JP4999366B2 - 経皮吸収製剤 - Google Patents

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Description

本発明は、(−)−(R)−N,α−ジメチル−N−2−プロピニルフェネチルアミン(以下、セレギリンと称す)および/またはその塩酸塩である(−)−(R)−N,α−ジメチル−N−2−プロピニルフェネチルアミン モノハイドロクロライド(以下、塩酸セレギリンと称す)を含有する経皮吸収製剤に関する。具体的には、皮膚面に貼付して、上記薬物を皮膚から生体内へ連続的に投与するための経皮吸収製剤である。
塩基性薬物であるセレギリンまたはその塩酸塩である塩酸セレギリンは、抗パーキンソン病治療薬であり、モノアミン酸化酵素(MAO)の阻害剤として知られている。MAOには、A型(MAO−A)、B型(MAO−B)の異なったサブタイプが存在し、塩酸セレギリンはB型の選択的阻害剤である。一方、塩酸セレギリンの投与方法については、塩酸セレギリンを多量に経口投与することによってMAO−Aを阻害し、抗うつ作用を示すことがこれまでに報告されている。MAO−Aは消化管に多く存在し、それを阻害すると突発性の高血圧を引き起こす為、消化管への薬物の移行が少ない投与形態が望まれていた。
これに対して、経皮吸収製剤は消化管への吸収性、肝臓での初回通過効果を回避できることから、このような塩基性薬物を投与する場合において優れた投与形態であることが予想された。経皮吸収製剤の種類については、リザーバータイプ、マトリックスタイプなど種々の形態があることが知られている。一般的に疾患に対する薬物の投与を考慮した場合、投与期間については、短期間であることが望ましいが、現実的には長期投与されることが多く、その長期投与期間中に経皮吸収製剤の適応を受けた場合は、ほぼ毎日のように投与が繰り返されることになる。貼付される部位についても体の可動部を避けることが望ましく、貼付される部位にも制限があることが理解できる。
上記のことから繰り返し貼付を想定し、経皮吸収製剤にはできるだけ皮膚に優しく、皮膚面に対しては角質損傷等による刺激の抑制すなわち低刺激性が要求される。これについては、粘着剤自体の組成を変更して皮膚接着力を適度に低下させる方法、または粘着剤層に液状成分を含有させてゲルとし、粘着剤層にソフト感を与える方法等が挙げられる。このゲルの作製については、これまで粘着剤に架橋剤を添加し凝集力を向上させ、その粘着剤層に相溶する液状成分を保持させる方法が用いられている。
このゲルの作製については、特に塩基性薬物を用いた場合、多官能性イソシアネート等の化合物では、塩基性薬物が架橋剤自身と反応してしまい、架橋剤としての役割が充分に発揮できない。このような場合には金属キレート等の架橋剤が優位に働き、その効果を発揮することが知られている。
しかし、近年、この塩基性薬物と金属キレートの組み合わせよりなるゲルを利用した経皮吸収製剤について、ヒトに貼付した場合に、汗腺より発汗される汗の成分である微量成分の乳酸により、粘着剤層中の架橋部位が破壊され、剥離時に凝集破壊を引き起こすことが報告されている。
これに対し、同時に多価アルコールを添加し、金属キレート本来の効果をより発揮させる方法(特許文献1)、さらに、皮膚接着層には、乳酸の影響を受けない架橋剤を利用したプラセボ層を設計し、その上層に塩基性薬物を含み金属キレートで架橋された粘着剤層を積層させることにより回避する方法が提案されている(特許文献2)。
しかしながら、前者の方法(特許文献1)については、多価アルコールが親水性化合物であるため、疎水性環境にある粘着剤層には、多くても約5重量%程度しか均一には溶解せず、それ以上となると粘着剤層からブルーミングが起こるという問題がある。そのため塩基性薬物を粘着剤層に比較的多量に含有させた場合には、粘着剤層と均一に溶解する多価アルコールの含有量がさらに減少し、粘着剤層の凝集破壊を十分に防止できなくなることがわかった。また、多価アルコールの含有率を高くすることも考えられるが、粘着剤層中の粘着剤の含有率が低くなるので、粘着力の低下を招くようになる。
また、後者の方法(特許文献2)については、貼付面からの乳酸の浸入・拡散による剥離時の凝集破壊を抑制できるが、実際は、貼付時においては、経皮吸収製剤の側面も皮膚に触れるため、側面からの乳酸の浸漬による、エッジ部での凝集破壊は回避出来ないことが解った。
特開2003−62058号公報 特開2004−10525号公報
本発明の目的は、セレギリンおよび/または塩酸セレギリンを経皮吸収させるための経皮吸収型製剤であって、貼付時の発汗による汗成分の存在下においても粘着剤層の凝集力の低下を生じることはなく剥離除去の際の凝集破壊による糊残りの生じない安定な経皮吸収製剤を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、セレギリンおよび/または塩酸セレギリンを含有する経皮吸収製剤に塩化ナトリウムなどの無機金属化合物を併存させると、汗中の乳酸が製剤中に取り込まれた場合においても、粘着剤層の凝集力の低下を引き起こすことがなく、剥離除去の際の糊残りの生じない安定な製剤が得られることを見出して、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)(−)−(R)−N,α−ジメチル−N−2−プロピニルフェネチルアミンおよび/またはその塩酸塩、金属塩化物並びに粘着剤を含有し、架橋処理が施されてなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されてなる経皮吸収製剤。
