JP2012037398A - 落錘式衝撃試験装置及び落錘式衝撃試験方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 材料試験片に衝突させる衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値とする落錘式衝撃試験装置と落錘式試験方法を提供する。
【解決手段】 基台2上の支持部材3の両側には間隔をおいてガイド板5の落下を最初に受ける衝撃吸収部材99が配されており、衝突ヘッド6の上にはロードセル7と軸部材8とが連結固定され、この軸部材8がガイド板5の中央に形成された貫通穴52に所定範囲内で昇降自在に挿通する構成となっており、衝突ヘッド6の先端をガイド板5に近づけた状態で所定高さから同時に落下させると、衝撃吸収部材99がガイド板5の落下を受け、その直後、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突する。
【選択図】 図1
【解決手段】 基台2上の支持部材3の両側には間隔をおいてガイド板5の落下を最初に受ける衝撃吸収部材99が配されており、衝突ヘッド6の上にはロードセル7と軸部材8とが連結固定され、この軸部材8がガイド板5の中央に形成された貫通穴52に所定範囲内で昇降自在に挿通する構成となっており、衝突ヘッド6の先端をガイド板5に近づけた状態で所定高さから同時に落下させると、衝撃吸収部材99がガイド板5の落下を受け、その直後、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、所定高さから衝突ヘッドを材料試験片に落下衝突させて衝撃荷重を加え、耐衝撃特性を測定評価する落錘式衝撃試験装置と落錘式衝撃試験方法に関する。
機械装置、構造物、金型、工具等に用いられる合金材料は、安全性と信頼性を確かめるために各種の試験・検査が行われる。材料評価試験には引張試験、硬さ試験、衝撃試験、破壊靭性試験、疲労試験、クリープ試験、磨耗試験等がある。衝撃試験と破壊靭性試験は、合金材料の脆性を測定評価する試験であり、シャルピー衝撃試験とアイゾット衝撃試験が広く用いられている。
シャルピー衝撃試験やアイゾット衝撃試験は、予め切り欠きを付けた材料試験片を準備し、刃の付いたハンマを持ち上げて振り下ろしたときの打撃力によって材料試験片を破断させる試験であり、打撃力が大きくてその調節がし難く、合金材料の大まかな測定評価しか出来ない。また、材料試験片が微小な場合には、過大な衝撃荷重が材料試験片に加わるため、荷重―変位曲線が求められないという問題点がある。
そこで、材料試験片に対する荷重―変位曲線を求めるために、所定高さから衝突ヘッドを材料試験片に落下衝突させて衝撃荷重を加え、耐衝撃特性を測定評価する落錘式衝撃試験が提案されている(特許文献1)。また、材料試験片に対する衝撃試験とは大きく異なるが、機器を取り付けたプレート(又は落下台)を落下させる落下衝撃試験装置が文献公知となっている(特許文献2,3)。なお、補足するならば、特許文献2には、前記落下台を案内棒に沿って昇降させる昇降円筒が配されており、この昇降円筒の上部に配されたロードセルによって衝撃荷重を検知することが記載されており、特許文献3には、基台上に配されたエアシリンダーが前記プレートの落下を受け止めて停止させることが記載されている。
特許文献1記載の衝撃試験装置は、衝突ヘッドを案内するガイドパイプが基台上に配されており、このガイドパイプの中に弾丸形状の衝突ヘッドを落下させる構成である。しかしながら、特許文献1記載の構成では、前記衝突ヘッドの重量を小さくすると、前記衝突ヘッドとガイドパイプ内壁とが接触することで生じる摩擦力や、前記衝突ヘッドが落下することでガイドパイプ内壁の下方で生じる空気抵抗の影響によって、前記衝突ヘッドが材料試験片に落下衝突したときの衝撃荷重の値が一定しない。他方、前記衝突ヘッドの重量を大きくすると前記衝突ヘッドが落下衝突したときの衝撃荷重が過大となってしまう。また、特許文献2,3に記載の衝撃試験装置は、基台上に2本のガイド棒を所定間隔で立設しておき、落下させる機器を取り付けたプレート(又は落下台)の両端部に貫通穴を形成し、この貫通穴を前記ガイド棒に昇降自在に挿通させて、所定高さから前記プレート(衝突ヘッドに対応)を受け台に落下衝突させる構成であるが、この装置構成では、前記プレートの重量を小さくすると、前記プレートの貫通穴とガイド棒との接触による摩擦力や、前記プレートの下方で生じる空気抵抗の影響によって、前記プレートが落下衝突したときの衝撃荷重の値が一定しない。他方、前記プレートの重量を大きくすると、前記プレートが落下衝突したときの衝撃荷重が過大となってしまう。したがって、荷重―変位曲線を求めるために、材料試験片に衝突させる衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値とするよい方法が見つかっていないのが実情である。
