JP6002637B2 - 濾過装置及び濾過方法並びにフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水から油や懸濁物質(SS)などの除去対象物質を除去するのに適した濾過装置及び濾過方法と、これらの濾過装置及び濾過方法に好適に使用することのできるフィルターとに関する。
従来、遠心分離機や吸着材や凝集剤などを用いて、被処理水から油や懸濁物質(SS)などの除去対象物質を除去することが行われている。しかし、これら遠心分離機などを用いる処理方法は、[1]初期投資が大きい、[2]処理量が少ない、[3]資材代や廃棄代などが高額でランニングコストがかさむなどの問題がある。特に、被処理水の量が多い場合には、コスト高になって実用性が乏しくなる。このため、被処理水の量が多い場合には、水と除去対象物質の比重差を利用する分離装置(例えば、特許文献1を参照。)や、付着を利用する濾過装置(厳密には、油は「濾過」ではなく「付着」によって除去されるが、慣習上、「濾過」と呼ばれることが多いため、本明細書においても「濾過」という語を用いている。)などが利用されている。
しかし、水と除去対象物質の比重差を利用する分離装置において、比重が水よりも小さな除去対象物質、例えば油を除去する場合には、油を浮上させて被処理水から分離するため、被処理水に含まれる油滴が小さい場合(油滴に作用する浮力が小さい場合)や、油が油よりも比重の大きな他の物質と結合している場合(油に作用する浮力が他の物質の重力によって相殺される場合)などには、油が浮上しにくくなり、十分な除去効果が得られなくなるという問題がある。これは、API(American Petroleum Institute)式の油水分離装置(処理すべき油濁水を長距離にわたって水平に流すなかで徐々に油を浮上させて分離するタイプの油水分離装置)を用いた場合だけでなく、それを改良したPPI(Parallel Plate Interceptor)式の油水分離装置(油水分離槽の内部に複数枚の平板が被処理水の流れに沿って水平かつ多段に設置され、油水分離槽で浮上した油を前記平板に付着させて粗粒化させることにより分離するタイプの油水分離装置。PPI式の油水分離装置では、被処理水を流す距離をAPI式よりも短くすることができる。)や、CPI(Corrugated Plate Interceptor)式の油水分離装置(PPI式の油水分離装置における平板の代わりに波板を設置した油水分離槽を使用する油水分離装置)を使用した場合であっても同様である。
これに対し、油とは逆に、比重が水よりも大きな除去対象物質、例えば微細な固体状の懸濁物質(SS)を除去する場合には、その懸濁物質を沈降させて被処理水から分離するようになるため、懸濁物質に気泡が付着することなどによって、懸濁物質に作用する浮力が増大した場合には、懸濁物質が沈降しにくくなり、十分な除去効果が得られなくなるという問題がある。このほか、懸濁物質に電気的な反発力が発生して分散力が生じたような場合や、懸濁物質と水との親和性が強すぎるような場合にも、懸濁物質が沈降しにくくなり、十分な除去効果が得られなくなるおそれがある。
また、付着を利用する濾過装置では、そのフィルター(布などの面状材が用いられることが多い。)の目を大きくすると、十分な除去効果が奏されにくくなる(処理精度が低下する)し、フィルターの目を細かくすると、処理精度は向上するものの、すぐに目詰まりするようになるという問題がある。
例えば、気相での浮遊物除去にヒントを得て、綿のような繊維の塊からなるフィルターに被処理水を導入して油分などを除去する方法が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。このフィルターの目を小さくして除去能力を高めると、比較的速い流速で被処理水を流しても、精密に処理することができる。加えて、この種のフィルターにおいては、被処理水の水圧によって、油などの除去対象物質がフィルターの内部まで入り込むものの、フィルターの内部の空間が除去対象物によって埋まってしまう(目詰まりする)までには時間を要し、長持ちすると考えられているようである。しかし、液相における除去対象物質の濃度は、気相における除去対象物質の濃度よりも高いことが一般的であることに加えて、油など粘度の高い除去対象物質は、粗粒化して前記空間を埋めてしまうので、目詰まりするまでの時間はそれほど長く確保できないことが多い。また、この種のフィルターでは、一旦目詰まりすると逆洗しにくく、使い捨てになることも多いので、フィルターの単価は安くても長期で見ると経済的な負担が大きくなる。
また、小寸法で比表面積の大きな物質、例えば樹脂発泡体からなる粒状体などを流水槽に詰め込んでフィルターとして用いる方法も提案されている。この種のフィルターを用いると、被処理水の流速を速くできることから、現在、被処理水から油を除去する処理において最も多用されていると思われる。しかし、この方法において、精密な除去をしようとすると、前記粒状体の密度を高めるとともに、フィルターの通水距離を長くとる必要がある。ところが、そうすると、フィルターによる抵抗が大きくなって、被処理水を所定の流速で流すには強力なポンプが必要になる。また、フィルターを逆洗するのにも大掛かりな装置が必要となる。したがって、初期投資が嵩むばかりか、高粘度の除去対象物が高濃度で含まれる被処理水に対しては、目詰まりがひどくなって、逆洗しても回復せず、結局、前記粒状体を頻繁に交換する必要が生じ、ランニングコストも嵩んでしまう。
特開平11−090108号公報 特開平09−276602公報
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、油や懸濁物質(SS)などの除去対象物質を被処理水から除去する能力に優れているだけでなく、フィルターが目詰まりを起こしにくく、仮にフィルターが目詰まりした場合であってもフィルターを容易に洗浄してその濾過機能を回復させることができる濾過装置を提供するものである。また、この濾過装置を使用した濾過方法や、これらの濾過装置や濾過方法に好適に使用することのできるフィルターを提供することも本発明の目的である。
上記課題は、
被処理水が流される流水槽と、
流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
を備えた濾過装置であって、
フィルターが、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成されるとともに、
該複数枚のフィルターエレメントが、互いに略平行となるように所定間隔を隔てた状態又は密着した状態で配され、
フィルターの高粘度液体透過率が10〜90%とされた
ことを特徴とする濾過装置
を提供することによって解決される。
ここで、「高粘度液体透過率」とは、以下の方法によって求めた「高粘度液体透過率T」を意味するものとする。
[1] まず、図6に示すように、受皿の上面を金網で覆い、該金網の上面に、測定対象のフィルター(厚さ20mmに調製)を敷く。金網は、フィルターが自重によって撓まないように下側から支持するためのものであるが、その目が小さすぎると、金網が高粘度液体透過率に影響を及ぼすようになるため、フィルターの撓みを防止できる範囲でできるだけ目が大きなもの(目開き10mm以上のもの。)を使用する。