(2)架橋処理が金属キレート化合物によって施されてなる、上記(1)に記載の経皮吸収製剤。
(3)粘着剤がアクリル系重合体を含むアクリル系粘着剤である、上記(1)または(2)に記載の経皮吸収製剤。
(4)粘着剤層がさらに液状可塑剤を含む、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の経皮吸収製剤。
(5)液状可塑剤が、炭素数12〜16の高級脂肪酸と炭素数が1〜3の低級1価アルコールからなる脂肪酸エステルである、上記(4)に記載の経皮吸収製剤。
(6)金属塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化第一スズ、および塩化第二鉄から選ばれる少なくとも1つの金属塩化物である、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の経皮吸収製剤。
(7)金属塩化物が塩化ナトリウムである、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の経皮吸収製剤。
(8)金属塩化物が、(−)−(R)−N,α−ジメチル−N−2−プロピニルフェネチルアミンの塩酸塩を塩基性化合物で中和して生じさせた塩である、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の経皮吸収製剤。
本発明の経皮吸収製剤は、汗成分である乳酸の製剤への取り込みによる粘着剤層の凝集力の低下を防止することができる。従って、本発明によれば、セレギリンおよび/または塩酸セレギリンの含有量を自由に設定でき、貼付時の発汗による汗成分の存在下においても粘着剤層の凝集力の低下を生じることなく剥離除去の際の凝集破壊による糊残りの生じない安定な経皮吸収製剤を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の経皮吸収製剤はセレギリンおよび/または塩酸セレギリンを経皮吸収させるためのものであり、その粘着剤層にセレギリンおよび/または塩酸セレギリンを含有し、抗うつ治療薬として用いられうる。また、その他の用途としては、抗パーキンソン、抗アルツハイマー、抗てんかん、船酔い予防、精神分裂病の治療、神経細胞の機能維持・保護、アセチルコリン系神経伝達改善、緑内障の治療、老化防止、HIV−関連認知機能障害、ADHD(注意欠陥多動障害)などが挙げられる。
本発明で使用される支持体としては、特に限定はされないが、液状可塑剤、セレギリンが支持体中を通って背面から失われて含有量が低下しないもの、即ちこれらの成分が不透過性を有する材料が好ましい。具体的には、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、アイオノマー樹脂等からなるフィルム、金属箔やまたはこれらのラミネートフィルム等が挙げられる。これらのうち、支持体として粘着剤層との接着性(投錨性)を向上させるために支持体を上記材料からなる無孔性フィルムと多孔性フィルムとのラミネートフィルムとし、多孔性フィルム側に粘着剤層を形成することが好ましい。
多孔性フィルムとしては、粘着剤層の投錨性が良好であれば特に限定されないが、例えば紙、織布、不織布、機械的に穿孔処理したシート等があげられ、特に紙、織布、不織布が好ましい。多孔性フィルムの厚みは投錨力の向上および経皮吸収製剤の柔軟性を考慮して通常10〜500μm、プラスタータイプや粘着テープタイプのような薄手の経皮吸収製剤の場合は通常10〜200μm程度である。織布や不織布の場合は、これらの目付量を5〜30g/mとすることが投錨力の向上の点で好ましい。
本発明における粘着剤層は、支持体の少なくとも片面に形成される。本発明における粘着剤層に含有する粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤等が挙げられる。なかでも、経皮吸収製剤としての粘着性の観点から、粘着性ポリマーとしてアクリル系重合体を含むアクリル系粘着剤が好ましい。
本発明におけるアクリル系重合体は、通常は(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む重合体であり、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分として共重合した共重合体である。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、人の皮膚への粘着性の観点から、炭素数4以上が好ましく、直鎖でも、分岐鎖でもよい。具体的には、ブチル、ペンチル、へキシル、へプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル等が挙げられ、好ましくは2−エチルヘキシルである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは1種または2種以上の組み合わせで使用される。
