JPWO2016031746A6 - シランカップリング剤層積層高分子フィルム - Google Patents

シランカップリング剤層積層高分子フィルム Download PDF

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Abstract

従来のガラス基板やシリコン基板用の装置を使いフィルムデバイスを提供するために、使用可能な支持体と高分子フィルムから構成されてなる異物かみ込みの少ない積層体を作製することに好適な、高分子フィルム及びその製法及びこの高分子フィルムを使った積層体を提供する。少なくとも、支持体と高分子フィルムから構成されてなる積層体を作製することに適した高分子フィルムであって、シランカップリング剤層を少なくとも片側の面に形成させたシランカップリング剤層積層高分子フィルムであって、該シランカップリング剤層の表面粗さ(Sa)が5.0nm 以下であることを特徴とするシランカップリング剤層積層高分子フィルムを使う。また、当該層積層高分子フィルムを、生産性の良い製造方法として真空を使わずに作ること。

Description

本発明は、高分子フィルムと支持体から構成されてなる積層体の製造に適した高分子フィルムであり、更に詳しくは、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子など薄膜からなり、微細な加工が必要となるデバイスを、高分子フィルム表面に形成するにあたり、一時的ないし半永久的に、高分子フィルムを無機基板なる支持体に貼り合わせた積層体を得るための積層体を利用したフィルムデバイスの作製に適した、耐熱性を有する積層体作製可能な高分子フィルムおよびその作製法およびこれらによる積層体およびこの積層体を利用して作製されたにフレキシブル電子デバイス関する発明である。
情報通信機器(放送機器、移動体無線、携帯通信機器等)、レーダー、高速情報処理装置等における電子部品として、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子などの機能素子(デバイス)が用いられるが、これらは従来、ガラス、シリコンウエハ、セラミック金属基材等の無機基板上にて形成ないし搭載されるのが一般的であった。しかし、近年、電子部品の軽量化、小型・薄型化、フレキシビリティ化が求められるなか、高分子フィルム上に各種機能素子を形成する試みがなされている。
各種機能素子を高分子フィルム表面に形成するにあたっては、高分子フィルムの特性であるフレキシビリティを利用した、いわゆるロール・トゥ・ロールプロセスにて加工することが理想とされる。しかしながら、半導体産業、MEMS産業、ディスプレイ産業等の業界においては、これまでウエハベースまたはガラス基板ベース等のリジッドな平面基板を対象としたプロセス技術が主流であった。そこで、既存インフラを利用して各種機能素子を高分子フィルム表面に形成するために、高分子フィルムを無機物(ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属板など)からなるリジッドな支持体となる、無機基板に貼り合わせておき、所望の素子を形成した後に支持体から剥離するというプロセスが考案された。
一般に機能素子を形成する工程においては、比較的高温が用いられることが多い。例えば、ポリシリコンや酸化物半導体などの機能素子の形成においては200〜500℃程度の温度域が用いられる。低温ポリシリコン薄膜トランジスターの作製においては脱水素化のために450℃程度の加熱が必要になる場合がある。水素化アモルファスシリコン薄膜の作製においても200〜300℃程度の温度域が必要になる。ここに例示した温度域は、無機材料にとってはさほど高い温度ではないが、高分子フィルムや、一般に高分子フィルムの貼り合わせに利用される接着剤にとっては、相当に高い温度である。先に述べた高分子フィルムを無機基板に貼り合わせ、機能素子形成後に剥離するという手法に於いて、従来粘着剤、接着剤を用いて高分子フィルムを無機基板に貼り合わせて加工することは広く行われてきた。(特許文献1) しかし用いられる高分子フルムや貼り合わせに用いられる接着剤、粘着剤にも十分な耐熱性が求められる所以であるが、現実問題としてかかる高温域にて実用に耐える高分子フィルムは限られており、また、従来の貼り合わせ用接着剤、粘着剤に至っては十分な耐熱性を有したものがないのが現状であった。
高分子フィルムを無機基板に仮貼り付けする耐熱接着手段が得られないため、かかる用途においては、無機基板上に高分子フィルムの溶液、ないし前駆体溶液を塗布して無機基板上で乾燥・硬化させてフィルム化して当該用途に使用する技術が知られている。しかしながら、かかる手段により得られる高分子膜は、脆く裂けやすいため、無機基板から剥離する際に機能素子を破壊してしまう場合が多い。特に大面積のデバイスを剥離することは極めて難度が高く、およそ工業的に成り立つ歩留まりを得ることはできない。
固定基板上に、剥離層となる非晶質シリコン膜を介して樹脂基板を形成する工程と、前記樹脂基板上に少なくともTFT素子を形成する工程と、前記非晶質シリコン膜にレーザー光を照射することにより、前記非晶質シリコン膜において前記固定基板から前記樹脂基板を剥離する工程とを行い、前記樹脂基板を用いた柔軟性を有する表示装置を作製することが(特許文献2)開示されているが、剥離に際して接着剤層をレーザー照射やエッチング手段を用いており、煩雑行程かつ高コストになる。また、デバイス作製メーカーにとっては、工程が増えることになるのだが、フィルム側に薄層を付けたものを提供することによってデバイス作製メーカーは工程を減らせるメリットもある。
UV照射によって高分子フィルム同士を接着することは、(特許文献3)開示されており、このときにカップリング剤を使うことも有効であることが示されているが、あくまで高分子フィルム同士の接着に関することであり、カップリング剤自体のUV光照射による、接着剥離力制御を行ったものではない。
本発明者らは、このような事情に鑑み、機能素子を形成するための高分子フィルムと支持体との積層体として、耐熱性に優れ強靭で薄膜化が可能なポリイミドフィルムを、カップリング剤を介して無機物からなる支持体(無機層)に貼り合わせてなる積層体を提案した(特許文献4〜6)。
特開2008−159935号公報 特開2009−260387号公報 特開2008−19348号公報 特開2010−283262号公報 特開2011−11455号公報 特開2011−245675号公報
上述した特許文献4〜6に記載の積層体によれば、所謂接着剤、粘着剤的な要素を用いることなく、高分子フィルムと無機基板との貼り合わせが可能となり、さらにその積層体は薄膜デバイスを製作するに必要な高温に暴露されても、高分子フィルムの剥離は生じない。従って当該積層体を、従来のガラス板やシリコンウエハなどの無機基板上に直接電子デバイスを形成するプロセスに供することにより、高分子フィルム上に電子デバイスを製作することが可能であり、高分子フィルムを無機基板から剥離することによりフレキシブルな電子デバイスの実現が可能となった。
しかしながら、かかる技術は、以下に示すような工業生産上の課題が残るものであった。 特に高精細な電子デバイスの製作を行う場合には、収率が課題となる。高分子フィルムと無機基板間に異物が混入した場合、異物上、およびその周辺においては、異物を支柱と見立てたテント状の構造が生じる。これは高分子フィルムと無機基板の間に空隙を生じ、部分的に接着していない箇所を生じさせることになる。かかる空隙に閉じこめられた気体は、加熱環境下や減圧環境下において膨らもうとするため、膨れ欠陥(ブリスターとも云う)の原因となる。また、空隙部分は接着していない訳であるから、巨視的に接着強度を捉えた場合には、接着強度の変動が大となる。
異物が存在する近傍は、高分子フィルム自体が盛り上がった状態となり、特にフォトリソグラフを用いるパターン形成や、マイクロコンタクト印刷のような高精細なパターン形成の際に、阻害要因となり、良好な電子デバイス形成が行えない場合が生じる。
かかる異物は、無機基板表面と高分子フィルム表面の清浄化と、作業環境のクリーン化により減ずることが可能である。しかしながら、かかる技術の本質的な問題点として、シランカップリング剤そのものに起因する異物の発生がある。例示されている従来技術においては、シランカップリング剤の溶剤溶液を無機基板に液状直接塗布する例が記載されている。シランカップリング剤は取り扱い環境に存在する水分などの影響を受けて、凝集体を作りやすく、例示された直接塗布方法では、溶液中などで意図せずに生成したシランカップリング剤の凝集体も塗布されてしまい、その結果、無機基板上に、シランカップリング剤と共に、その凝集体が異物として散布されたような状態となることを本願発明者らは見出した。かかる異物による悪影響は先に述べたとおりである。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、シランカップリング剤の塗布方法を根本的に改めることにより、シランカップリング剤の凝集体が無機基板に付着することを防止し、品位に優れ、高分子フィルム/無機基板間の接着力が均質化された積層体を供給し、工業生産上の課題を解決するものである。
さらに本発明に寄れば、高分子フィルム剥離後の無機基板表面の粗度が小さく、簡単な洗浄操作後にてシランカップリング剤を再塗布して基板として活用することが可能となり、無機基板のリサイクル性が格段に向上する。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討した結果、高分子フィルムへのシランカップリング剤塗布を気相にて行うことにより、高分子フィルムと無機基板との間に異物の介在しない良好な積層体を提供し、結果として収率良く高精細なフレキシブル電子デバイスの製作が可能となり、なおかつ無機基板のリサイクル性が改善されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は以下の構成からなる。
1.シランカップリング剤層を少なくとも片側の面に形成させたシランカップリング剤層積層高分子フィルムであって、該シランカップリング剤層の3次元表面粗さ(Sa)が5.0nm以下であることを特徴とするシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
2.長径10μm以上の珪素を含む異物の個数が2000個/m2以下である事を特徴とする1に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
3.前記シランカップリング剤層が所定のパターンを形成している事を特徴とする1〜2のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
4.前記高分子フィルムが面積1000cm2以上の高分子フィルムであることを特徴とする1〜3のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
5.前記高分子フィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする、1〜4のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
6.気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させることにより、シランカップリング剤層を形成する工程を含み、該工程において真空を使わないことを特徴とする1〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法
7.バブリング方式により気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させることにより、シランカップリング剤層を形成する工程を含むことを特徴とする6に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
8.シランカップリング剤を気化させる際に、露点0℃以下の乾燥気体をキャリアガスとして使用することを特徴とする7に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
9.気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させる際に、露点5℃以上の気体を共存させる事を特徴とする6〜8のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
10.気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させる際に、該高分子フィルムに電界を加える事を特徴とする6〜8のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
11.シランカップリング剤層を形成する際に、高分子フィルムの一部をマスキングすることによって、パターンを形成することを特徴とする3〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
12.シランカップリング剤層の形成後に、シランカップリング剤層の一部に活性エネルギー線を照射する事により、所定のパターンを形成することを特徴とする3〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
13.少なくとも1枚以上の無機基板と少なくとも一枚以上の1〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムとが接合された積層体であって、該無機基板と該高分子フィルムの剥離強度が0.3N/cm以上、15N/cm以下である事を特徴とする積層体。
14.少なくとも1枚以上の無機基板と少なくとも1枚以上の1〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムとが接合された積層体であって、該無機基板と該高分子フィルムとの間の剥離強度が異なる良好接着部分と易剥離部分とを有しており、該良好接着部分の剥離強度が0.3N/cm以上、15N/cm以下、易剥離部分の剥離強度が0.3N/cm未満かつ良好接着部より0.1N/cm以上弱い剥離強度である事を特徴とする積層体。
15.下記(1)〜(3)の工程を有することを特徴とする、積層体の製造方法。
(1) 気化したシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させることにより、高分子フィルム上に、シランカップリング剤層を形成する工程
(2)該シランカップリング剤層に、活性エネルギー先照射処理を行った高分子フィルムを無機基板に重ねる工程
(3)加圧することにより両者を接着する工程