[2] フィルターの上面中央部に、円筒体(内径38mm)を垂直に立てた状態で保持する。
[3] 円筒体の上側の開口からその内部に100cc(重さWとする。)の高粘度液体を入れるとともに時間の計測を開始する。高粘度液体は、日本工業規格「JIS Z 8809:2011」に基づいて測定された粘度が10500mPa・sの粘度計校正用標準液を用いる。
[4] フィルターの上面からその下側の受皿へと高粘度液体を重力に任せて落下させる。
[5] 円筒体に高粘度液体を入れてから5分が経過したところで、受皿から、金網並びにその上側のフィルター及び円筒体を取り除き、それ以降、高粘度液体が受皿に落下しないようにする。
[6] 受皿に落下した高粘度液体の重さWを測定する。
[7] 高粘度液体透過率T=W/W×100を計算する。
ところで、「高粘度液体透過率が10〜90%」との記載は、フィルターとして採用し得る素材をかなり広い範囲で特定しているとの誤解を与えるかもしれない。しかし、実際には、高粘度液体透過率が10〜90%となる素材はかなり限られている。というのも、多くの素材は、上記高粘度液体を殆ど透過しない(高粘度液体透過率が0%若しくは限りなく0%に近い値を示す)か、上記高粘度液体を殆ど全て透過する(高粘度液体透過率が100%若しくは限りなく100%に近い値を示す)からである。高粘度液体透過率が10〜90%となる素材の物理的な構造は、一義的には定まらないが、本発明者は、そのような様々な素材について、高粘度液体透過率の測定と、除去対象物質の除去能力についての実験を行った結果、高粘度液体透過率が10〜90%の素材でフィルターを形成することによって、油などの除去対象物質に対する除去能力を向上させるだけでなく、フィルターを目詰まりしにくいものとすることができるとの結論に至った。
本発明の濾過装置におけるフィルターで、油などの除去対象物質を被処理水から好適に分離できる原理は、定かではないが、後述する実験5の結果から、以下のようなものと推測される。すなわち、本発明の濾過装置におけるフィルターを使用すると、その内部又はその前後に被処理水の複雑な流れ(逆流や渦流などの乱流)が生じる。このため、被処理水中を浮遊する除去対象物質同士が結合して粗粒化したり、被処理水中で浮遊する除去対象物質が既にフィルターに付着している除去対象物質に付着したりしやすくなると考えられる。粗粒化した除去対象物質は、フィルターに付着されたままの場合もあるし、浮力が増大したことによって浮上分離される場合もある。除去対象物質が粗粒化しやすい場所、すなわち被処理水の乱流が発生しやすい場所は、後述するように、被処理水の流速を変えることにより変化させることができる。
また、本発明の濾過装置は、除去対象物質の除去性能だけでなく、フィルターのメンテナンスが容易になるという利点もある。すなわち、フィルターをシート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成したことによって、フィルターエレメントとフィルターエレメントとの隙間に吸引器のノズルなどを挿入すれば、フィルターエレメントに付着した油やスラッジなどを吸引することができる。また、汚れの激しいフィルターエレメントのみを取り外して高圧水などで洗浄した後、該フィルターエレメントを戻すこともできる。さらに、汚れの激しいフィルターエレメントのみを新品に交換することもできる。ところで、被処理水の流速をある程度遅くすると、後述するように、フィルターにおける被処理水導入面(被処理水が導入される面)付近や被処理水導出面(被処理水が導出される面)付近で除去対象物質の粗粒化が集中的に行われるようにすることができる。この場合には、フィルターの汚れは、被処理水導入面付近(入口付近)と被処理水導出面付近(出口付近)で局所的に発生するので、吸引器などで容易に除去することができる。
本発明の濾過装置において、流水槽の向き(被処理水を流す向き)は、特に限定されない。しかし、流水槽が、被処理水を非水平方向に流すものであり、被処理水がフィルターに対して非水平方向に導入されるようにすると好ましい。これにより、フィルターにおける入口付近や出口付近で除去対象物質の粗粒化が集中的に行われるようにしたときに、フィルターの上面付近又は下面付近にスラッジが集中的に付着するようにすることができる。特に、フィルターに対して被処理水が鉛直下向きに導入されるようにすると、フィルターの上面付近に付着したスラッジを吸引などにより除去しただけで、フィルターの機能を大幅に回復させることも可能になる。したがって、フィルターのメンテナンスの頻度を減らすことができる。また、何らかの原因によって被処理水の流速が急激に増加した場合などには、被処理水の流速水頭を位置水頭にある程度変換させることができるので、被処理水の流速の変化を緩和させることも可能になる。加えて、被処理水に含まれる除去対象物質が油のように比重が水よりも軽い疎水性液体(以下、「油類」と表記する。)である場合には、フィルターの内部に留まりにくくなり(フィルターに付着して粗粒化することによって浮力の高まった油類がフィルターから分離して浮上するようになり)、フィルターの目詰まりを起こりにくくすることが可能になる。また、フィルターに付着したものの粗粒化により浮上した油類は、水面で膜を形成した状態となる一方、フィルターに付着せずにフィルターを通り抜けた油類は、前記膜に捕捉されるようになるので、油類をさらに精密に除去することも可能になる。
本発明の濾過装置において、隣り合うフィルターエレメントの間隔は、フィルターの高粘度液体透過率を10〜90%の範囲にできるのであれば特に限定されない。しかし、フィルターエレメントの間隔を広くしすぎると、それぞれのフィルターエレメントの目をかなり小さくしたとしても、フィルターの高粘度液体透過率を90%以下に抑えることが困難になる。このため、複数枚のフィルターエレメントは、その間隔が6mm以下となる状態で配すると好ましい。一方、フィルターエレメントの間隔に、特に下限はない。というのも、それぞれのフィルターエレメントそれ自体が厚みを有しておりその内部に一定の空間を有しているのであれば、隣り合うフィルターエレメントを密着させた(間隔を0mmにした)としても、フィルターの高粘度液体透過率を10%以上とすることができるからである。
本発明の濾過装置において、フィルターを構成するフィルターエレメントの素材も、フィルターの高粘度液体透過率を10〜90%の範囲にできるのであれば特に限定されない。例えば、編物又は織物によってそれぞれのフィルターエレメントを形成することができるし、多孔質部材によってそれぞれのフィルターエレメントを形成することもできる。フィルターエレメントの素材として必要な条件は、複数枚のフィルターエレメントを互いに平行に配してフィルターを構成した際に、該フィルターの内部に、付着材(油などの除去対象物質が付着する部分)で区切られた複数の小さな空間(被処理水が流れる空間)が、二次元的又は三次元的に繰り返し形成されることである。加えて、フィルターエレメントが被処理水から圧力を受けても、それぞれのフィルターエレメントの内側に形成された空間(被処理水が流れる空間。この空間内に除去対象物質が付着する。)の大きさが局所的に変化しすぎない程度の剛性を有していることである。これにより、フィルターは、安定して除去性能を発揮することが可能になる。加えて、フィルターの逆洗を行う場合には、逆洗水による剥離力がスラッジなどの付着物にダイレクトに作用するため、汚れを落としやすくなる。フィルターエレメントの具体的な素材については、後で詳しく説明する。