上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合しうるモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基を有するモノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、アクリルアミドメチルスルホン酸等のスルホン酸を有するモノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマー;(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミド基を有する(メタ)アクリル酸誘導体;(メタ)アクリル酸アミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルエステル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルエステル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリルエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシジエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールエステル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキレングリコールエステル;(メタ)アクリロニトリル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクタム、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビニルを有する化合物等が挙げられ、これら単独または2種以上を組み合わせて使用される。これらモノマーの共重合は、得られる共重合体の重量平均分子量に応じて適宜設定される。
好ましい共重合体としては、例えば、アクリル酸2−エチルへキシルエステルとN−ビニル−2−ピロリドンとアクリル酸との共重合体、アクリル酸2−エチルへキシルエステルとアクリル酸2−ヒドロキシエチルエステルと酢酸ビニルとの共重合体、アクリル酸2−エチルへキシルエステルとアクリル酸との共重合体等が挙げられ、より好ましくは、アクリル酸2−エチルへキシルエステルとN−ビニル−2−ピロリドンとアクリル酸との共重合体が挙げられる。
アクリル系共重合体のガラス転移温度は、共重合組成によっても異なるが、経皮吸収製剤としての粘着性の観点から、通常−60〜−10℃であることが好ましく、より好ましくは−43〜−27℃である。
また、粘着剤層には液状可塑剤を含有させることができる。
液状可塑剤としては、それ自体室温で液状であり、可塑化作用を示し、上記の粘着剤を構成する粘着性ポリマーと相溶するものであれば特に限定されないが、セレギリンの経皮吸収性、保存安定性を向上させるものであることが好ましい。また、粘着剤中への薬物溶解性等をさらに高める目的でも配合することができる。
液状可塑剤として具体的には、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル等の炭素数12〜16の高級脂肪酸と炭素数が1〜4の低級1価アルコールからなる脂肪酸エステル;炭素数8〜10の脂肪酸〔例えば、カプリル酸(オクタン酸、C8)、ペラルゴン酸(ノナン酸、C9)、カプリン酸(デカン酸、C10)等〕;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類;オリーブ油、ヒマシ油、スクアレン、ラノリン等の油脂類;酢酸エチル、エチルアルコール、ジメチルデシルスルホキシド、デシルメチルスルホキシド、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルラウリルアミド、ドデシルピロリドン、イソソルビトール、オレイルアルコール、ラウリン酸等の有機溶剤;液状の界面活性剤;ジイソプロピルアジぺ−ト、フタル酸エステル、ジエチルセバケート等の従来より公知の可塑剤;流動パラフィン等の炭化水素類;その他、エトキシ化ステアリルアルコール、グリセリンエステル(室温で液状の物)、ミリスチン酸イソトリデシル、N−メチルピロリドン、オレイン酸エチル、オレイン酸、アジピン酸ジイソプロピル、パルミチン酸オクチル、1,3−プロパンジオール、グリセリン等が挙げられる。これらの中から常温で液状のものが使用される。また、これらの液状可塑剤は単独でまたは2種以上の組み合わせで使用される。
本発明における液状可塑剤は、先のアクリル系共重合体との相溶性の観点から、炭素数12〜16の高級脂肪酸と炭素数1〜4の低級1価アルコールからなる脂肪酸エステルが好ましい。
該脂肪酸エステルの炭素数12〜16の高級脂肪酸は飽和及び不飽和脂肪酸を包含するが、飽和脂肪酸が好ましく、また炭素数1〜4の低級1価アルコールは直鎖でも分岐鎖でもよい。炭素数12〜16の高級脂肪酸の好適な例としては、ラウリン酸(C12)、ミリスチン酸(C14)、パルミチン酸(C16)が挙げられ、炭素数1〜4の低級1価アルコールの好適な例としては、イソプロピルアルコール、エチルアルコール、メチルアルコール、プロピルアルコール等が挙げられる。これらのうち、好適な脂肪酸エステルとしては、ミリスチン酸イソプロピルが例示される。
セレギリンの経皮吸収性の向上を考慮して、上記の脂肪酸エステルに加えて、炭素数8〜10の脂肪酸および/またはグリセリンを併用しても良い。
