JP5675225B2 - 貼付製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、貼付製剤に関する。
ラサギリン((1R)−2,3−ジヒドロ−N−(2−プロピニル)−1H−インデン−1−アミン)は、モノアミンオキシダーゼ阻害作用を有する化合物であり、パーキンソン病の予防や治療に用いられる。その構造式は下記式(I)で表される。米国では、初期のパーキンソン病患者における単剤投与の効果が確認されており、2006年に米国食品医薬品局(FDA)によって承認された、0.5mg又は1mg錠の1日1回の服用が推奨されている。
Figure 0005675225
ラサギリンのメシル酸塩であるメシル酸ラサギリンは、白色ないしオフホワイトの粉末であり、水又はエタノールに容易に溶解するが、イソプロパノールにはほとんど溶解しない。
例えば特許文献1には、基質成分と化学作用を起こさない不活性の支持層と、ラサギリン又はその薬学的に許容可能な塩を含有する基質層と、使用前に引き剥がさなければならない保護層とを含み、基質層は有機高分子ポリマー材料を含み、無機又は有機物材料を調節剤とする薬物貯留庫であり、貯留庫にはラサギリンが含まれ、基質にはさらに一種又は多種のラサギリンの経皮吸収を促進する物質が含まれていることを特徴とする、神経系疾患の予防又は治療のためのラサギリンの経皮吸収薬物貼付剤が記載されている。
特表2009−529011号公報
メシル酸ラサギリンは親水性が高い薬物であるため、貼付製剤にした場合に、薬物の経皮送達のために必要な皮膚透過速度を得ることが困難である。本発明者らは、メシル酸ラサギリンを含む貼付製剤において、必要な皮膚透過速度を得るために、粘着剤層中に水酸化ナトリウムを配合した。その結果、ラサギリンの皮膚透過速度は高まるが、貼付製剤の保存中に、粘着剤層が変色し、ラサギリンの含有量が著しく減少することを見出した。
そこで、本発明は、ラサギリンを薬物として含み、長期間保存しても、粘着剤層が変色せず、十分な薬物の安定性及び皮膚透過速度を維持可能な貼付製剤を提供することを目的とする。
本発明は、27〜220μg/kg体重のラサギリンを、ヒトに対して1週間に1回又は2回投与されるように用いられる、ラサギリン含有貼付製剤を提供する。このような貼付製剤は、嚥下障害を有することが多いパーキンソン病の患者にも容易に投与することができる点や、服薬コンプライアンスの向上の点で有用である。
本発明はまた、支持体と、該支持体上に配置された粘着剤層とを備える貼付製剤であって、粘着剤層は、ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩、アミン化合物及び粘着基剤を含み、該粘着基剤は、酢酸ビニルを単量体単位として含まない(メタ)アクリル系重合体であり、1回あたり27〜220μg/kg体重のラサギリンを、ヒトに対して1週間に1回投与されるように用いられる、貼付製剤を提供する。ここで、27〜220μg/kg体重のラサギリンとは、塩ではなくフリー体のラサギリンに換算した量である。このような貼付製剤は、後述するように、長期間保存しても、粘着剤層が変色せず、十分な薬物の安定性及び皮膚透過速度を維持可能である。
上記のアミン化合物は、トリエタノールアミンであることが更に好ましい。後述するように、トリエタノールアミンは、貼付製剤に含まれるラサギリンの減少を抑制する効果が高い。
上記の貼付製剤において、ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩のモル数と、前記アミン化合物のモル数との比率は、1:0.1〜1:2の範囲であることが更に好ましい。このような比率であることにより、薬物の安定性と皮膚透過速度を高めることができる。
上記の粘着基剤は、共重合モノマーとして酢酸ビニルモノマーを含まない(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体であることが更に好ましい。このような粘着基剤は、粘着剤層の変色を抑制する効果が高い。
上記の粘着基剤は、水酸基又はカルボキシル基を有することが更に好ましい。これにより、薬物の皮膚透過速度を調節することができる。
上記の粘着剤層は、50質量%以上100質量%未満の粘着基剤を含み、この粘着基剤は、0質量%を超え10質量%以下のカルボキシル基を有する共重合モノマー単位を含むことが更に好ましい。これにより、貼付製剤の薬物の皮膚透過速度を、1週間に1回又は2回の投与で治療有効量の血中薬物濃度を維持可能な速度に設定することができる。
本発明により、ラサギリンを薬物として含み、長期間保存しても、粘着剤層が変色せず、十分な薬物の安定性及び皮膚透過速度を維持可能な貼付製剤が提供される。