16.前記13に記載の積層体を用い、該積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、次いで、該高分子フィルムを該電子デバイスごと高分子フィルムから剥離する事を特徴とするフレキシブル電子デバイスの製造方法。
17.前記14に記載の積層体を用い、該積層体の高分子フィルムの、前記易剥離部分に相当する部分の上に電子デバイスを形成し、次いで、該積層体の該易剥離部分の外周に沿って、該高分子フィルムに切り込みを入れ、該高分子フィルムを電子デバイスごと高分子フィルムから剥離する事を特徴とするフレキシブル電子デバイスの製造方法。
本発明に寄れば、高分子フィルムと無機基板との間に異物の介在しない良好な積層体を得ることができ、結果として高分子フィルムと無機基板との接着強度が均質化される。 さらに、本発明によれば、シランカップリング剤層を、同シランカップリング剤の形成時に所定のパターンにて高分子フィルムの一部をマスキングすること、ないし、シランカップリング剤層を形成後に、シランカップリング剤層の一部に所定のパターンに沿って活性エネルギー線照射を行い、意図的に接着力の有/無、ないし強/弱を得て、電子デバイスを形成する際に、デバイス形成プロセス時に高分子フィルムの剥離を生じさせないだけの十分な接着力有する良好接着部分と、比較的容易に高分子フィルムを剥離することが出来る易剥離部分とを所望のパターンで作り分けることができ、該易剥離部分周辺に沿って切り込みを入れて、当該エリア形成された機能素子部分を剥離することが可能となる。
なおさらには、本発明における高分子フィルム剥離後の無機基板表面は、高い平滑性を有し、比較的簡単な洗浄操作により、再びシランカップリング層を形成して、積層体の材料として用いることができるという効果も有する。
また、薄型化が進む単結晶および多結晶Siによる太陽電池には薄くなる為、割れ易く、プロセス中のハンドリング、そして、出来上がった後の耐久性に問題があったが、本発明のポリイミドフィルムを貼ることによる補強基板としての利用もできる。このときに容易に剥がせる部分があるため、電極引き出しも可能な補強基板を作製しうる。
より好適には本発明において、高耐熱性を有する高分子フィルムを用いれば、耐熱性に劣る接着剤や粘着剤を用いることなく貼り合わせが可能であり、機能素子形成の際に180℃以上、好ましくは230℃以上、さらに好ましくは260℃以上の高温を用いて素子形成が可能となる。一般に半導体、誘電体等は、高温で形成した方が膜質の良い薄膜が得られるため、より高性能な機能素子形成が期待できる。本発明によれば、誘電体素子、半導体素子、MEMS素子、ディスプレイ素子、発光素子、光電変換素子、圧電変換素子、熱電変換素子等のデバイスをフィルム基材上に形成したフレキシブル電子デバイスの製造に有用である。
パターン例を示す図である。 気相法の概念図である。
(積層体および製造方法)
本発明の積層体は、少なくとも無機基板、シランカップリング剤及び高分子フィルムを用いて、これらから構成される積層体である。
<無機基板>
本発明においては高分子フィルムの支持体として無機基板を用いる。無機基板とは無機物からなる基板として用いることのできる板状のものであればよく、例えば、ガラス板、セラミック板、半導体ウエハ、金属等を主体としているもの、および、これらガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属の複合体として、これらを積層したもの、これらが分散されているもの、これらの繊維が含有されているものなどが挙げられる。
前記ガラス板としては、石英ガラス、高ケイ酸ガラス(96%シリカ)、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標))、ホウケイ酸ガラス(無アルカリ)、ホウケイ酸ガラス(マイクロシート)、アルミノケイ酸塩ガラス等が含まれる。これらの中でも、線膨張係数が5ppm/K以下のものが望ましく、市販品であれば、液晶用ガラスであるコーニング社製の「コーニング(登録商標)7059」や「コーニング(登録商標)1737」、「EAGLE XG」、旭硝子社製の「AN100」、日本電気硝子社製の「OA10」、SCHOTT社製の「AF32」などが望ましい。
前記セラミック板としては、Al2O3、Mullite、AlN、SiC、Si3N4、BN、結晶化ガラス、Cordierite、Spodumene、Pb−BSG+CaZrO3+Al2O3、Crystallized glass+Al2O3、Crystallized Ca−BSG、BSG+Quartz、BSG+Quartz、BSG+Al2O3、Pb+BSG+Al2O3、Glass−ceramic、ゼロデュア材などの基板用セラミックス、TiO2、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、アルミナ、MgO、ステアタイト、BaTi4O9、BaTiO3、BaTi4+CaZrO3、BaSrCaZrTiO3、Ba(TiZr)O3、PMN−PTやPFN−PFWなどのキャパシター材料、PbNb2O6、Pb0.5Be0.5Nb2O6、PbTiO3、BaTiO3、PZT、0.855PZT−95PT−0.5BT、0.873PZT−0.97PT−0.3BT、PLZTなどの圧電材料が含まれる。
前記半導体ウエハとしては、シリコンウエハ、半導体ウエハ、化合物半導体ウエハ等を用いることができ、シリコンウエハとしては単結晶ないし多結晶のシリコンを薄板上に加工した物であり、n型或はp型にドーピングされたシリコンウエハ、イントリンシックシリコンウエハ等の全てが含まれ、また、シリコンウエハの表面に酸化シリコン層や各種薄膜が堆積されたシリコンウエハも含まれ、シリコンウエハ以外にも、ゲルマニウム、シリコン−ゲルマニウム、ガリウム−ヒ素、アルミニウム−ガリウム−インジウム、窒素−リン−ヒ素−アンチモン、SiC、InP(インジウム燐)、InGaAs、GaInNAs、LT、LN、ZnO(酸化亜鉛)やCdTe(カドミウムテルル)、ZnSe(セレン化亜鉛) などの半導体ウエハ、化合物半導体ウエハなどを用いることが出来る。
前記金属としては、W、V,Mo、Pt、Fe、Ni、Au、Cuといった単一元素金属、インコネル、モネル、ニモニック、炭素銅、Fe−Ni系インバー合金、スーパーインバー合金、といった合金等が含まれる。また、これら金属に、他の金属層、セラミック層を付加してなる多層金属板も含まれる。この場合、付加層との全体のCTEが低ければ、主金属層にCu、Alなども用いられる。付加金属層として使用される金属としては、ポリイミドフィルムとの密着性を強固にするもの、拡散がないこと、耐薬品性や耐熱性が良いこと等の特性を有するものであれば限定されるものではないが、クロム、ニッケル、TiN、Mo含有Cuが好適な例として挙げられる。
前記無機基板の平面部分は、充分に平坦である事が望ましい。具体的には、表面粗さのP−V値が50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは5nm以下である。これより粗いと、高分子フィルムと無機基板との接着強度が不充分となる場合がある。
前記無機基板の厚さは特に制限されないが、取り扱い性の観点より10mm以下の厚さが好ましく、3mm以下がなお好ましく、1.3mm以下がなお好ましい。厚さの加減については特に制限されないが、0.07mm以上、好ましくは0.15mm以上、なお好ましくは0.3mm以上が好ましく用いられる。
前記無機基板の面積は、積層体やフレキシブル電子デバイスの生産効率・コストの観点より、大面積であることが好ましい。1000cm2以上であることが好ましく、1500cm2以上であることがより好ましく、2000cm2以上であることがさらに好ましい。
なお無機基板表面を短波長UV/オゾン照射などの手段により清浄化すること、ないしは液体洗浄剤で清浄化すること等は、好ましい操作である。
<シランカップリング剤>
本発明におけるシランカップリング剤は、仮支持体と高分子フィルムとの間に物理的ないし化学的に介在し、両者間の接着力を高める作用を有する化合物を云う。
シランカップリング剤の好ましい具体例としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、クロロメチルフェネチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンなどが挙げられる。
本発明で用いることのできるシランカップリング剤としては、上記のほかにn−プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリクロロシラン、2−シアノエチルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン、デシルトリクロロシラン、ジアセトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン、ドデシルリクロロシラン、ドデシルトリメトキシラン、エチルトリクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリクロロシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、トリエトキシエチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、トリアセトキシメチルシラン、トリクロロヘキシルシラン、トリクロロメチルシラン、トリクロロオクタデシルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリクロロテトラデシルシラン、トリメトキシプロピルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、ジメトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリクロロ−2−シアノエチルシラン、ジエトキシ(3−グリシジルオキシプロピル)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピル(ジメトキシ)メチルシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、などを使用することもできる。
また、シランカップリング剤の中に他のアルコキシラン類、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを適宜加えても良い。
また、シランカップリング剤の中に他のアルコキシラン類、例えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを適宜加えた場合、あるいは、加えない場合も含めて、混合、加熱操作を加えて、反応を若干進めてから、使用しても良い。
かかるシランカップリング剤の中で、本発明にて好ましく用いられるシランカップリング剤はカップリング剤の、一分子あたりに一個の珪素原子を有する化学構造のシランカップリング剤が好ましい。
本発明では、特に好ましいシランカップリング剤としては、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、アミノフェニルトリメトキシシラン、アミノフェネチルトリメトキシシラン、アミノフェニルアミノメチルフェネチルトリメトキシシランなどが挙げられる。プロセスで特に高い耐熱性が要求される場合、Siとアミノ基の間を芳香族基でつないだものが望ましい。
なお本発明では必要に応じて、リン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤等を併用しても良い。
<シランカップリング剤の塗布方法>
従来の技術では、シランカップリング剤の塗布は、シランカップリング剤をアルコールなどの溶媒で希釈した溶液状態で行われる。しかしながら、本発明ではこのシランカップリング剤塗布工程を気相を介して行うことに特徴がある。すなわち本発明での、気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させるときの、気化とはシランカップリング剤の蒸気、すなわち実質的に気体状態のシランカップリング剤あるいは、微粒子状態のシランカップリング剤が存在する状態を指す。そして、ここへの暴露とは、前記の気化したはシランカップリング剤を含んだ気体あるいは真空状態に高分子フィルムが接触していることを言う。この暴露することにより塗布を行う。シランカップリング剤の蒸気は、液体状態のシランカップリング剤を40℃〜シランカップリング剤の沸点までの温度に加温することによって得ることが出来る。また、これより低い温度においても、前記の蒸気は存在するため、これを利用すること、および、ここにはシランカップリング剤の微粒子が共存する状態も利用できる。また、温度圧力の操作によって、蒸気密度を高める操作を付け加えることも行いうる。シランカップリング剤の沸点は、化学構造によって異なるが、概ね100〜250℃の範囲である。ただし200℃以上の加熱は、シランカップリング剤の有機基側の副反応を招く恐れがあるため好ましくない。
シランカップリング剤を加温する環境は、加圧下、略常圧下、減圧下のいずれでも構わないが、シランカップリング剤の気化を促進する場合には略常圧下ないし減圧下が好ましい。多くのシランカップリング剤は可燃性液体であるため、密閉容器内にて、好ましくは容器内を不活性ガスで置換した後に気化作業を行うことが好ましい。しかし、生産効率向上および生産設備価格低減の観点からは、真空を使わない環境でのシランカップリング剤塗布が望ましい。本発明における真空を使わないシランカップリング剤堆積法とは、堆積時のみに真空を使わないのではなく、通常大気雰囲気で高分子フィルムをセットしてから、キャリアガスに置換してシランカップリング剤を堆積してから、またシランカップリング剤の無い状態に戻す時まで、概略大気圧のままで行うことを指す。
高分子フィルムをシランカップリング剤に暴露する時間は特に制限されないが、20時間以内、好ましくは60分以内、さらに好ましくは15分以内、なおさらに好ましくは1分以内である。
高分子フィルムをシランカップリング剤に暴露する間の高分子フィルム温度は、シランカップリング剤の種類と、求めるシランカップリング剤層の厚さにより−50℃から200℃の間の適正な温度に制御することが好ましい。
シランカップリング剤に暴露された高分子フィルムは、好ましくは、暴露後に、70℃〜200℃、さらに好ましくは75℃〜150℃に加熱される。かかる加熱によって、高分子フィルム表面の水酸基などと、シランカップリング剤のアルコキシ基やシラザン基が反応し、シランカップリング剤処理が完了する。加熱に要する時間は10秒以上10分程度以内である。温度が高すぎたり、時間が長すぎる場合にはカップリング剤の劣化が生じる場合がある。また短すぎると処理効果が得られない。なお、シランカップリング剤に暴露中の基板温度が既に80℃以上である場合には、事後の加熱を省略することも出来る。
