JPWO2016021526A1 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2016021526A1
JPWO2016021526A1 JP2016539351A JP2016539351A JPWO2016021526A1 JP WO2016021526 A1 JPWO2016021526 A1 JP WO2016021526A1 JP 2016539351 A JP2016539351 A JP 2016539351A JP 2016539351 A JP2016539351 A JP 2016539351A JP WO2016021526 A1 JPWO2016021526 A1 JP WO2016021526A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
steering torque
static friction
vehicle speed
command value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016539351A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6020776B2 (ja
Inventor
孝義 菅原
孝義 菅原
前田 将宏
将宏 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Application granted granted Critical
Publication of JP6020776B2 publication Critical patent/JP6020776B2/ja
Publication of JPWO2016021526A1 publication Critical patent/JPWO2016021526A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0463Controlling the motor calculating assisting torque from the motor based on driver input
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/02Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to vehicle speed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D6/00Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits
    • B62D6/08Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque
    • B62D6/10Arrangements for automatically controlling steering depending on driving conditions sensed and responded to, e.g. control circuits responsive only to driver input torque characterised by means for sensing or determining torque
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D5/00Power-assisted or power-driven steering
    • B62D5/04Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear
    • B62D5/0457Power-assisted or power-driven steering electrical, e.g. using an electric servo-motor connected to, or forming part of, the steering gear characterised by control features of the drive means as such
    • B62D5/046Controlling the motor
    • B62D5/0466Controlling the motor for returning the steering wheel to neutral position

Abstract

[課題]オンセンタ付近の静止摩擦違和感を軽減するため、主に操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域での操舵補助電流を増やすことで、車両応答(減速機構側の動き)を改善しつつ、オンセンタ感を向上させる。[解決手段]本発明は、少なくとも操舵トルク(Th)に基づいて演算された電流指令値(Iref)によって、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータ(20)を駆動制御する電動パワーステアリング装置において、操舵トルク(Th)及び車速(Vel)に基づいてステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値(SCC)を演算する静止摩擦補償部(40)を具備し、電流指令値(Iref)を静止摩擦補償指令値(SCC)で補正する。

Description

本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によりモータを駆動制御し、車両のステアリング機構にモータによる操舵補助力を減速機構を介して付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域に起きる、ステアリング機構に存在する静止摩擦(以下、「ステアリング機構の静止摩擦」又は「静止摩擦」とも言う。)に起因する非線形違和感(非線形操舵感)を抑制しつつ、オンセンタ付近での操舵感(以下、「オンセンタ感」とも言う。)を向上させるようにした電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機構を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置(EPS)は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構の減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構の減速ギア(ギア比n)3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良い。