JP2003334657A - 亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接方法 - Google Patents
亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車ボディに使用される2枚以上の薄板亜
鉛メッキ鋼板の重ね合わせ継手のアークスポット溶接に
おいて、被溶接材間のギャップ、溶接個所等によって下
板2eへの熱伝導状態が変化するために溶け込みが変動
する。また、溶接部の温度上昇によって被溶接材の亜鉛
が蒸発して亜鉛蒸気が発生し、アーク発生状態が不安定
になり溶け落ち等の溶接欠陥が発生しやすくなる。 【解決手段】 本発明は、最下層の被溶接材より上に重
ねた被溶接材に予め溶接穴を設け、この溶接穴部をシリ
コン−銅系ブレージングワイヤ1aを用いた交流ミグブ
レージングPSによってアークスポット溶接する。上記
溶接穴部に溶融したブレージングワイヤ1aが充填する
ことで広い溶着面積を確保して十分な接合強度を得る。
かつ、溶接部の温度を低くして亜鉛蒸気の発生を抑制す
るために、溶融温度の低い上記ワイヤ1a及び低入熱の
交流ミグブレージングを用いる。
鉛メッキ鋼板の重ね合わせ継手のアークスポット溶接に
おいて、被溶接材間のギャップ、溶接個所等によって下
板2eへの熱伝導状態が変化するために溶け込みが変動
する。また、溶接部の温度上昇によって被溶接材の亜鉛
が蒸発して亜鉛蒸気が発生し、アーク発生状態が不安定
になり溶け落ち等の溶接欠陥が発生しやすくなる。 【解決手段】 本発明は、最下層の被溶接材より上に重
ねた被溶接材に予め溶接穴を設け、この溶接穴部をシリ
コン−銅系ブレージングワイヤ1aを用いた交流ミグブ
レージングPSによってアークスポット溶接する。上記
溶接穴部に溶融したブレージングワイヤ1aが充填する
ことで広い溶着面積を確保して十分な接合強度を得る。
かつ、溶接部の温度を低くして亜鉛蒸気の発生を抑制す
るために、溶融温度の低い上記ワイヤ1a及び低入熱の
交流ミグブレージングを用いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2枚以上の薄板亜
鉛メッキ鋼板の重ね合わせ継手のアークスポット溶接方
法に関し、特に、シリコン−銅系ブレージングワイヤを
用いた交流ミグブレージングによるアークスポット溶接
方法に関する。
鉛メッキ鋼板の重ね合わせ継手のアークスポット溶接方
法に関し、特に、シリコン−銅系ブレージングワイヤを
用いた交流ミグブレージングによるアークスポット溶接
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ボデイの接合方法としては、従来
から2枚以上の薄板亜鉛メッキ鋼板を重ね合わせた溶接
継手を抵抗スポット溶接によって接合するのが主流であ
る。しかし、抵抗スポット溶接は、抵抗スポット溶接ガ
ン、抵抗スポット溶接電源装置等が高価であるために設
備費用が高額になるという欠点がある。さらに、自動車
ボデイの底部を接合する場合、抵抗スポット溶接ガンが
溶接部に入り込めるようにピットと呼ばれる挿入穴を工
場床面に設けなければならず、溶接装置の設置方法が制
約されるという欠点もある。また、図5に示す自動車ボ
ディの接合において、溶接部2aの位置によっては抵抗
スポット溶接ガン4によるクランプができないために、
自動車ボディの外板2cに予め抵抗スポット溶接ガン4
を通すための挿入穴2bを設けておく必要がある。この
ために、抵抗スポット溶接では、自動車ボディの設計に
制約が生じるという欠点もある。
から2枚以上の薄板亜鉛メッキ鋼板を重ね合わせた溶接
継手を抵抗スポット溶接によって接合するのが主流であ
る。しかし、抵抗スポット溶接は、抵抗スポット溶接ガ
ン、抵抗スポット溶接電源装置等が高価であるために設
備費用が高額になるという欠点がある。さらに、自動車
ボデイの底部を接合する場合、抵抗スポット溶接ガンが
溶接部に入り込めるようにピットと呼ばれる挿入穴を工
場床面に設けなければならず、溶接装置の設置方法が制
約されるという欠点もある。また、図5に示す自動車ボ
ディの接合において、溶接部2aの位置によっては抵抗
スポット溶接ガン4によるクランプができないために、
自動車ボディの外板2cに予め抵抗スポット溶接ガン4
を通すための挿入穴2bを設けておく必要がある。この
