JP3142792B2 - 炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法 - Google Patents
炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法Info
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- JP3142792B2 JP3142792B2 JP09081945A JP8194597A JP3142792B2 JP 3142792 B2 JP3142792 B2 JP 3142792B2 JP 09081945 A JP09081945 A JP 09081945A JP 8194597 A JP8194597 A JP 8194597A JP 3142792 B2 JP3142792 B2 JP 3142792B2
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- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
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- Y02W10/10—Biological treatment of water, waste water, or sewage
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- Treating Waste Gases (AREA)
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- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、下水処理プラン
ト、産業廃水処理プラント、上水プラント等における廃
水を、粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を用いて効率よ
くろ過処理する方法に関するものである。
ト、産業廃水処理プラント、上水プラント等における廃
水を、粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を用いて効率よ
くろ過処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近では、下水二次処理水の中水を再利
用するための処理として、精密ろ過膜処理が用いられる
ことが一般に普及している。また、中水再利用のための
処理として、凝集沈殿工程と砂ろ過工程の組合せ、凝集
加圧浮上工程と砂ろ過工程との組合せ、凝集ろ過工程と
砂ろ過工程との組合せ等のろ過処理の後に、オゾン処理
や活性炭処理が用いられることが一般に普及している。
用するための処理として、精密ろ過膜処理が用いられる
ことが一般に普及している。また、中水再利用のための
処理として、凝集沈殿工程と砂ろ過工程の組合せ、凝集
加圧浮上工程と砂ろ過工程との組合せ、凝集ろ過工程と
砂ろ過工程との組合せ等のろ過処理の後に、オゾン処理
や活性炭処理が用いられることが一般に普及している。
【0003】従来、特開平7−222973号公報に
は、界面活性剤及び油脂を含む廃水に粉末活性炭を混合
した後、この混合液を予めパーライト、ケイ藻土、セル
ロース繊維などのろ過助剤でプレコートしたフィルタに
よりろ過処理する廃水の処理方法が記載されている。ま
た、特開平7−328353号公報には、活性炭の微粉
末と、繊維質と、この繊維質を絡み付けうる微細な毛状
突起を備えた粒体とを混合して形成された、排水圧に対
しても繊維質が圧縮されず、目詰まりが発生し難いろ過
フィルタが記載されている。さらに、特開昭54−35
175号公報には、プレコートフィルタのろ過助剤とし
て活性炭、活性アルミナ等の吸着性物質を各々単独又は
けい藻土と組み合わせて使用する逆浸透処理の前処理方
法が記載されている。
は、界面活性剤及び油脂を含む廃水に粉末活性炭を混合
した後、この混合液を予めパーライト、ケイ藻土、セル
ロース繊維などのろ過助剤でプレコートしたフィルタに
よりろ過処理する廃水の処理方法が記載されている。ま
た、特開平7−328353号公報には、活性炭の微粉
末と、繊維質と、この繊維質を絡み付けうる微細な毛状
突起を備えた粒体とを混合して形成された、排水圧に対
しても繊維質が圧縮されず、目詰まりが発生し難いろ過
フィルタが記載されている。さらに、特開昭54−35
175号公報には、プレコートフィルタのろ過助剤とし
て活性炭、活性アルミナ等の吸着性物質を各々単独又は
けい藻土と組み合わせて使用する逆浸透処理の前処理方
法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の中水を精密ろ過
膜処理する方法では、精密ろ過膜に懸濁成分が詰まり、
これを防ぐためにエアスクラビング等の対策を必要とす
る。また、中水再利用のために砂ろ過処理を組み合わせ
たろ過処理の後、オゾン処理や活性炭処理を行う従来方
法では、砂ろ過装置が構成装置群のうちで必要設置面積
・必要設置体積が最も大きく、装置のコンパクト化が望
まれている。また、廃水処理における活性炭吸着処理で
は、吸着量が飽和に達すると活性炭の再生処理が必要で
あり、コスト高の一因となっている。
膜処理する方法では、精密ろ過膜に懸濁成分が詰まり、
これを防ぐためにエアスクラビング等の対策を必要とす
る。また、中水再利用のために砂ろ過処理を組み合わせ
たろ過処理の後、オゾン処理や活性炭処理を行う従来方
法では、砂ろ過装置が構成装置群のうちで必要設置面積
・必要設置体積が最も大きく、装置のコンパクト化が望
まれている。また、廃水処理における活性炭吸着処理で
は、吸着量が飽和に達すると活性炭の再生処理が必要で
あり、コスト高の一因となっている。
【0005】特開平7−222973号公報記載の界面
活性剤及び油脂を含む廃水の処理方法では、粉末活性炭
によるフィルタエレメントの目詰まりを防ぐために、フ
ィルタエレメントの前面にケイ藻土等のろ過助剤を予め
コーティングしておくものであるが、フィルタエレメン
