JPWO2016038948A1 - 濾過ユニット - Google Patents

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Abstract

本発明は、簡素な構造で、濾過粒子の洗浄性能に優れる濾過ユニットを提供することを課題とする。本発明の一態様に係る濾過ユニットは、下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットであって、充填される濾過粒子と洗浄粒子とを備え、上記洗浄粒子の平均粒径及び平均比重が濾過粒子よりも大きい。定常状態で上記濾過粒子及び洗浄粒子の上方に空間を有するとよい。上記濾過粒子の平均比重に対する洗浄粒子の平均比重の比としては、1.2以上10以下が好ましい。上記濾過粒子の平均粒径に対する洗浄粒子の平均粒径の比としては、1.2以上10以下が好ましい。上記濾過粒子に対する洗浄粒子の配合体積比としては、0.1以上1以下が好ましい。上記濾過粒子がポリマーを主成分とし、上記洗浄粒子がガラス、セラミックス、金属又はポリマーを主成分とするとよい。

Description

本発明は、濾過ユニットに関する。
油田や工場等で発生する油分や濁質を含んだ油水混合液は、環境保全の観点から油分や濁質の混合量を一定値以下まで低減してから廃棄する必要がある。油分や濁質を混合液から分離除去する方法としては、重力分離、蒸留分離、薬品分離等があるが、低コストで油分や濁質を分離除去する方法として濾過粒子を封入した濾過ユニットを用いる方法がある。このような濾過ユニットでは、封入した濾過粒子によって形成される濾過層により油分や濁質を濾過する。
上記濾過ユニットは、濾過粒子に油分や濁質が付着することにより、濁質の分離が不十分となったり、通水量が減少したりする。このため、濾過ユニットに通常の通水方向とは逆向きに洗浄水を通水し、濾過粒子に付着した油分や濁質を除去する洗浄工程、いわゆる逆洗が行われる。
しかしながら、油分やゼリー状の濁質が濾過粒子に付着している場合、濾過層に逆向きに通水するだけでは、濾過粒子から油分や濁質を容易に除去することができない。そこで、逆洗時に濾過層を形成する濾過粒子を撹拌する攪拌機を設けることが提案されている(特開平5−154309号公報参照)。
特開平5−154309号公報
上記公報の濾過ユニットは、濾過粒子の洗浄性を高められるが、攪拌機を設けるため、構造が複雑であり、装置の大型化が避けられない。
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、簡素な構造で、濾過粒子の洗浄性能に優れる濾過ユニット及び洗浄効率のよい濾過粒子の洗浄方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る濾過ユニットは、下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットであって、充填される濾過粒子と洗浄粒子とを備え、上記洗浄粒子の平均粒径及び平均比重が濾過粒子よりも大きい。
上記課題を解決するためになされた本発明の別の態様に係る濾過粒子の洗浄方法は、下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットに充填される濾過粒子の洗浄方法であって、上記濾過粒子よりも平均粒径及び平均比重が大きい洗浄粒子が充填されている上記濾過ユニットに上記仕切板を通して上向きに洗浄水を通水することにより上記洗浄粒子を舞い上がらせる工程を備える。
本発明の一態様に係る濾過ユニットは、簡素な構造で、濾過粒子の洗浄性能に優れる。また、本発明の別の態様に係る濾過粒子の洗浄方法は、洗浄効率がよい。
図1は、本発明の一実施形態の濾過ユニットを備える下向流式濾過塔を示す模式的断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
本発明の一態様に係る濾過ユニットは、下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットであって、充填される濾過粒子と洗浄粒子とを備え、上記洗浄粒子の平均粒径及び平均比重が濾過粒子よりも大きい。
当該濾過ユニットは、濾過粒子と洗浄粒子とが充填されていることによって、逆洗時に大きくて重たい洗浄粒子が舞い上がって油分や濁質で固まった濾過粒子の層をほぐし、濾過粒子間に隙間を空ける。これにより、濾過粒子を効率よく洗浄水に暴露できると共に、濾過粒子が舞い上がって他の濾過粒子や洗浄粒子と衝突することにより濾過粒子の洗浄が促進される。このように、当該濾過ユニットは、簡素な構造でありながら、濾過粒子の洗浄性能に優れる。また、洗浄粒子の平均粒径及び平均比重が濾過粒子よりも大きいことによって、沈降速度の差により下側に洗浄粒子の層が形成され、上側に洗浄粒子をあまり含まない濾過粒子の層が形成されるので、この濾過粒子の層により被処理液中の濁質の除去が阻害されない。
定常状態で上記濾過粒子及び洗浄粒子の上方に空間を有するとよい。このように、定常状態で濾過粒子及び洗浄粒子の上方に空間を有することによって、逆洗時に濾過粒子及び洗浄粒子が舞い上がって勢いよくぶつかり合うので、洗浄効果を一層促進できる。また、逆洗時に濾過粒子及び洗浄粒子がこの上方の空間内に舞い上がるため、濾過粒子間に捕捉された油分や濁質等を効果的に排出することができる。これにより、当該濾過ユニットは、逆洗時間及び逆洗水量を低減することができ、ひいては高い水処理効率を発揮することができる。
上記濾過粒子の平均比重に対する洗浄粒子の平均比重の比としては、1.2以上10以下が好ましい。このように、濾過粒子の平均比重に対する洗浄粒子の平均比重の比が上記範囲内であることによって、逆洗時の洗浄効率をさらに向上できると共に、逆洗終了後の濾過粒子の層と洗浄粒子の層とを確実に分離して濾過効率をさらに向上できる。
