JP2001162689A - 繊維束搬送方法および搬送装置ならびにプリプレグの製造方法 - Google Patents

繊維束搬送方法および搬送装置ならびにプリプレグの製造方法

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JP2001162689A
JP2001162689A JP34885099A JP34885099A JP2001162689A JP 2001162689 A JP2001162689 A JP 2001162689A JP 34885099 A JP34885099 A JP 34885099A JP 34885099 A JP34885099 A JP 34885099A JP 2001162689 A JP2001162689 A JP 2001162689A
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Masabumi Kondo
正文 近藤
Daisaku Akase
大策 赤瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】開繊拡幅した繊維束を次工程へ搬送する過程に
おいて、開繊幅を再び狭めてしまうことなく搬送する方
法、および装置を提供するものである。 【解決手段】開繊せしめた繊維束を、該繊維束の幅より
大きな幅を有し、かつ、該繊維束と接触する側に凸状と
なるよう湾曲したベルト上に支持して、連続的に搬送す
る繊維束搬送方法、および、少なくとも3個の回転動可
能なローラを並列に配したローラ群と、前記ローラに接
触し、かつ、搬送される繊維束と接触する側に凸状とな
るよう湾曲して配され、かつ、該繊維束幅より大きな幅
を有するエンドレスベルトより構成される繊維束搬送装
置、ならびに、それらを適用して繊維束を連続的に搬送
して後、該繊維束に樹脂を含浸せしめるプリプレグの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリプレグ製造工
程のラミネート装置に供給する繊維束を予め開繊拡幅し
て供給するに適した、開繊された繊維束搬送方法、およ
び装置、ならびにそのような方法を適用したプリプレグ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維束を搬送する方法としては、回転駆
動するゴムあるいは金属等のローラ表面に繊維束を十分
に接触させて搬送する方法が一般的に用いられる。この
様な方法は、繊維を一定の速度で、あるいは高速で搬送
できるので有効であるが、繊維束の形態、例えば、一方
向に規則的に並べられた状態、あるいは何らかの力で束
が拡幅された状態を維持して搬送することは困難であ
る。
【0003】一方、近年、炭素繊維等の強化繊維束にエ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等のマトリクス樹
脂を含浸させシート状に形成したプリプレグが、その軽
量で高強度である特性から、例えばゴルフシャフト、釣
り竿等のスポーツ・レジャー用途、あるいは航空機材
料、医療用材、さらには産業用資材などの幅広い用途に
使用されている。このようなプリプレグの使用用途の多
様化に伴い、厚みが薄く、厚み斑が少ない高品位なプリ
プレグの要求が高まっている。プリプレグは、繊維束を
シート状に引き揃え、その状態で単糸間にマトリクス樹
脂を含浸して製造される。しかし繊維束の開繊が充分に
なされていない状態でプリプレグを製造しようとした場
合、プリプレグの厚みが薄くならない、厚み斑が発生す
る、繊維の内部までマトリクス樹脂が含浸しない、糸条
間にワレができる等の問題が発生する。従って、薄くて
厚み斑が少なくかつ繊維束の内部までマトリクス樹脂が
充分に含浸された、ワレのない高品位なプリプレグを製
造するためには、樹脂を含浸させる直前で、繊維束を予
め充分に開繊した状態に把持させておく必要がある。
【0004】繊維束を開繊し、その状態に把持する方法
として、特開昭59−228036号公報、あるいは特
開昭60−9961号公報に、繊維束を、梨地面等の粗
い表面を持つロールやバー等の表面に接触させて開繊
し、その状態を把持する方法が開示されているが、これ
らの方法では、開繊された繊維束が再び集束しようとす
る力に打ち勝つ十分な把持力を得るために、繊維束に大
きな張力をかけ、かつ繊維束に接触させるロールやバー