本発明の貼付製剤の1実施形態を示す斜視図である。 実施例1〜4の貼付製剤のin vitro皮膚透過試験の結果を示すグラフである。 実施例2の貼付製剤のin vitro皮膚透過試験の結果を示すグラフである。 実施例3の貼付製剤のin vitro皮膚透過試験の結果を示すグラフである。 試験6の薬物の投与シミュレーションの結果を示すグラフである。 試験7の薬物の投与シミュレーションの結果を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、好適な実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面は理解を容易にするため一部を誇張して描いており、寸法比率は説明のものとは必ずしも一致しない。
図1に本発明の1実施形態を示す。貼付製剤1は、支持体2と、支持体2上に配置された粘着剤層3とを備える。粘着剤層3は、酢酸ビニルモノマーを含有しておらず、ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩、アミン化合物、及び、粘着基剤を含有する。貼付製剤1は、図1に示すように、剥離シート4を更に備えていてもよい。この場合、貼付製剤1を皮膚に貼付する際には、剥離シート4をはがして貼付する。
支持体2の材料としては、粘着剤層を支持可能であり、柔軟性に優れるものが好ましい。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリブタジエン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリウレタン、セルロース誘導体、ポリアクリロニトリルなどの合成樹脂や綿などから選択された成分で主に形成された、フィルム、織布及び不織布などの布帛、多孔質膜、発泡体、紙材、あるいはこれらを積層したものを好適に用いることができる。しかしながら、後述するように、ラサギリンの変色を防止する観点から、支持体の材料は、酢酸ビニルモノマー単位を含まないものであることが、より好ましい。
粘着剤層3に含まれる薬物は、ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩である。ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩とは、ラサギリンと、メタンスルホン酸(メシル酸)、エチルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、硫酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、マロン酸などから選択される1種以上の酸との付加塩であり、好ましくはメシル酸ラサギリンである。薬物は、粘着剤層に対して1〜25質量%の範囲で配合することが好ましい。
粘着剤層3に含まれるアミン化合物は、具体的には、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、モノアルカノールアミン、ジアルカノールアミン、トリアルカノールアミンなどの低分子アルキルアミン化合物であり、特に、各アルキル基、アルカノール基の炭素数が1〜6であるものが好ましく、トリエタノールアミンが最も好ましい。
アミン化合物の配合量は、薬物の安定性と皮膚透過速度を高めるのに好適であることから、薬物を含む粘着剤層3に含有される全酸官能基と等量又はその0.5〜2倍であることが好ましい。あるいは、薬物のモル数と、アミン化合物のモル数との比率は、1:0.1〜1:2の範囲であることが好ましい。アミン化合物が薬物と等しいモル数である場合には、薬物の高い皮膚透過速度が得られ即放性となり、アミン化合物のモル数がそれより少ない場合又は多い場合には徐放性となる。
本明細書において、「酢酸ビニルモノマー単位」及び「酢酸ビニル単量体単位」は同義に用いられる。粘着剤層3に含まれる粘着基剤は酢酸ビニルモノマー単位を含まないものである。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は共重合モノマーとして酢酸ビニルモノマーを含まず、主モノマー単位が(メタ)アクリル酸アルキルエステルである共重合体を好適に使用できる。本明細書において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びそれに対応するメタクリル酸を意味し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びそれに対応するメタクリレートを意味する。
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルにおいて、アルキル基は直鎖状であっても分岐していてもよく、炭素数は4〜13であることが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸の、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシルなどのエステルが好適に使用できるが、アクリル酸2−エチルヘキシルが特に好ましい。主モノマー単位は、粘着基剤の40〜100質量%であることが好ましい。
