JPWO2016059675A1 - 分光器及びそれを備えた発光分光分析装置 - Google Patents

分光器及びそれを備えた発光分光分析装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016059675A1
JPWO2016059675A1 JP2016553777A JP2016553777A JPWO2016059675A1 JP WO2016059675 A1 JPWO2016059675 A1 JP WO2016059675A1 JP 2016553777 A JP2016553777 A JP 2016553777A JP 2016553777 A JP2016553777 A JP 2016553777A JP WO2016059675 A1 JPWO2016059675 A1 JP WO2016059675A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
temperature
inert gas
discharge
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016553777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6288290B2 (ja
Inventor
央祐 小林
央祐 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2016059675A1 publication Critical patent/JPWO2016059675A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6288290B2 publication Critical patent/JP6288290B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J3/00Spectrometry; Spectrophotometry; Monochromators; Measuring colours
    • G01J3/28Investigating the spectrum
    • G01J3/443Emission spectrometry
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/66Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light electrically excited, e.g. electroluminescence
    • G01N21/67Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light electrically excited, e.g. electroluminescence using electric arcs or discharges

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

波長分散素子123と、光検出器124a〜124cと、それらを収容するチャンバ121とを有する分光器に、チャンバ121内部のガスを排出するための排気管128と、大気圧以上に圧縮された不活性ガスが充填されたガス供給源150と、ガス供給源150からチャンバ121内に不活性ガスを導入して該不活性ガスを膨張させることでチャンバ121内の温度を低下させる冷却手段151b、152b、153bと、チャンバ121内の温度を検知する温度センサ127と、温度センサ127で検知される温度が目標温度となるよう冷却手段151b、152b、153bを制御する制御手段140とを設ける。これにより、従来よりも低い温度で分光器を温調することが可能となり光検出器の暗電流によるバックグラウンドの影響を軽減することができる。