本発明では、高分子フィルムのシランカップリング剤塗布面を下向きに保持してシランカップリング剤蒸気に暴露することが好ましい。シランカップリング剤の溶液を塗布する従来法では、必然的に塗布中および塗布前後に高分子フィルムの塗布面が上を向くため、作業環境下の浮遊異物などが無機基板表面に沈着する可能性を否定できない。しかしながら本発明では高分子フィルムを下向きに保持することが出来るため。環境中の異物付着を大幅に減ずることが可能となる。
また、気化したシランカップリング剤を含む気体を高分子基板に暴露させる部屋に導入する際に、一旦2つ以上に気体を分離して導入すること、2つ以上の気体を前記部屋内で衝突させることで乱流を生じさせ、シランカップリング剤分布を均一化させる操作なども有効である。
シランカップリング剤を気化させる方式としては、加熱による蒸発気化以外に、シランカップリング剤液中に気体を導入して気泡を発生させる方式もあり得る。これを以後バブリングと呼ぶ。バブリングについては、単純に気体の通る配管をシランカップリング剤液に入れること、配管の先に多孔質体を取り付けて、微細な気泡が数多く出るようにしたもの、超音波を重畳して、気化を促すものも有効である。
また、気化したシランカップリング剤には、荷電したもの多く、暴露時にフィルムに電界を加えることにより多くのシランカップリング剤を短時間で堆積でき、かつシランカップリング剤が運動エネルギーを持つため、堆積膜が、島状膜になることを抑制できる。また、使用するキャリアガスについては、水分が含まれていると、この水分とシランカップリング剤の反応が始まることが知られている。このため、露点が低いことが有効である。望ましくは、露点15℃以下、さらに望ましくは10℃以下、さらに望ましくは、5℃以下である。
シランカップリング剤層積層高分子フィルムのシランカップリング剤層に存在する長径10μm以上の珪素含有異物数は2000個/m2以下、好ましくは1000個/m2以下、更には500個/m2以下とすることが、本発明の好ましい形態である。また前記操作を組み合わせる事により珪素含有異物数は達成可能である。
カップリング剤の塗布量、厚さについては理論上は1分子層あれば事足り、機械設計的には無視できるレベルの厚さで十分である。一般的には200nm未満(0.2μm未満)であり、150nm以下(0.15μm以下)が好ましく、さらに実用上は100nm以下(0.1μm以下)が好ましく、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは10nm以下である。ただし計算上5nm以下の領域になるとカップリング剤が均一な塗膜としてではなく、クラスター状に存在するケースが想定され、余り好ましくはない。シランカップリング剤層は、無機基板との密着することが、接着のため必要となる。液体や柔軟な層を介した接触ではなく、固体と固体が接触するため、まずは接触しないと接着はできない。フィルムは柔軟さがあるのだが、微細な表面粗さには追従できないため、表面粗さは5.0nm以下が必要となり、望ましくは3.0nm以下がよく、さらに望ましくは、1.0nm以下がよい。
カップリング剤層の膜厚は、エリプソメトリー法、蛍光X線法、ICP法による灰化分析または塗布時のカップリング剤溶液の濃度と塗布量から計算して求めることができる。
<無機基板側のパターン化処理>
本発明においては無機基板側にパターン化処理を行うことができる。ここにパターン化とは、意図的に表面活性化処理の活性度等を操作した領域を作ることを云う。これにより、積層体において無機基板と高分子フィルムとの間の接着強度が異なる良好接着部分と易剥離部分を有し、該良好接着部分と該易剥離部分とが所定のパターンを形成することができる。パターン化処理として、表面活性化処理を行う際に、あらかじめ所定のパターンで準備されたマスクを用いて表面活性化処理量を操作する方法を例示できる。また表面活性化処理を行う際にマスキングないしスキャン操作などの手法を併用することによりパターン化することも可能である。表面活性化後の無機基板表面に、さらに別の活性エネルギー線処理をマスキングないしスキャニングを併用して行い、活性度の強弱を実現することも可能である。ここに活性エネルギー線照射とは、紫外線、電子線、X線等のエネルギー線を照射する操作、さらには極短波長の紫外線照射処理のように紫外線照射光効果と同時に照射面近傍で発生するオゾンガスガス暴露の効果を併せ持つものを含める。さらにこれらの他に、コロナ処理、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、サンドブラスと処理等によってパターン化処理を行うことも可能である。
<高分子フィルム>
本発明における高分子フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、全芳香族ポリエステル、その他の共重合ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、その他の共重合アクリレート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、フッ素化ポリイミド、酢酸セルロース、硝酸セルロース、芳香族ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフェノール、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン等のフィルムを用いることが出来る。本発明において特に効果が顕著・有用であるものは耐熱性が100℃以上の高分子、所謂エンジニアリングプラスチックのフィルムである。ここに耐熱性とはガラス転移温度ないしは熱変形温度を云う。
本発明の高分子フィルムは前記高分子材料の内、熱可塑性の高分子材料については、溶融延伸法によりフィルムを得ることが出来る。
本発明の高分子フィルムの厚さは3μm以上が好ましく、11μm以上がなお好ましい。高分子フィルムの厚さの上限は特に制限されないが、フレキシブル電子デバイスとしての要求より250μm以下であることが好ましく、さらに150μm以下、なおさらには90μm以下が好ましい。
本発明の高分子フィルムの面積は、積層体やフレキシブル電子デバイスの生産効率・コストの観点より、大面積であることが好ましい。1000cm2以上であることが好ましく、1500cm2以上であることがより好ましく、2000cm2以上であることがさらに好ましい。
本発明で特に好ましく用いられる高分子フィルムはポリイミドフィルムであり、芳香族ポリイミド、脂環族ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミドなどを用いることが出来る。本発明を特にフレキシブルディスプレイ素子製造に用いる場合には、無色透明性を有するポリイミド系樹脂フィルムを用いることが好ましいが、反射型、ないし自発光型のディスプレイの背面素子を形成する場合においては、特にこの限りではない。
一般にポリイミドフィルムは、溶媒中でジアミン類とテトラカルボン酸類とを反応させて得られるポリアミド酸(ポリイミド前駆体)溶液を、ポリイミドフィルム作製用支持体に塗布、乾燥してグリーンフィルム(「前駆体フィルム」または「ポリアミド酸フィルム」ともいう)となし、さらにポリイミドフィルム作製用支持体上で、あるいは該支持体から剥がした状態でグリーンフィルムを高温熱処理して脱水閉環反応を行わせることによって得られる。
ポリアミド酸を構成するジアミン類としては、特に制限はなく、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族ジアミン類、脂肪族ジアミン類、脂環式ジアミン類等を用いることができる。耐熱性の観点からは、芳香族ジアミン類が好ましく、芳香族ジアミン類の中では、ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類がより好ましい。ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類を用いると、高い耐熱性とともに、高弾性率、低熱収縮性、低線膨張係数を発現させることが可能になる。ジアミン類は、単独で用いてもよいし二種以上を併用してもよい。
ベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類としては、特に限定はなく、例えば、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、5−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、6−アミノ−2−(m−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2,2’−p−フェニレンビス(5−アミノベンゾオキサゾール)、2,2’−p−フェニレンビス(6−アミノベンゾオキサゾール)、1−(5−アミノベンゾオキサゾロ)−4−(6−アミノベンゾオキサゾロ)ベンゼン、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(4,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,4’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:5,4−d’]ビスオキサゾール、2,6−(3,3’−ジアミノジフェニル)ベンゾ[1,2−d:4,5−d’]ビスオキサゾール等が挙げられる。
上述したベンゾオキサゾール構造を有する芳香族ジアミン類以外の芳香族ジアミン類としては、例えば、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、1,4−ビス[2−(4−アミノフェニル)−2−プロピル]ベンゼン(ビスアニリン)、1,4−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェノキシ)ベンゼン、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−アミノベンジルアミン、p−アミノベンジルアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、4,4’−ジアミノジフェニルスルホキシド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,1−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ブタン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3−メチルフェニル]プロパン、2−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−2−[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−3,5−ジメチルフェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、4,4’−ビス[(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、1,1−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、1,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホキシド、4,4’−ビス[3−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、ビス[4−{4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ}フェニル]スルホン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−トリフルオロメチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−フルオロフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−メチルフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノ−6−シアノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4,5’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ−5−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、3,4’−ジアミノ−5’−ビフェノキシベンゾフェノン、1,3−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−フェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−4−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−5−ビフェノキシベンゾイル)ベンゼン、2,6−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾニトリル、および上記芳香族ジアミンの芳香環上の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、炭素数1〜3のアルキル基またはアルコキシル基、シアノ基、またはアルキル基またはアルコキシル基の水素原子の一部もしくは全部がハロゲン原子で置換された炭素数1〜3のハロゲン化アルキル基またはアルコキシル基で置換された芳香族ジアミン等が挙げられる。
前記脂肪族ジアミン類としては、例えば、1,2−ジアミノエタン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン等が挙げられる。
前記脂環式ジアミン類としては、例えば、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチルシクロヘキシルアミン)等が挙げられる。
芳香族ジアミン類以外のジアミン(脂肪族ジアミン類および脂環式ジアミン類)の合計量は、全ジアミン類の20質量%以下が好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。換言すれば、芳香族ジアミン類は全ジアミン類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