の表面粗度をある程度粗くする必要があった。しかしな
がら、これらの方法では、繊維が擦過され、糸切れ、毛
羽発生が起こりやすくなる問題があった。
【0005】さらに、これらの方法では、繊維束を十分
に拡幅し、その状態を把持するために多数のロールやバ
ーにジグザグにパスさせ、繊維束のロールやバーとの接
触面積を増やすことが必要であり、結果として、これら
のローラやバーの設備が場所を大きく占有してしまうこ
とになる。またスタート初期の糸通し作業性が極めて悪
くなり作業スタート毎に、スタート前に設備を停止し、
繊維束を各ロールやバーに通していく必要があり、作業
効率が低下する問題がある。
【0006】また、特開昭48−19861号公報に
は、拡幅網状繊維体の定幅移動法に関する技術が開示さ
れているが、この方法は網状繊維体の両耳端を吸引函に
より吸引せしめて幅方向への狭まりを防止するものであ
り、本発明のような一方向の繊維束の拡幅状態を把持す
るには用いることはできない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明においては、上
述した従来技術の問題点に鑑み、予め開繊された繊維束
を、糸切れ等の品質低下や、スタート時の作業効率の低
下なく、十分に開繊された状態に把持して搬送する方法
および装置、ならびにそのような方法を用いたプリプレ
グの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の繊維束搬送方法は次の構成を有する すな
わち、開繊せしめた繊維束を、該繊維束幅より大きな幅
を有し、かつ、該繊維束と接触する側に凸状となるよう
湾曲したベルト上に支持して、連続的に搬送する繊維束
搬送方法である。
【0009】また、前記課題を解決するため、本発明の
繊維束搬送装置は次の構成を有する。すなわち、少なく
とも3個の回転動可能なローラを並列に配したローラ群
と、前記ローラに接触し、かつ、搬送される繊維束と接
触する側に凸状となるよう湾曲して配され、かつ、該繊
維束幅より大きな幅を有するエンドレスベルトより構成
される繊維束搬送装置である。
【0010】さらに前記課題を解決するため、本発明の
プリプレグの製造方法は次の構成を有する。すなわち、
開繊せしめた繊維束を、該繊維束幅より大きな幅を有
し、かつ、該繊維束と接触する側に凸状となるよう湾曲
したベルト上に支持して、連続的に搬送して後、該繊維
束に樹脂を含浸せしめるプリプレグの製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0012】本発明において用いられる繊維束は、その
種類、あるいは形状など特に制限されるものではない
が、例えば、その種類として強化繊維に好ましく用いら
れる炭素繊維やガラス繊維等の繊維束が挙げられ、ま
た、形状としては、複数本の単糸が引き揃えられてた1
本の繊維束でもよいし、この繊維束が複数本互いに引き
揃えられてシート状になっている繊維束でもよい。この
繊維束は予めある程度十分に開繊拡幅されているが、こ
の開繊拡幅の方法は特に制限されるものではない。ま
た、本発明における繊維束は連続して走行しており、好
ましくは一定速度で連続走行している。その走行を駆動
するのは、本発明における繊維束搬送工程でもよいし、
あるいはそれ以前の工程、あるいはそれ以降の工程にお
ける例えば回転駆動ローラ等によるものでもよい。ここ
でのそれ以前の工程とは、例えば繊維束の開繊拡幅工程
等が挙げられ、またそれ以降の工程とは、例えば繊維束
にマトリクス樹脂を含浸させるラミネート工程等が挙げ
られる。
【0013】本発明において用いられるベルトは、繊維
の単糸切れや、巻き付きが起こりにくく、開繊拡幅され
た繊維束が再び収束しようとする力に打ち勝つ程度の表
面を持つものであれば特に限定されるものではないが、
金属のベルト等のように表面が堅く、非常になめらかな
ものは繊維束を容易に滑らせるので、開繊拡幅された繊
維束幅を維持するのが難しい。好ましく用いられるもの
として、例えば、ポリエステル、ポリエチレン、あるい
はポリウレタンから選ばれる少なくとも1つからなる樹
脂、あるいはゴム状樹脂ベルトが挙げられる。
【0014】また、ベルトの形状は特に限定されない
が、ベルト長さ方向の両端が接合され輪状にエンドレス
加工されたもの(これをエンドレスベルトとする)が好
ましく用いることができる。ベルトをエンドレスベルト
に加工する際、接合によるベルトの継ぎ目は、繊維束が
接触する面において、ベルトが1回転して繊維束がベル
