JP2000346681A - 異常診断装置 - Google Patents

異常診断装置

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JP2000346681A
JP2000346681A JP11154940A JP15494099A JP2000346681A JP 2000346681 A JP2000346681 A JP 2000346681A JP 11154940 A JP11154940 A JP 11154940A JP 15494099 A JP15494099 A JP 15494099A JP 2000346681 A JP2000346681 A JP 2000346681A
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信 長谷川
Giichi Seya
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異種診断方式を情報統合して診断性能を向上
させ、予測装置によるプラント安全上の余裕値を推定
し、信憑性の高い運転員支援装置を提供する。 【解決手段】 診断対象1からの変量2が入力されて異
常か否かの診断を行う異常診断方式の異なる複数の異常
診断手段3と、複数の異常診断手段からの診断結果のデ
ータが入力され、入力されたデータを統合化して可能性
の高い異常事象からランク付けして出力する診断出力統
合手段4とを備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原子力プラントのみ
ならず、自動車等の一般に運転を行う上で必要とされる
定量的な情報(温度、速度、圧力等)、及び定性的な情
報を基に異常診断を行う装置に関するもので、産業界等
の広い分野に適用可能な異常診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、異常時のプラントの挙動を定式
化した手法や、運転員の経験と知識を蓄積した手法等を
用いた診断装置が開発されている。しかしながら、単一
な手法による診断装置は、大規模かつ複雑な原子力プラ
ントの全体の異常を正確に診断することが難しい。すな
わち、広範囲かつ正確な診断、実時間性、異常の規模の
推定、異常の進展予測等の機能について、改善すべき課
題が多い。また、予め予想可能な異常についての診断能
力は高いが、診断装置のもつ知識から少しでもプラント
の挙動が逸脱すると、その診断能力は極端に低下してし
まう。一方、診断装置の使用目的としては運転員の支援
システムがあるが、単一の診断装置では、運転員の意志
決定に必要な判断材料の不足が問題となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】大規模プラントの診断
においては、異常時にできるだけ早く異常箇所を同定し
その対応策を考え実行することが、異常事態の拡大を防
止し、また、修復にかける時間および予算を最小にする
上で重要である。高度な判断を要する対応操作は運転員
が行っており、そのため緊急時における運転員への心理
的負担は大きく、その影響による人為的ミスを零におさ
えることは不可能である。その信頼性向上のため、数々
の支援システムが開発されてきたが、単一の手法による
診断装置にて完全に異常原因を同定することはできな
い。
【0004】本発明は上記課題を解決するためのもの
で、異種診断方式を情報統合によって診断性能を向上さ
せ、予測装置によるプラント安全上の余裕値(時間)を
推定し、信憑性の高い運転員支援装置を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、 診断結果の詳細さと早期原因同定情報の導出 異常原因についての定量的評価の導出 想定される異常事象の内、その想定された異常の規模
の違いによる診断装置の性能劣化の回避 原因同定後の異常原因データを用いて、運転継続不可
能になるまでの時間を予測器により推定という課題を解
決するために、プラントの物理パラメータ及び制御信号
値による観測情報から、異常兆候を検知し、その異常原
因を同定し、プラント運転員へその結果情報を提供して
支援するものである。そのために、課題、について
は、 (イ)異なる原理、異なる情報、異なる実装方法による
診断装置の情報統合を行う。具体的には、プラント全系
における兆候データを基にしたパターンマッチング診