このような実情に鑑みて、本発明の目的は、材料試験片に衝突させる衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値とする落錘式衝撃試験装置と落錘式試験方法を提供するものである。
本発明の落錘式衝撃試験装置は、基台上で材料試験片を支持する支持部材と、基台上に立設したガイド部材に沿って昇降自在に配されるガイド板と、ガイド板の下方に配されて材料試験片に落下衝突する衝突ヘッドとを備え、前記衝突ヘッド上にはロードセルと軸部材とが連結固定され、この軸部材が前記ガイド板に形成された貫通穴に昇降自在に挿通しており、前記衝突ヘッドを前記ガイド板と共に所定高さから同時に落下させると、前記基台上に配された衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けてから、その直後に前記衝突ヘッドが材料試験片に衝突しロードセルから衝撃荷重信号が出力される構成であることを特徴とする。
本発明では、前記ガイド板がガイド棒等のガイド部材に案内されて昇降自在に動き、前記衝突ヘッドの上に固定された軸部材が前記ガイド板に案内されて所定範囲内で昇降自在に動く構成となっており、前記衝突ヘッドの先端を上昇させて前記ガイド板に近づけた状態で所定高さに持ち上げて、前記衝突ヘッドを前記ガイド板と共に所定高さから同時に落下させると、前記衝突ヘッドと前記ガイド板とが所定の落下加速度で落下し、そして、前記衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けて、その直後、慣性力によって前記衝突ヘッドが前記ガイド板から離れる方向で前記所定の落下加速度を維持しながら落下し前記材料試験片に衝突する。
本発明によれば、前記衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けることで前記ガイド板の荷重が前記材料試験片に加わらない構成であることから、前記材料試験片に衝突させる前記衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値として、前記材料試験片に対する衝撃荷重値を高精度で求めることができる。
本発明によれば、前記衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けることで前記ガイド板の荷重が前記材料試験片に加わらない構成であることから、前記材料試験片に衝突させる前記衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値として、前記材料試験片に対する衝撃荷重値を高精度で求めることができる。
本発明の落錘式衝撃試験方法は、ロードセル及び軸部材が連結固定された衝突ヘッドを備え、この軸部材がガイド板に形成された貫通穴に昇降自在に挿通される構成の落錘式衝撃試験装置を用いて、前記衝突ヘッドを前記ガイド板と共に所定高さから同時に落下させ、衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けることで前記ガイド板の衝撃荷重を取り除いた状態とし、その直後に前記衝突ヘッドを材料試験片に衝突させて前記ロードセルから衝撃荷重信号を出力させ、前記衝突ヘッドが材料試験片に衝突してからの時間毎の衝撃荷重信号を計測器にて記録することを特徴とする。
本発明によれば、前記衝突ヘッドを前記ガイド板と共に所定高さから同時に落下させ、衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けることで前記ガイド板の衝撃荷重を取り除いた状態とし、その直後に前記衝突ヘッドを材料試験片に衝突させて前記ロードセルから衝撃荷重信号を出力させるので、ロードセル及び軸部材が連結固定された前記衝突ヘッドの衝撃荷重値のみが材料試験片に加わることとなり、前記衝突ヘッドが材料試験片に衝突してからの時間毎の衝撃荷重信号を計測器にて記録することで、材料試験片ごとの破壊に要した衝撃エネルギーの大きさを正確に比較評価することができる。