本発明の濾過装置において、被処理水の流れ方向に対するフィルターエレメントの向きも、フィルターの高粘度液体透過率を10〜90%の範囲にできるのであれば特に限定されない。複数枚のフィルターエレメントは、被処理水の流れ方向に対して平行となるように配する場合もあるし、被処理水の流れ方向に対して垂直となるように配する場合もある。また、複数枚のフィルターエレメントを、被処理水の流れ方向に対して傾斜させて配する場合もある。被処理水の流れ方向に対するフィルターエレメントの向きは、その素材や被処理水の流れ方向などを考慮して適宜決定する。
また、上記課題は、被処理水が流される流水槽と、流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターとを備えた濾過装置を用いて被処理水を濾過する濾過方法であって、フィルターを、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成するとともに、該複数枚のフィルターエレメントを、互いに平行となるように所定間隔を隔てた状態又は密着した状態で配し、フィルターの高粘度液体透過率を10〜90%としたことを特徴とする濾過方法を提供することによっても解決される。この濾過方法は、上記の濾過装置を用いて好適に行うことができる。
本発明の濾過方法において、被処理水の流速は、特に限定されない。しかし、上述した除去対象物質の粗粒化がフィルターの被処理水導入面付近(入口付近)や被処理水導出面付近(出口付近)で局所的に行われるようにして、フィルターのメンテナンスをより容易に行えるようにするとともに、除去対象物質の除去効果を高めるためには、速くしすぎない方が好ましい(後述する「実験5」を参照)。換言すると、除去精密性を求める上では、被処理水の流速は、遅くしたほうがよい。特に、被処理水の流速(線流速。以下同じ。)が10mm/s以上になると処理効果が認められなくなる場合があるので、被処理水の流速は、10mm/s未満に設定することが好ましい。被処理水の流速は、5mm/s以下にするとより好ましいが、それでも処理が難しい場合には、1mm/s以下とすることもある。しかし、被処理水の流速を遅くしすぎると、処理時間がかかるようになるため、被処理水の流速は、通常、3〜5mm/sに設定することが多い。
さらに、上記課題は、被処理水が流される流水槽の内部に配されて該被処理水を濾過するのに用いられるフィルターであって、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントを互いに平行となるように所定間隔を隔てた状態又は密着した状態で配することによって構成され、その高粘度液体透過率が10〜90%とされたことを特徴とするフィルターを提供することによっても解決される。このフィルターは、上記の濾過装置や濾過方法に好適に用いることができる。
以上のように、本発明によって、油や懸濁物質(SS)などの除去対象物質を被処理水から除去する能力に優れているだけでなく、フィルターが目詰まりを起こしにくく、仮にフィルターが目詰まりした場合であってもフィルターを容易に洗浄してその濾過機能を回復させることができる濾過装置を提供することが可能になる。また、この濾過装置を使用した濾過方法や、これらの濾過装置や濾過方法に好適に使用することのできるフィルターを提供することも可能になる。
本発明の濾過装置の好適な実施態様を示した断面図である。 本発明の濾過装置に用いるフィルターの一例を示した斜視図である。 実験2で用いた濾過装置を示した断面図である。 実験4で用いた濾過装置を示した断面図である。 実験5で用いた濾過装置を示した断面図である。 フィルターの高粘度液体透過率の測定方法を説明する図である。
以下、本発明の濾過装置及び濾過方法の好適な実施態様について、図面を用いてより具体的に説明する。図1は、本発明の濾過装置の好適な実施態様を示した断面図である。図2は、本発明の濾過装置に用いるフィルター20の一例を示した斜視図である。本実施態様の濾過装置は、図1に示すように、被処理水が流される流水槽10と、流水槽10を流れる被処理水を濾過するためのフィルター20とを備えたものとなっている。フィルター20は、図2に示すように、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメント21によって構成されている。これら複数枚のフィルターエレメント21は、互いに平行となるように所定間隔を隔てた状態又は密着した状態で配されている。本実施態様において、それぞれのフィルターエレメント21は、隣のフィルターエレメント21と向かい合う面が長方形を為しているため、これを平行に並べたフィルター20は、直方体状となっているが、フィルター20の形状は、これに限定されず、円柱状など他の立体形状とすることもできる。フィルター20の高粘度液体透過率は、10〜90%の範囲となっている。
1つのフィルター20を構成するフィルターエレメント21の枚数は、フィルターエレメント21の厚さや、隣り合うフィルターエレメント21の間隔や、1つのフィルター20に要求される処理量などによっても異なり、特に限定されない。しかし、フィルターエレメント21の枚数が少なすぎると、フィルター20の体積を大きく確保すること(フィルター20の処理能力を高めること)と、フィルター20のメンテナンスを容易に行うこととの両立が難しくなる。このため、1つのフィルター20を構成するフィルターエレメント21の枚数は、通常、5枚以上とされる。1つのフィルター20を構成するフィルターエレメント21の枚数は、10枚以上であると好ましく、15枚以上であるとより好ましく、20枚以上であるとさらに好ましい。一方、フィルターエレメント21の枚数を多くしすぎると、フィルター20の製造に手間がかかるようになる。このため、1つのフィルター20を構成するフィルターエレメント21の枚数は、通常、300枚以下とされる。1つのフィルター20を構成するフィルターエレメント21の枚数は、200枚以下であると好ましく、100枚以下であるとより好ましい。ただし、濾過装置全体が大型化する場合には、フィルターエレメント21の枚数は、上記枚数よりも多くする場合もある。
フィルター20を構成するそれぞれのフィルターエレメント21は、通常は、メンテナンスを容易にするために、互いに一体化させることなく、分離可能な状態で支持する。隣り合うフィルターエレメント21の間隔は、既に述べた通り、6mm以下とすると好ましいが、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下といった具合にさらに狭くすることもできる。隣り合うフィルターエレメント21の間隔は、フィルターエレメント21の素材や厚さなどに応じて適宜決定する。フィルターエレメント21が厚手のものである場合(後述する表1における実施例1や実施例2のフィルターを採用する場合)には、間隔をあけずに互いに接触した状態で重ねる場合もある。フィルターエレメント21が撓みやすく、自立できないような素材である場合、その周縁を枠体などの支持手段で保持し、フィルターエレメント21を引っ張って緊張した状態で支持すると好ましい。