上記濾過粒子の平均粒径に対する洗浄粒子の平均粒径の比としては、1.2以上10以下が好ましい。このように、濾過粒子の平均粒径に対する洗浄粒子の平均粒径の比が上記範囲内であることによって、逆洗時の洗浄効率をさらに向上できると共に、洗浄粒子同士の隙間に濾過粒子が入り込みにくく、濾過粒子の層の形成がより確実になる。
上記濾過粒子に対する洗浄粒子の配合体積比としては、0.1以上1.0以下が好ましい。このように、濾過粒子に対する洗浄粒子の配合体積比が上記範囲内であることによって、逆洗時の洗浄効率をより向上できると共に、当該濾過ユニットの体積効率を高められる。
上記濾過粒子がガラス又はポリマーを主成分とし、上記洗浄粒子がガラス、セラミックス、金属又はポリマーを主成分とするとよい。このように、濾過粒子の主成分がガラス又はポリマーであり、洗浄粒子の主成分がガラス、セラミックス、金属又はポリマーであることによって、洗浄効率と濾過効率とを両立して高められる。
本発明の一態様に係る濾過ユニットは、簡素な構造で、濾過粒子の洗浄性能に優れる。このため、当該濾過ユニットは、油分及び濁質を含有する被処理液を浄化するために好適に使用できる。
本発明の別の態様に係る濾過粒子の洗浄方法は、下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットに充填される濾過粒子の洗浄方法であって、上記濾過粒子よりも平均粒径及び平均比重が大きい洗浄粒子が充填されている上記濾過ユニットに上記仕切板を通して上向きに洗浄水を通水することにより上記洗浄粒子を舞い上がらせる工程を備える。
当該濾過粒子の洗浄方法は、濾過ユニットに濾過粒子よりも平均粒径及び平均比重が大きい洗浄粒子を充填することによって、洗浄粒子が先に沈降して形成した層の上に濾過粒子の層を形成して濾過を行う。そして、濾過ユニットに上記仕切板を通して上向きに洗浄水を通水することにより洗浄粒子を舞い上がらせることにより、油分や濁質で固まった濾過粒子の層をほぐし、濾過粒子間に隙間を空けることで濾過粒子の洗浄を促進することができる。
ここで、「平均粒径」とは、JIS−Z8801−1(2006)に規定される篩を用い、目開きの大きい篩から順に篩分けて目開きを通過する粒子の質量割合を測定し、公称目開きを粒径として作成される粒径分布において積算質量が50%となる値(d50)を意味する。「平均比重」とは、JIS−Z8807(2012)に準拠して測定される値である。また、「濁質」とは、油分を除く懸濁物質を意味する。なお、「油分」と「濁質」とが分離されている必要はなく、エマルジョンを形成していてもよい。また、「金属」とは、金属化合物を含む。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態の濾過ユニットを備える下向流式濾過塔について図面を参照しつつ詳説する。
[下向流式濾過塔]
図1の下向流式濾過塔は、被処理液を濾過する装置である。この下向流式濾過塔によって濾過する被処理液としては、典型的には油分と濁質とを含有する石油随伴水が挙げられる。この濁質とは、例えば砂、シリカや炭酸カルシウムなどの粒子、鉄粉、微生物、木片等を含む。
この下向流式濾過塔は、中心軸が鉛直方向と略一致するよう立設され、天板部及び底板部を有する筒状本体1と、この筒状本体1の内部に互いに間隔を空けて上下に並んで配設される本発明の実施形態に係る3つの濾過ユニット(第1濾過ユニット2a、第2濾過ユニット2b及び第3濾過ユニット2c)と、筒状本体1の上端に配設され、筒状本体1内に被処理液を供給する被処理液供給流路3と、筒状本体1の下端に配設され、筒状本体1内から被処理液を濾過した処理済液を排出する処理済液排出流路4とを備えている。筒状本体1内には、最上流側の第1濾過ユニット2aの上方及び最下流側の第3濾過ユニット2cの下方にも空間が形成されている。また、下向流式濾過塔は、処理済液排出流路4に洗浄水を供給する洗浄水供給装置(不図示)を備える。
<筒状本体>
筒状本体1は、金属や樹脂によって、内部に挿通する液体の圧力に耐える強度を有するよう形成される。筒状本体1を形成する材料としては、特に、強度、耐熱性、耐薬品性等の観点からステンレス又はアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)が好ましい。また、筒状本体1は、外側に補強部材や自立するための脚部材等が設けられてもよい。
筒状本体1の平面形状としては、特に限定されず、例えば円形、楕円形、矩形等の任意の形状とすることができるが、一様な液体の流れを形成しやすく、後述する濾過粒子及び洗浄粒子並びに油分及び濁質の詰まりや滞留を防止できることから、角のない形状が好ましく、典型的には円形とされる。また、筒状本体1の平面形状を角のない形状とすることは、筒状本体1の強度を得やすく設計が容易となるメリットもある。筒状本体1の被処理液供給流路3が配設される天板部及び処理済液排出流路4が配設される底板部は、平板であってもよいが、耐圧性が得られる鏡板状とすることが好ましい。
筒状本体1の大きさとしては、処理すべき被処理水の流量等に応じて選択され、特に限定されない。筒状本体1の平均断面積としては、例えば0.1m以上10m以下とすることができる。また、筒状本体1の高さとしては、例えば0.5m以上10m以下とすることができる。
<濾過ユニット>
第1濾過ユニット2aは、下方が通水可能な第1下側仕切板5aで区画され、上方が通水可能な第1上側仕切板6aで区画され、その内部に第1濾過粒子7aとこの第1濾過粒子7aよりも平均粒径及び平均比重が大きい第1洗浄粒子8aとが充填されている。また、第1濾過ユニット2aは、定常状態(連続的に濾過を行っている状態)で第1濾過粒子7a及び第1洗浄粒子8aの上方に第1空間9aを有する。