トとしては天然繊維又は合成繊維のろ布あるいはセラミ
ックス製のろ過材が用いられ、フィルタ孔径は30μm
前後と大きいものである。このため、フィルタ細孔に粉
末活性炭が目詰まりしやすく、また、廃水を精密ろ過処
理することができない。また、特開平7−328353
号公報記載のろ過フィルタは、プレコートする粉末活性
炭がフィルタの目詰まりを起こさないように、セルロー
ス繊維やおが屑を混入してそれらをプレコートしてなる
ものであるが、フィルタの支持体は網体であり、廃水を
精密ろ過処理するには適さない。さらに、特開昭54−
35175号公報記載の逆浸透処理の前処理方法では、
多孔支持板の前面にケイ藻土又は活性アルミナからなる
主ろ過層が形成され、さらに、この主ろ過層の前面に粉
末活性炭からなる表面ろ過層が形成されている。このよ
うに、この公報記載のフィルタは、多孔支持板に予め主
ろ過層及び表面ろ過層をプレコートしているものであ
り、また、多孔支持体の孔の目詰まりが生じ、さらに、
廃水を精密ろ過処理するには適さないものである。
活性剤及び油脂を含む廃水の処理方法では、粉末活性炭
によるフィルタエレメントの目詰まりを防ぐために、フ
ィルタエレメントの前面にケイ藻土等のろ過助剤を予め
コーティングしておくものであるが、フィルタエレメン
トとしては天然繊維又は合成繊維のろ布あるいはセラミ
ックス製のろ過材が用いられ、フィルタ孔径は30μm
前後と大きいものである。このため、フィルタ細孔に粉
末活性炭が目詰まりしやすく、また、廃水を精密ろ過処
理することができない。また、特開平7−328353
号公報記載のろ過フィルタは、プレコートする粉末活性
炭がフィルタの目詰まりを起こさないように、セルロー
ス繊維やおが屑を混入してそれらをプレコートしてなる
ものであるが、フィルタの支持体は網体であり、廃水を
精密ろ過処理するには適さない。さらに、特開昭54−
35175号公報記載の逆浸透処理の前処理方法では、
多孔支持板の前面にケイ藻土又は活性アルミナからなる
主ろ過層が形成され、さらに、この主ろ過層の前面に粉
末活性炭からなる表面ろ過層が形成されている。このよ
うに、この公報記載のフィルタは、多孔支持板に予め主
ろ過層及び表面ろ過層をプレコートしているものであ
り、また、多孔支持体の孔の目詰まりが生じ、さらに、
廃水を精密ろ過処理するには適さないものである。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、粉末炭素系吸着剤を予め添加した
廃水を精密ろ過膜に通して、精密ろ過膜の粉末炭素系吸
着剤のプリコート膜を形成させ、このプリコート膜で懸
濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去する
ことにより、効率よく廃水をろ過処理する方法を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、廃水処理システ
ムにおいて粉末炭素系吸着剤を多機能に利用することが
できる廃水処理方法を提供することにある。
で、本発明の目的は、粉末炭素系吸着剤を予め添加した
廃水を精密ろ過膜に通して、精密ろ過膜の粉末炭素系吸
着剤のプリコート膜を形成させ、このプリコート膜で懸
濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去する
ことにより、効率よく廃水をろ過処理する方法を提供す
ることにある。また、本発明の目的は、廃水処理システ
ムにおいて粉末炭素系吸着剤を多機能に利用することが
できる廃水処理方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法としては、下水
処理プラント、産業廃水処理プラント及び上水プラント
のいずれかにおける廃水中に、石炭より製造された粉末
活性コークスからなる粉末炭素系吸着剤を添加し、この
廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径の小さい0.1
〜0.45μmの範囲の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過
器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に粉末炭素系吸着
剤のプリコート膜を形成させて、このプリコート膜で懸
濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去する
ような構成がある(図1及び図2参照)。
めの炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法としては、下水
処理プラント、産業廃水処理プラント及び上水プラント
のいずれかにおける廃水中に、石炭より製造された粉末
活性コークスからなる粉末炭素系吸着剤を添加し、この
廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径の小さい0.1
〜0.45μmの範囲の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過
器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に粉末炭素系吸着
剤のプリコート膜を形成させて、このプリコート膜で懸
濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去する
ような構成がある(図1及び図2参照)。
【0008】上記の目的を達成するために、本発明の炭
素系吸着剤を用いる廃水処理方法は、下水処理プラン
ト、産業廃水処理プラント及び上水プラントのいずれか
における廃水を曝気槽に導入して曝気処理した後、最終
沈殿池に導入して沈殿処理し、ついで、沈殿処理した廃
水中に、石炭より製造された粉末活性コークスからなる
粉末炭素系吸着剤を添加し、この廃水を粉末炭素系吸着
剤の粒径より孔径の小さい0.1〜0.45μm の範囲
の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過器に導入し、精密ろ過
