JPWO2016052049A1 - 信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラム - Google Patents

信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

信号処理装置(100A、100B)は、センサから出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイス(10)と、出力信号Va(T)の値が測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1に応じて、複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路(20)と、時刻T2に得られた出力信号の値Va_T2と複数の予測値Vb_T2とに基づいて、測定対象のある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路(30)とを有する。

Description

本発明は、信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムに関し、特に、センサからの出力信号に基づいて推定値を求める信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムに関する。
半導体を用いたガスセンサ、湿度センサおよび温度センサの中には、測定を開始してから、出力信号の値(例えば電圧値)が収束するまでに比較的長い時間を要するものがある。すなわち、センサからの出力信号に基づいて測定対象のある属性を求める場合、出力信号の値が収束するまで、その属性を求められない。例えば、匂いを検出するための半導体ガスセンサは、測定を開始してから出力信号の値が収束するまでに、例えば600秒を要する。
なお、本明細書において、「出力信号の値が収束する」とは、十分な時間が経過したときのある時刻の出力信号の値と、ある時刻よりも前の時刻の出力信号の値との差が、所定時間の間、所定の範囲内の値となることをいい、収束した出力信号の値を「収束値」という。また、測定開始から出力信号の値が収束するまでの時間を「応答時間」といい、応答時間が経過するまでの期間を「過渡応答期間」という。
センサからの出力信号に基づいて、測定対象のある属性をいち早く求めるためには、過渡応答期間における出力信号の値に基づいて、その属性に対応する収束値を推定すればよい。このよう収束値を推定する方法は、種々検討されている。例えば、特許文献1には、運転環境に応じて運転性能が異なる機械が、例えば未知の運転環境下でどのような性能を発揮するかを推定する方法が開示されている。特許文献1に記載の推定方法によると、入力された運転環境データを分類条件に基づいて分類し、分類されたデータを対応する1つのモデルに供給し、その1つのモデルから推定値を求めている。
特開2005−242803号公報
特許文献1に記載の推定方法によると、入力された運転環境データを分類条件に基づいて分類した上で、分類されたデータに対応する1つのモデルを選択する。したがって、推定誤差を小さくするためには、各分類に対応するモデルが正確であることが必要である上に、多数の分類およびそれぞれに対応するモデルを用意する必要があるという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、比較的簡単に、かつ、十分な正確さで、センサからの出力信号に基づいて推定値を求めることができる、信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
本発明の実施形態による信号処理装置は、センサから出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイスと、前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路とを有する。
ある実施形態において、前記信号処理装置は、前記出力信号Va(T)の値を格納する第1メモリをさらに有し、前記予測回路は、前記時刻T1に得られた前記出力信号の前記値Va_T1を前記第1メモリから取得し、前記複数の予測値Vb_T2を生成し、前記推定回路は、前記予測回路から前記複数の予測値Vb_T2を取得する。
ある実施形態において、前記信号処理装置は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記パラメータの互いに異なる値Pとを関連付けて格納する第2メモリをさらに有し、前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2および前記パラメータの互いに異なる値Pを前記第2メモリから取得する。
ある実施形態において、前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2を求め、前記誤差Ve_T2に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する。
ある実施形態において、前記予測回路は、前記時刻T1より後の時刻T3に得られた前記出力信号の値Va_T3に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成する。ここで、前記時刻T3は、前記時刻T2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
ある実施形態において、前記予測回路は、前記時刻T1より後の時刻T3に得られた前記出力信号の値Va_T3に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成し、前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2および、前記複数の予測値Vb_T4と、前記時刻T4に得られた前記出力信号の値Va_T4との誤差Ve_T4を求め、前記誤差Ve_T2、前記誤差Ve_T4、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する。
ある実施形態において、前記時刻T2は前記時刻T1よりも所定の時間Tcだけ遅く、前記時刻T4は時刻T3よりも前記所定の時間Tcだけ遅い。
ある実施形態において、前記予測回路は、前記所定の時間Tcが経過する毎に、ある時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tk(kは1以上の整数)に応じて、前記ある時刻から前記所定の時間Tc後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tk+1を生成し、かつ、前記所定の時間Tcが経過する毎に、前記ある時刻と異なる他の時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tm(mは1以上の整数)に応じて、前記他の時刻から前記所定の時間Tc後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tm+1を生成し、前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_Tk+1と前記出力信号の値Va_Tk+1との誤差Ve_Tk+1および、前記複数の予測値Vb_Tm+1と前記出力信号の値Va_Tm+1との誤差Ve_Tm+1を求め、前記誤差Ve_Tk+1、前記誤差Ve_Tm+1、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する。ここで、前記他の時刻は、前記ある時刻から前記所定の時間Tc後の時刻であってもよいし、異なっていてもよい。
ある実施形態において、前記所定の時間Tcが経過する毎に、前記予測回路は、その時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tk(kは1以上の整数)に応じて、その時刻から前記所定の時間n・Tc(nは1以上の整数)後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tk+nを生成し、前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_Tk+nと前記出力信号の値Va_Tk+nとの誤差Ve_Tk+nおよび、前記複数の予測値Vb_Tk+n+1と前記出力信号の値Va_Tk+n+1との誤差Ve_Tk+n+1を求め、前記誤差Ve_Tk+n、前記誤差Ve_Tk+n+1、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する。
ある実施形態において、前記推定回路は、予め決められた期間にわたる前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する。
ある実施形態において、前記推定回路は、前記誤差の累積値の絶対値の最小値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する。
ある実施形態において、前記誤差の累積値は予め決められた期間毎にリセットされる。
ある実施形態において、前記予測回路はニューラルネットワークを含む。
ある実施形態において、前記信号処理装置は、前記センサをさらに有する。
本発明の実施形態による信号処理方法は、センサから出力信号Va(T)を受け取る工程と、前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する工程と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する工程とを包含する。
ある実施形態において、前記信号処理方法は、上記のいずれかに記載の信号処理装置によって実行され得る。
本発明の実施形態によるプログラムは、センサから出力信号Va(T)を受け取る工程と、前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する工程と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する工程とをコンピュータに実行させる。
ある実施形態において、前記プログラムは、上記のいずれかに記載の信号処理装置によって実行され得る信号処理方法をコンピュータに実行させる。コンピュータは、ネットワークを介して接続された複数のコンピュータであってもよい。
本発明の実施形態によるプログラムは、コンピュータを、センサから出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイス手段と、前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測手段と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定手段として機能させる。入力インターフェイス手段、予測手段および推定手段は、例えば、上記のいずれかに記載の信号処理装置の入力インターフェイス、予測回路および推定回路にそれぞれ対応し得る。すなわち、本発明の実施形態によるプログラムは、コンピュータを、例えば上記のいずれかに記載の信号処理装置として機能させる。本発明の実施形態によるプログラムは、例えば、コンピュータのメモリに実装され得る。
本発明の実施形態によると、比較的簡単に、かつ、十分な正確さで、センサからの出力信号に基づいて推定値を求めることができる、信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムが提供される。
本発明の実施形態1による信号処理装置100Aの構成を模式的に示す図である。 本発明の実施形態2による信号処理装置100Bの構成を模式的に示す図である。 予測回路20の学習プロセスを説明するフローチャートである。 熟度の異なる6種類のバナナの匂いをガスセンサで測定した際のセンサ出力の時間変化を示すグラフである。 推定回路30の入出力関係の例を説明するための図である。 推定回路30の入出力関係の例を説明するための図である。 測定対象の属性を推定するプロセスを説明するための図である。 本発明の実施形態による信号処理装置を用いて推定を行った結果を示すグラフである。 本発明の実施形態3による信号処理装置において、予測回路20として用いられるニューラルネットワークの構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態4および5による信号処理装置が有する、出力信号と予測値との誤差の累積値に基づいて推定値を生成する推定回路の構成を示す図である。 測定対象の属性がP5(600秒後の収束値Vc=約1.5V)のときの、予測値と出力信号との誤差の時間変化を表わすグラフである。 図11の誤差の累積値の時間変化を表すグラフである。 本発明の実施形態6による信号処理装置の推定回路30において、累積誤差を一定期間毎にリセットした場合の累積誤差の時間変化を表すグラフである。 本発明の実施形態7による信号処理装置の推定回路30において、所定の時間だけ誤差を累積した場合の累積誤差の時間変化を表すグラフである。 過渡応答期間に出力信号の値が減少する出力信号の時間変化を示すグラフである。 センサ80Aの模式的な断面図である。 センサ80Bの模式的な断面図である。 複数の予測値を更新するプロセスを説明するための図である。
以下、図面を参照して、信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムを説明する。
本発明の実施形態による信号処理装置は、センサから出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイスと、出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1に応じて、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路と、時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と複数の予測値Vb_T2とに基づいて、測定対象のある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路とを有する。
本発明の実施形態による信号処理装置は、センサの過渡応答期間内に、センサからの出力信号を受け取り、収束値を予測し、その予測値を利用して、測定対象の属性を推定する。本発明の実施形態による信号処理装置は、過渡応答期間内の出力信号から、測定対象の属性を表すパラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vcに基づいて、複数の予測値を求める。すなわち、特許文献1に記載の装置が、複数のモデルから選択された1つのモデルを用いて予測値を得ているのに対して、本発明の実施形態による信号処理装置は、複数のモデルを用いて複数の予測値を得た後、複数の予測値の中から最も確からしい予測値を選択し、それを用いて属性を推定する。あるいは、複数のモデルを用いて複数の予測値を得た後、確からしい複数の予測値を選択し、それらを用いて属性を推定する。したがって、特許文献1に記載の装置では、選択される1つのモデルによって予測値の正確性が大きく影響されるのに対して、本発明の実施形態による信号処理装置によるとそのようなことがなく、予想値の正確性が高くなる。その結果、最終的に求められる推定値の正確性も高くなる。これにより、信号処理装置のユーザの待ち時間を低減し、測定対象のある属性をいち早く、高い正確性で得ることができる。
以下、ガスセンサを用いて、バナナが熟している程度(以下、「熟度」という。)を示すパラメータPを求めるために用いられる信号処理装置を例示し、本発明の実施形態による信号処理装置およびそれによって実行される信号処理方法を説明する。また、本発明の実施形態によるコンピュータプログラムは、上記信号処理方法をコンピュータに実行させることができる。
(実施形態1および2)
図1に、本発明の実施形態1による信号処理装置100Aの構成を模式的に示す。信号処理装置100Aは、センサ80から出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイス10と、出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1に応じて、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路20と、時刻T2に得られた出力信号の値Va_T2と複数の予測値Vb_T2とに基づいて、測定対象のある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路30とを有する。
信号処理装置100Aは、出力信号Va(T)の値を格納する第1メモリ40をさらに有し、予測回路20は、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1を第1メモリ40から取得し、複数の予測値Vb_T2を生成し、推定回路30は、予測回路20から複数の予測値Vb_T2を取得する。
図2に、本発明の実施形態2による信号処理装置100Bの構成を模式的に示す。信号処理装置100Bは、信号処理装置100Aと同様に、センサ80から出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイス10と、出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1と、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vcとに基づいて、時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路20と、時刻T2に得られた出力信号の値Va_T2と複数の予測値Vb_T2とに基づいて、測定対象のある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路30とを有する。
信号処理装置100Bは、信号処理装置100Aの第1メモリ40に代えて、複数の予測値Vb_T2と、パラメータの互いに異なる値Pとを関連付けて格納する第2メモリ50を有し、推定回路30は、複数の予測値Vb_T2およびパラメータの互いに異なる値Pを第2メモリ50から取得する。
信号処理装置100Aが有する第1メモリ40は、出力信号Va(T)の値を格納すればよいので、信号処理装置100Bの、複数の予測値Vb_T2とパラメータの互いに異なる値Pとを格納する第2メモリ50よりもメモリの使用量を小さくできる。
なお、信号処理装置100Aおよび100Bは、センサ80と独立した装置として例示しているが、信号処理装置100Aおよび100Bがセンサ80を備えてもよい。
予測回路20は、図1および図2に示す様に、例えば、複数のサブ予測回路1〜Nを有している。サブ予測回路1〜Nは、それぞれ、測定対象のある属性を表すパラメータの値P1〜PNに対応している。なお、複数のサブ予測回路に予測回路20と同じ参照符号を付すことがある。また、パラメータの値P1〜PNは、それぞれ、センサ80からの出力信号の収束値Vcの異なる値に対応している。すなわち、収束値Vcの値が求まれば、それに対応するパラメータの値P1が決定される。
ここで、十分な時間が経過したときのある時刻の出力信号の値と、ある時刻よりも前の時刻の出力信号の値との差が、所定時間の間、所定の範囲内の値となることを「出力信号の値が収束する」といい、収束した出力信号の値を「収束値」という。例えば、十分な時間が経過したときとは測定開始から500秒以上が経過したときのことをいい、ある時刻よりも前の時刻とは、例えば、ある時刻よりも50秒前の時刻であり、所定時間とは例えば100秒であり、所定の範囲とは例えばある時刻の値の3%である。以下では、上記で例示した条件で収束値Vcを求める例を説明するが、収束値Vcを求める条件は、当然に、センサ、求める属性等に応じて、適宜設定される。
例えば、属性がバナナの熟度の場合、バナナの熟度を示すパラメータP1、P2、P3、P4、P5およびP6(例えば、P1が完熟状態を表し、P6が最も若い状態を表す。)は、ガスセンサ80の出力信号の収束値Vc=4.6、4.1、3.4、2.6、1.5、0.6Vに対応するとする。
未知のバナナの匂いをガスセンサ80で測定することによって、そのバナナの熟度を求めることができる。しかしながら、ガスセンサ80の出力信号Va(T)の値が収束値Vcとなるまでの応答時間Trが例えば600秒であると、バナナの熟度を求めるために600秒以上またなければならない。信号処理装置100Aまたは100Bを用いると、例えば、測定開始後約10秒で、バナナの熟度を表すパラメータの値Pを求めることができる。
各サブ予測回路20は、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1に応じて、時刻T1より後の時刻T2(典型的には、所定の時間Tcだけ遅い)に得られるであろう出力信号の値に対応する予測値Vb_T2を生成する。次に、時刻T2で得られた出力信号の値Va_T2と、予測値Vb_T2とに基づいて、パラメータPの推定値Peを生成する。
予測回路20は、例えば、複数の予測値Vb_T2と、時刻T2に得られた出力信号の値Va_T2との誤差Ve_T2を求め、誤差Ve_T2に基づいて、測定対象の推定値Peを生成する。例えば、6つのパラメータP1〜P6に対応する6つのサブ予測回路1〜6の内で、出力信号Va_T2の値と予測値Vb_T2との誤差Ve_T2が最も小さいサブ予測回路に対応するパラメータPの値を推定値Peとして生成する。パラメータPeの値は、このように、P1〜P6のいずれかとしてもよいし、補間または補外演算を行うことによって、P1〜P6の不連続な値の間、またはこれらの範囲外の値を生成してもよい。また、補間または補外演算は、P1〜P6のうち、2つ以上を選択して行ってもよい。もちろん、予測値と実測値(出力信号Va(T)の値)との誤差に限られず、予測値と実測値との何らかの関係を用いて、パラメータの値を生成するようにしてもよい。
なお、予測値は、必ずしも、出力信号Va(T)の値から演算等によって求められる値である必要は無い。例えば、測定対象のバナナのパラメータがP1の場合、時刻T1において得られた出力信号Va(T)の値が大き過ぎて、パラメータP6に対応するサブ予測回路6では、時刻T2において得られるであろう出力信号に対応する予測値を生成できない場合があり得る。このような場合には、推定値PeがP6とならないような予測値を、例えば予め決められた条件に従って、生成するようにしてもよい。
また、あるパラメータと、他のパラメータに対応するサブ予測回路で得られるであろう出力信号に対応する予測値との関係性を求めておいて、あるパラメータの予測値が生成された場合に、その予測値との関係性から、当該他のパラメータに対応するサブ予測回路で予測値を生成するようにしてもよい。
時刻T2における上記の動作によって、高い正確性を有する推定値Peを生成できないと判定される場合、例えば、誤差Ve_T2の値が予め決められた値よりも大きい場合など、予測回路20は、時刻T1より後の時刻T3に得られた出力信号の値Va_T3に応じて、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成し、推定回路30は、複数の予測値Vb_T2と、時刻T2に得られた出力信号の値Va_T2との誤差Ve_T2および、複数の予測値Vb_T4と、時刻T4に得られた出力信号の値Va_T4との誤差Ve_T4を求め、誤差Ve_T2、誤差Ve_T4、または誤差の累積値に基づいて、測定対象の推定値Peを生成してもよい。ここで、時刻T3は、時刻T2と同じであってもよいし、異なっていてもよい。典型的には、時刻T2は時刻T1よりも所定の時間Tcだけ遅く、時刻T4は時刻T3よりも所定の時間Tcだけ遅く設定される。
また、予測回路20は、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1に応じて、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T2とは異なる時刻T5に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T5をさらに生成し、推定回路30は、複数の予測値Vb_T2と、時刻T2に得られた出力信号の値Va_T2との誤差Ve_T2および、複数の予測値Vb_T5と、時刻T5に得られた出力信号の値Va_T5との誤差Ve_T5を求め、誤差Ve_T2、誤差Ve_T5、または誤差の累積値に基づいて、測定対象の推定値Peを生成してもよい。これにより、推定値の精度を更に向上させることができる。ここで、時刻T5は、時刻T2よりも前でもよいし、後でもよい。典型的には、時刻T2は時刻T1よりも所定の時間i・Tcだけ遅く、時刻T5は時刻T1よりも所定の時間j・Tcだけ遅く設定される(i≠j)。なお、時刻T5だけでなく、複数の時刻において、時刻T2とは異なる時刻に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値を生成してもよい。これにより、推定値の精度を更に向上させることができる。
予測回路20は、所定の時間Tcが経過する毎に、ある時刻に得られた出力信号の値Va_Tk(kは1以上の整数)に応じて、ある時刻から所定の時間Tc後に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tk+1を生成し、かつ、所定の時間Tcが経過する毎に、ある時刻と異なる他の時刻に得られた出力信号の値Va_Tm(mは1以上の整数)に応じて、他の時刻から所定の時間Tc後に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tm+1を生成し、推定回路30は、複数の予測値Vb_Tk+1と出力信号の値Va_Tk+1との誤差Ve_Tk+1および、複数の予測値Vb_Tm+1と出力信号の値Va_Tm+1との誤差Ve_Tm+1を求め、誤差Ve_Tk+1、誤差Ve_Tm+1、または誤差の累積値に基づいて、測定対象の推定値Peを生成するようにしてもよい。ここで、他の時刻は、ある時刻から所定の時間Tc後の時刻であってもよいし、異なっていてもよい。
実施形態の信号処理装置100Aおよび100Bによって得られる推定値は、時間の経過につれて正確性が高まる。したがって、最後に得られた誤差Ve_Tm+1、または誤差の累積値に基づいて、測定対象の属性の推定値Peを生成すればよい。ただし、例えば、出力信号に含まれるノイズの影響などによって、誤差Ve_T4の値が誤差Ve_T2の値よりも大きい場合には、時刻T4よりも前の時刻T2における誤差Ve_T2の値に基づいて、測定対象の推定値Peを生成するようにしてもよい。なお、誤差の累積値に基づいて、測定対象の推定値Peを生成する方法については後述する。例えば、誤差の累積値の絶対値の最小値に基づいて推定値Peを生成することもできる。また、誤差の累積値を予め決められた期間毎にリセットするようにしてもよい。
次に、図3を参照して、予測回路20が、時刻T1に得られた出力信号の値Va_T1と、パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vcとに基づいて、時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成するために、予測回路20に所定の関係を学習させるフローを説明する。ここでは、予測回路20における入出力関係を作成することを学習と呼ぶ。この学習は、ユーザが行うこともできる。
図3に示すように、まず、測定対象をある属性Pに設定する(S1)。例えば、熟度(パラメータの値P1〜P6)が異なる6本のバナナの内の1本を選ぶ。
設定された属性(例えば、パラメータの値P1)に対応するサブ予測回路1を準備する(S2)。
センサで測定を開始し、時刻T1およびT2における出力信号Va(T)の値を取得する(S3)。このとき、必要に応じて、所定の時間Tc毎に出力信号Va(T)の値を時系列で取得する。
次に、時刻T1およびT2における出力信号Va(T)の値の関係を作成する(S4)。必要に応じて、時系列で取得した出力信号Va(T)の値についても同様の関係を作成する。
学習時には、出力信号Va(T)の値を必要な時刻に取得するので、ある時刻の出力信号Va(T)の値およびその所定時間後の出力信号Va(T)の値は既にわかっている。そこで、時刻T1の出力信号Va(T)の値としてある値が入力された場合に、時刻T2の出力信号Va(T)の値を、時刻T2の予測値を生成するようにする。必要に応じて、時系列で取得した出力信号Va(T)の値を用いて、時系列の予測値を生成するようにする。
上記の学習を、測定対象の属性Pを変更して、属性Pの数だけ繰り返す(S5)。
このようにして、予測回路20は、複数の属性に対応した予測値を生成できるようになる。
次に、図4を参照して、予測回路20による学習の具体例を説明する。センサ80として、市販のガスセンサ(エフアイエス株式会社製、P−31、溶媒(アルコール、有機溶剤)用)にて、バナナの匂いの強さの測定を行った場合を例に説明する。
バナナは、その熟度により匂いの強さが異なる。図4に示すグラフは、熟度の異なる6種類のバナナから得られた出力信号Va(T)の時間変化を示している。6種類のバナナの熟度の違いは、属性パラメータP1〜P6で表されている。また、パラメータP1、P2、P3、P4、P5およびP6は、出力信号の収束値Vc=4.6、4.1、3.4、2.6、1.5、0.6Vにそれぞれ対応している。
図4からわかるように、出力信号Va(T)の値は、時間とともに変化しており、その応答時間Trは約600秒である。これらの出力信号の値を用いて、6個のサブ予測回路1〜6の学習を行う。
例えば、600秒経過時の出力信号の値が4.6Vであるデータ(これを属性P1とする)を用いて、サブ予測回路1の学習を行う場合では、ある時刻T1のときの出力信号の値a_1nと、所定時間Tc後の時刻T2(=T1+Tc、例えば、Tcは5秒)における出力信号の値b_1nとを取得し、サブ予測回路1にa_1nが入力されたときに、b_1nを出力できるよう、入出力の関係を作成する。その入出力の関係は表1のように表される。ここでの出力が予測値である。なお、測定間隔は例えば0.1秒である。
これを6個のサブ予測回路それぞれで行う。すなわち、入力値として同じ値が各サブ予測回路に入力されたとしても、出力される5秒後の予測値は、それぞれ異なる値になる。
表2は、600秒経過時の出力信号の値が0.6Vであるデータ(これを属性P6とする)を用いてサブ予測回路6の学習を行った場合の、サブ予測回路6の入出力関係を表す表である。属性P2〜P5についても、表1、表2と同様に入出力関係を作成する。
なお、表に無い入力がなされた場合、例えば、a_10とa_11との間の値が予測回路20に入力された場合は、線形補間などの補間により出力を求めればよい。また、a_10とa_11との間以外の値(例えば、a_10より小さい値)が予測回路20に入力された場合は、線形補外などにより出力を求めればよい。
Figure 2016052049
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次に、推定回路30の入出力関係について説明する。ここでは、図2に示した信号処理装置100Bを例示して説明するが、メモリの位置が異なるだけで、信号処理装置100Aについても同様である。
図5に示すように、時刻T1のときの出力信号の値a_T1(上記Va_T1に相当。以下同じ。)が各サブ予測回路に入力されたとき、各サブ予測回路は学習結果に基づいて、所定時間Tc後の時刻T2(=T1+Tc)における出力信号の予測値b_1x、b_2x・・・b_6x(属性P1〜P6のそれぞれに対応する上記Vb_T1に相当。以下同じ。)をそれぞれ生成する。
メモリ50は、それらの予測値を、各サブ予測回路が対応している属性Pとともに格納する。そして、図6に示すように、時刻T2(=T+Tc)になったときに、推定回路30に入力インターフェイス10から出力信号の値a_(T+Tc)が入力され、メモリ50から、時刻T2における出力信号の予測値b_1x、b_2x、・・・、b_6xと、それらに対応する属性Pが入力される。そして、推定回路30は、予測値と出力信号の誤差c_1x、c_2x、・・・、c_6x(属性P1〜P6のそれぞれに対応する上記誤差Ve_T2に相当。以下同じ。)を算出する。
そして、推定回路30は、各属性Pとそれらに対応する誤差c_1x、c_2x、・・・、c_6xを入力とし、測定対象の現属性Pを推定した値d_xを出力とする、入出力の関係を有している。
なお、推定回路30の入出力関係に無い入力がなされた場合は、線形補間などの補間により出力のd_xを求めてもよい。
また、推定回路30は、各属性Pとそれらに対応する誤差c_1x、c_2x、・・・、c_6xを式に入力し、d_xを出力として求めてもよい。この場合の演算式は、ある1つの属性Pに基づく演算式ではなく、さまざまな属性P(P1〜6)が考慮されたものであるため、ある1つの属性Pに基づく演算式よりも精度は向上する。
ある1つの属性Pに基づく演算式よりも精度を向上させるという効果は、全ての属性Pに基づく演算式だけでなく、選択された複数の属性Pに基づく演算式であっても得ることができる。
次に、図7を参照して、測定対象の属性を推定するプロセスを説明する。
まず、測定対象を設定する(S11)。ここでの測定対象の属性は未知である。
次に、測定対象の属性を測定したセンサ80の出力信号の値を、入力インターフェイス10を介して取得する(S12)。
各サブ予測回路20に時刻T1の出力信号の値を入力する(S13)。推定回路30にも出力信号の値を入力する。
各サブ予測回路は、入力された時刻T1の出力信号の値に応じて、時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する予測値を生成する(S14)。
生成された予測値と、サブ予測回路に対応する属性とを互いに関連付けて、メモリに格納する(S15)。
推定回路30に、メモリ50から時刻T2の出力信号の値と、時刻T2に対応する予測値と、サブ予測回路に対応する属性Pとを入力する(S16)。
推定回路30は、時刻T2の出力信号の値と時刻T2に対応する予測値との誤差を算出する(S17)。
推定回路30は、算出した誤差と属性とを入力として、推定値を算出して、測定対象の属性の推定結果として生成する(S18)。
これを測定終了まで続ける(S19)。
測定対象のある属性(600秒後の収束値Vc=約3.5V)に対して、本発明の実施形態による信号処理装置を用いて推定を行った結果を図8のグラフに示す。
ここでは、推定値の変化量が所定値以下になった場合に推定を止めて、それ以降の時刻に対しては、その推定値をプロットしている。
本来なら600秒経過して初めてわかる収束値を、測定開始から約10秒後に、その収束値に近い値で推定できていることが分かる。
なお、ここでは、収束値が得られる時刻まで推定を止めているが、その必要はなく、例えば、途中で出力信号が変化している場合には、推定を継続して行えばよい。
上述したように、本発明の実施形態によると、複数のサブ予測回路20は、測定対象の1つずつの属性に対応して学習している。そして、測定対象の属性の推定を行う際、出力信号は複数のサブ予測回路20に入力され、複数のサブ予測回路20が所定時間後の予測値を生成する。
所定時間後の出力信号の実測値と、複数の予測値との誤差を算出する。その複数の誤差と、関連付けられた測定対象の属性を用いて、推定値を算出する。
このように、本発明の実施形態によると、複数のモデルによる予測値と、実測値との誤差を用いて、測定対象の属性を推定しているので、特許文献1のように、ある所定範囲の分類内で1つのモデルを用いて推定を行うよりも、正確性を向上させることができるという効果を有する。
なお、センサ80と信号処理装置100Aまたは100Bとは、ネットワークを介して接続されていてもよい。
また、センサ80が同種である場合、別のセンサと、信号処理装置100Aまたは100B(予測回路20および/または推定回路30)を共有してもよい。このとき、複数のセンサの測定対象を1つの共通の属性にし、複数のセンサから得られる推定値を比較することによって、センサの不良検査に用いることができる。
また、センサ80が1つの場合で説明を行っているが、これに限らず、複数の同種のセンサを用いてもよく、複数の異なる種類のセンサを用いてもよい。このとき、ある属性に対する複数のセンサの入出力の関係をサブ予測回路、推定回路に設定すれば、センサが1つの場合と同じ考えで処理を行うことができる。複数のセンサを用いると、より多くの情報が得られるので、より高い正確性で推定値を得ることができる。
(実施形態3)
実施形態1の信号処理装置100Aおよび実施形態2の100Bが有する予測回路20が有するサブ予測回路に代えて、測定対象がある属性のときの出力信号を入力し、予測値を生成するニューラルネットワークを用いてもよい。
図9にニューラルネットワークの構成の一例を示す。図9に示すニューラルネットワークは、入力層のノードを1個、中間層のノードを5個、出力層のノードを1個としたニューラルネットワークである。例えば、属性P1に対応するサブ予測回路1に対して、時刻Tの出力信号a_Tが入力されてきた場合、時刻T+Tcの予測値としてb_1xを生成するように、ニューラルネットワークの学習を行う。ニューラルネットワークの学習には、バックプロパゲーション等、一般的に知られている手法を用いることができる。
入力層のノードを1個、中間層のノードを5個、出力層のノードを1個としたニューラルネットワークの場合、必要となるパラメータの数は16個である。内訳は、入力層と中間層のノード間の重みパラメータ5つ、中間層の各ノードのバイアス5つ、中間層と出力層のノード間の重みパラメータ5つ、出力層のノードのバイアス1つである。
信号処理装置100Aおよび100Bにおいては、予測回路(各サブ予測回路)20の入出力の関係をルックアップテーブルのような形(例えば、表1、表2)で持たせる例であった。したがって、情報量が多くなる。これに対して、ここで例示するニューラルネットワークを用いると、16個のパラメータにより、入出力の関係を表現することができるので、情報量を少なくすることができるという効果が得られる。なお、推定回路の入出力の学習にもニューラルネットワークを用いることも可能で、同様に情報量を少なくできるという効果が得られる。
また、入出力の関係を与えるだけで学習を行うことができるので、予測回路の構成を簡潔にすることができる。なお、中間層の数および/または中間層のノードの数は、例示した数に限らない。これらの数を増やすことによって予測値の精度を向上させることができる。
また、予測回路(各サブ予測回路)20の入出力の関係を近似式で表わしてもよい。これにより、ルックアップテーブルのような形(例えば、表1、表2)で持たせる場合に比べて、情報量を少なくすることができるという効果が得られる。
(実施形態4)
上述の実施形態1から3の信号処理装置が有する推定回路30は、図5および図6を参照して説明した様に、出力信号と予測値との誤差に直接的に基づいて、推定値を生成している。出力信号と予測値との誤差に基づいて推定値を生成する際に、誤差を直接的に利用するだけでなく、本実施形態4で例示する推定回路30のように、誤差の累積値に基づいて、推定値を生成するようにしてもよい。
図10に示すように、実施形態4の信号処理装置が有する推定回路30は、出力信号に応じて、予測値の誤差の累積値に基づいて、測定対象の属性の推定値を生成するように構成されている。具体的には、推定回路30は、上述したように、メモリから入力される予測値と出力信号との誤差(c_1x、c_2x、・・・、c_6x)を算出し、各属性に対応する誤差を、測定中にわたって(すなわち、複数の時刻にわたって)、累積値(「Σ」で表す)を生成し、この誤差の累積値を入力として、測定対象の属性の推定値を生成する。
図11は、測定対象の属性P5が(600秒後の収束値Vc=約1.5V)のときの、各サブ予測回路20から出力される予測値と、その時刻に対応する出力信号との誤差の時間変化を表わすグラフである。
図12は、図11の誤差の累積値の時間変化を表すグラフである。測定対象が属性P5であるため、その属性に対応する予測値5と出力信号との誤差は、どの時刻でもほぼ0であるため、累積誤差もほぼ0である。一方、他の属性(P1〜4およびP6)については、累積誤差は時間の経過に伴って絶対値が大きくなっている。また、図12からわかるように、累積誤差の変化はほぼ線形である。したがって、各属性と累積誤差との関係を用いれば、測定対象の属性の推定値を、線形補間により生成することができる。
例えば、ある時刻で、属性P4(600秒後の収束値Vv=約2.6V)と属性P6(600秒後の収束値Vc=約0.6V)の累積誤差が、累積値0を挟んで、1:2の場合には、推定値は、属性P4と属性P6の間の属性として線形補間により、600秒後の収束値Vcが約1.3V(=(2.6x1+0.6x2)/3)となる属性と算出することができる。線形補間には、どの2つの累積誤差を用いてもよいし、3つ以上の累積誤差に基づいて推定値を算出してもよい。
測定対象の属性の推定値を、線形補間により生成することができるので、高い精度で推定値を生成することができ、かつ、推定回路30は、上述のように入出力の関係をテーブルの形で持つ必要がなくなり、推定回路30内のメモリの使用量を削減することができる。
(実施形態5)
実施形態5による信号処理装置が有する推定回路30は、実施形態4の信号処理装置が有する推定回路30と同様に、誤差の累積値に基づいて推定値を生成する。ただし、実施形態5による信号処理装置が有する推定回路30は、複数の誤差の累積値の内、正の値を持つ累積値および負の値を持つ累積値の中からそれぞれ、絶対値が最小の累積値を選択し、正負それぞれの絶対値が最小の累積値と、それらに対応する属性とに基づいて、測定対象の属性の推定値を生成するように構成されている。
図12に示した例では、複数の誤差の累積値のうち、正の値を有し絶対値が最小の累積値として、属性P4に対応する累積値を選択し、負の値を有し絶対値が最小の累積値として、属性P5に対応する累積値を選択し、これらの累積値に基づいて、推定値を生成する。なお、時刻によって、選択する予測値は変更してもよい。
測定対象の属性の推定値を、線形補間により生成する際に、誤差の累積値が正の値を持つ属性と、負の値を持つ属性のうち、それぞれの絶対値が最小の(0に近い)2つの属性を選択することによって、他の属性の組み合わせを選択する場合と比較して、推定の精度を高くすることができる。
(実施形態6)
実施形態4および実施形態5による信号処理装置の推定回路30は、測定期間の全体にわたる誤差の累積値を求め、それに基づいて推定値を生成する。これらに対し、実施形態6による信号処理装置の推定回路は、ある決まったタイミング、ここでは、ある決まった時間経過後に、累積値をリセットするように構成されている。各サブ予測回路20から入力される予測値と、その時刻に対応する出力信号との誤差の累積値は、例えば、図13のようになる。
例えば、測定対象の属性に途中で変化が生じた場合、累積誤差には、変化前の属性での結果が残ってしまう。したがって、変化後の属性の推定誤差が大きくなってしまう。これに対して、ある決まったタイミングで累積値をリセットすれば、測定対象の属性が変化しても、推定値の誤差を低減することができる。なお、「ある決まったタイミング」とは、所定時間間隔でもよいし、任意の時間間隔でもよい。また、何か別のセンサ(例えば温度センサ)への入力変化の大きさや、ユーザからのリセット要求などの何らかの操作をきっかけにして、累積値をリセットしてもよい。
(実施形態7)
実施形態7による信号処理装置の推定回路30は、所定の時間だけ誤差を累積し、それに基づいて推定値を生成する。このように構成された推定回路30で生成される累積誤差の時間変化は図14に示す様になる。ここでは、測定間隔は0.1秒であり、5秒間の誤差を累積している。図11の誤差P1〜P6と比較して、図14の累積誤差P1〜P6は、信号にのっているノイズが小さくなっていることがわかる。すなわち、実施形態7による信号処理装置の推定回路30は、実施形態4の信号処理装置の推定回路30よりも高い精度で推定値を生成することができる。また、実施形態7の信号処理装置は、実施形態6の信号処理装置と同様に、例えば、測定対象の属性が変化しても、推定値の誤差を低減することができる。
なお、上記の実施形態4〜7の信号処理装置のように、推定値を生成するために累積値を用いる場合、例えば、ノイズなどの影響で、ある時刻に得られた誤差が所定の範囲を超える値であった場合、その誤差は累積しないという処理を追加してもよい。
(実施形態8)
上述した実施形態における信号処理装置100Aおよび100Bが有する予測回路20が有する各サブ予測回路は、出力信号の値に対応する予測値を更新(変更)する機能をさらに有してもよい。例えば、図16および図17に示すセンサ80Aおよび80Bの様に、センサのパッケージ構造が異なると、センサの応答時間が変化するので、パッケージ構造に応じて予測値を更新(変更)する機能を備えることが好ましい。
図16は、センサ80Aの模式的な断面図を示し、図17は、センサ80Bの模式的な断面図を示す。センサ80Aおよび80Bのいずれも上記の実施形態におけるセンサ80として用いられる。
図16に示すセンサ80Aは、センサチップ(反応部)82と、反応部82を保護するパッケージ84とを有している。パッケージ84は、開口部(吸気口84a)を有し、吸気口84a以外の部分は例えばセラミックス板、金属板またはプラスチック板で形成されている。反応部82がパッケージ84内の空間に配置されていると、反応部82にバナナの匂いが到達するまでの時間は、パッケージ84の吸気口84aの構造によって変わる。したがって、収束値までの応答時間がパッケージ84の構造によって変化する。
また、図17に示すセンサ80Bのように、パッケージ84に加えて、さらなるパッケージ86を有すると、さらなるパッケージ86が有する開口部(吸気口86a)の構造も応答時間に影響する。したがって、収束値までの応答時間はさらなるパッケージ86の構造によっても変化する。なお、パッケージ86もセラミックス板、金属板またはプラスチック板で形成されている。
例えば、センサ80Aからの出力信号Va(T)に基づいて、時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を作成していた信号処理装置において、センサ80Aのパッケージ構造をセンサ80Bのパッケージ構造に変更すると、時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう出力信号の予測値と、時刻T2で得られた出力信号の値との間に誤差が生じる。この結果、正しい推定値を生成することができなくなる。そこで、正しい推定値を生成できるよう、複数の予測値Vb_T2を更新する機能を信号処理装置に付与する。
図18を参照して、複数の予測値を更新するプロセスを説明する。
まず、測定対象を設定する(S21)。ここでの測定対象の属性は、P1〜P6のいずれかでもよいし、任意のPでもよい。
センサ80Bで測定を開始し、時刻T1およびT2における出力信号の値を取得する(S22)。このとき、必要に応じて、所定の時間Tc毎に出力信号の値を時系列で取得する。
次に、時刻T1およびT2における出力信号の値の関係を作成する(S23)。必要に応じて、時系列で取得した出力信号の値についても同様の関係を作成する。
そして、S23で作成した時刻T1およびT2における出力信号の値の関係を元に、既に作成している属性P1〜P6の時刻T1およびT2における出力信号の値の関係を更新する(S24)。
このようにして、予測回路20は、センサの入っているパッケージが変わったとしても、複数の属性に対応した予測値を生成することができる。
上記の説明では、ある1つの属性Pを設定しているが、複数の属性において、時刻T1およびT2における出力信号の値の関係を作成し、属性P1〜P6の時刻T1およびT2における出力信号の値の関係を更新してもよい。
更新の方法として、S23で作成した時刻T1およびT2における出力信号の値の関係から、応答時間に関するパラメータを導出し、そのパラメータの値を元に、属性P1〜P6の時刻T1およびT2における出力信号の値の関係の応答時間に関するパラメータを更新してもよい。その際、所定時間の測定結果に基づいて、あるパラメータの値を決定して、その値に更新してもよいし、パラメータの値を徐々に所定値ずつ変更させてもよい。
更新後は、予測回路20の処理は、新しい予測値を用いて行う。
このように予測値を更新する機能を備えていれば、ここで例示したパッケージ構造の変化の様に、センサの反応部82の周辺の構造が変化した場合にも正しい推定値を生成することができる。
上記の説明では、過渡応答期間に出力信号の値が増加する例を説明したが、図15に示す様に、過渡応答期間に出力信号の値が減少する場合においても、本発明の実施形態1から8による信号処理装置ならびにそれらを改変した信号処理装置を用いることができる。
また、過渡応答期間に出力信号の値が増加する場合と減少する場合の信号処理装置を組み合わせることにより、過渡応答時間に出力信号の値が増加したり、減少したりしても、正しい推定値を生成することができる。
上述した本発明の実施形態による信号処理装置によって実行される信号処理方法は、コンピュータによっても実行され得る。本発明の実施形態によるプログラムは、上記の信号処理方法をコンピュータに実行させる、または、コンピュータを上記の信号処理装置として機能させることができる。コンピュータは、ネットワークを介して接続された複数のコンピュータであってもよい。コンピュータは例えばスマートフォンやタブレット、スマートウォッチ(腕時計の方式で腕に装着でき、時計の他に演算処理や通信といった機能を持つデバイス)、ウェアラブルデバイスを含んでもよい。この場合、生成されたパラメータの推定値をそのまま、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチ、ウェアラブルデバイスの表示装置に表示してもよいし、生成されたパラメータの推定値を加工した2次情報(例えば、パラメータの推定値がバナナの熟度のとき、2次情報とはバナナの熟度に関連した健康情報など)を表示してもよい。2次情報は、例えば、ネットワークから取得してもよい。
なお、上記の実施形態では、測定対象としてバナナを用いて、バナナの熟度を推定する例により説明しているが、測定対象、および、推定するパラメータはこれらに限らず、広く適用することができる。例えば、測定対象は他の食材、推定するパラメータは食べ頃(いつ食べるのが最適か)など、測定対象は大気、推定するパラメータは湿度、温度、気圧などもある。
測定対象が食材であった場合、ユーザは応答時間が経過するのを待つことなく、いち早く食べ頃を知ることができる。したがって、例えば、スーパーマーケットなどで信号処理装置を用いて、食べ頃の食材を選択し、購入することができる。
また、食材が果物の場合、農場や選果場においては、信号処理装置を用いて、熟度などの食べ頃を推定することによって、収穫や出荷する日時の決定や、出荷場所(近いか遠いかなど)の選定、賞味期限や品質保持期間の決定を行うことができる。
また、測定対象が大気で、推定するパラメータが湿度、温度、気圧などの環境情報である場合、ユーザが屋内から屋外など、環境条件が変化するような場所への移動を行った場合や、信号処理装置をカバンやポケットから取り出した場合に、応答時間が経過するのを待つことなく、変化後の湿度、温度、気圧などの環境情報をいち早く知ることができる。
したがって、湿度、温度、気圧などの環境情報そのものだけでなく、湿度、温度、気圧などの環境情報に基づく健康に関する2次情報、例えば、温度、湿度の場合は、熱中症予防やインフルエンザ予防、肌の乾燥に関わる情報、気圧の場合は、頭痛、関節痛や古傷への影響などの注意喚起などの2次情報を、ユーザにいち早く提供することができる。
また、測定対象が人体で、推定するパラメータが体温、発汗量などの生体情報であっても、応答時間が経過するのを待つことなく、変化後の体温、発汗量などの生体情報をいち早く知ることができる。
また、信号処理装置は、オーブンレンジなどの調理機器に内蔵されていてもよい。この場合、食材から出る水蒸気などを検出するセンサの出力信号を用いて、食材の調理具合を推定することができる。 これにより、応答時間が経過するまで待つことなく、過渡応答期間に食材の調理具合を知ることができるので、温め過ぎや焼き過ぎといった、調理の失敗を防ぐことができ、食べ頃を逃すことがなくなる。
また、信号処理装置は、エアコンや除湿機、加湿機、空気清浄機などの空調機器に内蔵されていてもよい。この場合、周囲環境の温度、湿度、臭い、汚れなどを検出するセンサの出力信号を用いて、周囲環境の状況を推定することができる。
これにより、応答時間が経過するまで待つことなく、過渡応答期間に、周囲環境の温度、湿度、臭い、汚れを知ることができるので、空調や空気清浄などの制御をいち早く開始することができ、その結果、ユーザに快適な環境をいち早く提供することができる。
上記の実施形態の信号処理装置および信号処理方法は、センサ80としてガスセンサを用いた例について説明したが、センサ80はこれに限られず、応答時間が比較的長い半導体を用いたセンサや静電容量を用いたセンサ(例えば、湿度センサ、温度センサ)等の信号処理に広く適用することができる。
本明細書は、以下の項目に記載の信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムを開示している。
[項目1]
センサから出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイスと、
前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路と、
前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路とを有する、信号処理装置。
項目1に記載の信号処理装置によると、比較的簡単に、かつ、十分な正確さで、センサからの出力信号に基づいて推定値を求めることができる。これにより、信号処理装置のユーザの待ち時間を低減し、測定対象のある属性をいち早く、高い正確性で得ることができる。
[項目2]
前記出力信号Va(T)の値を格納する第1メモリをさらに有し、
前記予測回路は、前記時刻T1に得られた前記出力信号の前記値Va_T1を前記第1メモリから取得し、前記複数の予測値Vb_T2を生成し、
前記推定回路は、前記予測回路から前記複数の予測値Vb_T2を取得する、項目1に記載の信号処理装置。
項目2に記載の信号処理装置によると、第1メモリの容量を比較的小さくできる。
[項目3]
前記複数の予測値Vb_T2と、前記パラメータの互いに異なる値Pとを関連付けて格納する第2メモリをさらに有し、
前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2および前記パラメータの互いに異なる値Pを前記第2メモリから取得する、項目1に記載の信号処理装置。
項目3に記載の信号処理装置によると、信号処理装置のバリエーションが提供される。
[項目4]
前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2を求め、前記誤差Ve_T2に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目1から3のいずれかに記載の信号処理装置。
項目4に記載の信号処理装置によると、信号処理装置のバリエーションが提供される。
[項目5]
前記予測回路は、前記時刻T1より後の時刻T3に得られた前記出力信号の値Va_T3に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成する、項目1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
項目5に記載の信号処理装置によると、より正確性の高い推定値を得ることができる。
[項目6]
前記予測回路は、前記時刻T1より後の時刻T3に得られた前記出力信号の値Va_T3に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成し、
前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2および、前記複数の予測値Vb_T4と、前記時刻T4に得られた前記出力信号の値Va_T4との誤差Ve_T4を求め、前記誤差Ve_T2、前記誤差Ve_T4、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
項目6に記載の信号処理装置によると、より正確性の高い推定値を得ることができる。また、推定回路内のメモリの使用量を減らすことができる。
[項目7]
前記時刻T2は前記時刻T1よりも所定の時間Tcだけ遅く、前記時刻T4は時刻T3よりも前記所定の時間Tcだけ遅い、項目6に記載の信号処理装置。
項目7に記載の信号処理装置によると、信号処理装置のバリエーションが提供される。
[項目8]
前記予測回路は、前記所定の時間Tcが経過する毎に、ある時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tk(kは1以上の整数)に応じて、前記ある時刻から前記所定の時間Tc後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tk+1を生成し、かつ、前記所定の時間Tcが経過する毎に、前記ある時刻と異なる他の時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tm(mは1以上の整数)に応じて、前記他の時刻から前記所定の時間Tc後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tm+1を生成し、
前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_Tk+1と前記出力信号の値Va_Tk+1との誤差Ve_Tk+1および、前記複数の予測値Vb_Tm+1と前記出力信号の値Va_Tm+1との誤差Ve_Tm+1を求め、前記誤差Ve_Tk+1、前記誤差Ve_Tm+1、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目7に記載の信号処理装置。
項目8に記載の信号処理装置によると、信号処理装置のバリエーションが提供される。
[項目9]
前記所定の時間Tcが経過する毎に、前記予測回路は、その時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tk(kは1以上の整数)に応じて、その時刻から前記所定の時間n・Tc(nは1以上の整数)後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tk+nを生成し、
前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_Tk+nと前記出力信号の値Va_Tk+nとの誤差Ve_Tk+nおよび、前記複数の予測値Vb_Tk+n+1と前記出力信号の値Va_Tk+n+1との誤差Ve_Tk+n+1を求め、前記誤差Ve_Tk+n、前記誤差Ve_Tk+n+1、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目7に記載の信号処理装置。
項目9に記載の信号処理装置によると、信号処理装置のバリエーションが提供される。
[項目10]
前記推定回路は、予め決められた期間にわたる前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目8または9に記載の信号処理装置。
項目10に記載の信号処理装置によると、例えば、測定対象の属性の推定値を線形補間により生成することができる。
[項目11]
前記推定回路は、前記誤差の累積値の絶対値の最小値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目8または9に記載の信号処理装置。
項目11に記載の信号処理装置によると、比較的簡単な構成で、正確性の高い推定値を得ることができる。
[項目12]
前記誤差の累積値は予め決められた期間毎にリセットされる、項目8から11のいずれかに記載の信号処理装置。
項目12に記載の信号処理装置によると、測定対象の属性が変化しても、推定値の誤差を低減することができる。
[項目13]
前記予測回路は、前記時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T2とは異なる時刻T5に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T5をさらに生成し、
前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2および、前記複数の予測値Vb_T5と、前記時刻T5に得られた前記出力信号の値Va_T5との誤差Ve_T5を求め、前記誤差Ve_T2、前記誤差Ve_T5、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、項目1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
項目13に記載の信号処理装置によると、推定値の精度を向上させることができる。
[項目14]
前記予測回路は、前記出力信号の値に対応する複数の予測値を更新する、項目1から10のいずれかに記載の信号処理装置。
項目14の信号処理装置によると、センサの反応部の周辺の構造が変化した場合にも正しい推定値を生成することができる。
[項目15]
前記予測回路はニューラルネットワークを含む、項目1から14のいずれかに記載の信号処理装置。
項目15に記載の信号処理装置によると、予測値を生成するための情報量を少なくすることができる。
[項目16]
前記センサをさらに有する、項目1から15のいずれかに記載の信号処理装置。
[項目17]
センサから出力信号Va(T)を受け取る工程と、前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する工程と、
前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する工程とを包含する、信号処理方法。
項目17に記載の信号処理方法によると、比較的簡単に、かつ、十分な正確さで、センサからの出力信号に基づいて推定値を求めることができる。
[項目18]
センサから出力信号Va(T)を受け取る工程と、
前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する工程と、
前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する工程とをコンピュータに実行させるプログラム。
項目18に記載のプログラムによると、コンピュータを用いて、比較的簡単に、かつ、十分な正確さで、センサからの出力信号に基づいて推定値を求めることができる。
本発明は、センサからの出力信号に基づいて推定値を求める信号処理装置、信号処理方法およびコンピュータプログラムに用いることができる。
10 入力インターフェイス
20 予測回路
30 推定回路
40 第1メモリ
50 第2メモリ
80 センサ
82 センサチップ(センサの反応部)
84 パッケージ
86 パッケージ
100A、100B 信号処理装置

Claims (15)

  1. センサから出力信号Va(T)を受け取る入力インターフェイスと、
    前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する予測回路と、
    前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する推定回路とを有する、信号処理装置。
  2. 前記出力信号Va(T)の値を格納する第1メモリをさらに有し、
    前記予測回路は、前記時刻T1に得られた前記出力信号の前記値Va_T1を前記第1メモリから取得し、前記複数の予測値Vb_T2を生成し、
    前記推定回路は、前記予測回路から前記複数の予測値Vb_T2を取得する、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記複数の予測値Vb_T2と、前記パラメータの互いに異なる値Pとを関連付けて格納する第2メモリをさらに有し、
    前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2および前記パラメータの互いに異なる値Pを前記第2メモリから取得する、請求項1に記載の信号処理装置。
  4. 前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2を求め、前記誤差Ve_T2に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、請求項1から3のいずれかに記載の信号処理装置。
  5. 前記予測回路は、前記時刻T1より後の時刻T3に得られた前記出力信号の値Va_T3に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成する、請求項1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
  6. 前記予測回路は、前記時刻T1より後の時刻T3に得られた前記出力信号の値Va_T3に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T3より後の時刻T4に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T4をさらに生成し、
    前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2および、前記複数の予測値Vb_T4と、前記時刻T4に得られた前記出力信号の値Va_T4との誤差Ve_T4を求め、前記誤差Ve_T2、前記誤差Ve_T4、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、請求項1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
  7. 前記時刻T2は前記時刻T1よりも所定の時間Tcだけ遅く、前記時刻T4は時刻T3よりも前記所定の時間Tcだけ遅い、請求項6に記載の信号処理装置。
  8. 前記予測回路は、前記所定の時間Tcが経過する毎に、ある時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tk(kは1以上の整数)に応じて、前記ある時刻から前記所定の時間Tc後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tk+1を生成し、かつ、前記所定の時間Tcが経過する毎に、前記ある時刻と異なる他の時刻に得られた前記出力信号の値Va_Tm(mは1以上の整数)に応じて、前記他の時刻から前記所定の時間Tc後に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_Tm+1を生成し、
    前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_Tk+1と前記出力信号の値Va_Tk+1との誤差Ve_Tk+1および、前記複数の予測値Vb_Tm+1と前記出力信号の値Va_Tm+1との誤差Ve_Tm+1を求め、前記誤差Ve_Tk+1、前記誤差Ve_Tm+1、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、請求項7に記載の信号処理装置。
  9. 前記推定回路は、予め決められた期間にわたる前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、請求項8に記載の信号処理装置。
  10. 前記予測回路は、前記時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T2とは異なる時刻T5に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T5をさらに生成し、
    前記推定回路は、前記複数の予測値Vb_T2と、前記時刻T2に得られた前記出力信号の前記値Va_T2との誤差Ve_T2および、前記複数の予測値Vb_T5と、前記時刻T5に得られた前記出力信号の値Va_T5との誤差Ve_T5を求め、前記誤差Ve_T2、前記誤差Ve_T5、または前記誤差の累積値に基づいて、前記測定対象の前記推定値Peを生成する、請求項1から4のいずれかに記載の信号処理装置。
  11. 前記予測回路は、前記出力信号の値に対応する複数の予測値を更新する、請求項1から10のいずれかに記載の信号処理装置。
  12. 前記予測回路はニューラルネットワークを含む、請求項1から11のいずれかに記載の信号処理装置。
  13. 前記センサをさらに有する、請求項1から12のいずれかに記載の信号処理装置。
  14. センサから出力信号Va(T)を受け取る工程と、前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する工程と、
    前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する工程とを包含する、信号処理方法。
  15. センサから出力信号Va(T)を受け取る工程と、
    前記出力信号Va(T)の値が、測定対象のある属性を表すパラメータの値Pに対応する収束値Vcとなる応答時間をTrとするとき、応答時間Trが経過する前の過渡応答期間において、時刻T1に得られた前記出力信号の値Va_T1に応じて、前記パラメータの互いに異なる値に対応する複数の収束値Vc毎に異なる関係に基づいて、前記時刻T1より後の時刻T2に得られるであろう前記出力信号の値に対応する複数の予測値Vb_T2を生成する工程と、
    前記時刻T2に得られた前記出力信号の値Va_T2と前記複数の予測値Vb_T2とに基づいて、前記測定対象の前記ある属性を表すパラメータの推定値Peを生成する工程とをコンピュータに実行させるプログラム。
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