同様に、第2濾過ユニット2bは、下方が通水可能な第2下側仕切板5bで区画され、上方が通水可能な第2上側仕切板6bで区画され、その内部に第2濾過粒子7bとこの第2濾過粒子7bよりも平均粒径及び平均比重が大きい第2洗浄粒子8bとが充填されている。また、第2濾過ユニット2bは、定常状態で第2濾過粒子7b及び第2洗浄粒子8bの上方に第2空間9bを有する。
さらに、第3濾過ユニット2cは、下方が通水可能な第3下側仕切板5cで区画され、上方が通水可能な第3上側仕切板6cで区画され、その内部に第3濾過粒子7cとこの第3濾過粒子7cよりも平均粒径及び平均比重が大きい第3洗浄粒子8cとが充填されている。また、第3濾過ユニット2cは、定常状態で第3濾過粒子7c及び第3洗浄粒子8cの上方に第3空間9cを有する。
なお、「濾過ユニット」とは、濾過を行う構成の単位構造を指し、必ずしも分離可能な構造を意味しない。図1の下向流式濾過塔において、濾過ユニット2a,2b,2cは、側壁が筒状本体1の側壁と一体である。
(仕切板)
下側仕切板5a,5b,5c及び上側仕切板6a,6b,6cは、水を通過させ、かつ濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cを通過させない板状の部材で形成される。これらの下側仕切板5a,5b,5c及び上側仕切板6a,6b,6cは、濾過粒子9a,9b,9c及び洗浄粒子8a,8b,8cを濾過ユニット2a,2b,2cの内部に封止する機能を果たす。
この下側仕切板5a,5b,5c及び上側仕切板6a,6b,6cの具体的な材料としては、例えば気孔率の大きい多孔質板、多数の小孔が形成された板、ワイヤーメッシュ等が挙げられる。また、下側仕切板5a,5b,5c及び上側仕切板6a,6b,6cは、目開きの大きい支持部材と、この支持部材の目を覆うよう配設された網状、織布状又は不織布状の部材との組み合わせからなってもよい。
下側仕切板5a,5b,5c及び上側仕切板6a,6b,6cの材質としては、特に限定されず、金属や合成樹脂等を用いることができる。金属を用いる場合、防食の観点から耐食性ステンレス鋼(例えばSUS316L等)を用いることが好ましい。板状の合成樹脂を用いる場合、水圧や粒子の重量によって目開きが変化しないよう補強ワイヤー等の支持部材を併用することが好ましい。ワイヤーメッシュを用いる場合、例えばステンレス鋼線、ケブラー繊維、カーボン繊維等の強度及び耐熱性に優れる線材からなるメッシュを使用することが好ましい。
下側仕切板5a,5b,5c及び上側仕切板6a,6b,6cをワイヤーメッシュで形成する場合、ワイヤーメッシュの公称目開きは、対応する濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cの最小径以下となるよう設計されることが好ましい。また、濾過粒子7a,7b,7c又は洗浄粒子8a,8b,8cの最小径が微小である場合、ワイヤーメッシュの目開きをそれよりも小さくすると差圧が大きくなり過ぎるおそれがある。このため、ワイヤーメッシュの公称目開きは、対応する濾過粒子7a,7b,7cの平均粒径から対応する濾過粒子7a,7b,7cの粒径の標準偏差を引いた値以下とすることが好ましい。
(濾過粒子)
濾過粒子7a,7b,7cは、被処理水を濾過する層を形成する濾材である。この濾過粒子7a,7b,7cとしては、公知の濾過処理用の粒子を用いることができ、例えば天然砂、無機物粒子、ガラス、セラミックス、ポリマー(高分子化合物)、天然有機素材等を主成分とする粒子を用いることができる。
ただし、濾過粒子7a,7b,7cは、ガラス又はポリマーを主成分とすることが好ましい。濾過粒子7a,7b,7cをガラスを主成分とするものとすることによって、当該濾過ユニット2a,2b,2cのコストを低減することができる。また、濾過粒子7a,7b,7cをポリマーを主成分とするものとすることによって、当該濾過ユニット2a,2b,2cのコスト及び重量を低減することができる。また、ポリマーを用いることにより、濾過粒子7a,7b,7cの比重を小さくできるため、逆洗時の撹拌作用による濾過粒子7a,7b,7cの洗浄促進効果をさらに高めることができる。特に、濾過粒子7a,7b,7cとしてガラスビーズを使用すれば、濾過粒子7a,7b,7cの表面から油分や濁質が剥離し易くなるため、逆洗時の洗浄促進効果を比較的容易に向上することができる。
濾過粒子7a,7b,7cの主成分とされるガラスとしては、例えばソーダ石灰ガラス、チタンバリウム系ガラス、鉛ガラス、硼珪酸ガラス等を挙げることができる。中でも、粒子状の製品が比較的安価に広く市販されているソーダ石灰ガラスが好適に用いられる。
濾過粒子7a,7b,7cの主成分とされるポリマーとしては、例えばフッ素樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、メラミン樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。これらの中でも耐水性、耐油性等に優れるフッ素樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましく、耐食性に優れるフッ素樹脂及び吸着性に優れるポリオレフィンがより好ましい。さらに、ポリオレフィンの中では、特に油分吸着能力に優れるポリプロピレンが好ましい。また、フッ素樹脂は、強度、耐熱性及び耐薬品性に優れ、かつ比較的比重が大きいので洗浄後に沈降が早く、早く濾過を再開できるというメリットがある。なお、濾過粒子7a,7b,7cの材質は、濾過ユニット毎に異なっていてもよく、それぞれ複数種類の粒子を含んでもよい。