ために、抵抗スポット溶接では、自動車ボディの設計に
制約が生じるという欠点もある。
【0003】そこで、溶接部を抵抗スポット溶接ガンに
よってクランプする必要がない図6に示す消耗電極式ア
ークスポット溶接の適用が試みられるようになった。同
図に示すように、溶接トーチ5を通って溶接ワイヤ1が
送給されて、溶接ワイヤ1と被溶接材の上板2dとの間
にアーク3が発生し、溶融池6が形成される。この溶融
池6からの熱によって被溶接材の下板2eを溶融させ
て、溶け込み7を形成する。この溶け込みの程度を表わ
すために、一般的に同図に示すナゲット径Dnが使用さ
れる。このナゲット径Dnが適正値であれば、重ね合わ
せ継手の強度は十分なものになる。しかし、このナゲッ
ト径Dnが適正値でない場合には、強度は不十分となり
溶接品質は不良となる。
よってクランプする必要がない図6に示す消耗電極式ア
ークスポット溶接の適用が試みられるようになった。同
図に示すように、溶接トーチ5を通って溶接ワイヤ1が
送給されて、溶接ワイヤ1と被溶接材の上板2dとの間
にアーク3が発生し、溶融池6が形成される。この溶融
池6からの熱によって被溶接材の下板2eを溶融させ
て、溶け込み7を形成する。この溶け込みの程度を表わ
すために、一般的に同図に示すナゲット径Dnが使用さ
れる。このナゲット径Dnが適正値であれば、重ね合わ
せ継手の強度は十分なものになる。しかし、このナゲッ
ト径Dnが適正値でない場合には、強度は不十分となり
溶接品質は不良となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の亜鉛メッキ鋼板
重ね合わせ継手のアークスポット溶接では、アークによ
って重ね合わせ継手の上板が溶融して溶融池を形成し、
この溶融池からの熱によって下板の溶け込み(ナゲット
径)を形成する。したがって、被溶接材の上板と下板と
の隙間(ギャップ長)によって溶融池から下板への熱の
伝導状態が変化するために、ナゲット径が変動すること
になる。さらに、溶接個所が被溶接材の中央部であるか
端部であるかによって、又は1個所目の溶接であるかn
個所目の溶接であるかによって、溶融池から下板への熱
の伝導状態が変化するために、ナゲット径が変動するこ
とになる。特に、自動車ボディの接合では、被溶接材の
ギャップ長がランダムに変化しており、適正なナゲット
径を得るための溶接条件範囲が非常に狭く実用には至っ
ていない。
重ね合わせ継手のアークスポット溶接では、アークによ
って重ね合わせ継手の上板が溶融して溶融池を形成し、
この溶融池からの熱によって下板の溶け込み(ナゲット
径)を形成する。したがって、被溶接材の上板と下板と
の隙間(ギャップ長)によって溶融池から下板への熱の
伝導状態が変化するために、ナゲット径が変動すること
になる。さらに、溶接個所が被溶接材の中央部であるか
端部であるかによって、又は1個所目の溶接であるかn
個所目の溶接であるかによって、溶融池から下板への熱
の伝導状態が変化するために、ナゲット径が変動するこ
とになる。特に、自動車ボディの接合では、被溶接材の
ギャップ長がランダムに変化しており、適正なナゲット
径を得るための溶接条件範囲が非常に狭く実用には至っ
ていない。
【0005】さらに、従来技術の亜鉛メッキ鋼板重ね合
わせ継手のアークスポット溶接では、溶接部の温度が高
いために被溶接材の亜鉛メッキ鋼板の亜鉛が蒸発して激
しく噴出する亜鉛蒸気が発生する。この亜鉛蒸気によっ
てアーク発生状態が不安定になり、図7(A)に示す溶
け落ち、図7(B)に示す上板の穴あき等の溶接欠陥が
発生しやすくなる。
わせ継手のアークスポット溶接では、溶接部の温度が高
いために被溶接材の亜鉛メッキ鋼板の亜鉛が蒸発して激
しく噴出する亜鉛蒸気が発生する。この亜鉛蒸気によっ
てアーク発生状態が不安定になり、図7(A)に示す溶
け落ち、図7(B)に示す上板の穴あき等の溶接欠陥が
発生しやすくなる。
【0006】そこで、本発明では、被溶接材のギャップ
長、溶接個所等に影響されることなく適正なナゲット径
を安定して形成することができき、かつ、亜鉛蒸気によ
る溶け落ち、上板の穴あき等の溶接欠陥の発生を防止す
ることができる亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアーク
スポット溶接方法を提供する。
長、溶接個所等に影響されることなく適正なナゲット径
を安定して形成することができき、かつ、亜鉛蒸気によ