液状可塑剤の配合量は上記の粘着剤を構成する粘着性ポリマー100重量部に対して、好ましくは10〜140重量部、より好ましくは40〜100重量部である。この配合量が10重量部未満のとき、粘着剤層の可塑化が不充分となって皮膚刺激性を低減することが出来ない場合があり、逆に140重量部を超えるとき、粘着剤が有する凝集力によっても液状可塑剤を粘着剤中に保持させることが出来ない場合があり、粘着剤層表面にブルーミングして接着性が劣る場合があるので好ましくない。
粘着剤層に架橋処理を施すための架橋剤にはセレギリンおよび/または塩酸セレギリンにより架橋の形成が阻害されない架橋剤であれば特に制限されないが、例えば有機金属化合物(例えばジルコニウム、亜鉛、酢酸亜鉛等が挙げられる)、金属アルコラート(例えばテトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、アルミニウムイソプレピレート、アルミニウムsec−ブチレート等が挙げられる)または、金属キレート化合物(例えばジプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、テトラオクチレングリコールチタン、アルミニウムイソプロピレート、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。好ましく用いられる架橋剤は金属キレート化合物である。なかでもエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートがより好ましい。架橋処理には、上記架橋剤を1種または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
架橋剤の配合量は、架橋剤や粘着剤の種類によって異なるが、架橋する粘着剤100重量部に対して、通常0.1〜0.6重量部、好ましくは0.15〜0.4重量部の範囲である。
本発明の経皮吸収製剤のゲル分率は、粘着剤の凝集力維持および皮膚粘着力の獲得の観点から、45%〜95%であることが好ましい。特に好ましくは55%〜90%である。
本発明の経皮吸収製剤の粘着剤層に含まれるセレギリンおよび/または塩酸セレギリンは、粘着剤層に溶解状態もしくは分散状態にて含有させることができる。
粘着剤層中のセレギリンおよび/または塩酸セレギリンの含有量は、粘着剤層の総重量の通常2〜30重量%、好ましくは5〜20重量%の範囲である。
本発明の経皮吸収製剤の粘着剤層には、金属塩化物を含有する。金属塩化物としては、安全性の観点から通常、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化第一スズ、塩化第二鉄等の金属塩化物が挙げられる。好ましくは、塩化ナトリウム、塩化カルシウムであり、より好ましくは塩化ナトリウムである。これらはいずれかを単独で使用しても、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明における金属塩化物は、塩酸セレギリンを塩基性化合物で中和して生じさせた塩であってもよい。具体的には、塩酸セレギリンを使用する場合に、塩酸セレギリンを金属水酸化物等の塩基性化合物とともに溶媒中で混合攪拌して中和することによって生成する金属塩化物が該当する。これにより金属塩化物を添加しなくても金属塩化物を含む薬物含有液を調製することができる。また、塩酸セレギリンを金属水酸化物等の塩基性化合物とともに溶媒中で混合攪拌して金属塩化物を生成させた後、こうして得られた薬物含有液にさらに金属塩化物を添加してもよい。塩基性化合物としては金属水酸化物が好ましく、金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムが挙げられる。
これら金属塩化物の配合量としては、上記の粘着剤を構成する粘着性ポリマー100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。この配合量が0.1重量部未満の場合、汗中の乳酸による影響を抑制する効果が不充分となる場合があり、逆に20重量部を超えた場合、抑制効果はあるものの粘着性ポリマー中に均一に分散出来ず外観不良を引き起こす場合がある。
粘着剤層の厚さは、皮膚面への貼付や剥離性の点から、通常10〜300μm、好ましくは50〜200μmである。
粘着剤層には必要に応じて、抗酸化剤や各種顔料、各種充填剤、安定化剤、薬物溶解補助剤、薬物溶解抑制剤等の添加剤を配合することができる。
本発明の経皮吸収製剤の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、以下の製造方法により製造することができる。
セレギリンおよび/または塩酸セレギリンを、エタノールなどの溶媒に分散した金属塩化物と混合攪拌し薬物含有溶液を調製する。ここで薬物として塩酸セレギリンを用いる場合は、塩酸セレギリンを上記金属水酸化物などとともに溶媒中で混合攪拌して中和することによって、金属塩化物を生成させてもよい。また、塩酸セレギリンを金属水酸化物とともに溶媒中で混合攪拌して金属塩化物を生成させた後、こうして得られた薬物含有液に金属塩化物を添加してもよい。
