JPWO2016052522A1 - 経皮投与製剤及び包装体 - Google Patents

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Abstract

ロピニロール含有経皮投与製剤中のロピニロールの変性を防ぐ方法を提供すること。本発明は、支持体と、前記支持体上に位置する粘着剤層と、を備える経皮投与製剤であって、前記粘着剤層は、ロピニロール又はその薬理学的に許容できる塩、及びメルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤を提供する。前記メルカプトベンズイミダゾールの含量は、前記粘着剤層に対して0.10〜5.00質量%であってもよい。

Description

本発明は、経皮投与製剤及び包装体に関する。
ロピニロールは、パーキンソン病の症状の改善薬として知られる。ロピニロールを含む製剤は、ロピニロール含有経皮投与製剤等の剤形として調製されている。ロピニロール含有経皮投与製剤に含まれるロピニロールは、製剤の保存中に、酸素、光等によって変性してしまう可能性があるので、ロピニロールの変性を防ぐための、製剤の保存方法が検討されている。このような保存方法として、例えば、特定の相対湿度に維持された包装袋中にロピニロール含有経皮投与製剤を封入する方法(特許文献1)が挙げられる。
国際公開第2010/123103号パンフレット
しかし、経皮投与製剤中の粘着剤層の組成の調整によってロピニロールの変性を防ぐことのできる、ロピニロール含有経皮投与製剤が求められていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、ロピニロール含有経皮投与製剤中のロピニロールの変性を防ぐ方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、ロピニロールとともに特定の抗酸化剤を含む粘着剤層を備える経皮投与製剤によれば上記課題を解決できる点を見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は下記のものを提供する。
(1) 支持体と、前記支持体上に位置する粘着剤層と、を備える経皮投与製剤であって、
前記粘着剤層は、ロピニロール又はその薬理学的に許容できる塩、及びメルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤。
(2) 前記メルカプトベンズイミダゾールの含量は、前記粘着剤層に対して0.10〜5.00質量%である(1)に記載の経皮投与製剤。
(3) さらに、ジブチルヒドロキシトルエンを含む(1)又は(2)に記載の経皮投与製剤。
(4) 前記ジブチルヒドロキシトルエンの含量は、前記粘着剤層に対して0.10〜10.0質量%である(3)に記載の経皮投与製剤。
(5) 前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤を含む(1)から(4)のいずれかに記載の経皮投与製剤。
(6) 包装材と、前記包装材内に封入された(1)から(5)のいずれかに記載の経皮投与製剤と、を備え、
前記包装材内は窒素置換されている、包装体。
本発明によれば、ロピニロール含有経皮投与製剤中のロピニロールの変性を防ぐ方法が提供される。
本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。 本発明の経皮投与製剤の安定性を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<経皮投与製剤>
本発明の経皮投与製剤は、支持体と、該支持体上に位置し、ロピニロール又はその薬理学的に許容できる塩、メルカプトベンズイミダゾール、及び粘着剤を含む粘着剤層とを備える。経皮投与製剤は、公知の皮膚接着層(ポリイソブチレン等)や放出制御膜、剥離ライナ(酸素不透過性ライナ等)を粘着剤層に積層させたものであってもよい。
[ロピニロール]
本発明の経皮投与製剤は、その粘着剤層中にロピニロールを含む。ロピニロールとしては、ドパミンアゴニストとして作用するロピニロールの遊離体又はその薬学的に許容できる塩を使用できる。ロピニロールの塩としては、ロピニロール塩酸塩等が挙げられる。上記のうち、皮膚透過性が良好である点でロピニロールの遊離体が好ましい。
粘着剤層中のロピニロールの含有量は、得ようとする治療効果に応じて適宜調整でき、特に限定されない。例えば、ロピニロールは、粘着剤層中に1.0質量%以上、好ましくは5.0質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、さらにより好ましくは15質量%以上含まれていてもよい。また、本発明においてはロピニロールの変性が抑制されるので、過度な量のロピニロールを配合しなくともよく、ロピニロールは、粘着剤層中に35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらにより好ましくは20質量%以下含まれていてもよい。
粘着剤層中のロピニロールの含有量は、HPLCによって特定する。
本発明においては、ロピニロールの一部又は全部の代わりに、ロピニロール以外の薬剤も使用し得る。本発明において使用し得る薬剤としては、特に限定されないが、アナストロゾール、プラミペキソール、ニコチン、ツロブテロール、リドカイン、フェンタニル、イミダフェナシン、リバスチグミン、オキシブチニン、デュロキセチン、ガランタミン、アセナピン、ラサジリン、フルオキセチン、ドネペジル、アトモキセチン等の遊離体又はその薬学的に許容できる塩が挙げられる。
[メルカプトベンズイミダゾール]
本発明の経皮投与製剤は、その粘着剤層中にメルカプトベンズイミダゾールを含む。メルカプトベンズイミダゾールはロピニロールの安定性を高めることができる。本発明においては、粘着剤層中にメルカプトベンズイミダゾールを配合することで、経皮投与製剤中のロピニロールの変性を抑制できる。
粘着剤層中のメルカプトベンズイミダゾールの含有量は、得ようとするロピニロールの安定性に応じて適宜調整でき、特に限定されない。例えば、メルカプトベンズイミダゾールは、粘着剤層中に0.10質量%以上、好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.20質量%以上含まれていてもよい。また、メルカプトベンズイミダゾールは、粘着剤層中に5.00質量%以下、好ましくは3.00質量%以下、さらに好ましくは2.00質量%以下、最も好ましくは1.00質量%以下含まれていてもよい。
