JPWO2016093206A1 - 紫外線硬化型ポリマー及びこれを含む紫外線硬化型ホットメルト粘着剤 - Google Patents

紫外線硬化型ポリマー及びこれを含む紫外線硬化型ホットメルト粘着剤 Download PDF

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Abstract

本発明は、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を有する粘着剤を構成し得る紫外線硬化型ポリマーを提供する。本発明の紫外線硬化型ポリマーは、紫外線反応性基を含有する紫外線硬化型アクリル系ポリマーを含み、上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、検出器としてRI検出器及びUV検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーを分析して得られた分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以下であると共に、紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合が4.0%以上であることを特徴とする。

Description

本発明は、紫外線硬化型ポリマー及びこれを含む紫外線硬化型ホットメルト粘着剤に関する。
アクリル系粘着剤は、粘着テープ、消費者向け商品ラベルなどの粘着シートに用いられている他、透明性、耐熱性及び耐候性という特徴を活かして、パソコン、スマートフォン、テレビ及びデジタルカメラなどの電子機器の光学ディスプレイなどの用途に用いられている。
近年、使用環境の改善の観点から接着剤の無溶剤化が推奨されており、アクリル系粘着剤においてもホットメルト化が進んでいる。ホットメルト粘着剤は、支持体への塗布工程において乾燥工程が必要ないことから、乾燥工程用の設備を必要とせず、省エネルギー化にも大きく寄与する。
近年では、紫外線による架橋反応を用いて、従来の熱可塑アクリル系粘着剤では成し得なかった良好な粘着特性を発現する紫外線硬化型ホットメルト粘着剤が開発されている。
紫外線硬化型ホットメルト粘着剤としては、特許文献1に、ガラス転移温度が−5℃以下で重量平均分子量が50000〜350000であるビニル系共重合体(A)を含有する紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物であって、前記ビニル系共重合体(A)が、特定の単量体成分を構成成分として、重合して得られたものである紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物が提案されている。
特開2006−299017号公報
一方、粘着剤の粘着特性を表す物性として、定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力が挙げられる。粘着剤は、その用途によっては、これらの全ての物性において優れていることが要求される。
上記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物の定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を改善する方法として、原料となるモノマーの種類の変更、共重合性ベンゾフェノン類の使用量の変更、又は、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤に含まれているポリマーの分子量分布を小さくする方法などが挙げられる。
しかしながら、上記方法では、上記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物の定荷重保持力を向上させようとすると、せん断保持力が低下する一方、上記紫外線硬化型ホットメルト粘着剤組成物のせん断保持力を向上させようとすると、剥離強度及び定荷重保持力が低下してしまい、剥離強度及び定荷重保持力と、せん断保持力とはトレード・オフの関係にあり、定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力において満足のいくホットメルト粘着剤組成物を得ることができなかった。
また、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、ラベルなどの粘着シートの用途にも用いられる。粘着シートは、支持体上に粘着層が積層一体化されている。粘着層は、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を支持体上に塗工した後、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤に紫外線を照射することによって硬化されて形成される。
粘着シートは、使用前に保存されることがある。粘着層が柔らかい場合、保存中に粘着層に外力が加わると、粘着層が変形して支持体からはみ出し、周囲を汚染し又は粘着シートの粘着性が部分的に低下するという問題がある。このような問題の抑制された紫外線硬化型ホットメルト粘着剤が所望されている。
本発明は、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を有する粘着剤を構成し得る紫外線硬化型ポリマー及びこれを含む紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を提供する。