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)50が接続されており、車速VelはCAN50から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN50以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN51も接続されている。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN50からの)車速Velは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTh及び車速Velに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御(比例積分制御)部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ回路37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。インバータ回路37は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
また、加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
上述したように、このような電動パワーステアリング装置は、運転者によって入力された操舵トルクや車速に応じて演算された電流指令値に基づいてモータを駆動制御し、モータによって減速機構を介してステアリング機構に対して操舵補助力を付加するようになっている。このモータ自体の摩擦、減速機構の摩擦やサスペンションの摩擦などによってステアリング機構には静止摩擦が存在するので、電動パワーステアリング装置では、ステアリング機構の静止摩擦の影響を大きく受ける。
従来の電動パワーステアリング装置では、ステアリング機構の静止摩擦が考慮されていないため、この静止摩擦の影響で、例えば、操舵し始めるときに引っ掛かり感などが生じ、オンセンタ付近(ステアリングの中立付近)での操舵感(即ち、オンセンタ感)が悪化するという問題点があった。
このような問題点を解決するために、例えば、特許第3481468号公報(特許文献1)に示されるように、ステアリング系の静止摩擦を推定し、推定した静止摩擦を補償することにより、操舵フィーリングを改善することを目的とする電動パワーステアリング装置、また、特許第4852975号公報(特許文献2)に示されるように、ハンドルのオンセンタ感を向上させるため、機械的ないし電磁的なロストルクを補償するようにした電動パワーステアリング装置が提案されている。
特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置では、静止摩擦演算手段により、トルクセンサからの操舵トルクからステアリング系の静止摩擦推定値を演算するようになっており、具体的には、「ステアリングホイール(ハンドル)が殆ど動かない程度の操舵角度であっても、ステアリング系の静止摩擦が大きい場合に、操舵トルクが増加するようになり、また、静止摩擦の影響で操舵トルクが増加する場合に、モータが回転し始め、操舵角度が変化し始めた後に比べて、操舵トルクの変化が急峻である」という事実(現象)に着目し、この操舵トルク検出値が急峻な変化を示す部分の操舵トルク検出値を抽出することで、運転者が操舵し始めるときの静止摩擦による操舵トルクの増加を検出し、ステアリング系の静止摩擦を推定するようにしている。
また、特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、摩擦補償算出部からの摩擦補償値である摩擦弱め界磁電流を算出し、弱め界磁電流を磁界の強さを制御するd軸電流指令値に加算するようになっており、どちらかと言えば、モータの構造に基づく摩擦損失及び電磁的な要因に基づく損失に対するロストルクを補償する構成となっている。
特許第3481468号公報 特許第4852975号公報
ところで、従来の電動パワーステアリング装置において、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域では、トルクセンサのオフセット誤差等を考慮したアシスト特性の影響などにより、十分なアシスト電流(操舵補助電流)を流すことができない。このため、電動パワーステアリング装置のステアリング機構の持つ静止摩擦の影響を大きく受けてしまい、特に、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域での操舵開始時及び反転時の瞬間に静止摩擦感(固着感など)として、運転者が非線形違和感を感じてしまう問題がある。
操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク未満の場合に、例えば、減速機構の静止摩擦トルクが0.7Nm程度で、操舵トルクが約0.7Nm未満の場合に、ハンドル側のみが動き、減速機構側は静止摩擦により動かずに静止したままである。この状態では、当然、車両も応答しない。しかし、操舵トルクが静止摩擦トルクを超え始めると(例えば、操舵トルクが約0.7Nmを超え始めると)、減速機構側も動き始めるため、車両も応答し始めるが、操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルクになったところ(例えば、操舵トルク約0.7Nm付近)を境に減速機構側が動く/動かないという境界を持つことになるため、車両が急激に応答したりしなかったりの車両挙動となり、非線形操舵感となってしまう問題が発生する。なお、静止摩擦トルクは車両の条件や外部環境により変わるものであり、0.7Nmに限定されるものではない。
また、上述した特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置では、操舵トルク検出値の急峻な変化を抽出することで、ステアリング系の静止摩擦を推定できるが、静止摩擦推定値の正確性や、ステアリングホイール(ハンドル)の速い操舵速度領域での違和感(抜け感)は改善しきれないといった問題がある。
そして、上述した特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域での操舵開始時及び反転時の瞬間に静止摩擦感(固着感など)として、運転者が非線形違和感を感じてしまう問題がある。