トから離れる際、この継ぎ目に繊維束の単糸が引っかか
り、ベルトに巻き付くことがないようにするのがよい
が、繊維走行方向に対して順目の接合となるよう組み付
けたものでもよい。
【0015】ベルトの幅は、搬送する開繊拡幅された繊
維束を、その幅を有効に把持して次の工程に搬送するた
め、少なくとも開繊された繊維束の幅より大きいもので
ある。
【0016】本発明におけるベルトは、開繊拡幅された
繊維束を支持して搬送する際、走行する繊維束に対し、
繊維束に接触する側においてベルト長さ方向に凸状とな
るよう湾曲しているものである。この湾曲により、繊維
束がベルトに平面で接触するよりも良好に接触し、拡幅
された繊維束幅を有効に把持することができるようにな
る。なお、この湾曲の曲率はいくらであってもよいが、
繊維の走行状態を急激に変化させるほど高い曲率より、
平面に近い低い曲率である方が繊維束の糸切れ等が起こ
りにくくなるため好ましい。また、湾曲はエンドレスベ
ルトの全部、すなわち全円状でもよいし、エンドレスベ
ルトの一部になされているものであってもよい。
【0017】前記したような搬送を行うに適した搬送装
置について次に説明する。
【0018】図1は、本発明における好ましい態様の一
例を示した開繊繊維束搬送装置の概略側面図である。図
1におけるaは走行する繊維束を示す。この繊維束は、
緩やかに湾曲したベルトb上に支持され搬送される。ベ
ルトはエンドレスベルトに加工されており、これが回転
走行するとともに繊維束が搬送される。このベルトが走
行する方法はどのような方法であってもよいが、図1の
c、e、kで示されるローラに装着して走行させてもよ
い。このローラは、ベルトとローラとの摩耗を少なく
し、ベルト切れなどが起こりにくくするため、回転動可
能なものが好ましい。また、ローラはベルトが湾曲形状
をなすように、装着させるローラは少なくとも3個以上
のローラ群であることが好ましく、ベルトの湾曲の曲率
が高くならないよう5個以上のローラで構成されるロー
ラ群であるとより好ましい。
【0019】ローラは、フリー回転するものでもよい
し、また駆動装置を設けることにより強制回転駆動する
ものであってもよいが、走行する繊維束と、それに接触
するベルトの表面に摩擦が生じると、繊維束が擦過さ
れ、単糸切れなどが起こりやすくなるので、ベルトの回
転速度が繊維束の走行速度と同調するようにローラの回
転速度を制御することが好ましい。従って、ローラを駆
動させる場合は、駆動させる設備だけでなく、回転速度
を制御する設備があることが好ましいが、これらを備え
ることにより、装置が大型化、あるいは複雑化し、ま
た、操作も複雑化することから、ローラはフリー回転す
るものがよい。フリー回転の起動力は、ローラに着した
ベルトの起動力として概ね9.8N以下であることが好
ましく、より好ましくは4.9N以下である。起動力
は、ベルトの外周に伸縮しない紐を巻き付けてベルト上
を紐が滑らないようにした後、紐の他端にバネばかりを
結んで引っ張り、ベルトが走行し始めた時のはかりの指
示値を読みとることで計ることができる。
【0020】上記ローラの配置はどのように行ってもよ
いが、ベルトが繊維束走行方向と並行して走行できるよ
う、ローラは並行に配するのが好ましい。また、上記に
説明したように、繊維束と接するベルトの湾曲部分はで
きるだけなだらかであることが好ましく、すなわち繊維
束に接触するベルトの直線部分ができるだけ短いことが
好ましい。より好ましくは、ベルトが繊維束と接する部
分、すなわち図1においてはc、kで構成されるローラ
群において、ベルトの直線長さが概ね100mm以下で
あり、これをなすように各ローラを多数配置するのが好
ましい。
【0021】また、ローラ群、すなわち第1図において
c、e、kで構成されるローラ群は、エンドレスベルト
が上下あるいは左右非対称となるようローラを配しても
よいし、エンドレスベルトが非対称となるように配して
もよい。非対称となるときは、ローラがどちらか一方の
側に多くなり、結果的に重心が偏るため搬送装置全体の
バランスが悪くなるが、この場合は重心が偏らないよう
に図1におけるローラeであるバランスウエィトを具備
してもよい。
【0022】上記のローラ群をなすローラのうち、図1
におけるローラcのように、少なくとも1個のローラ
は、装着されているベルトの張力調整、あるいはベルト
交換のためのゆるみを得る目的で、アジャスタ機能、す
なわち取り外しあるいは移動が容易な機能を有するもの