本発明の紫外線硬化型ポリマーは、紫外線反応性基を含有する紫外線硬化型アクリル系ポリマーを含み、上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、検出器としてRI検出器及びUV検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーを分析して得られた分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以下であると共に、紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合が4.0%以上であることを特徴とする。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、主鎖となるアクリル系ポリマーに側鎖(ペンダント基)として紫外線反応性基が結合している。紫外線硬化型アクリル系ポリマーに紫外線を照射すると、紫外線反応性基においてラジカルが発生し、紫外線硬化型アクリル系ポリマー分子間で架橋反応が生じ、紫外線硬化型アクリル系ポリマーに網目構造が形成されることによって所望の粘着性能が発現する。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーにおいて主鎖となるアクリル系ポリマーは、アクリル系モノマーの重合体又は共重合体である。アクリル系モノマーは、紫外線(UV)領域の光線を吸収する芳香族環などの共役系の分子構造を有していないことが好ましい。アクリル系モノマーとしては、特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)メタクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、アクリル酸、メタクリル酸が挙げられ、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。アルキル基の炭素数が1〜8のアルキル(メタ)アクリレートは、2−エチルへキシル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレートが好ましく、ブチル(メタ)アクリレートがより好ましく、ブチルアクリレートが特に好ましい。アクリル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。なお、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
紫外線反応性基とは、紫外線の照射によって励起されてラジカルを発生させ、ラジカルが水素引抜反応を生じることによって、紫外線硬化型アクリル系ポリマー分子間に架橋構造を形成させる官能基をいう。
紫外線反応性基としては、紫外線の照射によって励起されてラジカルを発生すれば、特に限定されず、例えば、ベンゾフェノン基、ベンゾイン基、マレイミド基及びこれらの誘導体などが挙げられ、ベンゾフェノン基及びこの誘導体が好ましい。紫外線反応性基は、紫外線硬化型アクリル系ポリマー分子に単独で含まれていても二種以上が含まれていてもよい。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーに含まれている紫外線反応性基の含有量は、0.08質量%以上が好ましく、0.15質量%以上がより好ましく、0.4質量%以上が特に好ましい。紫外線硬化型アクリル系ポリマーに含まれている紫外線反応性基の含有量は、6質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.6質量%以下が特に好ましい。紫外線硬化型ポリマーを硬化させて形成される粘着層のはみ出し性が向上するので、紫外線硬化型アクリル系ポリマーに含まれている紫外線反応性基の含有量は、0.4〜0.6質量%が好ましい。紫外線反応性基の含有量が0.08質量%以上であると、紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れたせん断保持力を有する。紫外線反応性基の含有量が6質量%以下であると、紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れた剥離強度を有する。なお、紫外線硬化型アクリル系ポリマーに含まれている紫外線反応性基の含有量は、例えば、紫外線硬化型アクリル系ポリマーの製造に用いられたモノマー中における紫外線反応性基を有するモノマーの含有量(質量%)とすることができる。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)は、100000〜300000が好ましく、140000〜250000がより好ましい。重量平均分子量が100000以上であると、紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れたせん断保持力を有する。重量平均分子量が300000以下であると、紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れた剥離強度を有する。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、10.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましい。紫外線硬化型アクリル系ポリマーの分散度が10.0以下であると、紫外線硬化型アクリル系ポリマー中における低分子量のアクリル系ポリマーの含有比率を小さくすることによって、紫外線照射後の紫外線硬化型アクリル系ポリマー中に含有される低分子量のポリマーの比率を低下させることができ、紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れた粘着特性、特に、優れたせん断保持力を有する。