主モノマーに対して共重合するモノマーとしては、酢酸ビニルモノマー単位でないものが使用できる。後述するように、ラサギリン含有貼付製剤の粘着剤層が酢酸ビニルモノマー単位を含む場合、粘着剤層の変色が認められる。発明者らは、ラサギリンを含む粘着剤層が、酢酸ビニルモノマー単位でない共重合モノマーを含むことによって、粘着剤層の変色を防止可能なことを見出した。好適な共重合モノマーとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、ビニルピロリドン、(メタ)アクリル酸アミド、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などが挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルにおいて、アルキル基は直鎖状であっても分岐していてもよく、炭素数は4〜13であることが好ましい。具体的には、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどが好適に使用できる。これらの共重合モノマーは、粘着基剤の0〜40質量%であることが好ましく、粘着剤層の粘着性と薬物の放出性に影響する。
貼付製剤が、水酸基やカルボキシル基などの極性官能基を有しない無官能の粘着基剤、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルなどの水酸基を有するモノマー単位の含有量が相対的に多い粘着基剤を含有する場合には、即放性の薬物放出特性を示す。一方、貼付製剤が、(メタ)アクリル酸などのカルボキシル基を有するモノマー単位の含有量が相対的に多い粘着基剤を含有する場合には、徐放性の薬物放出特性を示す。
水酸基を有するモノマー単位とカルボキシル基を有するモノマー単位は並存することができ、例えば前者と後者のモル比率が100:0〜10:90の範囲では、ヒトに対して1週間に1回の投与で、治療有効量のラサギリンの血中薬物濃度を維持可能である。治療有効量のラサギリンの血中薬物濃度とは、約0.1〜0.5(ng/mL)である。
カルボキシル基を有するモノマー単位を、粘着基剤の2〜10質量%含む(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体を、粘着剤層中に50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有することによって、薬物放出の持続性に優れる貼付製剤が提供される。
具体的には、無官能の粘着基剤として、DuroTak 87−9301、DuroTak 87−900Aなど、水酸基を有する粘着基剤として、DuroTak 87−202A、DuroTak 87−2510など、水酸基及びカルボキシル基を有する粘着基剤として、DuroTak 87−2074など、カルボキシル基を有する粘着基剤として、DuroTak 87−200A、DuroTak 87−235Aなどを好適に用いることができる。これらの粘着基剤は、ヘンケル社から提供され、いずれも酢酸ビニルモノマー単位を含有していない。
酢酸ビニルモノマー単位を含有していない粘着基剤は、粘着剤層の50質量%以上100質量%未満、より好ましくは、60〜98質量%の範囲で配合することが好ましい。この場合、残余成分も酢酸ビニルモノマー単位を有しない成分で構成される。
粘着基剤中に存在するカルボキシル基の数は、例えば中和滴定によって測定することができる。また、粘着基剤中に存在する水酸基の数は、例えば無水酢酸を反応させて水酸基をエステル化した後、消費された酢酸を滴定することによって測定することができる。
粘着基剤は、酢酸ビニルを単量体単位として含まないものであれば、カルボキシル基を有するモノマー単位を含む粘着基剤、水酸基を有するモノマー単位を含む粘着基剤、及び無官能の粘着基剤からなる群から選択されるいずれかの単独成分であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。粘着基剤を混合物とする場合には、カルボキシル基を有するモノマー単位を含む粘着基剤が粘着基剤全体の0〜90質量%であることが好ましく、水酸基を有するモノマー単位を含む粘着基剤が粘着基剤全体の10〜100質量%であることが好ましく、無官能の粘着基剤が粘着基剤全体の0〜90質量%であることが好ましい。
粘着剤層は、必要に応じて、例えば、粘着付与剤、軟化剤、安定化剤、吸収促進剤などを含有させることもできる。
