JP3339163B2 - プリプレグの製造装置および製造方法 - Google Patents

プリプレグの製造装置および製造方法

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JP3339163B2 JP1907494A JP1907494A JP3339163B2 JP 3339163 B2 JP3339163 B2 JP 3339163B2 JP 1907494 A JP1907494 A JP 1907494A JP 1907494 A JP1907494 A JP 1907494A JP 3339163 B2 JP3339163 B2 JP 3339163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリプレグの製造装置
および製造方法に関し、更に詳しくは多数の炭素繊維か
らなる多数本の炭素繊維糸を合成樹脂に含浸させてプリ
プレグを製造する製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、その優れた特性から種々の
複合材料の基材として使用されており、例えば、多数の
繊維からなる炭素繊維糸を用いた幅広のプリプレグにお
いては、多数本の炭素繊維糸を一定ピッチで整列させる
必要がある。多数本の炭素繊維糸を一定ピッチで整列さ
せる場合、従来は、先ず、表面を鏡面に仕上げたフリー
ロールを介して整列部に案内し、例えば、各炭素繊維糸
を一定の張力下で整列させたり、あるいは、表面に一定
のピッチで整列溝を形成した溝ロールの各整列溝に炭素
繊維糸を並べている。また、各炭素繊維糸をコームと呼
ばれる櫛型のガイドを通過させることにより整列させる
場合もある。
【0003】ところで、コームは、炭素繊維糸を案内す
る針を一定ピッチで並べたもので、対象とするプリプレ
グの幅に相当する長さ(例えば、1100mm)に形成したス
トレートタイプの一体コームと、所定長さ(例えば、20
0 mm)の複数のコームを端部でジグザグに連結したジ
グザグコームとがある。この場合、用いる針の直径や本
数は使用する炭素繊維糸の繊度(g/m) や炭素繊維糸を構
成する炭素繊維の数によって決まり、例えば、直径6mm
で 165本、同1.0mmで90本あるいは同1.4mmで72本等が
ある。
【0004】このようなコームは、1種類のコームで数
種類のピッチの炭素繊維糸の整列に対応することができ
るという利点がある。特に、ジグザグコームでは、コー
ム相互間の交差角度を変更することにより、70〜80種類
にも及ぶピッチに対応することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、細い繊維か
らなる炭素繊維糸を一方向に多数整列させ一方向性の
プリプレグを製造する場合、例えば、繊度が0.056g/mの
炭素繊維糸 720本からなる一方向性プリプレグを製造す
る場合には、直径1.0mmで90本の針を有する長さ200mm
のコームが必要となる。
【0006】この場合、各炭素繊維糸は、狭いピッチの
針間を通過することから、常時針によって両側が擦過さ
れて傷付き、コームの針と摺接する部分に毛羽を発生す
る。また、コームを通過する以前から傷付いていた炭素
繊維糸では擦過に伴って傷付く傾向が一層大きい。この
ような、コームを通過する際の針との摩擦に伴う毛羽の
発生は、特に、高弾性率で低伸度の炭素繊維糸で著し
い。
【0007】そして、針との擦過によって生じる毛羽
は、炭素繊維糸が摺接している針の部分に付着して次第
に毛虫状に発達してゆき、ついには炭素繊維糸に引きず
られて針を通過したり、糸切れを誘発してプリプレグを
製造する製造装置の停止を余儀なくさせる。また、コー
ムの針を通過した毛羽の塊は、炭素繊維糸と共に合成樹
脂に含浸されてしまうので、製造されるプリプレグに凹
凸が発生して品質を低下させるという問題がある。特
に、この毛羽の塊が大きい場合には、樹脂含浸中にプリ
プレグに破れや裂断を引き起こすという問題がある。
【0008】一方、炭素繊維糸が扁平な場合には、フリ
ーロールを介して整列部に案内すると、搬送に伴って張
力が作用したときに扁平状態が潰され易く、製造される
プリプレグの品位が低下したり、フリーロールに繊維が
巻き付く等の問題があり、取扱いが厄介であった。本発
明は上記の点に鑑みてなされたもので、整列部を通過す
る際に発生する炭素繊維糸の傷付きに起因した毛羽の発
生を最小限に抑え、かつ、搬送する炭素繊維糸の搬送方
向に対して交差する方向に発生する毛羽を分散させ、高
品位のプリプレグを製造することが可能な製造装置及び
製造方法を提供することを第一の目的とし、第二の目的
は、炭素繊維糸が扁平であっても、扁平状態を維持しな
がら整列部に案内することができ、炭素繊維がフリーロ
ールに巻き付くことのない製造装置及び製造方法を提供
することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るため本発明のプリプレグの製造装置によれば、多数本
の炭素繊維糸を案内するガイド部、前記ガイド部を介し
て搬送されてくる前記多数本の炭素繊維糸を所定間隔に
整列させる整列部および所定間隔に整列された前記多数
本の炭素繊維糸に樹脂を含浸してプリプレグとする含浸
部を備え、前記整列部は、前記多数本の炭素繊維糸を通
過させる際、前記炭素繊維糸が摺接される櫛歯としての
針を有したコームと、このコームを前記炭素繊維糸の通
過中、前記針の長さ方向に往復動させる駆動手段とを備
えている。
【0010】また上記第一の目的を達成するため本発明
のプリプレグの製造方法によれば、多数本の炭素繊維糸
を案内するガイド工程、前記ガイド工程を経て搬送され
てくる多数本の炭素繊維糸を整列手段を用いて所定間隔
に整列させる整列工程及び所定間隔に整列された前記多
数本の炭素繊維糸に樹脂を含浸してプリプレグとする含
浸工程を含み、前記整列工程において、前記整列手段
に前記多数本の炭素繊維糸を通過させる際、前記炭素繊
維糸が摺接される櫛歯として針を有したコームを用い、
このコームを前記針の長さ方向に往復動させている
【0011】更に、上記第二の目的を達成するため本発
明のプリプレグの製造装置および製造方法によれば、前
記ガイド部は、前記多数本の炭素繊維糸の搬送速度をU
としたとき、u=(−1/2〜3/2)Uで示す周速度
uの範囲で回転するガイドロールを備え、上記範囲の周
速度uで前記多数本の炭素繊維糸を案内するように構成
したものである。
【0012】好ましくは、前記ガイドロールは、表面に
硬質クロムメッキが施され、かつ、JIS B0601
に基づく表面粗さの最大高さRmax を1s〜25sの範囲
とする。また好ましくは、前記ガイド部は、導入される
前記多数本の炭素繊維糸のそれぞれを案内する溝を有す
る溝付きロールを備え、前記ガイドロールと溝付きロー
ルが、共通する軸廻りに回動する支持部材に前記多数本
の炭素繊維糸に対して離接自在に支持されているように
構成し、前記ガイド工程は、導入される前記多数本の炭
素繊維糸のそれぞれを案内する溝を有する第二のガイド
手段を用い、前記多数本の炭素繊維糸を導入するときは
該第二のガイド手段に、前記多数本の炭素繊維糸を搬送
するときは前記第一のガイド手段にそれぞれ切り替えて
前記多数本の炭素繊維糸を前記整列工程へ搬送するよう
に構成する。
【0013】
【作用】プリプレグの製造に際して、多数本の炭素繊維
糸を整列させるコームを駆動手段により、その針の長さ
方向に往復動させると、コームの針においては炭素繊維
の摺接を受ける部分が上下方向周期的に変化すること
から、摺接に伴う毛羽の発生位置も上下方向に変化し、
毛羽が一箇所に集中することがない。
【0014】また、多数本の炭素繊維糸の搬送にあた
り、搬送速度をUとしたときに、u=(−1/2〜3/
2)Uで示す周速度uの範囲で回転するガイドロールで
炭素繊維糸を案内すると、炭素繊維糸が扁平な場合に扁
平状態を維持しながら整列部に案内することができ、し
かも炭素繊維がロールに巻き付くことがない。更に、ガ
イドロールに表面処理を施すと、炭素繊維のロールへの
巻き付きが低減される。
【0015】また、ガイドロールの他に、多数本の炭素
繊維糸のそれぞれを案内する溝を有する溝付きロールを
設け、炭素繊維糸の導糸時には溝付きロールを、搬送時
にはガイドロールを用いるように、それぞれ切り替える
と、ガイドロールによる炭素繊維糸の扁平状態の維持に
加えて、多数本の炭素繊維糸の導糸作業が容易となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1乃至図10に基
づいて詳細に説明する。プリプレグの製造装置1は、図
1に示すように、ガイド部10、整列部20及び含浸部
30を備えており、多数の炭素繊維からなる多数本の炭
素繊維糸YCFをクリール2から当該順に搬送してプリプ
レグを製造し、製造されたプリプレグは巻取機4に巻取
られる。
【0017】ガイド部10は、図1に示すように、クリ
ール2と整列部20との間に配置され、クリール2に設
けた多数のボビン2aのそれぞれから引き出される多数
本の炭素繊維糸YCFを整列部20へ案内する。ガイド部
10は、図3乃至図6に示すように、ガイドロール1
1、溝付きロール12、駆動モータ13及び反転装置1
5を備えている。
【0018】ガイドロール11は、多数本の炭素繊維糸
CFを走行させるときに用いるガイドで、側面視L形の
支持板16,16間にベアリング16a,16aを介し
て回転自在に支持されている。ガイドロール11は、駆
動モータ13によって回転されるが、炭素繊維糸YCF
搬送速度Uとしたときに、次式で示す周速度uの範囲で
回転するように設定する。
【0019】u=(−1/2〜3/2)U ここにおいて、u=−1/2・Uのように、周速度uが
負の値をとることは、ガイドロール11が、搬送される
炭素繊維糸YCFの搬送方向と逆方向に回転することを意
味する。ガイドロール11は、周速度uを上記のように
設定すると、炭素繊維糸YCFが扁平な場合に扁平状態を
維持しながら整列部20に案内することができ、しかも
炭素繊維が巻き付くことがない。
【0020】ここで、ガイドロール11は、金属ロール
であれば、例えば、炭素鋼等を使用でき、特に材質上の
限定はないが、表面処理が施されていることが望まし
い。このような、表面処理としては、例えば、ロール表
面に硬質クロムメッキを施し、JIS B0601に基づく表面
粗さの最大高さRmaxが1s〜25sの範囲にあることが
好ましい。ガイドロール11は、このような表面処理を
施さないと、炭素繊維のロールへの巻き付きが多発し易
く好ましくない。
【0021】また、ガイドロール11の上流側では、図
7及び図8に示すように、ガイドロール11と炭素繊維
糸YCFの接点Pにおいて、この接点Pを含みかつロール
軸A R と直交する直交面L N と炭素繊維糸Y CF とのなす入
射角度θIW(以下、「幅方向の入射角度θIW」という)
及びガイドロール11に対する接点Pでの接平面T
炭素繊維糸Y CF とのなす入射角度θIV(以下、「上下方
向の入射角度θIV」という)が共に±10゜以内となるよ
うに設定することが望ましい。入射角度θIW,θIVがこ
の範囲を越えると、炭素繊維糸YCFに幅方向の分力が作
用して幅方向に狭められ、扁平状態を保持することが難
しくなる。
【0022】更に、図9及び図10に示すように、ガイド
ロール11の下流側では、接点Pにおいて炭素繊維糸Y
CFとロール軸AR直交面Nとのなす出射角度θOW(以
下、「幅方向の出射角度θOW」という)が±20゜以内
で、かつ、ガイドロール11に対する接点Pでの接平面
T と炭素繊維糸Y CF とのなす出射角度θOV(以下、
「上下方向の出射角度θOV」という)が±50゜以内とな
るように設定することが望ましい。炭素繊維糸YCFのガ
イドロール11に対する出射角度θOW,θOVがこの範囲
を越えると、前記と同様に、炭素繊維糸YCFに幅方向の
分力が作用して扁平状態を保持することが難しくなる。
【0023】溝付きロール12は、多数本の炭素繊維糸
CFを引き揃えながら整列部20に導入するときに使用
されるガイドで、炭素繊維糸YCFを案内する多数のガイ
ド溝12aが形成され、支持板16,16間にベアリン
グ16b,16bを介して自由回転自在に支持されてい
る。ここで、溝付きロール12は、炭素繊維の巻き付き
を抑える観点からは、ガイドロール11と同様の表面処
理を施すことが好ましい。また、溝付きロール12は、
300 g・cm以下の回転トルクで自由回転することが好ま
しい。自由回転の回転トルクが300 g・cmを越えると、
案内する炭素繊維糸YCFとの摩擦が大きくなって炭素繊
維の巻き付きが発生するので好ましくない。
【0024】そして、ガイドロール11と溝付きロール
12とを回転自在に支持する各支持板16は、後述する
回動軸17に固定され、回動軸17の回動に伴って一体
に回動し、炭素繊維糸YCFを案内するロールをガイドロ
ール11あるいは溝付きロール12に切り替える。駆動
モータ13は、回動板14の先端側に設置されており、
回動板14は基端側が後述する支持ブラケット18に隣
接する回動軸17に固定されている。このため、回動板
14は、回動軸17の回動に伴って支持板16,16と
共に起倒される。
【0025】反転装置15は、支持ブラケット18に設
置されており、支持台19,19に支持された回動軸1
7を回動させる。従って、反転装置15によって回動軸
17を回動させると支持板16,16が起倒し、多数本
の炭素繊維糸YCFを案内するロールを所望に応じてガイ
ドロール11や溝付きロール12に切り替えることがで
きる。
【0026】整列部20は、多数本の炭素繊維糸YCF
所定ピッチに整列させるもので、図1に示すようにガイ
ド部10と含浸部30との間に配置され、図2に示すよ
うに、コーム21と駆動モータ22を備えている。コー
ム21は、支持枠21aに炭素繊維糸YCFを案内する多
数の針21bが一定ピッチで並べられている。また、駆
動モータ22は、コーム21を搬送方向に対して交差す
る上下方向に揺動させる駆動手段で、回転軸22aの先
端にディスク22bが取り付けられている。ディスク2
2bは、支持枠21aリンク23を介して連結されて
いる。このとき、コーム21は、例えば、針21bの長
さが60mmのときには、ストロークを30 mmとして2〜15
秒/cycleの周期で上下方向に揺動つまり往復動する
【0027】含浸部30は、図1に示すように、整列部
20と巻取機4との間に配置され、巻出しドラム31,
32、ヒータ33、複数のプレスロール35及びクーラ
36を備えており、整列部20で所定ピッチに整列させ
た多数本の炭素繊維糸YCFに合成樹脂を含浸させる。巻
出しドラム31,32は、多数本の炭素繊維糸YCFによ
って形成される搬送経路のそれぞれ上方及び下方に配置
され、熱硬化性樹脂からなる樹脂フィルム37,38が
それぞれ巻回されている。樹脂フィルム37,38は、
例えば、熱硬化エポキシ樹脂が使用され、裏面には離型
紙37a,38a(離型紙38aは図示せず)が貼付さ
れている。ここで、巻出しドラム31,32から巻き出
された樹脂フィルム37,38は、ロール39,39に
よって炭素繊維糸YCFの搬送経路方向に搬送方向が転換
される。
【0028】ヒータ33は、巻出しドラム31,32か
ら巻き出される樹脂フィルム37,38を予熱する。プ
レスロール35は、ヒータ33で予熱された樹脂フィル
ム37,38間に多数の炭素繊維糸Y CF を介在させた状
態で、樹脂フィルム37,38をプレスし、多数の炭素
繊維糸YCFに樹脂を含浸させてプリプレグとする。
【0029】クーラ36は、樹脂が含浸された高温のプ
リプレグを冷却する。ここで、搬送経路の上側に位置す
る樹脂フィルム37は、離型紙37aが剥離され、剥離
された離型紙37aは上方に配置した巻取機6によって
巻取られる。また、樹脂が含浸されたプリプレグは、ク
ーラ36の下流側に配置された複数の搬送ロール8によ
って巻取機4へと搬送されて巻取られる。
【0030】本発明のプリプレグの製造装置1は以上の
ように構成されており、多数本の炭素繊維糸YCFに樹脂
を含浸させてプリプレグを製造する際に以下のようにし
て使用される。先ず、炭素繊維糸YCFを、クリール2の
多数のボビン2aから引き出し、引き揃えながら製造装
置1に導入する。このとき、ガイド部10では、反転装
置15により回動軸17回動されており、溝付きロー
ル12は図4及び図5に示すように上方位置に位置付け
られている
【0031】この状態で、多数本の炭素繊維糸YCFのそ
れぞれを、溝付きロール12に形成した各ガイド溝12
aで案内しながら引き揃え、次の整列部20へと案内
し、コーム21の針21b,21b間を通し、含浸部3
0を経て巻取機4へと案内しておく。このとき、溝付き
ロール12は、多数の炭素繊維糸YCFをガイド溝12a
で案内しながら引き揃えるので、導糸作業が容易であ
る。また、溝付きロール12は、300 g・cm以下の低い回
転トルクで自由回転し、ガイドロール11と同様の表面
処理が施されていることから、炭素繊維糸YCFとの摩擦
が少なくなって炭素繊維の巻き付きが効果的に抑えられ
る。
【0032】このようにして多数本の炭素繊維糸YCF
引き揃えて整列部20へと案内した、反転装置15に
よって回動軸17回動されて、支持板16,16
5に2点鎖線で示したように傾倒し、多数本の炭素繊維
糸YCFを案内するロール溝付きロール12からガイド
ロール11に切り替えられる。このとき、回動軸17の
回動に伴って回動板14も回動され、駆動モータ13
、図6に2点鎖線で示したように上方位置に移動す
【0033】そして、この状態で多数本の炭素繊維糸Y
CFの搬送を開始すると共に、コーム21の揺動を開始さ
せ、巻出しドラム31,32から樹脂フィルム37,3
8を巻き出す。このとき、ガイド部10においては、ガ
イドロール11が多数本の炭素繊維糸YCFの搬送を案内
するが、ガイドロール11は、炭素繊維糸YCFの搬送速
度をUとしたとき、次式で示す周速度uの範囲で駆動モ
ータ13によって回転される。
【0034】u=(−1/2〜3/2)U このため、炭素繊維糸YCFが扁平な場合には、扁平状態
を維持しながら整列部20に案内することができる。ま
た、整列部20においては、駆動モータ22によってデ
ィスク22bが回転すると、リンク23で連結されたコ
ーム21が上下方向に揺動し、炭素繊維糸Y CFが摺接し
ている針21bの上下方向の位置が周期的に変化し、炭
素繊維糸YCFが摺接している針21bの位置が常に同じ
位置になることがない。
【0035】このため、炭素繊維糸YCFは、搬送に伴っ
てコーム21の針21bと摺接する部分に毛羽を発生す
るが、炭素繊維糸YCFが摺接する針21bの部分上下
方向周期的に変化することから、針21bへの毛羽の
位置も上下方向に変化し、毛羽が一箇所に集中して
することが防止される。従って、高弾性率で低伸度の
炭素繊維糸YCFを用いた場合であっても、針21bにお
ける毛羽の付着位置、すなわち、発生位置が上下方向に
分散された状態となり、毛羽の塊が針21bを通過した
り、糸切れを誘発する頻度を抑制することが可能とな
る。
【0036】そして、含浸部30では、巻出しドラム3
1,32から巻き出された樹脂フィルム37,38の間
に多数本の炭素繊維糸YCFが送り込まれると共に、ヒー
タ33によって予熱された樹脂フィルム37,38の樹
脂が多数本の炭素繊維糸YCFに含浸されてプリプレグが
製造されてゆく。このようにして樹脂が含浸された高温
のプリプレグは、クーラ36で冷却された後、樹脂フィ
ルム37の剥離紙37aが巻取機6により巻取られると
共に、下流側に配置された複数の搬送ロール8によっ
て、樹脂フィルム38側に剥離紙38aが貼付された状
態で製品として巻取機8に巻取られてゆく。 実施例1 以上の製造装置1において、コーム21として直径1.0
mmの針を90本並べたコームを5ジグザグに連結したジ
グザグコームを用い、本発明の製造方法に従って、この
ジグザグコームを駆動モータ22で5秒/cycleまたは
1秒/cycleの周期で上下方向に揺動させながら、弾性
率65ton・f/mm2,伸度0.6%の炭素繊維糸YCFを380本、
500mmの幅に整列させ、約40 kg/幅の張力の下にプリプ
レグを製造した。
【0037】その結果、クリール2の各ボビン2aに巻
回された炭素繊維糸YCFの全量に相当する約2,000 mを
処理する間、殆ど大きな毛羽の発生が見られず、毛羽を
除くために製造装置1を停止することなく連続的に加工
することができた。また、得られたプリプレグは、毛羽
に起因する凹凸の発生も見られず表面品位も良好であっ
た。 比較例1 比較のため、実施例1の製造装置1において、ジグザグ
コームを上下方向に揺動させることなく、実施例1と同
一構成の炭素繊維糸YCFを用いて同一条件の下にプリプ
レグを製造した。
【0038】その結果、搬送される炭素繊維糸YCFは、
コームの針との擦過によって毛状の毛羽のが発生
、この毛羽を除去するために約50mに1回の割合で製
造装置1を停止させなければならなかった。 実施例2 製造装置1において、コーム21として直径1.0mmの針
を90本並べたコームを9ジグザグに連結したジグザグ
コームを用い、このジグザグコームを駆動モータ22で
5秒/cycleまたは1秒/cycleの周期で上下方向に揺動
させながら、本発明の製造方法により弾性率55 ton・f/
mm2,伸度0.7%の炭素繊維糸YCFを710本、1,000mmの幅
に整列させ、約70 kg/幅の張力の下にプリプレグを製造
した。
【0039】その結果、炭素繊維糸YCFは、10,000m当
たりに換算して0.06gの毛羽が発生し、製造されたプリ
プレグは、表面に100m2当たり0.3個の毛羽に起因する
凹凸欠陥が生じていた。 比較例2 比較のため、製造装置1において、ジグザグコームを上
下方向に揺動させることなく、実施例2と同一構成の炭
素繊維糸YCFを用いて同一条件の下にプリプレグを製造
した。
【0040】その結果、搬送される炭素繊維糸YCFは、
10,000m当たりに換算して0.28gと約4倍もの毛羽が発
生し、製造されたプリプレグは、表面に100m2当たり0.
6個の毛羽に起因する凹凸欠陥が生じていた。
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
プリプレグの製造装置および製造方法によれば、プリプ
レグの製造に際して、多数本の炭素繊維糸を整列させる
コームを駆動手段によって、その針の長さ方向に往復動
させているので、整列部を通過する際に炭素繊維糸に発
生する傷付きに起因した毛羽の発生が最小限に抑えられ
ると共に、発生した毛羽が針の長さ方向に分散されるこ
とから針の一箇所に集中することがな、高品位のプリ
プレグを製造することができるという優れた効果を奏す
る。
【0042】また、多数本の炭素繊維糸の搬送にあた
り、搬送速度をUとしたときに、u=(−1/2〜3/
2)Uで示す周速度uの範囲で回転するガイドロールで
炭素繊維糸を案内するので、炭素繊維糸が扁平な場合に
扁平状態を維持しながら整列部に案内することができ、
しかも炭素繊維がロールに巻き付くことがないという利
点がある。
【0043】更に、ガイドロールに表面処理を施すの
で、炭素繊維のロールへの巻き付きが低減される。ま
た、ガイドロールの他に、多数本の炭素繊維糸のそれぞ
れを案内する溝を有する溝付きロールを設け、炭素繊維
糸の導糸時には溝付きロールを、搬送時にはガイドロー
ルを用いるように、それぞれ切り替えるので、ガイドロ
ールによる炭素繊維糸の扁平状態の維持に加えて、多数
本の炭素繊維糸の導糸作業が容易となるという利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグの製造方法を適用した製造
装置の概略構成を示す構成図である。
【図2】図1の製造装置の整列部を拡大して示す斜視図
である。
【図3】図1の製造装置のガイド部の詳細な構成を示す
平面図である。
【図4】図3のガイド部のIV−IV線に沿って見た正面図
である。
【図5】図4のV−V線に沿って見た右側面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿って見た左側面図である。
【図7】ガイドロールに対する炭素繊維糸の幅方向の入
射角度を説明する平面図である。
【図8】ガイドロールに対する炭素繊維糸の上下方向の
入射角度を説明する側面図である。
【図9】ガイドロールに対する炭素繊維糸の幅方向の出
射角度を説明する平面図である。
【図10】ガイドロールに対する炭素繊維糸の上下方向
の出射角度を説明する側面図である。
【符号の説明】
1 プリプレグの製造装置 2 クリール 2a ボビン 4 巻取機 6 巻取機 8 搬送ロール 10 ガイド部 11 ガイドロール 12 溝付きロール 12a ガイド溝 13 駆動モータ 14 回動板 15 反転装置 16 支持板(支持部材) 17 回動軸 18 支持ブラケット 19 支持台 20 整列部 21 コーム 21a 支持枠 21b 針 22 駆動モータ 30 含浸部 31,32 巻出しドラム 33 ヒータ 35 プレスロール 36 クーラ 37,38 樹脂フィルム 37a 離型紙 YCF 炭素繊維糸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭60−3758(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29B 11/16 B29B 15/08 - 15/14

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多数本の炭素繊維糸を案内するガイド部、
    前記ガイド部を介して搬送されてくる前記多数本の炭素
    繊維糸を所定間隔に整列させる整列部および所定間隔に
    整列された前記多数本の炭素繊維糸に樹脂を含浸してプ
    リプレグとする含浸部を備え 記整列部は、前記多数本の炭素繊維糸を通過させる
    際、前記炭素繊維糸が摺接される櫛歯としての針を有し
    コームと、このコームを前記炭素繊維糸の通過中、前
    記針の長さ方向に往復動させる駆動手段とを備えている
    ことを特徴とする、プリプレグの製造装置。
  2. 【請求項2】 前記ガイド部は、前記多数本の炭素繊維
    糸の搬送速度をUとしたとき、次式で示す周速度uの範
    囲で回転するガイドロールを備えている、請求項1のプ
    リプレグの製造装置。 u=(−1/2〜3/2)U
  3. 【請求項3】 前記ガイドロールは、表面に硬質クロム
    メッキが施され、かつ、JIS B0601に基づく表
    面粗さの最大高さRmax が1s〜25sの範囲にある、請
    求項2のプリプレグの製造装置。
  4. 【請求項4】 前記ガイド部は、導入される前記多数本
    の炭素繊維糸のそれぞれを案内する溝を有する溝付きロ
    ールを備え、前記ガイドロールと溝付きロールが、共通
    する軸廻りに回動する支持部材に前記多数本の炭素繊維
    糸に対して離接自在に支持されている、請求項2または
    3のプリプレグの製造装置。
  5. 【請求項5】多数本の炭素繊維糸を案内するガイド工
    程、前記ガイド工程を経て搬送されてくる多数本の炭素
    繊維糸を整列手段を用いて所定間隔に整列させる整列工
    程及び所定間隔に整列された前記多数本の炭素繊維糸に
    樹脂を含浸してプリプレグとする含浸工程を含み、前記
    整列工程において、前記整列手段に前記多数本の炭素
    繊維糸を通過させる際、前記炭素繊維糸が摺接される櫛
    歯としての針を有したコームを用い、このコームを前記
    針の長さ方向に往復動させることを特徴とする、プリプ
    レグの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ガイド工程において、前記多数本の
    炭素繊維糸の搬送速度をUとしたとき、次式で示す周速
    度uの範囲で回転する第一のガイド手段を用いて前記多
    数本の炭素繊維糸を案内する、請求項5のプリプレグの
    製造方法。 u=(−1/2〜3/2)U
  7. 【請求項7】 前記ガイド工程において、導入される前
    記多数本の炭素繊維糸のそれぞれを案内する溝を有する
    第二のガイド手段を用い、前記多数本の炭素繊維糸を導
    入するときは該第二のガイド手段に、前記多数本の炭素
    繊維糸を搬送するときは前記第一のガイド手段にそれぞ
    れ切り替えて前記多数本の炭素繊維糸を前記整列工程へ
    搬送する、請求項6のプリプレグの製造方法。
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