紫外線硬化型アクリル系ポリマーの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)の下限は、特に限定されないが、2.0以上が好ましく、3.0以上がより好ましい。紫外線硬化型アクリル系ポリマーの分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.0以上であると、紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、優れたせん断保持力を有し、又、紫外線硬化型ポリマーをホットメルト接着剤として用いた場合には、溶融粘度が減少し、塗工性に優れているので好ましい。
なお、紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量は、下記の要領で測定された値をいう。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、紫外線硬化型アクリル系ポリマー6〜7mgを採取し、採取した紫外線硬化型アクリル系ポリマーを試験管に供給した上で、試験管にTHF(テトラヒドロフラン)を加えて紫外線硬化型アクリル系ポリマーを100倍に希釈し、フィルタリングを行って、測定試料を作製する。
この測定試料を用いてGPC法によって紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量を測定することができる。
紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnは、例えば、下記測定装置及び測定条件にてRI検出器にて測定することができる。
測定装置 Water社製 商品名「e2695」
測定条件 カラム:shodex社製 GPC KF−806Lを2本直列に接続
移動相:テトラヒドロフラン使用 1.0mL/分
検出器:RI検出器(e2414)
UV検出器(e2998)
標準物質:ポリスチレン
SEC温度:40℃
紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、主鎖となるアクリル系ポリマーに側鎖(ペンダント基)として紫外線反応性基が結合している。主鎖に紫外線反応性基を導入する方法としては、アクリル系ポリマーの製造(重合)時に、アクリル系モノマーと、これと共重合可能で且つ紫外線反応性基を有するモノマー(以下「紫外線反応性基含有モノマー」ということがある)とを共重合する方法が挙げられる。
紫外線反応性基含有モノマーとしては、特に限定されず、ベンゾフェノン基又はその誘導体を有するアクリル系モノマーが好ましく挙げられる。なお、紫外線反応性基含有モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ベンゾフェノン基又はその誘導体を有するアクリル系モノマーとしては、特に限定されず、例えば、4−アクリロイルオキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−アクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシ−4’−メトキシベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシ−4’−ブロモベンゾフェノン、4−メタクリロイルオキシエトキシ−4’−ブロモベンゾフェノンなどが挙げられる。なお、ベンゾフェノン基又はその誘導体を有するアクリル系モノマーは、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
発明者らは、紫外線硬化型ポリマーを含有する紫外線硬化型ホットメルト粘着剤が、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を両立するように鋭意検討した結果、アクリル系モノマーと紫外線反応性基含有モノマーを含むモノマーを重合して紫外線硬化型アクリル系ポリマーを製造するに際して、アクリル系モノマーと紫外線反応性基含有モノマーとの間に重合速度に差があることを見出した。そして、アクリル系モノマーと紫外線反応性基含有モノマーとの間の重合速度の差に起因して、得られた紫外線硬化型アクリル系ポリマーにおいて、紫外線反応性基含有モノマー単位が分散して取り込まれておらず、紫外線硬化型アクリル系ポリマー全体の分子量分布と、紫外線反応性基含有モノマー単位を含有する紫外線硬化型アクリル系ポリマー(以下、「紫外線反応性基含有ポリマー」ということがある)の分子量分布との間に相違が生じており、両者の分子量分布の相違が、紫外線硬化型アクリル系ポリマーの物性、即ち、定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力に影響を与えていることを見出した。
例えば、アクリル系モノマーの重合速度よりも紫外線反応性基含有モノマーの重合速度の方が速い場合には、重合反応において、アクリル系モノマーよりも紫外線反応性基含有モノマーの方がよりはやく消費される結果、分子量の大きい紫外線硬化型アクリル系ポリマーに紫外線反応性基含有モノマー単位がより多く含有される傾向がある一方、分子量の小さい紫外線硬化型アクリル系ポリマー中における紫外線反応性基含有モノマー単位の含有量が少なくなる傾向にある。