であるとよい。このアジャスタ機能を付与する方法は特
に限定されないが、例えばロールに接続されている軸の
軸受けの止めネジをゆるめてからネジを正転または逆転
することで容易になし得ることができる。さらに、ロー
ラ群をなすローラのうち、少なくとも1個のローラは、
ベルトの伸びを吸収しつつ、ベルトに常に一定張力を付
与することができるスプリングなどを具備しているもの
であると、ベルトの弛みが起こりにくく、結果としてベ
ルトを繊維束の密着度がよくなり拡幅された繊維束の状
態を有効に把持できるので好ましい。
【0023】本発明において、拡幅した繊維束幅をベル
ト上で有効に支持するためには、拡幅装置の直後に上記
説明したような装置を設置することが好ましく、また、
拡幅装置の最終ロールとこの装置の繊維束入り側部の幅
が概ね100mm以下であることが好ましく、さらにこ
の装置の繊維束出側部と次工程の入り口部の幅も同様に
100mm以下にするのが好ましく、拡幅された繊維束
がその状態を維持したまま次の工程、たとえばマトリク
ス樹脂を繊維束に含浸させるラミネート工程等に進ませ
ることが容易になる。
【0024】また、本発明におけるローラ群は、そのロ
ーラの配列方向に任意の高さに上下に可倒可能であって
もよい。ローラ群、すなわちこれに装着されるベルトが
可倒可能であれば、繊維束の入り口、あるいは出口の高
さが様々に異なる設備間においても、それらの設備に本
発明のベルトをできるだけ近づけることが容易となるの
で、開繊拡幅された繊維束が再び収束せずに、有効にそ
の幅を維持したまま搬送できる。ローラ群を可倒可能と
する方法は特に限定されないが、例えば図1において
は、図示されない1個のローラ固定フレームに各ローラ
c、e、kを図示されない軸を介して取り付けられる。
このフレームは、反転支持軸fにより搬送装置本体フレ
ームg具備された反転用ウォームギヤーボックスdに取
り付けられることにより、このfを軸としてローラ固定
フレームを可倒させ、結果として各ローラを同時に、か
つ同じ移動度で容易に可倒可能とすることができる。ま
た、このフレームには、可倒度を任意に変えることがで
き、変化後フレームをその位置で固定することができる
よう廻り止めネジiを備えていてもよい。
【0025】図2は、図1の搬送装置のベルトおよびロ
ーラ群を90度反転させた状態での概略側面図である。
すなわち、図示したような状態を成すことが可能であれ
ば、製造工場での狭い通路でも装置の移動が容易となる
ので好ましい。また、本発明の搬送装置は、図1におけ
る移動用車輪hを好ましくは具備しているとより移動が
容易にできる。
【0026】図3は、図2と同様に図1の搬送装置のベ
ルトおよびローラ群を任意の角度に反転した状態を示す
概略図である。この様に任意に反転角度を変えることが
できれば、図3のようにそれぞれ高さの異なる前および
次工程設備間においても本発明の装置を有効に用いるこ
とができるので好ましい。
【0027】本発明において、上述したような構成を有
する開繊拡幅された繊維束搬送方法を用いて搬送された
繊維束を用いて、この繊維束に樹脂を含浸せしめて、プ
リプレグを製造することにより、厚みが薄く、また厚み
斑が少なく、繊維に十分に樹脂が含浸した品質の高いプ
リプレグを製造することができる。
【0028】ここで、用いられる樹脂、あるいは樹脂の
含浸方法は特に限定されるものでない。樹脂では、例え
ば、エポキシ樹脂やビニルエステル樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリ
エステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹
脂等が挙げられる。また、含浸方法は、例えば、離型処
理が施されている紙あるいは樹脂フィルム等のシートに
上記の樹脂を薄く、均一に塗布した樹脂シート2枚で繊
維束を挟持し、これを、例えば加熱ローラなどで加圧す
る方法などが挙げられる。
【0029】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。ただし、本発明の範囲は以下の実施例に限定され
るものではない。
【0030】図4は、本発明の比較例としての、複数の
ローラのみから構成された開繊拡幅した繊維束の搬送装
置を示す。また、上記したように図1は本発明の一例と
なる繊維束の搬送装置であり、この装置のローラeは、
図示されていないスプリングを備えており、装着したベ