膜の上流側表面に粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を形
成させて、このプリコート膜で懸濁成分を除去した後、
精密ろ過膜で微細成分を除去し、前記ろ過器からの懸濁
成分を捕捉した後の使用済粉末炭素系吸着剤を前記曝気
槽へ供給して、廃水中の溶解性成分の吸着除去、廃水か
らの排出ガスの脱臭、汚泥の沈降性改善及び汚泥脱水ケ
ーキの圧密・減容化・脱臭に有効利用するように構成さ
れている(図3参照)。
素系吸着剤を用いる廃水処理方法は、下水処理プラン
ト、産業廃水処理プラント及び上水プラントのいずれか
における廃水を曝気槽に導入して曝気処理した後、最終
沈殿池に導入して沈殿処理し、ついで、沈殿処理した廃
水中に、石炭より製造された粉末活性コークスからなる
粉末炭素系吸着剤を添加し、この廃水を粉末炭素系吸着
剤の粒径より孔径の小さい0.1〜0.45μm の範囲
の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過器に導入し、精密ろ過
膜の上流側表面に粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を形
成させて、このプリコート膜で懸濁成分を除去した後、
精密ろ過膜で微細成分を除去し、前記ろ過器からの懸濁
成分を捕捉した後の使用済粉末炭素系吸着剤を前記曝気
槽へ供給して、廃水中の溶解性成分の吸着除去、廃水か
らの排出ガスの脱臭、汚泥の沈降性改善及び汚泥脱水ケ
ーキの圧密・減容化・脱臭に有効利用するように構成さ
れている(図3参照)。
【0009】また、本発明の方法は、廃水を曝気槽に導
入して曝気処理する際に発生する臭気ガスと粉末活性コ
ークス、粉末活性炭及び粉末褐炭からなる群より選ばれ
た粉末炭素系吸着剤とをバグ脱臭装置に導入して脱臭処
理し、使用済粉末炭素系吸着剤を曝気槽下流の廃水に添
加し、この廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径の小
さい0.1〜0.45μm の範囲の孔径の精密ろ過膜を
備えたろ過器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に使用
済粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を形成させて、この
プリコート膜で懸濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微
細成分を除去することを特徴としている(図4参照)。
この場合、粉末炭素系吸着剤として、安価に製造できる
粉末活性コークスを用いることが好ましい。
入して曝気処理する際に発生する臭気ガスと粉末活性コ
ークス、粉末活性炭及び粉末褐炭からなる群より選ばれ
た粉末炭素系吸着剤とをバグ脱臭装置に導入して脱臭処
理し、使用済粉末炭素系吸着剤を曝気槽下流の廃水に添
加し、この廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径の小
さい0.1〜0.45μm の範囲の孔径の精密ろ過膜を
備えたろ過器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に使用
済粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を形成させて、この
プリコート膜で懸濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微
細成分を除去することを特徴としている(図4参照)。
この場合、粉末炭素系吸着剤として、安価に製造できる
粉末活性コークスを用いることが好ましい。
【0010】また、本発明の方法は、下水処理プラン
ト、産業廃水処理プラント及び上水プラントのいずれか
における廃水にオゾンを添加してオゾン処理した後、こ
の廃水中に石炭より製造された粉末活性コークスからな
る粉末炭素系吸着剤を添加し、この廃水を粉末炭素系吸
着剤の粒径より孔径の小さい0.1〜0.45μm の範
囲の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過器に導入し、精密ろ
過膜の上流側表面に粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を
形成させて、このプリコート膜で懸濁成分及び残留オゾ
ンを除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去すること
を特徴としている(図5参照)。
ト、産業廃水処理プラント及び上水プラントのいずれか
における廃水にオゾンを添加してオゾン処理した後、こ
の廃水中に石炭より製造された粉末活性コークスからな
る粉末炭素系吸着剤を添加し、この廃水を粉末炭素系吸
着剤の粒径より孔径の小さい0.1〜0.45μm の範
囲の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過器に導入し、精密ろ
過膜の上流側表面に粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を
形成させて、このプリコート膜で懸濁成分及び残留オゾ
ンを除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去すること
を特徴としている(図5参照)。
【0011】さらに、他の方法としては、下水処理プラ
ント、産業廃水処理プラント及び上水プラントのいずれ
かにおける廃水に凝集剤を添加し、凝集剤を添加した廃
水を、加圧浮上処理又は減圧浮上処理してフロックを浮
上させた後、フロックが分離された廃水中に、石炭より
製造された粉末活性コークスからなる粉末炭素系吸着剤
を添加し、この廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径
の小さい0.1〜0.45μm の範囲の孔径の精密ろ過
膜を備えたろ過器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に
粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を形成させて、このプ
リコート膜で懸濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細
成分を除去するような構成がある(図6参照)。凝集剤
としては、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の無機系凝集剤
と高分子有機系凝集剤の各々単独又は組み合わせたもの
等が用いられる。
ント、産業廃水処理プラント及び上水プラントのいずれ
かにおける廃水に凝集剤を添加し、凝集剤を添加した廃
水を、加圧浮上処理又は減圧浮上処理してフロックを浮
上させた後、フロックが分離された廃水中に、石炭より
製造された粉末活性コークスからなる粉末炭素系吸着剤
を添加し、この廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径
の小さい0.1〜0.45μm の範囲の孔径の精密ろ過
膜を備えたろ過器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に
粉末炭素系吸着剤のプリコート膜を形成させて、このプ
リコート膜で懸濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細
成分を除去するような構成がある(図6参照)。凝集剤
としては、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、ポリ塩化ア
ルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等の無機系凝集剤
と高分子有機系凝集剤の各々単独又は組み合わせたもの
等が用いられる。
【0012】これらの方法において、粉末炭素系吸着剤
の粒径に対して孔径の十分に小さい膜を使用することに
より、粉末炭素系吸着剤そのものによる膜の目詰まりを
防止することができる。また同時に、懸濁成分を粉末炭
素系吸着剤のプリコート膜で捕捉することにより、懸濁
成分の蓄積による精密ろ過膜の目詰りを防ぐことができ
る。したがって、粉末炭素系吸着剤のプリコート膜の形
成により、精密ろ過膜の破過時間を延ばすことができ
る。本発明の方法を実施するに当たり、粉末炭素系吸着
剤が粒径1〜50μm の成分を少なくとも50%含有す
ることが好ましく、上記のように、精密ろ過膜の孔径は
0.1〜0.45μm の範囲である。なお、本発明にお
いて用いられる「精密ろ過膜」は、狭義の精密ろ過膜及
び狭義の限外ろ過膜を総称し、孔径が0.1〜0.45
μm のものを指称する。具体的には、精密ろ過膜とし
て、アルミナ、アルミニウムシリケート、磁気質、炭化
ケイ素、ガラス・シリカ繊維、各種セラミックス陶磁器
質、ステンレス鋼や特殊合金をはじめとする各種金属繊
維や網、セルロース、ポリカーボネート、ポリアミド、
ポリスルホン等の各種天然及び合成高分子を素材とす
る、平膜型や円筒型、プリーツ型、ラミネート型、スパ
イラル型、チューブ型、中空糸型の水処理用膜を挙げる
ことができる。
の粒径に対して孔径の十分に小さい膜を使用することに
より、粉末炭素系吸着剤そのものによる膜の目詰まりを
防止することができる。また同時に、懸濁成分を粉末炭
素系吸着剤のプリコート膜で捕捉することにより、懸濁
成分の蓄積による精密ろ過膜の目詰りを防ぐことができ
る。したがって、粉末炭素系吸着剤のプリコート膜の形
成により、精密ろ過膜の破過時間を延ばすことができ
る。本発明の方法を実施するに当たり、粉末炭素系吸着
剤が粒径1〜50μm の成分を少なくとも50%含有す
ることが好ましく、上記のように、精密ろ過膜の孔径は
0.1〜0.45μm の範囲である。なお、本発明にお
いて用いられる「精密ろ過膜」は、狭義の精密ろ過膜及
び狭義の限外ろ過膜を総称し、孔径が0.1〜0.45
μm のものを指称する。具体的には、精密ろ過膜とし
て、アルミナ、アルミニウムシリケート、磁気質、炭化
ケイ素、ガラス・シリカ繊維、各種セラミックス陶磁器
質、ステンレス鋼や特殊合金をはじめとする各種金属繊
維や網、セルロース、ポリカーボネート、ポリアミド、
ポリスルホン等の各種天然及び合成高分子を素材とす
る、平膜型や円筒型、プリーツ型、ラミネート型、スパ
イラル型、チューブ型、中空糸型の水処理用膜を挙げる
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。図1は炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施
する装置の一例を示し、図2は図1におけるろ過器の内
部の拡大断面を示している。図1及び図2において、1
0は炭素系吸着剤プリコート膜ろ過器で、ろ過器本体1
2の内部に孔径0.1〜0.45μm の精密ろ過膜14
が水の流れ方向に対して略垂直方向に設けられている。
このろ過器10の上流側には、粉末活性コークス、粉末
活性炭及び粉末褐炭からなる群より選ばれた粉末炭素系
吸着剤が予め添加された廃水を導入するための廃水導入
管16が接続されている。また、ろ過器10の下流側に
はろ過処理された処理水を抜き出すための処理水排出管
18が接続されている。ろ過器10の底部には使用済の
粉末炭素系吸着剤を排出するための使用済粉末炭素系吸
着剤抜出管20が接続されている。
するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定されるも
のではなく、適宜変更して実施することが可能なもので
ある。図1は炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施
する装置の一例を示し、図2は図1におけるろ過器の内
部の拡大断面を示している。図1及び図2において、1
0は炭素系吸着剤プリコート膜ろ過器で、ろ過器本体1
2の内部に孔径0.1〜0.45μm の精密ろ過膜14
が水の流れ方向に対して略垂直方向に設けられている。
このろ過器10の上流側には、粉末活性コークス、粉末
活性炭及び粉末褐炭からなる群より選ばれた粉末炭素系
吸着剤が予め添加された廃水を導入するための廃水導入