本発明は、上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルクと釣り合う付近において車両挙動が急変することを軽減するため(即ち、オンセンタ付近の摩擦感、特に、オンセンタ付近の静止摩擦違和感を軽減するため)、主に操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域での操舵補助電流を増やすことで、車両応答(減速機構側の動き)を改善しつつ、オンセンタ感を向上させるようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によって、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、前記操舵トルク及び車速に基づいて前記ステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値を演算する静止摩擦補償部を具備し、前記電流指令値を前記静止摩擦補償指令値で補正することにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記静止摩擦補償部は、前記車速に応じて決まる車速感応ゲインを演算する車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクに基づいて操舵トルク変化率を抽出する操舵トルク変化率抽出部とを具備し、前記車速感応ゲイン部で演算された前記車速感応ゲインを前記操舵トルク変化率抽出部で抽出された前記操舵トルク変化率に乗算して前記静止摩擦補償指令値とすることにより、或いは、前記操舵トルク変化率抽出部は、前記操舵トルクを加重平均することで加重平均した操舵トルクを求め、前記操舵トルクと求めた前記加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した前記差分を前記操舵トルク変化率とすることにより、或いは、前記車速感応ゲイン部では、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整できるように、前記車速に応じて前記車速感応ゲインを設定することにより、或いは、前記操舵トルク変化率抽出部では、車両やコラム軸の特性に合わせて抽出したい操舵トルク変化率の勾配を選択できるように、加重平均の割合をチューニングすることにより、或いは、前記操舵トルクはオンセンタ付近の微小操舵トルク領域における操舵トルクであることにより、或いは、前記操舵トルクは減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域に属することにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、静止摩擦補償部40に、加重平均割合をチューニングできるようにした操舵トルク変化率抽出部41と、車速に応じたゲイン(車速感応ゲインGv)を設定できるようにした車速感応ゲイン部42とを設けるようにしているので、車両やコラム軸の特性に合わせて抽出したい操舵トルク変化率の勾配(周波数)を選択できると共に、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整できる。
本発明によれば、従来のオンセンタ応答性改善部が抱えていたような違和感(即ち、オンセンタ付近の静止摩擦違和感)を抑制しつつ、オンセンタ感を改善できるようにした。
さらに、本発明によれば、モータの回転が停止状態で微小な操舵トルク入力を検出した時点から、静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCが出力され始めていることにより、操舵の切り返し時に見かけ上の摩擦が減ったような効果が得られる。また、本発明によれば、切り返し時だけでなく、切り出し時でも、同様な効果が得られる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る操舵トルク変化率抽出部の入力信号及び出力信号の波形例を示すグラフである。 本発明に係る操舵トルク変化率抽出部において、異なる加重平均割合(即ち、加重平均割合wa1、wa2、wa4、wa8及びwa16)による出力信号の波形例を示すグラフである。 図5(A)〜(E)に示す出力信号の波形例を重ねて得たグラフである。 本発明に係る車速感応ゲイン部の特性例を示す特性図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。
本発明は、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域に起きる、ステアリング機構の静止摩擦に起因する非線形操舵感(以下、「オンセンタ付近の静止摩擦違和感」とも言う。)を抑制しつつ、オンセンタ感を向上させるようにした電動パワーステアリング装置に関する。
即ち、本発明では、本発明の課題として挙げている「オンセンタ付近の微小操舵トルク領域での操舵開始時及び反転時の瞬間に発生する静止摩擦感」、即ち、操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルクと釣り合う付近において車両挙動が急変することを軽減するために、主に操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域(オンセンタ付近の微小操舵トルク領域)において、操舵トルク及び車速に基づいて静止摩擦補償部によって演算された静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCで、操舵補助の電流指令値を補正することによって、静止摩擦の補償を行い、補正された電流指令値でモータを駆動するようにしているので、静止摩擦補償が考慮されていない従来の電動パワーステアリング装置で得られた操舵補助電流を増やして得られた十分な操舵補助電流をモータに流すことが可能になり、車両応答(減速機構側の動き)を改善しつつ、オンセンタ感を向上させるようにしている。
以下に、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。
図3は本発明の構成例を図2に対応させて示しており、本発明では、静止摩擦補償部40を新たに付加し、操舵トルクTh及び車速Velに基づいて、静止摩擦補償部40で演算された静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCを加算部32Cに加算入力して電流指令値Iref1を補正し、静止摩擦を補償している。即ち、本発明では、加算部32Cに電流指令値Iref1及び補償信号CMを加算入力すると共に、静止摩擦補償部40で演算された静止摩擦補償指令値SCCを加算部32Cに加算入力し、前述した電流指令値Iref1を補正して電流指令値Iref2を求めている。電流指令値Iref2以降の動作は、前述の図2の場合と全く同様である。