Description

本発明は、分光器及びそれを備えた発光分光分析装置に関する。
発光分光分析装置では、一般に、金属又は非金属である固体試料にアーク放電やスパーク放電などによりエネルギーを与えることによって該試料を蒸発気化及び励起発光させ、その発光光を分光器に導入して各元素に特有な波長を有するスペクトル線を取り出して検出する(例えば、特許文献1を参照)。特に、励起源にスパーク放電を用いる発光分光分析装置は、精度の高い分析が可能であるため、例えば鉄鋼材や非鉄金属材などの生産工場において、生産された金属体中の組成分析を行うために広く利用されている。
従来の一般的な発光分光分析装置の構成を図3に示す。この発光分光分析装置は、固体試料を励起発光させる励起部210と、前記試料からの発光光を波長分散して検出する分光部220と、各部の制御及びデータ処理を行う制御・処理部240とを含んでいる。
励起部210は、放電発生部211、電極棒212、放電室213、試料載置板214、及び集光レンズ215を備えている。放電室213には、斜め上方に向けて空いた分析開口と放電室213から光を取り出すための導光穴213aが設けられており、放電室213の上部には前記分析開口を覆うように試料載置板214が着脱自在に取り付けられている。試料載置板214は、試料Sよりも小さな中央開口214aを有しており、試料Sを、その中央開口214aを覆うようにして試料載置板214に載置することにより、試料Sの下面(被分析面)の一部が放電室213の内部に露出するようになっている。放電室213の内部には放電のための電極棒212がその先端を前記中央開口214aに向けた状態で配設されている。
放電発生部211は、所定周波数(例えば400 Hz)に同期してパルス状の高電圧を電極棒212に印加する。鉄又は非鉄金属などの試料Sは、電極棒212からのスパーク放電によって励起発光する。なお、このとき放電室213内に存在する気体成分が励起発光されるのを防止するため、試料Sの測定に際して放電室213にはガスボンベ等のガス供給源250から放電室側管路251aを介して不活性ガス(通常、アルゴンガス)が供給され、該不活性ガスにより放電室213内の空気がパージされる。なお、この放電室213への不活性ガスの供給は、放電室側管路251a上に設けられた放電室側開閉バルブ252a及び放電室側流量調節部253aを制御・処理部240が制御することにより実行される。
試料Sの励起発光による発光光は、放電室213に設けられた導光穴213aを通過し、集光レンズ215で集光されて分光部220に導入される。分光部220は、いわゆるパッシェンルンゲ型の分光器であり、入口スリット222、回折格子223、及びローランド円上に並設された複数の光検出器224a、224b、224c、並びにこれらを収容するチャンバ221を含んでいる。光検出器224a、224b、224cは、それぞれリニアCCDセンサ等から成るマルチチャンネル型の光検出器である。なお、ここでは、便宜上、3個の光検出器224a、224b、224cのみを図示しているが、一般的な発光分光分析装置ではローランド円に沿って10〜15個程度の光検出器が配置される。前記励起部210から入口スリット222を介して分光部220に入射した光は、前記回折格子223で波長分散され、その波長分散光のうち所定の波長範囲の光が前記マルチチャンネル型の光検出器224a、224b、224cによって一斉に検出される。
なお、このとき前記波長分散光が空気中の酸素等によって吸収されるのを防ぐため、分光部220内部も前記のガス供給源250から供給される不活性ガスによって予めパージされる。その際には、まずチャンバ221に設けられた排気管228上の排気管開閉バルブ229を開くと共に、ガス供給源250からチャンバ221に至る分光部側管路251b上に設けられた分光部側開閉バルブ252bを開く。これにより、チャンバ221内に不活性ガスが流入し、チャンバ221に存在していた空気が排気管228を通して外部に排出される。なお、このときの不活性ガスの流量は、分光部側流量調節器253bによって調整される。その後、チャンバ221内の空気が不活性ガスで置換されるのに十分な時間が経過した時点で排気管開閉バルブ229を閉鎖すると、チャンバ内の不活性ガスの圧力がガス供給源250からの不活性ガスの供給圧(例えば1.5気圧)と等しくなった時点でチャンバ221への不活性ガスの流入が停止する。
試料の測定によって得られた各光検出器224a、224b、224cによる検出信号は制御・処理部240に入力され、所定のデータ処理が行われることによって或る含有量を有する或る元素のスペクトル線の強度が求められ、それに基づいて各元素に対する定量分析などが実行される。
特開2001-83096号公報
上記のような発光分光分析装置では、温度変化による分光器(分光部220)の歪み等の影響を排除するため、前記チャンバを断熱材から成るものとする場合が多い。また、光検出器224a、224b、224cとして上記のようなCCD素子を含む検出器を用いる場合は、暗電流によるバックグラウンドの影響を排除するため、できるだけ低温で使用することが望ましい。しかしながら、装置の使用環境温度範囲(すなわち室温)付近で分光器の温度を比較的低温に保持するためには、温調機構としてヒータと冷却装置の両方が必要となるため製造コストが増大するという問題がある。そのため、従来の発光分光分析装置では、冷却装置は設けず、ヒータ225、ファン226、及び温度センサ227から成る温調機構により、チャンバ221の内部を室温よりも或る程度高い温度まで加温することで分光器の温調を実現している。
