JP3132118B2 - 懸濁性固形物の除去装置 - Google Patents
懸濁性固形物の除去装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市下水、産業排水な
どの有機性排水を一次処理するための装置に係り、多量
の懸濁性固形物(以下、SSと言う)を含有する排水中
のSSを急速濾過によって除去する装置に関する。
どの有機性排水を一次処理するための装置に係り、多量
の懸濁性固形物(以下、SSと言う)を含有する排水中
のSSを急速濾過によって除去する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】排水中のSSを除去する一次処理におい
ては、従来、沈澱法による装置が使用されてきた。しか
し、沈澱法は水面積負荷を25〜50m3/m2・日程度に
しかできないので、設備の設置面積が非常に大きくなっ
ており、又、SSの除去率も40% 程度の低い値しか得
られない。
ては、従来、沈澱法による装置が使用されてきた。しか
し、沈澱法は水面積負荷を25〜50m3/m2・日程度に
しかできないので、設備の設置面積が非常に大きくなっ
ており、又、SSの除去率も40% 程度の低い値しか得
られない。
【0003】このような沈澱法の問題を解消するため
に、最近、濾過法による一次処理用のSS除去装置が開
発されている(第26回下水道研究発表会講演集,p.232〜
234,1989年)。図2は上記文献に発表された装置の説明
図である。この装置は2段式濾過法によるものであり、
上向流移動床式濾過機20と下向流固定床式濾過機21
を備えている。この上向流移動床式濾過機20及び下向
流固定床式濾過機21には、細かい砂(粒径0.6mm,
均等係数1.4)が充填されている。
に、最近、濾過法による一次処理用のSS除去装置が開
発されている(第26回下水道研究発表会講演集,p.232〜
234,1989年)。図2は上記文献に発表された装置の説明
図である。この装置は2段式濾過法によるものであり、
上向流移動床式濾過機20と下向流固定床式濾過機21
を備えている。この上向流移動床式濾過機20及び下向
流固定床式濾過機21には、細かい砂(粒径0.6mm,
均等係数1.4)が充填されている。
【0004】この装置で排水中のSSを除去する場合、
原水をポンプ22、配管23によって上向流移動床式濾
過機20の下部へ導入し、ある程度のSSを除去する。
次いで、上向流移動床式濾過機20の上部からの流出水
を配管24によって下向流固定床式濾過機21の上部に
導入し、配管25から濾過水を排出させる。図中、26
は処理水槽、27,28は逆洗水用のポンプ、29は逆
洗空気用のコンプレッサー、30,31は逆洗水の排出
管である。
原水をポンプ22、配管23によって上向流移動床式濾
過機20の下部へ導入し、ある程度のSSを除去する。
次いで、上向流移動床式濾過機20の上部からの流出水
を配管24によって下向流固定床式濾過機21の上部に
導入し、配管25から濾過水を排出させる。図中、26
は処理水槽、27,28は逆洗水用のポンプ、29は逆
洗空気用のコンプレッサー、30,31は逆洗水の排出
管である。
【0005】この際の装置による処理結果においては、
濾過速度を上向流移動床式濾過機100m /日、下向流
固定床式濾過機70m /日にした場合と、上向流移動床
式濾過機を200m /日、下向流固定床式濾過機を17
5m /日にした場合とが記載されている。
濾過速度を上向流移動床式濾過機100m /日、下向流
固定床式濾過機70m /日にした場合と、上向流移動床
式濾過機を200m /日、下向流固定床式濾過機を17
5m /日にした場合とが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置においては、幾つかの問題がある。まず、従来の装置
は、2つの濾過機を備えた構成であるため、複雑である
と共に大きく、当初の目的である設置面積狭小化の達成
は不十分である。又、固定床式濾過機21には非常に細