また、上記天然砂としては、例えばアンスラサイト、ガーネット、マンガン砂等を挙げることができ、これらを1種で又は2種以上混合して用いることができる。上記セラミックスとしては、例えばシリカ、アルミナ、ガラス等を主成分とするセラミックス粒子を用いることができる。上記天然有機素材としては、天然の有機物を篩い分けして粒子サイズを整えたものを使用することができ、例えばクルミの殻、おがくず、麻などの天然繊維等を挙げることができる。
濾過粒子7a,7b,7cの形状としては、特に限定されず、例えば球形、柱形等任意の形状とすることができる。特に、濾過粒子7a,7b,7cとして、不定形の粉砕粒子を用いることで、濾過粒子7a,7b,7cを緻密に堆積させることができ、濾過効率を向上させると共に、定常状態における濾過粒子7a,7b,7cの浮き上がりを防止することができる。
濾過粒子7a,7b,7cの平均比重の下限としては、0.8が好ましく、1.1がより好ましく、1.4がさらに好ましい。一方、濾過粒子7a,7b,7cの平均比重の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。濾過粒子7a,7b,7cの平均比重が上記下限に満たない場合、被処理水の流速よりも濾過粒子7a,7b,7cの浮上速度が大きくなることにより濾過粒子7a,7b,7cが沈降せず、当該濾過ユニット2a,2b,2cの中で被処理液を濾過する層を形成できないおそれがある。逆に、濾過粒子7a,7b,7cの平均比重が上記上限を超える場合、逆洗時に濾過粒子7a,7b,7cの層が流動化できず、洗浄効果を向上できないおそれがある。なお、濾過粒子7a,7b,7cの平均比重は、濾過ユニット毎に異なっていてもよい。
濾過粒子7a,7b,7cの均等係数の下限としては、1.1が好ましく、1.3がより好ましい。一方、濾過粒子7a,7b,7cの均等係数の上限としては、1.8が好ましく、1.6がより好ましい。濾過粒子7a,7b,7cの均等係数が上記下限に満たない場合、各濾過粒子7a,7b,7cの粒径のバラツキが小さ過ぎて緻密に堆積させることができないおそれがある。逆に、濾過粒子7a,7b,7cの均等係数が上記上限を超える場合、当該濾過ユニット2a,2b,2cの内部で油滴や濁質の分離能力が不均一となるおそれがある。なお、「均等係数」とは、JIS−Z8801−1(2006)に規定される篩を用い、目開きの大きい篩から順に篩分けて目開きを通過する粒子の質量割合を測定し、公称目開きを粒径として作成される粒径分布において積算質量が60%となる値(d60)を積算質量が10%となる値(d10)で除した値である。
濾過粒子7a,7b,7cの平均粒径は、上流側の当該濾過ユニット2a,2b,2cほど大きい。つまり、第1濾過粒子7aの平均粒径よりも第2濾過粒子7bの平均粒径が小さく、第2濾過粒子7bの平均粒径よりも第3濾過粒子7cの平均粒径が小さい。
最上流側の第1濾過粒子7aの平均粒径の下限としては、700μmが好ましく、800μmがより好ましく、1000μmがさらに好ましい。一方、第1濾過粒子7aの平均粒径の上限としては、3000μmが好ましく、2000μmがより好ましく、1500μmがさらに好ましい。第1濾過粒子7aの平均粒径が上記下限に満たない場合、当該第1濾過ユニット2aに第1濾過粒子7aによって形成される層の密度が大きく、隙間が小さくなるので、当該第1濾過ユニット2aの圧損が大きくなるおそれや、当該第1濾過ユニット2aの目詰まりの頻度が大きくなるおそれがある。逆に、第1濾過粒子7aの平均粒径が上記上限を超える場合、第1濾過粒子7a間の隙間が大きくなり、十分に油分や濁質を除去できないおそれがある。
第2濾過粒子7bの平均粒径の下限としては、300μmが好ましく、350μmがより好ましく、400μmがさらに好ましい。一方、第2濾過粒子7bの平均粒径の上限としては、1000μmが好ましく、800μmがより好ましく、700μmがさらに好ましい。第2濾過粒子7bの平均粒径が上記下限に満たない場合、当該第2濾過ユニット2bの圧損が大きくなるおそれや、当該第2濾過ユニット2bの目詰まりの頻度が大きくなるおそれがある。逆に、第2濾過粒子7bの平均粒径が上記上限を超える場合、下流側の第3濾過ユニット2cの目詰まりの頻度が大きくなるおそれがある。
最下流側の第3濾過粒子7cの平均粒径の下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましく、20μmがさらに好ましい。一方、第3濾過粒子7cの平均粒径の上限としては、400μmが好ましく、350μmがより好ましく、300μmがさらに好ましい。第3濾過粒子7cの平均粒径が上記下限に満たない場合、当該第3濾過ユニット2cの圧損が大きくなるおそれや、コスト及び重量が増加するおそれがある。逆に、第3濾過粒子7cの平均粒径が上記上限を超える場合、下向流式濾過塔が微細な油滴や濁質を除去できないおそれがある。
定常状態において最上流側の第1濾過粒子7aが形成する層の平均厚さとしては、特に限定されないが、例えば3cm以上1m以下とすることができる。定常状態において第2濾過粒子7bが形成する層の平均厚さとしては、特に限定されないが、例えば2cm以上80cm以下とすることができる。また、定常状態において最下流側の第3濾過粒子7cが形成する層の平均厚さとしては、特に限定されないが、例えば1cm以上50cm以下とすることができる。
(洗浄粒子)
洗浄粒子8a,8b,8cは、逆洗時に舞い上がり、油分や濁質で固まった濾過粒子7a,7b,7cの層をほぐして隙間を形成することにより、濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を促進する。
