JPWO2016038941A1 - 樹脂製緩衝器の点検方法および点検装置 - Google Patents

樹脂製緩衝器の点検方法および点検装置 Download PDF

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Abstract

かごの定格重量のものを用いることなくエレベータ点検現場で簡単に樹脂製緩衝器の交換要否を判定可能な点検方法および点検装置を提供する。まずエレベータ用の樹脂製緩衝器(1)に圧子(2)が押し込まれる。圧子(2)を樹脂製緩衝器(1)に押し込む荷重が解放される。荷重を解放させることにより樹脂製緩衝器(1)から圧子(2)が跳ね上がる反発力を示す物性値が測定される。反発力を測定することにより得られた物性値の結果を予め準備された基準値と比較することにより、樹脂製緩衝器(1)の交換の要否が判定される。

Description

本発明は樹脂製緩衝器の点検方法および点検装置に関し、特に、エレベータ用の樹脂製緩衝器の点検方法および点検装置に関するものである。
エレベータ用の緩衝器は、何らかの異常原因により、人を乗せるかごまたは当該かごと釣り合わせるための釣合おもりが建物の最下階よりも下方へ進行して昇降路のピット部まで下降したとき、かごまたは釣合おもりのピット部への衝突による衝撃を緩和する装置である。緩衝器としてはばね緩衝器、油入緩衝器、樹脂製緩衝器が用いられている。以下の各特許文献においては、これらの緩衝器が正常に衝撃を緩和する作用を有するか否かを確認可能とするための点検方法または点検装置が開示されている。
特開平9−132362号公報 特開2013−56748号公報 特開平9−43110号公報 特開昭62−113932号公報 特開平6−300070号公報
上記の緩衝器の中でも特に樹脂製緩衝器は、ばね緩衝器および油入緩衝器に比べて温度や湿度などの環境による劣化が起こりやすい。つまり樹脂製緩衝器は設置後の年数経過により、衝撃を緩和する能力である緩衝能力が低下し、要求される緩衝能力を満たさなくなる場合がある。また樹脂製緩衝器は同一の型番のアイテム間であっても物件ごとに設置される環境が異なればその物件ごとに劣化の速さすなわち寿命が異なるという特徴をも有している。このため樹脂製緩衝器は、物件ごとに定期的に緩衝能力を点検し、法規の要件を満たさなくなった、または今後短い期間の経過後に法規の要件を満たさなくなるであろう樹脂製緩衝器は、新品の樹脂製緩衝器に交換する必要がある。
しかし現状、樹脂製緩衝器の物件ごとに樹脂製緩衝器の緩衝能力を評価するためには、かごの定格重量のものを、定格速度の115%の速度で樹脂製緩衝器に衝突させて、かごの減速度を測定する必要がある。このような測定をエレベータ点検現場において樹脂製緩衝器の物件ごとに点検のつど実施することは、手間、コストおよび安全性の面から現実的でない。しかし上記の各特許文献のいずれも、このような点検作業を改善する技術についての開示がなされていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、かごの定格重量のものを用いることなくエレベータ点検現場で簡単に樹脂製緩衝器の交換要否を判定可能な点検方法および点検装置を提供することである。
本発明の樹脂製緩衝器の点検方法は、以下の工程を備えている。
まずエレベータ用の樹脂製緩衝器に圧子が押し込まれる。圧子を樹脂製緩衝器に押し込む荷重が解放される。荷重を解放させることにより樹脂製緩衝器から圧子が跳ね上がる反発力を示す物性値が測定される。反発力を測定することにより得られた物性値の結果を予め準備された基準値と比較することにより、樹脂製緩衝器の交換の要否が判定される。
本発明の樹脂製緩衝器の点検装置は、装置本体と、荷重付与機構と、測定機構とを備えている。装置本体は、エレベータ用の樹脂製緩衝器の相対位置を固定するための固定機構を含んでいる。荷重付与機構は、圧子を樹脂製緩衝器に押し込む荷重を与え、かつ荷重を解放することが可能である。測定機構は、荷重が解放された圧子が跳ね上がる反発力を示す物性値が測定される。
本発明によれば、最初にエレベータ用のかごを用いた樹脂製緩衝器の衝突試験による減速度と球状物などからなる圧子の反発力を示す物性値との相関関係を求め、樹脂製緩衝器の交換が必要な時点での物性値の基準値を求める。このため、以降の樹脂製緩衝器の点検においてはかごを用いずに圧子の跳ね上がる反発力を示す物性値を調べることのみにより簡易に交換要否を判断することができ、常に法規の要件を満たす緩衝器が設置されている状態を維持することができる。
実施の形態1に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階の工程を示す概略図(a)と、実施の形態1に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程を示す概略図(b)と、実施の形態1に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせその高さを測定する工程を示す概略図(c)とである。 実施の形態1における樹脂製緩衝器の使用時間と、樹脂製緩衝器に衝突するかごの平均減速度との関係を示すグラフ(a)と、実施の形態1における樹脂製緩衝器の使用時間と、樹脂製緩衝器から跳ね上がる球状物からなる圧子の跳ね上がり高さとの関係を示すグラフ(b)と、上記図2(a)および図2(b)を組み合わせたグラフ(c)とである。 実施の形態1に係る点検装置の構成を示す概略正面図である。 実施の形態1に係る点検装置の構成を示す概略平面図である。 図1(a)の状態に対応する、実施の形態1に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(a)と、図1(b)の状態に対応する、実施の形態1に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(b)と、図1(c)の状態に対応する、実施の形態1に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせその高さを測定する工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(c)とである。 実施の形態2に係る点検装置の構成を示す概略正面図である。 実施の形態2に係る点検装置の構成を示す概略平面図である。 実施の形態2に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階の工程を示す概略図(a)と、実施の形態2に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程を示す概略図(b)と、実施の形態2に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせ高さ基準板に到達するか否かを検出する工程を示す概略図(c)とである。 図8(a)の状態に対応する、実施の形態2に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(a)と、図8(b)の状態に対応する、実施の形態2に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(b)と、図8(c)の状態に対応する、実施の形態2に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせ高さ基準板に到達するか否かを検出する工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(c)とである。 実施の形態3に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階の工程を示す概略図(a)と、実施の形態3に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程を示す概略図(b)と、実施の形態3に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせその衝突荷重を測定する工程を示す概略図(c)とである。 実施の形態3における樹脂製緩衝器の使用時間と、樹脂製緩衝器に衝突するかごの平均減速度との関係を示すグラフ(a)と、実施の形態3における樹脂製緩衝器の使用時間と、樹脂製緩衝器から跳ね上がる球状物からなる圧子の衝突荷重との関係を示すグラフ(b)と、上記図11(a)および図11(b)を組み合わせたグラフ(c)とである。 実施の形態3に係る点検装置の構成を示す概略正面図である。 実施の形態3に係る点検装置の構成を示す概略平面図である。 図10(a)の状態に対応する、実施の形態3に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(a)と、図10(b)の状態に対応する、実施の形態3に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(b)と、図10(c)の状態に対応する、実施の形態3に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせ衝突荷重を測定する工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(c)とである。 実施の形態4に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階の工程を示す概略図(a)と、実施の形態4に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程を示す概略図(b)と、実施の形態4に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせその速度を測定する工程を示す概略図(c)とである。 