なお、本発明では、補償信号生成部34による補償信号CMによる補償は必須のものではない。
静止摩擦補償部40は、操舵トルク変化率を抽出するための操舵トルク変化率抽出部41と、車速感応ゲインを算出するための車速感応ゲイン部42と、乗算部44とで構成されており、操舵トルク及び車速に基づいて、静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCを演算するようになっている。
本発明で言う操舵トルク変化率は、操舵トルクThの微分成分又は操舵トルクThの微分値に相当しており、以下、操舵トルク変化率を単に「操舵トルクの微分」とも言う。また、乗算部44は、操舵トルク変化率抽出部41から出力された操舵トルク変化率と、車速感応ゲイン部42から出力された車速感応ゲインGvを乗算して得られた静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCを加算部32Cに出力する。
操舵トルク変化率抽出部41では、操舵トルクThを入力し、入力した操舵トルクThを加重平均することで操舵トルクの加重平均値(以下、「加重平均した操舵トルク」とも言う。)を求め、入力した操舵トルクThと求めた加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した差分を操舵トルク変化率として乗算部44に出力するようになっている。本発明の操舵トルク変化率抽出部41によれば、トルクセンサ10で検出された操舵トルク信号(操舵トルクTh)から、任意の操舵トルク変化率(操舵トルクの微小な変化でも)を効率よく抽出できる。
なお、本発明の操舵トルク変化率抽出部41では、操舵トルクThに対して行う加重平均処理の代わりに、入力した操舵トルクThをローパスフィルタ処理するようにしても良い。この場合は、入力した操舵トルクThとローパスフィルタ処理後の操舵トルクとの差分を算出し、算出した当該差分を操舵トルク変化率として乗算部44に出力するようにする。
図4には、本発明の操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(操舵トルクTh)、加重平均した操舵トルク、出力信号(操舵トルク変化率、即ち、本発明で用いる微分)、及び、本発明で用いる微分との比較用に示してある従来の近似微分(即ち、従来の1サンプル差分)の波形例を示してある。
図4から分かるように、従来の近似微分(従来の1サンプル差分)に比べ、本発明は応答性が劣るが、大よそ入力した操舵トルクThの変化のみを抽出できている。このため、従来の近似微分に比べ、本発明は操舵の応答性を上げつつ、応答性が高すぎる事の背反が出難くなっている。
本発明では、加重平均の割合(即ち、信号の応答性、以下、「加重平均割合」とも言う。)をチューニング可能とすることで、車両やコラム軸の特性に合わせて、操舵トルク変化率抽出部41によって抽出したい操舵トルク変化率の勾配(周波数)を選択できるようにしている。
図5は、本発明の操舵トルク変化率抽出部41において、入力信号(入力された操舵トルクTh)を異なる加重平均割合(加重平均割合wa1、wa2、wa4、wa8及びwa16)で加重平均する場合の出力信号(出力される操舵トルク変化率、即ち、本発明で用いる微分)の波形例を示すグラフである。また、図6は、図5(A)〜(E)に示す出力信号の波形例を重ねて得たグラフである。ちなみに、加重平均割合の大きさの順番は、wa1<wa2<wa4<wa8<wa16となっている。
図5及び図6から分かるように、本発明の操舵トルク変化率抽出部41では、加重平均割合を小さくするほど、操舵トルク変化率抽出部41の出力信号が従来の近似微分に近づき、また、加重平均割合を大きくするほど、操舵トルク変化率抽出部41の出力信号が操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(操舵トルクTh)に近づくようになる。これは、操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(操舵トルクTh)に任意のカットオフ周波数のハイパスフィルタを適用したこと、もしくは、従来の近似微分の信号に任意のカットオフ周波数のローパスフィルタを適用したことに類似する。
また、本発明では、操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(入力された操舵トルクTh)は、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域における操舵トルクであることが好ましい。また、操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(入力された操舵トルクTh)は、減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域に属することが好ましい。
なお、本発明では、操舵トルク変化率抽出部41によって抽出される操舵トルク変化率(本発明で用いる微分)の高周波の位相は、従来の近似微分のようには進まないため、制御の安定性を確保する目的には、本発明を使用することができない。制御の安定性を確保することも目的の一つである場合に、例えば、本発明の静止摩擦補償部40に更に、必要最小限のセンタ応答性ゲインを設定することにより、安定要素を別途確保又は設けさえすれば、本発明を制御の安定性を確保する目的に使用できるようになる。
車速感応ゲイン部42では、車速Velを入力し、入力した車速Velに基づいて、例えば図7に示すような特性を用いて、車速感応ゲインGvを算出し、算出した車速感応ゲインGvを乗算部44に出力するようになっている。このように、本発明の車速感応ゲイン部42は、車速Velから車速感応ゲインGvを算出するようにしているので、車速違いによる操舵感の変化を吸収できる。なお、本発明では、車速感応ゲイン部42で用いる特性は、図7の特性に限定されるものではなく、例えば、線形減少の特性を用いても良い。
本発明の目的はオンセンタ付近の摩擦感、特に静止摩擦違和感の低減であり、また、車速と摩擦は無関係のため、本来であれば、本発明にとって、車速による車速感応ゲインは不要である。
しかし、減速機構の摩擦は製品のバラつきや個体差、温度変化などにより変動するものであるため、製造された全ての製品において、摩擦のみを補償することは不可能である。また、オンセンタ付近のセルフアライニングトルク(SAT)は、車速などにより大きく変化する。
このため、上述したように、本発明では、静止摩擦補償部40に車速感応ゲイン部42を設けることによって、車速に応じたゲイン(車速感応ゲインGv)を設定できるようにし、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整可能としている。