本発明は上記の点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、内部空間を冷却する機能を有し、且つ比較的安価に製造することのできる分光器、及び該分光器を有する発光分光分析装置を提供することにある。
上記課題を解決するために成された本発明に係る分光器は、
a)被測定光を波長分散する波長分散素子と、
b)前記波長分散素子で波長分散された光を検出する光検出器と、
c)前記波長分散素子及び前記光検出器を収容したチャンバと、
d)前記チャンバの内部から外部へガスを排出するガス排出口と、
e)大気圧以上に圧縮された不活性ガスが充填された不活性ガス供給源と、
f)前記不活性ガス供給源から前記チャンバの内部に前記不活性ガスを導入することにより、該不活性ガスを該チャンバの内部で膨張させて該チャンバ内の温度を低下させる冷却手段と、
g)前記チャンバ内の温度を検知する温度検知手段と、
h)前記温度検知手段により検知される温度が予め定められた目標温度となるように前記冷却手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴としている。
上記本発明に係る分光器では、大気圧以上に圧縮された不活性ガスを前記不活性ガス供給源から前記チャンバに導入することにより、チャンバ内で該不活性ガスを大きく膨張させる。このとき、前記不活性ガスの膨張は短時間で起こるために、該不活性ガスとその周囲との間での熱の出入りは殆ど生じない。従って、断熱膨張に近い状態となり、不活性ガスの温度が低下して分光器内が冷却される。従って、前記温度検知手段によってチャンバ内の温度をモニタリングしつつ、不活性ガス供給源からの不活性ガスの導入量を制御することにより、チャンバ内の温度をほぼ一定且つ従来よりも低温に保つことができる。
なお、上述したように、従来の発光分光分析装置においても、分光器の内部(すなわち前記チャンバの内部)に不活性ガスを導入した上で試料の測定を行っていた。しかし、従来の分光器では、チャンバ内の空気を不活性ガスで置換した後、チャンバに設けられた排気管228(図3)上の排気管開閉バルブ229を閉鎖し、チャンバ221内の空気が外部に流出しないようにした状態でチャンバ221の温度制御を行っていた。そのため、分光器のパージ操作が完了した後は、チャンバ221から僅かに漏れ出る不活性ガスを補う程度に該分光器へのガス導入が行われるだけであり、上記のような不活性ガスの導入による温度制御を行うことはできなかった。これに対し、本発明に係る発光分光分析装置では、チャンバ内の空気を不活性ガスで置換した後も、前記ガス排出口を通じてチャンバ内のガスを外部に排出できるため、適宜不活性ガス供給源からチャンバに不活性ガスを導入することができる。
また、本発明に係る分光器は、
i)前記チャンバの内部に配設されたヒータを含む加温手段、
を更に有し、
前記制御手段が、前記温度検知手段によって検知される温度が予め定められた目標温度となるように、前記冷却手段及び前記加温手段を制御するものとすることが望ましい。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る発光分光分析装置は、
a)放電室と、
b)前記放電室の内部に不活性ガスを導入することにより該放電室内の空気をパージする放電室パージ手段と、
c)前記放電室の内部で放電を生じることにより試料を励起発光させる放電発生手段と、
d)前記励起発光によって得られた発光光を波長分散して波長毎に検出する分光器と、
を有し、
前記分光器が上記本発明に係る分光器であって、
前記放電室パージ手段が、該分光器に設けられた前記不活性ガス供給源から前記放電室の内部に前記不活性ガスを導入するものであることを特徴としている。
上記構成から成る本発明に係る分光器温調機構及び本発明に係る発光分光分析装置によれば、従来よりも低い温度で分光器を温調することが可能となる。そのため、光検出器の暗電流によるバックグラウンドの影響を軽減することができる。更に、前記冷却手段としては、多くの分光器に従来設けられている分光器パージ用のガス導入機構(ガスボンベ、管路、バルブ、流量調節器など)を利用することができる。そのため、本発明に係る分光器及び発光分光分析装置は、部品点数の大幅な増大を招来することなしに、比較的安価に製造することができる。また、分光器内を一定温度に保つにあたり、従来のように分光器内部を室温よりも高い温度に維持する必要がないため、省エネ効果も期待できる。
本発明の一実施形態による発光分光分析装置の要部構成を示す図。 同実施形態の発光分光分析装置における分光部内の温度制御方法を示すフローチャート。 従来の発光分光分析装置の要部構成を示す図。
以下、本発明に係る分光器及びそれを備えた発光分光分析装置について実施形態を挙げて説明を行う。