本発明の経皮投与製剤は、その粘着剤層中にジブチルヒドロキシトルエンを含んでいてもよい。粘着剤層中に、メルカプトベンズイミダゾールとともにジブチルヒドロキシトルエンを配合すると、メルカプトベンズイミダゾールによる抗酸化作用を増強できる。
粘着剤層中のジブチルヒドロキシトルエンの含有量は、得ようとするロピニロールの安定性に応じて適宜調整でき、特に限定されない。例えば、ジブチルヒドロキシトルエンは、粘着剤層中に0.10質量%以上、好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.20質量%以上含まれていてもよい。また、ジブチルヒドロキシトルエンは、粘着剤層中に10.0質量%以下、好ましくは8.00質量%以下、さらに好ましくは6.00質量%以下、最も好ましくは5.00質量%以下含まれていてもよい。
粘着剤層中のメルカプトベンズイミダゾール又はジブチルヒドロキシトルエンの含有量は、HPLC又はGC(ガスクロマトグラフィー)によって特定する。
[粘着剤]
粘着剤層に含まれる粘着剤としては、皮膚に適用される経皮投与製剤において一般的に使用されるものであれば特に限定されず、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤又はシリコン系粘着剤のうち1種以上であってもよい。
従来、ロピニロール含有経皮投与製剤において、粘着剤としてアクリル系粘着剤を使用すると、ロピニロールの安定性を損なう可能性があった。しかし、本発明の経皮投与製剤においては、粘着剤としてアクリル系粘着剤を使用しても、ロピニロールの安定性を損ないにくい。したがって、本発明においては、アクリル系粘着剤を好ましく使用できる。アクリル系粘着剤のうち、ロピニロールとの反応性が低く、ロピニロールの経皮吸収性の低下を抑制でき、酸素による影響を受けにくいという点で、実質的にカルボキシル基(カルボキシ基)を含まないアクリル系粘着剤が好ましい。「実質的にカルボキシル基を含まない」とは、全くカルボキシル基を含まないものだけではなく、設計上、全てのカルボキシル基がエステル結合等の置換基に変換されているものも意味し、その中には、例えば、ごく一部のエステル結合等が加水分解により遊離カルボキシル基に変換されている場合や、原材料由来の不純物として遊離カルボキシル基を含む場合も含まれる。
実質的にカルボキシル基を含まないアクリル系粘着剤としては、特に限定されないが、例えば、特開2005−325101号公報、特許3809462号等に記載された粘着剤を使用できる。これらのうち、特開2005−325101号公報に記載されたアクリル系粘着剤を特に好適に使用できる。
本発明におけるアクリル系粘着剤としては、ロピニロールとの反応性がより低く、ロピニロールの経皮吸収性の低下をより抑制でき、酸素による影響をより受けにくいという点で、実質的にカルボキシル基及びヒドロキシ基を含まないアクリル系粘着剤が特に好ましい。
経皮投与製剤中には、必要に応じて上記以外の成分が含まれていてもよい。このような成分としては、粘着付与剤、可塑剤(ミリスチン酸イソプロピル等)、防腐剤、pH調整剤、キレート剤、経皮吸収促進剤、賦形剤、香料、色剤、脂肪酸、油脂等が挙げられる。
[支持体]
本発明における支持体としては、特に限定されず、ポリエチレン、ポリプロピレン等から製造された伸縮性もしくは非伸縮性の織布又は不織布、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等から製造されたフィルム、あるいはウレタン、ポリウレタン等から製造された発泡性支持体が挙げられ、これらを1種単独で又は複数種が積層されたものが使用できる。
[剥離ライナ]
本発明の経皮投与製剤は、支持体と、この支持体の片面に積層された粘着剤層と、を備えるが、通常、粘着剤層の支持体との接触面とは反対の面に、剥離可能なライナ(剥離ライナ)をさらに備える形態で提供されてもよい。
剥離可能なライナとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル等から製造されたフィルム、アルミニウム蒸着の金属性のフィルム等が使用できる。ライナ表面にシリコン処理等の剥離処理が施されたものを使用してもよい。さらに、ライナには、剥離を容易にするため、直線又は曲線状の切れ込みが設けられていてもよく、2以上のライナが一部重畳されたものや、折返し部を有するものでもよい。
<経皮投与製剤の製造方法>
経皮投与製剤の調製方法は特に限定されず、公知の経皮投与製剤の調製方法によって調製できる。例えば、粘着剤層を構成する成分を均一に撹拌し、得られた組成物を、塗工機を用いて支持体表面上に塗工乾燥した後に経皮投与製剤を得る方法等が挙げられる。
<包装材>
本発明の経皮投与製剤は、包装材内に包装されていてもよい。本発明において「包装材」とは、経皮投与製剤をその内部に封入させるものであり、包装袋等とも呼ばれ得るものである。包装材としては、気体を密封できるものであれば特に限定されず、テープ剤、パップ剤等の経皮投与製剤の包装材として通常使用されるものであってもよい。また、包装材内に経皮投与製剤を包装する際には、不活性ガス(窒素等)によって置換された包装材内に経皮投与製剤を封入してもよいし、置換されない包装材内に経皮投与製剤を封入してもよい。封入はシーリング等によって行うことができる。シーリングとしては、ヒートシール、接着剤によるシール等の公知の方法を適用できる。ロピニロール類縁物質の生成を顕著に抑制できるという観点から、窒素によって置換された包装材内に経皮投与製剤を封入することが好ましい。本発明において、内部に経皮投与製剤が封入された状態の包装材を、「包装体」ともいう。
包装材内を不活性ガス(窒素等)によって置換する場合、包装材内の酸素濃度を5.0質量%以下、好ましくは3.0質量%以下(より好ましくは、1.0質量%以下)に調整することが好ましい。不活性ガス(窒素等)による置換は、不活性ガス環境下で包装材を封入することで行うことができる。
