JPH0559660A - 広角織布の製造方法とその装置 - Google Patents

広角織布の製造方法とその装置

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JPH0559660A
JPH0559660A JP24681691A JP24681691A JPH0559660A JP H0559660 A JPH0559660 A JP H0559660A JP 24681691 A JP24681691 A JP 24681691A JP 24681691 A JP24681691 A JP 24681691A JP H0559660 A JPH0559660 A JP H0559660A
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Yuji Takahara
祐児 高原
Eiichiro Ikeda
栄一郎 池田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経糸と緯糸が直交する平織などの織布から広
角織布を製造でき、しかも従来の製造装置に比べて構造
が簡略化され、設備費が安くなり、設置スペースも小さ
くて済む広角織布の製造方法とその製造装置を提供す
る。 【構成】 経糸と緯糸とが90゜で交差する織布Aを繰
り出すための繰出装置1と、この織布Aを経糸と平行に
一定の速度で搬送させる織布Aの巻取装置8との間に、
複数組の円錐状ローラー24・25を織布Aの移動方向
に間隔をあけて配設している。そして、織布Aを一定の
速度で搬送しながら、円錐状ローラー24・25を移動
方向と逆方向に回転させることにより、緯糸が経糸に対
し直角状態から傾斜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばゴムベルト内
に積層状に装填される帆布に使用するための広角織布の
製造方法とその装置に関するものである。なお、広角織
布とは、経糸と緯糸とが90゜よりも大きな角度で交差
する織布をいう。
【0002】
【従来の技術】上記したゴムベルトの帆布には、ゴムベ
ルトの屈曲性を良好にするため、図6に示すように経糸
A1と緯糸A2の交差角が広角(通常は100〜120
゜程度)の織布A'が一般に用いられている。
【0003】従来、この種の広角織布の製造方法とし
て、特公昭49−12153号公報に記載のように、経
糸A1と緯糸A2とが90゜で交差する織布A(図5)を
その経糸A1と平行に搬送させながら、途中から緯糸A
2の方向は変化させずに経糸A1の方向を所定角度変更
することにより、経糸A1と緯糸A2の交差角を90゜
よりも大きい角度(広角)にして、熱処理又は樹脂処理
により両糸の交差部を接着する方法が提案されている。
【0004】また同種の製造方法により広角織布を製造
する装置として、特公昭51−42239号公報、特公
昭53−37464号公報および特公昭57−4865
9号公報に記載の装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の製造方
法は、平織、綾織などの経糸と緯糸が直角に交差する織
布から広角織布を製造できる点で非常に有利であるが、
その反面、多数本の緯糸を織布の搬送過程の間、それら
の方向が変化しないように保持しながら経糸の方向だけ
を変更する必要があるため、製造装置が複雑な構造にな
り、装置が大型化して広い設置スペースを要するうえ
に、設備費が高くなるという問題がある。
【0006】この発明は上述の点に鑑みなされたもの
で、経糸と緯糸が直角に交差する平織などの織布から広
角織布を製造でき、しかも上記した従来の製造装置に比
べて構造が簡略化され、設備費が安くなり、設置スペー
スも小さくて済む広角織布の製造方法とその製造装置を
提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ためにこの発明の製造方法は、a)経糸と緯糸とが90
゜で交差する織布を経糸と平行に一定の速度で搬送し、
b)前記織布の両面に接触する一対の円錐状ローラー