それぞれのフィルターエレメント21の厚さは、それを形成する素材の種類などによっても異なり、特に限定されない。しかし、フィルターエレメント21が薄すぎると、フィルターエレメント21の剛性を保ちにくくなり、それに生じた撓みによって隣り合うフィルターエレメント21の間隔を一定に保ちにくくなるおそれもある。このため、フィルターエレメント21の厚さは、通常、0.1mm以上とされる。フィルターエレメント21の厚さは、0.5mm以上であると好ましく、1mm以上であるとより好ましい。一方、フィルターエレメント21を厚くしすぎると、その内部にまで汚れが入り込んだ際に、その汚れを洗浄しにくくなり、フィルター20のメンテナンスが難しくなるおそれがある。このため、フィルターエレメント21の厚さは、通常、5cm以下とされる。フィルターエレメント21の厚さは、4cm以下であると好ましく、3cm以下であるとより好ましく、2cm以下であるとさらに好ましい。フィルターエレメント21の面積は、流水槽10の寸法などによっても異なり、特に限定されないが、通常、25cm(例えば5cm角)〜10000cm(例えば100cm角)とされる。
フィルター20を構成するフィルターエレメント21の素材は、フィルター20の高粘度液体透過率を10〜90%の範囲にできるのであれば特に限定されない。例えば、以下のような素材によってフィルターエレメント21を形成することができる。まず、編物又は織物によってそれぞれのフィルターエレメント21を形成することができる。編物又は織物は、薄い平面状のものであってもよいし、三次元立体織物のようにある程度厚みを有するものであってもよい。編物又は織物を形成する線材(除去対象物質が付着する付着材となる。)は、特に限定されない。油の除去能力を向上させる観点からは、前記線材として、ポリプロピレンやポリエチレンやポリエステルやポリエチレンテレフタレートなど、油が付着しやすい材料(親油性の材料)で形成したものを用いると好ましいが、金属など、他の材料で前記線材を形成しても、一定の除去能力が発揮されることを確認している。
フィルターエレメント21を編物又は織物とする場合、前記線材の間隔(編物又は織物の目開きに相当)は、フィルターの高粘度液体透過率を10〜90%の範囲にできるのであれば特に限定されない。しかし、前記線材の間隔を広くしすぎると、フィルター20の高粘度液体透過率を90%以下に抑えることが困難になり、フィルター20の除去性能が低下するおそれがある。このため、前記線材の間隔は、6mm以下とすると好ましい。前記線材の間隔は、5mm以下、4mm以下、3mm以下、2mm以下というようにさらに狭くするとより好ましい。一方、前記線材の間隔を狭くしすぎると、フィルター20が目詰まりしやすくなるおそれがある。このため、前記線材の間隔は、通常、0.5mm以上とされる。前記線材の間隔は、1mm以上であると好ましい。前記線材の間隔は、必ずしも除去対象物質の径よりも小さくする必要はない。
また、多孔質部材によってそれぞれのフィルターエレメント21を形成することもできる。多孔質部材は、それに形成される孔の大部分が連通孔(非独立孔)であるものであると好ましい。この場合、多孔質部材における孔を除いた部分が、除去対象物質の付着する付着材となり、多孔質部材に形成された孔が、被処理水が流れる空間となる。フィルターエレメント21として用い得る多孔質部材としては、ポリウレタンやポリエチレンやフェノールなどの樹脂を発泡させた樹脂発泡体などが挙げられる。多孔質部材によってフィルターエレメント21を形成する場合において、その孔の径を大きくしすぎると、上記線材の間隔を広くした場合と同じような問題が生じ、逆に孔の径を小さくしすぎると、上記線材の間隔を狭くした場合と同じような問題が生じる。このため、多孔質部材の孔の径は、フィルターエレメント21を編物又は織物によって形成した場合の前記線材の間隔と同程度とすると好ましい。
被処理水は、重力による自然の流れや、図示省略のポンプの出力などによって、ノズルなどを通じて流水槽10へ供給された後、やはり重力による自然の流れなどによって流水槽10から送出される。フィルター20に対して被処理水を導入する向きは、既に述べた通り、被処理水がフィルター20に対して非水平方向に導入されるようにすると好ましいが、被処理水が鉛直方向に流される部分を流水槽10の内部に設け、その部分で被処理水がフィルター20に対して鉛直方向に導入(上昇流又は下降流の状態で導入)されるようにするとさらに好ましい。特に、被処理水から除去すべき除去対象物質の殆どが油のように比重が水よりも軽い疎水性液体(以下、「油類」と表記する。)のみである場合には、被処理水をフィルター20に対して鉛直上向きに導入(上昇流の状態で導入)するとさらに好ましい。これにより、フィルター20に付着して粗粒化した油類がフィルターから分離して浮上する際に、該油類を被処理水の上昇流に乗せることが可能になる。したがって、被処理水から油類をさらに分離しやすくなるだけでなく、フィルター20をさらに目詰まりしにくいものとすることもできる。
ところで、流水槽10の内部は、鉛直方向に配した複数枚の仕切板などで複数の室に仕切り、各室において、上昇流と下降流とが交互に発生するようにしてもよい。本実施態様においても、図1に示すように、流水槽10の内部は、5枚の仕切板11,12,13,14,15によって流水槽10の内部を6つの室(第一室10aと第二室10bと第三室10cと第四室10dと第五室10eと第六室10f)に仕切っている。仕切板11,13,15の上側と、仕切板12,14の下側には、通水可能な隙間を設けている。このため、流水槽10に導入された被処理水は、第一室10aから第二室10bへ導入されて第二室10bの上部から下部へ流れ、仕切板12の下側から第三室10cへ導入されて第三室10cの下部から上部へ流れ、仕切板13の上側から第四室10dへ導入されて第四室10dの上部から下部へ流れ、仕切板14の下側から第五室10eへ導入されて第五室10eの下部から上部へと流れた後、第六室10fから送出されるようになっている。すなわち、第二室10bと第四室10dでは下降流が、第三室10cと第五室10eでは上昇流が発生するようになっている。被処理水の流速(線流速)は、既に述べた通り、10mm/s以下とすると好ましい。この第二室10bと第三室10cと第四室10dと第五室10eに、それぞれ1つずつ計4個のフィルター20を組み入れている。
このとき、被処理水がフィルター20の内部を通過することなく流れること(ショートパス)を防止するため、それぞれのフィルター20は、第二室10bと第三室10cと第四室10dと第五室10eの通水断面(被処理水が流れる方向に垂直な断面)の実質的に全体を塞ぐように配される。フィルター20の通水距離(フィルター20における被処理水の流れに平行な方向の厚さ)は、被処理水の流速や、除去対象物質の種類や、フィルターエレメント21の素材などによっても異なるが、短くしすぎると、除去対象物質が分離されにくくなるため、通常、6cm以上とされる。フィルター20の通水距離は、20cm以上とすると好ましい。特に、薄手のフィルターエレメント21を所定間隔を隔てて配することによりフィルター20を構成するとともに、フィルターエレメント21が被処理水の流れ方向に平行となる向きでフィルター20を配する場合には、通水距離は長くした方がよい場合が多い。ただし、フィルター20の通水距離を長くしすぎると、必然的に濾過装置が大型化するため、イニシャルコストが高くなるだけでなく、メンテナンスが困難になる。このため、フィルター20の通水距離は、通常、100cm以下とされる。