実施の形態4における樹脂製緩衝器の使用時間と、樹脂製緩衝器に衝突するかごの平均減速度との関係を示すグラフ(a)と、実施の形態4における樹脂製緩衝器の使用時間と、樹脂製緩衝器から跳ね上がる球状物からなる圧子の速度との関係を示すグラフ(b)と、上記図16(a)および図16(b)を組み合わせたグラフ(c)とである。 実施の形態4に係る点検装置の構成を示す概略正面図である。 実施の形態4に係る点検装置の構成を示す概略平面図である。 図15(a)の状態に対応する、実施の形態4に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程の準備段階における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(a)と、図15(b)の状態に対応する、実施の形態4に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を押し込む工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(b)と、図15(c)の状態に対応する、実施の形態4に係る点検装置を用いた場合の球状物からなる圧子を跳ね上がらせその速度を測定する工程における各部材の態様を示す概略正面図および概略平面図(c)とである。 実施の形態5に係る点検装置に用いる、棒状に延びる圧子の形状を示す概略図である。 実施の形態5に係る点検装置を用いた場合の棒状に延びる形状を有する圧子を押し込む工程の準備段階の工程を示す概略図(a)と、実施の形態5に係る点検装置を用いた場合の棒状に延びる形状を有する圧子を押し込む工程を示す概略図(b)と、実施の形態5に係る点検装置を用いた場合の棒状に延びる形状を有する圧子を跳ね上がらせその衝突荷重を測定する工程を示す概略図(c)とである。 図21(a)の状態に対応する、実施の形態5に係る点検装置を用いた場合の棒状に延びる形状を有する圧子を押し込む工程の準備段階における各部材の正面方向および平面方向における内部の態様を示す概略平面図および概略断面図(a)と、図21(b)の状態に対応する、実施の形態5に係る点検装置を用いた場合の棒状に延びる形状を有する圧子を押し込む工程における各部材の正面方向および平面方向における内部の態様を示す概略平面図および概略断面図(b)と、図21(c)の状態に対応する、実施の形態5に係る点検装置を用いた場合の棒状に延びる形状を有する圧子を跳ね上がらせ衝突荷重を測定する工程における各部材の正面方向および平面方向における内部の態様を示す概略平面図および概略断面図(c)とである。 実施の形態1に係る点検装置に用いる、圧子の形状の変形例を示す概略図である。 実施の形態5に係る点検装置に用いる、圧子の形状の変形例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず図1を用いて、本実施の形態における点検方法の概要について説明する。
基本的に本実施の形態においては、エレベータ用のかごを樹脂製緩衝器1に衝突させる検査により樹脂製緩衝器1の交換の要否が点検される代わりに、球状物からなる圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込み、これを解放させたときに圧子2が示す反発力を示す物性値を測定することにより、樹脂製緩衝器1の交換の要否が判定される。本実施の形態においては、樹脂製緩衝器1の点検は、主に圧子2と、荷重付与板3(荷重付与機構)とにより行なわれる。
具体的には、図1(a)を参照して、まず樹脂製緩衝器1の最上面上に圧子2が載置され、さらにその上に荷重付与板3が載置される。このとき圧子2と荷重付与板3とが互いに接触するように載置されてもよい。これは圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む工程の準備段階である。
樹脂製緩衝器1は、たとえば円形の平面形状を有しており、全体としては円柱形に近い形状を有している。なお樹脂製緩衝器1は平面視において最上面の中央に円形の穴が形成され、その内部に円柱形の空洞を有することにより、全体として円筒形を有していてもよい。
樹脂製緩衝器1のうち特にエレベータ用のかごおよび圧子2などの対象物と接触する部分である緩衝部は、樹脂製緩衝器1の最上部に形成されており、たとえば発泡ウレタンまたはゴムにより形成されている。樹脂製緩衝器1は、エネルギー蓄積型非線形緩衝器に分類され、全体の高さの約90%をストロークとみなせることが規定されている。このため樹脂製緩衝器1はその全体の高さを低くすることができるため、樹脂製緩衝器1が設置されるエレベータの昇降路のピット部の深さを浅くすることができる。
圧子2は、樹脂製緩衝器1に押し込まれた際における変形が無視できるほどの硬さを有し、また樹脂製緩衝器1に押し込まれた際に樹脂製緩衝器1の表面を傷つけない形状であることが好ましい。そのため、圧子2の素材は、ステンレス、鉄などの金属製であることが好ましい。また圧子2の特に樹脂製緩衝器1に押し込む部分の形状は、球状または多面体形状(立方体状または正十二面体状など)であることが好ましい。
図1においては圧子2はほぼ球形で小型の金属製部材(鉄球)となっている。ただし図23を参照して、当該圧子2はたとえば立方体形状を有していてもよい(この場合、立方体を構成する一の面が樹脂製緩衝器1を押し込むことになる)。
荷重付与板3は、点検装置100にセットされた樹脂製緩衝器1に押し込む圧子2の上側に配置され、圧子2の真上に配置することも可能となっている。これにより、圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む荷重を与えることができる。また荷重付与板3は、圧子2の真上の領域から離れることにより、圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込むように加えた荷重を解放し、圧子2を上方に跳ね上がらせることができる。荷重付与板3は圧子2と同等の硬さを有し、圧子2を押し込んだ際における凹みおよび曲りなどの変形が無視できるほどに小さくなる程度の硬さを有することが好ましい。したがって荷重付与板3も鉄製であることが好ましい。
次に図1(b)を参照して、荷重付与板3が圧子2の上側の表面に接するところまで下降したところで、さらに荷重付与板3が図中の下向き矢印に示すように下方に移動することにより、圧子2が樹脂製緩衝器1に押し込まれる。樹脂製緩衝器1の特に緩衝部は変形可能な樹脂材料により形成されるため、圧子2が押し込むことによりその表面がめり込むように変形する。その樹脂製緩衝器1が変形した領域に食い込むように圧子2が下方へ押し込まれる。
次に図1(c)を参照して、たとえば圧子2を下方へ押し込む荷重付与板3が図中の左向き矢印に示す水平方向に移動することにより、図1(b)における圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む荷重が解放される。本実施の形態においては、このとき圧子2が樹脂製緩衝器1から反発力を受けて図中の上向き矢印に示すように上方に跳ね上がる。この跳ね上がりにより圧子2が到達する樹脂製緩衝器1からの高さが圧子2が受ける反発力を示す物性値として測定される。
ここでの圧子2の跳ね上がる高さとは、鉛直方向に関して圧子2が反発力により移動する樹脂製緩衝器1の最上面からの高さ(到達することができる最高点の高さ)を意味し、圧子2は鉛直方向(真上方向)に跳ね上がるものとする。すなわち本実施の形態においては、物性値(跳ね上がる高さ)として、押し込む力を解放することにより樹脂製緩衝器1から跳ね上がる圧子2の、樹脂製緩衝器1から最大限離れることができる鉛直方向の距離が測定される。圧子2の跳ね上がる軌道は、樹脂製緩衝器1上に圧子2が載置される位置のほぼ真上(樹脂製緩衝器1上に圧子2が載置される位置と平面的にほぼ重なる位置)に描かれる。
この測定される圧子2の跳ね上がる高さの結果が、予め準備された基準値と比較される。その結果、基準値を上回れば、樹脂製緩衝器1の弾性力が大きく衝撃力を緩和する力が大きいと判断されるため、樹脂製緩衝器1の交換は不要と判定される。逆に基準値を下回れば、樹脂製緩衝器1の弾性力が小さく衝撃力を緩和する力が小さいと判断されるため、樹脂製緩衝器1の交換が必要と判定される。
次に図2を用いて、上記の、樹脂製緩衝器1の交換が必要となる圧子2の跳ね上がる高さの基準値を求める方法について説明する。
まず、たとえば点検しようとする樹脂製緩衝器1の新品、またはこれまでの使用時間がわかる中古品が、上記基準値を求めるための樹脂製緩衝器1のサンプルとして1台、準備される。
図2(a)を参照して、エレベータ用の人を乗せるかごを下降させ、当該サンプルの樹脂製緩衝器1の特に緩衝部(最上部)に衝突させる。このときの当該かごを下降させる速度は、エレベータの下降の可動速度(定格速度よりもやや高い速度であり、たとえば定格速度の115%の速度)とすることが好ましい。この衝突時におけるかごの平均減速度が測定され、これは図2(a)の点A1のようにプロットされる。
ここで、図2(a)のグラフの横軸は、サンプルの樹脂製緩衝器1の使用時間を示しており、この使用時間とは、実際の使用時間の値であってもよいし、いわゆる加速劣化試験によりたとえば急激に温度が繰り返し変化する環境下に樹脂製緩衝器1を晒し意図的に劣化させることにより当該時間使用されたものとみなすことができる使用時間の値(緩衝器を使用したとみなされる時間)であってもよい。
また図2(a)のグラフの縦軸は、上記衝突時におけるかごの平均減速度を示している。ここで減速度とは、衝突によりかごが下方に降下する速度が減少する加速度を意味しており、下方に向かう速度および加速度を正とすれば、負の値で示される加速度を意味している。
次に図2(b)を参照して、かごによる平均減速度の測定がなされた樹脂製緩衝器1に対して、図1に示す要領で圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込みかつ解放させる工程を行ない、そのときに圧子2が樹脂製緩衝器1に対して跳ね上がる樹脂製緩衝器1からの高さが測定される。これは図2(b)の点B1のようにプロットされる。