粘着付与剤としては、脂環族飽和炭化水素樹脂;ロジン、ロジンのグリセリンエステル、水添ロジン、水添ロジンのグリセリンエステル又はロジンのペンタエリスリトールエステルなどのロジン誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂又はマレイン酸レジンなどを好適に用いることができる。
軟化剤としては、流動パラフィンなどのパラフィン油;スクワラン、スクワレンなどの動物油;アーモンド油、オリブ油、ツバキ油、ヒマシ油、トール油、ラッカセイ油などの植物油;シリコーン油;ポリブテン、ポリイソプレンなどの液状ゴムなどを好適に用いることができる。また、これらの軟化剤は1種類を単独で用いても2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
安定化剤としては、トコフェロール及びそのエステル誘導体、アスコルビン酸及びそのエステル誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソールなどを好適に用いることができる。
吸収促進剤としては、イソステアリルアルコールなどの脂肪族アルコール、カプリン酸などの脂肪酸、プロピレングリコールモノラウレート、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)、ラウリン酸ジエタノールアミドなどの脂肪酸誘導体、プロピレングリコール(PG)、ポリエチレングリコールなどのグリコール類を好適に用いることができる。吸収促進剤は、粘着剤層の0〜25質量%の範囲で配合することが好ましい。
剥離シート4は、粘着材層を被覆し、貼付製剤を患者に適用する際には剥離して除去するものである。剥離シート4は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリアクリロニトリルなどの樹脂フィルム、紙材などを好適に用いることができ、粘着剤層の剥離を容易にするために、表面をシリコーンやテフロン(登録商標)などによって離型処理したものが好ましい。
ラサギリン含有貼付製剤は、例えば、次のような方法で製造できる。まず、ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩、アミン化合物及び粘着基剤、並びに、任意選択で添加する、粘着付与剤、軟化剤、安定化剤、吸収促進剤などの粘着剤層の成分を、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、酢酸エチルなどの溶媒に溶解させる。次に、この溶液を剥離シート上に塗布し、溶媒を乾燥して除去し、粘着剤層を形成する。続いて粘着剤層に支持体を貼り合わせ、所定の形状に裁断する。
ラサギリン含有貼付製剤は、ドパミンのモノアミンオキシダーゼ(Bタイプ)による分解を阻害する働きを有することから、単独で、又は例えばレボドパとの組合せにおいて、初期又は進行したパーキンソン病の徴候又は症状の進行抑制や治療のために有用である。レボドパとは、ドパミンの前駆物質であり、パーキンソン病治療薬の1種である。
パーキンソン病の患者は嚥下障害を有することが多いため、貼付製剤の提供は有用である。また、ラサギリンは、長期間投与されることが多いため、貼付製剤の薬物放出持続時間は、例えば1週間程度の長い期間であることが、患者の負担を軽減する点で、また、服薬コンプライアンスの向上の点で好ましい。
また、ラサギリン含有貼付製剤は、アルツハイマー病、うつ病、不穏下肢症候群、多発性硬化症、禁断症状の予防及び治療、正常細胞を損傷から保護しながら抗腫瘍薬の治療効果を高めるための使用、などへの応用も期待される。
ラサギリン含有貼付製剤は、使い易さの点から、面積が5〜200cm、より好ましくは、10〜40cm、特に好ましくは20cmである。また、ラサギリンの皮膚透過速度は、フリー体換算で、1.0〜3.0(mg/7日)、より好ましくは1.7〜2.3(mg/7日)であり、単位面積あたりでは0.1〜3.0(μg/cm/時)、より好ましくは0.20〜1.5(μg/cm/時)、更に好ましくは0.25〜1.0(μg/cm/時)である。この範囲の皮膚透過速度であれば、パーキンソン病に対する治療効果を有する。この皮膚透過速度が、少なくとも投与後12〜168時間にわたって維持されることが好ましい。皮膚透過速度が上記の時間範囲にわたって維持されることにより、貼付製剤の投与回数を1週間に1回又は2回にすることができる。
ラサギリンの血中薬物濃度は、貼付製剤の投与後12〜168時間にわたってフリー体換算で、0.1〜0.5(ng/mL)、より好ましくは0.2〜0.4(ng/mL)に維持されることが好ましい。貼付製剤の投与は、1週間に1回又は2回であることが好ましく、1回であることがより好ましい。
ちなみに、ラサギリンのヒト経皮送達において、代謝速度(CLtot)が94.12〜125.67(L/時)、(血中半減期T1/2が1.34hr、分布容積Vが182〜243L)、定常状態血中濃度(Css)が0.23(ng/mL)と仮定した場合、1コンパートメントモデルにおいて必要となる薬物放出速度(Flux)は、下記式(1)のように算出され、