このような紫外線硬化型アクリル系ポリマーに紫外線を照射すると、低分子量領域の紫外線硬化型アクリル系ポリマー分子の紫外線に対する反応性が低下し、その結果、紫外線照射後の紫外線硬化型アクリル系ポリマーに、架橋反応に寄与していない紫外線硬化型アクリル系ポリマー分子が残存した状態となる。この残存した低分子量の紫外線硬化型アクリル系ポリマー分子は、可塑剤に類似した作用を奏し、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は良好な定荷重保持力を示さない。
紫外線硬化型ポリマーの定荷重保持力を改善するために、重合に用いられる紫外線反応性基含有モノマーの量を変更することによって、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤の定荷重保持力の改善を図ることは可能であるが、そうすると、上述したように、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、その剥離強度及びせん断保持力が低下するという別の問題を生じる。
本発明者らは、紫外線反応性基含有ポリマーの分子量分布を制御することによって、低分子量領域から高分子量領域にわたって紫外線硬化型アクリル系ポリマーに紫外線反応性基含有モノマー単位をできるだけ分散させて含有させ、好ましくは、紫外線硬化型アクリル系ポリマー中の紫外線反応性基含有モノマー単位の含有量を高分子量領域よりも低分子量領域において多く含有させることによって、紫外線硬化後に、定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力に優れた粘着剤を構成し得る紫外線硬化型ポリマーを見出した。
即ち、検出器としてRI検出器及びUV検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーを分析して得られた分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以上で且つRI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以下であると共に、紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合が4.0%以上であることによって、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤が、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を有する。
本発明においては、検出器として、屈折率計を用いたRI検出器及びUV検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーを分析して得られた分子量分布(以下、単に「RI・UV分子量分布」ということがある)を用いる。本発明において分子量分布とは、微分分子量分布曲線を意味し、横軸を「分子量」とし、縦軸を「濃度分率を分子量の対数値で微分した値」として得られる曲線をいう。
RI・UV分子量分布は、上述の紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量の測定要領と同様の要領でRI検出器及びUV検出器にて測定して得ることができる。
屈折率計を用いたRI検出器によって測定された分子量分布は、紫外線硬化型アクリル系ポリマー全体の分子量分布を示す。一方、UV検出器を用いて得られた分子量分布は、紫外線反応性基含有ポリマーのみの分子量分布を示す。これは、UV検出器によって検出される分子構造は、紫外線(UV)領域の光線を吸収する芳香族環などの共役系の分子構造のみであり、共役系の分子構造を有しない一般的なアクリル系モノマーは、UV検出器によって検出されないためである。
RI検出器及びUV検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて紫外線硬化型アクリル系ポリマーを分析して得られた分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布の積分値(面積)S1と、UV検出器で測定された分子量分布の積分値(面積)S2とが同一面積となるように設定する。そして、RI検出器で測定された分子量分布と、UV検出器で測定された分子量分布とを重ね合わせ、任意の分子量において、(UV検出器で測定された分子量分布の値/RI検出器で測定された分子量分布の値)を算出することによって、各分子量における、紫外線硬化型アクリル系ポリマー全体に対する紫外線反応性基含有ポリマーの存在比率を算出することができる。本発明において、(UV検出器で測定された分子量分布の値/RI検出器で測定された分子量分布の値)を「紫外線反応性基含有ポリマー比率」とする。ここで、分子量分布の積分値(面積)とは、グラフの横軸と分子量分布を示す曲線とで囲まれた部分の面積をいう。
なお、図1は、RI検出器で測定された分子量分布1の積分値(面積)S1と、UV検出器で測定された分子量分布2の積分値(面積)S2とが同一面積となるように設定した上で、RI検出器で測定された分子量分布1と、UV検出器で測定された分子量分布2とを重ね合わせたグラフである。RI検出器で測定された分子量分布1のピークトップ分子量PTを図1に示した。図2は、図1において表示されたRI検出器で測定された分子量分布1のみを表示したグラフである。図3は、図1において表示されたUV検出器で測定された分子量分布2のみを表示したグラフである。