上記の薬物含有溶液を、例えば、粘着剤(例えばアクリル系共重合体粘着剤等)、架橋剤、並びに必要に応じて液状可塑剤やその他の添加剤等と共に、溶媒または分散媒に溶解または分散させる。粘着剤層の形成に用いる溶媒または分散媒は、特に限定されず、粘着剤の溶媒等として通常使用されるものを粘着剤の種類、薬物との反応性等を考慮して選択することができる。例えば、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、2−プロパノール、メタノール、エタノール等が挙げられる。
次に得られた溶液または分散液を支持体の片面もしくは剥離シートの剥離処理面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成し、その後、剥離シートもしくは支持体と貼り合わせる。剥離シートとしては、使用時に粘着剤層から容易に剥離されるものであれば特に限定されず、例えば粘着剤層との接触面にシリコーン処理が施された、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のフィルム、あるいは上質紙またはグラシン紙とポリオレフィンとのラミネートフィルム等が用いられる。該剥離シートの厚みは、通常200μm以下、好ましくは25〜100μmである。かかる剥離シートを粘着剤層上に貼りあわせ、通常60〜90℃、好ましくは60〜70℃で24〜48時間、エージング処理などを施すことによって架橋反応を促進させて、本発明の経皮吸収製剤を調製する。
なお、セレギリンおよび/または塩酸セレギリンを、粘着剤(例えばアクリル系共重合体粘着剤等)、架橋剤、並びに必要に応じて液状可塑剤やその他の添加剤等と共に、溶媒または分散媒に溶解または分散して、薬物含有溶液を調製した後、得られた溶液に金属塩化物を混合攪拌し、支持体の片面もしくは剥離シートの剥離処理面に塗布し、乾燥して粘着剤層を形成し、その後、剥離シートもしくは支持体を貼り合わせてもよい。
本発明の経皮吸収製剤の形状は限定されず、例えば、テープ状、シート状等を含む。
本発明の経皮吸収製剤の投与量は、使用する薬物の種類、患者の年齢、体重、症状などにより異なるが、通常、成人に対して、セレギリンまたは塩酸セレギリン5〜100mgを含有した経皮吸収製剤を皮膚5〜100cmに、2日に1回〜1日に1回程度貼り付けるのが好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下文中で部とあるのは全て重量部を意味する。
(アクリル系共重合体粘着剤Aの調製)
不活性ガス雰囲気下、アクリル酸2−エチルへキシル75部、N−ビニル−2−ピロリドン22部、アクリル酸3部およびアゾビスイソブチロニトリル0.2部を酢酸エチル中60℃にて溶液重合させてアクリル系共重合体粘着剤Aの溶液を調製した。
(アクリル系共重合体粘着剤Bの調製) 不活性ガス雰囲気下、アクリル酸2−エチルヘキシル95部、アクリル酸5部および過酸化ベンゾイル0.2部を、酢酸エチル中60℃にて溶液重合させてアクリル系共重合体粘着剤Bの溶液を調製した。
<セレギリンを用いて製造する経皮吸収製剤>
実施例1
アクリル系共重合体粘着剤A49部、ミリスチン酸イソプロピル40部、セレギリン10部を容器中で均一になるように混合攪拌を行った。その後、エタノールに分散した塩化ナトリウム1部を先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、ポリエステルフィルム(75μm厚)に乾燥後の厚みが80μmになるように調整を行い、乾燥してポリエステルフィルム(12μm厚)に貼りあわせた後、70℃で48時間エージング処理を行い、セレギリンの経皮吸収製剤を得た。
実施例2
アクリル系共重合体粘着剤A47部、ミリスチン酸イソプロピル40部、セレギリン10部を容器中で均一になるように混合攪拌を行った。その後、エタノールに分散した塩化ナトリウム3部を先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
実施例3
アクリル系共重合体粘着剤A45部、ミリスチン酸イソプロピル40部、セレギリン10部を容器中で均一になるように混合攪拌を行った。その後、エタノールに分散した塩化ナトリウム5部を先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
実施例4
アクリル系共重合体粘着剤B47部、ミリスチン酸イソプロピル40部、セレギリン10部を容器中で均一になるように混合攪拌を行った。その後、エタノールに分散した塩化ナトリウム3部を先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
比較例1
アクリル系共重合体粘着剤A50部、ミリスチン酸イソプロピル40部、セレギリン10部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
比較例2
アクリル系共重合体粘着剤B50部、ミリスチン酸イソプロピル40部、セレギリン10部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
比較例3
アクリル系共重合体粘着剤A47部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、セレギリン10部、グリセリン3部(2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
比較例4
アクリル系共重合体粘着剤A45部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、セレギリン10部、グリセリン5部(2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
比較例5
アクリル系共重合体粘着剤B45部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、セレギリン10部、グリセリン5部(2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例1と同様の操作を行いセレギリンの経皮吸収製剤を得た。
(実験例)
上記各実施例および各比較例にて作製したセレギリン経皮吸収製剤について、以下に示すゲル分率測定実験、及び浸漬試験を行った。
実験例1
(ゲル分率測定試験)
製剤内に残存する酢酸エチルに不溶なゲル成分の割合を次の方法を用いて求めた。
得られた製剤を25cm(5cm×5cm)に打ち抜き、2枚を予め重量を測定した多孔性テトラフルオロエチレンフィルム(20cm×10cm)(基材)に貼付した。内容物がこぼれない様に折りたたみ、重量を測定した。これをビーカーに入れ、2種類の溶媒(タイプ1:酢酸エチル、タイプ2:0.4wt%乳酸入り酢酸エチル)にて、基材が完全に漬かるまで加えた。その翌日に中の溶液を捨て、溶媒(全て酢酸エチル)を添加し、1日ごとに交換し、3回交換後ビーカー中の溶液を捨て、乾燥後、重量を測定した。ゲル分率は以下の式にて算出する。
Figure 0004999366
実験例2
(浸漬試験)
実際の皮膚に貼付された場合を想定し、粘着剤層の凝集力を次の方法で評価した。得られた製剤を10cm(3.16cm×3.16cm)に打ち抜いた。0.4wt%乳酸を含む生理食塩水をガラス製シャーレに5mL添加し、そこに打ち抜かれた製剤を、セパレーターを剥がし粘着面が下になるように浸漬した(浮かせた)。浸漬24時間後にその製剤を取り出し、表面を乾燥させた後、指で触ることにより評価した。結果を表1に示した。
Figure 0004999366
表1の結果より、タイプ1のゲル分率の結果では、見かけ上架橋構造は維持できているように考察できるが、実際の貼付状態を仮定した汗中の乳酸を酢酸エチルに添加した場合のタイプ2の場合においては、実施例1〜4の場合はタイプ1に比べて低下傾向はあるものの50%を超える値を維持しており、浸漬前後試験結果からも解るように、このレベルを維持する限り粘着剤層の凝集破壊は起こらないことが確認された。また、製剤中の塩化ナトリウム濃度を上げた場合にはその値が向上することも解る。これに対して、塩化ナトリウムのない比較例1、2についてはその値が顕著に低下し、また凝集破壊を引き起こすことも解る。また、グリセリンを添加した場合についても、先の比較例と同様に、タイプ2の場合のゲル分率の値が顕著に低下した。また凝集破壊を引き起こすことが確認された。
<塩酸セレギリンを用いて製造する経皮吸収製剤>
実施例5
アクリル系共重合体粘着剤A45.85部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、エタノールに溶解した水酸化ナトリウム(10wt%)2.15部を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、ポリエステルフィルム(75μm厚)に乾燥後の厚みが80μmになるように調整を行い、乾燥してポリエステルフィルム(12μm厚)に貼りあわせた後、70℃で48時間エージング処理を行い、経皮吸収製剤を得た。
実施例6
アクリル系共重合体粘着剤A38.8部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン18部、エタノールに溶解した水酸化ナトリウム(10wt%)3.20部を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
実施例7
アクリル系共重合体粘着剤A31.71部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン24部、エタノールに溶解した水酸化ナトリウム(10wt%)4.29部を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
実施例8
アクリル系共重合体粘着剤B45.85部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、エタノールに溶解した水酸化ナトリウム(10wt%)2.15部を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例6
アクリル系共重合体粘着剤A41.1部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジイソプロパノールアミン5部、ジエタノールアミン1.9部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例7
アクリル系共重合体粘着剤A40.5部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジイソプロパノールアミン5部、ジエタノールアミン2.5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例8
