JP6375178B2 - 天秤型の食感測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の食感を測定する天秤型の食感測定装置に関する。
食感は、味覚などとともに、食品のおいしさを決める重要な要素の1つである。従って、食品の開発や改良等を行う上で、食感が客観的に評価できれば有利になる。そのため、これまでも食感の測定に関して様々な研究が行われている。
本発明者も、所定形状のプローブを食品に挿入し、その際に発生する振動を利用して食感を評価する測定方法を先に提案している(例えば、特許文献1〜4)。
特許文献3の装置では、レール上でプローブを自由滑走させ、測定対象に衝突させることにより、人の咀嚼を再現し、複数の食感指標の計測を実現している。
図1に、特許文献3の食感測定装置の概要を示す。
図1のSは、測定対象のサンプル(食品)であり、1は検出器である。検出器1にはプローブ2が備えられている。検出器1は、滑走軸3に沿って、外力(摩擦抵抗等)を無視できる状態で滑走できるように構成されている(自由滑走)。検出器1の質量は、予め所定の値に設定される。
測定では、図1の(a)に示すように、検出器1をサンプルSに向けて自由滑走させ、速度vでプローブ2をサンプルSに突入させる。そうして、図1の(b)に示すように、プローブ2がサンプルSに衝突してその内部に入り込むと、サンプルSは破壊される。その際、プローブ2には振動が発生する。
そのプローブ2で発生する振動を検出する。そして、その振動と検出器1の質量とに基づいて演算を行い、振動エネルギーを算出する。この振動エネルギーが、第1の食感指標であり、'Energy Texture Index',「ETI」と称する。
プローブ2がサンプルSに突入した後、検出器1は、サンプルSとプローブ2との間で生じる摩擦抵抗によって減速する。そして、最後には、図1の(c)に示すように、検出器1は停止する。
検出器1が自由滑走してサンプルSに衝突するため、プローブ2がサンプルSに入り込んだ距離、及びプローブ2がサンプルSに入り込んで停止するまでの時間などから、検出器1のサンプルSに対する仕事量が算出できる。この仕事量は、摩擦抵抗によって失われる力学的エネルギー(散逸エネルギー)と実質的に等しい。
これらから導き出されるのが、第2の食感指標としての食品摩擦係数であり、'Food Friction Index',「FFI」と称する。
また、検出器1がサンプルSと衝突する前の運動エネルギー(総エネルギー)は、検出器1が停止するまでに散逸されるエネルギーと実質的に等しい。総エネルギー又は散逸エネルギーに対する振動エネルギーの比率が、第3の食感指標であり、'Vibration Ratio',「VR」と称する。
図2に、特許文献3の食感測定装置100の具体例を示す。
傾斜角度θが任意に設定できるガイドレール101に、検出器102がスライド自在に支持されている。検出器102は、プローブ102a、第1センサ102b、第2センサ102cなどを有し、ガイドレール101に沿って自由滑走する。
質量調整材102dを取り替えることにより、検出器102の質量は任意に設定可能である。第1センサ102bは、プローブ102aで発生する振動を検出し、第2センサ102cは、検出器102の位置を検出する。
この食感測定装置100の場合、次のようにして測定される。
食品のサンプルSが試料台103に固定される。検出器102の突入速度v及び質量mを設定するため、傾斜角度θ及び質量調整材102dの調整が行われる。検出器102を突入位置に移動させ、その位置を測定した後、検出器102がスタート位置にセットされる。
そうして、自重の作用で試料台103に向けて検出器102を自由滑走させることにより、プローブ102aを、所定の速度vでサンプルSに突入させる。第1センサ102bで検出される振動などから、処理装置104によってETI、FFI、VRを算出する。
フィルターモジュール等、本発明の処理装置の基本的な構成は特許文献4に開示されている。
特開2003−287524号公報 特開2007−57476号公報 特開2013−190235号公報 WO2012−029888
特許文献3の装置の場合、ガイドレールを傾斜させることにより、プローブを取り付けた検出器を自由滑走させて測定対象に衝突させている。
そのため、滑走時に生じる振動が、ETIのノイズになり易いという問題があった。