かい濾材(0.6mmの砂)が充填されているので、移動
床式濾過機20で前処理されてはいるが、固定床式濾過
機20の濾層が目詰まりする度合が大きく、濾過持続時
間(濾過を継続できる時間)が短い。
置においては、幾つかの問題がある。まず、従来の装置
は、2つの濾過機を備えた構成であるため、複雑である
と共に大きく、当初の目的である設置面積狭小化の達成
は不十分である。又、固定床式濾過機21には非常に細
かい濾材(0.6mmの砂)が充填されているので、移動
床式濾過機20で前処理されてはいるが、固定床式濾過
機20の濾層が目詰まりする度合が大きく、濾過持続時
間(濾過を継続できる時間)が短い。
【0007】本発明は、簡素であると共に小型化され、
濾過持続時間を長くすることができる懸濁性固形物の除
去装置を提供することを目的とする。
濾過持続時間を長くすることができる懸濁性固形物の除
去装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、濾層を通過させて排水中のS
Sを除去する装置において、濾過槽内に、比重が1.0
1〜1.2の濾材が充填され、濾層の空隙率が60%〜
80%の上部濾層と、比重が1.4〜2.6の粒状濾材
が充填された下部濾層が形成されている。上記上部濾層
に充填される濾材は発泡体等であって、表面に凹凸を有
し且つ貫通孔を有する形状のものであるのがよい。
めに、本発明においては、濾層を通過させて排水中のS
Sを除去する装置において、濾過槽内に、比重が1.0
1〜1.2の濾材が充填され、濾層の空隙率が60%〜
80%の上部濾層と、比重が1.4〜2.6の粒状濾材
が充填された下部濾層が形成されている。上記上部濾層
に充填される濾材は発泡体等であって、表面に凹凸を有
し且つ貫通孔を有する形状のものであるのがよい。
【0009】本発明で言う濾材の比重、濾材の貫通孔、
発泡体及び濾層の空隙率は、次のように定義されたもの
である。濾材の比重は含水比重であり、独立気泡を除く
空隙に水が入った状態で測定した値である。濾層の空隙
率は、濾材が充填されて形成された濾層全体の空隙率で
ある。濾材の貫通孔とは、多孔質物質の細孔のようなも
のまでを含むものではなく、例えば円筒形の中空部のよ
うに、その孔が大きなものを指す。発泡体とは、例え
ば、合成樹脂などを発泡させた状態で成形させたような
ものを指す。
発泡体及び濾層の空隙率は、次のように定義されたもの
である。濾材の比重は含水比重であり、独立気泡を除く
空隙に水が入った状態で測定した値である。濾層の空隙
率は、濾材が充填されて形成された濾層全体の空隙率で
ある。濾材の貫通孔とは、多孔質物質の細孔のようなも
のまでを含むものではなく、例えば円筒形の中空部のよ
うに、その孔が大きなものを指す。発泡体とは、例え
ば、合成樹脂などを発泡させた状態で成形させたような
ものを指す。
【0010】
【作用】本発明においては、同一の槽内に、異なる濾材
が充填された2つの濾層が備えられており、高SS濃度
の排水を効率よく濾過できるようにしている。即ち、同
一槽内の2つの濾層は、主として大きなSSを捕捉する
のに適した濾材が充填された上部濾層と、微細なSSを
捕捉するのに適した濾材が充填された下部濾層との組み
合わせになっている。
が充填された2つの濾層が備えられており、高SS濃度
の排水を効率よく濾過できるようにしている。即ち、同
一槽内の2つの濾層は、主として大きなSSを捕捉する
のに適した濾材が充填された上部濾層と、微細なSSを
捕捉するのに適した濾材が充填された下部濾層との組み
合わせになっている。
【0011】上部濾層に充填される濾材は、空隙率が大
きい濾層を形成できる形状である必要がある。このよう
な空隙率を大きくできる濾材で形成された上部濾層は、
SSの付着量が多くなっても、通水抵抗の増加度合はあ
まり大きくならない。このため、高SS濃度の原水の通
水を長時間継続することができると共に、大きな濾過速
度で通水することとができる。
きい濾層を形成できる形状である必要がある。このよう