を、それぞれ織布の移動方向と逆方向に回転させること
により、緯糸の円錐状ローラーの大径部接触側を小径部
接触側に対し反移動方向に傾斜させ、経糸に対し緯糸を
90゜よりも大きい角度で交差させた後、c)前記織布
の経糸と緯糸の交差部を接着処理するものである。
【0008】また、この発明の製造装置は、A)ロール
状に巻き取った経糸と緯糸とが90゜で交差する織布の
繰出装置と、この織布を経糸と平行に一定の速度で搬送
させる織布の巻取装置との間に、B)織布の移動方向に
間隔をあけて配設され、前記織布の両面に接触し且つ織
布の移動方向と逆方向に回転する複数組の円錐状ローラ
ーと、織布の接着処理装置と、織布の乾燥装置とを順に
備えている。
【0009】
【作用】上記の構成を有する本発明の製造方法によれ
ば、経糸と緯糸とが直角に交差する織布(図5参照)か
ら、両糸の交差角が90゜より大きい(例えば120
゜)広角の織布(図6参照)を製造する際に、経糸と緯
糸が直交する織布が一定の速度で経糸と平行に搬送され
る。そして、織布を挟むようにその両面に接触する円錐
状ローラーが移動方向と逆方向に回転することにより、
円錐状ローラーの回転による摩擦力で緯糸が経糸に対し
反移動方向に位置ずれする。円錐状ローラーの周速は、
その大径部側が小径部側に比べて漸次速くなるので、織
布の幅方向に緯糸の一方(大径部側)が他方(小径部
側)よりも反移動方向に大きく位置ずれして、緯糸は経
糸に対し直交状態から傾斜していくと同時に、この緯糸
の傾斜に伴って織布の幅が実質的に縮小していく。これ
により、緯糸は経糸に対し90゜よりも大きい角度(1
20゜)で交差するので、この状態で、織布の経糸と緯
糸の交差部を接着処理することにより、広角織布が得ら
れる。
【0010】上記の構成を有する本発明の製造装置によ
れば、繰出装置から繰り出された織布が巻取装置により
巻き取られることにより、一定の速度で搬送される。こ
の搬送過程で、織布の両面に対し接触する複数組の円錐
状ローラーが移動方向と逆方向に回転することにより、
その摩擦力で緯糸が反移動方向に位置ずれしていく。円
錐状ローラーの周速の大径部側が小径部側に比べて漸次
速くなるので、上記製造方法による作用と同様に、織布
の幅方向に緯糸の一方(大径部側)が他方(小径部側)
よりも反移動方向に大きく位置ずれして、経糸に対し緯
糸が直交状態から傾斜していき、同時にこの緯糸の傾斜
に伴って織布の幅が実質的に縮小していく。この結果、
経糸に対し緯糸が90゜よりも大きい角度(例えば12
0゜)で交差する。この後、接着処理装置により経糸と
緯糸の交差部を接着し、乾燥装置により接着剤を乾燥さ
せて固定することにより広角織布が得られる。
【0011】
【実施例】以下、本発明にかかる広角織布の製造装置の
実施例を図面に基づいて説明し、併せて本発明の製造方
法についても説明する。
【0012】図1は広角織布の製造装置の実施例を示す
平面図、図2は図1の側面図、図3は図1のIII−III線
拡大矢視図、図4は図3の右側面図である。
【0013】図1および図2に示すように、本製造装置
は、織布の繰出装置1と、織布の緯糸傾斜装置2と、織
布のテンション調整装置4と、織布の接着処理装置5
と、織布の乾燥装置6と、織布の冷却装置7と、織布の
巻取装置8とを、図の左側から順に備えている。
【0014】左端の繰出装置1は、経糸と緯糸とが直交
するロール状の織布A(図5)を着脱自在に支持する回
転軸11を回動自在に配設した構造からなる。
【0015】一方、右端の巻取装置8は、巻取ロールB
を着脱可能に支持する回転駆動軸81を回動自在に配設
し、トルクモーター82により減速機83を介して回転
駆動軸81を図2において反時計方向に回転させる構造
からなる。そして巻取装置8の回転駆動軸81を反時計
方向に回転させることにより、繰出装置1から繰り出さ
れた織布Aが、一定の速度で搬送されるようになってい
る。
【0016】緯糸傾斜装置2は、後端のガイドローラー
21と、その前方に間隔をあけて回動自在に配設された
ガイドローラー22とを備え、ローラー21・22の中
間およびローラー22の前方に上下一対の円錐状ローラ
ー24・25を、それぞれ配設している。上下の円錐状