本実施態様の濾過装置は、除去対象物質を含む被処理水から該除去対象物質を精密に除去するのに好適に使用することができる。除去対象物質としては、油や、油が固体分など他の物質と結合したものや、被処理水中でゲル化して浮遊する油などが例示される。具体的には、タンパク質など他の有機物と結合した油分を含む被処理水や、油のみならず鉄などの金属の酸化物などを含んだフロック化しやすい被処理水や、油のみならず泥やシルト(細かな砂粒)の混じった被処理水や、牛脂など、融点が外気温程度で季節によって固体になったり液体になったりする油を含む被処理水から、油分やその他の除去対象物質を分離することができる。また、除去対象の除去対象物質は、油に限定されず、懸濁物質(SS)や、水酸化第二鉄などのような非水溶性の金属の水酸化物あるいは酸化物も例示される。
以上で述べた本実施態様の濾過装置は、構造が簡素であるため、初期投資費用を安く抑えることができる。特に、既設の油水分離装置がある場合には、その油水分離槽に新たにフィルターを組み込むなどしただけで、上記実施態様の濾過装置とすることも可能である。また、本実施態様の濾過装置は、動力や薬剤や定期的交換資材が必要ないことに加えて、そのメンテナンスを簡単かつ短時間で終えることができるので、ランニングコストやメンテナンスコストを安く抑えることも可能である。
[実験]
本発明の濾過装置の性能を評価するため、以下の実験1〜6を行った。実験1〜6においては、下記表1に示す実施例1〜4のフィルター及び比較例1,2のフィルターのうちいずれかのフィルターを用いた。下記表1における実施例1のフィルターは、各フィルターエレメントが被処理水の流れに対して直角となるように設置し、実施例4のフィルターは、各フィルターエレメントが被処理水の流れに対して斜めになるように設置し、それ以外のフィルターは、各フィルターエレメントが被処理水の流れに対して平行となるように設置した。また、下記表1の実施例3及び比較例2のフィルターにおいて、各フィルターエレメントは、弛まないように、上下方向に引っ張った状態で支持した。下記表1の実施例3,4及び比較例2のフィルターエレメントの間隔の値は、隣り合うフィルターエレメントの上縁と上縁の間隔、及び下縁と下縁の間隔を測定した値である。
[実験1]
・実験1の背景
少量の油が含まれた状態の湧水が湧き出す地域がある。当該地域では、その湧水による河川の汚染を防ぐために、水と油の比重差を利用する油水分離装置を用いて湧水から油などの除去対象物質を除去することが試みられていた。しかし、その湧水には、油だけでなく、シルトや水酸化第二鉄も含まれていたため、これらシルトや水酸化第二鉄に油が結合することによって油の見掛けの比重が重くなってしまい、十分なレベルで油分を除去することができなかった。このため、油水分離装置を構成する最終処理槽に、別途、油吸着材(オイルマットなど)を浮かべ、この油吸着材によって油分を除去していた。しかし、油吸着材は、短期に交換する必要があり、ランニングコストが嵩むという問題があった。そこで、本願発明の濾過装置が、この湧水を被処理水とした場合であっても、油などの除去対象物質の除去性能を好適に発揮できるかを確認する実験1を行った。
・実験1の実験装置及び実験方法
実験1は、図1に示す濾過装置を用いて行った。濾過装置の流水槽10は、縦130cm、横95cm、高さ100cmの直方体状のもの(水槽)を用いた。流水槽10の内部は、5枚の仕切板11,12,13,14,15によって6つの室(第一室10aと第二室10bと第三室10cと第四室10dと第五室10eと第六室10f)に仕切られている。フィルター20は、上記表1における実施例3のものを計4個製作し、流水槽10における4つの室10b,10c,10d,10eにそれぞれ組み入れた。それぞれのフィルター20の寸法は、縦25cm、横90cm、高さ50cmとした。この流水槽10に、線流速1.6〜2.3mm/s(体積流速1.3〜1.9t/h)の流速で被処理水を流し、被処理水に含まれる油などの除去対象物質をフィルター20により除去させた。この条件下において、濾過装置に導入する前(濾過前)の被処理水(原水)に含まれるノルマルヘキサンの濃度(以下、「濃度D」と表記する。)と、濾過装置から送出された後(濾過後)の被処理水に含まれるノルマルヘキサンの濃度(以下、「濃度D」と表記する。)とをそれぞれ測定した。この測定は、約2ヶ月間に亘って計数回行った。
・実験1の実験結果
濾過前の被処理水(原水)に含まれるノルマルヘキサンの濃度Dは、3〜180ppmであったが、濾過後の被処理水の同濃度Dは、0.5未満〜8.3ppmまで低下していた。このことから、実施例3のフィルターを用いた本発明の濾過装置が、油の除去能力に優れたものであることが分かった。加えて、約2ヶ月もの間、フィルター20は目詰まりを起こさず、優れた除去性能を発揮し続けた。実験後の流水槽10の内部には、油と水酸化第二鉄とシルトの混じったスラッジが蓄積しているのが認められたものの、その殆どは、フィルター20の上面付近や下面付近に堆積した状態となっており、フィルター20の内部には、スラッジが殆ど付着していなかった。このため、スラッジは容易に除去することができる。これに対し、同時にテストしていた小さなプラスチック製の付着材を詰め込んだ付着除去装置では、1カ月程度で目詰まりを起こしてオーバーフローした。
[実験2]
・実験2の背景
冷凍魚の解凍時に出てくる排水による周辺水域の汚染が問題となっている。その排水には、魚油のみならず、魚身から染み出るタンパク質なども大量に含まれている。このため、水と油の比重差を利用した油水分離装置により油を除去することは困難である。一方、従来のフィルター(布フィルターなど)で油分の除去を試みても、フィルが−がすぐに目詰まりしてしまい、使用に耐えない。また、オイルマットなどの油吸着材による回収も難しい。そこで、本願発明の濾過装置が、この排水を被処理水とした場合であっても、油などの除去対象物質の除去性能を好適に発揮できるかを確認する実験2を行った。ただし、実験2では、人工的に調整した魚油含有水を被処理水として用いた。
・実験2の実験装置及び実験方法