ポリアミド酸を構成するテトラカルボン酸類としては、ポリイミド合成に通常用いられる芳香族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂肪族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)、脂環族テトラカルボン酸類(その酸無水物を含む)を用いることができる。中でも、芳香族テトラカルボン酸無水物類、脂環族テトラカルボン酸無水物類が好ましく、耐熱性の観点からは芳香族テトラカルボン酸無水物類がより好ましく、光透過性の観点からは脂環族テトラカルボン酸類がより好ましい。これらが酸無水物である場合、分子内に無水物構造は1個であってもよいし2個であってもよいが、好ましくは2個の無水物構造を有するもの(二無水物)がよい。テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環族テトラカルボン酸類としては、例えば、シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸等の脂環族テトラカルボン酸、およびこれらの酸無水物が挙げられる。これらの中でも、2個の無水物構造を有する二無水物(例えば、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸二無水物等)が好適である。なお、脂環族テトラカルボン酸類は単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
脂環式テトラカルボン酸類は、透明性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
芳香族テトラカルボン酸類としては、特に限定されないが、ピロメリット酸残基(すなわちピロメリット酸由来の構造を有するもの)であることが好ましく、その酸無水物であることがより好ましい。このような芳香族テトラカルボン酸類としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン酸無水物等が挙げられる。
芳香族テトラカルボン酸類は、耐熱性を重視する場合には、例えば、全テトラカルボン酸類の80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上である。
本発明のポリイミドフィルムは、ガラス転移温度が250℃以上、好ましくは300℃以上、さらに好ましくは350℃以上であり、あるいは500℃以下の領域においてガラス転移点が観測されないことが好ましい。本発明におけるガラス転移温度は、示差熱分析(DSC)により求めるものである。
本発明の高分子フィルムの線膨張係数(CTE)は、好ましくは、−5ppm/K〜+20ppm/Kであり、より好ましくは−5ppm/K〜+15ppm/Kであり、さらに好ましくは1ppm/K〜+10ppm/Kである。CTEが前記範囲であると、一般的な支持体との線膨張係数の差を小さく保つことができ、熱を加えるプロセスに供してもポリイミドフィルムと無機物からなる支持体とが剥がれることを回避できる。また、問題とする本発明におけるポリイミドフィルムの線膨張係数は30から200℃の間の平均の値を用いているが、用途によって、注目する温度範囲は変わり、高温でのプロセスを考慮して、30℃から400℃の範囲を調べる場合、100℃から400℃の範囲の場合もあり、リフロープロセスを念頭において、50℃から280℃の範囲を調べる場合、使用温度範囲として、−50℃から150℃の範囲を重視する場合もありえる。
本発明における高分子フィルムの破断強度は、60MPa以上、好ましくは120MP以上、さらに好ましくは240MPa以上である。破断強度の上限に制限は無いが、事実上1000MPa程度未満である。なお、ここで前記高分子フィルムの破断強度とは、高分子フィルムの長さ方向と幅方向の平均値をさす。
本発明における高分子フィルムと無機基板の接着強度は、前記高分子フィルムの破断強度の1/2以下であることが必要である。
仮に、厚さ10μmのフィルムを用いた本発明の積層体において、フィルムの接着強度が0.5N/cmであったとする。
幅10mmのフィルムに加わる破断力は、0.5N/(10μm×10mm)=0.5N/0.1平方mm=5MPaとなる。かような場合、フィルムにこの10倍程度すなわち50MPa以上の破断強度があれば、フィルムを剥離する際に支障なく剥離操作が可能となる。該接着強度は、好ましくは前記高分子フィルムの破断強度の1/3以下、より好ましくは1/4以下である。
本発明における良好接着部分とは、無機基板とポリイミドフィルムの接着強度が強い部分を指し、本発明における易剥離部分とは、無機基板とポリイミドフィルムの接着強度が弱い部分を指す。前記易剥離部分の接着強度は、良好接着部分の接着強度の1/2以下であることが好ましく、より好ましくは、1/3以下、さらに好ましくは1/4以下である。接着強度の下限値は特に制限されないが、前記良好接着部分においては0.5N/cm以上、前記易剥離部分においては0.01N/cm以上であることが好ましい。
本発明における高分子フィルムの厚さ斑は、20%以下であることが好ましく、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは7%以下、特に好ましくは4%以下である。厚さ斑が20%を超えると、狭小部へ適用し難くなる傾向がある。なお、フィルムの厚さ斑は、例えば接触式の膜厚計にて被測定フィルムから無作為に10点程度の位置を抽出してフィルム厚を測定し、下記式に基づき求めることができる。
フィルムの厚さ斑(%)
=100×(最大フィルム厚−最小フィルム厚)÷平均フィルム厚
本発明における高分子フィルムは、その製造時において幅が300mm以上、長さが10m以上の長尺ポリイミドフィルムとして巻き取られた形態で得られるものが好ましく、巻取りコアに巻き取られたロール状ポリイミドフィルムの形態のものがより好ましい。
高分子フィルムにおいては、ハンドリング性および生産性を確保する為、フィルム中に滑材(粒子)を添加・含有させて、高分子フィルム表面に微細な凹凸を付与して滑り性を確保することが好ましい。前記滑材(粒子)とは、好ましくは無機物からなる微粒子であり、金属、金属酸化物、金属窒化物、金属炭素化物、金属酸塩、リン酸塩、炭酸塩、タルク、マイカ、クレイ、その他粘土鉱物、等からなる粒子を用いることができる。好ましくは、酸化珪素、リン酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、ガラスフィラーなどの金属酸化物、リン酸塩、炭酸塩を用いることができる。滑材は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記滑材(粒子)の体積平均粒子径は、通常0.001〜10μmであり、好ましくは0.03〜2.5μm、より好ましくは0.05〜0.7μm、さらに好ましくは0.05〜0.3μmである。かかる体積平均粒子径は光散乱法で得られる測定値を基準とする。粒子径が下限より小さいと高分子フィルムの工業的生産が困難となり、また上限を超えると表面の凹凸が大きくなりすぎて貼り付け強度が弱くなり、実用上の支障が出る虞がある。
前記滑材の添加量は、高分子フィルム中の高分子成分に対する添加量として、0.02〜50質量%であり、好ましくは0.04〜3質量%、より好ましくは0.08〜1.2質量%である。滑材の添加量が少なすぎると滑材添加の効果が期待し難く、滑り性の確保がそれほどなく高分子フィルム製造に支障をきたす場合があり、多すぎると、フィルムの表面凹凸が大きくなり過ぎて、滑り性の確保が見られても平滑性の低下を招いたり、高分子フィルムの破断強度や破断伸度の低下を招いたり、CTEの上昇を招くなどの課題を招く場合がある。
高分子フィルムに滑材(粒子)を添加・含有させる場合、滑材が均一に分散した単層の高分子フィルムとしてもよいが、例えば、一方の面が滑材を含有させた高分子フィルムで構成され、他方の面が滑材を含有しないか含有していても滑材含有量が少量である高分子フィルムで構成された多層の高分子フィルムとしてもよい。このような多層高分子のフィルムにおいては、一方の層(フィルム)表面に微細な凹凸が付与されて該層(フィルム)で滑り性を確保することができ、良好なハンドリング性や生産性を確保できる。
多層高分子フィルムは、溶融延伸製膜法に製造されるフィルムの場合、例えばまず、滑剤含有しない高分子フィルム原料を用いてフィルム化を行い、その工程途上に置いて少なくともフィルムの片面に、滑剤を含有する樹脂層を塗布することにより得ることが出来る。もちろん、この逆で、滑剤を含有する高分子フィルム原料を用いてフィルム化を行い、その工程途上、ないし、フィルム化が完了した後に、滑剤を含有しない高分子フィルム原料を塗布してフィルムを得ることも出来る。
ポリイミドフィルムのような溶液製膜法を用いて得られる高分子フィルムの場合にも同様で、例えば、ポリアミド酸溶液(ポリイミドの前駆体溶液)として、滑材(好ましくは平均粒子径0.05〜2.5μm程度)をポリアミド酸溶液中のポリマー固形分に対して0.02質量%〜50質量%(好ましくは0.04〜3質量%、より好ましくは0.08〜1。2質量%)含有したポリアミド酸溶液と、滑材を含有しないか又はその含有量が少量(好ましくはポリアミド酸溶液中のポリマー固形分に対して0.02質量%未満、より好ましくは0.01質量%未満)である2種のポリアミド酸溶液を用いて製造することができる。
多層高分子フィルムの多層化(積層)方法は、両層の密着に問題が生じなければ、特に限定されるものではなく、かつ接着剤層などを介することなく密着するものであればよい。
ポリイミドフィルムの場合、例えば、i)一方のポリイミドフィルムを作製後、このポリイミドフィルム上に他方のポリアミド酸溶液を連続的に塗布してイミド化する方法、ii)一方のポリアミド酸溶液を流延しポリアミド酸フィルムを作製後このポリアミド酸フィルム上に他方のポリアミド酸溶液を連続的に塗布した後、イミド化する方法、iii)共押し出しによる方法、iv)滑材を含有しないか又はその含有量が少量であるポリアミド酸溶液で形成したフィルムの上に、滑材を多く含有するポリアミド酸溶液をスプレーコート、Tダイ塗工などで塗布してイミド化する方法などを例示できる。本発明では、上記i)ないし上記ii)の方法を用いることが好ましい。
多層の高分子フィルムにおける各層の厚さの比率は、特に限定されないが、滑材を多く含有する高分子層を(a)層、滑材を含有しないか又はその含有量が少量である高分子層を(b)層とすると、(a)層/(b)層は0.05〜0.95が好ましい。(a)層/(b)層が0.95を超えると(b)層の平滑性が失われがちとなり、一方0.05未満の場合、表面特性の改良効果が不足し易滑性が失われることがある。
<高分子フィルムの表面活性化処理>
本発明において用いられる高分子フィルムには表面活性化処理を行うことが好ましい。該表面活性化処理によって、高分子フィルム表面は官能基が存在する状態(いわゆる活性化した状態)に改質され、シランカップリング剤に対する接着性が向上する。
本発明における表面活性化処理とは、乾式、ないし湿式の表面処理である。本発明の乾式処理としては、紫外線、電子線、X線などの活性エネルギー線を表面に照射する処理、コロナ処理、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、火炎処理、イトロ処理等を用いることが出来る。湿式処理としては、フィルム表面を酸ないしアルカリ溶液に接触させる処理を例示できる。本発明に置いて好ましく用いられる表面活性化処理は、プラズマ処理であり、プラズマ処理と湿式の酸処理の組み合わせである。
プラズマ処理は、特に限定されるものではないが、真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、マイクロ波ECRプラズマ処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理などがあり、フッ素を含むガス処理、イオン源を使ったイオン打ち込み処理、PBII法を使った処理、熱プラズマに暴露する火炎処理、イトロ処理なども含める。これらの中でも真空中でのRFプラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、大気圧プラズマ処理が好ましい。
プラズマ処理の適当な条件としては、酸素プラズマ、CF4、C2F6などフッ素を含むプラズマなど化学的にエッチング効果が高いことが知られるプラズマ、或はNe,Ar、Kr,Xe、プラズマのように物理的なエネルギーを高分子表面に与えて物理的にエッチングする効果の高いプラズマによる処理が望ましい。また、CO2、CO、H2、N2、NH4、CH4などプラズマ、およびこれらの混合気体や、さらに水蒸気を付加することも好ましい。これらに加えてOH、N2, N, CO、CO2, H、H2、O2、NH、NH2、NH3、COOH、NO、NO2、 He, Ne, Ar, Kr, Xe, CH2O, Si(OCH3)4、 Si(OC2H5)4、C3H7Si(OCH3)3、
C3H7Si(OC2H5)3 といったからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の成分を気体としてあるいはプラズマ中での分解物として含有したプラズマを作る必要がある。短時間での処理を目指す場合、プラズマのエネルギー密度が高く、プラズマ中のイオンの持つ運動エネルギーが高いもの、活性種の数密度が高いプラズマが望ましいが、表面平滑性を必要とするため、エネルギー密度を高める事には限界がある。酸素プラズマを使った時には、表面酸化が進み、OH基の生成という点ではよいのだが、既にフィルム自体との密着力に乏しい表面ができやすく、かつ表面のあれ(粗さ)が大きくなるため、密着性も悪くなる。
また、Arガスを使ったプラズマでは純粋に物理的な衝突の影響が表面ではおこり、この場合も表面のあれが大きくなる。これら総合的に考えると、マイクロ波プラズマ処理、マイクロ波ECRプラズマ処理、高いエネルギーのイオンを打ち込みやすいイオン源によるプラズマ照射、PBII法なども望ましい。
かかる表面活性化処理は高分子表面を清浄化し、さらに活性な官能基を生成する。生成した官能基は、カップリング剤層と水素結合ないし化学反応により結びつき、高分子フィルム層とカップリング剤層とを強固に接着することが可能となる。
プラズマ処理においては高分子フィルム表面をエッチングする効果も得ることが出来る。特に滑剤粒子を比較的多く含む高分子フィルムにおいては、滑剤による突起が、フィルムと無機基板との接着を阻害する場合がある。この場合、プラズマ処理によって高分子フィルム表面を薄くエッチングし、滑剤粒子の一部を露出せしめた上で、フッ酸にて処理を行えば、フィルム表面近傍の滑剤粒子を除去することが可能である。