図1は、本実施形態に係る発光分光分析装置の要部構成を示す図である。なお、既に説明した図3と同一又は対応する構成要素については下2桁が共通する符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態に係る発光分光分析装置と従来の発光分光分析装置の主な相違点は、分光部120のチャンバ121からガスを排出するための排気管128(本発明における「ガス排出口」に相当)に、該排気管128を開閉するための開閉バルブが設けられていない点、及び分光部120内の温度センサ127(本発明における「温度検知手段」に相当)からの検出信号に基づいて分光部120への不活性ガス(ここではアルゴンガス)導入の制御を行う点である。なお、分光部120にアルゴンガスを導入するためのガス供給源150(本発明における「不活性ガス供給源」に相当)、分光部側管路151b、分光部側開閉バルブ152b、及び分光部側流量調節部153b(本発明における「冷却手段」に相当)としては、従来から分光部120内の空気をパージするために発光分光分析装置に設けられているものを利用することができる。更に、チャンバ121内の温度を検知するための温度センサ127、並びにチャンバ121内を加温するためのヒータ125及びファン126も従来から分光部120の温調用として設けられていたものを利用可能である。
制御・処理部140は、専用のハードウェア若しくは汎用のハードウェア(パーソナルコンピュータ等)、又はその組み合わせで構成される。制御・処理部140にはユーザからの指示を受け付けるための入力部141が接続されており、試料の測定に際し、予めユーザから入力部141を介して分光部120内の目標温度T、及び該目標温度Tからの温度変動の許容値Δtが入力される。ここで、目標温度Tはユーザが自由に設定することができるが、リニアCCDセンサから成る光検出器124a、124b、124cにおける暗電流の影響を低減する観点から、該目標温度Tは室温よりも低温に設定することが望ましい。前記の目標温度T及び温度変動の許容値Δtが入力されると、制御・処理部140は、T+Δtの値をチャンバ121内の温度の上限値tmaxとし、T−Δtの値を該チャンバ121内の温度の下限値tminとして、制御・処理部140内に設けられたメモリ等に記憶する。
続いて、ユーザが入力部141で所定の操作を行うと、制御・処理部140はガス供給源150から分光部120のチャンバ121に至る分光部側管路151bに設けられた分光部側開閉バルブ152bを開放することにより、チャンバ121内の空気をアルゴンガスでパージする。なお、このときガス供給源150のガスボンベ等から供給された高圧のアルゴンガスが略大気圧のチャンバ121内に流入することでアルゴンガスが大きく膨張する。このアルゴンガスの膨張は短時間で起こるために、該アルゴンガスとその周囲との間での熱の出入りは殆ど生じない。そのため、断熱膨張に近い状態となり、アルゴンガスの温度が低下してチャンバ121の内部はアルゴンガスの導入前よりも低温となる。そして、チャンバ121の内部がアルゴンガスで置換されるのに十分な時間が経過した時点で、制御・処理部140が分光部側流量調節部153bを制御することによりアルゴンガスの流量を調節し、チャンバ121の内部がアルゴンガスで満たされた状態が維持される程度の流量でアルゴンガスの供給を継続する(以下、この状態を流量「小」の状態とよぶ)。なお、チャンバ121内のガスは常に排気管128から外部に流出することができ、且つ排気管128は十分に大きな内径を有しているため、上記のようなアルゴンガスの導入を行っても、チャンバ121内の気圧は或る程度以上大きくなることはなく、常にガス供給源150からのアルゴンガスの供給圧力よりも低圧(例えばほぼ大気圧)に維持される。そのため、上記のような流量「小」の状態でも、チャンバ121の内部ではアルゴンガスの膨張が生じる。但し、このときは導入されるガスの量が少ないため、チャンバ121内の温度が大きく低下することはない。
続いて、制御・処理部140は、図2のフローチャートに従った分光部120の温度制御を開始する。すなわち、温度センサ127の検出信号に基づき、チャンバ121内部の温度(以下「チャンバ内温度t」とよぶ)が上述の下限値tmin以下であるか否かを判定し(ステップS11)、tmin以下であった場合には、チャンバ121内に設けられたヒータ125及びファン126をONにしてチャンバ121内を加温する(ステップS12)。なお、ステップS11においてチャンバ内温度tがtmin以下でなかった場合には、後述のステップS15に進む。
ステップS12でヒータ125及びファンをONにしてチャンバ121内の加温を開始した後、チャンバ内温度tが下限値tminを上回ると、制御・処理部140はヒータ125及びファン126をOFFにしてチャンバ121内の加温を停止する(ステップS13及びS14)。
続いて、制御・処理部140は、チャンバ内温度tが上述の上限値tmax以上であるか否かを判定し(ステップS15)、tmax以上であった場合には、分光部側流量調節部153bでアルゴンガスの流量を大きくしてチャンバ121へのガス導入量を増大させる(ステップS16)。このときの状態を流量「大」の状態とよぶ。なお、ステップS15においてチャンバ内温度tがtmax以上でなかった場合には、前記のステップS11に戻る。