この洗浄粒子8a,8b,8cとしては、天然砂、ガラス、無機物粒子、セラミックス、金属(金属化合物を含む)、ポリマー、天然有機素材等を主成分とする粒子を用いることができ、中でも、ガラス、セラミックス、金属又はポリマーを主成分とする粒子が好ましい。洗浄粒子8a,8b,8cの主成分がガラス、セラミックス、金属又はポリマーであることによって、濾過粒子7a,7b,7cに対する比重の比率を容易に適正化でき、濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を得やすい。特に、洗浄粒子8a,8b,8cとしてガラスビーズを使用することにより、洗浄粒子8a,8b,8cの表面から油分や濁質が剥離し易くなるため、逆洗時の洗浄促進効果を比較的容易に向上することができる。なお、洗浄粒子8a,8b,8cの材質は、濾過ユニット毎に異なっていてもよく、それぞれ複数種類の粒子を含んでもよい。
洗浄粒子8a,8b,8cの主成分とされるガラスとしては、例えばソーダ石灰ガラス、チタンバリウム系ガラス、鉛ガラス、硼珪酸ガラス等を挙げることができる。中でも、粒子状の製品が比較的安価に広く市販されているソーダ石灰ガラスや、濾過粒子7a,7b,7cとしてガラスビーズを用いる場合に濾過粒子7a,7b,7cに対する比重の比率を適正化できるチタンバリウム系ガラスが好適に用いられる。
洗浄粒子8a,8b,8cの主成分とされるセラミックスとしては、例えばガラス、シリカ、アルミナ等を主成分とするものが挙げられる。
洗浄粒子8a,8b,8cの主成分とされる金属としては、例えば耐錆性に優れる酸化鉄等が挙げられる。
洗浄粒子8a,8b,8cの主成分とされるポリマーとしては、例えばフッ素樹脂、ビニル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、メラミン樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。これらの中でも耐水性、耐油性等に優れるフッ素樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましく、耐食性に優れるフッ素樹脂がより好ましい。
また、洗浄粒子8a,8b,8cの主成分とされる天然砂としては、例えばアンスラサイト、ガーネット、マンガン砂等を挙げることができる。洗浄粒子8a,8b,8cの主成分とされる天然有機素材としては、天然の有機物を篩い分けして粒子サイズを整えたものを使用することができる。
洗浄粒子8a,8b,8cの形状としては、特に限定されず、例えば球形、柱形等任意の形状とすることができる。特に、洗浄粒子8a,8b,8cとして、不定形の粉砕粒子を用いることで、逆洗時の濾過粒子の洗浄効果をより促進することができる。
洗浄粒子8a,8b,8cの平均比重の下限としては、1.3が好ましく、1.6がより好ましい。一方、洗浄粒子8a,8b,8cの平均比重の上限としては、15が好ましく、10がより好ましい。洗浄粒子8a,8b,8cの平均比重が上記下限に満たない場合、洗浄粒子8a,8b,8cの濾過粒子7a,7b,7cに対する衝突エネルギーが小さく、濾過粒子7a,7b,7cの層を割りほぐすことができないおそれや、洗浄粒子8a,8b,8cが濾過粒子7a,7b,7cより先に沈降せず、濾過粒子7a,7b,7cの層を形成できないおそれがある。逆に、洗浄粒子8a,8b,8cの平均比重が上記上限を超える場合、逆洗時に洗浄粒子8a,8b,8cの層が流動化することができず、濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を促進できないおそれがある。なお、洗浄粒子8a,8b,8cの平均比重は、濾過ユニット毎に異なっていてもよい。
第1洗浄粒子8aは平均比重が第1濾過粒子7aよりも大きく、第2洗浄粒子8bは第2濾過粒子7bよりも平均比重が大きく、第3洗浄粒子8cは第3濾過粒子7cよりも平均比重が大きい。第1洗浄粒子8aの平均比重の第1濾過粒子7aの平均比重に対する比、第2洗浄粒子8bの平均比重の第2濾過粒子7bの平均比重に対する比及び第3洗浄粒子8cの平均比重の第3濾過粒子7cの平均比重に対する比の下限としては、1.2が好ましく、1.5がより好ましく、2.0がさらに好ましい。一方、上記平均比重の比の上限としては、10が好ましく、8がより好ましい。上記平均比重の比が上記下限に満たない場合、洗浄粒子8a,8b,8cが濾過粒子7a,7b,7cより先に沈降せず、濾過粒子7a,7b,7cの層を形成できないおそれがある。逆に、上記平均比重の比が上記上限を超える場合、逆洗時に、濾過粒子7a,7b,7cの層と洗浄粒子8a,8b,8cの層とを同時に流動化することができず、濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を促進できないおそれがある。
第1洗浄粒子8aは第1濾過粒子7aよりも平均粒径が大きく、第2洗浄粒子8bは第2濾過粒子7bよりも平均粒径が大きく、第3洗浄粒子8cは第3濾過粒子7cよりも平均粒径が大きい。第1洗浄粒子8aの平均粒径の第1濾過粒子7aの平均粒径に対する比、第2洗浄粒子8bの平均粒径の第2濾過粒子7bの平均粒径に対する比及び第3洗浄粒子8cの平均粒径の第3濾過粒子7cの平均粒径に対する比の下限としては、1.2が好ましく、1.4がより好ましく、1.5がさらに好ましい。一方、上記平均粒径の比の上限としては、10が好ましく、8がより好ましい。上記平均粒径の比が上記下限に満たない場合、洗浄粒子8a,8b,8cの濾過粒子7a,7b,7cに対する衝突エネルギーが小さく、濾過粒子7a,7b,7cの層を割りほぐすことができないおそれや、洗浄粒子8a,8b,8cが濾過粒子7a,7b,7cより先に沈降せず、濾過粒子7a,7b,7cの層を形成できないおそれがある。逆に、上記平均粒径の比が上記上限を超える場合、濾過粒子7a,7b,7cが洗浄粒子8a,8b,8c間の隙間に入り込んで十分な厚さの濾過層を形成できないおそれがある。
