JP3547776B2 - 亜鉛メッキ鋼板のtig溶接方法 - Google Patents

亜鉛メッキ鋼板のtig溶接方法 Download PDF

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は亜鉛メッキを施した防錆鋼板の重ね溶接継手等において、常に良好な溶接部を得るためのTIG溶接方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、亜鉛メッキを施した防錆鋼板(以下、亜鉛メッキ鋼板という)が、自動車用外装鋼板として広く使われるようになってきている。一般には、これらの亜鉛メッキ鋼板の溶接は、MAG/CO2 溶接法等の消耗電極方式の溶接方法が使われる。しかし、亜鉛メッキ鋼板をこれらの消耗電極方式の溶接方法で溶接すると溶接中にスパッタの発生が避けられず、スパッタが周辺治具、溶接ノズル等に付着してこれが問題になる。溶接治具に、スパッタ付着防止のための耐スパッタ対策が必要で、治具のコストが高くなるだけでなく、定期的にスパッタ除去作業が必要でメンテナンスに手間がかかる。また、溶接ノズルに付着したスパッタが多くなると、シールド不良によるブローホールが多発する等の問題も生じる。
【0003】
一方、非消耗電極のTIG溶接では原理的にスパッタの発生がないので亜鉛メッキ鋼板の溶接に適した溶接方法といえる。しかし、亜鉛メッキ鋼板のTIG溶接においては、タングステン電極(以下電極という)が汚損しやすく、図1に示すように、タングステン電極1の変形が生じると良好な溶接ができなくなる。従って、電極を頻繁に交換する必要があり、作業効率が著しく低下する。又、溶け落ちも生じたりすることがあり問題となっている。
【0008】
亜鉛メッキ鋼板のTIG溶接において、タングステン電極の汚損を防止するために、パルス波形の電流を通電するパルスTIG溶接方法で溶接すると、溶融池内に過剰に投入されるアーク入熱を抑制することによって電極の消耗を減少させようとする試みが行われている。しかし、この方法では、溶融金属の熱慣性の観点から入熱制御に有効な周波数は10Hz以下の低周波数であり、40cm/分を越える溶接速度になると、連続した均一な溶接ビードを得ることができないことがあり、しばしば不揃いビートが生じたりする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来技術の問題を解決するために、本発明者はTIG溶接中の電極の汚損がどのようにして起こるか高速度写真撮影装置等を用いて調査し、次のような原因究明した。
【0010】
図2(A)乃至(F)は、板厚1.5mm及び3mmの亜鉛メッキ鋼板の重ね溶接継手において、従来技術のTIG溶接方法で溶接するときの状態を示す図である。同図(C)乃至(F)は、高速度写真撮影によって判明した現象であって、溶接中に沸点が低い亜鉛を含んだ溶融池が沸騰して、溶接金属がタングステン電極に付着する現象についての時間経過を示す図である。同図(A)は、その場合のアーク電圧の時間経過を示す図であり、同図(B)は、溶接電流の時間経過を示す図である。
【0011】
同図(A)の時刻t1 に示す安定な状態においては、同図(C)に示すように、溶融池3における溶融金属の表面張力とアーク2のアーク力とのバランスによって平衡が保たれ、タングステン電極1と溶融池3との距離で示されるアーク長L1は一定であり、同図(A)及び(B)に示すように、アーク電圧及び溶接電流は常に一定値に維持されている。しかし、重ね継ぎ手のすみ肉溶接等において、板が重なっている部分の亜鉛メッキがアークによって加熱されると、亜鉛は沸点が910℃と低いので瞬時に溶融し沸騰して亜鉛蒸気となり、溶融池内に侵入する。溶融池にアーク入熱が投入され続けると、侵入した亜鉛蒸気は膨張して溶融池表面から吹き出る。この時に、溶融地表面が振動し、その結果、溶融池表面の高さが高くなる。同図(D)に示すように、アーク長L2は短くなりアーク電圧が降下する。このようにアーク長が短くなると、ほとんどの場合、同図(E)に示すように、溶融池が沸騰しているために、溶融金属が電極に付着し、電極と溶融池とが短絡するので、電極が汚損して変形することがわかった。
【0012】
