JPWO2016071996A1 - 自動車の開閉部品の取り付け装置及び取り付け方法 - Google Patents

自動車の開閉部品の取り付け装置及び取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】汎用の設備を用いつつ設備のコストを安くすることができる自動車の開閉部品の取り付け装置及び取り付け方法を提供する。【解決手段】本発明に係る自動車のドアの取付け装置100は、ドア220を少なくとも2方向から挟持する搬送ロボット10と、取り付けロボット30と、カメラ35、42および測距センサー36、43と、カメラ42と測距センサー36が計測した車体210のヒンジ第1取り付け位置の基準位置に対する第1補正量とカメラ35と測距センサー43とが計測したドアのヒンジ第2取り付け位置の基準位置に対する第2補正量とからドアの車体に対する搬送位置を決定する制御部60と、を有し、搬送ロボット10はドアにおけるヒンジ取り付け箇所を車体におけるヒンジ取り付け箇所に取り付けてドアをヒンジの回転軸周りに回動可能とし、ドアをヒンジの回転軸周りにドアの取り付け位置まで回動させる。【選択図】図3

Description

本発明はドアなどの自動車の開閉部品を車体に取り付ける取り付け装置及び取り付け方法に関する。
自動車は何万点にもおよぶ部品をボルト締結、接着、または溶接などによって接合し、組み立てることで製造される。例えば、車室への出入り口にあたるドアの取り付けは、車体を生産ラインに搬送し、ドアの取り付け位置に来た状態でロボットがドアを車体まで搬送し、別のロボットがボルト締結を行う(特許文献1参照)。
特開平8−188186号公報
上記のように自動車は何万点にも及ぶ部品を取り付けて完成する製品であるため、部品同士の取り付け精度は重要な項目となる。しかし、取り付け精度を高くしようとして1つの車種毎に専用の取り付け治具を用意したり、取り付け位置を確認するためのセンサーやカメラを何台も用意したりするのでは、設備の償却費用で製品の原価が高くなってしまい、競合他社との間の価格競争力において優位性を発揮できない、といった問題がある。
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、汎用の設備を用いつつ設備のコストを安くすることができる自動車の開閉部品の取り付け装置及び取り付け方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明は、車体に対してヒンジによって取り付けられる自動車の開閉部品を取り付ける取り付け装置である。当該装置は2箇所のヒンジ取り付け箇所を備えた開閉部品を少なくとも2方向から挟持して車体に搬送する搬送部と、開閉部品を車体に取り付ける取り付け部と、開閉部品側における2箇所のヒンジ取り付け箇所を第1取り付け位置として計測する第1計測部と、車体における2箇所のヒンジ取り付け箇所を第2取り付け位置として計測する第2計測部と、第1計測部が計測した第1取り付け位置の予め設定した基準位置に対する第1補正量と第2計測部が計測した第2取り付け位置の基準位置に対する第2補正量とをそれぞれ計算し、第1補正量および第2補正量とを考慮して開閉部品の車体に対する搬送位置を決定する制御部と、を有する。搬送部は、開閉部品におけるヒンジ取り付け箇所を車体におけるヒンジ取り付け箇所に取り付けて開閉部品をヒンジの回転軸まわりに回動可能とし、開閉部品をヒンジの回転軸周りに車体の取り付け位置まで回動させることを特徴とする。
また、他の本発明は車体に対してヒンジによって取り付けられる自動車の開閉部品を取り付ける取り付け方法である。当該方法は2箇所のヒンジ取付け箇所を備えた開閉部品を少なくとも2方向から挟持し、開閉部品側における2箇所のヒンジ取り付け箇所を第1取付け位置として計測し、車体側における2箇所のヒンジ取り付け箇所を第2取付け位置として計測し、開閉部品側において計測した第1取り付け位置の予め設定した基準位置に対する第1補正量と車体側において計測した第2取り付け位置の基準位置に対する第2補正量とを考慮して開閉部品の車体に対する搬送位置を決定し、開閉部品におけるヒンジ取り付け箇所を車体におけるヒンジ取り付け箇所に取り付けて開閉部品をヒンジの回転軸周りに回動可能とし、開閉部品をヒンジの回転軸まわりに車体の取り付け位置まで回動させることを特徴とする。
車体にヒンジを備えたドアを取り付けた状態を示す側面図である。 図2(A)はヒンジを備えたドアを示す斜視図、図2(B)は図2(A)のヒンジ部分を示す拡大図、図2(C)、(D)は車体側のヒンジの開閉部品を示す斜視図、図2(E)はヒンジのドア側の開閉部品を示す斜視図である。 図3(A)、図3(B)は本発明の一実施形態に係るドアの取付け装置を示す斜視図である。 図4(A)、図4(B)は同取り付け装置を示す平面図、正面図である。 図5(A)〜図5(C)は同取り付け装置において図3(A)〜図4(B)とは別の状態を示す斜視図、平面図である。 図6(A)〜図6(D)は同取付け装置を構成する搬送ロボットを示す斜視図、側面図、正面図である。 図7(A)は同搬送ロボットにドアを把持させた状態を示す斜視図、図7(B)、図7(C)は図7(A)の側面図、正面図、図7(D)は図7(B)の下部を示す拡大図である。 図8(A)〜図8(C)は同取り付け装置における取付けロボットを示す斜視図、正面図、平面図である。 図9(A)〜図9(C)は同取り付け装置を構成する固定型の撮像部を示す斜視図、正面図、平面図である。 同取り付け装置の制御系の構成について説明するブロック図である。 ヒンジの取り付け位置の補正について説明する説明図である。 ヒンジを備えたドアの取り付け方法を説明するタイムチャートである。 図13(A)、図13(B)は本発明の変形例を示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
図1は車体にヒンジを備えたドアを取り付けた状態を示す側面図、図2(A)はヒンジを備えたドアを示す斜視図、図2(B)は図2(A)のヒンジ部分を示す拡大図、図2(C)、(D)は車体側のヒンジの開閉部品を示す斜視図、図2(E)はヒンジのドア側の開閉部品を示す斜視図である。なお、図2(A)、図7(A)に示す座標系はx方向が車両左右方向、y方向が車両前後方向、z方向が車両上下方向であり、z方向は後述するヒンジ230の回転軸と一致するが、各軸の対応関係はあくまで例示である。
(ヒンジ機構)
まず本実施形態により取り付けられる部品について説明する。本実施形態では自動車の車体210にサイドドア220を取り付ける場合について説明するが一例であり、これに限定されない。ドア220は、図1に示すように一列目ドア221と二列目ドア222とを有する。一列目ドア221にはヒンジ230が取り付けられ、二列目ドア222にはヒンジ240が取り付けられる。ヒンジ230は図2(B)〜図2(E)に示すように車体側ヒンジ部品231と(第1ヒンジ部品に相当)、ドア側ヒンジ部品232(第2ヒンジ部品に相当)と、回動軸233と、ボルト234と、ナット235と、を有する。
車体側ヒンジ部品231は、平面視L字状に形成され、回動軸233を挿通する取り付け穴231aとボルト234を挿通する取り付け穴231b(2箇所)を有する。ドア側ヒンジ部品232は平面視凹形状に構成され、回動軸233を挿通する取り付け穴232aとボルト234を挿通する取り付け穴232b(2箇所)とを有する。ヒンジ230は、車体210の側部における取り付け位置230a、230bに設置される。また、本実施形態において取り付け位置230aの取り付け穴231bは2箇所のうち一箇所は穴径がボルト径に対して比較的余裕の少ない、いわゆるタイトな穴として構成し、もう一箇所の取り付け穴231bと取り付け位置230bの2箇所の取り付け穴231bはボルト径に対して穴径に比較的ゆとりのある穴として構成している。二列目ドア222のヒンジ240の取り付け位置240a、240bはヒンジ230の構成に対して取り付け位置240a、240bにおける2箇所の取り付け穴231bをいずれもボルト穴径に対して比較的ゆとりのある穴として構成している点以外は同様である。なお、本実施形態において取り付け穴231bはヒンジ取り付け箇所として構成している。
(自動車の開閉部品の取り付け装置)
次にドアを例に挙げて自動車の開閉部品の取り付け装置について説明する。図3(A)、図3(B)、図4(A)、図4(B)は本発明の一実施形態に係るドアの取り付け装置を示す斜視図、平面図、正面図である。図5(A)〜図5(C)は同取り付け装置において図3(A)〜図4(B)とは異なる状態を示す斜視図、平面図である。