ローラー24・25の間隙は織布Aの厚みに合わせて調
整できるようになっており、織布Aの両面に円錐状ロー
ラー24・25が接触するように調整する。また2組の
円錐状ローラー24・25は、それらの回転軸24a・
25a(図3)の一端部に相噛合する歯車(図示せず)
あるいは襷掛けのベルト(図示せず)が配設され、上下
の円錐状ローラー24・25は相互に反対方向に回転す
るようになっている。そして、共通の駆動モーター26
により、それぞれベルト27を介して下側の円錐状ロー
ラー25を図2において反時計方向に回転させる構造か
らなる。
【0017】テンション調整装置4は、後端のガイドロ
ーラー41と、その前方に間隔をあけて回動自在に配設
された複数組の上下のガイドローラー43〜49とを備
え、ガイドローラー41と43との間に、昇降装置(図
示せず)により上下動可能なテンションローラー42を
配設してある。
【0018】接着処理装置5は、接着液の貯留タンク5
1を備え、この貯留タンク51内に左右一対のガイドロ
ーラー53・53が配備されている。また貯留タンク5
1の後端の上方にガイドローラー52が、貯留タンク5
1の前部の上方に左右一対のガイドローラー54・54
が回動自在に配設されている。
【0019】乾燥装置6は、内部の上下に加熱手段(図
示せず)が配備され、出入口の上下にそれぞれ一対のガ
イドローラー62・62、63・63が回動自在に配設
されている。
【0020】冷却装置7は、冷却風の吹き出し装置71
・72を上下に備え、この吹き出し装置71・72の間
を織布Aが通過する構造になっている。
【0021】なお、図中の符号75は、冷却装置7と巻
取装置8との間に回動自在に配設されたガイドローラー
である。
【0022】次に、上記した実施例の製造装置により広
角織布を製造する態様(方法)を説明する。まず、繰出
装置1の回転軸11に経糸と緯糸とが直交する平織など
からなるロール状の織布A(図5)を取り付け、図2の
ようにガイドローラー45上を通した後、図1のように
織布Aの先端部を巻取装置8の回転駆動軸81に巻き付
ける。この状態で、駆動モーターにより回転駆動軸81
を回転させ、織布Aを一定の速度で前方に搬送する。ま
た、同時に駆動モーター26を反時計方向に回転させ、
2組の円錐状ローラー24・25を図4のようにそれぞ
れ織布Aの移動方向と逆の方向に回転させる。これによ
り、円錐状ローラー24・25の摩擦力で緯糸A2が移
動方向と逆の方向に位置ずれ傾斜していく。
【0023】ここで、緯糸A2の傾斜する態様について
詳しく説明すると、円錐状ローラー24・25の周速
は、図3に示すようにそれらの軸方向に沿って小径部側
から大径部側にかけて漸次速くなる。すなわち円錐状ロ
ーラー24・25の半径rは、r=x×sinθ/2 にな
り、また織布Aの表面に対するローラー周面の摩擦力F
も円錐状ローラーの半径rに正比例する。一方、織布A
の各経糸A1は、繰出装置1の回転軸11と巻取装置8
の回転駆動軸81との間において、テンション調整装置
4のテンションローラー42により緊張状態に保持され
ている。
【0024】したがって、織布Aが逆回転する上下一対
の円錐状ローラー24・25間を通過するたび(本実施
例では2度)に、その幅方向にわたり経糸A1に対し緯
糸A2の円錐状ローラー24・25の大径部側がその小
径部側よりも反移動方向に大きく位置ずれして、経糸A
1に対し直角に交差していた緯糸A2が徐々に傾斜して
いき、同時にこの緯糸A2の傾斜に伴って織布Aの幅が
実質的に縮小される。この結果、経糸A1に対し緯糸A
2が90゜よりも大きい角度(例えば120゜)で交差
する。この後、織布Aはテンション調整装置4を通過
し、それから、接着処理装置5の貯留タンク51内の接
着液Cに浸漬されながら、次の乾燥装置6で乾燥され、
さらに冷却装置7で冷却されて経糸A1と緯糸A2の交
差部が接着され、広角織布A’となる。そして、この広
角織布A'は、巻取装置8の巻取ロールBに巻き取られ
る。
【0025】ところで、上記実施例では、上下一端部に
円錐状ローラー24・25を2箇所に配置したが、織布
A(図5)の種類や大きさなどに応じて円錐状ローラー