表面活性化処理は、高分子フィルムの片面のみに施してもよいし、両面に施してもよい。片面にプラズマ処理を行う場合、並行平板型電極でのプラズマ処理で片側の電極上に高分子フィルムを接して置くことにより、高分子フィルムの電極と接していない側の面のみにプラズマ処理を施すことができる。また2枚の電極間の空間に電気的に浮かせる状態で高分子フィルムを置くようにすれば、両面にプラズマ処理が行える。また、高分子フィルムの片面に保護フィルムを貼った状態でプラズマ処理を行うことで片面処理が可能となる。なお保護フィルムとしては粘着剤付のPETフィルムやオレフィンフィルムなどが使用できる。
<高分子フィルムのパターン化処理>
本発明においては高分子フィルムにパターン化処理を行うことができる。ここにパターン化とは、意図的にシランカップリング剤の塗布量ないし活性度等を操作した領域を作ることを云う。これにより、積層体において無機基板と高分子フィルムとの間の接着強度が異なる良好接着部分と易剥離部分を有し、該良好接着部分と該易剥離部分とが所定のパターンを形成することができる。パターン化処理として、シランカップリング剤塗布を行う際に、あらかじめ所定のパターンで準備されたマスクを用いて、シランカップリング剤の塗布量を操作する方法を例示できる。またシランカップリング剤の塗布面に活性エネルギー線照射を行い、その際に、マスキングないしスキャン操作などの手法を併用することによりパターン化することも可能である。ここに活性エネルギー線照射とは、紫外線、電子線、X線等のエネルギー線を照射する操作、さらには極短波長の紫外線照射処理のように紫外線照射光効果と同時に照射面近傍で発生するオゾンガスガス暴露の効果を併せ持つものを含める。これらの光源としては、エキシマランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、Xeエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Xeランプ、XeClエキシマレーザー、XeFエキシマレーザー、Arレーザー、D2ランプなどが挙げられる。中でも、エキシマランプ、低圧水銀ランプ、Xeエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザーなどが好ましい。さらにこれらの他に、コロナ処理、真空プラズマ処理、常圧プラズマ処理、サンドブラスと処理等によってパターン化処理を行うことも可能である。
<フィルムラミネート方法>
本発明では、仮支持体として無機基板を用い、シランカップリング剤層を介して高分子フィルムを貼り合わせ、ないし、乾燥製膜することにより、積層体を得る。高分子フィルムを貼り合わせる場合には、仮支持用無機基板にシランカップリング剤層積層高分子フィルムのシランカップリング剤層の面を重ね、加圧することにより積層体を得る。
加圧処理は、例えば、大気圧雰囲気下あるいは真空中で、プレス、ラミネート、ロールラミネート等を、加熱しながら行えばよい。またフレキシブルなバッグに入れた状態で加圧加熱する方法も応用できる。生産性の向上や、高い生産性によりもたらされる低加工コスト化の観点からは、大気雰囲気下でのプレスまたはロールラミネートが好ましく、特にロールを用いて行う方法(ロールラミネート等)が好ましい。
加圧処理の際の圧力としては、1MPa〜20MPaが好ましく、さらに好ましくは3MPa〜10MPaである。圧力が高すぎると、支持体を破損するおそれがあり、圧力が低すぎると、密着しない部分が生じ、接着が不充分になる場合がある。
加圧処理の際の温度としては、用いる高分子フィルムの耐熱温度を超えない範囲にて行う。非熱可塑性のポリイミドフィルムの場合には10℃〜400℃、さらに好ましくは150℃〜350℃での処理が好ましい。
また加圧処理は、上述のように大気圧雰囲気中で行うこともできるが、全面の安定した接着強度を得る為には、真空下で行うことが好ましい。このとき真空度は、通常の油回転ポンプによる真空度で充分であり、10Torr以下程度あれば充分である。
加圧加熱処理に使用することができる装置としては、真空中でのプレスを行うには、例えば井元製作所製の「11FD」等を使用でき、真空中でのロール式のフィルムラミネーターあるいは真空にした後に薄いゴム膜によりガラス全面に一度に圧力を加えるフィルムラミネーター等の真空ラミネートを行うには、例えば名機製作所製の「MVLP」等を使用できる。
前記加圧処理は加圧プロセスと加熱プロセスとに分離して行うことが可能である。
この場合、まず、比較的低温(例えば120℃未満、より好ましくは95℃以下の温度)で高分子フィルムと無機基板とを加圧(好ましくは0.2〜50MPa程度)して両者の密着確保し、その後、低圧(好ましくは0.2MPa未満、より好ましくは0.1MPa以下)もしくは常圧にて比較的高温(例えば120℃以上、より好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは150〜230℃)で加熱することにより、密着界面の化学反応が促進されて高分子フィルムと仮支持用無機基板とを積層できる。
<フレキシブル電子デバイスの製造方法>
本発明の積層体を用いると、既存の電子デバイス製造用の設備、プロセスを用いて積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、積層体から高分子フィルムごと剥離することで、フレキシブルな電子デバイスを作製することができる。
本発明における電子デバイスとは、電気配線を担う配線基板、トランジスタ、ダイオードなどの能動素子や、抵抗、キャパシタ、インダクタなどの受動デバイスを含む電子回路、他、圧力、温度、光、湿度などをセンシングするセンサー素子、発光素子、液晶表示、電気泳動表示、自発光表示などの画像表示素子、無線、有線による通信素子、演算素子、記憶素子、MEMS素子、太陽電池、薄膜トランジスタなどを云う。
積層体から高分子フィルムを剥離する方法としては、無機基板側から強い光を照射し、無機基板と高分子フィルム間の接着部位を熱分解、ないし光分解させて剥離する方法、あらかじめ接着強度を弱めておき、高分子フィルムの弾性強度限界値未満の力で高分子フィルムを引きはがす方法、加熱水、加熱蒸気などに晒し、無機基板と高分子フィルム界面の結合強度を弱めて剥離させる方法などを例示することが出来る。
本発明において、無機基板側、ないし、高分子フィルム側、さらには高分子フィルムと無機基板の両方にパターン化処理が成された場合、パターン化処理により高分子フィルムと無機基板との接着力が低くなる領域(易剥離部と呼ぶ)に電子デバイスを形成し、次いで、その領域の外周部に切り込みを入れ、高分子フィルムの電子デバイスが形成されたエリアを無機基板から剥離する事によりフレキシブル電子デバイスを得ることが出来る。該方法により、高分子フィルムと無機基板の剥離がより容易になる。
積層体の易剥離部の外周に沿って高分子フィルムに切り込みを入れる方法としては、刃物などの切削具によって高分子フィルムを切断する方法や、レーザーと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、ウォータージェットと積層体を相対的にスキャンさせることにより高分子フィルムを切断する方法、半導体チップのダイシング装置により若干ガラス層まで切り込みつつ高分子フィルムを切断する方法などを用いることができる。また、これらの方法の組み合わせや、切削具に超音波を重畳させたり、往復動作や上下動作などを付け加えて切削性能を向上させる等の手法を適宜採用することもできる。
積層体の易剥離部外周の高分子フィルムに切り込みを入れるにあたり、切り込みを入れる位置は、少なくとも易剥離部の一部を含んでいればよく、基本的には所定のパターンに従って切断すれば良いが、誤差の吸収、生産性の観点などより、適宜判断すればよい。
高分子フィルムを支持体から剥離する方法としては、特に制限されないが、ピンセットなどで端から捲る方法、デバイス付きの高分子フィルムの切り込み部分の1辺に粘着テープを貼着させた後にそのテープ部分から捲る方法、デバイス付きの高分子フィルムの切り込み部分の1辺を真空吸着した後にその部分から捲る方法等が採用できる。なお、剥離の際に、デバイス付きの高分子フィルムの切り込み部分に曲率が小さい曲がりが生じると、その部分のデバイスに応力が加わることになりデバイスを破壊する虞があるため、極力曲率の大きな状態で剥がすことが望ましい。例えば、曲率の大きなロールに巻き取りながら捲るか、あるいは曲率の大きなロールが剥離部分に位置するような構成の機械を使って捲ることが望ましい。
また、剥離する部分に予め別の補強基材を貼りつけて、補強基材ごと剥離する方法も有用である。剥離するフレキシブル電子デバイスが、表示デバイスのバックプレーンである場合、あらかじめ表示デバイスのフロントプレーンを貼りつけて、無機基板上で一体化した後に両者を同時に剥がし、フレキシブルな表示デバイスを得ることも可能である。
<無機基板のリサイクル>
本発明においては、目的である電子デバイスを剥離した後の支持基板から残存する高分子フィルムを完全に除去し、簡便な洗浄処理等を行う事により、無機基板の再利用が可能である。従来の、液状塗布によりシランカップリング剤層を形成した場合には、シランカップリング剤の凝集物や、その他の異物の付着により、高分子フィルムを剥離後の無機基板表面に、凹凸やシランカップリング剤層の厚さ斑などが存在し、再利用するためには無機基板表面層を研磨して平面を確保する必要があった。本発明の塗布法によれば、高分子フィルム剥離後の無機基板表面の品位が良く再研磨は不要となる。
〈電子デバイス〉
本発明でのデバイスとして電子回路用配線のみ、電気抵抗や、コイル、コンデンサーといった受動デバイス、半導体素子などを含む能動デバイス、およびそれらを組み合わせて得られる。電子回路システムがあり、半導体素子としては、太陽電池、薄膜トランジスター、MEMS素子、センサー、論理回路が挙げられる。
本発明のポリイミドフィルムを使用した積層体を使用する太陽電池は、積層体のポリイミドフィルム基材上に半導体からなる光電変換層を含む積層体が形成されてなる。この積層体は、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換層を必須の構成として有し、通常、得られた電気エネルギーを取出すための電極層などをさらに有するものである。
以下、フィルム状太陽電池を構成するよう形成される上記積層体の典型例として、光電変換層を一対の電極層で挟んでなる積層構造を説明する。しかし光電変換層を何層か積み重ねた構成なども、PVD、CVDでの作製ならば、本発明の太陽電池といえる。本発明で形成される積層構造は以下に記載される態様に限定されず、従来技術の太陽電池が有する積層体の構成を適宜参照してよく、保護層や公知補助手段を付加してもよいものである。
上記一対の電極層における一方の電極層(以下、裏面電極層とも記載する)は、好ましくは、ポリイミドフィルム基材の一主面上に形成される。裏面電極層は自体公知の方法、例えばCVD(ケミカル・ベ−パ−・デポジション)法やスパッタ法によって、導電性無機材料を積層することによって得られる。導電性無機材料としては、Al、Au、Ag、Cu、Ni、ステンレス鋼などの金属薄膜や、In2O3、SnO2、ZnO、Cd2SnO4、ITO(In2O3 にSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の導電材料などが挙げられる。裏面電極層の厚さは特に限定はなく、通常、30〜1000nm程度である。好ましくは、裏面電極層は金属薄膜である。また、一部の電極引き出しで、Agペーストといった真空を利用しない膜形成を使用しても、本発明の太陽電池といえる。
太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する光電変換層は、半導体からなる層であり、I族元素とIII族元素とVI族元素とからなる化合物半導体薄膜(カルコパイライト構造半導体薄膜)であるCuInSe2(CIS)膜、またはこれにGaを固溶したCu(In,Ga)Se2(CIGS)膜(以下、両者をまとめてCIS系膜ともいう)、シリコン系半導体からなる層である。シリコン系半導体には、薄膜シリコン層、無定形シリコン層、多結晶シリコン層などが挙げられる。光電変換層は、異なる半導体からなる複数の層を有する積層体であってもよい。また、色素を用いた光電変換層であっても良い。さらに導電性ポリマーやフラーレンなどの有機化合物よる有機薄膜半導体を用いるものでもよい。
薄膜シリコン層は、プラズマCVD法、熱CVD法、スパッタリング法、クラスタイオンビーム法、蒸着法などによって得られるシリコン層である。
無定形シリコン層は、実質的に結晶性をもたないシリコンからなる層である。実質的に結晶性をもたないことは、X線を照射しても回折ピークを与えないことによって確かめることができる。無定形シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、例えば、プラズマCVD法や熱CVD法などが含まれる。
多結晶シリコン層は、シリコンからなる微小結晶の集合体からなる層である。上述の無定形シリコン層とは、X線の照射により回折ピークを与えることによって区別される。多結晶シリコン層を得る手段は公知であり、そのような手段には、無定形シリコンを熱処理する手段などが含まれる。本発明で用いる光電変換層は、シリコン系半導体層に限られず、例えば、厚膜半導体層であってもよい。厚膜半導体層とは酸化チタン、酸化亜鉛、ヨウ化銅などのペーストから形成される半導体層である。
半導体材料を光電変換層として構成する手段は公知の方法を適宜参照してよい。例えば、200〜500℃の温度下で、SiH4にフォスフィン(PH3)を添加したガス中で高周波プラズマ放電を行うことで約20nmのa−Si(n層)を形成し、続いてSiH4ガスのみで約500nmのa−Si(i層)を形成し、続いてSiH4にジボラン(B2H6)を添加して、約10nmのp−Si(p層)を形成することができる。
光電変換層を挟む一対の電極層のうち、ポリイミドフィルム基材とは反対側に設けられる電極層(以下、集電電極層ともいう)は、導電フィラーとバインダー樹脂を含む導電性ペーストを固めてなる電極層であったり、透明電極層であってもよい。透明電極層としては、In2O3、SnO2、ZnO、Cd2SnO4、ITO(In2O3にSnを添加したもの)などの酸化物半導体系の材料を好ましく用いることができる。
かくして、本発明の好適な態様例である、透明電極/p型a−Si/i型a−Si/n型a−Si/金属電極/ポリイミドフィルムの順で積層されてなるフィルム状太陽電池が得られる。また、p層をa−Si、n層を多結晶シリコンとして、両者の間に薄いアンド−プa−Si層を挿入した構造にしてもよい。特に、a−Si/多結晶シリコン系のハイブリッド型にすると、太陽光スペクトルに対する感度が改善される。太陽電池の作製においては、上記構成に加えて、反射防止層、表面保護層などを付加せしめてもよい。