最上流側の第1洗浄粒子8aの平均粒径の下限としては、800μmが好ましく、1000μmがより好ましく、1200μmがさらに好ましい。一方、第1洗浄粒子8aの平均粒径の上限としては、5000μmが好ましく、3000μmがより好ましく、2000μmがさらに好ましい。第1洗浄粒子8aの平均粒径が上記下限に満たない場合、第1洗浄粒子8aによって形成される層の密度が大きく、圧損が大きくなるおそれがある。逆に、第1洗浄粒子8aの平均粒径が上記上限を超える場合、第1洗浄粒子8a間の隙間に第1濾過粒子7aが入り込み、第1濾過粒子7aの層を効率よく形成できないおそれがある。
第2洗浄粒子8bの平均粒径の下限としては、500μmが好ましく、600μmがより好ましく、800μmがさらに好ましい。一方、第2洗浄粒子8bの平均粒径の上限としては、4000μmが好ましく、3000μmがより好ましく、1800μmがさらに好ましい。第2洗浄粒子8bの平均粒径が上記下限に満たない場合、第2洗浄粒子8bによって形成される層の密度が大きく、圧損が大きくなるおそれがある。逆に、第2洗浄粒子8bの平均粒径が上記上限を超える場合、第2洗浄粒子8b間の隙間に第2濾過粒子7bが入り込み、第2濾過粒子7bの層を効率よく形成できないおそれがある。
最下流側の第3洗浄粒子8cの平均粒径の下限としては、10μmが好ましく、30μmがより好ましく、100μmがさらに好ましい。一方、第3洗浄粒子8cの平均粒径の上限としては、3000μmが好ましく、2000μmがより好ましく、1500μmがさらに好ましい。第3洗浄粒子8cの平均粒径が上記下限に満たない場合、第3洗浄粒子8cによって形成される層の密度が大きく、圧損が大きくなるおそれがある。逆に、第3洗浄粒子8cの平均粒径が上記上限を超える場合、第3洗浄粒子8c間の隙間に第3濾過粒子7cが入り込み、第3濾過粒子7cの層を効率よく形成できないおそれがある。
第1濾過ユニット2aにおける第1濾過粒子7aに対する第1洗浄粒子8aの配合体積比、第2濾過ユニット2bにおける第2濾過粒子7bに対する第2洗浄粒子8bの配合体積比、及び第3濾過ユニット2cにおける第3濾過粒子7cに対する第3洗浄粒子8cの配合体積比の下限としては、0.1が好ましく、0.2がより好ましい。一方、上記配合体積比の上限としては、1が好ましく、0.5がより好ましい。上記配合体積比が上記下限に満たない場合、洗浄効果を十分に向上できないおそれがある。一方、上記配合体積比が上記上限を超える場合、濾過粒子7a,7b,7cによる層の形成が不確実となるおそれや、当該濾過ユニット2a,2b,2cが不必要に大きくなるおそれがある。
(空間)
定常状態の当該濾過ユニット2a,2b,2cにおいて、濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cの上方にそれぞれ形成される空間9a,9b,9cは、逆洗時において濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cが洗浄水の流れにより舞い上がって互いにぶつかり合うよう運動するためのスペースを提供する。
この空間9a,9b,9cの平均高さの下限としては、当該濾過ユニット2a,2b,2cの内部の平均高さ(下側仕切板5a,5b,5cと上側仕切板6a,6b,6cとの間隔)の30%が好ましく、50%がより好ましい。一方、空間9a,9b,9cの平均高さの上限としては、当該濾過ユニット2a,2b,2cの内部の平均高さの80%が好ましく、70%がより好ましい。空間9a,9b,9cの平均高さが上記下限に満たない場合、逆洗時に濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cが十分に運動できず、濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を十分に促進できないおそれがある。逆に、空間9a,9b,9cの平均高さが上記上限を超える場合、スペースが大きくなり過ぎて逆洗時に濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cが当接する頻度が小さくなることにより濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を十分に促進できないおそれがある。
[水処理方法]
続いて、図1の下向流式濾過塔を用いた水処理方法について説明する。
図1の下向流式濾過塔を用いた水処理方法は、当該濾過ユニット2a,2b,2cにおいて被処理液を濾過する濾過工程と、当該濾過ユニット2a,2b,2cの濾過粒子7a,7b,7cを洗浄する逆洗工程と、当該濾過ユニット2a,2b,2c内に濾過粒子7a,7b,7cの層を形成する濾過層形成工程とを繰り返す。
<濾過工程>
上記濾過工程は、被処理液供給流路3から被処理液を供給し、被処理液を濾過した処理済液を処理済液排出流路4から排出する。この濾過工程において、当該濾過ユニット2a,2b,2c内には、下側仕切板5a,5b,5cの上に洗浄粒子8a,8b,8cの層が形成され、洗浄粒子8a,8b,8cの層の上に濾過粒子7a,7b,7cにより濾過層が形成され、濾過層と上側仕切板6a,6b,6cとの間には空間9a,9b,9cが形成された状態とされる。
被処理液の供給方法は特に限定されず、例えばポンプによる圧送、水頭による自然流下等の方法を用いることができる。
下向流式濾過塔を用いた水処理方法における下向流式濾過塔の単位断面積当たりの被処理液の供給量の下限としては、100m/m・dayが好ましく、300m/m・dayがより好ましい。一方、上記被処理液の供給量の上限としては、特に限定されないが、3000m/m・dayが好ましく、1000m/m・dayがより好ましい。上記被処理液の供給量が上記下限に満たない場合、大量に被処理液が発生する環境下で処理能力が不足するおそれや、多数の下向流式濾過塔が必要となるおそれがある。逆に、上記被処理液の供給量が上記上限を超える場合、逆洗工程の頻度が大きくなり、非効率となるおそれがある。
