JPWO2016056563A1 - アークスポット溶接方法及びそれを実行する溶接装置 - Google Patents

アークスポット溶接方法及びそれを実行する溶接装置 Download PDF

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Abstract

アークスポット溶接の裏面溶接ビードにおいて、所定の溶接ビード径や余盛り高さを得ることができ、TSSとCTSの両方の強度に優れた溶接継手を得ることができるアークスポット溶接方法及びそれを実行する溶接装置を提供する。炭素を0.2質量%以上含有する板厚tの鋼板(1)と、炭素を0.2質量%以上含有し、板厚がt以上の少なくとも1枚の鋼板(1)とを重ねて配置し、非接触部と下側鋼板の裏面と前記非接触部とを非接触状態に維持する接触部とを備える裏当金(4)を、前記接触部が裏面溶接ビードの円相当中心から3tを超える位置で下側鋼板(1)の裏面と接触するように裏当金(4)を配置し、アーク発生と、溶接ワイヤ及び上側鋼板間の溶接電圧が10V以下となる短絡通電とを、前記短絡通電の期間が1周期当たり30%超60%未満になるように、交互に繰り返し行い、前記鋼板(1,1)を溶接する。

Description

本発明は、高強度鋼からなる薄鋼板の重なり部をアークスポット溶接する方法及びそれを実行する溶接装置に関する。
近年、自動車分野において、車体の軽量化および衝突安全性向上のために、高強度鋼板の使用が増加しており、使用される鋼板の強度もますます上昇している。そのような高強度鋼よりなる車体の組立や部品の取付けなどの工程において、主として、抵抗溶接によるスポット溶接が用いられている。
スポット溶接部の接合強度は、せん断方向に引張荷重を負荷して測定する引張せん断強さ(TSS)と、剥離方向に引張荷重を負荷して測定する十字引張強さ(CTS)によって評価される。このTSSとCTSは、鋼板の引張強度の増加とともに図16に示すような関係で変化することが知られている。すなわち、TSSが鋼板の引張強さの上昇に伴って向上するのに対し、CTSは、鋼板の引張強さが590MPa前後で飽和し、鋼板の引張強さがそれ以上となるにつれて逆に低下する特性となっている。
引張強さが590MPaを超えるような高強度鋼板をスポット溶接した場合、母材鋼板の焼き入れ性の向上に伴って、ナゲットの靱性や延性の低下が生じる。また、スポット溶接のCTSのような剥離荷重を負荷した場合、鋼板が高強度になるほど溶接金属(ナゲット)端部に応力が集中しやすくなる。さらには、特に加圧力が高い場合や散りが発生した場合、スポット溶接部の鋼板厚みが、周囲に比べて薄くなり、荷重負荷に対して応力レベルが一層上昇してしまう。これらが原因で、スポット溶接において、鋼板強度が高い場合には、溶接部のCTSが低下するようになる。
これに対し、アークスポット溶接では、鋼板を貫通させて溶接して、溶接金属に余盛部を形成することができるので、スポット溶接よりも高い継手強度を得ることができる。
特許文献1には、重ね合わせられた高強度鋼板の裏面側まで溶融させ、且つ、鋼板の各表面から突出するように形成された溶接ビードのビード径を鋼板板厚との関係で適正範囲に制御することにより、高いCTSとTSSの両方が得られ、継手強度に優れた溶接継手が実現できるアークスポット溶接継手が開示されている。
しかしながら、溶接ビード形状は、鋼材成分や鋼材板厚等によって、変化し、さらに、裏面の溶接ビードは、重力の影響で垂れ下がるため、安定して溶接ビード形状を制御することは困難である。
裏面ビードの垂れ下がりを抑制する手段として、特許文献2には、裏当て金を用いる方法が開示されている。特許文献2では、裏当て金と溶接金属の溶着を防ぐために、裏当て金の表面部分に凹部を設けて、裏当て金へのアーク放電の発生を抑制する方法が提案されている。
特許文献2の図1には、裏当金の凹み部と同じ大きさの溶接ビードが、重ねられた鋼板の裏側に形成されることが記載されている。しかしながら、本発明者らが、特許文献2に開示される裏当て金を用いて、アークスポット溶接時の裏面ビード形状の制御を試みたが、特許文献1に開示されるような溶接ビード径や余盛り高さを得ることができなかった。
特許文献3の図2には、アーク溶接の際の雰囲気形成と、2枚の制振鋼板を突き合わせ溶接する際に生じる樹脂ガスの排出と、2枚の制振鋼板の溶接部端縁の近傍の冷却できるように、前記2枚の制振の溶接部近傍背面を冷却できる幅を備えるガス供給溝が凹設された装置が開示されている。
また、特許文献4の図3等には、2枚の鋼板を重ねて受台上におき、アークスポット溶接する装置が開示されている。
しかしながら、特許文献3、4はいずれも、溶接ビードの盛り高さ等の溶接ビードの形状を制御する具体的な方法を開示していない。そのため、前述した装置が、溶接部の強度を高めるために必要なビード形状を形成できる機能を有するかは自明ではない。
特開2013−010139号公報 特開平06−039542号公報 特開平5−104250号公報 特開平2−59173号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑み、アークスポット溶接の裏面溶接ビードにおいて、所定の溶接ビード径や余盛り高さを得ることができ、TSSとCTSの両方の強度に優れた溶接継手を得ることができるアークスポット溶接方法及びそれを実行する溶接装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋼板裏面に裏当金を設置して溶接をすると、裏当金による抜熱のため、溶融領域の成長が阻害されるとの知見を得た。そこで、鋼板の裏面溶接ビードを拡大するために、溶融領域近傍における鋼板裏面から裏当金への熱伝達を抑制する方法について検討した結果、溶接部分と裏当金との間にクリアランスを形成できるように、溶融領域近傍における裏当金と鋼板裏面の接触位置を限定することを見出した。
また、溶融金属そのものの質量に起因する重力に加え、アーク溶接時のアークプラズマ気流による吹き付け圧力に起因する圧力、すなわち、アーク圧力は、裏面ビードの垂れ下がりの程度に影響する。そこで、本発明者らは、アーク溶接時におけるアーク発生時間の比率を一定の範囲に抑制することによって、当該アーク溶接時における平均的なアーク圧力を軽減でき、アークスポット溶接初期の溶接金属の抜け落ちを防止できることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)炭素を0.2質量%以上含有する複数の鋼板を重ねて配置し、さらに溶接トーチと反対側の下側鋼板に裏当金を接触配置して重ね溶接するアークスポット溶接方法であって、前記裏当金は、前記下側鋼板に対向して前記下側鋼板と接触しない非接触部と、前記下側鋼板に接触する接触部とを備え、前記接触部が裏面溶接ビードの円相当中心から3tを超える位置で下側鋼板と接触するように裏当金を配置し、溶接電圧が10V以下となる短絡通電時間が、通電1周期当たり30%超60%未満になるように、アーク発生及び短絡通電を交互に連続的に繰り返すことを特徴とするアークスポット溶接方法。
但し、tは前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚とする。
(2)アーク発生及び短絡通電を交互に連続的に繰り返すアークスポット溶接期間における平均溶接電圧(単位:V)/平均溶接電流(単位:A)の値が、0.07〜0.10(V/A)であることを特徴とする(1)に記載のアークスポット溶接方法。
(3)1周期を5msec〜20msecとし、当該1周期の間にアーク発生及び短絡通電を行うことを特徴とする(1)又は(2)に記載のアークスポット溶接方法。
(4)前記接触部は、前記下側鋼板の裏面と前記非接触部とのクリアランスを0.2t〜3tに維持することを特徴とする(1)〜(3)のうちいずれかに記載のアークスポット溶接方法。
(5)3t〜10tの円相当の溶接ビード径を有し、かつ、0.2t〜3tの余盛高さを有する裏面溶接ビードを形成することを特徴とする(1)〜(4)のうちいずれかに記載のアークスポット溶接方法。
(6)前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触を、点状接触、線状接触、及び、面状接触の少なくともいずれかであることを特徴とする(1)〜(5)のうちいずれかに記載のアークスポット溶接方法。
(7)前記裏面溶接ビードの円相当の溶接ビード径が5t超の裏面溶接ビードを形成する際に、前記裏当金を銅又は銅合金で形成し、前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触を面状接触とすることを特徴とする(1)〜(6)のうちいずれかに記載のアークスポット溶接方法。
(8)前記裏面溶接ビードの円相当の溶接ビード径が5t超の裏面溶接ビードを形成する際に、前記裏当金を鋼材で形成し、前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触を面状接触とすることを特徴とする(1)〜(6)のうちいずれかに記載のアークスポット溶接方法。(9)前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触面積を10cm以下とすることを特徴とする(1)〜(8)のいずれかに記載のアークスポット溶接方法。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載のアークスポット溶接方法を実行するアークスポット溶接装置であって、前記下側鋼板の裏面から離隔して配置される非接触部と、前記裏面溶接ビードの円相当中心から3t超の位置で下側鋼板の裏面と接触し、前記下側鋼板の裏面と前記非接触部との間に0.2t〜3tのクリアランスを維持する接触部とを備える裏当金を有することを特徴とするアークスポット溶接装置。
(11)前記アークスポット溶接装置は、溶接トーチと前記裏当金を備えた溶接ロボットであることを特徴とする前記(10)に記載のアークスポット溶接装置。
本発明によれば、様々な成分の高強度鋼板の溶接においても、溶接部の靱性や延性が低下することなく、TSSとCTSの両方が優れたアークスポット溶接継手が得られるので、自動車用部品の製造や車体の組立等の工程において本発明を適用することにより、より強度に優れた部材を製造することができ、自動車の安全性向上などに寄与することができる。
ガスメタルアーク溶接によるアークスポット溶接方法の一例を示す図である。 裏当金を使用しないアークスポット溶接方法の一例を示す図である。 凹みのない裏当金を使用したアークスポット溶接方法の一例を示す図である。 凹みのある裏当金を使用したアークスポット溶接方法の一例を示す図である。 凹みの直径を拡大した裏当金を使用したアークスポット溶接方法の一例を示す図である。 上側鋼板の溶接個所の貫通孔の有無の一例を示す図である。(a)は貫通孔であり、(b)貫通孔なしを示す図である。 垂直断面から見た形状が直方体状の凹みのある裏当金の一例を示す図である。(a)は裏当金の平面図と垂直断面図、(b)は(a)の裏当金を使用したアークスポット溶接後の断面図を示す図である。 半球状の凹みのある裏当金の一例を示す図である。(a)は裏当金の平面図と垂直断面図、(b)は(a)の裏当金を使用したアークスポット溶接後の断面図を示す図である。 裏当金の一例を示す図である。(a)は鋼板裏面と点状接触する接触部を有する裏当金の平面図と側面図、(b)は鋼板裏面と線状接触する接触部を有する裏当金の平面図と垂直断面図を示す図である。 鋼板裏面と面状接触する接触部を有する裏当金の一例を示す図である。(a)は矩形接触面の接触部を有する裏当金の平面図と垂直断面図、(b)は凹部を有する矩形状接触面の接触部を有する裏当金の平面図と垂直断面図である。 アークスポット溶接装置の一例を示す図である。 裏当金の設置角度調整手段の一例を示す図である。 上側鋼板の押さえ手段の一例を示す図である。 十字引張試験用の試験片を示す図である。 せん断引張試験用の試験片を示す図である。 鋼板の引張強度さに対する引張せん断強さ(TSS)と十字引張強さ(CTS)の関係を示す図である。 裏面溶接ビードが鋼板裏面に十分に融合しない状態を示す概略断面図である。 (a)は、標準的なアーク溶接法によって、溶融金属が鋼板裏面に溶け落ちて裏当て金の表面に接触する状態を示す概略断面図である。(b)は、本発明のアーク溶接方法によって、アークスポット溶接初期の溶融金属の溶け落ちが防止される状態を示す概略断面図である。 CMT電源を用いたアーク溶接における、電圧波形及び電流波形とアーク発生時間及び短絡通電時間との関係を示すグラフである。 溶接時の短絡時間率と融合不良発生の関係を示すグラフである。 鋼管内に裏当金を固定したアークスポット溶接方法の一例であって、溶接部分の拡大断面図である。
図1は、ガスメタルアーク溶接によるアークスポット溶接方法の一例を示す図である。このように、アークスポット溶接方法は、溶接しようとする鋼板1を2枚重ねて配置し、板面に対して垂直に、又は、ほぼ垂直に配置されたガスメタルアーク溶接トーチ2の溶接ワイヤ3からアークを発生させ、溶接ワイヤ3を送給しながら、2枚の鋼板を相互に溶接する方法である。適正な溶接部強度を確保するためには、所定の溶接ビード径W、余盛り高さhを形成する必要がある。
本発明は、このようなアークスポット溶接方法において、溶接トーチ側の鋼板を上側鋼板とし、溶接トーチ側の面を表面としたとき、下側鋼板の裏面に裏当金を配置して上側鋼板の表面から溶接する際に、裏当金の接触部と下側鋼板の裏面との接触位置を限定することを要件としている。
また、前記要件に加えて、本発明は、アーク溶接時におけるアーク発生時間と短絡通電時間の比率を一定の範囲に抑制することによって、当該アーク溶接時における平均的なアーク圧力を軽減することを要件としている。
本発明は、前記2つの要件により、所定の裏面溶接ビード径や余盛り高さを得ることができ、TSSとCTSの両方の強度に優れた溶接継手を得ることができるようにしたものである。
以下、本発明のアークスポット溶接方法について、図面を参照して詳細に説明する。
(裏当金の接触部と下側鋼板の裏面との接触位置の条件)
本発明者らは、溶接金属が溶け落ちやすいとされる0.3%Cを添加した板厚2mmの鋼板を対象に、アークスポット溶接を行った場合の裏面溶接ビードの形成現象について検討した。ここで、目標とする溶接ビード径は10mm(5t)、余盛り高さは1mm(t/2)とした。
まず、裏当金を使用せずに、アークスポット溶接を行った場合の裏面溶接ビードの形状について検討した。図2は、裏当金を使用しないアークスポット溶接方法の一例を示す図である。このように、裏当金を使用せずに、アークスポット溶接を行う場合、両方の鋼板を十分に溶融させようとすると、裏面溶接ビードが大きく垂れ下がり、目標とする余盛り高さが得られなかった。
次に、種々の形状の裏当金を使用して、アークスポット溶接を行った場合の裏面溶接ビードの形状について検討した。
図3は、凹みのない裏当金を使用したアークスポット溶接方法の一例を示す図である。このように、凹みのない裏当金4を下側鋼板裏面に密着させてアークスポット溶接すると、裏面溶接ビードは垂れ下がることができず、目標とする余盛り高さが得られなかった。また、裏当金による抜熱の影響で裏面溶接ビードの径が小さくなった。
図4は、凹みのある裏当金を使用したアークスポット溶接方法の一例を示す図である。図4は、裏面溶接ビード形状の適正化をはかるために、裏当金4の凹み部の直径を10mm、深さを1mmにした。このような凹みのある裏当金4を下側鋼板裏面に密着させてアークスポット溶接すると、余盛り高さが1mm程度に拡大し、目標とする余盛り高さが得られた。しかし、裏当金の抜熱の影響で裏面溶接ビード径は4mm程度と小さいままであった。
図5は、凹みの直径を拡大した裏当金を使用したアークスポット溶接方法の一例を示す図である。図5は、裏当金4と下側鋼板裏面との接触面積を小さくして、裏当金4の抜熱を抑えて、裏面溶接ビードの径を拡大するため、裏当金の凹み部の直径を15mmに拡大した。このような凹みのある裏当金4を下側鋼板裏面に密着させてアークスポット溶接すると、裏面溶接ビード径が10mm程度、余盛り高さが1mm程度と目標とした溶接部形状が得られた。
このように、目標とする裏面溶接ビード形状が得られたのは、裏当金に凹みを設けたことによるのではなく、凹みの直径を拡大したことによるのであり、溶融領域近傍における裏当金の抜熱が抑えられたためである。そうすると、裏当金の抜熱を抑えるには、裏当金と下側鋼板裏面とが接触しない形態とすることが考えられる。しかしながら、鋼板の支持、及び、裏当金の位置決めのため、裏当金と下側鋼板裏面とを接触させる必要がある。そこで、裏面溶接ビードから離れた位置で、裏当金の接触部と下側鋼板裏面とを接触させ、裏当金の抜熱を抑えるように、裏当金を配置することが有効である。
以上、検討結果をまとめると、以下の通りである。
裏当金の接触部が、目標とする裏面溶接ビードより外側の位置、すなわち、目標とする裏面溶接ビードの円相当中心から、それの円当相直径(W)程度以上の位置で、鋼板裏面と接触するように、裏当金を配置することで、目標とする裏面溶接ビード形状を得ることができる。ところで、本アークスポット溶接法において目標とする裏面溶接ビードの直径は板厚t(mm)(2枚以上の鋼板の板厚が異なる場合は表側鋼板もしくは裏側鋼板の薄い方の鋼板の板厚をtとする。)に対して3〜10tの範囲である。このため、下限である3tの溶接ビード直径を実現するためには、裏当金の接触部が裏面溶接ビードの円相当中心から少なくとも3tを超える位置に設定する必要がある。
(アーク発生条件)
前述したように、裏当金に設けられた凹みの直径を拡大することによって、溶融領域近傍における裏当金の抜熱が抑制され、裏面溶接ビード形状を拡大することが可能となる。しかし、設定する溶接条件によっては、図17に示すように、裏面溶接ビードが鋼板裏面に十分に融合しないで境界面が形成される融合不良30が生じる。特に、重ねられた下側鋼板の裏面と裏当金とのクリアランスがいずれかの鋼板の厚さtを超える場合、標準的な直流アーク溶接法やパルスマグ溶接法でアークスポット溶接を行うと、このような融合不良が生じやすくなる。
図18(a)は、標準的なアーク溶接法による溶接の初期における、溶接部分の状態を概略的に示す断面図である。図18(a)に示すように、標準的なアーク溶接法では、アークスポット溶接の初期において、溶融金属が鋼板裏面に溶け落ちて裏当て金の表面に接触し(符号40)、溶融金属が裏当て金に冷却されてしまう。このように、裏面溶接ビードの直径は拡大しても、裏面溶接ビードと鋼板裏面を溶融一体化させることができないため、十分な接合強度の向上効果が得られない。
溶融金属の溶け落ちは、溶融金属そのものの重力に加え、前述したアーク圧力が影響する。そこで、アーク溶接過程におけるアーク発生時間の比率を少なくすれば、平均的なアーク圧力が軽減され、図18(b)に示すようにアークスポット溶接初期の溶融金属の溶け落ちを防止することが可能となり、鋼板裏面を溶融させつつ裏面溶接ビード径を拡大できると考えた。図18(b)の場合、溶融金属が裏当て金の表面に接触する部分(符号50)は、最小限に抑制されるので、溶融金属の冷却を防止することができる。
アーク溶接過程におけるアーク発生時間の比率を少なくするためには、積極的に溶接ワイヤと母材を接触させ、短絡通電時間を増やすことが有効となる。その手段として、数10Hzのサイクルでアーク発生時間及び短絡通電時間を制御することのできるコールドメタル・トランスファー(Cold Metal Transfer)電源(以下、単に「CMT電源」という。)を用いて検討した。前記CMT電源は、図19に示すように、溶接ワイヤの送給を前進、後退と制御しつつアーク溶接を行うのもので、溶接条件の設定によって、アーク発生及び短絡通電を連続的に交互に行い、アーク発生時間及び短絡通電時間の比率を制御することができる。尚、前記短絡通電時間とは、溶接電圧が10V以下となる時間をいう。
本発明者らは、前記CMT電源を用いて、板厚1.0mm、1.6mm及び2.3mmの鋼板に対して各種の溶接を行い、溶接時の短絡時間率と融合不良発生の関係を調査した。その結果を図20に示す。図20中、「○」は裏面溶接ビードと鋼板裏面との溶融一体化を確認できる溶融状態が良好な溶接に対応し、「×」は裏面溶接ビードと鋼板裏面との間に境界面を確認できる溶融状態が不良の溶接に対応する。尚、図20に関し、「短絡時間率=0(%)」における溶接の評価は、パルスマグ溶接を用いて行い、0(%)<短絡時間率<30(%)の範囲における溶接の評価は、ショートアーク溶接を用いて行い、30(%)<短絡時間率の範囲における溶接の評価は、CMT溶接を用いて行った。
尚、前述の「短絡時間率」とは、溶接ワイヤ及び上側鋼板間のアーク発生と、溶接ワイヤ及び上側鋼板間の溶接電圧が10V以下となる短絡通電とを交互に連続的に繰り返し行う際、1回のアークスポット溶接におけるアーク発生時間及び短絡通電時間のうち、短絡通電時間が占める割合をいう。また、前記アーク発生及び前記短絡通電の交互の繰り返しを中断せずに連続して行なうことを本発明において「1回のアークスポット溶接」とする。
図20に示すように、短絡時間率が30%以上で裏面溶接ビード部に融合不良のない溶接部を作ることができた。しかし、短絡時間率を60%以上とすると溶接現象そのものが不安定となり溶接を実施することができなかった。よって、本発明において短絡時間率は、30%超60%未満に設定する必要がある。
溶接条件の観点では、短絡時間率が増加すると溶接電流に対する溶接電圧の比率が低下する。本発明の被溶接材のアークスポット溶接の溶接電流を150A〜250Aの範囲に設定する場合、短絡時間率が20%程度以下であれば、溶接電圧/溶接電流は0.11〜0.15程度になる。これに対して、前記溶接電流を前記範囲に設定し、且つ短絡時間率を30%以上に設定する場合、溶接電圧/溶接電流は0.07〜0.10の範囲となる。このように、融合不良のない溶接を行うには、短絡時間率の設定範囲に応じて溶接電圧/溶接電流の範囲を規定する必要がある。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明について、さらに、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
(被溶接材)
本発明のアークスポット溶接方法では、被溶接材である鋼板1として、どのような成分の鋼板でも用いることができる。特に、C量が0.2質量%以上の中高炭素鋼板では、溶融金属が、重ねられた鋼板の裏面に大きく垂れ下がりやすいので、本発明を用いることは有効である。
被溶接材である高強度鋼の鋼種や成分は、特に限定されず、たとえば、2相組織型(たとえば、フェライトとマルテンサイトを含む組織、フェライトとベイナイトを含む組織)、加工誘起変態型(フェライトと残留オーステナイトを含む組織)、微細結晶型(フェライト主体組織)等、いずれの型の鋼板であっても良い。いずれの鋼種からなる高強度鋼板であっても、本発明を適用することで、TSSとCTSの両方が優れたアークスポット溶接継手が得られる。
鋼板の板厚は、少なくとも重なり部の板厚が0.5〜3.0mmの範囲にある鋼板を対象とする。板厚が0.5mm未満では、基本的な部材としての強度や剛性が確保できない。一方、板厚が3.0mm超では高強度化と薄板化の両方を実現する目的を達成できない。
組み合わされる鋼板は、同一の鋼種や同一の板厚の板材に限定されるものではなく、上記C量の条件を満たしアークスポット溶接が可能なものであれば適宜組み合わせることができ、重ね合わせる枚数は限定されない。また、溶接される鋼板の形状も、少なくとも重ねられる部分が板状であればよく、全体が板でなくともよく、たとえば、鋼板から特定の形状に成形されたプレス部品なども含むものである。また、別々の鋼板を重ねる場合に限定されず、1枚の鋼板を管状などの所定の形状に成形して、端部を重ね合わせたものであってもよい。
(重ね部の形態)
図6は、上側鋼板の溶接個所の貫通孔の有無の一例を示す図である。2枚の鋼板の重なり部をアークスポット溶接により重ね溶接する場合、図6(a)のように溶接トーチに面する上側鋼板21の溶接個所に、予め貫通孔5を形成して溶接する方法と、図6(b)のように孔を形成しないで、単に重ねるだけで溶接する方法がある。本発明は、そのいずれの場合にも適用が可能である。
重ねられた下側鋼板22まで溶融させて、その下面(裏面)に十分な厚みの余盛部を形成するために、溶接トーチに面する上側鋼板21の板厚が1.6mm以上のときは、溶接個所に予め貫通孔5を形成してもよい。貫通孔5を形成しない場合には、溶接時間を長くして溶接入熱を増大させる必要があり、生産性が低下するという問題がある。一方、上側鋼板21の板厚が1.6mm未満のときは、アークによる鋼板の貫通が容易であるため、貫通孔5は特に不要である。しかし、とりわけ入熱を小さくする必要がある場合には、上側鋼板21の板厚が1.2mm未満であっても、貫通孔5を形成しても差し支えない。
貫通孔5を開ける場合には、上側鋼板21の板厚t1(mm)に対する貫通孔5の直径D(mm)の比(D/t1)が、10以下となるようにする。これにより、下側鋼板の裏面までビードを貫通させながら、安定してアークスポット溶接を行うことが可能となる。D/t1が10を超えると、貫通孔5の孔端を十分に溶融させるためには、トーチを大きな振れ幅で揺動させる必要が生じる。このため、溶接時間が長くなることや、溶接入熱が増大して、溶接変形が顕著になるおそれがある。あるいは、トーチを揺動させなければ、孔端を溶残し、特にCTSが低下する恐れがある。なお、貫通孔5をあけた効果を十分得るには、D/t1の値を1以上とするのが望ましい。
(溶接工程)
重ね合わされた鋼板を溶接する手順について、貫通孔5がある場合とない場合に分けて説明する。また、アークスポット溶接の工程は、1パスとしても、2パスに分けても構わない。1パスで行うときは、下側鋼板22の裏面まで溶融させて、裏面に必要な高さの余盛部を形成するとともに、上側鋼板21を溶かして上側の余盛部を形成する。2パスに分けるときは、第1溶接金属を形成する第1溶接パスを行い、次いで、第1溶接金属の表面が凝固した後、第1溶接金属上に第2溶接金属を同様にして形成する第2溶接パスを行う。
(1)上側鋼板に貫通孔がある場合
まず、貫通孔5を通して、溶接ワイヤから下側鋼板22の表面に向けてアークを発生させ、下側鋼板22を裏面まで溶融させると同時に、貫通孔5を溶融金属で埋めるようにして、アークスポット溶接継手を得る。
(2)上側鋼板に貫通孔がない場合
基本的な溶接手順や各溶接パスの条件は、貫通孔5を形成した場合と同じであるが、上側鋼板21を溶融させるために、同じ板厚同士で比較すると、貫通孔5を形成した場合よりも入熱量を高めて溶接する必要がある。
このため、溶接しようとする板材の板厚が厚くなると、裏面まで溶融させるために必要な入熱量が増大し、溶接金属の溶接変形が顕著になる場合がある。そこで、上側鋼板21に貫通孔5を形成しない場合は、比較的薄い板厚の鋼板で実施するのが好ましい。本発明者らの検討では、重ね合わされる板材の合計の板厚が約3mm以下では、広い入熱条件範囲で目標とする溶接金属の形状が得られることを確認している。
(溶接条件)
アークスポット溶接の際の電流、電圧条件は、アーク発生及び短絡通電を交互に行い、溶接ワイヤと上側鋼板との短絡通電時間が30%超60%未満になるように、溶接しようとする板材の厚みなどに応じて、適する条件を適宜採用すればよい。また、シールドガスの種類も特に限定されるものではなく、通常のArと30体積%以下のCOとの混合ガスが例示されるが、COガスの混合量を2〜20体積%とする場合には、特にビードの垂れ落ちを抑制することができるので、第1溶接パスはこのシールドガス条件で溶接するのが好ましい。
アークスポット溶接に用いる溶接ワイヤは、成分や直径等は特に限定されるものではなく、たとえば、JIS Z 3312やJIS Z 3313等で規定される溶接ワイヤ等、必要な継手強度に応じた強度の溶接金属が形成されるように、従来公知のものから選択して使用すればよい。
(ビード形状)
裏面に形成される溶接ビードの円相当の直径(ビード径)Wを、十字引張強さ(CTS)を向上させるために、板厚t(mm)に対して3t〜10t(mm)の範囲に形成する。なお、重ね合わされる複数の板材の板厚が同一でない場合は、tは最も薄い板材の板厚とする。溶接ビード径が3t未満では、ビードが小さくて板材の強度に見合った継手強度が得られない。強度を確保するためには、ビード径が大きい方が望ましく、前記直径Wが5t以上になるように形成することが好ましい。また、このビード径が10tを超える大きさでは、溶接時間が長くなり、入熱量の増加により溶接金属が垂れ下がり、溶接変形が顕著となるおそれがある。
裏面溶接ビードの余盛部の高さhは、鋼板の板厚t(mm)に対して0.2t(mm)以上3t(mm)以下に形成する。余盛部の高さが0.2t未満では、余盛部が低くて十分な継手強度が得られない。なお、重ね合わせる板材の板厚が異なる場合、tは最も薄い板材の板厚とする。強度を確保するためには、余盛り高さが大きい方が望ましく、前記高さhが0.5t以上になるように形成することが好ましい。但し、余盛部の高さが3tを超える大きさでは、溶接金属が垂れ下がり、溶接変形が顕著となる。
(裏当金)
裏当金は、鋼板裏面と接触する接触部が、目標とする裏面溶接ビードの円相当中心から、それの円相当直径(W)程度以上とすることが望ましく、直径3t以上の裏面ビードを形成することを前提に、裏面溶接ビードの円相当中心から鋼板裏面と接触する位置を3t超えとすることができる形状であれば、特に限定されない。以下に、本発明のアークスポット溶接で使用できる裏当金について、裏当金の凹みの形状、裏当金の接触部、裏当金の材質を順次説明する。
(1)裏当金の凹みの形状
裏当金の凹みの形状は、裏当金の垂直断面図において、矩形状、円弧状などいなかる形状も採用することができる。
図7は、垂直断面から見た形状が直方体状の凹みのある裏当金の一例を示す図である。図7(a)の上方の図は、裏当金の平面図であり、下方の図はA−A垂直断面図である。また、図7(b)には、(a)の裏当金を使用したアークスポット溶接後の断面図を示す。ただし、図7(b)は、図5と同一の図である。この裏当金4は、(a)の垂直断面図に示すように、凹み形状を矩形状にしている。また、裏当金4の接触部6と鋼板裏面が、裏面溶接ビードの円相当中心7から、3tより離れた位置で接触する形状としている。そのため、図5の説明において示したように、この裏当金を使用したアークスポット溶接では、目標とする溶接部形状が得られた。
図8は、半球状の凹みのある裏当金の一例を示す図である。図8(a)の上方の図は、裏当金の平面図であり、下方の図はA−A垂直断面図である。また、図8(b)は、(a)の裏当金を使用したアークスポット溶接後の断面図を示す。この裏当金4は、(a)の垂直断面図に示すように、凹み形状を円弧状にしている。そして、この裏当金4の、凹みの半径を3t程度以上とし、凹み深さDを0.2t程度の大きさにしてアークスポット溶接すると、裏面溶接ビード径が3t以上程度、余盛り高さが0.2t程度の目標とする裏面溶接部形状が得られた。さらに、(b)に示されるように、止端部の立ち上がり角が小さな裏面溶接ビード形状が得られた。
このように、垂直断面において、矩形状と円弧状の凹みのある裏当金4を使用して得られた裏面溶接ビードを比較すると、円弧状の凹みのある裏当金4を使用して得られた裏面溶接ビードの方が、止端部の立ち上がり角度が小さくなる。そして、裏面溶接ビードの止端部の立ち上がり角度が小さいと、疲労強度が向上するので、裏当金4の凹みを円弧状とすることが好ましい。
また、裏当金4の垂直断面図において、少なくとも裏面溶接ビードの円相当中心7と対向する、裏当金4の鋼板裏面と接触しない非接触部8と、接触部6との高さ方向の距離Dが、0.2t〜3tとなる裏当金形状にすることが好ましい。余盛り高さと距離Dとは概ね同等の値になるため、距離Dを0.2t〜3tとすることで、余盛り高さを目標とする0.2t〜3tにすることができる。
(2)裏当金の接触部
裏当金の接触部と鋼板裏面との接触は、点状接触、線状接触、又は、面状接触の少なくとも1つを採用することができる。
図9は、裏当金の一例を示す図である。図9(a)の上方の図は、鋼板裏面と点状接触する接触部を有する裏当金の平面図であり、下方の図は、その裏当金の側面図である。また、図9(b)は、鋼板裏面と線状接触する接触部を有する裏当金の平面図であり、下方の図は、その裏当金のA−A垂直断面図である。
図9(a)に示すように、裏当金4と鋼板裏面の接触を点状接触とすると、接触面積が小さくなり、溶融領域近傍における裏当金による抜熱が減少するため、裏面溶接ビードの径を目標の径に拡大することが容易にできる。この図では、円柱先端の半球状体の頂点を接触部6としたが、裏当金4として利用可能な強度を有すれば、接触部6を円錐状体の頂点とするなどいかなるものも採用できる。また、平面図で、接触部を3点としたが、4点以上で構成することもできる。
図9(b)に示すように、裏当金4と鋼板裏面の接触を線状接触とすると、点状接触より接触面積が大きくなるが、溶融領域近傍における裏当金による抜熱は十分減少するため、裏面溶接ビードの径を目標の径に拡大することができる。一方、接触部6の強度の点からすれば、線状接触とすることが好ましい。この図では、垂直断面図で直方体先端の円弧状体の頂点を接触部6としたが、裏当金として利用可能な強度を有すれば、接触部6を三角形状の頂点とするなどいかなるものも採用できる。また、平面図で、接触部6を2本の直線状としたが、3本以上で構成することも、折れ線や曲線とすることもできる。
図10は、鋼板裏面と面状接触する接触部を有する裏当金の一例を示す図である。図10(a)の上方の図は、矩形接触面の接触部を有する裏当金の平面図であり、下方の図は、その裏当金のA−A垂直断面図である。また、図10(b)は、凹部を有する矩形状接触面の接触部を有する裏当金の平面図であり、下方の図は、その裏当金のA−A垂直断面図である。
図7、図8及び図10に示す裏当金4は、いずれも、裏当金4と鋼板裏面の接触を面状接触とするものであるが、図7及び図8に示す裏当金4は、接触面が同一面でつながっているのに対して、図10に示す裏当金は、接触面が同一面で分かれている。このようにすることで、図7及び図8に示す裏当金4と比べ、図10に示す裏当金4の接触面積が小さくなり、溶融領域近傍における裏当金4による抜熱が減少するため、裏面溶接ビードの径を目標の径に拡大することができる。この図では、平面図で2面の矩形接触面を接触部6としたが、接触部6を3面以上とすることも、円状、三角状とすることもいかなるものも採用できる。
なお、図7〜図10に示した実施態様に限らず、種々の裏当金4の凹みの形状と接触部6の形態を組み合わせることも、1つ裏当金4において、点状接触、線状接触及び面状接触を組み合わせて採用することもできる。
(3)裏当金の材質
裏当金4は、銅又は銅合金、或いは鋼、セラミックスから形成することができる。また、銅又は銅合金の裏当金と鋼板との接触部に、熱伝導が低いセラミックスを配置するなどの組み合わせを採用することもできる。ただし、加工性の点から、銅又は銅合金が好ましい。
尚、アークスポット溶接後に裏当て金を取外さずに、鋼板、溶接ビード及び裏当て金を一体とした構造として使用する場合は、裏当て金の材質に鋼を使用しても良い。例えば、図21に示すように、鋼管60内に予め裏当金4を固定してアーク溶接をする場合、当該裏当金4を鋼製とすることが好ましい。なお、裏当て金の材質を鋼とする場合も、鋼板の裏面側の溶接ビード形状を拡大するために、前述したように、凹みの形状、裏当金の接触部を規定する必要がある。
また、裏面溶接ビードの円相当の直径(ビード径)Wが5t超10t以下となるように溶接する際は、裏当金4の材質を銅、銅合金又は鋼とし、裏当金4の接触部6と鋼板裏面の接触を面状接触とすることが好ましい。裏面溶接ビードの円相当径Wを大きくすると、裏当金4の接触部6の間の距離が離れるため、裏当金4の接触部6の強度が低下する。そのため、裏当金4の材質を銅、銅合金又は鋼とし、裏当金4の接触部6と鋼板裏面の接触を面状接触とすることが好ましい。
(裏当金の接触部と鋼板裏面の接触面積)
裏当金4の接触部6と鋼板裏面の接触面積を10cm以下とすることが好ましい。溶融領域近傍における裏当金4による抜熱を抑えて、目標とする裏面溶接ビード形状を容易に得るために、接触面積を小さくすることが好ましい。5cm以下とすることが更に好ましい。
(アーク発生及び短絡通電の条件)
前述したように、本発明において、溶接電圧が10V以下となる短絡通電時間が、通電1周期当たり30%超60%未満になるように、アーク発生及び短絡通電を中断せずに交互に連続的に繰り返すことが必要である。アーク発生及び短絡通電をこのように連続的に繰り返す期間、すなわち、1回のアークスポット溶接期間は、1秒以上3秒以下に設定することが好ましい。
本発明のアークスポット溶接方法は溶接状態を反映或いはフィードバックしながら実施しても良い。そのため、1回のアークスポット溶接期間における各周期のアーク発生期間は同一であっても異なっていても良く、1回のアークスポット溶接期間における各周期の短絡通電期間は同一であっても異なっていても良い。但し、各周期が5msec以上20msec以下になるように、各周期のアーク発生期間及び短絡通電期間を設定することが好ましい。
次に、本発明のアークスポット溶接装置について、図面を参照して詳細に説明する。
図11は、アークスポット溶接装置の一例を示す図である。自動車部材は、ほとんどの場合、溶接ロボットを用いて溶接されている。このため、裏当金4と溶接トーチ2が一体となった装置を用いて効率的な溶接作業を行うことが望ましい。図11に示すように、多関節ロボットの先端に一対の裏当金4と溶接トーチ2が設置されている。ロボットアーム9と裏当金4の相対位置は固定されている。ロボットアーム9の動作で裏当金4が所定の鋼板裏面位置に配置され、その後、溶接トーチ2が所定の位置まで下降して溶接される。
実際の部品を溶接する場合は、部材の精度不良により鋼板裏面と裏当金の間に隙間が生じることがある。図12は、裏当金の設置角度調整手段の一例を示す図である。このように、バネ10を介して鋼板裏面に対する裏当金4の設置角度を調整することができる。設置角度調整手段は、バネ10に限定されず、載置台を回転可能にするなど設置角度を調整できるものであればいかなる手段も採用できる。
図13は、上側鋼板の押さえ手段の一例を示す図である。このように、溶接トーチ2の下降に合せて上側鋼板21を押さえて、上側鋼板21と下側鋼板22を裏当金との間で挟むような手段を設けて、上側鋼板21と下側鋼板22の間の隙間をなくすことができる。上側鋼板21の押さえ手段11は、溶接トーチ2に設ける装置に限定されず、押さえ方向に移動可能なロボットアーム9に設ける装置など上側鋼板21を押さえることができるものであればいかなる手段も採用することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。表1に使用した高強度鋼板の板厚、引張強さ及び成分組成を示す。
表1に示す鋼板から試験用鋼板を切り出した。試験用鋼板裏面に銅の裏当金を配置し、鋼板に対して、表2−1に示す溶接入熱及び表2−2に示す溶接電流、溶接電圧、溶接時間、アーク発生及び短絡通電の条件にてアークスポット溶接を行い、試験番号1〜22の試験片を作製した。また、シールドガスとして、20体積%COガス、残部Arガスの混合ガスを用いた。試験番号1〜3は裏当金を用いずに作製された試験片であり、試験番号4〜17は銅製の裏当金を用いて作製された試験片であり、試験番号18〜22は鋼製の裏当金を用いて作製された試験片である。尚、試験番号1〜22のいずれの製造においても、アークスポット溶接期間の各周期のアーク発生期間及び短絡通電期間は、5msec以上20msec以下になるように設定された。
表2−1の項目「裏当金凹み半径」は、裏面溶接ビードの円相当中心から下側鋼板の裏面と接触する裏当金の接触部までの距離を示し、項目「裏当金凹み深さd」は、裏面溶接ビードの円相当中心と対向する裏当金の非接触部と、裏当金の接触部との高さ方向の距離(すなわち、下側鋼板と裏当金の非接触部間のクリアランス)を示す。また、表2−1の項目「鋼板裏面と裏当金の接触形態」において、「面接触」とは、図7に示されるように閉曲線で囲まれる凹みを有し、当該凹みの外周に沿って鋼板裏面と面接触する形状を有する裏当金を使用したことを意味する。「3点接触」とは、図9(a)に示されるように、その表面上の3箇所に立設された柱状の接触部6の頂部による3点支持で、鋼板裏面との間に「前記裏当金凹み深さd」のクリアランスを確保する構造の裏当金を使用したことを意味する。また、「2本の線接触」との記載は、図9(b)に示されるように、その表面上において一定の間隔を空けて互いに平行に立設された壁上の接触部6の頂部による支持であって、鋼板裏面との間に「前記裏当金凹み深さd」のクリアランスを確保する構造の裏当金を使用したものである。
Figure 2016056563
Figure 2016056563
Figure 2016056563
以上の試験片について、まず、溶接ビードの形状を目視で確認するとともに、裏面溶接ビード径W及び余盛り高さhを測定した。
銅製裏当て金を用いた場合の裏面溶接ビード径Wは、平面視において円相当直径を測定し、余盛り高さhは、平面視においてビード径が概略最大になる方向に溶接部を切断し、当該断面の写真を撮影した後、画像解析装置によって当該断面の最大高さを余盛高さとして求めた。一方、鋼製の裏当て金を用いた場合は、裏当て金が鋼板と溶融するため、裏当て金と溶接ビードが一体に形成される。このため、溶接部の断面画像を用いて、鋼板裏面における溶接ビード幅の最大値を求め、当該最大値を裏面溶接ビード径Wと定義し、最大溶融深さを余盛り高さhと定義した。
表3に、裏面溶接ビード径W、余盛り高さhを示す。
十字引張試験用の試験片は、スポット溶接継手の十字引張試験方法(JIS Z3137)に基づき、図14に示すような十字状に各鋼板を重ね合わせ、裏面に裏当金を配置し、アークスポット溶接法によって試験片を重ね溶接し、十字引張試験片を作製した。この際、溶接ワイヤとしてJIS Z3312に記載のYGW17を用いた。
また、せん断引張試験用の試験片も、同様に、スポット溶接継手のせん断引張試験方法(JIS Z3136)に基づき、図15に示すような平行に各試験片を重ね合わせ、裏面に裏当金を配置し、アークスポット溶接法によって試験片同士を溶接し、せん断引張試験片を作製した。
そして、十字引張試験片について、JIS Z3137に基づき、十字引張試験を実施し、十字引張強さ(CTS(単位 キロニュートン))を測定した。また、せん断引張試験片について、JIS Z3136)に基づき、せん断引張試験を実施し、せん断引張強さ(TSS(単位 キロニュートン))を測定した。表3に、十字引張強さ、せん断引張強さを示す。
表3に示す結果の内、試験番号1〜5、15〜19及び22は比較例であり、試験番号6〜14、20、21は発明例である。
試験番号6〜14の試験片は、凹み半径が3tより大きい銅製裏当て金を用いた作製された本発明例である。これらの発明例によれば、裏当金の接触部が、目標とする裏面溶接ビードの円相当中心から3t超の位置で鋼板裏面と接触するので、目標とする裏面溶接ビード径及び余盛り高さが得られ、十字引張強さ及びせん断引張強さの両方に優れた溶接継手が得られることが確認できた。また、試験番号20、21の試験片も本発明に規定された形状の鋼製裏当て金を用いて作製されているので、良好な十字引張強さ及びせん断引張強さが得られた。
一方、試験番号1の試験片は、裏面溶接ビードが形成されなかった。試験番号2及び3の試験片は、溶接金属が溶け落ちた。試験番号4及び5の試験片は、凹み半径が3tよりも小さい裏当金を用いて作製されている。このように、試験番号4及び5の試験片は、鋼板裏面と裏当金の接触部の接触位置が本発明で規定する範囲を満たさない条件で作製されているので、目標とする裏面溶接ビード径及び余盛り高さが得られず、十分な十字引張強さ及びせん断引張強さを有する溶接継手を得ることができなかった。