(Flux)=(Css)×(CLtot)=21.7〜28.9(μg/時)…(1)
ラサギリンを、フリー体換算で、21.7〜28.9(μg/時)の速度で経皮送達することになり、ここで、貼付製剤の面積が例えば20cmであれば、上記式(1)をこの面積で除することにより、
(Flux)=1.08〜1.45(μg/cm/時)
となる。
本明細書において、十分な薬物の安定性を維持するとは、貼付製剤に含有されるラサギリンの分解を抑制し、長期間、例えば1ヶ月間保存した場合においても、十分なラサギリンの皮膚透過速度を達成するために必要なラサギリンの含有量が、残存すること意味する。
ラサギリン含有貼付製剤は、好ましくは27〜220μg/kg体重のラサギリン(フリー体換算)を、ヒトに対して1週間に1回又は2回投与されるように用いられることが好ましい。ラサギリンの投与量は、貼付する貼付製剤の面積を調整すること又は貼付製剤中のラサギリンの含有量を調整することによって設定することができる。27μg/kg体重未満のラサギリンの投与量では、治療有効量の血中薬物濃度を維持できない場合がある。また、220μg/kg体重を超えるラサギリンの投与量に設定しても、治療効果の向上が期待できない場合があり、また、副作用が生じる場合がある。
以下、本発明の実施例を示して、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
(試験1)
(試料の変色の評価)
粘着基剤として、表1に示す、DuroTak 87−2516、DuroTak 87−4287及びDuroTak 87−202A(ヘンケル社)を用いた。
これらの粘着基剤の溶液に、薬物、水酸化ナトリウム及びプロピレングリコールを表2に示す組成で混合し、サンプル管中に封入し、それぞれ試料1〜24とした。調製直後及び室温で一晩放置後の各試料の色を観察した。表2において、単位は質量%である。粘着基剤の量は、溶媒を除いた固形分としての量を示す。また、水酸化ナトリウムは、各試料における薬物と等モルになるよう混合した。各薬物の分子量は、メシル酸ラサギリン=267.34、フマル酸フォルモテロール=840.91、塩酸プラミペキソール=302.26、塩酸ナラトリプタン=371.93、臭化水素酸シタロプラム=405.35、酒石酸トルテロジン=475.57、塩酸パロノセトロン=332.87、塩酸ロピニロール=296.84であった。
Figure 0005675225
Figure 0005675225
観察した試料の変色を、次の基準で評価した。

評価1:変色なし。
評価2:透明〜淡黄色の調製時の色から、一晩放置後淡黄色へ変色した。
評価3:透明〜淡黄色の調製時の色から、一晩放置後黄色へ変色した。
評価4:透明〜淡黄色の調製時の色から、一晩放置後オレンジ色へ変色した。
評価5:透明〜淡黄色の調製時の色から、一晩放置後濃いオレンジ色へ変色した。

結果を表3に示す。
Figure 0005675225
ナラトリプタン、シタロプラム、トルテロジン、パロノセトロンを含有する試料では、ほとんど変色がなく無着色であったのに対し(試料10〜21)、ラサギリン、プラミペキソール、フォルモテロール、ロピニロールを含有する試料には、試料の色が黄色〜濃いオレンジ色へ変色するものがあった(試料1〜9)。
一方、酢酸ビニルモノマー単位を含むポリアクリレート粘着基剤DuroTak 87−2516及びDuroTak 87−4287を含む試料には、黄色〜濃いオレンジ色へ変色するものがあったのに対し(試料1〜2、4〜5、7〜8)、酢酸ビニルモノマー単位を含まないポリアクリレート粘着基剤DuroTak 87−202Aを含む試料では、変色が軽微であった(試料3、6)。しかし、フマル酸フォルモテロールの場合には、酢酸ビニルモノマー単位を含まないポリアクリレート粘着基剤を含む試料においても変色が認められた(試料9)。また、酢酸ビニルモノマー単位を含む粘着基剤であっても、含有する薬物によって変色しにくい場合があった(試料10〜11、13〜14、16〜17、19〜20)。メシル酸ラサギリンや塩酸プラミペキソールは変色し易い薬物であるが、酢酸ビニルモノマー単位を含まない粘着基剤と混合することで試料の変色が顕著に防止された(試料3、6)。塩酸ロピニロールは、酢酸ビニルモノマー単位を含まない粘着基剤と混合した場合においても変色が観察された(試料24)。
(試験2)
(貼付製剤に含有される薬物の定量)
表4に示す組成の貼付製剤(試料25〜試料42)を調製し、各貼付製剤に含有される薬物を定量した。DuroTak 87−202Aは、酢酸ビニルモノマー単位を含まず、水酸基を有するポリアクリレート粘着基剤である。DuroTak 87−4287は、酢酸ビニルモノマー単位を含み、水酸基を有するポリアクリレート粘着基剤である。表4において、粘着基剤の量は、溶媒を除いた固形分としての量を示す。