このような構成において、本発明の動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、操舵トルクThを入力し(ステップS1)、車速Velを入力し(ステップS2)、電流指令値演算部31で電流指令値Iref1を演算する(ステップS3)。
次に、静止摩擦補償部40では、操舵トルク変化率抽出部41によって操舵トルクThを加重平均するようにし(ステップS10)、操舵トルクTh(現在の操舵トルクTh)と加重平均した操舵トルクとの差分を操舵トルク変化率として算出し(ステップS11)、また、車速感応ゲイン部42によって、車速Velに応じて車速感応ゲインGvを算出し(ステップS12)、更に、乗算部44によって、操舵トルク変化率抽出部41で算出された操舵トルク変化率と、車速感応ゲイン部42で算出された車速感応ゲインGvを乗算して得られた静止摩擦補償指令値SCCを加算部32Cに出力する(ステップS13)。
更に、補償信号生成部34では、前述したように、収れん性341、慣性342及びSAT343に基づく補償信号CMを生成して出力する(ステップS20)。
なお、本発明では、操舵トルクTh及び車速Velを入力してから(ステップS1〜S2)、電流指令値Iref1の演算(ステップS3)、静止摩擦補償指令値SCCの演算(ステップS10〜S13)、補償信号CMの生成(ステップS20)の順番は適宜変更可能である。
上述のようにして求められた電流指令値Iref1、静止摩擦補償指令値SCC及び補償信号CMは、加算部32Cに入力されて加算処理され、電流指令値Iref2を生成する(ステップS30)。電流指令値Iref2は前述のように電流制限部33で制限された後に電流制御され(ステップS31)、モータ20が駆動制御される(ステップS32)。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
34 補償信号生成部
35 PI制御部
36 PWM制御部
37 インバータ回路
40 静止摩擦補償部
41 操舵トルク変化率抽出部
42 車速感応ゲイン部
44 乗算部
50 CAN
【0006】
の静止摩擦トルク以下のトルク領域での操舵補助電流を増やすことで、車両応答(減速機構側の動き)を改善しつつ、オンセンタ感を向上させるようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0019]
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によって、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域における操舵トルクである前記操舵トルク及び車速に基づいて前記ステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値を演算する静止摩擦補償部を具備し、前記電流指令値を前記静止摩擦補償指令値で補正することにより、或いは、減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域に属する前記操舵トルク及び車速に基づいて前記ステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値を演算する静止摩擦補償部を具備し、前記電流指令値を前記静止摩擦補償指令値で補正することにより達成される。
[0020]
また、本発明の上記目的は、前記静止摩擦補償部は、前記車速に応じて決まる車速感応ゲインを演算する車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクに基づいて操舵トルク変化率を抽出する操舵トルク変化率抽出部とを具備し、前記車速感応ゲイン部で演算された前記車速感応ゲインを前記操舵トルク変化率抽出部で抽出された前記操舵トルク変化率に乗算して前記静止摩擦補償指令値とすることにより、或いは、前記操舵トルク変化率抽出部は、前記操舵トルクを加重平均することで加重平均した操舵トルクを求め、前記操舵トルクと求めた前記加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した前記差分を前記操舵トルク変化率とすることにより、或いは、前記操舵トルク変化率抽出部では、車両やコラム軸の特性に合わせて抽出したい操舵トルク変化率の勾配を選択できるように、加重平均の割合をチューニングすることにより、或いは、前記車速感応ゲイン部では、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整できるように、前記車速に応じて前記車速感応ゲインを設定することにより、より効果的に達成される。
発明の効果
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によりモータを駆動制御し、車両のステアリング機構にモータによる操舵補助力を減速機構を介して付与するようにした電動パワーステアリング装置に関し、特に、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域に起きる、ステアリング機構に存在する静止摩擦(以下、「ステアリング機構の静止摩擦」又は「静止摩擦」とも言う。)に起因する非線形違和感(非線形操舵感)を抑制しつつ、オンセンタ付近での操舵感(以下、「オンセンタ感」とも言う。)を向上させるようにした電動パワーステアリング装置に関する。
車両のステアリング機構にモータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与する電動パワーステアリング装置は、モータの駆動力を減速機構を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。かかる従来の電動パワーステアリング装置(EPS)は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。フィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)とモータ電流検出値との差が小さくなるようにモータ印加電圧を調整するものであり、モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティの調整で行っている。
電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構の減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構の減速ギア(ギア比n)3を介してコラム軸2に連結されている。電動パワーステアリング装置を制御するコントロールユニット(ECU)30には、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。コントロールユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによってモータ20に供給する電流を制御する。舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良い。