本発明は、前記軸部材と前記貫通穴とが、転がり軸受けを介して接続されていることが好ましい。本発明によれば、前記転がり軸受けを介することで、前記軸部材と前記貫通穴との直接的な摩擦をなくすことができ、前記転がり軸受けの転動体の転がり抵抗が非常に小さいことから、前記衝突ヘッドの落下加速度が一定する。前記転がり軸受けとしてはボールスプライン軸受けが好ましい。ボールスプライン軸受けを用いることで、許容荷重を大きくすることが容易である。
本発明は、前記軸部材が前記ガイド板から上に突出している上方部分に円環状の錘が着脱自在に配されており、この錘の重量を加減して前記衝撃荷重信号の大きさを調節することを特徴とする。
本発明によれば、前記材料試験片に衝突させる前記衝突ヘッドの衝撃荷重値を適宜増減させ所望の衝撃荷重値を設定することができ、前記錘の付け替えも容易である。
本発明では、前記計測器が前記ロードセルからの衝撃荷重信号を受信し、前記衝突ヘッドが前記材料試験片に衝突してからの時間毎の前記衝撃荷重信号を記録する。つまり、前記材料試験片に対する衝撃荷重値の時間毎の推移、すなわち衝撃荷重の波形データを正確に計測する。前記計測器としては、例えば、メモリオシロスコープ、メモリレコーダ、記録式電圧計等が挙げられる。また、前記計測器に内蔵されたインターフェース経由で前記衝撃荷重の波形データをパソコンにデータ信号として取り込み、パソコンに内蔵された演算手段によって前記材料試験片に対する衝撃荷重値を演算するとともに、パソコンに付設されたデータベースに予め蓄積しておいた標準材料試験片のデータと比較することもできる。
本発明は、前記所定高さで前記軸部材の上方側を保持する保持機構と、前記所定高さから前記軸部材が放たれるタイミングを非接触で検知するセンサとを備えることが好ましい。本発明によれば、衝撃試験の際に前記保持機構が前記軸部材を解放して前記軸部材が放たれるタイミングを非接触式センサが検知する構成であることから、前記衝突ヘッドの落下開始時点が正確に把握できる。前記保持機構としては、例えば、フック機構、チャッキング機構、クランプ機構、電磁吸着機構等が挙げられる。そして、有線方式や無線方式により落錘式衝撃試験装置からある程度離れた場所で前記保持機構の開閉を操作することで、前記衝突ヘッドが前記材料試験片に衝突し破片が飛散する際の危険が操作者には及ばないようにする。前記センサとしては、光センサ、赤外線センサ、超音波センサ、近接スイッチ等の各種センサが適用される。
本発明によれば、前記ガイド板の荷重が前記材料試験片に加わらない構成であることから、前記材料試験片に衝突させる前記衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値として、前記材料試験片に対する衝撃荷重値を高精度で求めることができる。そして、前記衝突ヘッドが材料試験片に衝突してからの時間毎の衝撃荷重信号を計測器にて記録することで、材料試験片ごとの破壊に要した衝撃エネルギーの大きさを正確に比較評価することができる。
これら本発明によって、材料試験片に衝突させる衝突ヘッドの衝撃荷重値を適切かつ一定な値とする落錘式衝撃試験装置が実現する。
本発明を実施するための最良の形態を以下に説明する。
(実施形態)
本発明を適用した実施形態の落錘式衝撃試験装置を図1から図4に示す。本実施形態の落錘式衝撃試験装置1(以下、装置1と記す)は、板状の基台2と、基台2上の中央に配置されて材料試験片100を支持する支持部材3と、基台2上の後方側に配置されて所定間隔で立設する2本のガイド棒4,4と、ガイド棒4,4に挿通されて昇降自在に動くガイド板5と、ガイド板5の下方に配されて材料試験片100に落下衝突する衝突ヘッド6を備える(図1)。金属棒からなる2本のガイド棒4,4は、ガイド板5を昇降自在に支持しており、基台2と天板19とで挟んでボルト固定することで平行状態を維持している。衝突ヘッド6の真上にはロードセル7が固定されており、ロードセル7の真上には軸部材8が固定されている(図6)。なお、図1では説明の都合上、衝突ヘッド6を所定高さに取り付けた状態(“取付時”と表記している)と、衝突ヘッド6が落下した状態(“落錘時”と表記している)とが併記されているが、実際の装置1では、取付時から落錘時に状態遷移する。