24・25の配置箇所を適宜増やすことができる。ま
た、円錐状ローラー24・25の円錐角θも、製造しよ
うとする広角織布A'(図6)の経糸A1と緯糸A2の
交差角を勘案して適宜増減し、最適な円錐角θを決定す
ればよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明の広角織布の製造方法および製造装置には、次
のような効果がある。
【0027】(1) 本発明の製造方法は、経糸と緯糸が直
角に交差する平織などの安価な汎用の織布から広角織布
を製造でき、しかも上記した従来の製造方法のように多
数の緯糸を常に平行に保持しておく必要がないから、製
造工程が簡略化され、生産効率が高く、広角織布が安価
に得られる。
【0028】(2) 本発明の製造装置は、上記した従来の
装置に比べて構造が簡単で、設備費が安くなり、設置ス
ペースも小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる広角織布の製造装置の実施例を
示す平面図である。
【図2】図1の製造装置を示す側面図である。
【図3】図1のIII−III線拡大矢視図である。
【図4】図3の円錐状ローラーの右側面図である。
【図5】経糸と緯糸が直交する平織などの織布を示す平
面図である。
【図6】本発明の製造方法により製造される経糸と緯糸
が90゜より大きな角度で交差する広角織布を示す平面
図である。
【符号の説明】
1 繰出装置 2 緯糸傾斜装置 4 テンション調整装置 5 接着処理装置 6 乾燥装置 8 巻取装置 21・22・41・43〜49 ガイドローラー 24・25 円錐状ローラー 42 テンションローラー A 織布 A' 広角織布 A1 経糸 A2 緯糸

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸と緯糸とが90゜で交差する織布を
    経糸と平行に一定の速度で搬送し、 前記織布の両面に接触する一対の円錐状ローラーを、そ
    れぞれ織布の移動方向と逆方向に回転させることによ
    り、緯糸の円錐状ローラーの大径部接触側を小径部接触
    側に対し反移動方向に傾斜させ、経糸に対し緯糸を90
    ゜よりも大きい角度で交差させた後、 前記織布の経糸と緯糸の交差部を接着処理することを特
    徴とする広角織布の製造方法。
  2. 【請求項2】 ロール状に巻き取った経糸と緯糸とが9
    0゜で交差する織布の繰出装置と、この織布を経糸と平
    行に一定の速度で搬送させる織布の巻取装置との間にお
    いて、 織布の移動方向に間隔をあけて配設され、前記織布の両
    面に接触し且つ織布の移動方向と逆方向に回転する複数
    組の円錐状ローラーと、 織布の接着処理装置と、織布の乾燥装置とを順に備えた
    ことを特徴とする広角織布の製造装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002540306A (ja) * 1999-03-22 2002-11-26 エクセル・ファブリーク バイアス織物、かかる織物を連続的に製造するための製造方法と織機
JP2007092193A (ja) * 2005-09-27 2007-04-12 Mitsuboshi Belting Ltd 広角帆布の製造方法及び製造装置
US7696653B2 (en) 2006-03-30 2010-04-13 Nikon Corporation Movable-body apparatus, exposure apparatus and methods comprising same, and device-manufacturing methods
KR101380045B1 (ko) * 2013-04-04 2014-04-04 김형진 직물원단 가공장치
CN103806161A (zh) * 2013-12-30 2014-05-21 浙江国力科技有限公司 平纹布改纬斜广角布的生产设备及其生产工艺

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