本発明の経皮投与製剤は、経皮投与製剤と別体又は一体である脱酸素剤(鉄粉、亜鉛粉、ハイドロサルファイト、アスコルビン酸系剤、多価アルコール系剤、活性炭系剤等の、包装材内の酸素量を低減するために一般的に使用される剤)を包装材内に封入しなくとも、経皮投与製剤中のロピニロールの変性を抑制できる。ただし、脱酸素剤を包装材内に封入することは、本発明の範囲から除外されず、脱酸素剤を包装材内に封入することで、ロピニロールの変性をより効果的に抑制し得る。脱酸素剤は、乾燥剤としての作用を有するもの(例えば、ファーマキープ KD−20、三菱ガス化学(株)製)であってもよい。
不活性ガス(窒素等)による包装材内の置換及び包装材内への脱酸素剤の封入は、いずれかのみを行ってもよく、これらを組み合わせて行ってもよい。
本発明の経皮投与製剤は、酸素濃度が低減された包装材内に包装され得る。本発明の経皮投与製剤は、例えば、包装材内の酸素濃度が5.0質量%以下、好ましくは3.0質量%以下(より好ましくは、1.0質量%以下)に維持される。ただし、本発明の経皮投与製剤は、酸素による影響を受けにくく、ロピニロールの安定性が損なわれにくいため、包装材内の酸素濃度が5.0質量%以上であることは排除されない。
包装材内の酸素濃度は、酸素濃度計(例えば、Oxygen Meter Model RO−102(飯島電子工業株式会社製))によって特定する。
<経皮投与製剤中のロピニロールの安定性>
本発明の経皮投与製剤においては、経皮投与製剤中のロピニロールの変性が抑制され、薬物安定性が良好である。本発明において、「ロピニロールの変性」とは、ロピニロールが分解等することで、ロピニロール量が減少したり、ロピニロールの分解物や類縁物質等が増加したりすることを指す。経皮投与製剤中のロピニロールの変性が抑制されているかどうかは、HPLC等によって、経皮投与製剤中のロピニロール又はロピニロールの類縁物質等を検出することによって特定される。ロピニロールの類縁物質は、ロピニロールが酸素や光によって変性等することで生じる物質であり、ロピニロール本来の薬効が低下した物質、又は、ロピニロール本来の薬効を有さない物質である。そのため、経皮投与製剤中から検出される類縁物質の量が低いほど、ロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。ロピニロールの類縁物質としては、例えば、4E−indolone、Monopropyl ropinirole、Propylidene ropinirole、Unknown 1、Unknown 2が挙げられる。これらの物質の量は、HPLCによって特定する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1:包装材中に包装されたロピニロール(15質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−I>
メルカプトベンズイミダゾール、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムとを積層したものを使用した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.1質量%、0.3質量%、又は0.6質量%
ロピニロール:15質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
なお、本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、下記のように調製した。すなわち、以下に示す合成方法によって得られた共重合体(A)の溶液と、共重合体(B)の溶液とを、質量比100:5(共重合体(A):共重合体(B))の割合で混合し、アクリル系粘着剤を得た。
[共重合体(A)]
アクリル酸2−エチルヘキシル200質量部、アクリル酸ブチル100質量部、ジアセトンアクリルアミド50質量部、及び酢酸エチル300質量部を加えて混合した。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、75℃に昇温した。過酸化ベンゾイル2質量部を酢酸エチル20質量部に溶解した溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加して、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加を終了した後、さらに2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後、2時間ごとに酢酸エチルを50質量部ずつ4回添加した。反応終了後、冷却し、次いで酢酸エチルを添加することで、固形分濃度30質量%の共重合体(A)を得た。
[共重合体(B)]
アクリル酸エチル660質量部、ジアセトンアクリルアミド70質量部、分子量調節剤としてドデシルメルカプタン40質量部及び酢酸エチル400質量部を加えて混合した。この混合物を、撹拌装置及び還流冷却装置を備えるセパラブルフラスコに供給し、撹拌及び窒素置換しながら、70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル5質量部を酢酸エチル100質量部に溶解した溶液を5分割し、その1部をセパラブルフラスコに添加して、重合を開始した。残りの4部を、反応開始後2時間目から1時間間隔で1部ずつ添加し、添加を終了した後、さらに2時間反応させた。なお、粘度調節のため、反応開始後、2時間ごとに酢酸エチルを50質量部ずつ3回添加した。その後、アジピン酸ジヒドラジド40質量部を、精製水40質量部、メタノール1600質量部、酢酸エチル260質量部の混合液に溶解したものを添加し、さらに濃塩酸5質量部を加えた後、70℃に昇温した。反応終了後、冷却し、精製水で3回洗浄した後、生成物を酢酸エチル700質量部、アセトン1400質量部、メタノール400質量部の混合溶媒に溶解させることで、固形分濃度30質量%の共重合体(B)を得た。