る溶け落ち、上板の穴あき等の溶接欠陥の発生を防止す
ることができる亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアーク
スポット溶接方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、2枚
以上の薄板亜鉛メッキ鋼板の重ね合わせ継手のアークス
ポット溶接方法であって、最下層の被溶接材より上に重
ねた被溶接材に予め溶接穴を設け、この溶接穴部をシリ
コン−銅系ブレージングワイヤを用いた交流ミグブレー
ジングによってアークスポット溶接することを特徴とす
る亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接
方法である。
以上の薄板亜鉛メッキ鋼板の重ね合わせ継手のアークス
ポット溶接方法であって、最下層の被溶接材より上に重
ねた被溶接材に予め溶接穴を設け、この溶接穴部をシリ
コン−銅系ブレージングワイヤを用いた交流ミグブレー
ジングによってアークスポット溶接することを特徴とす
る亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接
方法である。
【0008】請求項2の発明は、上記溶接穴のサイズ
を、要求される被溶接材の接合強度に応じて定める請求
項1記載の亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポ
ット溶接方法である。
を、要求される被溶接材の接合強度に応じて定める請求
項1記載の亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポ
ット溶接方法である。
【0009】請求項3の発明は、上記溶接穴の加工を、
被溶接材のプレス成形加工時に同時に行う請求項1又は
請求項2記載の亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアーク
スポット溶接方法である。
被溶接材のプレス成形加工時に同時に行う請求項1又は
請求項2記載の亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアーク
スポット溶接方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係るアクスポット溶接装置の構成図である。以下、
同図を参照して説明する。溶接電源装置PSは、溶接電
圧Vw及び溶接電流Iwを出力すると共に、ワイヤ送給
モータWMの回転を制御するための送給制御信号Fcを
出力する。アークスポット溶接であるので、予め定めた
一定時間だけ上記の溶接電圧Vw及び溶接電流Iwが出
力されると共に、ブレージングワイヤ1aを送給する。
ブレージングワイヤ1aは、上記のワイヤ送給モータW
Mに直結された送給ロール8の回転によって溶接トーチ
5を通って送給されて、被溶接材2d、2eとの間にア
ーク3が発生する。上記の本発明の構成要素は、下記の
ように限定されたものである。
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形
態に係るアクスポット溶接装置の構成図である。以下、
同図を参照して説明する。溶接電源装置PSは、溶接電
圧Vw及び溶接電流Iwを出力すると共に、ワイヤ送給
モータWMの回転を制御するための送給制御信号Fcを
出力する。アークスポット溶接であるので、予め定めた
一定時間だけ上記の溶接電圧Vw及び溶接電流Iwが出
力されると共に、ブレージングワイヤ1aを送給する。
ブレージングワイヤ1aは、上記のワイヤ送給モータW
Mに直結された送給ロール8の回転によって溶接トーチ
5を通って送給されて、被溶接材2d、2eとの間にア
ーク3が発生する。上記の本発明の構成要素は、下記の
ように限定されたものである。
【0011】 被溶接材2d、2e
本発明の被溶接材2d、2eは、図2に示すように、上
板2dの溶接個所に溶接穴2fを予め加工し、亜鉛メッ
キ鋼板の重ね合わせ継手を形成する。溶接穴2fを設け
る理由は、後述するブレージングによる下板2e表面の
ぬれ性を確保するためである。また、3枚以上を重ねる
場合には、最下層以外の上層の被溶接材にはすべて上記
の溶接穴2fを設ける。一般的に自動車ボディにおいて
は、板厚0.7〜1.4mm程度の薄板亜鉛メッキ鋼板の