な空隙率を大きくできる濾材で形成された上部濾層は、
SSの付着量が多くなっても、通水抵抗の増加度合はあ
まり大きくならない。このため、高SS濃度の原水の通
水を長時間継続することができると共に、大きな濾過速
度で通水することとができる。
【0012】濾層が上述のような性能を発揮できる濾材
の形状としては、貫通孔を有するものが好ましい。上記
のような貫通孔がある濾材は、空隙率の大きい濾層を形
成することができ、小さい通水抵抗で多量のSSを捕捉
できる。又、発泡体のように表面に多数の凹凸がある濾
材は、SSが付着し易いので、SSの除去率もよい。
の形状としては、貫通孔を有するものが好ましい。上記
のような貫通孔がある濾材は、空隙率の大きい濾層を形
成することができ、小さい通水抵抗で多量のSSを捕捉
できる。又、発泡体のように表面に多数の凹凸がある濾
材は、SSが付着し易いので、SSの除去率もよい。
【0013】又、上部濾層の空隙率は60%〜80%程
度の範囲がよい。空隙率が60%未満であると、捕捉で
きるSSの量が少なくなり、通水抵抗の増加による濾過
可能時間が短くなる。そして、空隙率が80%を超える
状態になると、SSの捕捉量も多くなり、濾過可能時間
も長くなるが、SSの除去率が低下するので好ましくな
い。
度の範囲がよい。空隙率が60%未満であると、捕捉で
きるSSの量が少なくなり、通水抵抗の増加による濾過
可能時間が短くなる。そして、空隙率が80%を超える
状態になると、SSの捕捉量も多くなり、濾過可能時間
も長くなるが、SSの除去率が低下するので好ましくな
い。
【0014】下部濾層は、上部濾層で捕捉できなかった
微細なSSを除去するものであり、密な濾層が形成され
る粒状濾材が充填されている。この濾層の空隙率は小さ
く、通常50%程度である。このため、下部濾層を通過
した流出水は、SSが充分に除去されている。上部濾層
で、多量のSSが捕捉されてしまうので、下部濾層の負
荷は大幅に軽減される。従って、下部濾層は、空隙率が
小さい粒状濾材が充填されていても、その目詰まりの度
合が少なく、大きな濾過速度で長時間の濾過が継続でき
る。
微細なSSを除去するものであり、密な濾層が形成され
る粒状濾材が充填されている。この濾層の空隙率は小さ
く、通常50%程度である。このため、下部濾層を通過
した流出水は、SSが充分に除去されている。上部濾層
で、多量のSSが捕捉されてしまうので、下部濾層の負
荷は大幅に軽減される。従って、下部濾層は、空隙率が
小さい粒状濾材が充填されていても、その目詰まりの度
合が少なく、大きな濾過速度で長時間の濾過が継続でき
る。
【0015】又、上部濾層に充填する濾材と下部濾層に
充填する濾材は、形状が相違するだけでなく、比重を異
にしている。前記のように、上部濾層に充填する濾材の
比重は1.01〜1.2、下部濾層に充填する濾材の比
重は1.4〜2.6であり、両層の濾材の間に明確な差
をつけている。この比重差は濾層の逆洗操作を容易にす
るための考慮によるものである。濾層を逆洗する際に
は、濾層の下方から逆洗水や逆洗用空気を供給して濾材
を流動させ、SSを剥離して除去するが、逆洗終了時に
は沈降する。この場合、濾材の比重によってその沈降速
度が異なり、比重が大きい濾材の沈降は速く、比重が小
さい濾材の沈降は遅くなるので、上記2つの濾層は元の
配置状態に復元する。
充填する濾材は、形状が相違するだけでなく、比重を異
にしている。前記のように、上部濾層に充填する濾材の
比重は1.01〜1.2、下部濾層に充填する濾材の比
重は1.4〜2.6であり、両層の濾材の間に明確な差
をつけている。この比重差は濾層の逆洗操作を容易にす
るための考慮によるものである。濾層を逆洗する際に
は、濾層の下方から逆洗水や逆洗用空気を供給して濾材
を流動させ、SSを剥離して除去するが、逆洗終了時に
は沈降する。この場合、濾材の比重によってその沈降速
度が異なり、比重が大きい濾材の沈降は速く、比重が小
さい濾材の沈降は遅くなるので、上記2つの濾層は元の
配置状態に復元する。
【0016】上部濾層の濾材は、水中に沈んで固定層を