ルトに張力を付与する機能を有しており、さらに各ロー
ラc、e、kはすべてフリー回転するものであり、ベル
トを装着した時のフリー回転の起動力は4.9Nであ
る。
【0031】実施例1〜4 図1に示した繊維束搬送装置を用いて、予め種々の幅に
開繊拡幅した炭素繊維(東レ株式会社製T700SC−
12K)を、繊維束の走行速度10m/分で搬送した
(表1)。いずれの開繊幅においてもその幅をほぼ維持
したまま繊維束を搬送することができた。
【0032】比較例1〜4 比較例として、図2に示した装置を用い、実施例と同様
に予め種々の幅に開繊拡幅した炭素繊維を走行した場
合、繊維束の幅は徐々に狭まり、装置の出側において入
り側の約半分程度に収束した(表1)。
【0033】実施例5 実施例1と同様に拡幅された炭素繊維束20束を並行に
走行させ、図1の装置を用いてこれらの繊維束を搬送し
た後、この装置から100mmの間で離れたラミネート
装置に繊維束を送った。ラミネート装置において、離型
フィルムに予め50g/mm2の目付でエポキシを塗布
したシートを上下に2枚配置し、搬送された繊維束をす
ぐにこのシートで挟み込んだ。この得られたシートを7
0℃で30Paの圧力でプレスしてプリプレグを得た。
これを室温まで冷却した後、離型フィルムをはがし、プ
リプレグの様子を観察すると、糸条間にほとんどワレの
ないプリプレグであった。
【0034】比較例5 搬送装置に図4の装置を用いた以外は、実施例5と全く
同じ方法でプリプレグを作製した。同様にプリプレグの
様子を観察すると、元の束毎に繊維束が収束した様子で
ワレの多いプリプレグであった。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明は、上述した通りの構成を有する
ことにより、予め開繊拡幅された繊維束を、その幅を維
持して次の工程に搬送することが可能となり、また、こ
のように搬送された繊維束を用いることにより、厚みの
薄いプリプレグを厚み斑少なく容易に作製することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の開繊繊維束搬送装置の一例を示す概略
側面図である。
【図2】図1に示す開繊繊維束搬送装置を反転させた状
態での概略側面図である。
【図3】図1に示す開繊繊維束搬送装置を前および次の
行程において高さが違う設備間に設置した状態での概略
側面図である。
【図4】ロールのみで構成される開繊繊維束搬送装置の
概略側面図である。
【符号の説明】
a:走行する繊維束 b:エンドレスベルト c:アジャスタローラ d:反転用ウォームギヤーボックス e:張力付与兼バランスウェイトローラ f:反転支持軸 g:繊維束搬送装置本体フレーム h:移動用車輪 i:廻り止めネジ k:フリー回転ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3F051 CA02 4F072 AA01 AA04 AA06 AA07 AB22 AD23 AG03 AH02 AH13 AH16 AH18 AH22 AL04 AL05 4F205 AD16 AG01 AG03 HA19 HA45 HA46 HB01 HB02 HC16 HC17 HF05 HF23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開繊せしめた繊維束を、該繊維束の幅より
    大きな幅を有し、かつ、該繊維束と接触する側に凸状と
    なるよう湾曲したベルト上に支持して、連続的に搬送す
    る繊維束搬送方法。
  2. 【請求項2】少なくとも3個の回転動可能なローラを並
    列に配したローラ群と、前記ローラに接触し、かつ、搬
    送される繊維束と接触する側に凸状となるよう湾曲して
    配され、かつ、該繊維束幅より大きな幅を有するエンド
    レスベルトより構成される繊維束搬送装置。
  3. 【請求項3】該ローラ群が、ローラの配列方向に上下に
    可倒可能である請求項1または2記載の繊維束搬送装
    置。
  4. 【請求項4】開繊せしめた繊維束を、該繊維束幅より大
    きな幅を有し、かつ、該繊維束と接触する側に凸状とな
    るよう湾曲したベルト上に支持して、連続的に搬送して
    後、該繊維束に樹脂を含浸せしめるプリプレグの製造方
    法。
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