断、プラントの系統毎のデータと定性物理モデルを基に
した定性診断、プラントの系統毎のデータを基にニュー
ラルネットワークにより、定量的な診断を行うニューラ
ルネットワーク診断の各診断装置を統合化する。各診断
装置は、診断の速度の面、信頼性の面、定量的な出力情
報の面から選択する。 (ロ)各診断装置は想定される異常事象に対して十分な
性能を有していることから、統合方法として、各診断毎
に診断結果を規格化し、その結果の合計を出力するスコ
アー方式を採用する。課題については、 (ハ)パターンマッチング診断及びニューラルネットワ
ーク診断は、異常時のプラント挙動データを内包する診
断法であり、同一の異常事象においても異常規模の違い
によりプラント挙動は変化する。その時間的なプラント
挙動の変化を補完する機能を付加する。課題について
は、 (ニ)(ロ)で得られた異常原因同定情報とプラントパ
ラメータから、状態予測器により、運転継続不可能にな
るまでの時間を推定する。 (ホ)診断情報および運転継続不可能(安全保護系に抵
触)になるまでの時間の推定情報を出力する。本発明は
上記各手段を有することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明の全体構成を示す図である。
診断対象である実プラント(この例では原子力プラン
ト)を、定常及び想定される異常時の挙動について正確
に計算機上で模擬するソフトウエア及び実際の計器等の
ハードウエアからなるフルスコープシミュレータ1よ
り、温度、圧力値、流量値、制御信号等のプロセス量2
が異なる手法による診断モジュール群3に入力される。
各診断モジュールは、リアルタイムにプロセス量2を収
集し、それぞれの診断モジュールで内包する異常検知装
置を用いてプロセス量2の変化を監視する。その異常検
知データから、各診断モジュールで内包する知識ベース
(専門知識と経験で得た知識を蓄積したデータベース)
により異常診断を行う。それぞれの診断結果情報は情報
統合装置4に入力され、診断出力統合装置5により統合
化される。
【0007】統合化の手法としては、 各診断モジュールからの情報を並列的または相補的に
組み合わせる複合的処理方法 各診断モジュールからの情報に演算処理(例えば平均
処理や温度補償)を施してまとまった情報を得る統合的
処理方法 各診断モジュールから得られるデータ同士の処理を行
って一つのまとまった知覚表象を得る融合的処理方法が
あり、診断モジュールの信頼性が高いと仮定すれば、得
られた結果はすべて正しいので、の複合的処理方法で
統合化が行える。しかし、診断モジュールの信頼性は想
定内の異常に対してのものであり、想定外の異常事象に
対しては全て対応しきれるものではない。その場合に
は、の統合的処理方法、の融合的処理方法が必要と
なる。これらの手法で統合化されて、最も可能性の高い
異常事象から順番に確信度でランク付けさせて出力され
る。
【0008】統合的処理方法の試作システムの例につい
て説明すると、診断モジュールの出力結果をすべて重ね
あわせ、一番重なり合うところが一番信頼性が高く、そ
の結果が異常原因と判断する。すなわち、各診断モジュ
ールに、その診断の信憑性を加味して重み付け(演算処
理)を行い、加算した結果一番高得点なものを異常原因
とする。重み付けとして、例えば、プラントの構造や物
理的な知識を有する定性診断を1.0、過去の異常事例
を使用するパターンマッチング診断を0.5、ニューラ
ルネットワーク診断を0.8と低めに設定した。
【0009】融合的処理方法としては、例えば、各診断
モジュールから出力される異常原因情報と正解例をニュ
ーラルネットワークに学習させ、異常時において出力さ
れる情報から学習データを用いてニューラルネットワー
クで診断結果を出力させるようにする。このような診断
出力統合装置5の情報とプロセス量2の情報を用いて事
象進展予測器6により、安全保護系によって原子炉停止
が決定されるまでの時間が推定される。また、診断出力
統合装置5の可能性の高い異常事象結果情報と異常規模
推定器7を用いて異常原因の規模を推定する。異常規模
推定器7は、想定される異常事象毎に異常規模を推定す
る機能を持たせ、診断モジュール群と並列に動作させて
おき、診断出力統合装置から出力される原因情報を用い
て異常事象に対する異常規模を選択して出力する。表示
装置8は、診断モジュール群3からの各診断モジュール
の出力結果、診断出力統合装置5の情報、事象進展予測