Figure 0005675225
(貼付製剤の調製)
粘着基剤DuroTak 87−202A又はDuroTak 87−4287を含有する貼付製剤は、以下の手順によって調製した。
薬物及び水酸化ナトリウムに、溶媒としてメタノール5gを加えて溶解させ、これに粘着基剤を加えて均一な溶液とした。この溶液を、剥離シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面に一定の厚さ(乾燥後100μm)で塗布した。次に、乾燥により溶媒を除去し、粘着剤層を形成した。続いて、支持体である厚さ43.2μmのポリエチレン/ポリエステル積層フィルムを、ポリエステル面が粘着剤層に接するように貼り合わせ、貼付製剤を得た。貼付製剤は、64cmに裁断し、アルミラミネート袋で包装した。
粘着基剤として、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)を含有する貼付製剤は、以下の手順によって調製した。
SIS及び流動パラフィンに、溶媒としてトルエン100gを加えて均一な溶液を調製した。次に、薬物及び水酸化ナトリウムに、溶媒としてメタノール5gを加えて溶解させた。これに、上記のSIS及び流動パラフィンの溶液を加えて均一な溶液とした。この溶液を、剥離シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面に一定の厚さ(乾燥後100μm)で塗布した。次に、乾燥により溶媒を除去し、粘着剤層を形成した。続いて、支持体である厚さ43.2μmのポリエチレン/ポリエステル積層フィルムを、ポリエステル面が粘着剤層に接するように貼り合わせ、貼付製剤を得た。貼付製剤は、64cmに裁断し、アルミラミネート袋で包装した。
上記手順によって調製した各貼付製剤が含有する薬物を、下記定量法によって調製直後に定量した。
(ラサギリンの定量)
各貼付製剤5cmを採取し、メタノール20mLを加えて薬物を抽出し、高速液体クロマトグラフィー(ODSカラム)を用いUV検出器によってラサギリン(フリー体)を定量した。
(パロノセトロンの定量)
各貼付製剤5cmを採取し、メタノール20mLを加えて薬物を抽出し、高速液体クロマトグラフィー(ODSカラム)を用いUV検出器によってパロノセトロン(フリー体)を定量した。
(トルテロジンの定量)
各貼付製剤5cmを採取し、メタノール20mLを加えて薬物を抽出し、高速液体クロマトグラフィー(ODSカラム)を用いUV検出器によってトルテロジン(フリー体)を定量した。
各貼付製剤(試料25〜試料42)に含まれる薬物を定量した結果を表5に示す。粘着剤層の質量及び配合した薬物量から算出した薬物の理論量を、100%とした定量結果を示す。単位は質量%である。
水酸化ナトリウムを配合しなかった貼付製剤では、配合した理論量にほぼ相当する薬物が定量された。水酸化ナトリウムを配合したメシル酸ラサギリンを含有する貼付製剤では、水酸化ナトリウムを加えた、試料25、27及び29において、著しい薬物量の減少がみられた。これに対し、塩酸パロノセトロン、酒石酸トルテロジンを含有する貼付製剤では、水酸化ナトリウムを加えても薬物量の減少は少なかった。
Figure 0005675225
(試験3)
(貼付製剤の変色の評価)
表6に示す組成の貼付製剤(試料43〜試料49)を調製し、変色を評価した。DuroTak 87−900A、DuroTak 87−9301、DuroTak 87−200A、DuroTak 87−2510、DuroTak 87−202A、DuroTak 87−235A及びDuroTak 87−2074は、いずれも酢酸ビニルモノマー単位を含まないポリアクリレート粘着基剤である。表6において、粘着基剤の量は、溶媒を除いた固形分としての量を示す。
Figure 0005675225
(貼付製剤の調製)
薬物及び水酸化ナトリウムに、溶媒としてメタノール5gを加えて溶解させ、これに粘着基剤を加えて均一な溶液とした。この溶液を、剥離シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面に一定の厚さ(乾燥後100μm)で塗布した。次に、乾燥により溶媒を除去し、粘着剤層を形成した。続いて、支持体である厚さ43.2μmのポリエチレン/ポリエステル積層フィルムを、ポリエステル面が粘着剤層に接するように貼り合わせ、貼付製剤を得た。貼付製剤は、64cmに裁断し、アルミラミネート袋で包装した。
各貼付製剤の調製直後に、粘着剤層の色を観察し、褐色あるいはオレンジ色の変色がないかを評価した。その結果、試料43〜49のいずれの貼付製剤においても変色は認められなかった。
(試験4)
(貼付製剤の保存安定性の評価)