また、咀嚼速度が低い条件は、傾斜角度を小さくして検出器の突入速度を小さくすることで再現できる。ところが、傾斜角度を小さくしていくと、検出器の自由滑走が困難になって測定ができない場合があった。
更には、構造上、検出器の突入速度を精度高く計測するのが難しく、高精度なFFIやVRを安定して測定するのが難しいという問題もあった。
そこで本発明の目的は、ETI等の食感指標を精度高く安定して測定できる食感測定装置を提供することにある。
開示する天秤型の、食品の食感測定装置は、中間部が揺動自在に支持され、両端部が上下逆向きに変位する揺動アームと、前記揺動アームの一方の端部に配置され、重量の調整が可能な第1重量調整部と、前記揺動アームの他方の端部の下方に配置され、サンプルが設置される試料台と、前記揺動アームの他方の端部に脱落不能に支持され、鉛直方向にスライドする作用軸と、前記作用軸に配置され、重量の調整が可能な第2重量調整部と、前記作用軸の下端部に装着されるプローブと、前記プローブで発生する振動を検出する第1センサと、
前記第1センサと電気的に接続された処理装置と、を備える。
重量差を利用して、前記揺動アームの前記他方の端部側を下向きに変位させることにより、前記プローブが、前記試料台に設置された前記サンプルに突入する。そして、前記サンプルに前記プローブが突入した後に前記第1センサが検出する検出値を用いて、前記処理装置が、第1の食感指標としての振動エネルギーを算出するように構成されている。
すなわち、この食感測定装置では、第1重量調整部と、第2重量調整部、作用軸、第1センサ、プローブの重量和との差によって生じる力のモーメントを利用して、プローブを変位させるので、低速でも、プローブを安定してサンプルに突入させることができる。
プローブは、鉛直方向にスライドする作用軸の下端部に装着されていて、鉛直方向に降下してサンプルに突入するので、ほとんど振動を生じずにプローブをサンプルに突入させることができる。従って、第1センサの検出値にノイズがほとんど混入しないので、ETIを精度高く測定することができる。
この食感測定装置は、更に、前記作用軸の速度及び変位量を計測し、前記処理装置と電気的に接続された第2センサを有し、前記第2センサが検出する検出値を用いて、前記処理装置が、第2の食感指標としての食品摩擦係数を算出するように構成することができる。
また、前記第1の食感指標と、前記プローブと前記サンプルとの間で失われる力学的エネルギーとに基づいて、前記処理装置が、第3の食感指標としての振動エネルギーの比率を算出するように構成することもできる。
第2センサで直接、プローブの速度や変位量が計測できるので、FFIやVRも精度高く測定することができる。
また、前記サンプルに突入した後の前記プローブの動きを解析することができるので、第4の食感指標の取得が可能になる。
本発明の天秤型食感測定装置によれば、ETI等の食感指標を精度高く安定して測定できるようになる。
(a)〜(c)は、従来の食感測定装置の概要を示す概略図である。 従来の食感測定装置の具体的構成を示す概略図である。 本実施形態の食感測定装置を示す概略図である。 揺動アームの第2端部を拡大して示す概略図である。 測定開始時の状態を表した概略図である。 処理装置の構成を表したブロック図である。 第1の演算手段が区分する周波数帯域の一例を示した図である。 サンプルA〜Dについて、サンプル突入後のプローブの速度の経時的変化を表したグラフである。 サンプルA〜Dについて、サンプル突入後のプローブの速度と変位量との関係を表したグラフである。 同一サンプルにおける条件別(開封直後:0h、開封1時間後:1h、開封3時間後:3h)での、サンプル突入後のプローブの速度と変位量との関係を表したグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
<食感測定装置の構成>
図3に、本実施形態で開示する食感測定装置を示す。この食感測定装置は、天秤型の構造となっており、基台10、支柱20、ガイドアーム30、揺動アーム40、試料台50、作用軸60、中継端子70、処理装置80などで構成されている。
基台10は、食感測定装置の土台を構成している部分である。基台10は、机の上などに設置され、四隅の脚部11の突出量を調整することにより、上面が水平となる測定姿勢にセットされる。