応用例としての薄膜トランジスター(TFT)は、トランジスターを構成する半導体層および素子を構成する絶縁膜、電極、保護絶縁膜などが、薄膜を堆積させて作製されているものをいう。通常シリコンウエハのシリコンを半導体層として使用するものとは、区別する。通常薄膜を真空蒸着などのPVD(物理的蒸着)、プラズマCVDなどのCVD(化学的蒸着)といった、真空を利用する手法によって作製する。このため、シリコンウエハのように単結晶ではないものを含む。Siを使っても、微結晶シリコンTFT、高温ポリシリコンTFT、低温ポリシリコンTFT、そして酸化物半導体TFT、有機半導体TFTなどを含む。
応用例としてのMEMS素子としては、MEMS技術を利用して作製した物をさし、インクジェットプリンターヘッド、走査型プローブ顕微鏡用プローブ、 LSIフ゜ローバー用コンタクタ、マスクレス露光用光空間変調器、 光集積化素子、 赤外線センサー、 流量センサー、加速度センサー、MEMSジャイロセンサー、RF MEMS スイッチ、 体内、体外血圧センサーそして、グレーティングライトバルブ、デジタルマイクロミラーデバイスなどを使ったビデオプロジェクターなどを含む。
応用例としてのセンサーとしては、ストレインゲージ(ひずみゲージ) , ロードセル, 半導体圧力センサー, 光センサー , 光電素子 , フォトダイオード , 磁気センサー , 接触式温度センサー , サーミスタ温度センサー , 抵抗測温体温度センサー , 熱電対温度センサー , 非接触式温度センサー , 放射温度計 , マイクロフォン , イオン濃度センサー ,ガス濃度センサー , 変位 センサー, ポテンショメータ , 差動トランス変位 センサー, 回転角センサー , リニアエンコーダ, タコジェネレータ , ロータリエンコーダ , 光位置センサー (PSD) , 超音波距離計 , 静電容量変位計 , レーザードップラー振動速度計 , レーザードップラー流速計 , ジャイロセンサー , 加速度センサー, 地震センサー,一次元画像,リニアイメージセンサー, 二次元画像, CCDイメージセンサー, CMOSイメージセンサー,液, 漏液センサー(リークセンサー), 液検知センサー(レベルセンサー), 硬度センサー, 電場センサー, 電流センサー, 電圧センサー, 電力センサー, 赤外線センサー, 放射線センサー, 湿度センサー, においセンサー, 流量センサー, 傾斜センサー, 振動センサー, 時間センサーおよび、これらのセンサーを複合した複合センサーや、これらのセンサーで検出した値から何らかの計算式に基づき別の物理量や感性値などを出力するセンサーなどを含む。
応用例としての論理回路としては、NAND、ORを基本とした論理回路および、クロックにより、同期が取られたものも含む。
これらの積層体を使用しての金属化、その後のパターン作製においても良好なパターンを得ることが出来、デバイス作製などの行程に耐え得る積層体にもなる。特に積層体の耐熱性が高いことから、作製できるデバイスの範囲が広く、これらの極小薄のセンサー表示デバイス、プローブ、集積回路、およびこれらの複合デバイス、アモルファスSi薄膜太陽電池、SeやCIGS系化合物半導体薄膜太陽電池基板およびこれらを使った太陽電池などなどのデバイス構造体の製造にとってきわめて有意義であり、産業界への寄与は大きい。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性の評価方法は下の通りである。
1.ポリアミド酸の還元粘度(ηsp/C)
ポリマー濃度が0.2g/dlとなるようにN−メチルー−2−ピロリドン(又は、N,N−ジメチルアセトアミド)に溶解した溶液をウベローデ型の粘度管により30℃で測定した。(ポリアミド酸溶液の調製に使用した溶媒がN,N−ジメチルアセトアミドの場合は、N,N−ジメチルアセトアミドを使用してポリマーを溶解し、測定した。)
2.ポリイミドフィルムなどの厚さ
マイクロメーター(ファインリューフ社製、ミリトロン1245D)を用いて測定した。
3.ポリイミドフィルムの引張弾性率、引張破断強度および引張破断伸度
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)にそれぞれ100mm×10mmの短冊状に切り出したものを試験片とした。引張試験機(島津製作所製、オートグラフ(R) 機種名AG−5000A)を用い、引張速度50mm/分、チャック間距離40mmの条件で、MD方向、TD方向それぞれについて、引張弾性率、引張破断強度及び引張破断伸度を測定した。4.90度剥離強度
JISK6854−1 の90度剥離法に従って、積層体の剥離強度は下記条件で90度剥離試験を行うことで求めた。またこの測定のために、別途UV照射は行わないサンプルを作製し、剥離測定を行った。このサンプルはガラス□100mmに対してポリイミドフィルムが110mmX2000mmのサイズとして片側にポリイミドフィルムの未接着部分を作ることでここを“つかみしろ”とした。
装置名 ; 島津製作所社製 オートグラフAG−IS
測定温度 ; 室温
剥離速度 ; 50mm/min
雰囲気 ; 大気
測定サンプル幅 ; 1cm
サンプルはガラス□100mmに対してポリイミドフィルムが110mmX2000mmのサイズとして片側にポリイミドフィルムの未接着部分を作ることでここを“つかみしろ”とした。
なお、耐熱剥離強度は、同一条件で作製した積層体をN2を流して窒素雰囲気としたマッフル炉に入れ、これを昇温速度10℃/minで440℃に加熱して1時間440℃保持とした。その後は、マッフル炉の扉を開けて大気により自然冷却を行った。熱処理を行った。この冷却後の積層体を室温、大気圧のもとで、剥離強度を上記と同じようにして求めた。
湿熱剥離強度として、PCTチャンバーにて、飽和水蒸気、2気圧、121℃の環境で、96時間置いた積層体を大気中に取り出した後に、室温、大気圧のもとで、剥離強度を上記と同じようにして求めた。
5.線膨張係数(CTE)
測定対象のポリイミドフィルムを、流れ方向(MD方向)および幅方向(TD方向)において、下記条件にて伸縮率を測定し、30℃〜45℃、45℃〜60℃、…と15℃の間隔での伸縮率/温度を測定し、この測定を300℃まで行い、全測定値の平均値をCTEとして算出した。
機器名 ; MACサイエンス社製TMA4000S
試料長さ ; 20mm
試料幅 ; 2mm
昇温開始温度 ; 25℃
昇温終了温度 ; 400℃
昇温速度 ; 5℃/min
雰囲気 ; アルゴン
初荷重 ;34.5g/mm2
6.無機粒子の平均粒子径
測定対象の無機粒子を後述のように溶媒に分散し、堀場製作所社製のレーザー散乱式粒度分布計LB−500により粒子径分布を求め、重量(体積)平均粒子径とCV値を算出した。
7.カップリング剤層厚さの測定法
カップリング層厚さはSiウエハに作製した膜厚を測定した。
膜厚測定法は、エリプソメトリーにて行い、測定器はPhotal社製FE-5000を使用した。この測定器のハード仕様は以下の通りである。
反射角度範囲 45から80°、波長範囲 250から800nm、波長分解能1.25nm、スポット径 1mm、tanΨ 測定精度±0.01、cosΔ 測定精度±0.01、方式回転検光子法。測定は偏向子角度 45°、入射 70°固定、検光子は11.25°刻みで0〜360°、250〜800nmの測定を行った。
非線形最小2乗法によるフィッティングで、膜厚を求めた。このとき、モデルとしては、Air/薄膜/Siのモデルで、
n=C3/λ4+C2/λ2+C1
k=C6/λ4+C5/λ2+C4
の式で波長依存C1〜C6を求めた。
8.ポリイミドフィルムの評価:ロール巻取り性
長尺状の多層ポリイミドフィルムを巻取りロ−ル(心棒の外径:15cm)に2m/分の速度で巻取る際に、皺が生じず円滑に巻取りが可能である場合を○、部分的に皺が発生する場合を△、皺が発生したり、ロ−ルに巻きついて円滑に巻取りが出来ない場合を×とした。
9.乾燥窒素
本実施例で、乾燥窒素と記載の時には露点―10℃以下の窒素を使った。また、窒素の純度は99.9%以上であった。
10.高分子フィルム表面粗さ
本実施例表中の高分子フィルム表面粗さは、高分子フィルムにシランカップリング剤塗布後の3次元表面粗さSaを示す。
11.SC層の3次元算術平均粗さ(Sa)は、非接触表面・層断面形状計測システム(菱化システム社製「VertScanR2.0」)を用いて求めた。測定は以下の条件にて行った。
測定モード:Phaseモード
視野サイズ:640×480
使用フィルター:520nmフィルター
対物レンズ倍率:×5
ズームレンズ倍率:×1
1測定ごとの測定範囲:1.4mm×1.8mm
積算回数:1回
上記条件にて得られた生データについて、補間は実施せずに4次の面補正のみを実施して測定データとした。この測定データ中から以下の式に基づいて計算し求めた。
(lx, lyはそれぞれx方向とy方向の範囲、Z(x,y)は平均面からの高さ)
<異物密度>
100mm×100mmの領域をサンプリングし、100倍拡大の測長機能付き顕微鏡にてサンプリング領域を観察し、100倍観察にて確認された異物については、さらに拡大率を400倍として長径長さを測定し、10μm以上のものの個数を数え、観察面積で除して異物密度とした。異物密度の単位は(個/m2)である。
〔製造例1〜2〕
(ポリアミド酸溶液A1〜A2の作製)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、5−アミノ−2−(p−アミノフェニル)ベンゾオキサゾール223質量部、N,N−ジメチルアセトアミド4416質量部を加えて完全に溶解させた後、ピロメリット酸二無水物217質量部、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表1記載量になるように加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液A1〜A2が得られた。
〔製造例3〜4〕
(ポリアミド酸溶液B1〜B2の作製)
窒素導入管,温度計,攪拌棒を備えた反応容器内を窒素置換した後、テトラカルボン酸二無水物として3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物398質量部、パラフェニレンジアミン147質量部を4600質量部のN、N−ジメチルアセトアミドに溶解し、コロイダルシリカをジメチルアセトアミドに分散してなるスノーテックス(DMAC−ST30、日産化学工業製)をシリカが表2記載量になるよう加え、25℃の反応温度で24時間攪拌すると、褐色で粘調なポリアミド酸溶液B1〜B2が得られた。
《フィルム作製例1》
ポリアミド酸溶液A1を、ポリエチレンテレフタレート製フィルムA−4100(東洋紡株式会社製)の無滑材面上に、コンマコーターを用いてコーティングし、110℃にて5分間乾燥後、支持体から剥がさずにポリアミド酸フィルムを巻き取った。
得られたポリアミド酸フィルムを製膜機の巻きだし部に取り付け、上記のポリアミド酸溶液A2をポリアミド酸溶液A1の塗布量を表3に示す厚さ比となるように、コンマコーターを用いてポリアミド酸フィルム面にコーティングし、110℃にて20分間乾燥することで、2層構成のポリアミド酸フィルムを得た。2層全体の厚さが熱処理後に表3に示す厚さとなるように、塗布厚さは調整した。
この多層ポリアミド酸フィルムを3つの熱処理ゾーンを有するピンテンターに通し、一段目150℃×2分、2段目220℃×2分、3段目475℃×4分間の熱処理を行い、500mm幅にスリットして、多層ポリイミドフィルムを得た。このとき、熱処理後巻き取る前に剥離可能な非ポリイミド保護フィルムとして、PETフィルムに微粘着層の付いたフィルム(フィルムA)をポリアミド酸溶液A1側にラミネートしてから、巻き取った。得られたポリイミドフィルムをフィルム1とした。このポリイミドフィルムの特性を表3に示す。
《フィルム作製例2》
ポリアミド酸溶液A1、A2のコーティング厚さを表3に示した値とした以外は全く作製例1と同様にして、フィルム2を得た。その内容を作製例1と同様に表3に示す。
《フィルム作製例3》
ポリアミド酸溶液B1、B2のコーティング厚さを表3に示した値とした以外は全く作製例1と同様にして、フィルム3を得た。その内容を作製例1と同様に表3に示した。
フィルム4として、100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムA4100(東洋紡株式会社製)を用いた。
<高分子フィルムへのカップリング剤層形成>
<塗布例1>
ホットプレートを有する真空チャンバーを用い、以下の条件にて高分子フィルムへのシランカップリング剤塗布を行った。
シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)100質量部をシャーレに満たし、ホットプレートの上に静置した。このときホットプレート温度は25℃であった。次いでシランカップリング剤の液面から水平方向に100mm以上離れた箇所に、350mm×490mmの高分子フィルムをSUSの枠に固定して垂直に保持し、真空チャンバーを閉じ、真空引きと窒素導入を数回行い、大気圧にて酸素濃度が0.1%以下となるまで繰り返した、次いで、チャンバー内を3×10-1Paまで減圧し、ホットプレート温度を60℃まで昇温し、10分間保持してシランカップリング剤蒸気への暴露を行い、その後、ホットプレート温度を下げ、同時に真空チャンバー内にクリーンな乾燥窒素ガスを4か所から静かに導入して大気圧まで戻し、枠に固定した高分子フィルムを取り出し、クリーン環境下にて100℃のホットプレートに、SUSの枠ごと載せた。SUS枠の厚みのため、高分子フィルムはホットプレートとは直接は接することはなく、加熱される。約3分間熱処理を行い、高分子フィルムの両面にシランカップリング剤層を形成した高分子フィルムS1を得た。
<塗布例2>