形成することができる必要があるが、濾層の逆洗時にお
いては、逆洗水や逆洗用空気の必要量ができるだけ少な
く済むことが望ましい。このような2つの条件を満足さ
せるために、濾材の比重は上記範囲に限定している。
形成することができる必要があるが、濾層の逆洗時にお
いては、逆洗水や逆洗用空気の必要量ができるだけ少な
く済むことが望ましい。このような2つの条件を満足さ
せるために、濾材の比重は上記範囲に限定している。
【0017】下部濾層に充填する濾材の比重は、上部濾
層の濾材の比重との差を明確にするために、上部濾層の
濾材の比重に対し、最低0.2大きくしている。しか
し、その比重があまり大きくなると、逆洗時に供給する
用役の必要量が増加するので、その上限の比重は2.6
程度にした。
層の濾材の比重との差を明確にするために、上部濾層の
濾材の比重に対し、最低0.2大きくしている。しか
し、その比重があまり大きくなると、逆洗時に供給する
用役の必要量が増加するので、その上限の比重は2.6
程度にした。
【0018】
【実施例】図1は本発明の一実施例を模式的に示した図
である。1は竪型の濾過槽であり、この中には二つの異
なった濾層が備えられている。即ち、上方には比重が
1.01〜1.2の濾材が充填された上部濾層2、下方
には比重が1.4〜2.6の粒状濾材が充填された下部
濾層3が形成されている。4は支持砂利層、5は支持砂
利層4を受ける多孔板であり、6は濾槽の逆洗時に濾材
の流出を防止するための金網である。又、7は原水を濾
過槽1の上部に供給する流入管、8は濾過水の排出管で
あり、9は逆洗水の供給管、10は逆洗空気の供給管、
11は逆洗水の排出管である。なお、上記金網6は、濾
層を逆洗する際に充填されている濾材が適当に流動でき
るように、上部濾層2との間に所定の間隔をおいて備え
られている。この間隔は、通常、濾材充填高さの20〜
50%程度にする。
である。1は竪型の濾過槽であり、この中には二つの異
なった濾層が備えられている。即ち、上方には比重が
1.01〜1.2の濾材が充填された上部濾層2、下方
には比重が1.4〜2.6の粒状濾材が充填された下部
濾層3が形成されている。4は支持砂利層、5は支持砂
利層4を受ける多孔板であり、6は濾槽の逆洗時に濾材
の流出を防止するための金網である。又、7は原水を濾
過槽1の上部に供給する流入管、8は濾過水の排出管で
あり、9は逆洗水の供給管、10は逆洗空気の供給管、
11は逆洗水の排出管である。なお、上記金網6は、濾
層を逆洗する際に充填されている濾材が適当に流動でき
るように、上部濾層2との間に所定の間隔をおいて備え
られている。この間隔は、通常、濾材充填高さの20〜
50%程度にする。
【0019】上部濾層2を形成する濾材は、大きさが5
〜20mm程度のものであり、充填時に濾層2の空隙率が
60%〜80%程度になるものが使用される。このよう
な条件を満たす濾材の一つとしては、比重が上記範囲に
調整された合成樹脂の発泡体であって、その形が円筒状
などのように貫通孔があるものがよい。
〜20mm程度のものであり、充填時に濾層2の空隙率が
60%〜80%程度になるものが使用される。このよう
な条件を満たす濾材の一つとしては、比重が上記範囲に
調整された合成樹脂の発泡体であって、その形が円筒状
などのように貫通孔があるものがよい。
【0020】下部濾層3を形成する濾材は、アンスラサ
イト、合成樹脂粒、ゼオライト、砂、各種のセラミック
ス粒等が使用される。又、その大きさは、濾過する原水
のSS濃度やSSの粒径分布によって決められるが、通
常、1〜5mm程度である。濾材の大きさが1mm未満の場
合には、微細なSSを捕捉することができる利点はある
が、圧損が大きく且つ目詰まりの頻度が多くなるので好
ましくない。又、5mmを超える大きさであると、目詰ま
りの頻度は少なくなるが、微細なSSの除去率が低下す
るので好ましくない。
イト、合成樹脂粒、ゼオライト、砂、各種のセラミック
ス粒等が使用される。又、その大きさは、濾過する原水
のSS濃度やSSの粒径分布によって決められるが、通