再度図2(a)および図2(b)を参照して、次に、たとえばいわゆる加速劣化試験により一定時間だけサンプルの樹脂製緩衝器1を使用したと同等に劣化させた後、再度エレベータのかごを衝突させることによる平均減速度を示す点A2、および圧子2を押し付け解放することにより跳ね上がる高さを示す点B2を求める。ここではより効率的に(短時間で)より長時間使用したものとされるサンプルの樹脂製緩衝器1を得る目的で、サンプルの樹脂製緩衝器1に対して加速劣化試験が行なわれる。
以後、加速劣化試験と、上記のかごの平均減速度および圧子2の跳ね上がる高さとを求める工程とを繰り返す。言い換えれば、樹脂製緩衝器1の使用時間(加速劣化試験により使用されたとみなされる時間)を変化させながら、上記のかごの平均減速度および圧子2の跳ね上がる高さを求める工程を複数回行なう。これにより、たとえば図2(a)および図2(b)に示すように点A3〜点A6、および点B3〜点B6がプロットされる。各グラフでプロットされた点同士を結ぶことにより得られる曲線が、樹脂製緩衝器1の使用時間(加速劣化試験により使用されたとみなされる時間)とかごの平均減速度(圧子2の跳ね上がり高さ)との関係を示す。
図2(a)、および両グラフの曲線を重ね合わせて1つにした図2(c)を参照して、樹脂製緩衝器1へのかごの衝突時の平均減速度の時間変化を元に、この樹脂製緩衝器1を交換すべき交換時点が決定される。
ここで、エネルギー蓄積型非線形緩衝器は、海外法規により、かごの定格重量で定格速度の115%の速度で樹脂製緩衝器1に衝突するときの平均減速度が9.8m/s2(より正確には約9.80665m/s2)以下であること(すなわち当該減速度以下の減速度で緩やかに減速すること)が求められる。この緩やかな減速度は、樹脂製緩衝器1が高い弾性を有する(樹脂製緩衝器1が比較的新しい)ことにより実現可能である。
このため図2(a),(c)のグラフから、9.8m/s2の平均減速度を樹脂製緩衝器1を交換すべき値とし、この値に達する基準時間tsを樹脂製緩衝器1を交換すべきとき(交換時点)とすることができる。
図2(b),(c)を参照して、この交換時点tsにおける樹脂製緩衝器1からの圧子2の跳ね上がり高さS1が、樹脂製緩衝器1を交換すべき基準値として求められる。図2(c)においては樹脂製緩衝器1を交換すべき基準値としての圧子2の跳ね上がり高さS1は、約97cmである。
交換時点tsよりも使用(とみなされる)時間の短い点A1〜A4および点B1〜B4の各時点においては、平均減速度が9.8m/s2以下でありかつ圧子2の跳ね上がる高さが97cm以上である。したがって、たとえば任意の樹脂製緩衝器1の設置現場において圧子2の跳ね上がる高さを測定し、それが97cm以上であれば、当該樹脂製緩衝器1は交換不要であると判定できる。逆に交換時点tsよりも使用(とみなされる)時間の長い点A5,A6および点B5,B6の各時点においては、平均減速度が9.8m/s2を上回っておりかつ圧子2の跳ね上がる高さが97cm未満である。したがって、たとえば任意の樹脂製緩衝器1の設置現場において圧子2の跳ね上がる高さを測定し、それが97cm未満であれば、当該樹脂製緩衝器1は交換必要であると判定できる。
ところで、上記の圧子2が樹脂製緩衝器1に対して跳ね上がる高さは、圧子2の大きさ、圧子2を樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込む深さ、および圧子2を樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込んでから解放するまでの時間により変化する。このため上記の図2(b),(c)の点B1〜点B6のプロットデータを得る際、およびその後にエレベータ点検現場で樹脂製緩衝器1に対して圧子2の跳ね上がる高さを測定する際には、上記の各パラメータ(圧子2の大きさ、圧子2を下方に押し込む深さ、および圧子2を押し込んでから解放するまでの時間)の値が一定となるように揃えられることが要求される。上記のように値が一定となるように条件を揃えて押し込むことが可能であれば、図1(b)のように荷重付与板3(点検装置に設置された機械的機構または電動的機構)により圧子2が押し込まれる場合に限らず、たとえば手で圧子2が押し込まれてもよい。
圧子2のサイズが大きくなれば、樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込む際に高い荷重を要し、作業が困難になる可能性がある。逆に圧子2のサイズが小さくなれば、樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込む際に要する荷重は小さく済むが、押し込む荷重を解放した後における反発力が弱く、圧子2の跳ね上がる高さが小さくなり、交換要否の判定が困難になる可能性がある。圧子2を高く跳ね上がらせる方が、低く跳ね上がる場合に比べて、樹脂製緩衝器1の交換要否の判定をより精度よく行なうことができる。このため、作業性および交換要否の判定精度の双方を配慮すれば、外側の直径が10mm以上15mm以下の鉄球が圧子2として用いられることが好ましい。ただしこのことは圧子2の大きさを限定するものではなく、上記範囲外の直径を有する圧子2が用いられてもよい。また後述するように、圧子2が載置される樹脂製緩衝器1の最上面の平面形状を考慮して圧子2のサイズが決定されるべき場合もある。
圧子2を樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込む深さを深くすれば、その荷重を解放したときに圧子2をより高く跳ね上がらせることができ、樹脂製緩衝器1の交換要否の判定をより精度よく行なうことができる。圧子2を樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込む深さは、圧子2の半径の値より深いことが好ましい。
圧子2を押し込んでから解放するまでの時間、すなわち図1(b)のように圧子2が押し込まれた状態で保持する時間は、なるべく短いことが好ましい。この時間を短くする方が、開放後に圧子2をより高く跳ね上がらせることができる。これは圧子2が樹脂製緩衝器1の最上面から押し込まれた瞬間から応力緩和が起こり、樹脂製緩衝器1が圧子2を跳ね上げる反発力が時間の経過とともに低下するためであると考えられる。
一例として、本実施の形態においては、たとえば圧子2の直径は10mm、圧子2を樹脂製緩衝器1の最上面から下方に押し込む深さは7mm、圧子2の押し込み開始から解放までの時間は1秒とすることが好ましい。
次に図3および図4を用いて、本実施の形態に係るエレベータ用の樹脂製緩衝器の点検装置の構成について説明する。なお図3は点検装置100の正面図であるため図の上下方向が高さ方向でありほぼ鉛直方向を、図の左右方向が点検装置100全体の幅方向を、そして紙面に垂直な方向が点検装置100全体の奥行き方向を、それぞれ示している。また図4は点検装置100の平面図であるため図の上下方向が点検装置100全体の奥行き方向を示し、図の上側が奥側を、図の下側が手前側を示している。また図4の左右方向が点検装置100全体の幅方向を、そして紙面に垂直な方向が高さ方向(鉛直方向)を示している。
図3および図4を参照して、本実施の形態の点検装置100は、エレベータ用の樹脂製緩衝器1の、エレベータ用のかごの衝突時の衝撃を緩和する機能の有無を点検することにより、当該樹脂製緩衝器1の交換の要否を判定するために用いられる装置である。点検装置100を用いた樹脂製緩衝器1の点検は、上記のように主に圧子2と、荷重付与板3(荷重付与機構)とにより行なわれる。ただし図3の正面図においては、説明の便宜上、後述するばね固定板9の図示が省略されている(以下の各正面図において同じ)。
点検装置100は、たとえば土台4と、支柱5と、緩衝器固定板6と、リニアガイド7とを含む装置本体を有している。また点検装置100は、点検時に圧子2が樹脂製緩衝器1から跳ね上がることにより到達する樹脂製緩衝器1からの高さを測定するために樹脂製緩衝器1の跳ね上がる高さ方向の目盛8aを有する高さ表示板8(測定機構)を有している。
土台4は、点検装置100全体の基盤として点検装置100の最下部に設置されており、たとえば矩形の平面形状を有している。土台4の中央部は、点検しようとする対象物としての樹脂製緩衝器1が載置可能となっている。
支柱5は、たとえば土台4の矩形状の四隅の近くの領域に取り付けられた柱状の部材であり、土台4の主表面にほぼ垂直な方向すなわちほぼ鉛直方向(圧子2の跳ね上がる方向)に沿って延びている。図4においては支柱5は矩形の平面形状を有しているがこれに限られない。
緩衝器固定板6(固定機構)は、支柱5に固定されており、土台4に載置された樹脂製緩衝器1をその上方および側方から支持する(押さえ込むように固定する)機能を有している。つまり緩衝器固定板6は、樹脂製緩衝器1の、点検装置100の装置本体に対する相対位置を定めてその位置に樹脂製緩衝器1を固定する機能を有している。緩衝器固定板6は、たとえば点検装置100の幅方向に関する一方および他方に一対配置されており、点検装置100の奥行き方向に互いに間隔をあけて2つ並ぶ支柱5のそれぞれと接触固定されるように、当該奥行き方向に沿って(水平方向に沿って)延びている。
緩衝器固定板6は、平面視において点検装置100の奥行き方向(図4の上下方向)に延びる矩形状の第1の固定領域6aと、当該第1の固定領域6aに交差し支柱5に接触固定され点検装置100の奥行き方向に延びる第2の固定領域6bとを含んでいる。第1の固定領域6aが樹脂製緩衝器1の上側に配置され樹脂製緩衝器1の最上部に接触するとともに、第2の固定領域6bが樹脂製緩衝器1の側面側に配置され樹脂製緩衝器1の側面の一部に接触することにより、緩衝器固定板6は上方および側方の2方向から樹脂製緩衝器1を挟み込むように固定している。