高分子フィルムをセットする真空チャンバーとシランカップリング剤を揮発させる装置を用い、以下の条件にて高分子フィルムへシランカップリング剤層を形成させた。高分子フィルムは片面に保護フィルムを貼り付けておいた。そしてこの保護フィルムを貼りつけた350mm×490mmの高分子フィルムをSUSの枠に固定して垂直に保持し、真空チャンバー内に設置した。その後、真空チャンバーを閉じ、真空チャンバー内を-0.099MPaまで減圧した。その後に窒素導入と真空引きを数回行い、大気圧にて酸素濃度が0.1%以下となるまで真空引きと窒素導入を繰り返した。真空チャンバー内を真空にひいたのち、次いでシランカップリング剤液温度をコントロールしながら、シランカップリング剤液面にキャリアガスを吹き付ける事でシランカップリング剤蒸気を発生させる装置にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を入れ、30℃に温調した後に99.9%以上の純度を持つ窒素ガスをフローした。発生したシランカップリング剤を含有した窒素ガスは25℃に温調した配管を通じて真空チャンバー内に概略大気圧となるまで(真空度が−0.009MPaとなるまで)導入し、20分間保持した。その後、真空チャンバー内を再度真空にひいてから、窒素ガスを導入して大気圧まで戻した後、高分子フィルムを真空チャンバーから取り出し、保護フィルムをはがして、100℃のホットプレートで約3分間熱処理を行うことで、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS2を得た。この真空チャンバーは室温25℃に温調した室内に設置している。
<塗布例3>
高分子フィルムをセットする真空チャンバーとシランカップリング剤を揮発させる装置(図2)を用い、以下の条件にて高分子フィルムへシランカップリング剤層を形成させた。高分子フィルムには片面に保護フィルムを貼り付けておいた。そしてこの保護フィルムを貼りつけた350mm×490mmの高分子フィルムをSUSの枠に固定して垂直に保持し、真空チャンバー内に設置。その後に、真空チャンバーを閉じて真空チャンバー内を-0.099MPaまで減圧した。その後に窒素導入と真空引きを数回行い、大気圧にて酸素濃度が0.1%以下となるまで真空引きと窒素導入を繰り返した。真空チャンバー内を真空にひいたのち、次いでシランカップリング剤液温度をコントロールしながら、シランカップリング剤液中に多孔質セラミックでバブル発生しやすくしたガス導入管先がつかるように配置してキャリアガスを液中に吹き付ける事でシランカップリング剤蒸気を発生させる装置にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を入れ、20℃に温調した後に99.9%以上の純度を持つ窒素ガスをフローした。発生したシランカップリング剤を含有した窒素ガスは25℃に温調した配管を通じて真空チャンバー内に真空度が+0.009MPaとなるまで導入し、排気口を一度あけて閉じて、概略大気圧として、20分間保持した。その後、真空チャンバー内を再度真空にひいてから、窒素ガスを導入して大気圧まで戻した後、高分子フィルムを真空チャンバーから取り出し、保護フィルムをはがして、100℃のホットプレートで約3分間熱処理を行うことで、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS3を得た。この真空チャンバーは室温25℃に温調した室内に設置している。
<塗布例4>
高分子フィルムをセットする真空チャンバーとシランカップリング剤を揮発させる装置を用い、以下の条件にて高分子フィルムへシランカップリング剤層を形成させた。高分子フィルムには片面に保護フィルムを貼り付けておいた。そしてこの保護フィルムを貼りつけた350mm×490mmの高分子フィルムをSUSの枠に固定して垂直に保持し、真空チャンバー内に設置。その後に、真空チャンバーを閉じて真空チャンバー内を-0.099MPaまで減圧した。その後に窒素導入と真空引きを数回行い、大気圧にて酸素濃度が0.1%以下となるまで真空引きと窒素導入を繰り返した。真空チャンバー内を真空にひいたのち、次いでシランカップリング剤液温度をコントロールしながら、シランカップリング剤液中に多孔質セラミックでバブル発生しやすくしたガス導入管先がつかるように配置してキャリアガスを液中に吹き付ける事でシランカップリング剤蒸気を発生させる装置にシランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を入れ、20℃に温調した後に99.9%以上の純度を持つ窒素ガスをフローした。発生したシランカップリング剤を含有した窒素ガスは25℃に温調した配管を通じて真空チャンバー内に真空度が-0.09MPaとなるまで導入し、5分間保持した。その後、真空チャンバー内を再度真空にひいてから、シランカップリング剤を含有した窒素ガスを真空チャンバー内に真空度が-0.09MPaとなるまで導入し、5分間保持した。この操作を4度繰り返して、40分の塗布を行い、窒素ガスを導入して大気圧まで戻した後、高分子フィルムを真空チャンバーから取り出し、保護フィルムをはがして、100℃のホットプレートで約3分間熱処理を行うことで、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS4を得た。この真空チャンバーは室温25℃に温調した室内に設置している。
<塗布例5>
高分子フィルムの貼り付けとは反対側にSUS板を置き+3kV電位とする事以外は塗布例3での操作を行い高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS5を得た。
<塗布例6>
使用する気体を99.9%以上の純度を持つ窒素ガスから、クリーンドライエアーと変えること以外は塗布例3での操作を行い高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS6を得た。
<塗布例7>
高分子フィルムが入った真空チャンバーを、大気圧にて酸素濃度が0.1%以下となるまで真空引きと窒素導入を繰り返した後に、別途クリーンドライエアーを25℃60%RHに調整したものをー0.19MPaまで導入してから、発生したシランカップリング剤を含有したクリーンドライエアを25℃に温調した配管を通じて真空チャンバー内に真空度が+0.009MPaとなるまで導入し、排気口を一度あけて閉じて、概略大気圧として、20分間保持した。前記以外は塗布例3での操作を行い高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS7を得た。
<塗布例8>
塗布例3での操作を行った後に、高分子フィルムのシランカップリング剤塗布面に、1mm厚のステンレス鋼板製の所定のパターンのマスクを重ね、LANテクニカルサービス社製のUV/オゾン照射装置を用いて、120秒間のUV/オゾン照射を行い、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS8を得た。
<塗布例9>
塗布例1での操作を行った後に、高分子フィルムの片面に、1mm厚のステンレス鋼板製の所定のパターンのマスクを重ね、LANテクニカルサービス社製のUV/オゾン照射装置を用いて、120秒間のUV/オゾン照射を行い、高分子フィルムの両面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS9を得た。
<塗布例10>
グローブボックス内を乾燥窒素置換した後、乾燥窒素を少量流しながら、シランカップリング剤(信越化学工業株式会社製「KBM−903」:3−アミノプロピルトリメトキシシラン)0.5質量部、イソプロピルアルコール99.5質量部を清浄なガラス容器内にて攪拌混合しシランカップリング剤溶液とした。一方370mm×470mm×0.7mmtの液晶用ガラス板をジャパンクリエイト社製スピンコーターにセットし、まずイソプロピルアルコール50mlをガラス中央に滴下し、500rpmにて振り切ることにより洗浄を行い、次いで、先に準備したシランカップリング剤溶液約30mlをガラス板中央に滴下し、500mlにて10秒、次いで回転数を1500rpmまで上げて20秒間回転させ、シランカップリング剤溶液を振り切った。次いで停止させたスピンコーターからガラス板を取り出し、クリーン環境下にて100℃のホットプレートに、シランカップリング剤塗布面を上にして乗せ、約3分間熱処理を行い、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤層を形成した高分子フィルムS10を得た。
<塗布例11>
シランカップリング剤を含有した窒素ガスを真空チャンバー内に導入している時間を60分とした以外は塗布例2での操作を行い、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS11を得た。
<塗布例12>
シランカップリング剤を乗せたホットプレートの温度を60℃としている時間を60分とした以外は塗布例1での操作を行い、高分子フィルムの両面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS12を得た。
<塗布例13>
シランカップリング剤を含有した窒素ガスを真空チャンバー内に導入している時間を60分とした以外は塗布例4での操作を行い、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS13を得た。
<塗布例14>
シランカップリング剤を含有した窒素ガスを真空チャンバー内に導入している時間を60分とした以外は塗布例3での操作を行い、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS14を得た。
<塗布例15>
高分子フィルムの貼り付けとは反対側に水冷パイプを溶接したCu板を置き、高分子フィルムを5℃に冷却したことと、使用する気体を99.9%以上の純度を持つ窒素ガスから、クリーンドライエアーと変えること以外と、シランカップリング剤を含有したクリーンドライエアーを真空チャンバー内に導入している時間を60分とした以外は塗布例3での操作を行い、高分子フィルムの片面にシランカップリング剤を積層した本発明のシランカップリング剤層積層高分子フィルムS15を得た。
<塗布例16>
塗布例10にて得られた高分子フィルムS1に、1mm厚のステンレス鋼板製の所定のマスクを重ね、LANテクニカルサービス社製のUV/オゾン照射装置を用いて、120秒間のUV/オゾン照射を行い、パターン化高分子フィルムSP1を得た。得られた高分子フィルムを表3に示す。
表中、SCAはシランカップリング剤を、CDAはクリーンドライエアーをそれぞれ意味する。
(積層例1から12、17から20)
得られたシランカップリング剤層付きの高分子フィルムのシランカップリング剤層側と、370mm×470mm×0.7mmtの無アルカリガラス(日本電気硝子製OA-10G) を、精密枚葉貼合機(クライムプロダクツ社製SE650nH)を用い、ロール圧力8kgf/cm2、ロール速度5mm/秒にてSiウェハの外周から10mm内側に高分子フィルムを仮ラミネートした。仮ラミネート後のフィルムは自重では剥がれないが、フィルム端部を引っ掻くと簡単に剥がれる程度の接着性であった。その後、得られた仮ラミネート基板をクリーンオーブンに入れ、200℃にて30分間加熱した後、室温まで放冷して積層体を得た。それぞれ、高分子フィルムおよびそれへの塗布例は表のものを使い、積層例1から12を得た。
(積層例13から14)
得られたシランカップリング剤層付きの高分子フィルムのシランカップリング剤層側と、φ200mmのSiウェハ(厚さ0.7mm)を、精密枚葉貼合機(クライムプロダクツ社製SE650nH)を用い、ロール圧力8kgf/cm2、ロール速度5mm/秒にてガラスの外周から10mm内側にフィルムを仮ラミネートした。このとき高分子フィルムはφ180mmにトムソン型にて打ち抜いたものを使った。仮ラミネート後のフィルムは自重では剥がれないが、フィルム端部を引っ掻くと簡単に剥がれる程度の接着性であった。その後、得られた仮ラミネート基板をクリーンオーブンに入れ、200℃にて30分間加熱した後、室温まで放冷して積層体を得た。それぞれ、高分子フィルムおよびそれへの塗布例は表のものを使い、積層例1から12を得た。なお、支持体としてガラスの代わりにシリコンウエハを使用する以外は同じ積層例をこの積層例13,14以外も各塗布例高分子フィルムについて実施したが、結果はガラスの場合とほぼ同一であった。
(積層例15から16)
得られたシランカップリング剤層付きの高分子フィルムのシランカップリング剤層側と、□200mmのSUS板(厚さ1mm)を、精密枚葉貼合機(クライムプロダクツ社製SE650nH)を用い、ロール圧力8kgf/cm2、ロール速度5mm/秒にてガラスの外周から10mm内側にフィルムを仮ラミネートした。このとき高分子フィルムは□180mmにカッターにて切抜いたものを使った。仮ラミネート後のフィルムは自重では剥がれないが、フィルム端部を引っ掻くと簡単に剥がれる程度の接着性であった。その後、得られた仮ラミネート基板をクリーンオーブンに入れ、200℃にて30分間加熱した後、室温まで放冷して積層体を得た。それぞれ、高分子フィルムおよびそれへの塗布例は表のものを使い、積層例1から12を得た。なお、支持体としてガラスの代わりにSUS板を使用する以外は同じ積層例をこの積層例15,16以外も各塗布例高分子フィルムについて実施したが、結果はガラスの場合とほぼ同一であった。
また、フィルム処理比較例1から5のフィルムでも積層例1と同様に積層体作製を試みた。 表5に結果を示す。
(実施例1〜20、比較例1〜7)
《フィルムの活性化処理例》
フィルムNo.1〜4を使用して、このフィルムの滑材を含有していない側(A2層面あるいはB2層面)に真空プラズマ処理を用いて活性化処理を行い、活性化処理フィルムを得た。真空プラズマ処理は平行平板型の電極を使ったRIEモードRFプラズマによる処理で、真空チャンバー内にN2ガスおよびArガスを流量は20SCCM:10SCCMとなるようにそれぞれをマスフローコントローラーで流量制御して導入した。なお、N2ガス導入配管途中のマスフローコントローラーより上流側に外気とは遮断してホルマリン槽を設置して、ホルマリン液面をN2ガスが接触する形とすることでホルムアルデヒド蒸気を共に導入した。 13.56MHzの高周波電力を導入することで処理時間は2分行なった。
(実施例21−40、比較例8−14)
フィルムの活性化処理例にて得られた、対応する得られた活性化処理フィルムを用いた以外は、実施例1〜20、比較例1〜7と同様に操作を行った。結果を表6.に示す。
(応用例1)
積層例で得られた各積層体を、開口部を有するステンレス製の枠を被せてスパッタリング装置内の基板ホルダーに固定した。基板ホルダーと、支持体面は密着するように固定する。このため、基板ホルダー内に冷媒を流すことによってフィルムの温度を設定できる。基板温度を2℃に設定した。次いでフィルム表面のプラズマ処理を行った。プラズマ処理条件はアルゴンガス中で、周波数13.56MHz、出力200W、ガス圧1×10-3Torrの条件であり、処理時の温度は2℃、処理時間は2分間であった。次いで、周波数13.56MHz、出力450W、ガス圧3×10−3Torrの条件、ニッケル−クロム(クロム10質量%)合金のターゲットを用い、アルゴン雰囲気下にてDCマグネトロンスパッタリング法により、1nm/秒のレートで厚さ11nmのニッケル−クロム合金被膜(下地層)を形成し、次いで、基板の温度を2℃に設定するよう、基板のスパッタ面の裏面を3℃に温度コントロールした冷媒を中に流した、基板ホルダーのSUSプレートと接する状態でスパッタリングを行った。10nm/秒のレートで銅を蒸着し、厚さ0.22μmの銅薄膜を形成させた。各フィルムからの下地金属薄膜形成フィルムを得た。銅およびNiCr層の厚さは蛍光X線法によって確認した。