常、1〜5mm程度である。濾材の大きさが1mm未満の場
合には、微細なSSを捕捉することができる利点はある
が、圧損が大きく且つ目詰まりの頻度が多くなるので好
ましくない。又、5mmを超える大きさであると、目詰ま
りの頻度は少なくなるが、微細なSSの除去率が低下す
るので好ましくない。
【0021】このように構成された装置による排水の濾
過方法を説明する。例えば、スクリーンを通過させただ
けでSSが非常に多い生下水を原水とし、この原水を流
入管7から濾過槽1の上部に供給する。この濾過槽1で
原水中に含まれる多量のSS及びSS性BODが除去さ
れ、濾過水は排出管8から排出する。上述のような操作
を長時間継続すると濾層の目詰まりが起こるので、濾過
槽1の圧損が所定値に上昇した段階で操業を止め、濾層
の逆洗を行う。
過方法を説明する。例えば、スクリーンを通過させただ
けでSSが非常に多い生下水を原水とし、この原水を流
入管7から濾過槽1の上部に供給する。この濾過槽1で
原水中に含まれる多量のSS及びSS性BODが除去さ
れ、濾過水は排出管8から排出する。上述のような操作
を長時間継続すると濾層の目詰まりが起こるので、濾過
槽1の圧損が所定値に上昇した段階で操業を止め、濾層
の逆洗を行う。
【0022】次に、本発明の効果を確認するためにおこ
なった実験例について説明する。 (実施例)図1による構成で、内径10cm、高さ4m の
アクリル樹脂製の濾過槽内に表1に示す条件の濾層を設
け、下水処理場の最初沈澱池流入水を原水として供給
し、濾過実験を行った。この際の操業条件は表1のよう
にした。そして、その結果は表2に示す。
なった実験例について説明する。 (実施例)図1による構成で、内径10cm、高さ4m の
アクリル樹脂製の濾過槽内に表1に示す条件の濾層を設
け、下水処理場の最初沈澱池流入水を原水として供給
し、濾過実験を行った。この際の操業条件は表1のよう
にした。そして、その結果は表2に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表2によれば、濾過速度を120m /日,
180m /日で行った場合のSS除去率は、それぞれ7
8% 、72% であり、2つの濾過機を備えた従来の装置
を使用した場合に比べ遜色のない値であった。又、この
際の濾過持続時間は37時間と27時間であり、濾過槽
が1槽だけであっても、濾層の逆洗は1日〜1.5日に
1回程度行うだけでよく、長時間の連続濾過が可能であ
ることが分かった。
180m /日で行った場合のSS除去率は、それぞれ7
8% 、72% であり、2つの濾過機を備えた従来の装置
を使用した場合に比べ遜色のない値であった。又、この
際の濾過持続時間は37時間と27時間であり、濾過槽
が1槽だけであっても、濾層の逆洗は1日〜1.5日に
1回程度行うだけでよく、長時間の連続濾過が可能であ
ることが分かった。
【0026】上記実施例の結果を従来技術である前記二
段式濾過装置による処理結果と比較する。それぞれの濾
過速度は次の通りであった。
段式濾過装置による処理結果と比較する。それぞれの濾
過速度は次の通りであった。
【0027】上記の濾過速度を基にしたそれぞれの装置
の必要濾過面積は、本発明の場合、(1)式〜(2)式
によって求められ、従来技術の場合、(3)式〜(4)
式によって求められる。上記の式において、必要濾過面
積は単位排水処理量に対する割合で表し、Qは排水の処
理量、Sa1,Sa2は本発明の必要濾過面積、Sb1,S b2
は従来技術の必要濾過面積を示す。
の必要濾過面積は、本発明の場合、(1)式〜(2)式
によって求められ、従来技術の場合、(3)式〜(4)
式によって求められる。上記の式において、必要濾過面
積は単位排水処理量に対する割合で表し、Qは排水の処
理量、Sa1,Sa2は本発明の必要濾過面積、Sb1,S b2
は従来技術の必要濾過面積を示す。
【0028】
【数1】
【0029】
【数2】
【0030】
【数3】
【0031】
【数4】
【0032】上記の結果に基づいて、従来技術に対する
本発明の必要濾過面積の比を算定すると、Sa1/Sb1≒
0.52、Sa2/Sb2≒0.35となる。即ち、本発明
の装置は従来技術の装置に対し、その必要濾過面積が1
/2〜1/3で済み、非常にコンパクトな装置である。
本発明の必要濾過面積の比を算定すると、Sa1/Sb1≒
0.52、Sa2/Sb2≒0.35となる。即ち、本発明
の装置は従来技術の装置に対し、その必要濾過面積が1
/2〜1/3で済み、非常にコンパクトな装置である。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、1つの
濾過槽内に異なる濾材が充填された2つの濾層が形成さ
れ、大きなSSと微細なSSをそれぞれ効率よく除去す
るように構成されている。従って、濾過槽が1槽だけで
あっても、その処理能力が非常に大きく、SSの除去率
も高いので、装置が小型化されると共に、濾過持続時間
が非常に長くなる。
濾過槽内に異なる濾材が充填された2つの濾層が形成さ
れ、大きなSSと微細なSSをそれぞれ効率よく除去す
るように構成されている。従って、濾過槽が1槽だけで
あっても、その処理能力が非常に大きく、SSの除去率
も高いので、装置が小型化されると共に、濾過持続時間
が非常に長くなる。
【図1】本発明の一実施例を模式的に示した図である。
【図2】従来の装置の説明図である。
1 濾過槽 2 上部濾層 3 下部濾層 7 原水の流入管 8 濾過水の排出管
Claims (3)
- 【請求項1】 濾層を通過させて排水中の懸濁性固形物
を除去する装置において、濾過槽内に、比重が1.01
〜1.2の濾材が充填され、濾層の空隙率が60%〜8
0%の上部濾層と、比重が1.4〜2.6の粒状濾材が
充填された下部濾層が形成されていることを特徴とする
懸濁性固形物の除去装置。 - 【請求項2】 上部濾層に充填される濾材が表面に凹凸
を有し且つ貫通孔を有する形状のものである請求項1記
載の懸濁性固形物の除去装置。 - 【請求項3】 上部濾層に充填される濾材が発泡体であ
る請求項1又は2記載の懸濁性固形物の除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04015664A JP3132118B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 懸濁性固形物の除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04015664A JP3132118B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 懸濁性固形物の除去装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05208104A JPH05208104A (ja) | 1993-08-20 |
JP3132118B2 true JP3132118B2 (ja) | 2001-02-05 |
Family
ID=11895011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04015664A Expired - Fee Related JP3132118B2 (ja) | 1992-01-31 | 1992-01-31 | 懸濁性固形物の除去装置 |
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Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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1992
- 1992-01-31 JP JP04015664A patent/JP3132118B2/ja not_active Expired - Fee Related
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