支柱20は、基台10の上面に固定された円柱状の部材であり、基台10に直交して鉛直方向に延びている。支柱20の中間部に、ガイドアーム30が上下にスライド可能に取り付けられている。ガイドアーム30は、支柱20に片持ち状に取り付けられていて、水平方向に延びている。
ガイドアーム30の先端部には、鉛直方向に貫通するガイド孔31が形成されている。ガイド孔31の近傍には、第2センサ32やストッパ33が設置されている。
第2センサ32は、速度センサからなり、作用軸60がスライドする速度及び変位量を計測する。第2センサ32は、中継端子70を介して処理装置80と電気的に接続されていて、計測した計測値を連続的に処理装置80に出力する。
ストッパ33は、揺動アーム40を受け止めてその過度な揺動を規制する。本実施形態のストッパ33は、上方に突出可能に構成されていて、測定時には、揺動アーム40を所定の高さまで突き上げる(図5参照)。
揺動アーム40は、細長い円柱状または角柱状の部材からなる。揺動アーム40は、その中間部が、支柱20の上端部に支持されていて、水平方向に延びる揺動軸J1回りに揺動自在となっている。揺動アーム40は、その両端部が上下逆向きに変位するように、概ね水平な姿勢に保持されている。
揺動アーム40の一方の端部(第1端部)には、重量の調整が可能な第1重量調整部41が配置されている。第1重量調整部41は、1個ないし複数個の錘Wが脱着可能になっており、これら錘Wの重量を調整することで、第1重量調整部41の重量は、任意に設定できるようになっている。
図4に詳しく示すように、揺動アーム40の他方の端部(第2端部)には、上下方向に貫通して長手方向に延びる長孔42が形成されている。この長孔42に作用軸60の上部が挿通されている。
作用軸60は、細長い棒状の部材である。作用軸60の中間部は、ガイド孔31に遊嵌されており、ガイドアーム30によって鉛直方向にスライド自在に支持されている。作用軸60の上部には、一対の連結ローラ61が、作用軸60を挟んで対向するように設置されている。
これら連結ローラ61は、揺動軸J1と平行な回転軸J2回りに回転自在となっており、揺動アーム40の上端部における長孔42の両側の平坦な部分(ガイド面43)に接触し、長孔42に沿って円滑に転がるように構成されている。作用軸60は、これら連結ローラ61を介して、揺動アーム40に脱落不能に支持されている。
作用軸60の上端部には、重量の調整が可能な第2重量調整部62が配置されている。第2重量調整部62も、第1重量調整部41と同様に、1個ないし複数個の錘Wが脱着可能になっており、これら錘Wの重量を調整することで、第2重量調整部62の重量も任意に設定できるようになっている。
作用軸60の下端部には、プローブ63が取り換え可能に装着されている。また、作用軸60の下端部には、プローブ63で発生する振動を検出する第1センサ64も設置されている。第1センサ64は、中継端子70を介して処理装置80と電気的に接続されていて、計測した計測値を連続的に処理装置80に出力する。
試料台50は、基台10に設置されていて、揺動アーム40の第2端部の下方に配置されている。試料台50は、昇降機構51を介して基台10に支持されており、その高さは任意に調整できるようになっている。
試料台50の上面には、サンプルSが設置される載置面50aが設けられている。載置面50aには、プローブ63を挿通させる挿通孔52が形成されている。
処理装置80は、例えば、コンピュータシステムである。処理装置80は、演算装置、記憶装置及び入出力装置等のハードウエアや、予め記憶装置に実装された制御プログラム及び演算プログラム等のソフトウエアを有している(図示せず)。
処理装置80が、第1センサ64及び第2センサ32から入力される検出値を用いて演算処理することにより、第1〜第3の食感指標であるETI、FFI、VRが得られる(詳細は後述)。
<食感測定装置による測定>
(セッティング)
第1重量調整部41及び第2重量調整部62の錘Wの重量を調整する。例えば、大人の下顎の質量は1kg程度であることから、大人を対象とした食感を測定する場合には、第1重量調整部41及び第2重量調整部62の錘W、作用軸60、第1センサ64、プローブ63の総重量を1kg程度に設定すればよい。
そのうえで、揺動アーム40の第2端部側が下向きに変位するように、第1重量調整部41と第2重量調整部62との間で重量差を設け、その重量差により、プローブ63がサンプルSに突入する突入速度vを調整する。