ステップS16で流量「大」の状態にした際にも、チャンバ121内のアルゴンガスの圧力はガス供給源150におけるアルゴンガスの圧力よりも低いため、チャンバ121内でアルゴンガスの断熱的な膨張が生じる。また、このとき導入されるアルゴンガスの量は流量「小」のときよりも多く、膨張による温度低下も大きくなるためチャンバ内温度tが低下していく。その後、チャンバ内温度tが上限値tmaxを下回ると、制御・処理部140は分光部側開閉バルブ152bの開度を小さくして流量「小」の状態に戻すことにより、チャンバ121内の冷却を停止する(ステップS17及びS18)。その後は、ステップS11に戻って以上の温度制御を継続する。
本実施形態に係る発光分光分析装置において試料の測定を行う際には、まずユーザが励起部110の試料載置板114に試料Sをセットした上で、制御・処理部140に測定の開始を指示する。すると、制御・処理部140がガス供給源150から放電室113に至る放電室側管路151aに設けられた放電室側開閉バルブ152aを開放することにより、放電室113の内部の空気をアルゴンガスでパージする。そして、前記放電室113のパージ開始から所定の時間が経過した時点で放電発生部111からパルス状の高電圧を電極棒112に印加し、電極棒112からのスパーク放電によって試料Sを励起発光する。このとき得られた発光光は放電室113に設けられた導光穴113aを通過し、集光レンズ115で集光されて分光部120へと出射される。励起部110から出射した発光光は、入口スリット122を介して分光部120のチャンバ121内に入射し、回折格子123で波長分散される。そして、その波長分散された光のうち所定の波長範囲の光が光検出器124a、124b、124cによって一斉に検出される。
なお、上記のような放電室113のパージ及び試料Sの測定を行っている間も図2のフローチャートに従った分光部120の温度制御は継続されており、試料Sの測定が完了し、ユーザから発光分光分析装置を終了させる旨を指示が入力されるまでステップS11〜S18が繰り返し実行される。
以上、本発明を実施するための形態について具体例を挙げて説明を行ったが、本発明は上記の例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で適宜変更が許容される。例えば、上記の例では放電室及び分光部のパージ並びに分光部の冷却をアルゴンガスによって行うものとしたが、これらを他の不活性ガス、例えば窒素ガスによって行うものとすることもできる。但し、試料中の窒素元素を測定対象とする場合には、放電室のパージに窒素ガスを使用すると、該窒素ガスが放電室内で励起発光され、窒素元素の測定値に影響を及ぼすおそれがある。そのため、このような場合には窒素以外の不活性ガスを用いることが望ましい。
また、上記の例では、チャンバ内温度tに応じて、ガス流量の「大/小」、及びヒータの「ON/OFF」を切り替えることにより、分光器の温度制御を行うものとしたが、本発明における温度制御方法はこれに限定されるものではなく、例えば、チャンバに導入する不活性ガスの流量やヒータへの通電量をチャンバ内温度tに比例して変化させるようにしてもよい。
更に、上記の例では本発明における「ガス排出口」をチャンバの壁面を貫通する配管(排気管128)とし、該排気管128上にはバルブを設けない構成としたが、該排気管128上にバルブを設け、分光器のパージ操作及びその後の温度制御を行う際には該バルブを常時開いておくようにしてもよい。あるいは、前記温度制御の実行時において、制御・処理部140により該バルブを適宜閉鎖したり、該バルブの開度を小さくしたりするようにしてもよい。具体的には、図2のフローチャートで示した温度制御において、ガス流量「小」としたときには前記バルブを閉鎖(又は該バルブの開度を小さく)し、ガス流量「大」とするときは前記バルブを開放する(又は該バルブの開度を大きくする)といった制御を行うことが考えられる。これにより、チャンバからのガスの流出量を低減し、アルゴンガスの消費を抑える効果が期待できる。
また、前記「ガス排出口」は、少なくとも、分光器のパージ操作及びその後の温度制御を行う際に、チャンバ内のガスを外部に排出して該チャンバ内を不活性ガス供給源からのガスの供給圧力よりも低圧(望ましくは略大気圧)にできるものであればよく、例えば、チャンバの壁面に設けた貫通孔とすることもできる。
また、上記の例では本発明に係る分光器を放電による固体試料の励起発光を行う発光分光分析装置に適用するものとしたが、これに限らず分光器を備えた種々の分析装置、例えば、ICP発光分光分析装置にも本発明を同様に適用することができる。
110、210…励起部
111、211…放電発生部
112、212…電極棒
113、213…放電室
114、214…試料載置板
120、220…分光部
121、221…チャンバ
122、222…入口スリット
123、223…回折格子
124a〜c、224a〜c…光検出器
125、225…ヒータ
126、226…ファン
127、227…温度センサ
128、228…排気管
229…排気管開閉バルブ
140、240…制御・処理部
141…入力部
150、250…ガス供給源
151a、251a…放電室側管路
152a、252a…放電室側開閉バルブ
153a、253a…放電室側流量調節部
151b、251b…分光部側管路
152b、252b…分光部側開閉バルブ
153b、253b…分光部側流量調節部