RI・UV分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率は、1.0以上が好ましく、1.3以上がより好ましく、2.0以上が特に好ましい。紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以上であると、低分子量領域の紫外線硬化型アクリル系ポリマーに紫外線反応性基を十分に導入することができ、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は良好な定荷重保持力を有する。RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率は、4.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましい。RI・UV分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率に注目した理由は、分子量が10000以下の紫外線硬化型アクリル系ポリマーが架橋反応に寄与しない場合、分子量10000以下の紫外線硬化型アクリル系ポリマーが可塑剤に類似した作用を奏し、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤の定荷重保持力の低下を招く虞れがあるためである。
RI・UV分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率は、1.0以下であり、0.95以下が好ましく、0.90以下がより好ましい。RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率は、0.60以上が好ましく、0.70以上がより好ましい。なお、分子量分布のピークトップ分子量とは、測定される紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量分率が最大値をとる分子量をいう。
紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合は、4.0%以上であり、10.0%以上が好ましい。RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合は、25%以下が好ましく、20%以下がより好ましい。RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合に注目した理由は、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線硬化型アクリル系ポリマーが架橋反応に寄与しない場合、この低分子量領域の紫外線硬化型アクリル系ポリマーが可塑剤に類似した作用を奏し、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤の定荷重保持力の低下を招く虞れがあるためである。
紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合(以下「低分子量紫外線反応性基含有ポリマー含有割合」ということがある)は、下記の要領で測定された値をいう。
UV検出器で測定された分子量分布において、グラフの横軸と分子量分布を示す曲線とで囲まれた部分の面積S2を算出する。次に、UV検出器で測定された分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10の分子量の位置に縦軸に平行な直線Lを描く。分子量分布を示す曲線とグラフの横軸と直線Lとで囲まれた部分の面積S3を算出する。そして、下記式に基づいて低分子量紫外線反応性基含有ポリマー含有割合(%)を算出する。
低分子量紫外線反応性基含有ポリマー含有割合(%)=100×S3/S2
RI・UV分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以上で且つRI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以下であると共に、紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合が4.0%以上であることによって、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を有する。
次に、紫外線硬化型ポリマーの製造方法について説明する。紫外線硬化型ポリマーの製造方法としては、特に限定されないが、アクリル系モノマーをこのアクリル系モノマーと共重合可能な紫外線反応性基含有モノマーの存在下にてラジカル重合させて紫外線硬化型アクリル系ポリマーを製造する方法において、紫外線反応性基含有モノマーをアクリル系モノマーに複数回に亘って分割して添加する紫外線硬化型アクリル系ポリマーの製造方法が好ましい。
上述のように、紫外線反応性基含有モノマーの全量をアクリル系モノマーに一度に添加するのではなく、紫外線反応性基含有モノマーを複数回にわたって分割してアクリル系モノマーに添加することによって、重合工程の開始時から終了時に至るまで、アクリル系モノマーに対する紫外線反応性基含有モノマーの存在割合を制御した状態で共重合させることができ、得られる紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、低分子量領域から高分子量領域に至るまで、紫外線反応性基含有モノマー単位が分散された状態で導入されており、好ましくは、紫外線硬化型アクリル系ポリマー中の紫外線反応性基含有モノマー単位の含有量が高分子量領域よりも低分子量領域において多く含有されている。