コントロールユニット30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller
Area Network)50が接続されており、車速VelはCAN50から受信することも可能である。また、コントロールユニット30には、CAN50以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN51も接続されている。
コントロールユニット30は主としてCPU(MPUやMCU等も含む)で構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。
図2を参照してコントロールユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTh及び車速センサ12で検出された(若しくはCAN50からの)車速Velは、電流指令値Iref1を演算する電流指令値演算部31に入力される。電流指令値演算部31は、入力された操舵トルクTh及び車速Velに基づいてアシストマップ等を用いて、モータ20に供給する電流の制御目標値である電流指令値Iref1を演算する。電流指令値Iref1は加算部32Aを経て電流制限部33に入力され、最大電流を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、フィードバックされているモータ電流値Imとの偏差I(Irefm−Im)が演算され、その偏差Iが操舵動作の特性改善のためのPI制御(比例積分制御)部35に入力される。PI制御部35で特性改善された電圧制御指令値VrefがPWM制御部36に入力され、更に駆動部としてのインバータ回路37を介してモータ20がPWM駆動される。モータ20の電流値Imはモータ電流検出器38で検出され、減算部32Bにフィードバックされる。インバータ回路37は駆動素子としてFETが用いられ、FETのブリッジ回路で構成されている。
また、加算部32Aには補償信号生成部34からの補償信号CMが加算されており、補償信号CMの加算によって操舵システム系の特性補償を行い、収れん性や慣性特性等を改善するようになっている。補償信号生成部34は、セルフアライニングトルク(SAT)343と慣性342を加算部344で加算し、その加算結果に更に収れん性341を加算部345で加算し、加算部345の加算結果を補償信号CMとしている。
上述したように、このような電動パワーステアリング装置は、運転者によって入力された操舵トルクや車速に応じて演算された電流指令値に基づいてモータを駆動制御し、モータによって減速機構を介してステアリング機構に対して操舵補助力を付加するようになっている。このモータ自体の摩擦、減速機構の摩擦やサスペンションの摩擦などによってステアリング機構には静止摩擦が存在するので、電動パワーステアリング装置では、ステアリング機構の静止摩擦の影響を大きく受ける。
従来の電動パワーステアリング装置では、ステアリング機構の静止摩擦が考慮されていないため、この静止摩擦の影響で、例えば、操舵し始めるときに引っ掛かり感などが生じ、オンセンタ付近(ステアリングの中立付近)での操舵感(即ち、オンセンタ感)が悪化するという問題点があった。
このような問題点を解決するために、例えば、特許第3481468号公報(特許文献1)に示されるように、ステアリング系の静止摩擦を推定し、推定した静止摩擦を補償することにより、操舵フィーリングを改善することを目的とする電動パワーステアリング装置、また、特許第4852975号公報(特許文献2)に示されるように、ハンドルのオンセンタ感を向上させるため、機械的ないし電磁的なロストルクを補償するようにした電動パワーステアリング装置が提案されている。
特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置では、静止摩擦演算手段により、トルクセンサからの操舵トルクからステアリング系の静止摩擦推定値を演算するようになっており、具体的には、「ステアリングホイール(ハンドル)が殆ど動かない程度の操舵角度であっても、ステアリング系の静止摩擦が大きい場合に、操舵トルクが増加するようになり、また、静止摩擦の影響で操舵トルクが増加する場合に、モータが回転し始め、操舵角度が変化し始めた後に比べて、操舵トルクの変化が急峻である」という事実(現象)に着目し、この操舵トルク検出値が急峻な変化を示す部分の操舵トルク検出値を抽出することで、運転者が操舵し始めるときの静止摩擦による操舵トルクの増加を検出し、ステアリング系の静止摩擦を推定するようにしている。
また、特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、摩擦補償算出部からの摩擦補償値である摩擦弱め界磁電流を算出し、弱め界磁電流を磁界の強さを制御するd軸電流指令値に加算するようになっており、どちらかと言えば、モータの構造に基づく摩擦損失及び電磁的な要因に基づく損失に対するロストルクを補償する構成となっている。
特許第3481468号公報 特許第4852975号公報
ところで、従来の電動パワーステアリング装置において、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域では、トルクセンサのオフセット誤差等を考慮したアシスト特性の影響などにより、十分なアシスト電流(操舵補助電流)を流すことができない。このため、電動パワーステアリング装置のステアリング機構の持つ静止摩擦の影響を大きく受けてしまい、特に、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域での操舵開始時及び反転時の瞬間に静止摩擦感(固着感など)として、運転者が非線形違和感を感じてしまう問題がある。
操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク未満の場合に、例えば、減速機構の静止摩擦トルクが0.7Nm程度で、操舵トルクが約0.7Nm未満の場合に、ハンドル側のみが動き、減速機構側は静止摩擦により動かずに静止したままである。この状態では、当然、車両も応答しない。しかし、操舵トルクが静止摩擦トルクを超え始めると(例えば、操舵トルクが約0.7Nmを超え始めると)、減速機構側も動き始めるため、車両も応答し始めるが、操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルクになったところ(例えば、操舵トルク約0.7Nm付近)を境に減速機構側が動く/動かないという境界を持つことになるため、車両が急激に応答したりしなかったりの車両挙動となり、非線形操舵感となってしまう問題が発生する。なお、静止摩擦トルクは車両の条件や外部環境により変わるものであり、0.7Nmに限定されるものではない。