その後、各フィルムからの下地金属薄膜形成フィルム付きの積層板をCu製の枠に固定し、硫酸銅めっき浴をもちいて、厚付銅層を形成した。電解めっき条件は電解めっき液(硫酸銅80g/l、硫酸210g/l、HCl、光沢剤少量)に浸漬、電気を1.5Adm2流した。これにより厚さ4μmの厚付け銅メッキ層(厚付け層)を形成し引き続き120℃で10分間熱処理乾燥し、金属化ポリイミドフィルム・ガラス積層体を得た。
得られた各金属化ポリイミドフィルム・ガラス積層体を使用し、フォトレジスト:FR−200、シプレー社製を塗布・乾燥後にガラスフォトマスクで密着露光し、さらに1.2質量%KOH水溶液にて現像した。次に、HClと過酸化水素を含む塩化第二銅のエッチングラインで、40℃、2kgf/cm2のスプレー圧でエッチングし、ライン/スペース=20μm/20μmのライン列をテストパターンとして形成後、0.5μm厚に無電解スズメッキを行った。その後、125℃、1時間のアニール処理を行った。光学顕微鏡で、テストパターンの だれ、パターン残り、パターン剥がれなどを観察した。
実施例1〜40のフィルム/無機基板積層体はだれ、パターン残り、パターン剥がれの無い良好なテストパターンが得られた。また、実施例1〜18、実施例21〜38にて得られたフィルム/無機基板積層体を窒素置換したマッフル炉内で昇温速度10℃/minで400℃に昇温後に400℃で1時間保持しその後自然降温させても、膨れ、剥がれなど発生することは無かった。
比較例1〜14のフィルム/無機基板積層体はいずれも、フィルム剥がれがおきて、いずれも良好なテストパターンが得られなかった。
(実施例41)
有機極性溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド、ジアミン化合物として1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンと3,3’−ジヒドロキシ−4,4’−ジアミノビフェニルとをモル比で9:1、エステルテトラカルボン酸として3,3’,4,4’−エチレングリコールベンゾエートテトラカルボン酸二無水物を使用してポリアミド酸重合体の溶液を得た。このポリアミド酸重合体溶液を減圧加熱し、熱可塑性ポリイミドを得た。この熱可塑性ポリイミドを8g、熱硬化性樹脂(エポキシ樹脂)としてのエピコート1032H60を10g、硬化剤としての4,4’−ジアミノジフェニルエーテル3.0gを、有機溶媒としてのジオキソラン91.0gに添加し、攪拌して溶解させた。これにより、接着剤溶液(A)を得た。得られた接着剤溶液を、実施例21にて使用したフィルム活性化後にシランカップリング剤塗布を行ったフィルムの塗布面にアプリケーターを用いてコーティングし、60℃で20分間乾燥し厚さ7.5μmの接着剤層を形成した。なお、フィルム端約40mmは接着剤を塗布せずに、剥離試験の際のつかみ代とした。このフィルム2枚を接着剤層側を合わせて重ね、真空プレス機により120℃30分間加熱して接着性評価サンプルを得た。得られたサンプルのフィルム間の90度剥離強度は12.4N/cmであった。また剥離面は接着剤層の内層破壊であった。
(比較例15)
フィルム作製例1で得られたフィルムをそのまま使用した以外は、実施例41と同様に接着剤の塗布を行い接着性評価サンプルを得た。得られたサンプルのフィルム間の90度剥離強度は2.7N/cmであった。また剥離面は接着剤層とポリイミドフィルムとの界面であった。
(実施例42)
ポリエステル・ポリウレタン樹脂UR−8200(東洋紡株式会社製)の30重量%溶液100質量部に東都化成(株)製クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN703を15重量部加え、十分に混合し接着剤溶液(B)とした。ここに溶媒はMEK/トルエン/シクロヘキサノンの6/3/1(質量比)混合溶媒である。
得られた溶液を実施例40にて使用したフィルム活性化後にシランカップリング剤塗布を行ったフィルムの塗布面にアプリケーターを用いてコーティングし、100℃で60分間乾燥し厚さ10μmの接着剤層を形成した。なお、フィルム端約40mmは接着剤を塗布せずに、剥離試験の際のつかみ代とした。このフィルム2枚を接着剤層側を合わせて重ね、真空プレス機により120℃30分間加熱して接着性評価サンプルを得た。得られたサンプルのフィルム間の90度剥離強度は15.3N/cmであった。また剥離面は接着剤層の内層破壊であった。
(比較例16)
フィルム4、すなわち100μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムA4100(東洋紡株式会社製)をそのまま使用した以外は、実施例41と同様に接着剤溶液(B)の塗布を行い接着性評価サンプルを得た。得られたサンプルのフィルム間の90度剥離強度は3.2N/cmであった。また剥離面は接着剤層とポリイミドフィルムとの界面であった。
(実施例43)
温度計、攪拌機、還流式冷却管および蒸留管を具備した反応容器に、トルエン100重量部、ニトリルブタジエンゴムNIPOL1001(日本ゼオン(株)製、ニトリル含有率40.5重量%)を38重量部、同じくNIPOL1312(日本ゼオン(株)製、ニトリル含有率31〜36%)4重量部を仕込み溶解後、フェノールノボラック型エポキシ樹脂BREN(R)S(日本化薬(株)製)58重量部、意味だぞーる化合物キュアゾール2E4MZ−CN(四国化成(株)製)0.6重量部を加え、十分に混合し接着剤溶液(C)とした。
得られた溶液を実施例20にて使用したフィルム活性化後にシランカップリング剤塗布を行ったフィルムの塗布面にアプリケーターを用いてコーティングし、120℃で30分間乾燥し厚さ10μmの接着剤層を形成した。なお、フィルム端約40mmは接着剤を塗布せずに、剥離試験の際のつかみ代とした。このフィルムの接着剤塗布面にジャパンエナジー製圧延銅箔、BHY−22−T(18μm)の接着処理面とを合わせ、シリコンゴムローラ式のラミネータにてロール温度120℃、送り速度60cm/分にてラミネートし、巻き取り後、真空乾燥器内にて150℃5時間処理して接着剤を硬化させ、フレキシブル銅張り積層フィルムを得た。得られたフレキシブル銅張り積層フィルムの銅箔/フィルム間の90度剥離強度は14.5N/cmであった。また剥離面は接着剤層の内層破壊であった。
(比較例17)
フィルム作製例1で得られたフィルムをそのまま使用した以外は、実施例43と同様に接着剤の塗布を行い接着性評価サンプルを得た。得られたサンプルのフィルム間の90度剥離強度は3.5N/cmであった。また剥離面は接着剤層とポリイミドフィルムとの界面であった。
(応用例2)
実施例43において、フィルム活性化処理、シランカップリング剤塗布を両面に行い、接着剤塗布、銅箔との貼り合わせも同様に両面に行い、両面フレキシブル銅張り積層フィルムを得た。ついで、得られた銅張り積層フィルムを、以下は通常の両面スルーホール回路の加工プロセスに従い、穴開け、無電解銅メッキ、電気銅メッキによる厚付けを経て、両面にドライフィルムレジストを貼り合わせ、露光、炭酸ナトリウム水溶液による現像、塩化第二鉄水溶液によるエッチング、水酸化ナトリウム溶液によるレジスト剥離、洗浄、厚さ1.5μmの錫めっきを行い、両面スルーホール回路基板を得た。加工プロセス中に、銅箔の剥離などのトラブルは無く良好なプロセス適合性が確認された。
本発明の高分子フィルムを使って得られる積層体は、ガラス板、セラミック板、シリコンウエハ、金属などの無機基板の一面と、高分子フィルムの一面とが、接着剤層を介することなく貼り合わされた積層体であって、デバイス付きの高分子フィルムは、前記積層体を使うことによって得られる、
本発明のポリイミドフィルムを高分子フィルムとして使用した積層体は、薄く、フレキシブルなポリイミドフィルム上のデバイス構造体などの製造過程に有効に使用でき、さらに必要に応じてこの支持体を剥がすこともスムースにでき、薄く絶縁性、耐熱性、寸法安定性に優れた高分子フィルム上に、精度よく回路やデバイス形成ができ、それ故に、センサー、表示デバイス、プローブ、集積回路、およびこれらの複合デバイス、アモルファスSi薄膜太陽電池、SeやCIGS系化合物半導体薄膜太陽電池基板およびこれらを使った太陽電池などに有効である。
これらの積層体を使用しての金属化、その後のパターン作製においても良好なパターンを得ることが出来、デバイス作製などの行程に耐え得る積層体にもなる。特に積層体の耐熱性が高いものも作れることから、作製できるデバイスの範囲が広く、これらの極小薄のセンサー表示デバイス、プローブ、集積回路、およびこれらの複合デバイス、アモルファスSi薄膜太陽電池、SeやCIGS系化合物半導体薄膜太陽電池基板およびこれらを使った太陽電池などなどのデバイス構造体の製造にとってきわめて有意義である。
さらに加えて、本発明の高分子フィルムは接着剤との接着性も良好であるため従来の既存プロセスとも高い適合性を有する。よって、産業界への寄与は非常に大きい。
(図1)
1:良好接着部分
2:易剥離部分

Claims (17)

  1. シランカップリング剤層を少なくとも片側の面に形成させたシランカップリング剤層積層高分子フィルムであって、該シランカップリング剤層の3次元表面粗さ(Sa)が5.0nm以下であることを特徴とするシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
  2. 長径10μm以上の珪素を含む異物の個数が前記シランカップリング剤層において、2000個/m2以下である事を特徴とする、請求項1に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
  3. 前記シランカップリング剤層が所定のパターンを形成している事を特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
  4. 前記高分子フィルムが面積1000cm2以上の高分子フィルムであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
  5. 前記高分子フィルムが、ポリイミドフィルムであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルム。
  6. 気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させることにより、シランカップリング剤層を形成する工程を含み、該工程において真空を使わないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  7. バブリング方式により気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させることにより、シランカップリング剤層を形成する工程を含むことを特徴とする、請求項6に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  8. シランカップリング剤を気化させる際に、露点0℃以下の乾燥気体をキャリアガスとして使用することを特徴とする、請求項7に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  9. 気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させる際に、露点5℃以上の気体を共存させる事を特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  10. 気化させたシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させる際に、該高分子フィルムに電界を加える事を特徴とする、請求項6〜8のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  11. シランカップリング剤層を形成する際に、高分子フィルムの一部をマスキングすることによって、パターンを形成することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  12. シランカップリング剤層の形成後に、シランカップリング剤層の一部に活性エネルギー線を照射する事により、所定のパターンを形成することを特徴とする、請求項3〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムの製造方法。
  13. 少なくとも1枚以上の無機基板と少なくとも一枚以上の請求項1〜5のいずれかに記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムとが接合された積層体であって、該無機基板と該高分子フィルムの剥離強度が0.3N/cm以上、15N/cm以下である事を特徴とする積層体。
  14. 少なくとも1枚以上の無機基板と、少なくとも1枚以上の請求項1〜5に記載のシランカップリング剤層積層高分子フィルムとが接合された積層体であって、該無機基板と該高分子フィルムとの間の剥離強度が異なる良好接着部分と易剥離部分とを有しており、該良好接着部分の剥離強度が0.3N/cm以上、15N/cm以下、易剥離部分の剥離強度が0.3N/cm未満かつ良好接着部より0.1N/cm以上弱い剥離強度である事を特徴とする積層体。
  15. 下記(1)〜(3)の工程を有することを特徴とする、積層体の製造方法。
    (1) 気化したシランカップリング剤に高分子フィルムを暴露させることにより、高分子フィルム上に、シランカップリング剤層を形成する工程
    (2)該シランカップリング剤層に、活性エネルギー線照射処理を行った高分子フィルムを無機基板に重ねる工程
    (3)加圧することにより両者を接着する工程
  16. 請求項13に記載の積層体を用い、該積層体の高分子フィルム上に電子デバイスを形成し、次いで、該高分子フィルムを該電子デバイスごと高分子フィルムから剥離する事を特徴とするフレキシブル電子デバイスの製造方法。
  17. 請求項14に記載の積層体を用い、該積層体の高分子フィルムの、前記易剥離部分に相当する部分の上に電子デバイスを形成し、次いで、該積層体の該易剥離部分の外周に沿って、該高分子フィルムに切り込みを入れ、該高分子フィルムを電子デバイスごと高分子フィルムから剥離する事を特徴とするフレキシブル電子デバイスの製造方法。
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