2枚又は3枚重ね合わせ継手が多く使用されている。
板2dの溶接個所に溶接穴2fを予め加工し、亜鉛メッ
キ鋼板の重ね合わせ継手を形成する。溶接穴2fを設け
る理由は、後述するブレージングによる下板2e表面の
ぬれ性を確保するためである。また、3枚以上を重ねる
場合には、最下層以外の上層の被溶接材にはすべて上記
の溶接穴2fを設ける。一般的に自動車ボディにおいて
は、板厚0.7〜1.4mm程度の薄板亜鉛メッキ鋼板の
2枚又は3枚重ね合わせ継手が多く使用されている。
【0012】 ブレージングワイヤ1a
溶接部の温度上昇を低くして被溶接材の亜鉛が蒸発して
亜鉛蒸気になるのを抑制するために、本発明のブレージ
ングワイヤ1aには、ワイヤの溶融温度が低いシリコン
−銅系ブレージングワイヤを使用する。
亜鉛蒸気になるのを抑制するために、本発明のブレージ
ングワイヤ1aには、ワイヤの溶融温度が低いシリコン
−銅系ブレージングワイヤを使用する。
【0013】 溶接電源装置PS
上記項と同様の理由によって溶融部の温度上昇を低く
するために、本発明の溶接電源装置PSには、交流ミグ
ブレージング用の溶接電源装置を使用する。この交流ミ
グブレージングにおける溶接電流Iwの波形を図3に例
示する。同図に示すように、電極プラス極性EPでピー
ク期間Tp中は溶滴移行させるピーク電流Ipを通電
し、続けて電極マイナス極性ENで電極マイナス期間T
en中は電極マイナス電流Ienを通電し、続けて電極プラ
ス極性EPでベース期間Tb中は溶滴移行させないベー
ス電流Ibを通電する。電極マイナス期間Ten又は電極
マイナス電流Ienの値を調整することによって、被溶接
材への入熱を低くすることができ、溶接部の温度上昇を
抑制することができる。
するために、本発明の溶接電源装置PSには、交流ミグ
ブレージング用の溶接電源装置を使用する。この交流ミ
グブレージングにおける溶接電流Iwの波形を図3に例
示する。同図に示すように、電極プラス極性EPでピー
ク期間Tp中は溶滴移行させるピーク電流Ipを通電
し、続けて電極マイナス極性ENで電極マイナス期間T
en中は電極マイナス電流Ienを通電し、続けて電極プラ
ス極性EPでベース期間Tb中は溶滴移行させないベー
ス電流Ibを通電する。電極マイナス期間Ten又は電極
マイナス電流Ienの値を調整することによって、被溶接
材への入熱を低くすることができ、溶接部の温度上昇を
抑制することができる。
【0014】図4は、本発明のビード断面図であり、同
図(A)は被溶接材間にギャップがない場合であり、同
図(B)はギャップがある場合である。以下、同図を参
照して説明する。
図(A)は被溶接材間にギャップがない場合であり、同
図(B)はギャップがある場合である。以下、同図を参
照して説明する。
【0015】 被溶接材間にギャップがない場合
同図(A)に示すように、溶融したブレージングワイヤ
が溶着金属6aとして溶接穴に充填されて、そのぬれ性
によって上板2d及び下板2eの表面に溶着する。接合
部の強度は、上記の溶着金属6aの溶着面積(ナゲット
径Dn1)で確保される。したがって、溶接穴のサイズ
は、要求される強度に応じて決めればよい。例として、
板厚0.7mmの亜鉛メッキ鋼板の2枚重ねの接合におい
て、溶接穴の直径を10mmとし、3%シリコン−銅合金
ブレージングワイヤを用いて交流ミグブレージングを実
施して得られた11点の接合部の引っ張り剪断荷重は、
最小値で4.5kN(平均値で4.8kN)であった。従来
の抵抗スポット溶接では、JIS3140に規定される
板厚0.7mmの鋼板に要求されるA級強度は最小値2.
5kN(平均値2.89kN)であり、本発明での強度はこ
の基準値を上回っている。
が溶着金属6aとして溶接穴に充填されて、そのぬれ性
によって上板2d及び下板2eの表面に溶着する。接合
部の強度は、上記の溶着金属6aの溶着面積(ナゲット
径Dn1)で確保される。したがって、溶接穴のサイズ
は、要求される強度に応じて決めればよい。例として、
板厚0.7mmの亜鉛メッキ鋼板の2枚重ねの接合におい
て、溶接穴の直径を10mmとし、3%シリコン−銅合金
ブレージングワイヤを用いて交流ミグブレージングを実
施して得られた11点の接合部の引っ張り剪断荷重は、
最小値で4.5kN(平均値で4.8kN)であった。従来
の抵抗スポット溶接では、JIS3140に規定される
板厚0.7mmの鋼板に要求されるA級強度は最小値2.