管16が接続されている。また、ろ過器10の下流側に
はろ過処理された処理水を抜き出すための処理水排出管
18が接続されている。ろ過器10の底部には使用済の
粉末炭素系吸着剤を排出するための使用済粉末炭素系吸
着剤抜出管20が接続されている。
【0014】粉末炭素系吸着剤が添加された廃水のうち
の水のみが精密ろ過膜14を流過することにより、この
精密ろ過膜14の上流側表面に粉末炭素系吸着剤のプリ
コート膜22が形成され、このプリコート膜22で廃水
中の懸濁成分が除去され、精密ろ過膜14で廃水中の微
細成分が除去される。粉末炭素系吸着剤としては、粒径
1〜50μm の成分を50〜100wt%含有するものが
用いられる。粉末炭素系吸着剤としては、石炭より安価
に製造することができる粉末活性コークスを使用するこ
とが好ましい。使用済のプリコート膜は、水又は空気で
逆洗して精密ろ過膜から剥離させる。また、ろ過器本体
に振動を与えてプリコート膜を剥離させたり、機械的手
段で掻き取ったりすることも可能である。本実施形態
は、下水の中水再利用のための中水処理に適している。
の水のみが精密ろ過膜14を流過することにより、この
精密ろ過膜14の上流側表面に粉末炭素系吸着剤のプリ
コート膜22が形成され、このプリコート膜22で廃水
中の懸濁成分が除去され、精密ろ過膜14で廃水中の微
細成分が除去される。粉末炭素系吸着剤としては、粒径
1〜50μm の成分を50〜100wt%含有するものが
用いられる。粉末炭素系吸着剤としては、石炭より安価
に製造することができる粉末活性コークスを使用するこ
とが好ましい。使用済のプリコート膜は、水又は空気で
逆洗して精密ろ過膜から剥離させる。また、ろ過器本体
に振動を与えてプリコート膜を剥離させたり、機械的手
段で掻き取ったりすることも可能である。本実施形態
は、下水の中水再利用のための中水処理に適している。
【0015】図3は本発明の実施の第1形態による炭素
系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する装置を示して
いる。本実施形態は、炭素系吸着剤共存活性汚泥システ
ムの後段に、図1に示す装置を配置したものである。図
3において、廃水(下水)を生物処理用の曝気槽24に
導入して曝気処理した後、最終沈殿池26に導入して沈
殿処理し、ついで、沈殿処理した廃水に対して図1及び
図2の説明で述べたのと同様の処理を行い、ろ過器10
からの使用済粉末炭素系吸着剤を曝気槽24へ供給して
粉末炭素系吸着剤を有効に使用する。他の構成及び作用
は、図1及び図2の場合と同様である。
系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する装置を示して
いる。本実施形態は、炭素系吸着剤共存活性汚泥システ
ムの後段に、図1に示す装置を配置したものである。図
3において、廃水(下水)を生物処理用の曝気槽24に
導入して曝気処理した後、最終沈殿池26に導入して沈
殿処理し、ついで、沈殿処理した廃水に対して図1及び
図2の説明で述べたのと同様の処理を行い、ろ過器10
からの使用済粉末炭素系吸着剤を曝気槽24へ供給して
粉末炭素系吸着剤を有効に使用する。他の構成及び作用
は、図1及び図2の場合と同様である。
【0016】図4は本発明の実施の第2形態による炭素
系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する装置を示して
いる。本実施形態は、下水の生物処理用の曝気槽(図示
略)からの排出ガスの脱臭で、使用済となった粉末炭素
系吸着剤を、図1に示す装置における粉末炭素系吸着剤
として再利用するものである。図4において、廃水(下
水)を曝気槽(図示略)に導入して曝気処理する際に発
生する臭気ガスと粉末炭素系吸着剤とをバグ脱臭装置
(バグフィルタ式脱臭装置)28に導入して脱臭処理す
る。粉末炭素系吸着剤はバグ30の外表面に層状に付着
し、この付着層に臭気成分が吸着されて脱臭される。使
用済の粉末炭素系吸着剤は、加圧流体による逆洗、振動
・掻き取り等の機械的手段により剥離されて落下する。
使用済の粉末炭素系吸着剤中には、未利用の粉末炭素系
吸着剤が含まれているので、剥離・落下した使用済粉末
炭素系吸着剤を廃水中に添加しろ過器10に導入してろ
過処理を行う。なお、ろ過器10の上流の廃水中に新鮮
な粉末炭素系吸着剤を添加する場合もある。他の構成及
び作用は、図1及び図2の場合と同様である。
系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する装置を示して
いる。本実施形態は、下水の生物処理用の曝気槽(図示
略)からの排出ガスの脱臭で、使用済となった粉末炭素
系吸着剤を、図1に示す装置における粉末炭素系吸着剤
として再利用するものである。図4において、廃水(下
水)を曝気槽(図示略)に導入して曝気処理する際に発
生する臭気ガスと粉末炭素系吸着剤とをバグ脱臭装置
(バグフィルタ式脱臭装置)28に導入して脱臭処理す
る。粉末炭素系吸着剤はバグ30の外表面に層状に付着
し、この付着層に臭気成分が吸着されて脱臭される。使
用済の粉末炭素系吸着剤は、加圧流体による逆洗、振動
・掻き取り等の機械的手段により剥離されて落下する。
使用済の粉末炭素系吸着剤中には、未利用の粉末炭素系
吸着剤が含まれているので、剥離・落下した使用済粉末
炭素系吸着剤を廃水中に添加しろ過器10に導入してろ
過処理を行う。なお、ろ過器10の上流の廃水中に新鮮
な粉末炭素系吸着剤を添加する場合もある。他の構成及
び作用は、図1及び図2の場合と同様である。
【0017】図5は本発明の実施の第3形態による炭素
系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する装置を示して
いる。本実施形態は、廃水(下水)をオゾン処理した
後、図1に示す装置による処理を行うものである。図5
において、廃水(下水)をオゾン処理槽32に導入する
とともに、オゾンを添加してオゾン処理した後、この廃
水に対して図1及び図2の説明で述べたのと同様の処理
を施す。廃水中の過剰の残オゾンはろ過器10内で形成
されるプリコート膜で吸着除去されるので、精密ろ過膜
のオゾンによる損傷を防止することができる。他の構成