突入速度vは、力のモーメントに基づき、次の式(1)〜(3)を用いて演算される。
Figure 0006375178
Figure 0006375178
Figure 0006375178
m1は第1重量調整部41に装着される錘Wの質量(kg)、m2は第2重量調整部62に装着される錘W、作用軸60、第1センサ64、プローブ63の質量の総和(kg)、m3は揺動アーム40自体の質量(kg)、gは重力加速度(m/s)、rは揺動軸J1から第1重量調整部41に装着される錘Wの重心までの距離(m)または揺動アーム40水平時の揺動軸J1から連結ローラ61までの距離(m)、tは揺動アーム40の動作開始からの経過時間(s)、cとcは初期条件θ(t=0)=sin−1(h/r)、v(t=0)=0より決定される定数、hは測定開始時に持ち上げられるプローブ63の先端からサンプルSまでの離間距離(m)である。また、dnはヤコビの楕円関数(dn(u,k)=(1−ksn(u,k))1/2)、amはヤコビの楕円関数の振幅(第1種楕円積分の逆関数)である。
例えば、シミュレーションによって検証した結果、質量が0.1kgの揺動アーム40の第1重量調整部41に0.5kgの錘Wを装着し、m2が0.499kgになるよう第2重量調整部62に錘Wを装着して、0.001kgの重量差に設定し、離間距離hを0.1mとした場合において、30mm/sの低速な突入速度vが実現できることを確認した。
また、質量が0.1kgの揺動アーム40の第1重量調整部41に0.5kgの錘Wを装着し、m2が0.48kgになるよう第2重量調整部62に錘Wを装着して、0.02kgの重量差に設定し、離間距離hを0.1mとした場合において、200mm/sの高速な突入速度vが実現できることも確認した。
このように、この食感測定装置によれば、プローブ63の突入速度vを自在に調整することができ、突入速度v、つまり、咀嚼速度が小さい場合でも安定して再現できる。
第1重量調整部41及び第2重量調整部62の錘Wの重量の調整と前後して、試料台50にサンプルSをセットする。なお、サンプルSの剛性や弾性が強い場合は、厚みを薄くするなど、プローブ63の衝突力に対して容易に破壊される状態にしておく。
そして、図3に示したように、揺動アーム40が水平な状態で、プローブ63の先端がサンプルSに接するように、試料台50の高さを調整する。
図5に示すように、処理装置80を操作してストッパ33を突出させることにより、揺動アーム40の第2端部を水平状態より上に持ち上げて、プローブ63の位置を所定の高さまで上昇させる。そうして、ストッパ33をはずす。
そうすると、連結ローラ61より左側部分の揺動アーム40、第2重量調整部62、作用軸60、第1センサ64、プローブ63による力のモーメントが連結ローラ61より右側部分の揺動アーム40、第1重量調整部41による力のモーメントより大きいことによりプローブ63が降下し、調整した突入速度vでプローブ63がサンプルSに突入する。このとき、作用軸60は、揺動アーム40に支持された状態でサンプルSに突入する。
作用軸60は、ガイドアーム30によって鉛直方向にスライド自在に支持されているだけであるので、ほとんど振動を生じさせること無くプローブ63をサンプルSに突入させることができる。従って、第1センサ64の検出値にノイズがほとんど混入しないので、ETIを精度高く測定することができる。
第2センサ32を用いて直接的にプローブ63の速度や変位量が計測できるので、FFIやVRも精度高く測定することができる。
(処理装置)
図6に示すように、処理装置80には、第1の演算手段81、第2の演算手段82及び第3の演算手段83が備えられている。これら各演算手段81,82,83は、上述したハードウエア及びソフトウエアの協働によって実現される。
(第1の演算手段)
第1の演算手段81は、プローブ63がサンプルSに突入した後に第1センサ64が検出する振動と、プローブ63の運動エネルギーを計算する基礎に質量相当量(サンプルSへの突入時にプローブ63に作用する質量(m1+m2+m3/12)である)を用い、これに基づいて、第1の食感指標であるETIを算出する。
第1の演算手段81は、フィルターモジュール81aを含む。第1センサ64から入力される振動信号i1は、フィルターモジュール81aに入力される。フィルターモジュール81aは、入力した振動信号i1を所定の複数の周波数帯域に区分する。