実験2は、図3に示す濾過装置を用いて行った。濾過装置の流水槽10は、水平断面が7cm角の正方形を為す筒状容器を用いた。この流水槽10の内部に、フィルター20を組み込んだ。実験2は、上記表1における実施例1のフィルターと、実施例2のフィルターと、比較例1のフィルターとの3種類のそれぞれを用いた場合について行った。この流水槽10に、所定の流速で被処理水を下向きに流し、被処理水に含まれる油などの除去対象物質をフィルター20により除去した。実施例1のフィルターを用いる場合には、通水距離が6cmで被処理水の流速(線流速)が3mm/sの条件(以下、「条件1」と表記する。)で実験を行った。実施例2のフィルターを用いる場合には、通水距離が80cmで被処理水の流速(線流速)が1mm/sの条件(以下、「条件2」と表記する。)と、通水距離が80cmで被処理水の流速(線流速)が3mm/sの条件(以下、「条件3」と表記する。)と、通水距離が40cmで被処理水の流速(線流速)が10mm/sの条件(以下、「条件4」と表記する。)で実験を行った。比較例1のフィルターを用いる場合には、通水距離が6cmで被処理水の流速(線流速)が3mm/sの条件(以下、「条件5」と表記する。)のほか、通水距離が1cmで被処理水の流速(線流速)が3mm/sの条件(以下、「条件6」と表記する。)でも実験を行った。また、実施例2のフィルターを用いた場合には、下降流の場合(流水槽10を鉛直方向に配して被処理水を下向きに流す場合)だけでなく、横流の場合(流水槽10を水平方向に配して被処理水を水平方向に流す場合)についても試した。この条件下において、濾過装置に導入する前(濾過前)の被処理水(原水)に含まれるノルマルヘキサンの濃度(以下、「濃度D」と表記する。)と、濾過装置から送出された後(濾過後)の被処理水に含まれるノルマルヘキサンの濃度(以下、「濃度D」と表記する。)とをそれぞれ測定した。以下において、「除去率」とは、[(D−D)/D]×100によって計算された値(%)である。
・実験2の実験結果
以上の実験2を行った結果、実施例1のフィルターを前記条件1で用いたときの除去率は45%であった。また、実施例2のフィルターを前記条件2で用いたときの除去率は60%で、実施例2のフィルターを前記条件3で用いたときの除去率は55%であった。これらいずれの場合も、濾過前の被処理水(原水)を目視した際には認められた濁りが、濾過後の被処理水ではなくなっていることも確認できた。また、実施例1のフィルター及び実施例2のフィルターを用いた場合は、フィルターが目詰まりを起こすこともなく、実験後のフィルターの被処理水導入面又は被処理水導出面に多くの汚れが付着していることが目視によって確認された。これに対し、実施例2のフィルターを前記条件4で用いた場合においては、殆ど除去効果が認められなかった。除去対象物質を好適に除去できる通水距離の最小値(最短通水距離)や通水速度は、フィルターの目の細かさによって変化すると考えられるが、通水速度が遅いほど精密な除去が可能になること、及び被処理水の流速が10mm/sを超えると処理が難しくなることが確認された。さらに、比較例1のフィルターを前記条件5(被処理水の流速が3mm/s)で用いた場合には、すぐに目詰まりを起こしてしまい、オーバーフローしてしまった。そこで、比較例1のフィルターについては、通水距離を1cmとし、すぐには目詰まりを生じない前記条件6でも実験を行ったものの、そのときの除去率は29%と低かった。すなわち、実施例1のフィルター又は実施例2のフィルターを用いた本発明の濾過装置では、通水距離と被処理水の流速を適切な範囲に設定すると、魚油と有機性物質の混合物からなる除去対象物質を含有する被処理水に対しても、フィルターの目詰まりを起こすことなく除去対象物質を安定して除去できるのに対し、目の詰まった比較例1のフィルターでは、厚くすれば目詰まりし、薄くすれば除去能力が落ちるという二律背反的な状況を生じて、安定した除去性能を出しにくいことが判明し、フィルターを選定するにあたっては、単純に目の細かいものを選べばよいというものではないことが確認された。
また、実験2では、上述したように、実施例2のフィルターを用いる場合には、下降流の場合だけでなく、横流の場合についても試したが、その結果、横流とした場合よりも、下降流とした場合の方が除去率が高くなることも分かった。具体的には、実施例2のフィルター(通水距離80cm)に流速(線流速)3mm/sで被処理水を下向きに流した場合(下降流の場合)には、除去率が約55%(濃度Dが110ppmで濃度Dが49ppm)であったのに対し、同じ通水距離及び流速で横流とした場合には、除去率が約35%(濃度Dが930ppmで濃度Dが600ppm)に留まった。一般的に、濃度Dが高ければ高いほど、除去率が高くなる傾向があることを考慮すると、実際の除去率には、上記の除去率以上の差があると考えられる。
[実験3]
・実験3の背景
上記の「実験2の実験結果」でも述べたように、除去対象物質を除去するには、横流よりも下降流の方が好ましいことが分かった。この下降流の優位性を再確認するとともに、上昇流(流水槽を鉛直方向に配して被処理水を上向きに流す場合)した場合の除去率についても評価するために、以下の実験3を行った。
・実験3の実験装置及び実験方法
上記実験2で使用した実験装置の流水槽10(図3を参照)に、上記表1における実施例2のフィルター(通水距離40cm)を入れて、3mm/sの流速(線流速)で被処理水を流した。被処理水は、植物油(キャノーラ油)を添加して撹拌し、該植物油を乳化させたものを用い、常に機械的に撹拌しながら流水槽10へ導入した。被処理水の向きは、上昇流と下降流と横流との3種類について試した。この条件下において、濾過装置に導入する前(濾過前)の被処理水(原水)に含まれるノルマルヘキサンの濃度Dと、濾過装置から送出された後(濾過後)の被処理水に含まれるノルマルヘキサンの濃度Dとをそれぞれ測定した。濃度Dは、いずれの場合も500ppmとなるように調整した。
・実験3の実験結果
その結果、上昇流の場合の除去率が70%と最も高く(濃度Dが150ppmと最も低く)、次に、下降流の場合の除去率が46%で続いた(濃度Dが270ppmと2番目に低かった)。これに対し、横流の場合の除去率は36%と最も低かった(濃度Dが320ppmと最も高かった)。このことから、被処理水は、横流とするよりも、上昇流や下降流とした方が、除去率が向上することが分かった。この実験3では、除去対象物質として植物油(油)のみを被処理水に添加したので、除去対象物質が粗粒化などによって浮上しやすくなり、上記の実験2よりもはっきりとした差が表れたものと考えられる。
[実験4]
・実験4の実験装置及び実験方法
実験4は、図4に示す濾過装置を用いて行った。濾過装置の流水槽10は、外寸で縦90cm、横75cm、高さ90cmの直方体状のもの(携帯式油水分離槽、いわゆるノッチタンク)を用いた。流水槽10の内部は、2枚の仕切板11,12によって3つの室(第一室10aと第二室10bと第三室10c)に仕切り、被処理水が、第一室10aの上部から下部、第二室10bの下部から上部、第三室10cの上部から下部へと順に流されるようにした。被処理水の流速(線流速)は、5mm/sとした。被処理水は、植物油(キャノーラ油)を水道水に添加して撹拌し該植物油を乳化させた油濁水を用いたほか、加温して液状化させた動物油(牛脂)を水道水に添加して撹拌し該動物油を乳化させた油濁水を用いた場合についても試した。フィルター20は、流水槽10における第二室10bのみに組み入れた。このため、フィルター20に導入される被処理水は、上昇流となる。フィルター20は、上記表1における実施例4のものを用いた場合と、比較例2のものを用いた場合とについてそれぞれ試した。加えて、第二室10bにフィルター20を組み入れない場合についても試した。フィルター20の寸法は、実施例4と比較例2のいずれの場合においても、縦29cm、横72cm、高さ50cmとした。この条件下において、第二室10bにフィルター20を組み入れなかった場合に第三室10cから送出される被処理水に含まれるノルマルヘキサンの濃度(以下、「濃度D」と表記する。)と、第二室にフィルター20を組み入れた場合に第三室10cから送出される被処理水に含まれるノルマルヘキサンの濃度(以下、「濃度D」と表記する。)とをそれぞれ測定した。濃度D,Dの測定は、第一室10aへの注水開始から30〜150分経過するまでの間において、30分毎に行った。