本発明を適用した実施形態の落錘式衝撃試験装置を図1から図4に示す。本実施形態の落錘式衝撃試験装置1(以下、装置1と記す)は、板状の基台2と、基台2上の中央に配置されて材料試験片100を支持する支持部材3と、基台2上の後方側に配置されて所定間隔で立設する2本のガイド棒4,4と、ガイド棒4,4に挿通されて昇降自在に動くガイド板5と、ガイド板5の下方に配されて材料試験片100に落下衝突する衝突ヘッド6を備える(図1)。金属棒からなる2本のガイド棒4,4は、ガイド板5を昇降自在に支持しており、基台2と天板19とで挟んでボルト固定することで平行状態を維持している。衝突ヘッド6の真上にはロードセル7が固定されており、ロードセル7の真上には軸部材8が固定されている(図6)。なお、図1では説明の都合上、衝突ヘッド6を所定高さに取り付けた状態(“取付時”と表記している)と、衝突ヘッド6が落下した状態(“落錘時”と表記している)とが併記されているが、実際の装置1では、取付時から落錘時に状態遷移する。
基台2の下面にはキャスター105が複数配置されており、キャスター105にて装置1を移動させ、ストッパー106にて装置1を適宜固定させる。支持部材3は、一対のブロック状部材31,31に材料試験片100が跨るように載置させる。材料試験片100の下方に空間を作ることで、衝突ヘッド6が材料試験片100上に衝突するときに衝撃力が材料試験片100のみに加わることとなり、衝突ヘッド6が材料試験片100を破壊して下方に進行し停止する。なお、図2では、支持部材3が材料試験片100を両持ち支持している構成であるが、この他に、支持部材3が材料試験片100を片持ち支持する構成としてもよい。
本実施形態のガイド板5は、略楕円形状で板状を呈しており、上面の左右には所定間隔で2つの貫通穴51(第1の貫通穴51)が形成されており、上面の中央には貫通穴52(第2の貫通穴52)が形成されている。第1の貫通穴51にはそれぞれボールスプライン軸受け55が嵌め込まれており、当該ボールスプライン軸受け55を介して、ガイド板5が昇降自在にガイド棒4,4に支持されている。また、第2の貫通穴52にはボールスプライン軸受け56が嵌め込まれており、当該ボールスプライン軸受け56を介して、衝突ヘッド6とロードセル7の真上に固定された軸部材8が昇降自在にガイド板5に支持されている(図2)。
本実施形態によれば、ガイド棒4と第1の貫通穴51や、軸部材8と第2の貫通穴52との直接的な摩擦をなくすことができ、ボールスプライン軸受け55、56の転動体の転がり抵抗が非常に小さいことから、衝突ヘッド6の落下加速度が一定する。また、許容荷重を大きくすることが容易である。
前記支持部材3の両側には間隔をおいて前記ガイド板5の落下を最初に受ける一対の衝撃吸収部材99が前記基台2上に配されている。衝撃吸収部材99は、市販の産業機械用のショックアブソーバを使用している。本実施形態では、ガイド棒4の設置面側にそれぞれ取り付けられており、衝撃吸収部材99の上端はロードセル7よりも高い位置に配されている(図2)。
ガイド板5の上面側には、矢印形状の支持部材58が後方に向かって延設され、装置1の後方側に立設したスケール59を指している。装置1は、その高さが1.5m以上で2m前後の高さがあるが、支持部材58によって、軸部材8を介してガイド板5に支持された衝突ヘッド6を落下させるために取り付ける所定高さから材料試験片100までの衝突距離の設定が容易にできる(図1)。
衝突ヘッド6はハンマーヘッドやインパクトヘッドとも呼称されており、本実施形態では、その先端部が楔形状を呈している(図5、図6等)。衝突ヘッド6の先端は下向きの楔形状となっており、楔形状の角度が約30度で先端が2mmのアール形状(R2)となっている(図5)。衝突ヘッド6の先端は、材料試験片100に加わる衝撃荷重の支点となる。衝突ヘッド6の先端形状は試験方法により適宜設定され、例えばシャルピー衝撃試験やアイゾット衝撃試験等の試験基準に対応させた形状の衝突ヘッド6とすることも可能である。
本実施形態では、円柱状の軸部材8の中心軸P,P上に衝突ヘッド6とロードセル7とがそれぞれ連結固定されており、これによって、衝撃荷重が衝突ヘッド6の先端に集中することとなる。また、ロードセル7が衝突ヘッド6上に近接していることで、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突したときの衝撃荷重値を正確に検出することができる。衝突ヘッド6からの衝撃力の伝達ロスを少なくするため、ロードセル7の下側が衝突ヘッド6の上側とボルト固定されおり、かつ、ロードセル7の上側が軸部材8の下側とボルト固定されている。衝突ヘッド6及びロードセル7は試験方法により適宜交換することが出来るように、アダプターボルト88を介して連結固定されている。