器6の情報、異常規模推定器7の結果情報を運転員に対
して表示する装置である。
【0010】かかる装置において、診断モジュールAを
パラメータマッチング診断、診断モジュールBを定性診
断、診断モジュールCをニューラルネットワーク診断と
し、それぞれ診断モジュールA〜Cは、想定内の異常事
象について高い診断能力を有する。
【0011】次に、各診断モジュールA〜C及びニュー
ラルネットワークに基づく事象進展予測器、異常規模推
定器について説明する。図2は診断モジュールA(パタ
ーンマッチング診断)を説明する図である。図におい
て、異常事象により変化する入力情報1〜nについてそ
れぞれ対応したしきい値により変換されたデータ(テン
プレート)9を想定される異常事象全てについて蓄積し
ておき、現時刻でのプラントの挙動とテンプレートデー
タを比較することで異常を判定する。データの蓄積方法
としては、プラントのパラメータ毎に予め設定したしき
い値により入力データを「H(設定値より高い場合)、
0(設定値の範囲内)、L(設定値より低い場合)」に
変換し、異常事象毎に変換データをテンプレート9とし
て所有する。パターンマッチング診断における異常検知
機能(しきい値)は、異常発生から異常検知までの時間
を最小、かつ、原子力プラントの温度等のゆらぎ幅を考
慮し、定常時のパラメータの2%の変化で発生させる。
そして、予め所有する異常事象毎のテンプレートデータ
とシミュレータから異常検知機能を通して入力されるプ
ロセス量3を比較し、一致度が一番高い異常事象を異常
原因とする。
【0012】診断モジュールAの診断性能を高めるた
め、一致度の判定には次のような方策を実施した。図2
の入力情報1〜nはプラントからの入力情報であり、診
断モジュールAではプラント全系の135点の情報量で
ある。プラント挙動データと複数あるテンプレートデー
タを並列に動作させ相関を取ることにより、それぞれテ
ンプレート(異常事象)の一致度を比較する。一致度の
比較には、毎秒ごとのテンプレートデータと入力データ
の相関を取る場合と、数秒間毎のテンプレートデータを
用いて相関を取る方法を採用する。数秒間毎のテンプレ
ートデータを用いる方法について説明すると、入力情報
は、同一の異常事象によっても異常の規模(事故量)が
異なれば、設定したしきい値に到達するまでの時間が異
なり、その結果、診断モジュールAへ到達する時間も異
なる。したがって、これらの時間的に変化するシミュレ
ータ内の各部の情報を扱う必要がある。そこで、異常検
出時間(タイミング)を中心とした前後の数秒間の時間
幅、すなわち異常検出時間間隔の標準偏差を用いて数秒
間の時間幅で相関をとることで、入力時間間隔が異なる
場合においても、知識として持つテンプレートデータと
プロセス量3の数秒間の違いによる一致度の低下を避け
ることを可能としている。また、このような時間幅を持
たせることで、異常規模が異なる異常事象に対しても、
診断モジュールAにより診断性能が向上することが確認
されている。例えば、異常検知後9秒目に入力情報1に
おいて「H」情報を検知し、テンプレート9と比較する
と、入力情報1の9秒目のデータは「0」であるので一
致しない。そこで、検出時間の前後の時間幅7〜11秒
を入力情報の時間間隔の標準偏差から得られる時間幅と
することで、入力情報1の10秒目、11秒目のデータ
が「H」であるので検知情報と一致し適切な診断を行う
ことができる。
【0013】診断モジュールB(定性診断)は、正常時
のプラントパラメータ間の因果関係を知識として持つた
め、多種多様な異常においても適切な診断が可能である
ことより採用したものである。診断モジュールC(ニュ
ーラルネットワークによる診断)は、同一異常事象に対
し、一つの学習データを所有し、異常規模の異なる複数
のプラント挙動データを学習させ精度を高めたものであ
る。事象進展予測器6は、ニューラルネットワークによ
りモデル化し、安全上これ以上運転を継続できない状態
までの時間を予測する。ここでは、蒸発器の出口上記温
度と、蒸発器の出口ナトリウム温度の安全保護系に抵触
するまでの時間を推定するものである。異常規模推定器
7は、ニューラルネットワークによりモデル化し、予め
事故量(故障が発生する機器の通常時との差)を推定す
るパラメータ(例えば、弁の開度)をプロセス量ととも
に学習させておき、これにより推定するものである。例
えば、通常、弁の開度が1.0であったものが何らかの
故障により、0.0になったり、0.5になったりする
異常が発生した場合、この0.0や0.5を事故量と言
う。
【0014】次に試作結果例について説明する。以下の
実施例では想定内の異常事象を発生させた例と、同一異
常事象の異常の規模を大きくした例について説明する。 〔実施例1〕想定内の異常事象である給水流量制御系故
障(給水流量減少)について示す。図3〜図5は、パラ
メータマッチング診断、定性診断、ニューラルネットワ
ークによる診断の結果を示し、図6はニューラルネット
ワークによる診断装置を示している。そして、それぞれ
の結果を情報統合して、確信度の合計を時間経過毎に診
断結果を表示させる。また、図7に事象進展予測器の推
定結果グラフ、図8に異常原因の規模の実測値と推定値
を比較したものを示す。 〔診断モジュールA(パターンマッチング診断)〕図3
は異常事象1〜39についてテンプレートデータと異常
検知データとの一致度を経過時間について示したもの
で、異常検知後の経過時間とは異常発生後の経過時間で
もあり、縦軸は一致度、横軸は異常事象1〜39に対応
する。また、一致度とはプロセス量の変化にともなう異
常検知装置から発生するデータ「H,L」と、予め蓄積
しているテンプレートデータの「H,0,L」に対応す
るものである。ここでは、12回(1秒目2回、6秒
目、12秒目……117秒目)の異常検知がなされてお
り、各回すべて異常が検知された異常事象は最終的な一
致度は12となり、途中で異常が検知されない事象の一
致度はそれより低い。1秒目では2つの異常が検知さ
れ、異常原因を2つ(異常事象27、37)に限定し、
12秒目で給水流量制御系故障の原因(異常事象37)
を同定している。 〔診断モジュールB(定性診断)〕図4に診断モジュー
ルBの出力結果を示す。この例は、高速増殖炉もんじゅ
を模擬したシミュレータを診断の対象として採用したも
ので、図示は省略するが3つ(A,B、C)の給水調節
弁、2つ(A,B)の主給水ポンプがあり、そのうち給
水調節弁出口流量Aループの異常を検知し、23秒後に
給水調節弁Aの弁開度が低く、主給水ポンプAの回転数
が低いことを原因として同定していることを示してい
る。なお、本診断も異常事象発生直後に異常を検知して
いる。 〔診断モジュールC(ニューラルネットワーク診断)〕
図5は診断モジュールCによる出力結果を示しており、
各実線、破線はそれぞれ違う異常事象の結果を表してい
る。図6のニューラルネットワーク診断装置において、
ニューラルネット1〜11が診断の性能試験で検証した
異常事象11例に相当する。この異常事象11例につい
て予めデータをとっておき、それをニューラルネットワ
ークに学習させておく。そのデータはI1`n で示すシミ
ュレータから出力される温度、圧力、流量等の測定値で
ある。そのデータを学習すると、ニューラルネットワー
クはほぼ正確に入力したデータの時間的な変化を模擬
(O 1`n ≒I1`n )することができる。このような特徴
を活かして、11例の異常事象により発生した同一箇所
の測定データ挙動を11個のニューラルネットワーク
(1〜11)により記憶させておき、11個のニューラ
ルネットワークを並列に動作させておいて、異常が発生
したときどのニューラルネットワークの出力データがシ
ミュレータからのデータと近いかにより異常事象を同定
する。従って、図6において、ニューラルネットワーク
の各出力O1`n とプラントの各実測値I1`n との偏差f
n を、 として各演算器fで計算し、偏差の和Σ(fn )を求め
る。そして、Σ(fn )が大きくなるほど実際の異常と
かけ離れていると判断し、図5において、偏差の和の値
が小さいほど、過去に発生した異常と現在起きている異
常とが近いと判断する。
【0015】給水流量減少の異常によりニューラルネッ
トで使用した入力パラメータが変化すると、それに伴い
ニューラルネットワークの出力も変化する。そして、プ
ラントの実測値とニューラルネットワークの出力値の差
が小さいほど異常事象に近いことを表す。図5では給水
流量制御系故障(給水流量減少)Kが診断結果として出
力されている。グラフ中の9秒目に異常が発生し、それ
に伴い、各異常事象を模擬したニューラルネットワーク
が出力結果を出し、ここでは偏差の和の値で2を異常原
因同定の閾値とした。その結果、異常が発生してから約
5秒後頃に異常原因を4つに絞り込み、約10秒後過ぎ
にはKに示す異常「給水流量制御系故障(給水流量減
少)」が同定される。 〔事象進展予測器〕図7は事象進展予測器の推定結果
(5秒後)を示している。運転をできるだけ継続するこ
とを前提として異常診断を行い、その結果を受けて対応
操作を行うことで、軽微な異常が起きたときに原子力プ
ラントを安全なところまで導く必要がある。図中、破線
は運転継続判定値を示しており、破線Aは蒸発器出口蒸
気温度の運転継続判定値(417℃)、破線Dは蒸発器
出口Na温度の運転継続判定値(347℃)で、原子炉
の運転上最も注意すべき2つの項目である。そして、こ
の判定値以上に温度が上昇すると安全保護系が作動し、
原子力プラントを停止させる境界値である。従って、安
全保護系の抵触値(破線で示す判定値)に至るまでの時
間を予測できれば、それに対して何を行えば良いかを運
転員に理解させることが容易となる。図示のB、Fは実
測値、C、Eはニューラルネットワークによる1次推定
値であり、これらが重なっているほど、予測が正しいこ
とを示している。そして、1番目に予測した1次推定値
を用いて2次推定値等を求めることにより、診断出力統
合装置からの異常原因結果を受けて予測を行い、後何秒
原子炉自動停止までの猶予時間があるかを見積もること
ができる。 〔異常規模推定器〕図8は異常規模推定器による事故量
の定量的評価を行ったもので、横軸は時間、縦軸は給水
流量を示しており、Gはニューラルネットワークによる
推定値、Hは実測値である。異常規模推定器の出力値は
ほぼ等しく、異常規模の推定が可能であることを確認し
た。これらの情報を統合した結果は、どの単一の診断装
置よりも診断結果内容が充実しており、異常進展予測も
可能である。これらにより、本発明の有効性を実証して
いる。 〔実施例2〕実施例1の異常事象に対し、異常の規模を
大きくした場合について検証した例であり、図9はパタ
ーンマッチング診断、定性診断、ニューラルネットワー
クによる診断結果を示す図である。図中、弁開度が0.
6、0.4、0.2のとき、それぞれ約3分、1分、2
0秒後にトリップ(安全保護系または手動により原子炉
を止める、または強制的に停止させること)するとの表
記は、予めシミュレータにより給水流量制御系故障(給
水流量減少)の事項を想定して得られた炉停止までの時
間である。具体的には、給水流量調節弁(通常の弁開度
は0.7)の開度を強制的に0.6、0.4、0.2に
して、この弁開度を変更したことによる各部(原子炉容
器まわり、熱交換器まわり、ポンプ、タービン等)の温
度、圧力や流量等の安全上の設定値(安全保護系)を超
えた場合に炉停止に至る。
【0016】パターンマッチング診断は一般的に事例ベ
ース診断と言われ、過去に発生した事例を基に診断を行
う。従って、弁開度0.6のときの異常の事例を基に、
弁開度0.6、0.4、0.2の3つの異常に対する診
断結果を示している。定性診断に対しては、正常時の挙
動を知識として所有しているので、異常時のデータを参
照データとして持たない。ニューラルネットワーク診断
については、事例ベース診断の部類に入るが、同一異常
事象における事故量の変化をニューラルネットワークの
機能として診断システムが内包可能であるので、3つの
異常をすべて参照しているということができる。
【0017】図9より給水流量制御系故障(給水流量減
少)の事故量(弁開度)を大きくした場合の異常事象に
対し、必ずしも全ての診断方法でその時刻で原因同定可
能ではないことが分かる。また、情報の統合化により、
このような場合においても異常原因が同定可能であるこ
とが明らかになった。診断モジュールを多重化、多様化
することにより、本装置による診断の信頼性が向上する
ことが明白となり、有効性を実証している。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、異なる診
断方法で事故原因を同定し、これらの情報を統合化する
ことにより、全ての診断方法で原因の同定が可能でなく
ても、統合化した情報により異常原因を同定することが
可能となり、診断モジュールを多重化、多様化すること
により、一層、診断の信頼性を向上させることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の全体構成を示す図である。
【図2】 診断モジュールAを説明する図である。
【図3】 診断モジュールAによる診断結果を示す図で
ある。
【図4】 診断モジュールBの出力結果を示す図であ
る。
【図5】 診断モジュールCによる出力結果を示す図で
ある。
【図6】 ニューラルネットワーク診断装置を示す図で