得られた各経皮投与製剤を、ポリアクリロニトリル(以下、「PAN」ともいう)/アルミニウム(以下、「AL」ともいう)/ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ともいう)という構成を有する包装材に個別に入れ、包装材内をガス置換せずにそのままシーリングした。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び保存開始から1週間後、2週間後、又は1ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(4E−indolone)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図1に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図1中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。図1中の「%」とは質量%を指す。
図1に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤(「MBI 0.1%」、「MBI 0.3%」、「MBI 0.6%」を参照。)は、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤(「MBI 0%」を参照。)と比較して、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。また、経皮投与製剤中のメルカプトベンズイミダゾールの濃度が高いほど、ロピニロール類縁物質の生成が抑制される傾向にあった。
<実施例2:包装材中に包装されたロピニロール(15質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−II>
メルカプトベンズイミダゾール、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムとを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.1質量%、0.3質量%、又は0.6質量%
ロピニロール:15質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、包装材内を窒素環境下でシーリングした。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び保存開始から0.5ヶ月後、1ヶ月後、2ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(Propylidene ropinirole)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図2に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図2中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。図2の「%」とは質量%を指す。
図2に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、ロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。このような抑制効果は、メルカプトベンズイミダゾールの濃度依存的に奏され、経皮投与製剤の保存期間が長期であっても認められた。
<実施例3:包装材中に包装されたロピニロール(25質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−I>
実施例1と同様の試験を、ロピニロールの配合量を増やして下記の通り行った。
メルカプトベンズイミダゾール、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムとを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.1質量%、0.3質量%、又は0.6質量%
ロピニロール:25質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、包装材内を窒素環境下でシーリングした。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び保存開始から0.5ヶ月後、1ヶ月後、2ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(4E−indolone)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図3に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図3中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。図3の「%」とは質量%を指す。
図3に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、ロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。このような抑制効果は、メルカプトベンズイミダゾールの濃度依存的に奏され、経皮投与製剤の保存期間が長期であっても認められた。
<実施例4:包装材中に包装されたロピニロール(15質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−III>
メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムとを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.1質量%、0.3質量%、又は0.6質量%
ジブチルヒドロキシトルエン:0.0質量%、0.5質量%、1.0質量%、又は2.0質量%
ロピニロール:15質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、包装材内をガス置換せずにそのままシーリングした。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び保存開始から1週間後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(4E−indolone)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図4に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図4中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。「BHT」とはジブチルヒドロキシトルエンを指す。図4中の「%」とは質量%を指す。