本実施形態では、軸部材8は軸対称であり、その軸径が上方に向かって段階的に小さく設定される段差付きの円柱形状となっており、下から上に向かって順番に、下方側の隔壁89、中央部分86、錘通し部分816、上方側の隔壁815、上方部分813、円周状の溝部812、上端部分811から構成される(図3)。軸部材8は、その中央部分86が、第2の貫通穴52に嵌め込まれたボールスプライン軸受け56を介して昇降自在にガイド板5に支持されており、下方側の隔壁89と上方側の隔壁815との間隔によって、軸部材8が昇降可能な最大ストロークが設定される(図2、図3)。この下方側の隔壁89と上方側の隔壁815との間隔(ストローク)は、前記衝撃吸収部材99がガイド板5の落下を受けた後、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突する際に、衝突ヘッド6が自由落下に近い状態で落下するだけの長さを有している。つまり、ガイド板5が衝撃吸収部材99によって停止した状態で、ガイド板5の上面から材料試験片100の上面までの距離よりも、衝突ヘッド6の先端から中央部分86の上端までの距離が長く設定されている。
本実施形態では、軸部材8の中央部分86の上端がガイド板5の上に突出しており、中央部分86の上では、その軸径が上方に向かって段階的に小さく設定されて段差部分86が形成されて、錘通し部分816となっており、この錘通し部分816に円環状の錘85を取り付けて荷重調節する構成となっている。図2は、上記実施形態の落錘時の試験装置1の下方側を示す斜視図であり、錘85が配されている場合の状態を示している。また、図3は、上記実施形態の錘取付時の試験装置1の上方側を示す斜視図であり、錘85が配されていない場合の状態を示している。
落錘の際には、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突した反動で跳ね上がることがあり、そのときにロードセル7がガイド板5に衝突することを防止するため、軸部材8の下側でロードセル7の付近には、円盤形状の隔壁89が配されている。また、同様に、隔壁89がガイド板5に衝突することがあることから、円盤形状の隔壁89がガイド板5に衝突する場合の衝撃を緩和するために、隔壁89の上面には円環状のゴム板891が配されている(図2)。
軸部材8の上方側の隔壁815は、円環形状を呈しボルト締めすることでその内径を小さくする構造であり、上方部分813の下方側の適切な位置にボルト締めし、中央部分86の上端面と隔壁815の下端面とで錘85を挟んで固定するようになっている(図2)。
本実施形態によれば、円環状の錘85を取り付けて荷重調節することで、材料試験片100に衝突させる衝突ヘッド6の衝撃荷重値を適宜増減させることができる。
軸部材8の上方部分813の上には円周状の溝部812が形成され、溝部812の上が上端部分811となっている(図2)。天板19は、軸部材8の保持機構19となっており、保持機構19に配されたフック902が軸部材8の溝部812を引っ掛けて軸部材8を保持する(図4)。
前記保持機構19は、遠隔操作手段901によって軸部材8を放つ構成となっており、装置1からある程度離れた場所で、タイミングを見計らって保持機構19の開閉を操作することで、前記衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突し破片が飛散する際の危険が操作者には及ばないようにしている。
天板19の上側には、前記軸部材8が放たれるタイミングを非接触で検知する赤外線センサ91が備わっている。本実施形態によれば、前記所定高さにて軸部材8の上方側を保持機構19が保持し、その後、保持機構10が軸部材8を解放し、軸部材8が放たれるタイミングを非接触式センサ91が検知する構成であるので、前記衝突ヘッド6の落下開始時刻が正確に把握できる。
装置1には、計測器としてメモリレコーダM1が備わっている(図1)。メモリレコーダM1は、前記センサ91からのトリガー信号、つまり、軸部材8が放たれるタイミング信号を受信する。また、メモリレコーダM1は、前記ロードセル7からの衝撃荷重信号、つまり、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突したときの衝撃荷重信号を受信する。本実施形態では、メモリレコーダM1は、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突してからの時間毎の衝撃荷重信号を記録する。