また、上述した特許文献1に開示された電動パワーステアリング装置では、操舵トルク検出値の急峻な変化を抽出することで、ステアリング系の静止摩擦を推定できるが、静止摩擦推定値の正確性や、ステアリングホイール(ハンドル)の速い操舵速度領域での違和感(抜け感)は改善しきれないといった問題がある。
そして、上述した特許文献2に開示された電動パワーステアリング装置では、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域での操舵開始時及び反転時の瞬間に静止摩擦感(固着感など)として、運転者が非線形違和感を感じてしまう問題がある。
本発明は、上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルクと釣り合う付近において車両挙動が急変することを軽減するため(即ち、オンセンタ付近の摩擦感、特に、オンセンタ付近の静止摩擦違和感を軽減するため)、主に操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域での操舵補助電流を増やすことで、車両応答(減速機構側の動き)を改善しつつ、オンセンタ感を向上させるようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によって、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置に関し、本発明の上記目的は、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域における操舵トルクである前記操舵トルク及び車速に基づいて前記ステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値を演算する静止摩擦補償部を具備し、前記電流指令値を前記静止摩擦補償指令値で補正し、前記静止摩擦補償部は、前記車速に応じて決まる車速感応ゲインを演算する車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクに基づいて操舵トルク変化率を抽出する操舵トルク変化率抽出部とを具備し、前記車速感応ゲイン部で演算された前記車速感応ゲインを前記操舵トルク変化率抽出部で抽出された前記操舵トルク変化率に乗算して前記静止摩擦補償指令値とし、前記操舵トルク変化率抽出部は、前記操舵トルクを加重平均することで加重平均した操舵トルクを求め、前記操舵トルクと求めた前記加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した前記差分を前記操舵トルク変化率とすることにより、或いは、減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域に属する前記操舵トルク及び車速に基づいて前記ステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値を演算する静止摩擦補償部を具備し、前記電流指令値を前記静止摩擦補償指令値で補正し、前記静止摩擦補償部は、前記車速に応じて決まる車速感応ゲインを演算する車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクに基づいて操舵トルク変化率を抽出する操舵トルク変化率抽出部とを具備し、前記車速感応ゲイン部で演算された前記車速感応ゲインを前記操舵トルク変化率抽出部で抽出された前記操舵トルク変化率に乗算して前記静止摩擦補償指令値とし、前記操舵トルク変化率抽出部は、前記操舵トルクを加重平均することで加重平均した操舵トルクを求め、前記操舵トルクと求めた前記加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した前記差分を前記操舵トルク変化率とすることにより達成される。
また、本発明の上記目的は、前記操舵トルク変化率抽出部では、車両やコラム軸の特性に合わせて抽出したい操舵トルク変化率の勾配を選択できるように、加重平均の割合をチューニングすることにより、或いは、前記車速感応ゲイン部では、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整できるように、前記車速に応じて前記車速感応ゲインを設定することにより、より効果的に達成される。
本発明に係る電動パワーステアリング装置によれば、静止摩擦補償部40に、加重平均割合をチューニングできるようにした操舵トルク変化率抽出部41と、車速に応じたゲイン(車速感応ゲインGv)を設定できるようにした車速感応ゲイン部42とを設けるようにしているので、車両やコラム軸の特性に合わせて抽出したい操舵トルク変化率の勾配(周波数)を選択できると共に、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整できる。
本発明によれば、従来のオンセンタ応答性改善部が抱えていたような違和感(即ち、オンセンタ付近の静止摩擦違和感)を抑制しつつ、オンセンタ感を改善できるようにした。
さらに、本発明によれば、モータの回転が停止状態で微小な操舵トルク入力を検出した時点から、静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCが出力され始めていることにより、操舵の切り返し時に見かけ上の摩擦が減ったような効果が得られる。また、本発明によれば、切り返し時だけでなく、切り出し時でも、同様な効果が得られる。
電動パワーステアリング装置の概要を示す構成図である。 電動パワーステアリング装置の制御系の構成例を示すブロック図である。 本発明の構成例を示すブロック図である。 本発明に係る操舵トルク変化率抽出部の入力信号及び出力信号の波形例を示すグラフである。 本発明に係る操舵トルク変化率抽出部において、異なる加重平均割合(即ち、加重平均割合wa1、wa2、wa4、wa8及びwa16)による出力信号の波形例を示すグラフである。 図5(A)〜(E)に示す出力信号の波形例を重ねて得たグラフである。 本発明に係る車速感応ゲイン部の特性例を示す特性図である。 本発明の動作例を示すフローチャートである。
本発明は、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域に起きる、ステアリング機構の静止摩擦に起因する非線形操舵感(以下、「オンセンタ付近の静止摩擦違和感」とも言う。)を抑制しつつ、オンセンタ感を向上させるようにした電動パワーステアリング装置に関する。