アクリル系共重合体粘着剤A43.6部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジエタノールアミン1.9部、モノエタノールアミン2.5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例9
アクリル系共重合体粘着剤B41.1部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジイソプロパノールアミン5部、ジエタノールアミン1.9部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例10
アクリル系共重合体粘着剤B40.5部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジイソプロパノールアミン5部、モノエタノールアミン2.5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例11
アクリル系共重合体粘着剤B43.6部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジエタノールアミン1.9部、モノエタノールアミン2.5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例12
アクリル系共重合体粘着剤B36.1部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジイソプロパノールアミン5部、ジエタノールアミン1.9部、グリセリン5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤B溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例13
アクリル系共重合体粘着剤A35.5部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジイソプロパノールアミン5部、モノエタノールアミン2.5部、グリセリン5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
比較例14
アクリル系共重合体粘着剤A38.6部、ミリスチン酸イソプロピル40部を容器中で均一になるように混合攪拌を行い、別な容器で、塩酸セレギリン12部、ジエタノールアミン1.9部、モノエタノールアミン2.5部、グリセリン5部(いずれも2−プロパノール溶液で10wt%に調整)を混合攪拌した。その後、先のアクリル系共重合体粘着剤A溶液に添加、攪拌を行い、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート0.3部(粘着剤固形分に対して)を添加、酢酸エチルで粘度を調整し、実施例5と同様の操作を行い経皮吸収製剤を得た。
実験例
上記各実施例および各比較例にて作製した経皮吸収製剤について、実験例1と同様にしてゲル分率測定実験を、また実験例2と同様にして浸漬試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 0004999366
表2の結果より、タイプ1のゲル分率の結果では、見かけ上架橋構造は維持できているように考察できるが、実際の貼付状態を仮定した汗中の乳酸を酢酸エチルに添加した場合のタイプ2の場合においては、実施例5〜8の場合はタイプ1に比べて低下傾向はあるものの50%を超える値を維持しており、浸漬前後試験結果からも解るように、このレベルを維持する限り粘着剤層の凝集破壊は起こらないことが確認された。また、製剤中の塩酸セレギリン濃度を上げた場合においてもその状態は維持され、凝集破壊傾向を示さなかった。これに対して、水酸化ナトリウムの代わりにアルコールアミンやグリセリンを最大限添加した製剤においても、依然としてタイプ2のゲル分率は向上することなく、その効果を発現することができないことが確認された。

Claims (6)

  1. (−)−(R)−N,α−ジメチル−N−2−プロピニルフェネチルアミンおよび/またはその塩酸塩、金属塩化物並びに粘着剤を含有し、架橋処理が施されてなる粘着剤層が、支持体の少なくとも片面に形成されてなる経皮吸収製剤であって、架橋処理が金属キレート化合物によって施されてなり、当該粘着剤がアクリル酸アルキルエステルを主成分として共重合した共重合体を含むアクリル系粘着剤である経皮吸収製剤
  2. 粘着剤層がさらに液状可塑剤を含む、請求項に記載の経皮吸収製剤。
  3. 液状可塑剤が、炭素数12〜16の高級脂肪酸と炭素数が1〜4の低級1価アルコールからなる脂肪酸エステルである、請求項に記載の経皮吸収製剤。
  4. 金属塩化物が、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化第一スズおよび塩化第二鉄から選ばれる少なくとも1つの金属塩化物である、請求項1〜のいずれか1項に記載の経皮吸収製剤。
  5. 金属塩化物が塩化ナトリウムである、請求項1〜のいずれか1項に記載の経皮吸収製剤。
  6. 金属塩化物が、(−)−(R)−N,α−ジメチル−N−2−プロピニルフェネチルアミンの塩酸塩を塩基性化合物で中和して生じさせた塩である、請求項1〜のいずれか1項に記載の経皮吸収製剤。
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