フィルターモジュール81aには、例えば、オクターブフィルター又は半オクターブフィルターを用いることができる。特に、分解能に優れるため、フィルターモジュール81aには半オクターブフィルターが好ましい。本装置のフィルターモジュール81aは半オクターブフィルターとして説明する。
図7に、フィルターモジュール81aが区分する周波数帯域を示す。振動信号i1は、フィルターモジュール81aによって19個の周波数帯域に区分される。第1の演算手段81は、第1センサ64が加速度ピックアップの場合、次の式(4)を用いて、これら周波数帯域ごとに振動エネルギーを算出し、ETIを得る。
Figure 0006375178
mはプローブ63の質量相当量(m1+m2+m3/12)である。fは周波数帯域における上限の周波数である。fは周波数帯域における下限の周波数である。Vは振動信号i1が示す電圧値である。
cは所定の較正係数である。cは、センサの出力電圧値を加速度に変換するための係数であり、実測の加速度をセンサの出力電圧値で除することによって求めることができる。式(4)の右辺は振動エネルギーに相当する。従って、その力学的単位は(J)である。
処理装置80は、第1の演算手段81で得られた各周波数帯域のETIをグラフにして表示する。
(第2の演算手段)
第2の演算手段82は、第2センサ32から入力される信号i2(プローブ63の速度及び変位量のデータ信号)と、プローブ63の質量相当量(m1+m2+m3/12)とに基づいて、第2の食感指標であるFFIを算出する。第2の演算手段82は、信号i2から、プローブ63がサンプルSに突入して停止するまでの時間(作用時間Δt)や、プローブ63がサンプルSに突入して停止するまでの変位量(作用変位量ΔL)を算出する。
第2の演算手段82は、次の式(5)を用いて、食品摩擦係数を算出し、FFIを得る。
Figure 0006375178
vは、プローブ63のサンプルSへの突入速度である。αは、プローブ63がサンプルSに突入して停止するまでの加速度相当量である。αは、例えば、式:α=v/(2ΔL)を用いて算出される。
式(5)の右辺の分子は、サンプルSの摩擦抵抗によってなされた仕事である。この仕事は、プローブ63がサンプルSから受ける力によってなされた仕事:mαΔL、または、突入速度vと、プローブ63の質量相当量mを用いた仕事:1/2・m・v に等しい。
処理装置80は、第2の演算手段82で得られたFFIを表にして表示する。
(第3の演算手段)
第3の演算手段83は、第1の食感指標と、プローブ63とサンプルSとの間で失われる力学的エネルギーとに基づいて、第3の食感指標であるVRを算出する。
突入位置でのプローブ63の運動エネルギー(全エネルギーE)、全ての振動エネルギー(総振動エネルギーE)、及びプローブ63とサンプルSとの間で摩擦抵抗によって失われる力学的エネルギー(散逸エネルギーE)は、それぞれ、次の式(6)、(7)、(8)で表される。
Figure 0006375178
Figure 0006375178
Figure 0006375178
全エネルギーEは、散逸エネルギーEと実質的に等しい。ここで、食品の力学的特性の違いにより、総振動エネルギーEの全エネルギーEに対する分配比率が変化することが考えられる。E=Eにより、総振動エネルギーEの散逸エネルギーEに対する分配比率を考えてもよい。この分配比率に基づき、新たな第3の食感指標として、次の式(9)に示すVRが定義できる。
Figure 0006375178
処理装置80は、第3の演算手段83で得られたVRを表にして表示する。
(新たな食感指標)
この食感測定装置では、プローブ63がサンプルSに突入した後も、プローブ63の速度変化や変位量を高精度に計測することが可能になった。その結果、サンプルSに突入した後のプローブ63の動きを解析することにより、新たな食感指標が得られることが判明した。
図8は、類似の4種の食品(パン)をサンプルA〜Dとし、これら各サンプルA〜Dについて、突入後のプローブ63の相対的な速度(突入速度に対して百分率で表した速度)の経時的変化を表したグラフである。図9は、これら各サンプルA〜Dに突入した後のプローブ63の速度と変位量との関係を表したグラフである。