緩衝器固定板6が上記のような領域6a,6bを有する構成であることにより、緩衝器固定板6の支柱5への固定が容易となるとともに、緩衝器固定板6は樹脂製緩衝器1を点検装置100に対して(その相対位置を)容易に固定することができる。
リニアガイド7は、点検装置100の奥行き方向に互いに間隔をあけて2つ並ぶ支柱5の双方と接触固定されるように、当該奥行き方向に沿って(水平方向に沿って)延びている柱状の部材である。リニアガイド7は緩衝器固定板6と同様に、たとえば点検装置100の幅方向に関する一方および他方に一対配置されており、一対の緩衝器固定板6のそれぞれの真上の領域の一部を含むように配置されている。
点検装置100の幅方向に関して間隔をあけて配置される一対のリニアガイド7の間には、平面視においてリニアガイド7の延びる方向と交差する方向(幅方向)に延びる柱状の部材である荷重付与板3が配置されている。荷重付与板3の延在方向に関する一方および他方の端部が、一対のリニアガイド7のうちの一方および他方と接触するように配置されている。
一対のリニアガイド7には荷重付与板3の一方および他方の端部を把持するための溝が形成されており、この溝が把持する荷重付与板3をリニアガイド7の延びる方向に沿って(水平方向に沿って)移動可能としている。
より具体的には以下の構成を有している。一対のリニアガイド7の間には、荷重付与板3のほかに、ばね固定板9が配置されている。ばね固定板9は、荷重付与板3と同様に、たとえば図3および図4の左右方向すなわち点検装置100の幅方向に延びる柱状の部材である。したがってばね固定板9は、一対のリニアガイド7の間において、荷重付与板3の延びる方向に沿うように(ほぼ平行に並ぶように)配置されている。しかしばね固定板9は荷重付与板3のようにリニアガイド7の延びる奥行き方向に沿って移動可能な構成とはなっていない。ばね固定板9は、その両端部のそれぞれが、一対のリニアガイド7のそれぞれの一方の端部(図4の下側すなわち点検装置100の手前側の端部)においてリニアガイド7と固定されている。
荷重付与板3のリニアガイド7に沿った移動は、荷重付与板3とばね固定板9との間に配置されるばね10の伸縮によりなされている。すなわちばね10はリニアガイド7の延びる方向に沿って延びるように(たとえば間隔をあけて2つ)配置され、その一方の端部が荷重付与板3の表面の一部に、その他方の端部がばね固定板9の表面の一部に、それぞれ固定されている。したがって荷重付与板3はばね10によりばね固定板9と連結されている。ばね固定板9は点検装置100の装置本体に対して固定されているため、リニアガイド7の延びる方向に沿って延びるように配置されたばね10の伸縮に応じて荷重付与板3がリニアガイド7に沿ってその装置本体に対する相対位置を移動することが可能となっている。
このようにリニアガイド7に把持された荷重付与板3がリニアガイド7の延びる方向に沿って移動することにより、圧子2を荷重付与板3の真下に配置させ圧子2を荷重付与板3が押し込むべく荷重を与えたり、圧子2の真上以外の領域に荷重付与板3を配置させ圧子2を押し込む荷重を解放させたりすることが可能である。
なお特に図4に示すように、リニアガイド7の一部に噛み合うように設けられたストッパ11により、荷重付与板3は、装置本体に対して、ばね10が延びたままの状態でその装置本体に対する相対位置を変えないように固定されることが好ましい。
またリニアガイド7は支柱5の延びる鉛直方向に沿ってその装置本体に対する相対位置を移動することもできる。図4の左右方向に関して隣り合う1対の支柱5にはリニアガイド7を把持するための溝が形成されており、この溝が把持するリニアガイド7を支柱5の延びる方向に沿って(圧子2の跳ね上がる鉛直方向に沿って)移動可能としている。これによりリニアガイド7に把持される荷重付与板3も、支柱5の延びる方向に沿って(圧子2の跳ね上がる鉛直方向に沿って)移動可能となっている。リニアガイド7が鉛直方向に移動することにより、これに固定されたばね固定板9もリニアガイド7とともに鉛直方向に関して移動可能となっている。
このようにリニアガイド7に把持された荷重付与板3が支柱5の延びる方向に沿って移動することにより、荷重付与板3をその真下の圧子2に接触させ圧子2を下方に押し込んだり、荷重付与板3をその真下の圧子2から離れさせたり(圧子2を下方に押し込む荷重を解放させたり)することが可能である。
次に図5を用いて、図3および図4の点検装置100を用いた樹脂製緩衝器1の点検工程における各部材の動作について説明する。
図5(a)を参照して、上側の図は点検装置100全体の概略正面図であり、下側の図は点検装置100全体の概略平面図である(後述する図5(b),(c)についても同様)。樹脂製緩衝器1が点検装置100本体の土台4に載置され、固定機構としての緩衝器固定板6により上方および側方から押さえ込むように固定される。樹脂製緩衝器1の最上面上に圧子2が載置される。
たとえば樹脂製緩衝器1が円筒形である場合、その最上面の一部(特に中央部)には筒状の空洞部分を形成するための穴が形成されるため、最上面は円環状の平面形状を有することになる。この場合、当該円環状の部分の上に圧子2が載置されることから、樹脂製緩衝器1の上記円環状の部分の、円周に交差する幅の広さを考慮して(その幅よりも直径が小さくなるように)圧子2の大きさが決定されることが好ましい。
たとえばばね10が最も伸びた状態となる(荷重付与板3とばね固定板9との距離が最大となる)所まで荷重付与板3がリニアガイド7の延在する方向に沿って移動し、その状態になったところで荷重付与板3のリニアガイド7の延在方向に関する移動を抑制するために荷重付与板3はストッパ11によりリニアガイド7(を含む装置本体)に固定される。この時点では荷重付与板3は樹脂製緩衝器1の最上面よりも上方に離れた位置に配置されている。またこの時点では荷重付与板3は圧子2の真上に配置される。
図5(b)を参照して、圧子2の真上の荷重付与板3が(リニアガイド7を把持する)支柱5の延在方向に沿ってばね固定板9とともに下方に移動することにより、荷重付与板3と圧子2とが互いに接触する。このように荷重付与板3が圧子2と接触した状態で、荷重付与板3がさらにリニアガイド7を把持する支柱5の延在方向に沿うよう下方へ移動することにより、これと接触する圧子2が下方の樹脂製緩衝器1側に押し込まれる。
このとき、リニアガイド7がその真下の緩衝器固定板6のたとえば第1の固定領域6aの表面上に接触するところまで、緩衝器固定板6を下降させることが好ましい。このようにすれば、緩衝器固定板6は支柱5に固定されており移動しないことから、各回の測定における荷重付与板3の下降量を一定にすることができる。したがって、各回の測定において荷重付与板3により下方に押し込まれる圧子2の、樹脂製緩衝器1の最上面に対する押し込みの深さを一定にすることができる。
図5(c)を参照して、圧子2が下方に押し込まれた状態を維持したままストッパ11が外される。このときばね10が弾性力により縮めば、荷重付与板3がリニアガイド7の延在する方向に沿って水平方向に(ばね固定板9の方に向かって)引き寄せられ、その装置本体に対する相対位置が移動する。これにより、圧子2は荷重付与板3から解放されるため、樹脂製緩衝器1が下方に押し込まれたことに対する反発力により上方へ跳ね上げられる。
このとき樹脂製緩衝器1の最上面に対して圧子2が跳ね上がった高さが、高さ表示板8の目盛8aにより確認される。この跳ね上がった高さは、目視、またはビデオ撮影の結果から読み取ることができる。
次に、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態においては、図2のデータが予め準備されることにより、それ以降はエレベータ用のかごを用いて樹脂製緩衝器1に対する衝撃力を与えることなく、樹脂製緩衝器1が圧子2に与える反発力を示す物性値(跳ね上がる高さ)を測定するだけで、容易に樹脂製緩衝器1の交換要否が判断可能である。
交換を要する状態となるまでの時間を示す交換時点tsは、たとえ同一型番の樹脂製緩衝器1であっても、それが設置される温度および湿度などの環境により変化する。しかし少なくとも交換時点tsにおける平均減速度が9.8m/s2であり圧子2の跳ね上がる高さが97cmであることについては、同一型番の樹脂製緩衝器1であれば、それが設置される温度および湿度などの環境にかかわらずほぼ同じである。このためいったん図2に示すデータが得られれば、それ以降にエレベータの点検現場における樹脂製緩衝器1の点検においては、エレベータ用のかごを用いなくても、エレベータ用のかごに比べて極めて小型の圧子2および点検装置100を用いて上記の跳ね上がる高さが基準値S1すなわち97cm以上であるか否かを測定するだけで、当該樹脂製緩衝器1の交換の要否が判定可能である。したがってエレベータの点検現場の設置される環境にかかわらず、その点検現場においてかごを用いた衝撃試験を行なうことなく、図2のデータを用いて簡易に樹脂製緩衝器1の緩衝能力を判定することができる。
また本実施の形態の点検方法および点検装置100を用いれば、樹脂製緩衝器1の初期不良品検査を簡易に行なうこともできる。
本実施の形態のように圧子2の跳ね上がる反発力を示す物性値として、跳ね上がった圧子2が到達する樹脂製緩衝器1からの高さが用いられることにより、高さ表示板8を用いるだけで極めて容易に測定することができる。
本実施の形態のように樹脂製緩衝器1に対して圧子2を押し込みかつ解放するという工程は、上記のように荷重付与板3が支柱5に沿って移動することにより圧子2を押し込んだり、荷重付与板3が圧子2を押し込んだ状態を維持しながらリニアガイド7の延びる方向に移動することにより圧子2を樹脂製緩衝器1から解放可能な構成により容易に実現できる。
(実施の形態2)
図6および図7を参照して、本実施の形態の点検装置200は、基本的に実施の形態1の点検装置100と同様の構成を有しているが、荷重付与板3の上方に測定機構としての高さ基準板12を有している点において、点検装置100と異なっている。