図4に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、ロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。経皮投与製剤中に、メルカプトベンズイミダゾールとともにジブチルヒドロキシトルエンが配合されていると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成がより抑制される傾向にあった。
<実施例5:包装材中に包装されたロピニロール(15質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−IV>
メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムとを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.1質量%、又は0.3質量%
ジブチルヒドロキシトルエン:0.0質量%、0.5質量%、1.0質量%、又は2.0質量%
ロピニロール:15質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、包装材内を窒素環境下でシーリングした。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び、保存開始から2ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(Propylidene ropinirole)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図5に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図5中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。「BHT」とはジブチルヒドロキシトルエンを指す。図5中の「%」とは質量%を指す。
図5に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、ロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。このような抑制効果は、メルカプトベンズイミダゾールの濃度依存的に奏され、経皮投与製剤の保存期間が長期であっても認められた。経皮投与製剤中に、メルカプトベンズイミダゾールとともにジブチルヒドロキシトルエンが配合されていると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成がより抑制される傾向にあった。
<実施例6:包装材中に包装されたロピニロール(25質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−II>
メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムとを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.1質量%、0.3質量%、又は0.6質量%
ジブチルヒドロキシトルエン:0.0質量%、0.5質量%、1.0質量%、又は2.0質量%
ロピニロール:25質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、包装材内を窒素環境下でシーリングした。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を40℃又は60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び、保存開始から2ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(Propylidene ropinirole)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図6に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図6中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。「BHT」とはジブチルヒドロキシトルエンを指す。図6中の「%」とは質量%を指す。
図6に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、ロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。このような抑制効果は、メルカプトベンズイミダゾールの濃度依存的に奏され、経皮投与製剤の保存期間が長期であっても認められた。経皮投与製剤中に、メルカプトベンズイミダゾールとともにジブチルヒドロキシトルエンが配合されていると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成がより抑制される傾向にあった。
<実施例7:包装材中に包装されたロピニロール(15質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−V>
メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、0.3質量%、又は0.6質量%
ジブチルヒドロキシトルエン:0.0質量%、0.5質量%、1.0質量%、又は2.0質量%