水酸化ナトリウムに替えてトリエタノールアミンを添加し、表7に示す組成で実施例1〜4及び比較例1〜2の貼付製剤を調製した。表7において、粘着基剤の量は、溶媒を除いた固形分としての量を示す。また、PGは、プロピレングリコールを意味し、IPMは、ミリスチン酸イソプロピルを意味する。実施例4は、薬物モル数の50%のモル数のトリエタノールアミンを配合した。他の試料は、薬物と等しいモル数のトリエタノールアミンを配合した。
貼付製剤の薬物含有量の定量及びin vitro皮膚透過試験を行い、貼付製剤の保存安定性を評価した。
Figure 0005675225
(貼付製剤の調製)
実施例1〜4の貼付製剤は、以下の手順によって調製した。薬物、トリエタノールアミン、プロピレングリコール(PG)及びミリスチン酸イソプロピル(IPM)に、溶媒としてメタノール5gを加えて溶解させ、これに粘着基剤を加えて均一な溶液とした。この溶液を、剥離シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面に一定の厚さ(乾燥後100μm)で塗布した。次に、乾燥により溶媒を除去し、粘着剤層を形成した。続いて、支持体である厚さ43.2μmのポリエチレン/ポリエステル積層フィルムを、ポリエステル面が粘着剤層に接するように貼り合わせ、貼付製剤を得た。貼付製剤は、64cmに裁断し、アルミラミネート袋で包装した。
比較例1の貼付製剤は、以下の手順によって調製した。SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体)に、溶媒としてトルエン100gを加えて均一な溶液を調製した。次に、薬物、トリエタノールアミン、プロピレングリコール(PG)、オレイルアルコール、流動パラフィンに、溶媒としてメタノール5gを加えて溶解させた。これに、上記のSIS溶液を加えて均一な溶液とした。この溶液を、剥離シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面に一定の厚さ(乾燥後100μm)で塗布した。次に、乾燥により溶媒を除去し、粘着剤層を形成した。続いて、支持体である厚さ43.2μmのポリエチレン/ポリエステル積層フィルムを、ポリエステル面が粘着剤層に接するように貼り合わせ、貼付製剤を得た。貼付製剤は、64cmに裁断し、アルミラミネート袋で包装した。
比較例2の貼付製剤は、以下の手順によって調製した。PIB(ポリイソブチレン)に、溶媒としてトルエン100gを加えて均一な溶液を調製した。次に、薬物、トリエタノールアミン、プロピレングリコール(PG)、オレイルアルコール、流動パラフィンに、溶媒としてメタノール5gを加えて溶解させた。これに、上記のPIB溶液を加えて均一な溶液とした。この溶液を、剥離シートである厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムのシリコーン処理面に一定の厚さ(乾燥後100μm)で塗布した。次に、乾燥により溶媒を除去し、粘着剤層を形成した。続いて、支持体である厚さ43.2μmのポリエチレン/ポリエステル積層フィルムを、ポリエステル面が粘着剤層に接するように貼り合わせ、貼付製剤を得た。貼付製剤は、64cmに裁断し、アルミラミネート袋で包装した。
(薬物の定量)
上記の試験2における方法と同様の操作により、調製直後の各貼付製剤に含まれる薬物を定量した。表8に、粘着剤層の質量及び配合した薬物量から算出した薬物の理論量を、100%とした定量結果を示す。単位は質量%である。
Figure 0005675225
実施例3及び実施例4の貼付製剤について、上記の試験2における方法と同様の操作により、調製直後、25℃で1ヶ月間保存後及び40℃で1ヶ月間保存後の各貼付製剤に含まれる薬物を定量した。表9に、粘着剤層の質量及び配合した薬物量から算出した薬物の理論量を、100%とした定量結果を示す。単位は質量%である。
水酸化ナトリウムを含有する、上記試験2における試料25及び試料27の貼付製剤の薬物含有量の結果と比較して(表5)、トリエタノールアミンを含有する、実施例3及び実施例4の貼付製剤では、薬物含有量の減少が顕著に抑制されることが見出された。
Figure 0005675225
(試験5)
(in vitro皮膚透過試験)
凍結保存されたヒト皮膚を解凍し、真皮側をレセプター層側として、32℃の温水を外周部に循環させたフロースルーセルに装着した。次に、皮膚の角質層側に貼付製剤(面積1cm)を貼付し、レセプター層としてリン酸緩衝液(pH7.4)を用いて1.0mL/時間の速さで12時間毎に168時間までレセプター溶液をサンプリングし、その流量を測定すると共に高速液体クロマトグラフィーを用いて薬物濃度を測定した。得られた測定値から1時間当たりの薬物の皮膚透過速度を算出し、定常状態における皮膚の単位面積あたりの薬物の皮膚透過速度を求めた。