Claims (3)

  1. a)被測定光を波長分散する波長分散素子と、
    b)前記波長分散素子で波長分散された光を検出する光検出器と、
    c)前記波長分散素子及び前記光検出器を収容したチャンバと、
    d)前記チャンバの内部から外部へガスを排出するガス排出口と、
    e)大気圧以上に圧縮された不活性ガスが充填された不活性ガス供給源と、
    f)前記不活性ガス供給源から前記チャンバの内部に前記不活性ガスを導入することにより、該不活性ガスを該チャンバの内部で膨張させて該チャンバ内の温度を低下させる冷却手段と、
    g)前記チャンバ内の温度を検知する温度検知手段と、
    h)前記温度検知手段により検知される温度が予め定められた目標温度となるように前記冷却手段を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする分光器。
  2. 更に、
    i)前記分光器の内部に配設されたヒータを含む加温手段、
    を有し、
    前記制御手段が、前記温度検知手段によって検知される温度が予め定められた値となるように、前記冷却手段及び前記加温手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の分光器。
  3. a)放電室と、
    b)前記放電室の内部に不活性ガスを導入することにより該放電室内の空気をパージする放電室パージ手段と、
    c)前記放電室の内部で放電を生じることにより試料を励起発光させる放電発生手段と、
    d)前記励起発光によって得られた発光光を波長分散して波長毎に検出する分光器と、
    を有し、
    前記分光器が請求項1又は2に記載の分光器であって、
    前記放電室パージ手段が、該分光器に設けられた前記不活性ガス供給源から前記放電室の内部に前記不活性ガスを導入するものであることを特徴とする発光分光分析装置。
JP2016553777A 2014-10-14 2014-10-14 発光分光分析装置 Expired - Fee Related JP6288290B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2014/077343 WO2016059675A1 (ja) 2014-10-14 2014-10-14 分光器及びそれを備えた発光分光分析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2016059675A1 true JPWO2016059675A1 (ja) 2017-04-27
JP6288290B2 JP6288290B2 (ja) 2018-03-07