図6(A)〜図6(D)は同取り付け装置を構成する搬送ロボットを示す斜視図、側面図、正面図、図7(A)〜図7(C)は同搬送ロボットにおいてドアを把持させた状態を示す斜視図、側面図、正面図、図7(D)は図7(B)の下部を示す拡大図である。図8(A)〜図8(C)は同取り付け装置を構成する取り付けロボットを示す斜視図、正面図、平面図である。
図9(A)〜図9(C)は同取り付け装置において撮像部を示す斜視図、正面図、平面図である。図10は同取り付け装置の制御系の構成について説明するブロック図、図11はヒンジの取り付け位置の補正について説明する説明図である。
図3(A)、図3(B)、図10を参照して本実施形態に係る取付け装置100は、搬送ロボット10(搬送部に相当)と、取り付けロボット30(取付け部に相当)と、計測部40と、AGV50と、制御部60と、を有する。
搬送ロボット10は、図6(A)〜図6(D)に示すように胴体部11と、アーム12、13と、ドア把持部14と、を有する。胴体部11は、装置の地面に載置される箇所で回転部11aを有する。胴体部11は、回転部11aによって地面に対して鉛直方向を回転軸として回転できるように構成している。アーム12は回転部12aを有し、回転部12aによって胴体部11に回転可能に取り付けられている。アーム13は、回転部13aを有し、回転部13aによってアーム12に対して回転可能に取り付けている。
ドア把持部14は、把持機構15と、把持部16、17、18、19、21と、を有する。把持機構15は、把持部16〜21を動作させるためのギアやアクチュエーターなどを搭載しており、把持部16〜21を水平方向または鉛直方向に移動させ、ドアの把持および把持の解除を行う。また、把持機構15は、回転軸15aと回転軸15bと、を有する。
回転軸15aはアーム13との接続部であって、アーム13の伸びる方向を軸として回転させる。回転軸15bは、アーム13の把持機構15との接続部であって、アーム13が伸びる方向と交差する方向を回転軸として把持機構15を回転させる。搬送ロボット10はいわゆる6軸ロボットとして構成している。
把持部16、17(支持部に相当)は、ドア220の下方を把持する部位である。把持部16、17は、図7(D)に示すようにドア220の外方と接触する側方の部位が傾斜して形成され、他方が略直角になった突き当て部16a、17aとして構成している。これにより図7(A)に示すようにドア220を支持した際に水平方向を軸とした回転を抑制してドア220を搬送できるように構成している。また、把持部16,17は把持機構15からのそれぞれの距離を調節可能に構成しており、これによって把持したドアの鉛直方向を軸とするドアの傾きを調整することができる。また、把持部16、17は、把持機構15に対して上下方向に移動可能に構成しているが、左右方向に移動可能に構成してもよい。
把持部18、19は、図7(C)に示すように把持機構15において把持部16、17よりも上部に設置し、水平方向に移動可能に構成されている。把持部18、19は、ドア220の略中央付近における左右方向(図7(C)のy方向)からドア220を挟持する。把持部21は、図7(B)に示すように把持機構15において把持部16〜19よりも上部に設置し、上下方向に移動可能に構成している。把持部21は、上方からドア220に接近し、把持部16、17と共にドアを上下方向(図7(C)のz方向)に挟持する。このように搬送ロボット10は、ドア220を図7(C)の上下左右方向の2方向から挟持する。また、把持部21は、ドア220の挟持部分をV字状に切り欠いて形成し、把持部18、19は把持部21のような切り欠きを設けていないが、把持部21と同様に構成してもよい。
搬送ロボット10は、上記のような構成によってドア220のストックされている位置からドア220を把持(挟持)し、AGV50に載置されて搬送された車体210の取り付け位置にドア220を搬送する。
取り付けロボット30は、図8(A)〜図8(C)に示すように胴体部31と、アーム32、33と、筐体34と、カメラ35と、測距センサー36と、取付け部37、38と、を有する。取付けロボット30は、搬送ロボット10と同様に6軸ロボットとして構成しているため、胴体部31、アーム32、33の説明を省略する。筐体34は、アーム33の先端に回転可能に取り付けられ、車体側の取り付け位置を撮像するカメラやセンサーなどの部品を格納している。
カメラ35は、3次元的な画像情報を取得するものではなく、平面(二次元)の画像情報を取得、生成する。測距センサー36は、カメラ35による車体側の取り付け位置を撮像する際に取り付けロボット30の撮像位置から車体側のヒンジ取り付け位置までの距離を測定する。カメラ35が2次元的な画像情報を生成し、測距センサー36が車体側までの奥行きの距離を取得して、後述のようなヒンジ230の位置を計測することによって、ドア220の搬送位置の3次元的な位置情報を取得することができ、いわゆる3次元カメラのような構成を不要にすることができる。カメラ35と測距センサー36は第1計測部を構成する。
また、カメラ35と測距センサー36とは独立して並列に並べるように構成している。そのため、キャリブレーションを容易にでき、設置治具設計の自由度を大きくすることができ、カメラ35および測距センサー36にそれぞれ汎用機器を適用できてコストアップを抑制することができる。
取付け部37、38はヒンジ230を取り付けたドア220を車体に固定するためのボルトを取り付けて車体側のヒンジ取り付け穴に取り付ける構成である。取付け部37、38は先端にソケットを設けてボルト234やナットを取り付けることができるように構成しており、当該ソケットは回転可能に構成している。ボルト234を取り付ける際には部品置き場からボルト234をソケットに取り付け、搬送ロボット10によって保持されているドア220のヒンジの取り付け穴231bにボルト234を挿通させ、車体側のナットと締結することによってドア220が車体210に開閉可能に取り付けられる。
このように、取り付けロボット30は6軸ロボットとして構成し、取り付けロボット30にカメラ35と測距センサー36と取付け部37、38とを備えるように構成している。そのため、6軸ロボットによってカメラなどを動かせることができて複数点の計測が可能となり、計測範囲も広くできるため、車体の計測装置を安価にすることができる。また、ボルトなどの搬送装置を不要にできて安価にすることができ、6軸ロボットに取付け部37,38を搭載することによって取り付け範囲や角度の自由度を拡大させることができる。また、一台のロボットで計測やボルトなどの取り付けが可能となり、設備コストの低減に寄与することができる。
計測部40は、筐体41と、カメラ42と、測距センサー43と、を有する。筐体41、カメラ42、および測距センサー43は、取付け部37、38を動作させるためのギアやモーターなどの部品を搭載していない点を除いて筐体34、カメラ35、および測距センサー36と同様の構成であるため説明を省略する。なお、カメラ42と測距センサー43は第2計測部を構成する。
また、筐体41には位置決め部44が設けてある。位置決め部44は、筐体41に設置し、ドア220に取り付けられたヒンジ230の位置決めを行なう。ヒンジ230は回転する部品であるため、搬送ロボット10は、ドア220を把持した状態でそのまま車体210に搬送するのではなく、図5(A)〜図5(C)に示すようにドア220のヒンジ230を筐体41に設けられた位置決め部44に一度押し当てて、車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232の回転角を一致させた状態にし、そのうえで車体210へ搬送する。このように構成することによって、回転可能なヒンジであっても所定の回転位置にセットした状態で車体210に搬送することができ、車体210への取り付けをスムーズかつ精度よく行うことができる。位置決め部44はヒンジ230の位置決めを行なうために比較的剛性のある鉄や鋼板などの材料によって構成しているが、ヒンジ230の位置決めが実施できれば、その他の材料であってもよい。
ここでドア220の取り付け位置の補正について説明する。本実施形態では自動車の一車種毎に専用のロボットやAGVのような設備を用意するのではなく、汎用のロボットを使用してドアなどの構成部品の取り付けを行うように構成している。そのため、搬送ロボット10がドア220を把持した際には設計段階などで予め想定した位置とずれを生じている場合があり、車体210を搬送するAGV50についても同様であるため、ドアは挟持した状態から設計上の位置(基準位置)に補正する動作が必要になる。
ロボットを用いたドアなどの部品の取り付けは、図7(A)〜図7(C)に示すように部品の特定箇所、ドア220で言えばドア220のヒンジ取り付け箇所の位置などの3次元的な位置(x、y、z)とその位置でのxyzの各方向における回転角度(w、p、r)を測定し、予め設定した基準位置のデータと比較して補正量を求める。
ドアのような3次元の物体の位置補正の場合、通常であれば3点以上の特徴的な位置の測定が必要となる。しかし、ヒンジの場合、回転方向は予め設定されており取付け後もヒンジの回転方向への回転は可能である。そのため、本実施形態ではドアにおけるヒンジの取り付け箇所を先に車体のヒンジ取り付け箇所に取り付けて、ヒンジを回動可能とした状態でヒンジを回動させてドアを取り付ける。このように構成することによって、6軸のうちの1つの自由度を特定する必要をなくし、測定箇所を2箇所にすることができ、取り付け装置の計測系の部品構成を簡略化してコスト低減を図ることができる。また、車体210およびドア220の保持状態から各々の基準位置に対する補正量を求めて当該位置に補正を行うことによって、汎用の設備を用いても精度よく部品の取り付けを行うことができ、車種毎に別の設備を設置する必要がない分、設備のコストを下げることができる。
AGV50は、いわゆる無人搬送(台)車(Automated Guided Vehicle)であり、ドアが取り付けられる前の車体を載置させて搬送する。なお、AGV50には複数のピンを設置し、当該ピンに合わせて大きさや形状といった異なる仕様の車体を載置することによって、様々な仕様の車体210の位置合わせを行なうように構成してもよい。
次に取り付け装置100の制御系の構成について説明する。制御部60は、PLC61と、ロボットコントローラ62、63と、視覚コントローラ64と、を有する。ロボットコントローラ62は搬送ロボット10の動作を制御し、ロボットコントローラ63は取り付けロボット30の動作を制御する。視覚コントローラ64は、取付けロボット30に搭載されたカメラ35や撮像部40のカメラ42を制御する。PLC(Programmable Logic Controller)61は、ロボットコントローラ62、63や視覚コントローラ64などを制御する。また、PLC61には測距センサー36、43からの距離情報なども収集し、制御を行う。
(自動車の開閉部品の取付け方法)
次にドアを例に本実施形態にかかる自動車の開閉部品の取り付け方法について説明する。図12は本実施形態にかかるドアの取り付け方法を説明するタイムチャートである。
まず、AGV50に車体210が載置されてドアの取り付けエリアへと搬送される(図12のポイントa)。次に搬送ロボット10は、不図示の部品設置場所からドア220を把持する(図12のポイントb)。それと同じ時間帯に取り付けロボット30は、カメラ35によってヒンジ230の車体210における取り付け位置230a、230bを撮像し、測距センサー36は取付け位置230a、230bの奥行き方向の距離を測定する(図12のポイントb)。本実施形態において車体側の取付け位置は第2取付け位置、ドア側の取り付け位置は第1取付け位置とする。また、図12におけるドアの把持と第2取付け位置計測は例示であって、厳密に搬送ロボット10によるドア220の把持とカメラ35および測距センサー36による第2取り付け位置の計測は同時刻に行なわれなくてもよい。
次に搬送ロボット10は、図5(A)〜図5(C)に示すように把持したドア220を撮像部40に設けられた位置決め部44に向って押付けて、車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とを一致させた状態(両者が同じ位相にある状態)まで回転した状態とする(図12のポイントc)。そして、撮像部40のカメラ42はドア側のヒンジ230のヒンジ取付け位置2箇所を撮像し、測距センサー36は奥行き方向の距離を測定して第1取付け位置の計測を行なう(図12のポイントd)。
次にPLC61は、カメラ35および測距センサー36から得られた車体側の取付け位置の計測結果から予め設定した設計値などの基準位置との比較を行い、補正量を算出する。例えば、図11に示すように取り付け穴231bの穴位置が基準位置Cから図11で見てx方向に+0.1mmずれていたとする。その場合、補正量はx方向に絶対値で0.1mmとなる。上記は説明の便宜のため簡略化しているが、実際はこれが上記のx、y、z、w、pについて算出される。なお、ドア側の第1取り付け位置に対する補正量は第1補正量、車体側の第2取り付け位置に対する補正量は第2補正量とし、rはヒンジ230のヒンジの回転軸と同じであり、ヒンジが回転可能であることによって算出不要としている。
PLC61は同様にドア側の計測結果からも基準位置との(第1)補正量を求める。例えば、本実施形態ではドア側のボルト取り付け穴が基準位置に対してx方向に−0.1mmずれていたとする。この場合の補正量はx方向に絶対値で0.1mmとなる。
次にPLC61は、車体側の補正量とドア側の補正量とを合算してドア220の予め教示している位置に対する補正量を求める。上記では車体側、ドア側のいずれも0.1mmずつずれているため、PLC61は予め教示した搬送位置に対してx方向に−0.2mmずれた位置にドア220を搬送するデータをロボットコントローラ63を通じて搬送ロボット10に送信する(図12のポイントe)。
そして、搬送ロボット10はロボットコントローラ63から受信した搬送位置にドア220を搬送して位置決めし、取り付けロボット30は取付け部37、38のいずれかによってボルト締結を行う。本実施形態では、取り付け位置230aのタイト穴からボルト締結を行い、その後搬送ロボット10の搬送機構15の回転軸15aを回転させて残りの取り付け位置230bについても取り付け部37、38のいずれかによってボルト締結を行う(図12のポイントf)。そして、ドア220をヒンジ230の回転軸周りにドア220を取り付ける位置、すなわちドア220を閉めきる位置まで回動させて、ドア220を車体210に取り付ける。
(作用効果)
次に本実施形態にかかる作用効果について説明する。自動車は何万点にも及ぶ部品を取り付けて完成する製品であるため、部品同士の取り付け精度は重要な項目とされている。しかし、取り付け精度を高くしようとして1つの車種毎に専用の取り付け治具を用意したり、取り付け位置を確認するために高額なセンサーやカメラを用意したりするのでは設備の償却費用で製品の原価を圧迫してしまい、競合他社との間の価格競争力において優位性を発揮することができない。
これに対し、本実施形態にかかる自動車の開閉部品の取り付け装置100および取り付け方法は、2箇所のヒンジ取り付け箇所230a、230bを備えたドア220を搬送ロボット10によって2方向から挟持し、カメラ42および測距センサー43によってドア側の取り付け位置230a、230bを計測する。車体側のヒンジ取り付け位置230a、230bはカメラ35および測距センサー36によって計測する。そして、制御部60によって車体側およびドア側それぞれのヒンジ取り付け位置の補正量を算出し、それらを考慮してドア220の搬送位置を決定し、ドア220を車体210に搬送して取付け部37、38によってドア220を車体210に取り付けている。このように、搬送ロボット10によるドア220の位置決めは補正を前提として行っているため、専用の設備を用意しなくても汎用の設備で対応することができ、コスト低減に寄与することができる。
また、搬送ロボット10は、ドア220に取り付けられた車体側ヒンジ部品231の取り付け穴231bを車体210におけるヒンジ取り付け箇所に取り付けてドア220をヒンジ230の回転軸まわりに回転可能とし、ドア220をヒンジ230の回転軸周りに車体210の取り付け位置、すなわちドア220を閉める位置まで回動させるように構成している。このように構成することによって、計測箇所を従来の3ヵ所からヒンジの取り付け位置230a、230bの2箇所に減らすことができ、その分設備に要求される仕様を減らして設備コストの低減を図ることができ、さらに測定時間の短縮を図ることもできる。また、ドア220は搬送ロボット10の把持部16、17、18、19、21によって2方向から挟持するように構成しているため、制御部60によって搬送位置を算出した際に挟持したドア220をガタつかせることなく車体210まで搬送でき、ドア220の取り付けを迅速かつ精度よく行うことができる。
また、搬送ロボット10は、ドア220の下部からドア220を支持する把持部16、17を有し、把持部16、17はドア220の水平方向を回転軸とした回転を規制する突き当て部16a、17aを有するように構成している。そのため、簡易的な形状でドアの取り付け姿勢のバラつきを抑制し、設備コストの抑制に寄与することができる。
また、ドア220においてヒンジ230の取り付け位置230a、230bを撮像する前にはヒンジ230を構成する車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とを撮像部40に設けられた位置決め部44によって回転方向に一致させた状態にして撮像を行っている。ヒンジは回転して回転方向における位置が変化する可能性があるため、位置決め部44によってヒンジ230の姿勢を決めることによってドア220の位置を迅速に位置決めし、精度よく車体210に取り付けることができる。なお、位置決め部44による位置決めは、車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とを回転方向に開ききった状態にするようにして回転方向の位置を決めるように構成してもよい。
また、取り付けロボット30におけるカメラ35や測距センサー36および撮像部40におけるカメラ42や測距センサー43は独立して並列に並べるように構成している。そのため、キャリブレーションが容易になり、設置治具設計の自由度を大きくすることができる。また、カメラや測距センサーに汎用機器を適用できるため、設備コストを抑制することができる。
また、ワークであるドアの補正量を微小角にした場合、カメラ35、42による出力を平面方向、測距センサー36、43による出力を奥行き方向として扱うことによって、補正量の計算を簡便なベクトル演算によって行うことができ、FA(Factory Automation)制御用に用いられる一般的なPLCを計算装置として利用することができ、コスト抑制を図ることができる。
また、取り付けロボット30には計測を行うカメラ35、測距センサ−36およびボルト234やナット235を取り付ける取付け部37、38を搭載するように構成している。そのため、複数点の計測が可能、および計測範囲を広くすることができるため、車体の計測装置を安価にすることができる。また、ボルトやナットを運ぶ装置を別途用意する必要がなくなり、その分コスト低減を図ることができる。また、取付け部37、38を6軸のロボットに搭載することによって、締結可能範囲や自由度を拡大することができる。さらに、一台のロボットで計測や締結が可能となり、設備コストの抑制を図ることができる。
なお、本実施形態は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記ではヒンジ230を構成する車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とがドア220に取り付けられている実施形態について説明したが、これに限定されない。上記以外にも車体側ヒンジ部品231が車体210に取り付けられ、ドア側ヒンジ部品232がドア220に取り付けられるように構成することもできる。この場合、ヒンジ取り付け箇所は取り付け穴231a、232aとなる。また、車体側ヒンジ部品231およびドア側ヒンジ部品232とが回転軸233と共に車体210に取り付けられるように構成することもできる。この場合、ヒンジ取り付け箇所は取り付け穴232bとなる。
図13(A)、図13(B)は本発明の変形例を示す図である。上記では車体210に取り付ける構成部品がドア220である実施形態について説明したが、これに限定されず、ボンネット223や車体の後部に取付けられるバックドア224であってもよい。また、位置決め部44は筐体41に設ける実施形態について説明したが、筐体41とは別に構成してもよい。
10 搬送ロボット(搬送部)、
16、17 把持部(支持部)、
16a、17a 突き当て部(規制部)、
100 自動車の構成部品の取り付け装置、
210 車体、
220 (サイド)ドア(開閉部品)、
223 ボンネット、
224 バックドア、
230 ヒンジ、
230a、230b ヒンジ取り付け位置、
231 車体側ヒンジ部品(第1ヒンジ部品)、
232 ドア側ヒンジ部品(第2ヒンジ部品)、
30 取り付けロボット(取付け部)、
35 カメラ(第1計測部)、
36 測距センサー(第1計測部)、
40 計測部、
42 カメラ(第2計測部)、
43 測距センサー(第2計測部)、
44 位置決め部、
c 基準位置。
【0001】
技術分野
[0001]
本発明はドアなどの自動車の開閉部品を車体に取り付ける取り付け装置及び取り付け方法に関する。
[0002]
自動車は何万点にもおよぶ部品をボルト締結、接着、または溶接などによって接合し、組み立てることで製造される。例えば、車室への出入り口にあたるドアの取り付けは、車体を生産ラインに搬送し、ドアの取り付け位置に来た状態でロボットがドアを車体まで搬送し、別のロボットがボルト締結を行う(特許文献1参照)。
先行技術文献
特許文献
[0003]
特許文献1:特開平8−188186号公報
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0004]
上記のように自動車は何万点にも及ぶ部品を取り付けて完成する製品であるため、部品同士の取り付け精度は重要な項目となる。しかし、取り付け精度を高くしようとして1つの車種毎に専用の取り付け治具を用意したり、取り付け位置を確認するためのセンサーやカメラを何台も用意したりするのでは、設備の償却費用で製品の原価が高くなってしまい、競合他社との間の価格競争力において優位性を発揮できない、といった問題がある。
[0005]
そこで本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、汎用の設備を用いつつ設備のコストを安くすることができる自動車の開閉部品の取り付け装置及び取り付け方法を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0006]
上記目的を達成する本発明は、車体に対して車体側ヒンジ部品と開閉部品側ヒンジ部品とを有するヒンジによって取り付けられ
【0002】
る自動車の開閉部品を取り付ける取り付け装置である。当該装置は2箇所のヒンジ取り付け箇所を備え、前記ヒンジを取り付けた前記開閉部品を少なくとも2方向から挟持して前記車体に搬送する搬送部と、前記開閉部品を前記車体に取り付ける取り付け部と、前記開閉部品における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所を第1取り付け位置として計測する第1計測部と、車体における2箇所のヒンジ取り付け箇所を第2取り付け位置として計測する第2計測部と、前記第1計測部が計測した前記第1取り付け位置の予め設定した基準位置に対する第1補正量と前記第2計測部が計測した前記第2取り付け位置の前記基準位置に対する第2補正量とをそれぞれ計算し、前記第1補正量および前記第2補正量とを考慮して前記開閉部品の前記車体に対する搬送位置を決定する制御部と、を有し、前記搬送部は、前記開閉部品を挟持した状態で固定して設置された押し当て部に前記ヒンジを押し当てて前記車体側ヒンジ部品の前記開閉部品側ヒンジ部品に対する回転位置をセットし、前記車体側ヒンジ部品を前記車体における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所に取り付けて前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸周りに回動可能とし、前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸周りに前記車体の取り付け位置まで回動させることを特徴とする。
[0007]
また、他の本発明は車体に対して車体側ヒンジ部品と開閉部品側ヒンジ部品とを有するヒンジによって取り付けられる自動車の開閉部品を取り付ける取り付け方法である。当該方法は2箇所のヒンジ取り付け箇所を備え、前記ヒンジを取り付けた前記開閉部品を少なくとも2方向から挟持し、前記ヒンジを固定して設置された押し当て部に押し当てて前記車体側ヒンジ部品の前記開閉部品側ヒンジ部品に対する回転位置をセットし、前記開閉部品における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所を第1取り付け位置として計測し、車体における2箇所のヒンジ取り付け箇所を第2取り付け位置として計測し、前記開閉部品において計測した前記第1取り付け位置の予め設定した基準位置に対する第1補正量と前記車体において計測した前記第2取り付け位置の前記基準位置に対する第2補正量とを考慮して前記開閉部品の前記車体に対する搬送位置を決定し、前記車体側ヒンジ部品を前記車体における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所に取り付けて前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸周りに回動可能とし、前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸まわりに前記車体の取り付け位置まで回動させることを特徴とする。