・実験4の実験結果
その結果、実施例4のフィルターを用いた場合には、除去効果が格段に高くなることが確認できた。例えば、植物油を添加した被処理水に対して実施例4のフィルターを用いた場合、注水開始より150分経過後において、濃度Dは720ppmであったが、濃度Dは130ppmとかなり低くなっていた。また、動物油を添加した被処理水に対して実施例4のフィルターを用いた場合、注水開始より150分経過後において、濃度Dは37ppmであったが、濃度Dは1ppmとかなり低くなっていた。加えて、実施例4のフィルターを用いた場合は、いずれの場合も、濾過後の被処理水(第三室10c内の被処理水)は、濾過前の被処理水(第一室10a内の被処理水)よりも濁度が大幅に低下しており、見た目において明白な差があった。除去された油分は、フィルターの被処理水導入面付近(入口付近)や被処理水導出面付近(出口付近)に付着していたほか、第二室10b及び第三室10cの水面に浮かんでいることが確認できた。このことから、油分の粗粒化によって浮上分離が行われたと推察される。これに対し、比較例2のフィルターを用いた場合には、濾過前の被処理水の濁度と濾過後の被処理水の濁度とに殆ど差が認められなかった。このことから、実施例4のフィルターを用いた本発明の濾過装置は、植物油が乳化して分散している被処理水や、半ばゲル化した動物油(動物油は低温水中ではゲル化した状態になる。)が含まれる被処理水に対しても、有効であることが確認された。特に、動物油の除去に本発明の濾過装置を使用する場合、精密除去が可能になるだけでなく、濾過装置のメンテナンスが非常に容易になること考えられる。これは、食品工場などにおける排水処理において、大きなメリットとなる。一方、フィルターは、比較例2のように、その高粘度液体透過率を高くしすぎると(例えば、目開きを広く設定(例えば6mm以上に)したり、各フィルターエレメントの間隔を広く設定(例えば6mm以上に)したりすると、除去効果が認められなくなることも分かった。
[実験5]
・実験5の背景
上記の実験2や実験3の実験結果から、被処理水は、横流とするよりも、上昇流や下降流とした方が、除去対象物質の除去能力が向上することが確認された。また、上昇流や下降流の場合には、フィルターの上面や下面(被処理水導入面や被処理水導出面)に、油などの除去対象物質がスラッジとして付着することも確認されている。しかし、どのような作用でそうなるのかは、上記の実験1〜4では詳しく確認できなかった。このため、被処理水に対して、油の代わりにアオコ(ミクロキスティス)を添加し、そのアオコの動きを観察する実験を行った。アオコは、その細胞中に気泡を有しており、ある程度大きな浮力が作用するものの、水に馴染むものであり相分離しない。よって、スラッジ混じりの油と似た動き方をする。しかも、アオコは、油と違って濃い緑色であり、その動きを非常に観察しやすい。
・実験5の実験装置及び実験方法
実験5は、図5に示す濾過装置を用いて行った。流水槽10は、木箱の内部を6枚の仕切板11,12,13,14,15,15で仕切り、7つの室(第一室10aと第二室10bと第三室10cと第四室10dと第五室10eと第六室10fと第七室10g)に仕切られている。このうち、下降流が発生する第二室10bと第四室10dと第六室10fにフィルター20を組み入れた。流水槽10の寸法は、縦80cm、横41cm、高さ30cmとした。フィルター20は、上記表1における実施例2のフィルター(通水距離25cm)を使用した。実験5は、この濾過装置の第一室10aにおいて、水道水にアオコ(アオコを5重量%程度含んだ水)を添加した後、アオコの動きを観察することによって行った。アオコの動きを観察しやすくするため、被処理槽10の内壁面は、白く塗り潰した。また、フィルター20も白色のものを使用した。水道水は、1〜3mm/s程度の流速(線流速)で流した。
・実験5の実験結果
その結果、アオコは、フィルターの内部に一様に導入されていくのではなく、水平移動したり渦を巻いたりなど複雑に動きながら、フィルターの内部に導入されていくことが分かった。また、アオコは、フィルターの上部で濃淡を作ることが確認できた。アオコは、粘度が低くフィルターには付着しにくいはずであるが、場所によっては、アオコの濃度が非常に高くなってフィルターに付着しかけているような箇所もあった。このことから、上記の実験2や実験3において上昇流や下降流とした場合には、被処理水に不規則で複雑な流れが生じたことにより、油や油を含むスラッジがフィルターの上面付近や下面付近に局所的に付着したものと考えられる。
[実験6]
・実験6の背景
実験6では、被処理水に油が混じらず、懸濁物質(SS)のみが混入しいている場合の除去能力を確認する。
・実験6の実験装置及び実験方法
実験6では、内寸で縦290mm、横165mm、深さ90mmの容器を流水槽として用いた。この流水槽における長手方向の一端部から被処理水が流し込まれ、他端部から被処理水が抜き出されるように、被処理水を循環させるポンプを設置し、流水槽の内部に横流が発生するようにする。フィルターは、それによって流水槽の内部空間が前記一端部側(上流側)と前記他端部側(下流側)とに仕切られるように、流水槽における長手方向中央部に設置した。被処理水がフィルターの脇から通り抜けたり、フィルターの上側を乗り越えたり、フィルターの下側を潜り抜けたりすることのないように、フィルターの横の長さを流水槽の横の長さ(165mm)に一致させ、フィルターの高さを流水槽の深さ(90mm)に一致させた。フィルターの縦の長さ(被処理水の流れに平行な方向での長さ。通水距離。)は、140mmとした。フィルターは、上記表1における実施例2のフィルターを用い、それぞれのフィルターエレメントが水平(被処理水の流れに対して平行)になるように上下方向に重ねられたものを用いた。この流水槽の内部に、深さ70mmとなるまで水道水を注ぎ入れた後、この水道水に対して水酸化第二鉄を多く含む湧水(赤水)を注ぎ入れつつ、前記ポンプで被処理水(水道水と赤水の混合水)を循環させ、赤水の動きを観察した。実験6は、被処理水を2mm/s(線流速)で循環させた場合と、被処理水を5mm/s(線流速)で循環させた場合とについて行った。
・実験6の実験結果
その結果、被処理水を2mm/sで循環させた場合には、被処理水に含まれる懸濁物質(水酸化第二鉄により赤く染まった物質)は、フィルターの上流側で集められるように沈殿し、フィルターの下流側の空間には移行せず、フィルターで除去されたことが目視で観察された。一方、被処理水を5mm/sで循環させた場合には、被処理水に含まれる懸濁物質(水酸化第二鉄により赤く染まった物質)がフィルターを通り抜けて、フィルターの下流側の空間にも沈殿し始める現象が観察された。これは、被処理水の流速を速くて除去に失敗した例である。これにより、上下流方式に比べて除去能力が落ちる横流方式であっても、被処理水の流速を適切な範囲に設定すれば、懸濁物質(SS)のみを除去できることが確認された。
10 流水槽
10a 第一室
10b 第二室
10c 第三室
10d 第四室
10e 第五室
10f 第六室
10g 第七室
11 仕切板
12 仕切板
13 仕切板
14 仕切板
15 仕切板