上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーの製造方法では、紫外線反応性基含有モノマーをアクリル系モノマーに複数回にわたって分割して添加しているが、アクリル系モノマーのラジカル重合開始時に、アクリル系モノマーに紫外線反応性基含有モノマーが予め添加されていることが好ましい。なお、アクリル系モノマーのラジカル重合開始時に、アクリル系モノマーに紫外線反応性基含有モノマーが予め添加されている場合も、アクリル系モノマーへの紫外線反応性基含有モノマーの添加とみなす。
アクリル系モノマーのラジカル重合開始時に、アクリル系モノマーに予め添加されている紫外線反応性基含有モノマーの含有量は、ラジカル重合で用いられる紫外線反応性基含有モノマーの全量の80質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましい。アクリル系モノマーのラジカル重合開始時に、アクリル系モノマーに予め添加されている紫外線反応性基含有モノマーの含有量は、ラジカル重合で用いられる紫外線反応性基含有モノマーの全量の20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましい。アクリル系モノマーのラジカル重合開始時に、アクリル系モノマーに予め添加されている紫外線反応性基含有モノマーの含有量を、ラジカル重合で用いられる紫外線反応性基含有モノマーの全量の80質量%以下とすることによって、低分子量領域から高分子量領域の全領域にかけて、紫外線反応性基含有モノマー単位を紫外線硬化型アクリル系ポリマーに分散させた状態に導入することができ、好ましくは、紫外線硬化型アクリル系ポリマー中の紫外線反応性基含有モノマー単位の含有量が高分子量領域よりも低分子量領域において若干多く含有されており、紫外線硬化後の紫外線硬化型ポリマーを含む粘着剤は、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を有する。
アクリル系モノマーのラジカル重合開始時に、紫外線反応性基含有モノマーの一部がアクリル系モノマーに含有されている場合、残余の紫外線反応性基含有モノマーは、重合転化率が50〜95%となった時に一度に又は複数回にわたって分割してアクリル系モノマーに添加されることが好ましい。
なお、重合転化率は下記の要領で算出された値をいう。先ず、重合転化率を測定する時点において生成している紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量W1を測定する。次に、重合転化率を測定する時点において反応系に添加された全てのモノマーの重量W2を算出する。そして、下記式に基づいて算出された値を重合転化率とする。
重合転化率(%)=100×W1/W2
上述の紫外線硬化型ポリマーに、その物性を損なわない範囲内において、アクリル系モノマー、粘着付与剤、紫外線重合開始剤、可塑剤、酸化防止剤、着色剤、難燃剤、及び帯電防止剤などの他の添加剤が添加されることによって、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤が構成される。紫外線硬化型ポリマーに添加剤を含有させることによって、粘着特性の向上及び他特性の付与を期待することができる。
上記紫外線硬化型ポリマーは紫外線硬化型ホットメルト粘着剤として用いることができる。紫外線硬化型ポリマーは、粘着シート(ラベル、粘着テープなど)の用途に好適に用いることができる。
紫外線硬化型ポリマーを用いて粘着シートを製造する要領を説明する。先ず、合成樹脂シート(ポリエチレンテレフタレートシートなど)などの支持体上に紫外線硬化型ポリマーを汎用の方法を用いて塗工する。次に、紫外線硬化型ポリマーに紫外線を照射することによって紫外線硬化型アクリル系ポリマーを架橋させることによって硬化させて粘着層を形成する。粘着シートは、支持体と、この支持体上に積層一体化され且つ紫外線硬化型ポリマーの硬化物を含む粘着層とを含んでいる。
紫外線硬化型ポリマーの硬化物を含む粘着層は、適度な硬さを有していることから、粘着シートの使用前(保存中)に、粘着層に外力が加わった場合にあっても、変形を抑制されている。従って、粘着層が保存中に支持体からはみ出し、周囲を汚染し又は粘着シートの粘着性が部分的に低下することが抑制されている。
本発明の紫外線硬化型ポリマーは、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤を構成することができる。紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、これを紫外線硬化させることによって、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を発現する。
RI検出器で測定された分子量分布1と、UV検出器で測定された分子量分布2とを重ね合わせたグラフである。 図1において表示されたRI検出器で測定された分子量分布1のみを表示したグラフである。 図1において表示されたUV検出器で測定された分子量分布2のみを表示したグラフである。
以下に、本発明を実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
(実施例1〜10、比較例1〜5)
攪拌機、冷却管、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lのセパラブルフラスコに、表3及び表4に示した所定量のブチルアクリレート、アクリル酸、ラウリルメルカプタン、4−アクリロイルオキシベンゾフェノン(BPA)、4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン(BPM)、酢酸エチル及びイソプロピルアルコール(IPA)を含む反応液を供給して回転速度100rpmで攪拌した。なお、4−アクリロイルオキシベンゾフェノン及び4−メタクリロイルオキシベンゾフェノンは、表1のBPA及びBPMの「ラジカル重合開始前」の欄のそれぞれに記載された量をセパラブルフラスコ内に供給した。
セパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換した後、ウォーターバスを用いて反応液を93℃に加熱した。次に、セパラブルフラスコ内に、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製 商品名「パーヘキシルO」)又はt−ヘキシルパーオキシピバレート(日油社製 商品名「パーヘキシルPV」)を表2の「パーヘキシルO」及び「パーヘキシルPV」の「ラジカル重合開始時」の欄のそれぞれに記載された量を添加してラジカル重合を開始した。
ラジカル重合開始から表1及び表2に示した所定の経過時間ごとに所定量の4−アクリロイルオキシベンゾフェノン(BPA)、4−メタクリロイルオキシベンゾフェノン(BPM)、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日油社製 商品名「パーヘキシルO」)及びt−ヘキシルパーオキシピバレート(日油社製 商品名「パーヘキシルPV」)を反応液に添加してラジカル重合を6時間に亘って行い、紫外線硬化型アクリル系ポリマーを得た。
上記ラジカル重合開始から2時間、4時間及び6時間経過時点(重合終了時)における重合転化率を下記の要領で測定し、その結果を表3及び表4に示した。
得られた紫外線硬化型アクリル系ポリマーの重量平均分子量、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量及び分散度(Mw/Mn)を上述の要領で測定し、その結果を表3及び表4に示した。
得られた紫外線硬化型アクリル系ポリマーに含まれている紫外線反応性基の含有量を上述の要領で測定し、その結果を表3及び表4に示した。
得られた紫外線硬化型アクリル系ポリマーにおいて、RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率(紫外線反応性基含有ポリマー比率10000)、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率(紫外線反応性基含有ポリマー比率PT)、及び、紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合(低分子量紫外線反応性基含有ポリマー含有割合)を上述の要領で測定し、その結果を表3及び表4に示した。
得られた紫外線硬化型アクリル系ポリマーについて、定荷重保持力、剥離強度、せん断保持力及び粘着層はみ出し性を下記の要領で測定し、その結果を表3及び表4に示した。
(重合転化率)
ラジカル重合の開始から2時間、4時間及び6時間経過後(重合終了時)のそれぞれの時点に反応液からサンプルを採取し、サンプルの質量W1を測定した。サンプルの採取時において、セパラブルフラスコ内に供給されたモノマーの全量W2と、セパラブルフラスコ内に供給された全ての化合物の全量W3とから下記式に基づいてサンプル中に含まれているモノマー換算質量W4を算出した。
サンプル中のモノマー換算質量W4=W1×W2/W3
次に、上記サンプルに酢酸エチルを添加することによってサンプルを希釈して希釈サンプルを作製した。希釈サンプルを乾燥オーブン内に投入して110℃にて1時間に亘って乾燥し、希釈サンプル内に含まれている酢酸エチル及び残存モノマー成分を揮発、除去してポリマー成分を抽出した。得られたポリマー成分の質量W5を測定した。下記式に基づいて重合転化率を算出した。
重合添加率(%)=100×W5/W4
(定荷重保持力)
得られた紫外線硬化型アクリル系ポリマーをポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚みが20μmとなるように塗工した。ポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗工した紫外線硬化型アクリル系ポリマーに、紫外線照射装置(ヘレウス(旧フュージョンUVシステムズ)製 商品名「Ligth Hammer6(Hバルブ使用)」)を用いて、紫外線(UV−C)を照射強度48mW/cm2、積算光量60mJ/cm2にて照射して、紫外線硬化型アクリル系ポリマーを硬化させて粘着層とし、粘着シートを製造した。得られた粘着シートを幅15mm、長さ80mmの平面長方形状に切断して測定試料を作製した。
又、表面が#240の耐水やすりで研磨され且つヘキサン及びアセトンの混合溶剤で払拭、脱脂されたSUS板を用意し、このSUS板上に測定試料をその粘着層がSUS板側となるように重ね合わせた後、測定試料上に2kgのハンドローラーを2往復させることによって、測定試料をSUS板上に貼付させた。
次に、測定試料をSUS板上に貼付させた直後(養生なし)に、測定試料の長さ方向の端部に150gの分銅を取り付け、SUS板を水平となるように維持した。この時、SUS板上に貼付した測定試料が下側となるようにし、分銅が空中に浮いた状態とした。
SUS板に貼付した測定試料が1時間当たりに剥離する長さを測定した。なお、測定試料が、1時間経過する前に長さ方向の全長に亘って剥離した場合には、測定試料が長さ方向の全長に亘って剥離するのに要した時間を測定し、この時間に基づいて1時間当たりに剥離する長さを比例換算して求めた。