図面の簡単な説明
[0008]
[図1]車体にヒンジを備えたドアを取り付けた状態を示す側面図である。
[図2]図2(A)はヒンジを備えたドアを示す斜視図、図2(B)は図2(A)のヒンジ部分を示す拡大図、図2(C)、図2(D)は車体側ヒンジ
【0003】
部品を示す斜視図、図2(E)はドア側ヒンジ部品を示す斜視図である。
[図3A]本発明の一実施形態に係るドアの取付け装置を示す斜視図である。
[図3B]本発明の一実施形態に係るドアの取付け装置を示す斜視図である。
[図4A]同取り付け装置を示す平面図である。
[図4B]同取り付け装置を示す正面図である。
[図5A]同取り付け装置において図3A〜図4Bとは別の状態を示す斜視図である。
[図5B]同取り付け装置において図3A〜図4Bとは別の状態を示す斜視図である。
[図5C]同取り付け装置において図3A〜図4Bとは別の状態を示す平面図である。
[図6]図6(A)〜図6(D)は同取付け装置を構成する搬送ロボットを示す斜視図、側面図、正面図である。
[図7]図7(A)は同搬送ロボットにドアを把持させた状態を示す斜視図、図7(B)、図7(C)は図7(A)の側面図、正面図、図7(D)は図7(B)の下部を示す拡大図である。
[図8]図8(A)〜図8(C)は同取り付け装置における取付けロボットを示す斜視図、正面図、平面図である。
[図9]図9(A)〜図9(C)は同取り付け装置を構成する固定型の計測部を示す斜視図、正面図、平面図である。
[図10]同取り付け装置の制御系の構成について説明するブロック図である。
[図11]ヒンジの取り付け位置の補正について説明する説明図である。
[図12]ヒンジを備えたドアの取り付け方法を説明するタイムチャートである。
[図13]図13(A)、図13(B)は本発明の変形例を示す図である。
発明を実施するための形態
[0009]
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、以下の記載は特許請求の範囲に記載される技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
[0010]
図1は車体にヒンジを備えたドアを取り付けた状態を示す側面図、図2(
【0004】
A)はヒンジを備えたドアを示す斜視図、図2(B)は図2(A)のヒンジ部分を示す拡大図、図2(C)、(D)は車体側ヒンジ部品を示す斜視図、図2(E)はドア側ヒンジ部品を示す斜視図である。なお、図2(A)、図7(A)に示す座標系はx方向が車両左右方向、y方向が車両前後方向、z方向が車両上下方向であり、z方向は後述するヒンジ230の回転軸と一致するが、各軸の対応関係はあくまで例示である。
[0011]
(ヒンジ機構)
まず本実施形態により取り付けられる部品について説明する。本実施形態では自動車の車体210にサイドドア220を取り付ける場合について説明するが一例であり、これに限定されない。サイドドア220は、図1に示すように一列目ドア221と二列目ドア222とを有する。一列目ドア221にはヒンジ230が取り付けられ、二列目ドア222にはヒンジ240が取り付けられる。ヒンジ230は図2(B)〜図2(E)に示すように車体側ヒンジ部品231と、ドア側ヒンジ部品232(開閉部品側ヒンジ部品に相当)と、回転軸233と、ボルト234と、ナット235と、を有する。
[0012]
車体側ヒンジ部品231は、平面視L字状に形成され、回転軸233を挿通する取り付け穴231aとボルト234を挿通する取り付け穴231b(2箇所)を有する。ドア側ヒンジ部品232は平面視凹形状に構成され、回転軸233を挿通する取り付け穴232aとボルト234を挿通する取り付け穴232b(2箇所)とを有する。車体側ヒンジ部品231は、車体210の側部におけるヒンジ取り付け箇所230a、230bに設置される。ドア側ヒンジ部品232は、ドアの車両前方側に設置される。また、本実施形態においてヒンジ取り付け箇所230aの取り付け穴231bは2箇所のうち一箇所は穴径がボルト径に対して比較的余裕の少ない、いわゆるタイトな穴として構成し、もう一箇所の取り付け穴231bとヒンジ取り付け箇所230bの2箇所の取り付け穴231bはボルト径に対して穴径に比較的ゆとりのある穴として構成している。二列目ドア222のヒンジ240のヒンジ取り付け箇所240a、240bはヒンジ230の構成に対してヒンジ取り付け箇所240a、240bに
【0005】
おける2箇所の取り付け穴231bをいずれもボルト穴径に対して比較的ゆとりのある穴として構成している点以外は同様である。なお、本実施形態において取り付け穴231bはヒンジ取り付け箇所として構成している。
[0013]
(自動車の開閉部品の取り付け装置)
次にドアを例に挙げて自動車の開閉部品の取り付け装置について説明する。図3A、図3B、図4A、図4Bは本発明の一実施形態に係るドアの取り付け装置を示す斜視図、平面図、正面図である。図5A〜図5Cは同取り付け装置において図3A〜図4Bとは異なる状態を示す斜視図、平面図である。
[0014]
図6(A)〜図6(D)は同取り付け装置を構成する搬送ロボットを示す斜視図、側面図、正面図、図7(A)〜図7(C)は同搬送ロボットにおいてドアを把持させた状態を示す斜視図、側面図、正面図、図7(D)は図7(B)の下部を示す拡大図である。図8(A)〜図8(C)は同取り付け装置を構成する取り付けロボットを示す斜視図、正面図、平面図である。
[0015]
図9(A)〜図9(C)は同取り付け装置において計測部を示す斜視図、正面図、平面図である。図10は同取り付け装置の制御系の構成について説明するブロック図、図11はヒンジの取り付け位置の補正について説明する説明図である。
[0016]
図3A、図3B、図10を参照して本実施形態に係る取り付け装置100は、搬送ロボット10(搬送部に相当)と、取り付けロボット30と、計測部40と、AGV50と、制御部60と、を有する。
[0017]
搬送ロボット10は、図6(A)〜図6(D)に示すように胴体部11と、アーム12、13と、ドア把持部14と、を有する。胴体部11は、装置の地面に載置される箇所で回転部11aを有する。胴体部11は、回転部11aによって地面に対して鉛直方向を回転軸として回転できるように構成している。アーム12は回転部12aを有し、回転部12aによって胴体部11に回転可能に取り付けられている。アーム13は、回転部13aを有し、
【0006】
回転部13aによってアーム12に対して回転可能に取り付けている。
[0018]
ドア把持部14は、把持機構15と、支持部16、17と、把持部18、19、21と、を有する。把持機構15は、支持部16、17および把持部18、19、21を動作させるためのギアやアクチュエーターなどを搭載しており、支持部16、17および把持部18、19、21を水平方向または鉛直方向に移動させ、ドアの把持および把持の解除を行う。また、把持機構15は、回転軸15aと回転軸15bと、を有する。
[0019]
回転軸15aはアーム13との接続部であって、アーム13の伸びる方向を軸として回転させる。回転軸15bは、アーム13の把持機構15との接続部であって、アーム13が伸びる方向と交差する方向を回転軸として把持機構15を回転させる。搬送ロボット10はいわゆる6軸ロボットとして構成している。
[0020]
支持部16、17は、サイドドア220を下部から支持する部位である。支持部16、17は、図7(D)に示すようにサイドドア220の外方と接触する側方の部位が傾斜して形成され、他方が略直角になった規制部16a、17aとして構成している。これにより図7(A)に示すようにサイドドア220を支持した際に水平方向を軸とした回転を抑制してサイドドア220を搬送できるように構成している。また、支持部16、17は把持機構15からのそれぞれの距離を調節可能に構成しており、これによって把持したドアの鉛直方向を軸とするドアの傾きを調整することができる。また、支持部16、17は、把持機構15に対して上下方向に移動可能に構成しているが、左右方向に移動可能に構成してもよい。
[0021]
把持部18、19は、図7(C)に示すように把持機構15において支持部16、17よりも上部に設置し、水平方向に移動可能に構成されている。把持部18、19は、サイドドア220の略中央付近における左右方向(図7(C)のy方向)からサイドドア220を挟持する。把持部21は、図7(B)に示すように把持機構15において支持部16、17および把持部18、19よりも上部に設置し、上下方向に移動可能に構成している。把持部21は、上方からサイドドア220に接近し、支持部16、17と共にドアを上下方向(図7(C)のz方向)に挟持す
【0007】
る。このように搬送ロボット10は、サイドドア220を図7(C)の上下左右方向の2方向から挟持する。また、把持部21は、サイドドア220の挟持部分をV字状に切り欠いて形成し、把持部18、19は把持部21のような切り欠きを設けていないが、把持部21と同様に構成してもよい。
[0022]
搬送ロボット10は、上記のような構成によってサイドドア220のストックされている位置からサイドドア220を把持(挟持)し、AGV50に載置されて搬送された車体210の取り付け位置にサイドドア220を搬送する。
[0023]
取り付けロボット30は、図8(A)〜図8(C)に示すように胴体部31と、アーム32、33と、筐体34と、カメラ35と、測距センサー36と、取り付け部37、38と、を有する。取り付けロボット30は、搬送ロボット10と同様に6軸ロボットとして構成しているため、胴体部31、アーム32、33の説明を省略する。筐体34は、アーム33の先端に回転可能に取り付けられ、車体側の取り付け位置を撮像するカメラやセンサーなどの部品を格納している。
[0024]
カメラ35は、3次元的な画像情報を取得するものではなく、平面(二次元)の画像情報を取得、生成する。測距センサー36は、カメラ35による車体側の取り付け位置を撮像する際に取り付けロボット30の撮像位置から車体側のヒンジ取り付け位置までの距離を測定する。カメラ35が2次元的な画像情報を生成し、測距センサー36が車体側までの奥行きの距離を取得して、後述のようなヒンジ230の位置を計測することによって、サイドドア220の搬送位置の3次元的な位置情報を取得することができ、いわゆる3次元カメラのような構成を不要にすることができる。カメラ35と測距センサー36は第2計測部を構成する。
[0025]
また、カメラ35と測距センサー36とは独立して並列に並べるように構成している。そのため、キャリブレーションを容易にでき、設置治具設計の自由度を大きくすることができ、カメラ35および測距センサー36にそれぞれ汎用機器を適用できてコストアップを抑制することができる。
[0026]
取り付け部37、38はヒンジ230を取り付けたサイドドア220を車体に固定
【0008】
するためのボルトを取り付けて車体側のヒンジ取り付け穴に取り付ける構成である。取り付け部37、38は先端にソケットを設けてボルト234やナットを取り付けることができるように構成しており、当該ソケットは回転可能に構成している。ボルト234を取り付ける際には部品置き場からボルト234をソケットに取り付け、搬送ロボット10によって保持されているサイドドア220のヒンジの取り付け穴231bにボルト234を挿通させ、車体側のナットと締結することによってサイドドア220が車体210に開閉可能に取り付けられる。
[0027]
このように、取り付けロボット30は6軸ロボットとして構成し、取り付けロボット30にカメラ35と測距センサー36と取り付け部37、38とを備えるように構成している。そのため、6軸ロボットによってカメラなどを動かせることができて複数点の計測が可能となり、計測範囲も広くできるため、車体の計測装置を安価にすることができる。また、ボルトなどの搬送装置を不要にできて安価にすることができ、6軸ロボットに取り付け部37,38を搭載することによって取り付け範囲や角度の自由度を拡大させることができる。また、一台のロボットで計測やボルトなどの取り付けが可能となり、設備コストの低減に寄与することができる。
[0028]
計測部40は、筐体41と、カメラ42と、測距センサー43と、を有する。筐体41、カメラ42、および測距センサー43は、取り付け部37、38を動作させるためのギアやモーターなどの部品を搭載していない点を除いて筐体34、カメラ35、および測距センサー36と同様の構成であるため説明を省略する。なお、カメラ42と測距センサー43は第1計測部を構成する。
[0029]
また、筐体41には押し当て部44が設けてある。押し当て部44は、筐体41に設置し、サイドドア220に取り付けられたヒンジ230における車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232の回転方向における位置決めを行なう。ヒンジ230は回転する部品であるため、搬送ロボット10は、サイドドア220を把持した状態でそのまま車体210に搬送するのではなく、図5A〜図5Cに示すようにサイドドア220のヒンジ230を筐体41に設け
【0009】
られた押し当て部44に一度押し当てて、車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232の回転角を一致させた状態にし、そのうえで車体210へ搬送する。このように構成することによって、回転可能なヒンジであっても所定の回転位置にセットした状態で車体210に搬送することができ、車体210への取り付けをスムーズかつ精度よく行うことができる。押し当て部44はヒンジ230における車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232の回転方向における位置決めを行なうために比較的剛性のある鉄や鋼板などの材料によって構成しているが、ヒンジ230における車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232の回転方向における位置決めが実施できれば、その他の材料であってもよい。
[0030]
ここでサイドドア220の取り付け位置の補正について説明する。本実施形態では自動車の一車種毎に専用のロボットやAGVのような設備を用意するのではなく、汎用のロボットを使用してドアなどの構成部品の取り付けを行うように構成している。そのため、搬送ロボット10がサイドドア220を把持した際には設計段階などで予め想定した位置とずれを生じている場合があり、車体210を搬送するAGV50についても同様であるため、ドアは挟持した状態から設計上の位置(基準位置)に補正する動作が必要になる。
[0031]
ロボットを用いたドアなどの部品の取り付けは、図7(A)〜図7(C)に示すように部品の特定箇所、サイドドア220で言えばサイドドア220のヒンジ取り付け箇所の位置などの3次元的な位置(x、y、z)とその位置でのxyzの各方向における回転角度(w、p、r)を測定し、予め設定した基準位置のデータと比較して補正量を求める。
[0032]
ドアのような3次元の物体の位置補正の場合、通常であれば3点以上の特徴的な位置の測定が必要となる。しかし、ヒンジの場合、回転方向は予め設定されており取付け後もヒンジの回転方向への回転は可能である。そのため、本実施形態ではドアにおけるヒンジの取り付け箇所を先に車体のヒンジ取り付け箇所に取り付けて、ヒンジを回動可能とした状態でヒンジを回動させてドアを取り付ける。このように構成することによって、6軸のうちの1つの自由度を特定する必要をなくし、測定箇所を2箇所にすることができ、取り付け装置の計測系の部品構成を簡略化してコスト低減を図ることができる
【0010】
。また、車体210およびサイドドア220の保持状態から各々の基準位置に対する補正量を求めて当該位置に補正を行うことによって、汎用の設備を用いても精度よく部品の取り付けを行うことができ、車種毎に別の設備を設置する必要がない分、設備のコストを下げることができる。
[0033]
AGV50は、いわゆる無人搬送(台)車(Automated Guided Vehicle)であり、ドアが取り付けられる前の車体を載置させて搬送する。なお、AGV50には複数のピンを設置し、当該ピンに合わせて大きさや形状といった異なる仕様の車体を載置することによって、様々な仕様の車体210の位置合わせを行なうように構成してもよい。
[0034]
次に取り付け装置100の制御系の構成について説明する。制御部60は、PLC61と、ロボットコントローラ62、63と、視覚コントローラ64と、を有する。ロボットコントローラ62は搬送ロボット10の動作を制御し、ロボットコントローラ63は取り付けロボット30の動作を制御する。視覚コントローラ64は、取り付けロボット30に搭載されたカメラ35や計測部40のカメラ42を制御する。PLC(ProgrammableLogic Controller)61は、ロボットコントローラ62、63や視覚コントローラ64などを制御する。また、PLC61には測距センサー36、43からの距離情報なども収集し、制御を行う。
[0035]
(自動車の開閉部品の取付け方法)
次にドアを例に本実施形態にかかる自動車の開閉部品の取り付け方法について説明する。図12は本実施形態にかかるドアの取り付け方法を説明するタイムチャートである。
[0036]
まず、AGV50に車体210が載置されてドアの取り付けエリアへと搬送される(図12のポイントa)。次に搬送ロボット10は、不図示の部品設置場所からサイドドア220を把持する(図12のポイントb)。それと同じ時間帯に取り付けロボット30は、カメラ35によって車体側ヒンジ部品231の車体210におけるヒンジ取り付け箇所230a、230bを撮像し、測距センサー36はヒンジ取り付け箇所230a、230bの奥行き方向の距離を測定する(図12の
【0011】
ポイントb)。本実施形態において車体側の取付け位置は第2取付け位置、ドア側の取り付け位置は第1取付け位置とする。また、図12におけるドアの把持と第2取付け位置計測は例示であって、厳密に搬送ロボット10によるサイドドア220の把持とカメラ35および測距センサー36による第2取り付け位置の計測は同時刻に行なわれなくてもよい。
[0037]
次に搬送ロボット10は、図5A〜図5Cに示すように把持したサイドドア220を計測部40に設けられた押し当て部44に向って押付けて、車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とを一致させた状態(両者が同じ位相にある状態)まで回転した状態とする(図12のポイントc)。そして、計測部40のカメラ42はドア側ヒンジ部品232のヒンジ取付け位置2箇所を撮像し、測距センサー36は奥行き方向の距離を測定して第1取付け位置の計測を行なう(図12のポイントd)。
[0038]
次にPLC61は、カメラ35および測距センサー36から得られた車体側の取付け位置の計測結果から予め設定した設計値などの基準位置との比較を行い、補正量を算出する。例えば、図11に示すように取り付け穴231bの穴位置が基準位置Cから図11で見てx方向に+0.1mmずれていたとする。その場合、補正量はx方向に絶対値で0.1mmとなる。上記は説明の便宜のため簡略化しているが、実際はこれが上記のx、y、z、w、pについて算出される。なお、ドア側の第1取り付け位置に対する補正量は第1補正量、車体側の第2取り付け位置に対する補正量は第2補正量とし、rはヒンジ230のヒンジの回転軸と同じであり、ヒンジが回転可能であることによって算出不要としている。
[0039]
PLC61は同様にドア側の計測結果からも基準位置との(第1)補正量を求める。例えば、本実施形態ではドア側のボルト取り付け穴が基準位置に対してx方向に−0.1mmずれていたとする。この場合の補正量はx方向に絶対値で0.1mmとなる。
[0040]
次にPLC61は、車体側の補正量とドア側の補正量とを合算してサイドドア220の予め教示している位置に対する補正量を求める。上記では車体側、ド
【0012】
ア側のいずれも0.1mmずつずれているため、PLC61は予め教示した搬送位置に対してx方向に−0.2mmずれた位置にサイドドア220を搬送するデータをロボットコントローラ63を通じて搬送ロボット10に送信する(図12のポイントe)。
[0041]
そして、搬送ロボット10はロボットコントローラ63から受信した搬送位置にサイドドア220を搬送して位置決めし、取り付けロボット30は取り付け部37、38のいずれかによってボルト締結を行う。本実施形態では、ヒンジ取り付け箇所230aのタイト穴からボルト締結を行い、その後搬送ロボット10の把持機構15の回転軸15aを回転させて残りのヒンジ取り付け箇所230bについても取り付け部37、38のいずれかによってボルト締結を行う(図12のポイントf)。そして、サイドドア220をヒンジ230の回転軸周りにサイドドア220を取り付ける位置、すなわちサイドドア220を閉めきる位置まで回動させて、サイドドア220を車体210に取り付ける。
[0042]
(作用効果)
次に本実施形態にかかる作用効果について説明する。自動車は何万点にも及ぶ部品を取り付けて完成する製品であるため、部品同士の取り付け精度は重要な項目とされている。しかし、取り付け精度を高くしようとして1つの車種毎に専用の取り付け治具を用意したり、取り付け位置を確認するために高額なセンサーやカメラを用意したりするのでは設備の償却費用で製品の原価を圧迫してしまい、競合他社との間の価格競争力において優位性を発揮することができない。
[0043]
これに対し、本実施形態にかかる自動車の開閉部品の取り付け装置100および取り付け方法は、2箇所のヒンジ取り付け箇所230a、230bを備えたサイドドア220を搬送ロボット10によって2方向から挟持し、カメラ42および測距センサー43によってドア側のヒンジ取り付け箇所230a、230bを計測する。車体側のヒンジ取り付け箇所230a、230bはカメラ35および測距センサー36によって計測する。そして、制御部60によって車体側およびドア側それぞれのヒンジ取り付け位置の補正量を算出し、それ
【0013】
らを考慮してサイドドア220の搬送位置を決定し、サイドドア220を車体210に搬送して取り付け部37、38によってサイドドア220を車体210に取り付けている。このように、搬送ロボット10によるサイドドア220の位置決めは補正を前提として行っているため、専用の設備を用意しなくても汎用の設備で対応することができ、コスト低減に寄与することができる。
[0044]
また、搬送ロボット10は、サイドドア220に取り付けられた車体側ヒンジ部品231の取り付け穴231bを車体210におけるヒンジ取り付け箇所に取り付けてサイドドア220をヒンジ230の回転軸まわりに回転可能とし、サイドドア220をヒンジ230の回転軸周りに車体210の取り付け位置、すなわちサイドドア220を閉める位置まで回動させるように構成している。このように構成することによって、計測箇所を従来の3ヵ所からヒンジ取り付け箇所230a、230bの2箇所に減らすことができ、その分設備に要求される仕様を減らして設備コストの低減を図ることができ、さらに測定時間の短縮を図ることもできる。また、サイドドア220は搬送ロボット10の支持部16、17、および把持部18、19、21によって2方向から挟持するように構成しているため、制御部60によって搬送位置を算出した際に挟持したサイドドア220をガタつかせることなく車体210まで搬送でき、サイドドア220の取り付けを迅速かつ精度よく行うことができる。
[0045]
また、搬送ロボット10は、サイドドア220の下部からサイドドア220を支持する支持部16、17を有し、支持部16、17はサイドドア220の水平方向を回転軸とした回転を規制する規制部16a、17aを有するように構成している。そのため、簡易的な形状でドアの取り付け姿勢のバラつきを抑制し、設備コストの抑制に寄与することができる。
[0046]
また、サイドドア220においてヒンジ230のヒンジ取り付け箇所230a、230bを撮像する前にはヒンジ230を構成する車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とを計測部40に設けられた押し当て部44によって回転方向に一致させた状態にして撮像を行っている。ヒンジは回転して回転方向における位置が変化する可能性があるため、押し当て部44によってヒン
【0014】
ジ230の姿勢を決めることによってサイドドア220の位置を迅速に位置決めし、精度よく車体210に取り付けることができる。なお、押し当て部44による位置決めは、車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とを回転方向に開ききった状態にするようにして回転方向の位置を決めるように構成してもよい。
[0047]
また、取り付けロボット30におけるカメラ35や測距センサー36および計測部40におけるカメラ42や測距センサー43は独立して並列に並べるように構成している。そのため、キャリブレーションが容易になり、設置治具設計の自由度を大きくすることができる。また、カメラや測距センサーに汎用機器を適用できるため、設備コストを抑制することができる。