実施例1〜4の貼付製剤のin vitro皮膚透過試験の結果を図2に示す。比較例1の貼付製剤は、薬物の皮膚透過速度が高かったが、持続性が不十分であった(図示せず)。また、比較例2の貼付製剤は、薬物の皮膚透過速度の点で他の貼付製剤より劣り、しかも持続性が不十分であった(図示せず)。さらに、比較例2の貼付製剤は、粘着剤層が、皮膚に接着するための適切な粘着性を有していなかった。
実施例2の貼付製剤について、調製直後、25℃で1ヶ月間保存後及び40℃で1ヶ月間保存後のin vitro皮膚透過試験を行った。結果を図3に示す。1ヶ月保存後においても、調製直後と同等の薬物の皮膚透過速度が維持された。
実施例3の貼付製剤について、調製直後、25℃で1ヶ月間保存後及び40℃で1ヶ月間保存後のin vitro皮膚透過試験を行った。結果を図4に示す。1ヶ月保存後においても、調製直後と同等の薬物の皮膚透過速度が維持された。
(試験6)
(薬物の投与シミュレーション)
実施例4の貼付製剤の、in vitro皮膚透過試験の結果に基づいて、薬物の投与シミュレーションを行った。具体的には、上記のin vitro皮膚透過試験にて得られた皮膚透過速度、ラグタイム、試験に使用した皮膚の厚さなどに関する情報と、静脈内投与における体内動態パラメータ(投与量、分布容積、消失速度定数)情報を用いて、実施例4の貼付製剤をヒト(体重70kg)に経皮投与した場合のラサギリン血中濃度推移を、Fick第2法則の膜透過モデルと、2コンパートメント薬物動態モデルによって予測した。
メシル酸ラサギリンを12mg含有する、面積20cmの実施例4の貼付製剤を、1週間に1回、4週間継続してヒト(体重70kg)に経皮投与した場合の、血中薬物濃度の推移のシミュレーション結果を図5に示す。ここで、メシル酸ラサギリンを12mg含有する貼付製剤を体重70kgのヒトに経皮投与した場合のラサギリン(フリー体換算)の投与量は、メシル酸ラサギリンの分子量が267.34、フリー体のラサギリンの分子量が171.10であることから、下記式(2)により、109.7μg/kg体重と計算される。
12mg×171.10÷267.34÷70kg=109.7μg/kg体重…(2)
図5には、メシル酸ラサギリン1mgを、1日1回、7日間継続して経口投与した場合の、血中薬物濃度の推移の結果も示した。
経口投与では、血中薬物濃度の上下変動が非常に大きいのに対し、貼付製剤を投与した場合には、血中薬物濃度の上限と下限の差が小さく、かつ治療有効量の血中薬物濃度(フリー体換算で0.1〜0.5ng/mL)が維持可能であることが示された。
(試験7)
(薬物の投与シミュレーション)
実施例3及び4の貼付製剤のin vitro皮膚透過試験の結果に基づいて、試験6と同様の方法により、薬物の投与シミュレーションを行った。
メシル酸ラサギリンを12mg含有する、面積20cmの実施例4の貼付製剤を、1週間に1回、4週間継続してヒト(体重70kg)に経皮投与した場合、メシル酸ラサギリンを6mg含有する、面積10cmの実施例4の貼付製剤を、1週間に2回(3.5日に1回)、4週間継続してヒト(体重70kg)に経皮投与した場合、及び、メシル酸ラサギリンを5mg含有する、面積10cmの実施例3の貼付製剤を、1週間に2回(3.5日に1回)、4週間継続してヒト(体重70kg)に経皮投与した場合の、血中薬物濃度の推移のシミュレーション結果を図6に示す。いずれの場合においても、治療有効量の血中薬物濃度(フリー体換算で0.1〜0.5ng/mL)が維持可能であることが示された。
本発明により、ラサギリンを薬物として含み、1週間に1回又は2回の投与で治療有効量の血中薬物濃度を維持でき、長期間保存しても、粘着剤層が変色せず、十分な薬物の含有量及び皮膚透過速度を維持可能な貼付製剤が提供される。
1…貼付製剤、2…支持体、3…粘着剤層、4…剥離シート。

Claims (3)

  1. 支持体と、該支持体上に配置された粘着剤層とを備える貼付製剤であって、
    前記粘着剤層は、ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩、トリエタノールアミン及び粘着基剤を含み、かつ、水酸化ナトリウムを含まず、該粘着基剤は、水酸基又はカルボキシル基を有し、酢酸ビニルを単量体単位として含まない(メタ)アクリル系重合体であ
    27〜220μg/kg体重の量のラサギリンを、ヒトに対して1週間に1回又は2回投与されるように用いられる、
    貼付製剤。
  2. 前記ラサギリンの薬学的に許容可能な酸付加塩のモル数と、トリエタノールアミンのモル数との比率が1:0.1〜1:2の範囲である、請求項1に記載の貼付製剤。
  3. 前記粘着剤層は、50質量%以上100質量%未満の前記粘着基剤を含み、
    当該粘着基剤は、0質量%を超え10質量%以下のカルボキシル基を有する共重合モノマー単位を含む、請求項1又は2に記載の貼付製剤。
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