Family

ID=55746246

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016553777A Expired - Fee Related JP6288290B2 (ja) 2014-10-14 2014-10-14 発光分光分析装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6288290B2 (ja)
CN (1) CN107076612A (ja)
WO (1) WO2016059675A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110546485B (zh) * 2017-04-17 2022-03-08 株式会社岛津制作所 发光分光分析装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62167422A (ja) * 1985-11-30 1987-07-23 Shimadzu Corp 分光検出器
JPS63188757A (ja) * 1987-01-30 1988-08-04 Shimadzu Corp 恒温槽
JPH0248947Y2 (ja) * 1988-02-26 1990-12-21
JPH11304708A (ja) * 1998-04-18 1999-11-05 Horiba Ltd 発光分光分析装置の発光スタンド
JP2002039944A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Shimadzu Corp Icp光源装置
WO2011114340A2 (en) * 2010-03-18 2011-09-22 Priya Darshan Pant A highly developed atomic emission spectrometer using an argon saver for argon flow through the optics chamber (oc) and spark chamber (sc) for argon savings with good sparking. this leads to a significant increase in the number of analyses that can be done per cylinder of argon gas, thus resulting in significant savings
JP2014048176A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Shimadzu Corp 分光光度計

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001027707A1 (en) * 1999-10-08 2001-04-19 Teradyne, Inc. Direct impingement temperature control structure
JP2010159993A (ja) * 2009-01-06 2010-07-22 Shimadzu Corp 発光分光分析装置

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62167422A (ja) * 1985-11-30 1987-07-23 Shimadzu Corp 分光検出器
JPS63188757A (ja) * 1987-01-30 1988-08-04 Shimadzu Corp 恒温槽
JPH0248947Y2 (ja) * 1988-02-26 1990-12-21
JPH11304708A (ja) * 1998-04-18 1999-11-05 Horiba Ltd 発光分光分析装置の発光スタンド
JP2002039944A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Shimadzu Corp Icp光源装置
WO2011114340A2 (en) * 2010-03-18 2011-09-22 Priya Darshan Pant A highly developed atomic emission spectrometer using an argon saver for argon flow through the optics chamber (oc) and spark chamber (sc) for argon savings with good sparking. this leads to a significant increase in the number of analyses that can be done per cylinder of argon gas, thus resulting in significant savings
JP2014048176A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Shimadzu Corp 分光光度計

Also Published As

Publication number Publication date
JP6288290B2 (ja) 2018-03-07
WO2016059675A1 (ja) 2016-04-21
CN107076612A (zh) 2017-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3059586A1 (en) Gas chromatograph-mass spectrometer
WO2013145112A1 (ja) 分光測定装置
CN106814125B (zh) 一种材料辐射致放气的在线测试装置和测试方法
JP2014185953A (ja) ガスクロマトグラフ装置
JP2015081783A (ja) 蛍光x線分析装置
JP6288290B2 (ja) 発光分光分析装置
GB2524853A (en) Modulated Flame Gas Flow Rates In Flame-Based Detectors
JP5096264B2 (ja) 試料気化導入装置
Matsugi A high-repetition-rate shock tube for transient absorption and laser-induced fluorescence studies of high-temperature chemical kinetics
JP4911502B2 (ja) ガス分析装置
JP2009162665A (ja) ガス分析方法及びガス分析装置
JP2007322261A (ja) Icp分析装置
JP6863457B2 (ja) ガスクロマトグラフ
JP6593536B2 (ja) 分析装置
JP6623557B2 (ja) Icp分析装置
JP2019020361A (ja) 冷媒導入装置及びガスクロマトグラフ
JP5718725B2 (ja) 分析方法
JP2008202990A (ja) Icp用高周波電源装置
JP4586738B2 (ja) Icp分析装置
WO2019220552A1 (ja) ガスクロマトグラフ質量分析装置
TWI672485B (zh) 發光分光分析裝置
Moses et al. Fluorescence imaging of ion distributions in an inductively coupled plasma with laser ablation sample introduction
JP5508118B2 (ja) 発生気体分析装置
JP2008241533A (ja) 試料導入装置および試料導入方法
JP5874613B2 (ja) 分析または測定のための所定の室内のガス置換装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170725

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171017

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180122

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6288290

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees