JP2528089B2 - 制振鋼板の突合わせ溶接方法 - Google Patents

制振鋼板の突合わせ溶接方法

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JP2528089B2
JP2528089B2 JP3296457A JP29645791A JP2528089B2 JP 2528089 B2 JP2528089 B2 JP 2528089B2 JP 3296457 A JP3296457 A JP 3296457A JP 29645791 A JP29645791 A JP 29645791A JP 2528089 B2 JP2528089 B2 JP 2528089B2
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修二 大石
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振鋼板同士を互いに突
合わせ溶接するための溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、2枚の鋼板の間に薄いポリエステ
ルフィルムをサンドウィッチ状に挟み込んで強力に接着
した制振鋼板が、騒音を嫌う各種の製品に使用されるよ
うになってきており、例えばホッパ型の計量装置におい
ても、被計量物の投入に際して生じる音を減衰させるた
めに、ホッパ等を制振鋼板により形成するようにしたも
のが特開昭64−32123号公報により提案されてい
る。
【0003】ところが、この種の制振鋼板を互いに突合
わせ溶接しようとした場合には、溶接の際の熱が内部の
樹脂材を溶融させてしまうため、溶融時に発生したガス
がその圧力によって上下の鋼板を剥離させてしまう結
果、制振鋼板同士を確実に溶接一体化することができな
いといった問題が生じる。
【0004】このため、計量機のホッパをこの種の制振
鋼板により形成する場合には、端縁同士を重ね合わせて
接合する通常の溶接方法を採らなければならないが、こ
の溶接方法では、食品を扱う計量機にあっては、重ね合
わせ部分に残りかすが付着して衛生上好ましくない結果
を招くことになり、また、騒音を嫌う他の製品において
も、鋼板の一方の端縁が表面に露出してしまう関係上、
製品の外観を損ねたり、端縁に触れて怪我をするといっ
た不都合が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
剥離することなく同一平面上に制振鋼板を確実に突合わ
せ溶接することのできる新たな溶接方法を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明はこのよ
うな課題を達成するための制振鋼板の突合わせ溶接方法
として、はじめに、溶接媒体の溶け込み量に見合うギャ
ップをおいて同一平面上に相対向させた2枚の制振鋼板
を、スポット溶接により仮付けし、ついで、仮付けした
2枚の制振鋼板のギャップ部分とその近傍背面に不活性
気体を供給しつつ、このギャップ部分に沿って通常の溶
接に必要な電流のほぼ1/10の電流をもってアーク溶
接を施すようにしたものである。
【0007】
【実施例】そこで以下に図示した実施例について説明す
る。図1は、この突合わせ溶接の各工程を示したもので
あり、また図3は、溶接一体化された制振鋼板の突合わ
せ溶接物の断面を示したものである。
【0008】はじめに、図2によってこの溶接に使用さ
れる装置の概要を説明すると、突合わせ溶接を施す2枚
の制振鋼板P、Pを載置固定する平坦なクランプ台1に
は、その表面に、アルゴンガス等の不活性ガス供給源に
連通した上部開放型のバックガス供給溝2が溶接部位に
沿うようにして凹設されている。
【0009】このバックガス供給溝2は、アーク溶接の
際の雰囲気形成と、突合わせ溶接の際に生じる制振鋼板
P内部の樹脂ガスの排出と、制振鋼板Pの溶接部端縁近
傍の冷却を図るもので、この流路2は毎分8l程度のバ
ックガスを流すことができる程度の広い断面を有し、か
つ、各制振鋼板P、Pの溶接部近傍背面を板厚tのほぼ
3倍の巾にわたって冷却することができるような巾Wを
持つように形成されている。
【0010】一方、図中符号4、4は、このバックガス
供給流路2の上に溶接端縁を位置させた状態で2枚の各
制振鋼板P、Pを強固に固定する一対のクランプ部材
で、これらの相対向する内端面はバックガスの流れを阻
害しないよう外向きに傾斜した面として形成され、また
これらのクランプ部材4、4は、制振鋼板Pの溶接及び
冷却を阻害しないよう板厚のほぼ5倍のギャップBをも
って、それぞれの制振鋼板P、Pをクランプするように
構成されている。
【0011】他方、この溶接に使用されるトーチ6に
は、通常の溶接のほぼ1/10の電流が供給されるよう
に構成され、かつ回転角がほぼ10°になるよう下向き
に支持された上、溶接縁に沿って毎分10cmの速度で
移動するように構成されている。
【0012】つぎにこの装置を用いた制振鋼板Pの突合
わせ溶接の各工程を図1よって説明する。はじめに、突
合わせ溶接すべき2枚の制振鋼板P、Pを、通常の鋼板
の突合わせ溶接において必要とするギャップより大きな
ギャップδを隔てて同一平面上に対向位置させた上、こ
れらの溶接端縁の複数個所をスポット溶接により部分的
に溶接Sする。
【0013】両制振鋼板P、P間に設けるギャップδ
は、上下の鋼板Pa、Paの溶け込み量ばかりでなく、
ワイヤ7の溶け込み量を見込んで設定されるが、このギ
ャップδは、制振鋼板Pの板厚tにほぼ等しい距離とす
るのが望ましく、また部分的な溶接Sについては、制振
鋼板P、P相互の仮付けのほかに、本溶接の際に制振鋼
板P、P同士が接近して、両者の間に所要のギャップδ
が維持されなくなるのを抑える役割を持つ。
【0014】つぎにこのように仮付けされた制振鋼板
P、Pは、溶接部をバックガス供給溝2上に位置させる
ようにして、クランプ台1上にクランプ部材4により強
固にクランプした上、アルゴンガス等の不活性ガスを溶
接部の裏面からギャップδを通して表面へと流しつつ、
その雰囲気下でトーチ6からのアークにより両制振鋼板
P、Pに溶接を施してゆく。
【0015】この溶接に当っては、トーチ6の先端と制
振鋼板Pとの間に2mm程度のギャップが形成されるよう
に、かつ前進角が10°程度になるようトーチ6を下向
きに支持した上、これを毎分10cm程度の速度で移動さ
せながら、通常の溶接に必要な電流の1/10程度の電
流、すなわち10A前後の電流をもって溶接部を溶接し
てゆく。
【0016】この溶接により、溶接部分では、鋼板P
a、Pa間に積層された樹脂層Pbが瞬間的に溶融する
が、この際、端面から流出したガスは、ギャップδ内を
流れる不活性ガスにより直ちに外部へ排出されるため、
上下の鋼板Pa、Paは、剥離することなく溶融一体化
された上、これらの制振鋼板P、Pは、ワイヤ7ととも
に溶融して、図3に示したように一体的に接合する。
【0017】またこの溶接の際、溶接部位の近傍は、背
面を流れる不活性ガスに接触して冷却作用を受けている
ため、溶接部位を除く他の部分は、図3に見られるよう
に、そのまま制振鋼板Pとしての積層構成C、Cを維持
し、また溶接部位においては、端縁に、樹脂層Pbが消
失して上下の鋼板Pa、Paが一体となった鋼板部分
B、Bが形成され、これらの部分B、Bがワイヤ7と溶
融して一体化された融着部分Aとなって、強固に接合さ
れる。
【0018】(実施例)0.4mmの2枚の鋼板(SUS
−304)と、その間に積層された樹脂とにより板厚が
0.85mmの2枚の制振鋼板を、間に1mmのギャップを
設けてスポット溶接により仮止めし、ついで溶接部位の
背面とギャップ部分にアルゴンと7%の水素ガスよりな
る不活性ガスを供給しつつ、MP5−13のトーチを用
いて、これに7〜8Aの電流を印加した上、トーチを手
動で毎分10cm程度の速度で移動させながら1.8mm径
のフライワイヤにより両制振鋼板を突合わせ溶接したと
ころ、図4乃至図6に見られるように、上下の鋼板を剥
離させることなく2枚の制振鋼板を強固に突合わせ溶接
することができた。
【0019】また、このようにして溶接一体化した制振
鋼板を縦54mm横45mmに切断し、さらに溶接部位には
両側からそれぞれ10Rの切欠きを入れて中央に巾15
mmの溶接部を残したテストピースを形成し、これを通常
の8mm厚鋼板(SUS304)を突合わせ溶接した同形
のテストピースとともに引張試験機により強度試験を行
った。
【0020】この結果、通常の鋼板では材料自体の持つ
53Kgf/mm2 以上の強度を示したが、制振鋼板の場合
には50Kgf/mm2 程度の荷重で破断した。また、破断
状態について調べたところ、通常の鋼板の場合には、溶
接部分で切断したのに対し、上述した溶接方法により接
合した制振鋼板の場合には、溶接部と非溶接部の境の部
分で千切れるように切断した。
【0021】このことから、通常の鋼板に比べてほぼ同
厚の制振鋼板は、それ自体強度が若干劣るものの、この
突合わせ溶接をした部分についての強度は、通常の鋼板
の突合わせ溶接部より遥かに強く接合されることが判っ
た。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、溶接
媒体の溶け込み量に見合うギャップをおいて、相対向さ
せた2枚の制振鋼板を複数個所でスポット溶接により仮
付けし、ついでこの突合わせギャップ部分とその近傍背
面に不活性気体を供給しながら、この突合わせ部分に通
常の溶接のほぼ1/10の電流をもってアーク溶接を施
して2枚の制振鋼板を突合わせ溶接するようにしたの
で、スポット溶接により本溶接中におけるギャップの収
縮を抑えながら、制振鋼板内で発生する樹脂ガスを円滑
に排出させて鋼板相互の剥離を未然に防ぐとともに、こ
のギャップ内に流入した溶接媒体と、制振鋼板自体とを
強固に溶融一体化することができる。
【0023】しかも、制振鋼板の突合わせギャップ近傍
背面に不活性ガスを接触させてその部分を冷却するよう
にしたので、溶接部を除く他の部分の加熱を防いで制振
鋼板自体の変質を溶接部位だけに止どめる突合わせ接合
を可能となして、外観上の有位性と各種製品の騒音防止
効果を最大限に発揮させることができる。
【0024】また、このようにして接合された制振鋼板
の突合わせ溶接物は、接合部分に樹脂層が消失した鋼板
部分が形成されて、これらの部分が溶接媒体とともに溶
融一体化されるため、溶接部分はきわめて強固に溶接一
体化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明の一実施例をなす突合わ
せ溶接の各工程を示した説明図である。
【図2】本発明方法に使用される装置の一例を示した構
成図である。
【図3】本発明方法によって突合わせ溶接された部分の
断面を示した図である。
【図4】突合わせ溶接部分の断面を顕微鏡撮影によって
表わした図である。
【図5】図4のA部分を顕微鏡撮影によって表わした図
である。
【図6】図4のB部分を顕微鏡撮影によって表わした図
である。
【符号の説明】
1 クランプ台 2 バックガス供給溝 4 クランプ部材 6 トーチ 7 ワイヤ P 制振鋼板 Pa 鋼板 Pb 樹脂層 δ 突合わせギャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 15/08 B32B 15/08 K F16F 15/02 9138−3J F16F 15/02 Q

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接媒体の溶け込み量に見合うギャップ
    をおいて同一平面上に相対向させた2枚の制振鋼板を、
    スポット溶接により仮付けする第1の工程と、 仮付けした2枚の制振鋼板の上記ギャップ部分とその近
    傍背面に不活性気体を供給しつつ、該ギャップ部分に沿
    って通常の溶接に必要な電流のほぼ1/10の電流をも
    ってアーク溶接を施す第2の工程と、 からなる制振鋼板の突合わせ溶接方法。
JP3296457A 1991-10-16 1991-10-16 制振鋼板の突合わせ溶接方法 Expired - Lifetime JP2528089B2 (ja)

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