高さ基準板12は、点検装置200に載置された樹脂製緩衝器1の最上面からの高さが、実施の形態1の図2で求められた交換時点tsにおける圧子2が跳ね上がり到達する高さの基準値S1の位置(たとえば図2に示す97cmの高さの位置)に配置されている。高さ基準板12は、支柱5の最上部に固定されるように取り付けられており、土台4と平面視においてほぼ重なり(特に圧子2の配置される位置と平面的に重なり)、たとえば矩形の平面形状を有している。
ただし図7においては高さ基準板12を土台4から独立した部材として視認しやすくする観点から、高さ基準板12は点線で、かつ土台4よりもやや内側に縁部を有するように図示されている。
点検装置200は、上記のように高さ基準板12を有する点においてのみ点検装置100と異なっており、それ以外の構成は、点検装置100の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
本実施の形態における点検方法の概要を示す図8(a),(b),(c)を参照して、基本的にこれらはそれぞれ図1(a),(b),(c)に示す実施の形態1の点検方法の概要と同様である。すなわち図8(a)は実施の形態1の図1(a)の工程に、図8(b)は実施の形態1の図1(b)の工程に、図8(c)は実施の形態1の図1(c)の工程に、それぞれ対応する。
本実施の形態においても、図8(c)の工程すなわち荷重付与板3により圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む荷重が解放され反発力を示す物性値を測定する工程において、圧子2が反発力を受けて上方に跳ね上がり到達する高さが、反発力を示す物性値となる。ただし図8(c)においては、実施の形態1のように高さ表示板8を用いて圧子2の到達する高さが測定される代わりに、圧子2が高さ基準板12に到達するか否かが検出される。
すなわち圧子2が高さ基準板12に到達すれば、圧子2は高さ基準板12の高さ以上の高さまで上がることを意味するため、当該樹脂製緩衝器1は交換不要であると判定できる。逆に圧子2が高さ基準板12に到達しなければ、当該樹脂製緩衝器1は交換必要であると判定できる。
図9(a),(b),(c)を参照して、図6および図7の点検装置200を用いた樹脂製緩衝器1の点検工程における各部材の動作は、基本的にそれぞれ図5(a),(b),(c)に示す実施の形態1での点検装置100を用いた点検工程における各部材の動作と同様である。図9(c)においては圧子2が跳ね上がり到達する高さが高さ表示板8により求められる代わりに、高さ基準板12に圧子2が到達するか否かが検出される点においてのみ、図5(c)と異なっている。
本実施の形態の点検方法は、上記の点においてのみ実施の形態1と異なっており、それ以外の点は実施の形態1と同様であるため、同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
本実施の形態においても実施の形態1と同様に、図2のデータにより、樹脂製緩衝器1の交換時点tsにおける圧子2の到達する高さの基準値S1が求められる。このようにすれば以降の点検の際には点検装置200にその基準値S1の高さに位置する高さ基準板12を設け、圧子2が高さ基準板12に到達するか否かを検出するだけで、樹脂製緩衝器1の交換要否の判断が可能となる。このため実施の形態1と同様に、点検現場においてエレベータ用のかごを用いた測定を行なう必要がなくなり、点検を簡易に行なうことができる。
この検出方法は、実施の形態1における高さ表示板8を用いて圧子2の跳ね上がる高さを測定する方法よりも簡単でありかつ測定の精度が向上される。すなわち、たとえば実施の形態1の高さ表示板8を用いた方法においては、圧子2の跳ね上がる高さを目視で確認する場合に確認し損ねたり誤った高さを認識したりする可能性がある。またビデオ撮影により圧子2の跳ね上がる高さを確認する場合には撮影装置の設置等の手間が発生する。しかし本実施の形態においては圧子2が高さ基準板12に到達するか否かを検出するだけでよいため、上記のようなヒューマンエラーが発生する可能性をより低減させることができ、かつ測定の準備等の手間を削減することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態における点検方法の概要を示す図10(a),(b),(c)を参照して、基本的にこれらはそれぞれ図1(a),(b),(c)に示す実施の形態1の点検方法の概要と同様である。
しかし本実施の形態においては、図10(c)の工程すなわち荷重付与板3により圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む荷重が解放され反発力を示す物性値を測定する工程において、当該物性値として、圧子2が荷重検出器13(荷重検出装置)に衝突する際の荷重が測定される。ここで衝突する際の荷重とは圧子2が荷重検出器13に対して与える鉛直方向(真上に向かう方向)の力を意味する。このように本実施の形態は、高さ表示板8を用いて圧子2の到達する高さが測定される実施の形態1とは、圧子2が受ける反発力を示す物性値の測定方法が異なっている。
荷重検出器13は、たとえば支柱5の最上部に固定される天井部14の、樹脂製緩衝器1などが載置される側(下側)の表面上に設置されている。荷重検出器13は、圧子2が載置される位置のほぼ真上であり、特に圧子2が跳ね上がる軌道上に設けられている。
荷重検出器13は、たとえば実施の形態2における高さ基準板12よりも、樹脂製緩衝器1からの高さが低い位置に設けられている。つまり荷重検出器13は、たとえ上記の跳ね上がる高さの基準値S1(図2参照)よりも圧子2の到達する高さが低い場合においても圧子2の衝突を受けることを可能とする観点から、基本的に跳ね上がる力の弱い圧子2とも衝突することを前提とした、実施の形態2の高さ基準板12よりも低い位置に設けられている。
本実施の形態においては、荷重検出器13により測定される圧子2の衝突による荷重(衝突荷重)の結果が、予め準備された基準値と比較される。その結果、基準値を上回れば、樹脂製緩衝器1の弾性力が大きくかごの衝突による衝撃力を緩和する力が大きいと判断されるため、樹脂製緩衝器1の交換は不要と判定される。逆に基準値を下回れば、樹脂製緩衝器1の弾性力が小さくかごの衝突による衝撃力を緩和する力が小さいと判断されるため、樹脂製緩衝器1の交換が必要と判定される。衝突荷重の大小は、基本的に実施の形態1の跳ね上がる高さの大小と相関する。
本実施の形態における、樹脂製緩衝器1の交換が必要となる圧子2の衝突荷重の基準値を求める方法は、基本的に実施の形態1の圧子2の跳ね上がる高さの基準値を求める方法と同様であるが、これについて図11を用いて説明する。
図11(a)を参照して、このグラフは基本的に実施の形態1の図2(a)のグラフと同様であり、樹脂製緩衝器1の各使用時間(または加速劣化試験により使用したとみなされる時間)を変化させながら測定されたかごの衝突時の平均減速度が、点A1〜点A6としてプロットされる。
図11(b)を参照して、かごによる平均減速度の測定がなされた樹脂製緩衝器1に対して、点A1〜点A6の測定がされた時間と同一の時間に、図10に示す要領で圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込みかつ解放させる工程を行ない、そのときに跳ね上がった圧子2を荷重検出器13に衝突させ、荷重検出器13に衝突荷重を測定させる。この結果がそれぞれ、図11(b)における点C1〜点C6のようにプロットされる。点C1〜点C6を結ぶことにより、樹脂製緩衝器1の使用時間(加速劣化試験により使用されたとみなされる時間)と圧子2の荷重検出器13に対する衝突荷重との関係を示す曲線が得られる。
図11(a)および図11(c)を参照して、かごの平均減速度が9.8m/s2になる交換時点tsにおける圧子2の衝突荷重S2が、樹脂製緩衝器1を交換すべき基準値として求められる。図11(c)においては樹脂製緩衝器1を交換すべき基準値としての圧子2の衝突荷重S2は、約19Nである。
図2と同様に、交換時点tsよりも使用時間の短い点A1〜点A4および点C1〜C4の各時点においては当該樹脂製緩衝器1は交換不要であり、交換時点tsよりも使用時間の長い点A5,A6および点B5,B6の各時点においては、当該樹脂製緩衝器1は交換必要であると判定できる。
ところで、上記の圧子2の荷重検出器13に対する衝突荷重は、荷重検出器13の設置される樹脂製緩衝器1の最上面からの高さにより変化する。このため上記の図11(b),(c)の点C1〜点C6のプロットデータを得る際、およびその後にエレベータ点検現場で樹脂製緩衝器1に対して圧子2の荷重検出器13に対する衝突荷重を測定する際には、上記のパラメータ(荷重検出器13の設置される樹脂製緩衝器1の最上面からの高さ)の値が一定となるように揃えられることが要求される。
荷重検出器13が樹脂製緩衝器1の最上面からより低い位置に設置されるほど、跳ね上がった圧子2が荷重検出器13に対して与える衝突荷重が大きくなり、樹脂製緩衝器1の交換要否の判定をより精度よく行なうことができる。荷重検出器13は、樹脂製緩衝器1の最上面からの鉛直方向の高さがたとえば50cm以上80cm以下であることが好ましく、50cm以上70cm以下であることがより好ましい。一例として、本実施の形態においては、樹脂製緩衝器1の最上面からの荷重検出器13の鉛直方向高さが70cmとすることが好ましい。
図12および図13を参照して、本実施の形態の点検装置300は、基本的に実施の形態1の点検装置100と同様の構成を有しているが、荷重付与板3の上方に測定機構としての荷重検出器13を有している点において、点検装置100と異なっている。ただし図13においては点検装置300に含まれる他の部材を視認可能とする観点から、荷重検出器は点線で図示されている。