本実施形態によれば、ガイド板5の荷重が材料試験片100に加わらない構成であることから、材料試験片100に衝突させる衝突ヘッド6の衝撃荷重値を適切かつ一定な値として、材料試験片100に対する衝撃荷重値を高精度で求めることができる。本実施形態によれば、軸部材8の軸径が上方に向かって段階的に小さく設定される段差部分86が形成され、この段差部分86に円環状の錘85を着脱することで前記衝撃荷重の大きさを調節する構成であることから、材料試験片100に衝突させる衝突ヘッド6の衝撃荷重値を適宜増減させ所望の衝撃荷重値を設定することができる。そして、材料試験片100に対する衝撃荷重値の時間毎の推移、すなわち衝撃荷重の波形データを正確に計測することができる。
(実施例)
本実施形態の装置1を用いて、超硬合金(株式会社サン・アロイ製REA75材)からなる材料試験片100をセットし、900mmの高さから錘85なしで衝突ヘッド6を落下させ衝撃破壊試験を行った。計測器M1は、日置電機株式会社製メモリハイコーダを使用し、1マイクロ秒間隔での記録を行った。
本実施形態の装置1を用いて、超硬合金(株式会社サン・アロイ製REA75材)からなる材料試験片100をセットし、900mmの高さから錘85なしで衝突ヘッド6を落下させ衝撃破壊試験を行った。計測器M1は、日置電機株式会社製メモリハイコーダを使用し、1マイクロ秒間隔での記録を行った。
重力加速度を9.8m/s2とし、900mmの高さから衝突ヘッド6を落下させた場合に、衝突ヘッド6が材料試験片100に衝突するまでの衝突時間は、理論値が0.42秒であり、実測値が0.43秒であった。よって、衝突ヘッド6の落下速度は、ほぼ自由落下であると考えて差し支えない。
図7は、上記衝撃破壊試験での測定データ、つまり、時間−荷重曲線の実測値であり、ロードセル7から出力された衝撃荷重信号波形を示している。この衝撃荷重信号波形から前記材料試験片100に衝突したときの前記衝突ヘッド6の衝撃荷重値の総和を正確に算出することで、衝撃エネルギーの大きさを正確に評価することができる。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。前記ロードセル7からの衝撃荷重信号を、インターフェース経由でパソコンにデータ信号として取り込み、パソコンに内蔵された演算手段によって前記材料試験片に対する衝撃荷重値を演算するとともに、パソコンに付設されたデータベースに予め蓄積しておいた標準材料試験片のデータと比較することもできる。このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることは言うまでもない。
1 落錘式衝撃試験装置、
2 基台、
3 支持部材、
4 ガイド棒、
5 ガイド板、
52 第2の貫通穴(貫通穴)、
6 衝突ヘッド、
7 ロードセル、
8 軸部材、
85 錘、
19 天板(保持機構)、
99 衝撃吸収部材、
100 材料試験片
2 基台、
3 支持部材、
4 ガイド棒、
5 ガイド板、
52 第2の貫通穴(貫通穴)、
6 衝突ヘッド、
7 ロードセル、
8 軸部材、
85 錘、
19 天板(保持機構)、
99 衝撃吸収部材、
100 材料試験片
Claims (3)
- 基台上で材料試験片を支持する支持部材と、基台上に立設したガイド部材に沿って昇降自在に配されるガイド板と、ガイド板の下方に配されて材料試験片に落下衝突する衝突ヘッドとを備え、前記衝突ヘッド上にはロードセルと軸部材とが連結固定され、この軸部材が前記ガイド板に形成された貫通穴に昇降自在に挿通しており、前記衝突ヘッドを前記ガイド板と共に所定高さから同時に落下させると、前記基台上に配された衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けてから、その直後に前記衝突ヘッドが材料試験片に衝突しロードセルから衝撃荷重信号が出力される構成であることを特徴とする落錘式衝撃試験装置。
- 前記軸部材が前記ガイド板から上に突出している上方部分に円環状の錘が着脱自在に配されており、この錘の重量を加減して前記衝撃荷重信号の大きさを調節することを特徴とする請求項1記載の落錘式衝撃試験装置。
- ロードセル及び軸部材が連結固定された衝突ヘッドを備え、この軸部材がガイド板に形成された貫通穴に昇降自在に挿通される構成の落錘式衝撃試験装置を用いて、前記衝突ヘッドを前記ガイド板と共に所定高さから同時に落下させ、衝撃吸収部材が前記ガイド板の落下を最初に受けることで前記ガイド板の衝撃荷重を取り除いた状態とし、その直後に前記衝突ヘッドを材料試験片に衝突させて前記ロードセルから衝撃荷重信号を出力させ、前記衝突ヘッドが材料試験片に衝突してからの時間毎の衝撃荷重信号を計測器にて記録することを特徴とする材料試験片の落錘式衝撃試験方法。
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