また、鋼製裏当て金を用いた試験番号18及び19の試験片は、凹み半径が3tよりも小さい裏当金を用いて作製されている。このように、試験番号18及び19の試験片は、鋼板裏面と裏当金の接触部の接触位置が本発明で規定する範囲を満たさない条件で作製されているため、裏面溶接ビード径が小さく、目標とする継手強度が得られなかった。なお、継手強度の判定は引張せん断荷重TSSで行い、JIS Z 3140で規定されるスポット溶接の引張せん断荷重(鋼)A級の2倍以上の値、すなわち板厚1.6mmの鋼板では20kN以上、板厚1mmの鋼板では10kN以上を合格とした。
試験番号15〜17及び22の試験片は、溶接条件における短絡時間率または溶接電流と溶接電圧の比が本発明の規定範囲を満たさない場合の結果を示す。試験番号15、16、22の試験片は短絡時間率が小さいため、溶接開始と同時に溶融金属が裏当て金に溶け落ちてしまい、裏面溶接ビードと鋼板裏面を溶融一体化が不十分になっていたため、十分な接合強度の向上効果が得られなかった。試験番号19は短絡時間率が大きいため、安定した溶接が実施できず、鋼板裏面が未溶融となり、十分な接合強度の向上効果が得られなかった。
Figure 2016056563
本発明によれば、様々な成分の高強度鋼板の溶接においても、溶接部の靱性や延性が低下することなく、TSSとCTSの両方が優れたアークスポット溶接継手が得られるので、自動車用部品の製造や車体の組立等の工程において本発明を適用することにより、より強度に優れた部材を製造することができ、自動車の安全性向上などに寄与することができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
1 鋼板(被溶接材)
21 上側鋼板 22 下側鋼板
2 溶接トーチ
3 溶接ワイヤ
4 裏当金
5 貫通孔
6 接触部
7 裏面溶接ビードの円相当中心
8 非接触部
9 ロボットアーム
10 バネ
11 押さえ手段
30 融合不良部分
40 裏当金に接触する溶融金属部分
50 溶融金属部分の最下部
W 裏面溶接ビード径
h 余盛り高さ
D 裏当金非接触部と鋼板裏面との間隔
WB 溶接ビード

Claims (11)

  1. 炭素を0.2質量%以上含有する複数の鋼板を重ねて配置し、さらに溶接トーチと反対側の下側鋼板に裏当金を接触配置して重ね溶接するアークスポット溶接方法であって、
    前記裏当金は、前記下側鋼板に対向して前記下側鋼板と接触しない非接触部と、前記下側鋼板に接触する接触部とを備え、前記接触部が裏面溶接ビードの円相当中心から3tを超える位置で下側鋼板と接触するように裏当金を配置し、
    溶接電圧が10V以下となる短絡通電時間が、通電1周期当たり30%超60%未満になるように、アーク発生及び短絡通電を交互に連続的に繰り返すことを特徴とするアークスポット溶接方法。
    但し、tは前記複数の鋼板のうち一番板厚が薄い鋼板の板厚とする。
  2. アーク発生及び短絡通電を交互に連続的に繰り返す期間におけるアークスポット溶接期間における平均溶接電圧(単位:V)/平均溶接電流(単位:A)の値が、1周期当たり0.07〜0.10(V/A)であることを特徴とする請求項1に記載のアークスポット溶接方法。
  3. 1周期を5msec〜20msecとし、当該周期の間にアーク発生及び短絡通電を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のアークスポット溶接方法。
  4. 前記接触部は、前記下側鋼板の裏面と前記非接触部とのクリアランスを0.2t〜3tに維持することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法。
  5. 3t〜10tの円相当径の溶接ビード径を有し、かつ、0.2t〜3tの余盛高さを有する裏面溶接ビードを形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法。
  6. 前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触を、点状接触、線状接触、及び、面状接触の少なくともいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法。
  7. 前記裏面溶接ビードの円相当の溶接ビード径が5t超の裏面溶接ビードを形成する際に、前記裏当金を銅又は銅合金で形成し、前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触を面状接触とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法。
  8. 前記裏面溶接ビードの円相当の溶接ビード径が5t超の裏面溶接ビードを形成する際に、前記裏当金を鋼材で形成し、前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触を面状接触とすることを特徴とする請求項1〜6のうちいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法。
  9. 前記接触部と前記下側鋼板の裏面の接触面積を10cm以下とすることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載のアークスポット溶接方法を実行するアークスポット溶接装置であって、
    前記下側鋼板の裏面から離隔して配置される非接触部と、前記裏面溶接ビードの円相当中心から3t超の位置で下側鋼板の裏面と接触し、前記下側鋼板の裏面と前記非接触部との間に0.2t〜3tのクリアランスを維持する接触部とを備える裏当金を有することを特徴とするアークスポット溶接装置。
  11. 前記アークスポット溶接装置は、溶接トーチと前記裏当金が搭載された溶接ロボットであることを特徴とする請求項10に記載のアークスポット溶接装置。
JP2016553122A 2014-10-06 2015-10-06 アークスポット溶接方法及びそれを実行する溶接装置 Active JP6260714B2 (ja)

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