及び作用は、図1及び図2の場合と同様である。
系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する装置を示して
いる。本実施形態は、廃水(下水)をオゾン処理した
後、図1に示す装置による処理を行うものである。図5
において、廃水(下水)をオゾン処理槽32に導入する
とともに、オゾンを添加してオゾン処理した後、この廃
水に対して図1及び図2の説明で述べたのと同様の処理
を施す。廃水中の過剰の残オゾンはろ過器10内で形成
されるプリコート膜で吸着除去されるので、精密ろ過膜
のオゾンによる損傷を防止することができる。他の構成
及び作用は、図1及び図2の場合と同様である。
【0018】図6は炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法
を実施する装置の他の例を示している。本実施形態は、
廃水(下水)を凝集処理した後、加圧又は減圧浮上処理
した後、図1に示す装置による処理を行うものである。
図6において、廃水(下水)を撹拌槽34に導入すると
ともに凝集剤を添加し、凝集処理された廃水(下水)を
フロック浮上槽36に導入して加圧浮上処理又は減圧浮
上処理を行ってフロックを浮上させた後、分離された廃
水に対して図1及び図2の説明で述べたのと同様の処理
を施す。他の構成及び作用は、図1及び図2の場合と同
様である。
を実施する装置の他の例を示している。本実施形態は、
廃水(下水)を凝集処理した後、加圧又は減圧浮上処理
した後、図1に示す装置による処理を行うものである。
図6において、廃水(下水)を撹拌槽34に導入すると
ともに凝集剤を添加し、凝集処理された廃水(下水)を
フロック浮上槽36に導入して加圧浮上処理又は減圧浮
上処理を行ってフロックを浮上させた後、分離された廃
水に対して図1及び図2の説明で述べたのと同様の処理
を施す。他の構成及び作用は、図1及び図2の場合と同
様である。
【0019】上記の実施の第1〜3形態及び図6に示す
構成を適宜組み合わせることも可能である。例えば、実
施の第2形態におけるバグ脱臭装置28を実施の第1形
態における粉末炭素系吸着剤供給管の上流側に設けた
り、実施の第3形態におけるオゾン処理槽32を実施の
第1形態における最終沈殿池26の下流側に設けたり、
図6に示す構成における撹拌機34及びフロック浮上槽
36を実施の第1形態における最終沈殿池26の下流側
に設けたりすることができる。
構成を適宜組み合わせることも可能である。例えば、実
施の第2形態におけるバグ脱臭装置28を実施の第1形
態における粉末炭素系吸着剤供給管の上流側に設けた
り、実施の第3形態におけるオゾン処理槽32を実施の
第1形態における最終沈殿池26の下流側に設けたり、
図6に示す構成における撹拌機34及びフロック浮上槽
36を実施の第1形態における最終沈殿池26の下流側
に設けたりすることができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を試験例及び比較例に基づいて
さらに詳細に説明する。 以下のような試験により、ろ紙
孔径に対する炭素系吸着剤プリコート効果特性(特性
1)を測定した。すなわち、この試験は、バッチ式の炭
素系吸着剤をプリコートしたメンブランフィルターによ
る下水ろ過試験であり、以下の4条件にて、7種類の孔
径のろ紙、つまり0.1、0.2、0.3、0.45、
0.65、0.8、1.0μm のろ紙におけるろ過試験
を実施した。詳しくは、合計4×7=28回のバッチ試
験を実施した。 (1) 炭素系吸着剤をプリコートしない場合、 (2) 分級をしない活性炭をプリコートした場合、 (3) 粒径45μm 以下に分級した活性炭をプリコー
トした場合、 (4) 分級をしない活性コークスをプリコートした場
合、 この試験では、アドヴァンテック東洋(株)製の外径4
7mmのメンブランフィルターをろ紙として使用し、精製
水で炭素系吸着剤をプリコートし、下水約100mLを添
加すると同時に差圧28cmHgで吸引ろ過した。これらの
結果を図7に示す。図7から、活性コークス又は活性炭
の添加により、初期20分間の可能なろ過量を増大させ
ることができること、粒径は45μm 以下が特に有効で
あることがわかる。
さらに詳細に説明する。 以下のような試験により、ろ紙
孔径に対する炭素系吸着剤プリコート効果特性(特性
1)を測定した。すなわち、この試験は、バッチ式の炭
素系吸着剤をプリコートしたメンブランフィルターによ
る下水ろ過試験であり、以下の4条件にて、7種類の孔
径のろ紙、つまり0.1、0.2、0.3、0.45、
0.65、0.8、1.0μm のろ紙におけるろ過試験
を実施した。詳しくは、合計4×7=28回のバッチ試
験を実施した。 (1) 炭素系吸着剤をプリコートしない場合、 (2) 分級をしない活性炭をプリコートした場合、 (3) 粒径45μm 以下に分級した活性炭をプリコー
トした場合、 (4) 分級をしない活性コークスをプリコートした場
合、 この試験では、アドヴァンテック東洋(株)製の外径4
7mmのメンブランフィルターをろ紙として使用し、精製
水で炭素系吸着剤をプリコートし、下水約100mLを添
加すると同時に差圧28cmHgで吸引ろ過した。これらの
結果を図7に示す。図7から、活性コークス又は活性炭
の添加により、初期20分間の可能なろ過量を増大させ
ることができること、粒径は45μm 以下が特に有効で
あることがわかる。
【0021】また、以下のようにして、ろ紙孔径に対す
る炭素系吸着剤プリコート効果特性(特性2)を検討し
た。すなわち、図8にて、(1)の炭素系吸着剤をプリ
コートしない場合を基準とし、各条件におけるろ過能力
改善率を算出した。ここでは、活性コークスは活性炭に
比べ、ろ紙孔径が0.45μm 以下で同等のろ過促進効
果が得られることがわかる。活性コークスでは、活性炭
に比べ安価であるものの、粒径が不均一で広い範囲に分
布しており、粒径が細かい成分も多く、ろ紙孔径が大き
いときのろ過実験では、これが膜表面での活性コークス
層のろ過抵抗を増大させてしまうためと考えられる。し
たがって、特に活性コークスをプリコートして膜ろ過を
行うときの膜の孔径は、0.45μm 以下が望ましい。