これらグラフから解るように、プローブ63は、各サンプルA〜Dに突入した後、減速して速度が0になると停止するのではなく、いったん逆向きに変位し(押し戻され)、その後に停止した。
各サンプルA〜Dにおいて、その際のプローブ63の挙動に差があり、これら挙動、すなわち、サンプル突入後のプローブ63の速度と変位量との関係を解析することにより、これまでに無い、新たな食感指標が得られる可能性が認められた。
例えば、図10は、包装された同一食品(パン)の開封後の経過時間別(開封直後:0h、開封1時間後:1h、開封3時間後:3h)に、サンプル突入後のプローブ63の速度と変位量との関係を測定した結果を表している。
各条件で、プローブ63の挙動が大きく変化しており、これら挙動の変化を解析することにより、食感の経時変化や、食品を構成している原材料の比較などの定量的な評価に利用できる。
なお、本発明にかかる食感測定装置は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
例えば、処理装置80は、基台10に組み付けて一体に構成してもよい。揺動アーム40や試料台50等の具体的形状も、仕様に応じて適宜変更できる。第1センサ64や第2センサ32と処理装置80との接続は、無線であってもよい。第2センサ32は、非接触式が好ましいが、接触式であってもよい。
プローブ63の形状は、測定対象や測定目的に応じて適宜変更できる。例えば、先端が球形をしたプローブや、先端に、サンプルSに面接触するプレートを取り付けたプローブなどが利用できる。
プローブ63の突入速度の調整は、錘Wの重量差によるのではなく、第1重量調整部41に装着した錘Wの位置を、揺動アーム40の長手方向に変位させることによって調整してもよい。
10 基台
20 支柱
30 ガイドアーム
32 第2センサ
40 揺動アーム
41 第1重量調整部
50 試料台
51 昇降機構
60 作用軸
61 連結ローラ
62 第2重量調整部
63 プローブ
64 第1センサ
80 処理装置
S サンプル
W 錘

Claims (4)

  1. 天秤型の、食品の食感測定装置であって、
    中間部が揺動自在に支持され、両端部が上下逆向きに変位する揺動アームと、
    前記揺動アームの一方の端部に配置され、重量の調整が可能な第1重量調整部と、
    前記揺動アームの他方の端部の下方に配置され、サンプルが設置される試料台と、
    前記揺動アームの他方の端部に脱落不能に支持され、鉛直方向にスライドする作用軸と、
    前記作用軸に配置され、重量の調整が可能な第2重量調整部と、
    前記作用軸の下端部に装着されるプローブと、
    前記プローブで発生する振動を検出する第1センサと、
    前記第1センサと電気的に接続された処理装置と、
    を備え、
    前記第1重量調整部と前記第2重量調整部との重量差により、前記揺動アームの前記他方の端部側下向きに変位して、前記プローブが、前記試料台に設置された前記サンプルに、調整された所定の突入速度で突入し、
    前記サンプルに前記プローブが突入した後に前記第1センサが検出する検出値を用いて、前記処理装置が、第1の食感指標としての振動エネルギーを算出する食感測定装置。
  2. 請求項1に記載の食感測定装置において、
    更に、前記作用軸の速度及び変位量を計測し、前記処理装置と電気的に接続された第2センサを有し、
    前記第2センサが検出する検出値を用いて、前記処理装置が、第2の食感指標としての食品摩擦係数を算出する食感測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の食感測定装置において、
    前記第1の食感指標と、前記プローブと前記サンプルとの間で失われる力学的エネルギーとに基づいて、前記処理装置が、第3の食感指標としての振動エネルギーの比率を算出する食感測定装置。
  4. 請求項1に記載の食感測定装置において、
    前記サンプルに突入した後の前記プローブの動きを解析することによって第4の食感指標の取得が可能な食感測定装置。
JP2014171731A 2014-08-26 2014-08-26 天秤型の食感測定装置 Active JP6375178B2 (ja)

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