16 仕切板
20 フィルター
21 フィルターエレメント

Claims (9)

  1. 被処理水が流される流水槽と、
    流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
    を備えた濾過装置であって、
    フィルターが、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成されるとともに、
    該複数枚のフィルターエレメントが、互いに略平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配され、
    それぞれのフィルターエレメントが、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成されたものとされ、
    それぞれのフィルターエレメントが、被処理水の流れ方向に対して平行となるように配されることにより、
    フィルターの被処理水の流れ方向における高粘度液体透過率が10〜90%とされた
    ことを特徴とする濾過装置。
  2. 被処理水が流される流水槽と、
    流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
    を備えた濾過装置であって、
    フィルターが、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成されるとともに、
    該複数枚のフィルターエレメントが、互いに略平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配され、
    それぞれのフィルターエレメントが、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成されたものとされ、
    それぞれのフィルターエレメントが、被処理水の流れ方向に対して垂直となるように配されることにより、
    フィルターの被処理水の流れ方向における高粘度液体透過率が10〜90%とされた
    ことを特徴とする濾過装置。
  3. 被処理水が流される流水槽と、
    流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
    を備えた濾過装置であって、
    フィルターが、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成されるとともに、
    該複数枚のフィルターエレメントが、互いに略平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配され、
    それぞれのフィルターエレメントが、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成されたものとされ、
    それぞれのフィルターエレメントが、被処理水の流れ方向に対して傾斜するように配されることにより、
    フィルターの被処理水の流れ方向における高粘度液体透過率が10〜90%とされた
    ことを特徴とする濾過装置。
  4. 流水槽が、被処理水を重力方向に非垂直な非水平方向に流すものであり、被処理水がフィルターに対して重力方向に非垂直な非水平方向に導入されるようにした請求項1〜3いずれか記載の濾過装置。
  5. 被処理水が流される流水槽と、
    流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
    を備えた濾過装置を用いて被処理水を濾過する濾過方法であって、
    フィルターを、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成するとともに、
    該複数枚のフィルターエレメントを、互いに平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配し、
    それぞれのフィルターエレメントを、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成し、
    それぞれのフィルターエレメントを、被処理水の流れ方向に対して平行となるように配することにより、
    フィルターの被処理水の流れ方向における高粘度液体透過率を10〜90%としたことを特徴とする濾過方法。
  6. 被処理水が流される流水槽と、
    流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
    を備えた濾過装置を用いて被処理水を濾過する濾過方法であって、
    フィルターを、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成するとともに、
    該複数枚のフィルターエレメントを、互いに平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配し、
    それぞれのフィルターエレメントを、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成し、
    それぞれのフィルターエレメントを、被処理水の流れ方向に対して垂直となるように配することにより、
    フィルターの被処理水の流れ方向における高粘度液体透過率を10〜90%としたことを特徴とする濾過方法。
  7. 被処理水が流される流水槽と、
    流水槽を流れる被処理水を濾過するためのフィルターと
    を備えた濾過装置を用いて被処理水を濾過する濾過方法であって、
    フィルターを、シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントによって構成するとともに、
    該複数枚のフィルターエレメントを、互いに平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配し、
    それぞれのフィルターエレメントを、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成し、
    それぞれのフィルターエレメントを、被処理水の流れ方向に対して傾斜させて配することにより、
    フィルターの被処理水の流れ方向における高粘度液体透過率を10〜90%としたことを特徴とする濾過方法。
  8. 被処理水の流速を10mm/s以下とした請求項5〜7いずれか記載の濾過方法。
  9. 被処理水が流される流水槽の内部に配されて該被処理水を濾過するのに用いられるフィルターであって、
    シート状又は板状を為す複数枚のフィルターエレメントを互いに平行となるように5mm以下の間隔を隔てた状態又は密着した状態で配することによって構成され、
    それぞれのフィルターエレメントを、0.5〜5mmの目開きを有する編物、織物又は多孔質部材によって形成することにより、
    それぞれのフィルターエレメントに平行、垂直又は傾斜した方向における高粘度液体透過率が10〜90%とされたことを特徴とするフィルター。
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