る炭素系吸着剤プリコート効果特性(特性2)を検討し
た。すなわち、図8にて、(1)の炭素系吸着剤をプリ
コートしない場合を基準とし、各条件におけるろ過能力
改善率を算出した。ここでは、活性コークスは活性炭に
比べ、ろ紙孔径が0.45μm 以下で同等のろ過促進効
果が得られることがわかる。活性コークスでは、活性炭
に比べ安価であるものの、粒径が不均一で広い範囲に分
布しており、粒径が細かい成分も多く、ろ紙孔径が大き
いときのろ過実験では、これが膜表面での活性コークス
層のろ過抵抗を増大させてしまうためと考えられる。し
たがって、特に活性コークスをプリコートして膜ろ過を
行うときの膜の孔径は、0.45μm 以下が望ましい。
【0022】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 精密ろ過膜の表面に粉末状の炭素系吸着剤をプ
リコートするとき、その吸着剤の粒径に対して孔径の十
分に小さい精密ろ過膜を使用することにより、吸着剤そ
のものによる膜の目詰まりを防止することができる。こ
のため、精密ろ過膜の寿命が長く、逆洗頻度が少なく、
ろ過水の回収率を高くすることができる。 (2) 上記の(1)により、本発明の方法によるろ過
処理水は殺菌処理のみで中水再利用可能であり、従来の
ような砂ろ過装置等を不要とし、装置を大幅にコンパク
ト化することができる。 (3) 粉末炭素系吸着剤として、安価な粉末活性コー
クスを使用する場合は、さらに経済性が改善される。ま
た、安価であるので粉末活性コークスを使い捨てとする
ことができ、この場合は再利用処理を不要とすることが
できる。 (4) 後段に炭素系吸着剤プリコート膜ろ過器を備え
た炭素系吸着剤共存活性汚泥システムの場合は、膜ろ過
器を吸着剤の回収装置としても利用することができ、ま
た、吸着剤の添加により、廃水(下水)溶解性成分の吸
着除去以外に、排出ガスの脱臭や、汚泥の沈降性改善、
脱水ケーキの圧密・減容化・脱臭など多機能的に効果が
得られる。 (5) 廃水(下水)のオゾン処理後に、炭素系吸着剤
プリコート膜ろ過器を設置する場合は、炭素系吸着剤に
より、廃水(下水)溶解性成分の吸着除去以外に、残留
オゾンの分解、FeやMnの酸化物の捕捉が可能であ
る。
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 精密ろ過膜の表面に粉末状の炭素系吸着剤をプ
リコートするとき、その吸着剤の粒径に対して孔径の十
分に小さい精密ろ過膜を使用することにより、吸着剤そ
のものによる膜の目詰まりを防止することができる。こ
のため、精密ろ過膜の寿命が長く、逆洗頻度が少なく、
ろ過水の回収率を高くすることができる。 (2) 上記の(1)により、本発明の方法によるろ過
処理水は殺菌処理のみで中水再利用可能であり、従来の
ような砂ろ過装置等を不要とし、装置を大幅にコンパク
ト化することができる。 (3) 粉末炭素系吸着剤として、安価な粉末活性コー
クスを使用する場合は、さらに経済性が改善される。ま
た、安価であるので粉末活性コークスを使い捨てとする
ことができ、この場合は再利用処理を不要とすることが
できる。 (4) 後段に炭素系吸着剤プリコート膜ろ過器を備え
た炭素系吸着剤共存活性汚泥システムの場合は、膜ろ過
器を吸着剤の回収装置としても利用することができ、ま
た、吸着剤の添加により、廃水(下水)溶解性成分の吸
着除去以外に、排出ガスの脱臭や、汚泥の沈降性改善、
脱水ケーキの圧密・減容化・脱臭など多機能的に効果が
得られる。 (5) 廃水(下水)のオゾン処理後に、炭素系吸着剤
プリコート膜ろ過器を設置する場合は、炭素系吸着剤に
より、廃水(下水)溶解性成分の吸着除去以外に、残留
オゾンの分解、FeやMnの酸化物の捕捉が可能であ
る。
【図1】炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する
装置の一例の系統的概略構成図である。
装置の一例の系統的概略構成図である。
【図2】図1におけるろ過器の内部を示す拡大断面図で
ある。
ある。
【図3】本発明の実施の第1形態による炭素系吸着剤を
用いる廃水処理方法を実施する装置の系統的概略構成図
である。
用いる廃水処理方法を実施する装置の系統的概略構成図
である。
【図4】本発明の実施の第2形態による炭素系吸着剤を
用いる廃水処理方法を実施する装置の系統的概略構成図
である。
用いる廃水処理方法を実施する装置の系統的概略構成図
である。
【図5】本発明の実施の第3形態による炭素系吸着剤を
用いる廃水処理方法を実施する装置の系統的概略構成図
である。
用いる廃水処理方法を実施する装置の系統的概略構成図
である。
【図6】炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法を実施する
装置の他の例の系統的概略構成図である。
装置の他の例の系統的概略構成図である。
【図7】ろ紙孔径に対する炭素系吸着剤プリコート効果
特性1を示すもので、ろ紙孔径と初期20分間ろ過量と
の関係を示すグラフである。
特性1を示すもので、ろ紙孔径と初期20分間ろ過量と
の関係を示すグラフである。
【図8】ろ紙孔径に対する炭素系吸着剤プリコート効果
特性2を示すもので、ろ紙孔径と初期20分間ろ過量改
善率との関係を示すグラフである。
特性2を示すもので、ろ紙孔径と初期20分間ろ過量改
善率との関係を示すグラフである。
10 炭素系吸着剤プリコート膜ろ過器 12 ろ過器本体 14 精密ろ過膜 16 廃水導入管 18 処理水排出管 20 使用済粉末炭素系吸着剤抜出管 22 プリコート膜 24 曝気槽 26 最終沈殿池 28 バグ脱臭装置 30 バグ 32 オゾン処理槽 34 撹拌槽 36 フロック浮上槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C02F 1/44 C02F 1/78 1/78 3/12 U 3/12 (56)参考文献 特開 昭49−126156(JP,A) 特開 昭63−315190(JP,A) 特開 昭53−39968(JP,A) 特開 平8−294695(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/38 B01D 53/81 B01D 61/16 B01J 20/20 C02F 1/28 C02F 1/44 C02F 1/78 C02F 3/12