ロピニロール:15質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、(1)包装材内を窒素環境下でシーリング、(2)包装材内への脱酸素剤(ファーマキープ KD−20、三菱ガス化学(株)製)の封入後にシーリング、又は、(3)窒素環境下でのシーリング、及び脱酸素剤の封入のいずれも行わずにそのままシーリング、のいずれかを行った。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び保存開始から1週間後、2週間後、又は1ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(4E−indolone)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図7に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図7中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。「BHT」とはジブチルヒドロキシトルエンを指す。「N2」とは包装材内を窒素置換したことを指す。「脱酸素剤」とは包装材内に脱酸素剤を封入したことを指す。図7中の「%」とは質量%を指す。
図7に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、ロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。経皮投与製剤中に、メルカプトベンズイミダゾールとともにジブチルヒドロキシトルエンが配合されていると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成がより抑制される傾向にあった。さらに、窒素置換された包装材内に経皮投与製剤を包装するか、又は、経皮投与製剤とともに脱酸素剤を包装材内に封入すると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成が顕著に抑制される傾向にあった。
<実施例8:包装材中に包装されたロピニロール(15質量%)含有経皮投与製剤中のロピニロールの安定性評価−VI>
メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール、ミリスチン酸イソプロピル及びアクリル系粘着剤を、下記の割合で配合した組成物を作製し、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗工乾燥(80℃、15分)することによって粘着剤層を形成し、この粘着剤層上に支持体を積層させ、経皮投与製剤を得た。なお、支持体としてPET不織布とPETフィルムを積層したものを使用した。本実施例で用いたアクリル系粘着剤は、実施例1と同様に調製した。
メルカプトベンズイミダゾール:0.0質量%、又は0.6質量%
ジブチルヒドロキシトルエン:0.0質量%、又は2.0質量%
ロピニロール:15質量%
ミリスチン酸イソプロピル:20質量%
アクリル系粘着剤:100−(メルカプトベンズイミダゾール、ジブチルヒドロキシトルエン、ロピニロール及びミリスチン酸イソプロピルの配合量)(単位:質量%)
得られた各経皮投与製剤を、PAN/AL/PETという構成を有する包装材に個別に入れ、(1)包装材内を窒素環境下でシーリング、(2)包装材内への脱酸素剤(ファーマキープ KD−20、三菱ガス化学(株)製)の封入後にシーリング、又は、(3)窒素環境下でのシーリング、及び脱酸素剤の封入のいずれも行わずにそのままシーリング、のいずれかを行った。
包装材中に包装された各経皮投与製剤を60℃にて保存した。保存開始時点(イニシャル)、及び保存開始から2週間後、又は1ヶ月後の各時点における経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質(Monopropyl ropinirole、4E−indolone、Propylidene ropinirole、Unknown−1)の含有量をHPLC(UV250nm)で測定した。その結果を図8に示す。検出されたロピニロール類縁物質の量が低いほど、経皮投与製剤中のロピニロールの薬物安定性が高いことを示す。
なお、図8中、「MBI」とはメルカプトベンズイミダゾールを指す。「BHT」とはジブチルヒドロキシトルエンを指す。「N2」とは包装材内を窒素置換したことを指す。「脱酸素剤」とは包装材内に脱酸素剤を封入したことを指す。図8中の「%」とは質量%を指す。
図8に示される通り、メルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤においては、メルカプトベンズイミダゾールを含まない経皮投与製剤と比較して、様々なロピニロール類縁物質の生成が抑制されていた。経皮投与製剤中に、メルカプトベンズイミダゾールとともにジブチルヒドロキシトルエンが配合されていると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成がより抑制される傾向にあった。さらに、窒素置換された包装材内に経皮投与製剤を包装するか、又は、経皮投与製剤とともに脱酸素剤を包装材内に封入すると、経皮投与製剤中のロピニロール類縁物質の生成がさらに抑制される傾向にあった。

Claims (6)

  1. 支持体と、前記支持体上に位置する粘着剤層と、を備える経皮投与製剤であって、
    前記粘着剤層は、ロピニロール又はその薬理学的に許容できる塩、及びメルカプトベンズイミダゾールを含む経皮投与製剤。
  2. 前記メルカプトベンズイミダゾールの含量は、前記粘着剤層に対して0.10〜5.00質量%である請求項1に記載の経皮投与製剤。
  3. さらに、ジブチルヒドロキシトルエンを含む請求項1又は2に記載の経皮投与製剤。
  4. 前記ジブチルヒドロキシトルエンの含量は、前記粘着剤層に対して0.10〜10.0質量%である請求項3に記載の経皮投与製剤。
  5. 前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤を含む請求項1から4のいずれかに記載の経皮投与製剤。
  6. 包装材と、前記包装材内に封入された請求項1から5のいずれかに記載の経皮投与製剤と、を備え、
    前記包装材内は窒素置換されている、包装体。
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