ある。
【図7】 事象進展予測器による状態予測例を示す図で
ある。
【図8】 異常規模推定器による事故量の定量的評価を
説明する図である。
【図9】 異常規模を大きくしたときの診断結果を説明
する図である。
【符号の説明】
1…フルスコープシミュレータ1、2…プロセス量、3
…診断モジュール群、4…情報統合装置、5…診断出力
統合装置5、6…事象進展予測器、7…異常規模推定
器、8…表示装置、9…テンプレート、10…異常検出
時間、11…異常検出時間幅、12…給水流量制御系故
障、13…主給水ポンプA低、14…給水流量制御系故
障(給水流量減少)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月3日(2000.3.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米川 強 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 核燃料 サイクル開発機構大洗工学センター内 (72)発明者 長谷川 信 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 核燃料 サイクル開発機構大洗工学センター内 (72)発明者 瀬谷義一 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 核燃料 サイクル開発機構大洗工学センター内 原 子力システム株式会社所属 (72)発明者 山本裕史 茨城県東茨城郡大洗町成田町4002 核燃料 サイクル開発機構大洗工学センター内 原 子力システム株式会社所属 Fターム(参考) 2F076 BA14 BA17 BA18 BD07 BD11 BD14 BE07 BE08 BE09 2G075 AA01 BA03 CA02 DA02 EA03 EA07 FB07 FB08 FB16 FB17 FB18 FB19 FD01 GA21 5H223 AA01 BB01 EE05 EE30 FF05 FF06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 診断対象からの変量が入力されて異常か
    否かの診断を行う異常診断方式の異なる複数の異常診断
    手段と、複数の異常診断手段からの診断結果のデータが
    入力され、入力されたデータを統合化して可能性の高い
    異常事象からランク付けして出力する診断出力統合手段
    とを備えた異常診断装置。
  2. 【請求項2】 前記診断出力統合手段の出力情報と診断
    対象からの変量とに基づいて運転を継続できない状態ま
    での時間を予測する事象進展予測手段を備えた請求項1
    記載の異常診断装置。
  3. 【請求項3】 前記診断出力統合手段からの可能性の高
    い異常事象結果情報に基づいて異常原因の規模を推定す
    る異常規模推定手段を備えたことを特徴とする請求項1
    または2記載の異常診断装置。
  4. 【請求項4】 前記診断出力統合手段は、各診断モジュ
    ールからの情報を並列的または相補的に組み合わせる複
    合的処理方法、各診断モジュールからの情報に演算処理
    を施してまとまった情報を得る統合的処理方法、または
    各診断モジュールから得られるデータ同士の処理を行っ
    て一つのまとまった知覚表象を得る融合的処理方法によ
    り統合化を行うことを特徴とする請求項1または2記載
    の異常診断装置。
  5. 【請求項5】 複数の異常診断は、プラント全系におけ
    る兆候データを基にしたパターンマッチング診断、プラ
    ントの系統毎のデータと定性物理モデルを基にした定性
    診断、プラントの系統毎のデータを基にニューラルネッ
    トワークにより、定量的な診断を行うニューラルネット
    ワーク診断であることを特徴とする請求項1記載の異常
    診断装置。
  6. 【請求項6】 前記パターンマッチング診断は、異常事
    象について蓄積されたしきい値により変換されたテンプ
    レートデータと、現時刻でのプラントの挙動データとを
    比較し、一致度が一番高い異常事象を異常原因として同
    定することを特徴とする請求項5記載の異常診断装置。
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