Claims (5)
- 【請求項1】 下水処理プラント、産業廃水処理プラン
ト及び上水プラントのいずれかにおける廃水を曝気槽に
導入して曝気処理した後、最終沈殿池に導入して沈殿処
理し、ついで、沈殿処理した廃水中に、石炭より製造さ
れた粉末活性コークスからなる粉末炭素系吸着剤を添加
し、この廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径の小さ
い0.1〜0.45μm の範囲の孔径の精密ろ過膜を備
えたろ過器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に粉末炭
素系吸着剤のプリコート膜を形成させて、このプリコー
ト膜で懸濁成分を除去した後、精密ろ過膜で微細成分を
除去し、前記ろ過器からの懸濁成分を捕捉した後の使用
済粉末炭素系吸着剤を前記曝気槽へ供給して、廃水中の
溶解性成分の吸着除去、廃水からの排出ガスの脱臭、汚
泥の沈降性改善及び汚泥脱水ケーキの圧密・減容化・脱
臭に有効利用することを特徴とする炭素系吸着剤を用い
る廃水処理方法。 - 【請求項2】 廃水を曝気槽に導入して曝気処理する際
に発生する臭気ガスと粉末活性コークス、粉末活性炭及
び粉末褐炭からなる群より選ばれた粉末炭素系吸着剤と
をバグ脱臭装置に導入して脱臭処理し、使用済粉末炭素
系吸着剤を曝気槽下流の廃水に添加し、この廃水を粉末
炭素系吸着剤の粒径より孔径の小さい0.1〜0.45
μm の範囲の孔径の精密ろ過膜を備えたろ過器に導入
し、精密ろ過膜の上流側表面に使用済粉末炭素系吸着剤
のプリコート膜を形成させて、このプリコート膜で懸濁
成分を除去した後、精密ろ過膜で微細成分を除去するこ
とを特徴とする炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法。 - 【請求項3】 下水処理プラント、産業廃水処理プラン
ト及び上水プラントのいずれかにおける廃水にオゾンを
添加してオゾン処理した後、この廃水中に石炭より製造
された粉末活性コークスからなる粉末炭素系吸着剤を添
加し、この廃水を粉末炭素系吸着剤の粒径より孔径の小
さい0.1〜0.45μm の範囲の孔径の精密ろ過膜を
備えたろ過器に導入し、精密ろ過膜の上流側表面に粉末
炭素系吸着剤のプリコート膜を形成させて、このプリコ
ート膜で懸濁成分及び残留オゾンを除去した後、精密ろ
過膜で微細成分を除去することを特徴とする炭素系吸着
剤を用いる廃水処理方法。 - 【請求項4】 粉末炭素系吸着剤が粒径1〜50μm の
成分を少なくとも50%含有する請求項1、2又は3記
載の炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法。 - 【請求項5】 粉末炭素系吸着剤が石炭より製造された
粉末活性コークスである請求項2記載の炭素系吸着剤を
用いる廃水処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09081945A JP3142792B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09081945A JP3142792B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10249170A JPH10249170A (ja) | 1998-09-22 |
JP3142792B2 true JP3142792B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=13760650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09081945A Expired - Fee Related JP3142792B2 (ja) | 1997-03-14 | 1997-03-14 | 炭素系吸着剤を用いる廃水処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3142792B2 (ja) |
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JP2015085206A (ja) * | 2012-02-16 | 2015-05-07 | 東レ株式会社 | 分離膜モジュールの洗浄方法 |
JP6216163B2 (ja) * | 2012-11-22 | 2017-10-18 | 株式会社ガイア環境技術研究所 | 多孔質炭の凝集助剤、多孔質炭のろ過助剤及びこれらの製造方法、並びに水処理方法 |
JP6151578B2 (ja) * | 2013-06-03 | 2017-06-21 | パナソニック株式会社 | 排水処理装置 |
CN110803808A (zh) * | 2018-08-04 | 2020-02-18 | 青岛海晏环境技术工程有限公司 | 一种预涂层膜技术处理双膜浓水的方法及成套装置 |
JP7305090B2 (ja) * | 2019-01-30 | 2023-07-10 | アサヒプリテック株式会社 | レジスト廃液からの有価金属粉回収方法、及び有価金属粉回収装置 |
CN113274892A (zh) * | 2021-03-16 | 2021-08-20 | 黄亮 | 一种多孔净水陶瓷滤芯配方及其生产工艺 |
CN113441378A (zh) * | 2021-07-19 | 2021-09-28 | 青岛理工大学 | 超滤预处理的粉末活性炭预涂膜装置、预处理装置及方法 |
-
1997
- 1997-03-14 JP JP09081945A patent/JP3142792B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH10249170A (ja) | 1998-09-22 |
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