更に、測定試料をSUS板上に貼付させてから30分間又は24時間に亘って養生させたこと以外は上記と同様の要領でSUS板に貼付した測定試料が1時間当たりに剥離する長さを測定した。
(剥離強度)
定荷重保持力の測定時と同様の要領で、測定試料をSUS板上に貼付させた。測定試料をSUS板上に貼付させてから20分間に亘って養生した後、卓上形精密万能試験機(島津製作所製 商品名「オートグラフAGS−100NX」)を用いて180°の角度で300mm/分の速度で測定試料をSUS板上から剥離し、そのときの剥離強度を測定(N/25mm)した。
(せん断保持力)
定荷重保持力の測定時と同様の要領で測定試料を作製した。測定試料をその一端から長さ方向に25mmの部分のみをSUS板上に貼付したこと以外は、定荷重保持力の測定時と同様の要領でSUS板上に測定試料を貼付した。
SUS板上に測定試料を貼付してから30分間に亘って養生した後、測定試料の他端部に1kgの分銅を取り付けた。表面に測定試料が貼付されたSUS板を80℃に維持されたオーブン内に供給し、測定試料の長さ方向が垂直方向となり且つ分銅が測定試料の下側に位置した状態となるようにSUS板を1時間に亘って保持した。測定試料とSUS板との貼着部分において、測定前後の測定試料の変位量(mm)を測定した。
(粘着層はみ出し性)
定荷重保持力の測定時と同様の要領で粘着シートを作製した。なお、ポリエチレンテレフタレートフィルムの一面に離型処理を施し、離型処理面に粘着層を形成した。粘着シートから一辺が25mmの平面正方形状の試験片を15個切り出した。14個の試験片について、ポリエチレンテレフタレートフィルムから粘着層を剥離した。剥離した粘着層を残りの1個の試験片の粘着層に積層一体化させて試験体を作製した。試験体のポリエチレンテレフタレートフィルム上には、厚みが300μmの粘着層が積層されていた。
2枚のポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、ポリエチレンテレフタレートフィルム間に試験体を配設した。上側のポリエチレンテレフタレートフィルムを介して試験体上に2kgの錘を1時間載置した。1時間経過後に、試験体上の錘を除去し、上側のポリエチレンテレフタレートフィルムを試験体から剥離した際の挙動を目視観察し、下記基準に基づいて評価した。
A:粘着層にはみ出しが見られず、ポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離時にひっかかりを生じなかった。
B:粘着層にはみ出しが見られ、ポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離時に多少のひっかかりを生じたが剥離できた。
C:粘着層にはみ出しが見られ、剥離時に糸曳きを生じ、ポリエチレンテレフタレートフィルムに糊残りを生じた。更に、ポリエチレンテレフタレートフィルムの剥離が困難であった。
Figure 2016093206
Figure 2016093206
Figure 2016093206
Figure 2016093206
(関連出願の相互参照)
本出願は、2014年12月9日に出願された日本国特許出願第2014−249446号、及び2015年3月17日に出願された日本国特許出願第2015−52783号に基づく優先権を主張し、この出願の開示はこれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明の紫外線硬化型ポリマーは、紫外線硬化型ホットメルト粘着剤として用いることができる。紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、紫外線照射による硬化によって、優れた定荷重保持力、剥離強度及びせん断保持力を発現する。紫外線硬化型ホットメルト粘着剤は、粘着シート(粘着テープ、商品ラベルなど)用の粘着剤、ディスプレイなどの光学部材用の粘着剤などに好適に用いることができる。
1 RI検出器で測定された分子量分布
2 UV検出器で測定された分子量分布

Claims (4)

  1. 紫外線反応性基を含有する紫外線硬化型アクリル系ポリマーを含み、上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーは、検出器としてRI検出器及びUV検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて上記紫外線硬化型アクリル系ポリマーを分析して得られた分子量分布において、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以下であると共に、紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合が4.0%以上であることを特徴とする紫外線硬化型ポリマー。
  2. RI検出器で測定された分子量分布の分子量10000での紫外線反応性基含有ポリマー比率が1.0以上であることを特徴とする請求項1に記載の紫外線硬化型ポリマー。
  3. 紫外線反応性基含有ポリマー全体に対する、RI検出器で測定された分子量分布のピークトップ分子量の1/10以下の分子量を有する紫外線反応性基含有ポリマーの含有割合が10%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の紫外線硬化型ポリマー。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の紫外線硬化型ポリマーを含むことを特徴とする紫外線硬化型ホットメルト粘着剤。
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