後に再度前記分繊手段を前記繊維束に突き入れることを特徴とする、請求項1または2に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  4. 前記分繊手段を前記繊維束に突き入れた後、一定時間経過後に抜き取ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  5. 前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記押圧力の上昇に伴って前記繊維束から前記分繊手段を抜き取ることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  6. 前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に具備することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  7. 前記接触部における前記突出部に作用する前記繊維束の幅あたりに作用する押圧力を検知し、前記撮像手段により撚りを検知し、前記突出部が該撚りに接触する直前から通過するまで、前記押圧力が低減するように前記分繊手段を制御することを特徴とする、請求項6に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  8. 複数の前記突出部が、それぞれ独立して制御可能であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  9. 前記分繊手段が、前記繊維束の長手方向に直交する回転軸を備え、前記回転軸表面に前記突出部が設けられていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  10. 前記繊維束が強化繊維であることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  11. 前記強化繊維が炭素繊維であることを特徴とする、請求項10に記載の部分分繊繊維束の製造方法。
  12. 複数の単糸からなる繊維束を、複数の束に分繊する部分分繊繊維束の製造装置であって、
    前記繊維束を繰り出す繰り出し手段と、
    前記繊維束を分繊する突出部を複数備えた分繊手段と、
    前記分繊手段を前記繊維束に突き入れ/抜き取りさせる制御手段と、
    分繊された部分分繊繊維束を巻き取る巻き取り手段と、
    を少なくとも備えることを特徴とする部分分繊繊維束の製造装置。
  13. 前記分繊手段を、前記繊維束の繰り出し方向に直交する回転軸に沿って回転可能にするための回転機構を更に有することを特徴とする、請求項12に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
  14. 前記繊維束に突き入れた前記突出部における前記繊維束からの押圧力を検知する押圧力検知手段と、検知した押圧力を演算して前記制御手段により前記分繊手段を前記繊維束から抜き取る押圧力演算手段を更に有することを特徴とする、請求項12または13に記載の部分分繊繊維束の製造装置。
  15. 前記繊維束に突き入れた前記分繊手段から前記繊維束の長手方向に沿って前後の少なくともいずれか一方の10〜1000mmの範囲における前記繊維束の撚りの有無を検知する撮像手段を更に有することを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の部分分繊繊維束の製造装置。
  16. 複数の単糸からなる繊維束の長手方向に沿って複数の束に分繊された分繊処理区間と未分繊処理区間とが交互に形成されてなることを特徴とする部分分繊繊維束。
  17. 少なくとも1つの前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部、および/または該絡合部が集積されてなる絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、請求項16に記載の部分分繊繊維束。
  18. 前記分繊処理区間の少なくとも一方の端部に前記単糸が交絡した絡合部を含む絡合蓄積部が形成されてなることを特徴とする、請求項17に記載の部分分繊繊維束。
  19. 交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記分繊処理区間が前記繊維束内にランダムに設けられていることを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
  20. 交互に形成される前記分繊処理区間と前記未分繊処理区間とは、前記繊維束の幅方向に平行に複数設けられ、前記繊維束の長手方向における任意長さの全幅領域において、少なくとも1つの前記分繊処理区間を有することを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の部分分繊繊維束。
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