濾過工程において、第1濾過粒子7aの層により分離された油分や濁質は、多くが複数の第1濾過粒子7aの間に保持されるが、一部が空間9a及びその上の空間に滞留(浮上分離)する。
図1の下向流式濾過塔を用いた水処理方法で回収した処理済液の濁質濃度の上限としては、10ppmが好ましく、5ppmがより好ましく、3ppmがさらに好ましく、1ppmが特に好ましい。処理済液の濁質濃度が上記上限を超える場合、処理済液を環境に負荷を与えず廃棄することや産業用水として利用することができないおそれがある。なお、濁質濃度とは、浮遊物質(SS)の濃度を意味し、JIS−K0102(2008)の「14.1 懸濁物質」に準拠して測定される値である。
図1の下向流式濾過塔を用いた水処理方法で回収した処理済液の油濃度の上限としては、100ppmが好ましく、10ppmがより好ましく、1ppmがさらに好ましい。処理済液の油濃度が上記上限を超える場合、下向流式濾過塔の下流で行う油水分離処理の負荷が過大となるおそれや、処理済液を環境に負荷を与えず廃棄することができなくなるおそれがある。
<逆洗工程>
上記逆洗工程では、処理済液排出流路4から洗浄水を供給し、当該濾過ユニット2a,2b,2cを通過し、濾過粒子7a,7b,7cから分離した油分や濁質並びに第1濾過ユニット2aの空間9a及びその上の筒状本体1内の空間に滞留していた油分や濁質を含む洗浄廃水を被処理液供給流路3から排出する。なお、この洗浄廃水は、次の濾過工程において、被処理液の一部として被処理液供給流路3に供給してもよい。
下から上に向かって流れる洗浄水は、先ず洗浄粒子を舞い上がらせ、油分や濁質で固まった濾過粒子7a,7b,7cの層を割りほぐして濾過粒子7a,7b,7cが洗浄水によって空間9a,9b,9cに舞い上げられるようにする。空間9a,9b,9cに舞い上げられた濾過粒子7a,7b,7cは、洗浄水中で撹拌されることによって付着した油分や濁質が剥離される。また、舞い上げられた濾過粒子7a,7b,7cは、他の濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cとぶつかり合うことにより、付着した油分や濁質の剥離が促進される。
上記逆洗工程は、一定時間毎に行われてもよく、上記濾過工程において被処理液供給流路3と処理済液排出流路4との圧力差が一定の圧力に達したときや、被処理液供給流路3又は処理済液排出流路4の流量が一定の流量に低下したときに行ってもよく、オペレターの操作により行われてもよい。
下向流式濾過塔の単位断面積当たりの洗浄水の給水量としては、例えば200L/m・hr以上2000L/m・hr以下とすることができる。
また、逆洗時間としては、例えば30秒以上10分以下とすることができる。また、一定時間毎に逆洗を行う場合の逆洗の間隔としては、例えば1時間以上12時間以下とすることができる。
供給する洗浄水としては、市水や濾過工程において処理済液排出流路4から排出された処理済み液を使用することができる。また、洗浄水は気泡を混入したバブリングジェット水流として供給されることが好ましい。バブリングジェット水流は、例えばバブリングジェット装置、エダクタ等を用いて製造することができる。バブリングジェット水流を使用することによって、気泡により濾過粒子7a,7b,7cからの油分や濁質の剥離を促進できる。また、洗浄水は気泡を含まないジェット水流として供給してもよい。
バブリングジェット水流中の空気量(常温大気圧における容積の水の体積に対する比)としては、例えば1NL/L以上5NL/L以下が好ましい。また、バブリングジェット水流中の気泡の平均径としては、1mm以上4mm以下が好ましい。さらに、洗浄水の送水圧としては、0.2MPa以上が好ましく、バブリングジェット水流の流束としては、例えばバブリングジェットノズルの吐出口において20m/s以上が好ましい。
<濾過層形成工程>
濾過層形成工程では、当該濾過ユニット2a,2b,2c内を水で満たした状態とし、濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cを自然沈降させる。この時、平均比重及び平均粒径が大きい洗浄粒子8a,8b,8cは、沈降速度が大きく、先に沈降して下側仕切板5a,5b,5cの上に層を形成する。洗浄粒子8a,8b,8cよりも平均比重及び平均粒径が小さく、沈降速度が小さい濾過粒子7a,7b,7cは、先に形成された洗浄粒子8a,8b,8cの層の上に降り積もって濾過層を形成する。
濾過層形成工程の最初(逆洗工程終了時)に、処理済液排出流路4から空気を含まない水を逆洗工程の洗浄水の流量以上の流量で供給し、当該濾過ユニット2a,2b,2c内を水で満たし、かつ濾過粒子7a,7b,7c及び洗浄粒子8a,8b,8cを上側仕切板6a,6b,6cに押し付けるようにすれば、洗浄粒子8a,8b,8cと濾過粒子7a,7b,7cとの分離を促進することができる。
[利点]
当該濾過ユニット2a,2b,2cは、濾過粒子7a,7b,7cと洗浄粒子8a,8b,8cとが充填されていることによって、逆洗時に洗浄粒子8a,8b,8cが舞い上がって濾過粒子7a,7b,7cの層を割りほぐして濾過粒子7a,7b,7cの洗浄効果を促進する。これにより、当該濾過ユニット2a,2b,2cは、簡素な構造でありながら濾過粒子の洗浄性能に優れる。
また、洗浄粒子8a,8b,8cの平均粒径及び平均比重が濾過粒子7a,7b,7cよりも大きいことによって、沈降速度の差により下側に洗浄粒子8a,8b,8cの層が形成され、上側に洗浄粒子8a,8b,8cをあまり含まない濾過粒子7a,7b,7cの層が形成されるので、洗浄粒子8a,8b,8cが濾過粒子7a,7b,7cの層による被処理液中の濁質の除去を阻害しない。