また、この場合、電極と溶融池との短絡が破れてアークが再生する時に、アークが電極の上の方から発生しやすく、同図(A)に示すように、アーク再生時の電圧が高くなるために、溶接入熱が過大となるので、同図(F)に示すような溶け落ちが生じることが多い。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明のTIG溶接方法は、溶接中に発生する沸騰現象が生じ初めて、溶融池の振動が大きくなる前に、電圧降下が2〜3V程度生じることを検出して、この検出信号によって溶接電流を、一時的に例えば5〜10msの期間だけ、アークを維持できる低い電流値に減少させるか、又は溶接電流を零にすることによって、沸騰現象を抑制しながらTIG溶接する亜鉛メッキ鋼板のTIG溶接方法である。
【0030】
【実施例】
(図3の説明)
図3(A)乃至(F)は、板厚1. 5mm及び3mmの亜鉛メッキ鋼板の重ね溶接継ぎ手において、本発明におけるTIG溶接方法で、溶接するときの状態を示す図である。同図(C)乃至(F)は、溶接中の現象の時間経過を示す図であり、同図(A)はその場合のアーク電圧の時間経過を示す図であり、同図(B)は、溶接電流の時間経過を示す図である。
【0032】
同図(A)の時刻t1 に示す安定な状態においては、同図(C)に示すように、溶融池3における溶融金属の表面張力とアーク2のアーク力とのバランスによって平衡が保たれ、電極と溶融池表面との距離で示されるアーク長L1は一定であり、同図(A)及び(B)で示すように、アーク電圧及び溶接電流は一定に維持されている。しかし、前述したように、溶融池内の亜鉛蒸気の膨脹によって溶融池が振動して表面高さが高くなると、TIG溶接電源が定電流特性であるために、アーク長L3が短くなってアーク電圧も低下する。この時、同図(A)の時刻t2 に示すように、低下したアーク電圧を検出して、同図(B)の時刻t2 に示すように、溶接電流を低下させると、同図(F)に示すように、溶接電流の低下直後の溶融池の沸騰現象を抑制することができので、アーク長L4も、略アーク長L1と同等に回復することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の亜鉛メッキ鋼板のTIG溶接方法は、沸点が低い亜鉛を含んだ溶融池の沸騰現象が生じ始め、溶融池の振動が大きくなる前に電圧降下を検出して信号を出力し、この検出信号によって溶接電流を一時的に低い電流値に減少させるか又は溶接電流を零にすることによって、電極の汚損及び溶け落ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来技術においてタングステン電極が汚損し、変形した場合の外観形状の図である。
【図2】図2は、従来技術の溶接方法で溶接中のアーク電圧及び溶接電流の時間的経過を示す図及び従来技術の溶接方法で溶接中におけるタングステン電極の外観形状と溶融池形状との時間経過に伴う変化を示す図である。
【図3】図3は、本発明の溶接方法で溶接中のアーク電圧及び溶接電流の時間的経過を示す図及び本発明の溶接方法で溶接中におけるタングステン電極の外観形状と溶融池形状との時間経過に伴う変化を示す図である。
【符号の説明】
1 タングステン電極
2 アーク
3 溶融池
4 溶接ビード
E アーク電圧(値)
I 溶接電流(値)
L1 溶融地が沸騰していない安定状態のアーク長
L2 溶融地が沸騰したときのアーク長(L2<L1)
L3 溶融地が沸騰し始めたときのアーク長(L3<L1)
L4 溶融地の沸騰を抑制したときのアーク長(L4▲6▼L1)
t1 、t2 、t3 、t4 、 tの時間的経過における各時刻

Claims (1)

  1. 溶融池へのアーク入熱が継続し、亜鉛蒸気が膨張して溶融池表面から吹き出て溶融池表面が振動し、溶融池表面の高さが高くなってアーク長が短くなる沸騰現象が生じ初めて、溶融池の振動が大きくなる前に、アーク電圧降下を検出して信号を出力し、この検出信号によって、溶接電流を一時的に低い電流値に減少させるか又は溶接電流を一時的に零にすることによって、沸騰現象を抑制しながらTIG溶接する亜鉛メッキ鋼板のTIG溶接方法。
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