図14(a),(b),(c)を参照して、図12および図13の点検装置300を用いた樹脂製緩衝器1の点検工程における各部材の動作は、基本的にそれぞれ図5(a),(b),(c)に示す実施の形態1での点検装置100を用いた点検工程における各部材の動作と同様である。圧子2が跳ね上がり到達する高さが高さ表示板8により求められる代わりに、図14(c)においては荷重検出器13に衝突荷重が検出される点においてのみ、図5(c)と異なっている。
点検装置300は、上記のように荷重検出器13を有する点においてのみ点検装置100と異なっており、それ以外の構成は、点検装置100の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
交換を要する状態となるまでの時間を示す交換時点tsは、たとえ同一型番の樹脂製緩衝器1であっても、それが設置される温度および湿度などの環境により変化する。しかし少なくとも交換時点tsにおける平均減速度が9.8m/s2であり圧子2の跳ね上がる際の衝突荷重が19Nであることは、同一型番の樹脂製緩衝器1であれば、それが設置される温度および湿度などの環境にかかわらずほぼ同じである。
このことから本実施の形態においては、図11のデータにより圧子2の荷重検出器13に対する衝突荷重の基準値S2が求められれば、以降の点検の際には樹脂製緩衝器1から跳ね上がる圧子2の衝突荷重が基準値S2以上であるか基準値S2未満であるかを検出するだけで、樹脂製緩衝器1の交換要否の判断が可能となる。このため実施の形態1と同様に、点検現場においてエレベータ用のかごを用いた測定を行なう必要がなくなり、点検を簡易に行なうことができる。
また本実施の形態においては、荷重検出器13は樹脂製緩衝器1から比較的低い位置に設置される。このため本実施の形態の点検装置300は、たとえば実施の形態1の高さ表示板8または実施の形態2の高さ基準板12が用いられる点検装置100,200に比べて、装置本体の高さ方向の寸法が小さくなるため、装置本体を小型化させることができる。
また本実施の形態においては、たとえば実施の形態1のように高さ表示板8を用いて目視により測定を行なう場合に比べて、測定結果にヒューマンエラーが生じる可能性を低減することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態における点検方法の概要を示す図15(a),(b),(c)を参照して、基本的にこれらはそれぞれ図1(a),(b),(c)に示す実施の形態1の点検方法の概要と同様である。
しかし本実施の形態においては、図15(c)の工程すなわち荷重付与板3により圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む荷重が解放され反発力を示す物性値を測定する工程において、当該物性値として、圧子2が樹脂製緩衝器1から上方へ跳ね上がる速度が、速度測定器15により測定される。ここで速度とは鉛直方向(真上に向かう方向)の速度を意味する。このように本実施の形態は、実施の形態1とは、圧子2が受ける反発力を示す物性値の測定方法が異なっている。
速度測定器15は、たとえば支柱5の樹脂製緩衝器1が配置される側(装置本体の内側)に固定され、跳ね上がる圧子2の軌道の一部を圧子2が上方に向けて通過するときの速度を測定する。
速度測定器15は、たとえば実施の形態2における高さ基準板12よりも、樹脂製緩衝器1からの高さが低い位置に設けられている。つまり速度測定器15は、たとえ上記の跳ね上がる高さの基準値S1(図2参照)よりも圧子2の到達する高さが低い場合においても上昇する圧子2の通過を検出しその速度を測定することを可能とする観点から、基本的に跳ね上がる力の弱い圧子2の速度をも検出することを前提とした、実施の形態2の高さ基準板12よりも低い位置に設けられている。図15の各図に示すように、基本的に速度測定器15は水平方向に延びる部材であり、これが設置される鉛直方向の高さとほぼ等しい高さを通過する圧子2の速度を検出可能な構成であるものとする。
本実施の形態においては、速度測定器15により測定される圧子2の速度の結果が、予め準備された基準値と比較される。その結果、基準値を上回れば、樹脂製緩衝器1の弾性力が大きくかごの衝突による衝撃力を緩和する力が大きいと判断されるため、樹脂製緩衝器1の交換は不要と判定される。逆に基準値を下回れば、樹脂製緩衝器1の弾性力が小さくかごの衝突による衝撃力を緩和する力が小さいと判断されるため、樹脂製緩衝器1の交換が必要と判定される。速度の大小は、基本的に実施の形態1の跳ね上がる高さの大小と相関する。
本実施の形態における、樹脂製緩衝器1の交換が必要となる圧子2の速度の基準値を求める方法は、基本的に実施の形態1の圧子2の跳ね上がる高さの基準値を求める方法と同様であるが、これについて図16を用いて説明する。
図16(a)を参照して、このグラフは基本的に実施の形態1の図2(a)のグラフと同様であり、樹脂製緩衝器1の各使用時間(または加速劣化試験により使用したとみなされる時間)を変化させながら測定されたかごの衝突時の平均減速度が、点A1〜点A6としてプロットされる。
図16(b)を参照して、かごによる平均減速度の測定がなされた樹脂製緩衝器1に対して、点A1〜点A6の測定がされた時間と同一の時間に、図15に示す要領で圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込みかつ解放させる工程を行ない、そのときに跳ね上がった圧子2の速度を速度測定器15に測定させる。この結果がそれぞれ、図16(b)における点D1〜点D6のようにプロットされる。点D1〜点D6を結ぶことにより、樹脂製緩衝器1の使用時間(加速劣化試験により使用されたとみなされる時間)と測定される圧子2の速度との関係を示す曲線が得られる。
図16(a)および図16(c)を参照して、かごの平均減速度が9.8m/sになる交換時点tsにおける圧子2の跳ね上がる速度が、樹脂製緩衝器1を交換すべき基準値として求められる。図16(c)においては樹脂製緩衝器1を交換すべき基準値としての圧子2の速度S3は、約40km/hである。
図2と同様に、交換時点tsよりも使用時間の短い点A1〜点A4および点D1〜D4の各時点においては当該樹脂製緩衝器1は交換不要であり、交換時点tsよりも使用時間の長い点A5,A6および点D5,D6の各時点においては、当該樹脂製緩衝器1は交換必要であると判定できる。
ところで、上記の速度測定器15が測定する圧子2の速度は、速度測定器15の設置される樹脂製緩衝器1の最上面からの高さにより変化する。このため上記の図16(b),(c)の点D1〜点D6のプロットデータを得る際、およびその後にエレベータ点検現場で樹脂製緩衝器1に対して圧子2の速度を測定する際には、上記のパラメータ(速度測定器15の設置される樹脂製緩衝器1の最上面からの高さ)の値が一定となるように揃えられることが要求される。
速度測定器15が樹脂製緩衝器1の最上面からより低い位置に設置されるほど、跳ね上がった圧子2が速度測定器15により測定される速度が大きくなり、樹脂製緩衝器1の交換要否の判定をより精度よく行なうことができる。速度測定器15は、樹脂製緩衝器1の最上面からの鉛直方向の高さがたとえば50cm以上80cm以下であることが好ましく、50cm以上70cm以下であることがより好ましい。一例として、本実施の形態においては、樹脂製緩衝器1の最上面からの速度測定器15の鉛直方向高さが70cmとすることが好ましい。
図17および図18を参照して、本実施の形態の点検装置400は、基本的に実施の形態1の点検装置100と同様の構成を有しているが、荷重付与板3の上方に測定機構としての速度測定器15を有している点において、点検装置100と異なっている。速度測定器15は、たとえば装置本体の奥行き方向(図18の上下方向)に関して圧子2が跳ね上がる位置とほぼ同じ位置であり、かつ装置本体の幅方向(図18の左右方向)に関して圧子2が跳ね上がる位置と間隔をあけた位置(たとえば圧子2の右方の位置)に設置されることが好ましい。
図19(a),(b),(c)を参照して、図17および図18の点検装置400を用いた樹脂製緩衝器1の点検工程における各部材の動作は、基本的にそれぞれ図5(a),(b),(c)に示す実施の形態1での点検装置100を用いた点検工程における各部材の動作と同様である。圧子2が跳ね上がり到達する高さが高さ表示板8により求められる代わりに、図19(c)においては速度測定器15により圧子2の速度が測定される点においてのみ、図5(c)と異なっている。
点検装置400は、上記のように速度測定器15を有する点においてのみ点検装置100と異なっており、それ以外の構成は、点検装置100の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
次に、本実施の形態の作用効果について説明する。
交換を要する状態となるまでの時間を示す交換時点tsは、たとえ同一型番の樹脂製緩衝器1であっても、それが設置される温度および湿度などの環境により変化する。しかし少なくとも交換時点tsにおける平均減速度が9.8m/s2であり圧子2の速度が40km/hであることは、同一型番の樹脂製緩衝器1であれば、それが設置される温度および湿度などの環境にかかわらずほぼ同じである。
このことから本実施の形態においては、図16のデータにより圧子2の跳ね上がる速度の基準値S3が求められれば、以降の点検の際には樹脂製緩衝器1から跳ね上がる圧子2の速度が基準値S3以上であるか基準値S3未満であるかを検出するだけで、樹脂製緩衝器1の交換要否の判断が可能となる。このため実施の形態1と同様に、点検現場においてエレベータ用のかごを用いた測定を行なう必要がなくなり、点検を簡易に行なうことができる。
また本実施の形態においては、速度測定器15は樹脂製緩衝器1から比較的低い位置に設置される。このため本実施の形態の点検装置400は、たとえば実施の形態1の高さ表示板8または実施の形態2の高さ基準板12が用いられる点検装置100,200に比べて、装置本体の高さ方向の寸法が小さくなるため、装置本体を小型化させることができる。