従って、当該濾過ユニット2a,2b,2cは、油分及び濁質を含油する被処理液を浄化する場合にも、逆洗のためのダウンタイムが短く、大きな処理能力を発揮できる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
下向流式濾過塔に配設される当該濾過ユニットの数は、特に限定されず、1以上の任意の数とすることができる。
また、当該濾過ユニットは、例えば多孔セラミックス、織布、不織布、繊維、活性炭等の油用吸着材を有するユニットと併用してもよい。油用吸着材ユニットは、当該濾過ユニットよりも下流側に配設されることが好ましい。
また、当該濾過ユニットには、濾過粒子及び洗浄粒子の上に空間が形成されないものであってもよい。
また、下向流式濾過塔に複数の当該濾過ユニットが配設される場合、下向流式濾過塔の本体側部に、各濾過ユニットの下方に洗浄水をそれぞれ供給する複数の給水路を設けてもよく、各濾過ユニットの上方から洗浄廃水をそれぞれ排出する複数の排水路を設けてもよい。上記濾過ユニットの下方に洗浄水を供給する給水路は、下側仕切板の下側面に向かって洗浄水を吐出するノズルを有してもよい。このようなノズルを設けることにより、濾過ユニット内に少なくとも部分的に流速の大きい流れを形成し、洗浄粒子によって濾過粒子の層を割りほぐす効果を促進することができる。また、ノズルは、濾過粒子又は洗浄粒子の層の中に埋没するよう配置し、洗浄水の水圧を直接作用させて濾過粒子や洗浄粒子を割りほぐすようにしてもよい。
また、当該濾過ユニットには、下側仕切板を通して洗浄水を供給するのに加えて、定常状態において形成される空間の位置に側方から洗浄水を供給するようにしてもよい。当該濾過ユニットの空間位置に供給され、下方からの洗浄水とは異なる向きの流れを有する洗浄水によって、濾過粒子のもみ洗い効果を促進することができる。この当該濾過ユニットの中に洗浄水を供給する流路は、当該濾過ユニットの内部に突出し、下向きに開口するノズルを備えてもよい。このようなノズルを設けることにより、下降流を形成して濾過粒子の洗浄効果を促進できると共に、濾過粒子の層に対して流速の大きい洗浄水を衝突させて、濾過粒子の層を割りほぐすことができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
上述の実施形態に準じて濾過塔No.1〜No.3を試作し、濾過及び逆洗を行って、本発明の効果を確認した。
濾過塔No.1〜No.3として、それぞれ内径40mmの円筒状の筒状本体を用い、第1濾過ユニット、第2濾過ユニット及び第3濾過ユニットに次の表1に示す濾過粒子及び洗浄粒子を層分けして充填した。
Figure 2016038948
上記被処理水としてC重油500ppmをエマルジョン化して水中に分散させたもの(エマルジョンの粒径は約0.3μm)を、0.5m/dayの流量で濾過塔の前後の差圧が大きくなるまで続けて濾過した。この結果、濾過塔No.1〜No.3は、いずれも2〜4時間の濾過を連続して行うことができた。また、差圧が上昇した濾過塔について、逆洗を行って、濾過粒子及び洗浄粒子に付着した油分を除去する実験を行った。なお、逆洗時の洗浄水の流量は被処理水の流量の1〜3倍とした。この結果、濾過塔No.1〜No.3は、いずれも3〜5分間の逆洗により、濾過時の差圧を略初期状態の値に低減することができた。つまり、濾過塔No.1〜No.3は、いずれも十分な濾過能力及び洗浄性を有することが確認された。
以上のように、当該濾過ユニットは、油田や工場で発生する被処理液から油分や濁質を除去する下向流式濾過塔に好適に利用することができる。
1 筒状本体
2a,2b,2c 濾過ユニット
3 被処理液供給流路
4 処理済液排出流路
5a,5b,5c 下側支持板
6a,6b,6c 上側支持板
7a,7b,7c 濾過粒子
8a,8b,8c 洗浄粒子
9a,9b,9c 空間

Claims (8)

  1. 下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットであって、
    充填される濾過粒子と洗浄粒子とを備え、
    上記洗浄粒子の平均粒径及び平均比重が濾過粒子よりも大きい濾過ユニット。
  2. 定常状態で上記濾過粒子及び洗浄粒子の上方に空間を有する請求項1に記載の濾過ユニット。
  3. 上記濾過粒子の平均比重に対する洗浄粒子の平均比重の比が1.2以上10以下である請求項1又は請求項2に記載の濾過ユニット。
  4. 上記濾過粒子の平均粒径に対する洗浄粒子の平均粒径の比が1.2以上10以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の濾過ユニット。
  5. 上記濾過粒子に対する洗浄粒子の配合体積比が0.1以上1以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の濾過ユニット。
  6. 上記濾過粒子がガラス又はポリマーを主成分とし、
    上記洗浄粒子がガラス、セラミックス、金属又はポリマーを主成分とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の濾過ユニット。
  7. 油分及び濁質を含有する被処理液を浄化する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の濾過ユニット。
  8. 下向流式濾過塔内に配設され、下方が通水性の仕切板で区画される濾過ユニットに充填される濾過粒子の洗浄方法であって、
    上記濾過粒子よりも平均粒径及び平均比重が大きい洗浄粒子が充填されている上記濾過ユニットに上記仕切板を通して上向きに洗浄水を通水することにより上記洗浄粒子を舞い上がらせる工程を備える濾過粒子の洗浄方法。
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