5kN(平均値2.89kN)であり、本発明での強度はこ
の基準値を上回っている。
【0016】 被溶接材間にギャップがある場合
同図(B)に示すように、本発明ではブレージングワイ
ヤのみが溶融して被溶接材は溶融しないので、重ね合わ
せ面にギャップ2gが存在していても溶融したブレージ
ングワイヤがギャップ2gの中を浸透してその部分を充
填し、溶着面積が広がることになる。この結果、ナゲッ
ト径Dn2>Dn1となり、ギャップ2gがある場合の方
が接合強度が増加することになる。
ヤのみが溶融して被溶接材は溶融しないので、重ね合わ
せ面にギャップ2gが存在していても溶融したブレージ
ングワイヤがギャップ2gの中を浸透してその部分を充
填し、溶着面積が広がることになる。この結果、ナゲッ
ト径Dn2>Dn1となり、ギャップ2gがある場合の方
が接合強度が増加することになる。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ
継手のアークスポット溶接方法によれば、ブレージング
ワイヤが溶融して溶接穴及びギャップ部分に充填し、被
溶接材と溶着して接合するので、ギャップ長、溶接個所
等が変化してもナゲット径は適正値のままで変動しな
い。このために、十分な接合強度を安定して得ることが
できる。さらに、本発明では、交流ミグブレージング及
び溶融温度の低いシリコン−銅系ブレージングワイヤを
使用することによって溶接部の温度を低くすることがで
き、被溶接材の亜鉛が蒸発して亜鉛蒸気が発生するのを
抑制することができるので、亜鉛蒸気による溶け落ち、
穴あき等の溶接欠陥の発生を防止することができる。さ
らに、請求項2の発明によれば、要求される接合強度に
応じて溶接穴のサイズを適正化するので、十分な接合強
度を得ることができる。さらに、請求項3の発明によれ
ば、溶接穴の加工を被溶接材のプレス成形加工と同時に
行うので、溶接穴加工のための工数が増加することがな
い。
継手のアークスポット溶接方法によれば、ブレージング
ワイヤが溶融して溶接穴及びギャップ部分に充填し、被
溶接材と溶着して接合するので、ギャップ長、溶接個所
等が変化してもナゲット径は適正値のままで変動しな
い。このために、十分な接合強度を安定して得ることが
できる。さらに、本発明では、交流ミグブレージング及
び溶融温度の低いシリコン−銅系ブレージングワイヤを
使用することによって溶接部の温度を低くすることがで
き、被溶接材の亜鉛が蒸発して亜鉛蒸気が発生するのを
抑制することができるので、亜鉛蒸気による溶け落ち、
穴あき等の溶接欠陥の発生を防止することができる。さ
らに、請求項2の発明によれば、要求される接合強度に
応じて溶接穴のサイズを適正化するので、十分な接合強
度を得ることができる。さらに、請求項3の発明によれ
ば、溶接穴の加工を被溶接材のプレス成形加工と同時に
行うので、溶接穴加工のための工数が増加することがな
い。
【図1】本発明に係るアークスポット溶接装置の構成図
である。
である。
【図2】本発明に係る亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手の
斜視図である。
斜視図である。
【図3】本発明に係る交流ミグブレージングの溶接電流
の波形図である。
の波形図である。
【図4】本発明に係る溶接ビードの断面図である。
【図5】従来技術における自動車ボディの抵抗スポット
溶接の状態図である。
溶接の状態図である。
【図6】従来技術におけるアークスポット溶接の状態図
である。
である。
【図7】従来技術の課題を説明するための溶接ビードの
断面図である。
断面図である。
1 溶接ワイヤ
1a ブレージングワイヤ
2a 被溶接部
2b 抵抗スポット溶接ガンの挿入穴
2c 自動車ボディの外板
2d 被溶接材の上板
2e 被溶接材の下板
2f 溶接穴
2g ギャップ
3 アーク
4 抵抗スポット溶接ガン
5 溶接トーチ
6 溶融池
6a 溶着金属
7 溶け込み
8 送給ロール
EN 電極マイナス極性
EP 電極プラス極性
Fc 送給制御信号
Ib ベース電流
Ien 電極マイナス電流
Ip ピーク電流
Iw 溶接電流
PS 溶接電源装置
Tb ベース期間
Ten 電極マイナス期間
Tp ピーク期間
Vw 溶接電圧
WM ワイヤ送給モータ
Dn ナゲット径
Claims (3)
- 【請求項1】 2枚以上の薄板亜鉛メッキ鋼板の重ね合
わせ継手のアークスポット溶接方法であって、最下層の
被溶接材より上に重ねた被溶接材に予め溶接穴を設け、
この溶接穴部をシリコン−銅系ブレージングワイヤを用
いた交流ミグブレージングによってアークスポット溶接
することを特徴とする亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手の
アークスポット溶接方法。 - 【請求項2】 前記溶接穴のサイズを、要求される被溶
接材の接合強度に応じて定める請求項1記載の亜鉛メッ
キ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接方法。 - 【請求項3】 前記溶接穴の加工を、被溶接材のプレス
成形加工時に同時に行う請求項1又は請求項2記載の亜
鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002144025A JP2003334657A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | 亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002144025A JP2003334657A (ja) | 2002-05-20 | 2002-05-20 | 亜鉛メッキ鋼板重ね合わせ継手のアークスポット溶接方法 |
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