また本実施の形態においては、たとえば実施の形態1のように高さ表示板8を用いて目視により測定を行なう場合に比べて、測定結果にヒューマンエラーが生じる可能性を低減することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態においては、基本的に実施の形態1〜4と同様の点検方法を用いて点検がなされるが、圧子2の形状が実施の形態1〜4とは異なっている。またこれに伴い、点検装置の構成にも実施の形態1〜4とは若干の相違がある。
本実施の形態の圧子2の形状は、実施の形態1と同様に、樹脂製緩衝器1に押し込まれた際における変形が無視できるほどの硬さを有し、また樹脂製緩衝器1に押し込まれた際に樹脂製緩衝器1の表面を傷つけない形状であることが好ましい。
具体的には、図20を参照して、本実施の形態に用いられる圧子2は、実施の形態1と同様にステンレスまたは鉄などの金属製であるが、棒状に延びる形状を有している。つまり当該圧子2は、棒状に延びる棒状部2aと、棒状部2aが延在する方向に対する一方の端部側に形成される球状部2bとを有している。ここで圧子2の一対の端部のうち球状部2bの形成される側は、樹脂製緩衝器1と接触する側となっている。ただし図24を参照して、当該圧子2はたとえば棒状に延びる棒状部2aと、棒状部2aが延在する方向に対する一方の端部側に形成される多面体形状部2cとを有していてもよい(この場合、多面体形状部2cの形成される側が、樹脂製緩衝器1と接触する側となっている)。
なお棒状部2aは円柱状であっても角柱状(たとえば四角柱状)であってもよいが、(特に圧子2が球状部2bまたは多面体形状部2cを有する場合には)円柱状であることがより好ましい。また図示されないが、圧子2は、その全体が棒状部2aのみを有する円柱状または角柱状であってもよい。
次に、本実施の形態における点検方法の概要を示す図21(a),(b),(c)を参照して、基本的にこれらはそれぞれ図1(a),(b),(c)に示す実施の形態1の点検方法の概要と同様である。
しかし本実施の形態においては、点検装置500が、その荷重付与機構として、圧子押し込み治具16を有している点において、上記の他の実施の形態の点検装置100〜400とは構成が異なっている。圧子押し込み治具16は、樹脂製緩衝器1と互いに間隔をあけてその上方に配置されており、図21(b)中の下向き矢印および図21(c)中の上向き矢印に示すように上下方向に移動可能となっている。圧子押し込み治具16には、ストッパ11および(図21中に示されない)荷重付与板3などが含まれている。
基本的に図21(a)はたとえば実施の形態1の図1(a)および図5(a)の工程に、図21(b)はたとえば実施の形態1の図1(b)および図5(b)の工程に、図21(c)はたとえば実施の形態1の図1(c)および図5(c)の工程に、それぞれ対応する。
すなわち図21(a)においてはストッパ11により、荷重付与板3の位置が圧子2の上方に配置されるように固定されている。また圧子2は樹脂製緩衝器1の最上面上に載置されている。つまり図21(a)は圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む工程の準備段階である。
図21(b)においては、圧子押し込み治具16が下降することにより、これに含まれる荷重付与板3が圧子2を下方に押し込むように下方に移動する。これにより圧子2(の特に球状部2bまたは多面体形状部2c)が樹脂製緩衝器1に押し込まれる。
図21(c)においてはストッパ11が外されることにより、ストッパ11に拘束されていた荷重付与板3が図のたとえば右方に移動し、これに伴い圧子2を樹脂製緩衝器1に押し込む荷重が解放される。このとき圧子2が樹脂製緩衝器1から反発力を受けて図中の上向き矢印に示すように上方に跳ね上がる。この跳ね上がりにより圧子2が到達する樹脂製緩衝器1からの高さが圧子2が受ける反発力を示す物性値として測定される。
次に、圧子押し込み治具16の内部の態様を示す図22(a),(b),(c)を用いて、図21の点検装置500を用いた樹脂製緩衝器1の点検工程における各部材の動作について、より詳細に説明する。
図22(a)を参照して、上下方向に3つ並ぶ図のうち最も上の図は点検装置500の特に圧子押し込み治具16の部分の概略平面図であり、中央の図は最も上の図および最も下の図中のA−A線に沿う部分の概略断面図である。また最も下の図は中央の図中のB−B線に沿う部分の概略断面図である。なお中央の図においては位置関係をわかりやすくする観点から、圧子押し込み治具16の下方に配置される樹脂製緩衝器1も併せて図示されている(後述する図22(b),(c)についても同様)。
圧子押し込み治具16は、その内部に、圧子跳ね上がり用孔部17と、荷重付与板スライド用孔部18とを有している。圧子跳ね上がり用孔部17は、圧子2が跳ね上がる方向(図の上下方向すなわち鉛直方向)に沿って延びる内壁を有するように形成されており、圧子押し込み治具16の本体を上下方向に貫通している。圧子跳ね上がり用孔部17の内壁の幅は、圧子2の図の左右方向に関する(棒状に延在する方向に交差する方向に関する)幅よりやや大きい程度であることが好ましく、棒状の圧子2が圧子跳ね上がり用孔部17の内壁に沿って跳ね上がることが可能な程度の広さの幅であることが好ましい。また圧子2は、棒状部2aの延びる部分が圧子跳ね上がり用孔部17の内壁に沿うように(棒状部2aが鉛直方向に沿って延びるように)配置される。
荷重付与板スライド用孔部18は、図の左右方向すなわち水平方向に沿って延びており、これにより圧子跳ね上がり用孔部17と交差(たとえば直交)している。荷重付与板スライド用孔部18内には荷重付与板3が配置されており、荷重付与板3は荷重付与板スライド用孔部18内をこれの延びる水平方向に沿って移動可能となっている。
荷重付与板スライド用孔部18はその延びる方向に関する一方の端部が圧子押し込み治具16の本体の内部に形成された端部壁面18aとなっており、それに対する他方の端部は圧子押し込み治具16の本体の図の右側の端部における開口となっている。また上記のように荷重付与板スライド用孔部18は圧子跳ね上がり用孔部17と交差するが、その交差する圧子跳ね上がり用孔部17よりも図の左側(端部壁面18a側)の第1領域18bと、圧子跳ね上がり用孔部17よりも図の右側の第2領域18cとに分かれている。
荷重付与板3は、開口形成部3aと、圧子押し込み部3bとを有している。開口形成部3aは、この部分が圧子跳ね上がり用孔部17内に入った際に圧子2を解放させて上方へ跳ね上がらせるための開口が形成された領域である。また圧子押し込み部3bは、この部分が圧子跳ね上がり用孔部17内に入った際に圧子2を下方に押し込むために圧子跳ね上がり用孔部17を塞ぐことができる領域である。
荷重付与板スライド用孔部18の端部壁面18aにはたとえば2本のばね10の一方端が固定されており、ばね10の他方端は荷重付与板3の開口形成部3aの図の左側の端部に固定されている。
図22(a)においては、ストッパ11が第2領域18cの右方の領域を塞ぐように下降されており、このストッパ11により荷重付与板3が左方に押される。このためばね10は最も縮んだ状態となっており、荷重付与板3は最も左側に配置された状態となっている。ストッパ11は、荷重付与板3がばね10の弾性力に対する反発力により伸びて右方に移動することのないようにこれを図の左方の位置に固定する。
このとき、荷重付与板3の開口形成部3aは第1領域18b内に収納され、圧子押し込み部3bは圧子跳ね上がり用孔部17内および第2領域18c(ストッパ11の左側)に収納される。したがってこのとき、圧子2は、圧子跳ね上がり用孔部17内の圧子押し込み部3b(荷重付与板スライド用孔部18)の下部に配置されるとともに、樹脂製緩衝器1の最上面上に載置された状態となっている。
図22(b)を参照して、図22(a)のようにストッパ11が荷重付与板3を左方に押しこんだ状態を保ったまま、圧子押し込み治具16の全体が下降する。これに伴い、圧子跳ね上がり用孔部17内においては、圧子押し込み治具16に含まれる荷重付与板3の圧子押し込み部3bが、その下の圧子2と接触してかつその圧子2を下方に押し込む荷重を与える。このように荷重付与板3が圧子2と接触した状態でさらに下方へ移動することにより、これと接触する圧子2が下方の樹脂製緩衝器1側に押し込まれる。
図22(c)を参照して、圧子2が下方に押し込まれた状態を維持したままストッパ11が上方へ移動するように外される。このときばね10が弾性力により右方へ伸びれば、荷重付与板3が図の右方に移動し、開口形成部3aの開口(板状の部材が配置されない部分)が圧子跳ね上がり用孔部17内の圧子2の真上に配置される。つまり荷重付与板3の開口形成部3aの開口が、それまで圧子押し込み部3bが圧子2に与えていた下向きの荷重を解放する。
これにより、樹脂製緩衝器1は下方に押し込まれたことに対する反発力により上方へ跳ね上げられる。
点検装置500は、上記のように圧子押し込み治具16を有する点においてのみ点検装置100〜400と異なっており、それ以外の構成は、点検装置100〜400の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。具体的には、図22においては、点検装置500を構成する他の装置本体および測定機構の図示が省略されているが、この部分については実施の形態1〜4の点検装置100〜400のいずれかが用いられてもよい。すなわち本実施の形態の測定方法としては、実施の形態1〜4のいずれの測定方法を用いることもできる。なお圧子押し込み治具16は、図示が省略されているが、(たとえば実施の形態1の荷重付与板3と同様に)装置本体のたとえば支柱5に接触固定されているリニアガイド7に把持されており、支柱5の延びる方向に沿って(鉛直方向に沿って)移動可能となっている。
次に、本実施の形態の作用効果を説明する。