[0048]
また、ワークであるドアの補正量を微小角にした場合、カメラ35、42による出力を平面方向、測距センサー36、43による出力を奥行き方向として扱うことによって、補正量の計算を簡便なベクトル演算によって行うことができ、FA(Factory Automation)制御用に用いられる一般的なPLCを計算装置として利用することができ、コスト抑制を図ることができる。
[0049]
また、取り付けロボット30には計測を行うカメラ35、測距センサー36およびボルト234やナット235を取り付ける取り付け部37、38を搭載するように構成している。そのため、複数点の計測が可能、および計測範囲を広くすることができるため、車体の計測装置を安価にすることができる。また、ボルトやナットを運ぶ装置を別途用意する必要がなくなり、その分コスト低減を図ることができる。また、取り付け部37、38を6軸のロボットに搭載することによって、締結可能範囲や自由度を拡大することができる。さらに、一台のロボットで計測や締結が可能となり、設備コストの抑制を図ることができる。
[0050]
なお、本実施形態は上述した実施形態にのみ限定されず、特許請求の範囲において種々の変更が可能である。上記ではヒンジ230を構成する車体側ヒンジ部品231とドア側ヒンジ部品232とがサイドドア220に取り付けられ
【0015】
ている実施形態について説明したが、これに限定されない。上記以外にも車体側ヒンジ部品231が車体210に取り付けられ、ドア側ヒンジ部品232がサイドドア220に取り付けられるように構成することもできる。この場合、ヒンジ取り付け箇所は取り付け穴231a、232aとなる。また、車体側ヒンジ部品231およびドア側ヒンジ部品232とが回転軸233と共に車体210に取り付けられるように構成することもできる。この場合、ヒンジ取り付け箇所は取り付け穴232bとなる。
[0051]
図13(A)、図13(B)は本発明の変形例を示す図である。上記では車体210に取り付ける構成部品がサイドドア220である実施形態について説明したが、これに限定されず、ボンネット223や車体の後部に取付けられるバックドア224であってもよい。また、押し当て部44は筐体41に設ける実施形態について説明したが、筐体41とは別に構成してもよい。
符号の説明
[0052]
10 搬送ロボット(搬送部)、
16、17 支持部、
16a、17a 規制部、
100 (自動車の開閉部品の)取り付け装置、
210 車体、
220 サイドドア(開閉部品)、
223 ボンネット、
224 バックドア、
230 ヒンジ、
230a、230b ヒンジ取り付け箇所、
231 車体側ヒンジ部品、
232 ドア側ヒンジ部品(開閉部品側ヒンジ部品)、
30 取り付けロボット、
35 カメラ(第2計測部)、
36 測距センサー(第2計測部)、
37、38 取り付け部、
【0016】
40 計測部、
42 カメラ(第1計測部)、
43 測距センサー(第1計測部)、
44 押し当て部、
c 基準位置。

Claims (9)

  1. 車体に対してヒンジによって取り付けられる自動車の開閉部品を取り付ける取り付け装置であって、
    2箇所のヒンジ取り付け箇所を備えた前記開閉部品を少なくとも2方向から挟持して前記車体に搬送する搬送部と、
    前記開閉部品を前記車体に取り付ける取り付け部と、
    前記開閉部品側における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所を第1取り付け位置として計測する第1計測部と、
    前記車体における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所を第2取り付け位置として計測する第2計測部と、
    前記第1計測部が計測した前記第1取り付け位置の予め設定した基準位置に対する第1補正量と前記第2計測部が計測した前記第2取り付け位置の前記基準位置に対する第2補正量とをそれぞれ計算し、前記第1補正量および前記第2補正量とを考慮して前記開閉部品の前記車体に対する搬送位置を決定する制御部と、を有し、
    前記搬送部は、前記開閉部品における前記ヒンジ取り付け箇所を前記車体における前記ヒンジ取り付け箇所に取り付けて前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸周りに回動可能とし、
    前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸周りに前記車体の取り付け位置まで回動させることを特徴とする自動車の開閉部品の取り付け装置。
  2. 前記搬送部は、前記開閉部品を下部から支持する支持部を有し、
    前記支持部は水平方向を回転軸として前記開閉部品が回転することを規制する規制部を有する請求項1に記載の自動車の開閉部品の取り付け装置。
  3. 前記ヒンジを構成する前記車体側の第1ヒンジ部品と前記開閉部品側の第2ヒンジ部品とが前記開閉部品に取り付けられている場合において、
    前記ヒンジの回転方向の位置を位置決めする位置決め部をさらに有する請求項1または2に記載の自動車の開閉部品の取り付け装置。
  4. 前記ヒンジは前記車体側の第1ヒンジ部品と前記開閉部品側の第2ヒンジ部品とを有し、
    前記第1ヒンジ部品と前記第2ヒンジ部品とが前記開閉部品に取り付けられている状態、
    前記第1ヒンジ部品が前記車体に取り付けられ前記第2ヒンジ部品が前記開閉部品に取り付けられる状態、
    または前記第1ヒンジ部品と前記第2ヒンジ部品とが前記車体に取り付けられた状態のいずれかの状態において、前記取り付け部によって前記開閉部品を前記車体に取り付ける請求項1または2に記載の自動車の開閉部品の取り付け装置。
  5. 前記開閉部品は、自動車のサイドドア、ボンネット、又はバックドアである請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動車の開閉部品の取り付け装置。
  6. 車体に対してヒンジによって取り付けられる自動車の開閉部品を取り付ける取り付け方法であって、
    2箇所のヒンジ取り付け箇所を備えた前記開閉部品を少なくとも2方向から挟持し、
    前記開閉部品側における前記2箇所のヒンジ取り付け箇所を第1取り付け位置として計測し、
    前記車体側における前記2箇所のヒンジの取り付け箇所を第2取り付け位置として計測し、
    前記開閉部品側において計測した前記第1取り付け位置の予め設定した基準位置に対する第1補正量と前記車体側において計測した前記第2取り付け位置の前記基準位置に対する第2補正量とを考慮して前記開閉部品の前記車体に対する搬送位置を決定し、
    前記開閉部品における前記ヒンジ取り付け箇所を前記車体における前記ヒンジ取り付け箇所に取り付けて前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸周りに回動可能とし、
    前記開閉部品を前記ヒンジの回転軸まわりに前記車体の取り付け位置まで回動させることを特徴とする自動車の開閉部品の取り付け方法。
  7. 前記ヒンジを構成する前記車体側の第1ヒンジ部品と前記開閉部品側の第2ヒンジ部品とが前記開閉部品に取り付けられている場合であって前記開閉部品における前記ヒンジの取り付け位置を撮像する前に、前記第1ヒンジ部品と前記第2ヒンジ部品とを開ききった状態または前記第2ヒンジ部品を回転方向において前記第1ヒンジ部品に一致させた状態に調整する請求項6に記載の自動車の開閉部品の取り付け方法。
  8. 前記ヒンジは前記車体側の第1ヒンジ部品と前記開閉部品側の第2ヒンジ部品とを有し、
    前記第1ヒンジ部品と前記第2ヒンジ部品とが前記開閉部品に取り付けられている状態、
    前記第1ヒンジ部品が前記車体に取り付けられ前記第2ヒンジ部品が前記開閉部品に取り付けられる状態、
    または前記第1ヒンジ部品と前記第2ヒンジ部品とが前記車体に取り付けられた状態のいずれかの状態において前記開閉部品を前記車体に取り付ける請求項6に記載の自動車の開閉部品の取り付け方法。
  9. 前記開閉部品は、車両のサイドドア、ボンネット、又はバックドアである請求6から8のいずれか1項に記載の自動車の開閉部品の取り付け方法。
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