本実施の形態においては、棒状に延びる棒状部2aを有する圧子2が、圧子跳ね上がり用孔部17の内壁に沿って延びるように配置されたまま、上方に跳ね上げられる。このため、特に圧子跳ね上がり用孔部17の内壁の幅を圧子2の棒状部2aの延びる方向に交差する幅に近い幅となるように(ある程度狭く)することにより、圧子2は確実に鉛直方向に沿って上方に跳ね上げられる。したがって圧子2が鉛直方向に跳ね上がらずたとえば斜め方向に跳ね上がるために測定結果の信頼性を損ねる可能性を低減することができる。
この観点からは、実施の形態1〜4における球状物としての圧子2を用いて、本実施の形態の圧子押し込み治具16を有する点検装置500により点検がなされてもよい。このようにすれば、球状物としての圧子2を用いた場合においても、圧子跳ね上がり用孔部17の内壁に沿って確実に鉛直方向に圧子2を跳ね上がらせることができるため、測定結果の信頼性を向上させることができる。
また棒状部2aを有する圧子2が球状部2bまたは多面体形状部2cを有するため、その部分を樹脂製緩衝器1の最上面に接触させめり込ませることにより、樹脂製緩衝器1が押し込まれた際に樹脂製緩衝器1の表面を傷つけないようにすることができる。
さらに、圧子2が棒状部2aを有することにより、圧子2が球状物である場合に比べて、紛失のリスクを低減させることもできる。
以上に説明された各実施の形態の技術的特徴については、技術的に矛盾が生じない程度に、適宜組み合わせて使用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 樹脂製緩衝器、2 圧子、2a 棒状部、2b 球状部、2c 多面体形状部、3 荷重付与板、3a 開口形成部、3b 圧子押し込み部、4 土台、5 支柱、6 緩衝器固定板、6a 第1の固定領域、6b 第2の固定領域、7 リニアガイド、8 高さ表示板、8a 目盛、9 ばね固定板、10 ばね、11 ストッパ、12 高さ基準板、13 荷重検出器、14 天井部、15 速度測定器、16 圧子押し込み治具、17 圧子跳ね上がり用孔部、18 荷重付与板スライド用孔部、18a 端部壁面、18b 第1領域、18c 第2領域、100,200,300,400,500 点検装置。
本発明の樹脂製緩衝器の点検方法は、以下の工程を備えている。
まずエレベータ用の樹脂製緩衝器に球状物が押し込まれる。球状物を樹脂製緩衝器に押し込む荷重が解放される。荷重を解放させることにより樹脂製緩衝器から球状物が跳ね上がる反発力を示す物性値が測定される。物性値を測定することにより得られた物性値の結果を予め準備された基準値と比較することにより、樹脂製緩衝器の交換の要否が判定される。
これにより、圧子2は下方に押し込まれたことに対する反発力により上方へ跳ね上げられる。
点検装置500は、上記のように荷重付与機構として圧子押し込み治具16を有している点で点検装置100〜400と異なっており、それ以外の構成は、点検装置100〜400の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。具体的には、図22においては、点検装置500を構成する他の装置本体および測定機構の図示が省略されているが、この部分については実施の形態1〜4の点検装置100〜400のいずれかが用いられてもよい。すなわち本実施の形態の測定方法としては、実施の形態1〜4のいずれの測定方法を用いることもできる。なお圧子押し込み治具16は、図示が省略されているが、(たとえば実施の形態1の荷重付与板3と同様に)装置本体のたとえば支柱5に接触固定されているリニアガイド7に把持されており、支柱5の延びる方向に沿って(鉛直方向に沿って)移動可能となっている。

Claims (17)

  1. エレベータ用の樹脂製緩衝器に圧子を押し込む工程と、
    前記圧子を前記樹脂製緩衝器に押し込む荷重を解放させる工程と、
    前記荷重を解放させる工程により前記樹脂製緩衝器から前記圧子が跳ね上がる反発力を示す物性値を測定する工程と、
    前記反発力を測定する工程により得られた前記物性値の結果を予め準備された基準値と比較することにより、前記樹脂製緩衝器の交換の要否を判定する工程とを備える、樹脂製緩衝器の点検方法。
  2. 前記物性値を測定する工程においては、跳ね上がった前記圧子が到達する前記樹脂製緩衝器からの高さが測定される、請求項1に記載の樹脂製緩衝器の点検方法。
  3. 前記物性値を測定する工程においては、前記荷重を解放させる工程により前記圧子が跳ね上がり到達する高さの前記基準値の位置に設けられた高さ基準板に到達するか否かが検出され、
    前記交換の要否を判定する工程においては、前記圧子が前記高さ基準板に到達しなければ前記樹脂製緩衝器を交換する必要があると判定される、請求項1に記載の樹脂製緩衝器の点検方法。
  4. 前記物性値を測定する工程においては、跳ね上がった前記圧子の軌道上に設けられた荷重検出装置に前記圧子が衝突する際の荷重が測定される、請求項1に記載の樹脂製緩衝器の点検方法。
  5. 前記物性値を測定する工程においては、跳ね上がった前記圧子の速度が測定される、請求項1に記載の樹脂製緩衝器の点検方法。
  6. エレベータ用のかごの可動速度で前記かごを前記樹脂製緩衝器に衝突させた際の前記かごの減速度を測定する工程と、前記圧子を押し込むことによる前記物性値を測定する工程とを、前記樹脂製緩衝器の使用時間を変化させながら複数回行なうことにより、前記減速度を測定する工程により得られる前記減速度が前記樹脂製緩衝器を交換すべき値に達した時点である交換時点を決定する工程と、
    前記交換時点における前記圧子を押し込むことによる前記物性値を測定する工程を行なうことにより得られる前記物性値を前記圧子から得られる前記樹脂製緩衝器を交換すべき前記基準値を求める工程とをさらに備える、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検方法。
  7. 前記圧子を押し込む工程は、荷重付与機構が前記圧子と接触しながら前記圧子の跳ね上がる方向に沿って延びる支柱に沿って下側へ移動することによりなされ、
    前記荷重を解放させる工程は、前記荷重付与機構が前記圧子の跳ね上がる方向に交差する水平方向に沿って延びるリニアガイドに沿って水平方向に移動することによりなされる、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検方法。
  8. エレベータ用の樹脂製緩衝器の相対位置を固定するための固定機構を含む装置本体と、
    圧子を前記樹脂製緩衝器に押し込む荷重を与え、かつ前記荷重を解放することが可能な荷重付与機構と、
    前記荷重が解放された前記圧子が跳ね上がる反発力を示す物性値を測定する測定機構とを備える、樹脂製緩衝器の点検装置。
  9. 前記圧子は金属製であり、球状または多面体形状である、請求項8に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  10. 前記圧子は金属製であり、棒状に延びる形状を有しており、
    前記圧子は、前記棒状に延びる形状が延在する方向に対する一方の端部側において、球状または多面体形状を有している、請求項8に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  11. 前記測定機構は、跳ね上がった前記圧子が到達する前記樹脂製緩衝器からの高さを前記物性値として測定する高さ表示板である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  12. 前記測定機構は、前記樹脂製緩衝器の点検装置の、前記圧子が跳ね上がり到達する高さの基準値の位置に設けられた高さ基準板である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  13. 前記測定機構は、跳ね上がった前記圧子の衝突を受けることにより前記圧子の前記測定機構に対する衝突荷重を前記物性値として測定する荷重検出器である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  14. 前記測定機構は、跳ね上がった前記圧子の速度を前記物性値として測定する速度測定器である、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  15. 前記装置本体は、
    前記樹脂製緩衝器を載置する土台と、
    前記土台に固定され、前記圧子の跳ね上がる方向に沿って延びる支柱と、
    前記支柱に固定され、前記圧子の跳ね上がる方向に交差する水平方向に沿って延び、前記荷重付与機構を水平方向に移動可能なリニアガイドとを含み、
    前記荷重付与機構が前記支柱に沿って移動することにより前記圧子を前記樹脂製緩衝器に押し込み可能であり、
    前記荷重付与機構が前記リニアガイドの延びる方向に移動することにより前記圧子を前記樹脂製緩衝器から解放可能である、請求項8〜請求項14のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  16. 前記固定機構は、前記支柱に固定されることにより前記土台に載置された前記樹脂製緩衝器を押さえ込むように固定し、
    前記固定機構は、前記樹脂製緩衝器の、前記圧子の跳ね上がる方向側に配置される第1の固定領域と、前記第1の固定領域に交差し前記樹脂製緩衝器の側面側に配置される第2の固定領域とにより前記樹脂製緩衝器を挟み込むように固定可能である、請求項15に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
  17. 前記荷重付与機構は、前記圧子の跳ね上がる方向に沿って延びる内壁を有する圧子押し込み治具をさらに備える、請求項8〜請求項16のいずれか1項に記載の樹脂製緩衝器の点検装置。
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