即ち、本発明では、本発明の課題として挙げている「オンセンタ付近の微小操舵トルク領域での操舵開始時及び反転時の瞬間に発生する静止摩擦感」、即ち、操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルクと釣り合う付近において車両挙動が急変することを軽減するために、主に操舵トルクが減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域(オンセンタ付近の微小操舵トルク領域)において、操舵トルク及び車速に基づいて静止摩擦補償部によって演算された静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCで、操舵補助の電流指令値を補正することによって、静止摩擦の補償を行い、補正された電流指令値でモータを駆動するようにしているので、静止摩擦補償が考慮されていない従来の電動パワーステアリング装置で得られた操舵補助電流を増やして得られた十分な操舵補助電流をモータに流すことが可能になり、車両応答(減速機構側の動き)を改善しつつ、オンセンタ感を向上させるようにしている。
以下に、図面を参照しながら、本発明の具体的な実施形態を詳細に説明する。
図3は本発明の構成例を図2に対応させて示しており、本発明では、静止摩擦補償部40を新たに付加し、操舵トルクTh及び車速Velに基づいて、静止摩擦補償部40で演算された静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCを加算部32Cに加算入力して電流指令値Iref1を補正し、静止摩擦を補償している。即ち、本発明では、加算部32Cに電流指令値Iref1及び補償信号CMを加算入力すると共に、静止摩擦補償部40で演算された静止摩擦補償指令値SCCを加算部32Cに加算入力し、前述した電流指令値Iref1を補正して電流指令値Iref2を求めている。電流指令値Iref2以降の動作は、前述の図2の場合と全く同様である。
なお、本発明では、補償信号生成部34による補償信号CMによる補償は必須のものではない。
静止摩擦補償部40は、操舵トルク変化率を抽出するための操舵トルク変化率抽出部41と、車速感応ゲインを算出するための車速感応ゲイン部42と、乗算部44とで構成されており、操舵トルク及び車速に基づいて、静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCを演算するようになっている。
本発明で言う操舵トルク変化率は、操舵トルクThの微分成分又は操舵トルクThの微分値に相当しており、以下、操舵トルク変化率を単に「操舵トルクの微分」とも言う。また、乗算部44は、操舵トルク変化率抽出部41から出力された操舵トルク変化率と、車速感応ゲイン部42から出力された車速感応ゲインGvを乗算して得られた静止摩擦補償指令値(静止摩擦補償値)SCCを加算部32Cに出力する。
操舵トルク変化率抽出部41では、操舵トルクThを入力し、入力した操舵トルクThを加重平均することで操舵トルクの加重平均値(以下、「加重平均した操舵トルク」とも言う。)を求め、入力した操舵トルクThと求めた加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した差分を操舵トルク変化率として乗算部44に出力するようになっている。本発明の操舵トルク変化率抽出部41によれば、トルクセンサ10で検出された操舵トルク信号(操舵トルクTh)から、任意の操舵トルク変化率(操舵トルクの微小な変化でも)を効率よく抽出できる。
なお、本発明の操舵トルク変化率抽出部41では、操舵トルクThに対して行う加重平均処理の代わりに、入力した操舵トルクThをローパスフィルタ処理するようにしても良い。この場合は、入力した操舵トルクThとローパスフィルタ処理後の操舵トルクとの差分を算出し、算出した当該差分を操舵トルク変化率として乗算部44に出力するようにする。
図4には、本発明の操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(操舵トルクTh)、加重平均した操舵トルク、出力信号(操舵トルク変化率、即ち、本発明で用いる微分)、及び、本発明で用いる微分との比較用に示してある従来の近似微分(即ち、従来の1サンプル差分)の波形例を示してある。
図4から分かるように、従来の近似微分(従来の1サンプル差分)に比べ、本発明は応答性が劣るが、大よそ入力した操舵トルクThの変化のみを抽出できている。このため、従来の近似微分に比べ、本発明は操舵の応答性を上げつつ、応答性が高すぎる事の背反が出難くなっている。
本発明では、加重平均の割合(即ち、信号の応答性、以下、「加重平均割合」とも言う。)をチューニング可能とすることで、車両やコラム軸の特性に合わせて、操舵トルク変化率抽出部41によって抽出したい操舵トルク変化率の勾配(周波数)を選択できるようにしている。
図5は、本発明の操舵トルク変化率抽出部41において、入力信号(入力された操舵トルクTh)を異なる加重平均割合(加重平均割合wa1、wa2、wa4、wa8及びwa16)で加重平均する場合の出力信号(出力される操舵トルク変化率、即ち、本発明で用いる微分)の波形例を示すグラフである。また、図6は、図5(A)〜(E)に示す出力信号の波形例を重ねて得たグラフである。ちなみに、加重平均割合の大きさの順番は、wa1<wa2<wa4<wa8<wa16となっている。
図5及び図6から分かるように、本発明の操舵トルク変化率抽出部41では、加重平均割合を小さくするほど、操舵トルク変化率抽出部41の出力信号が従来の近似微分に近づき、また、加重平均割合を大きくするほど、操舵トルク変化率抽出部41の出力信号が操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(操舵トルクTh)に近づくようになる。これは、操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(操舵トルクTh)に任意のカットオフ周波数のハイパスフィルタを適用したこと、もしくは、従来の近似微分の信号に任意のカットオフ周波数のローパスフィルタを適用したことに類似する。
また、本発明では、操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(入力された操舵トルクTh)は、オンセンタ付近の微小操舵トルク領域における操舵トルクであることが好ましい。また、操舵トルク変化率抽出部41の入力信号(入力された操舵トルクTh)は、減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域に属することが好ましい。
なお、本発明では、操舵トルク変化率抽出部41によって抽出される操舵トルク変化率(本発明で用いる微分)の高周波の位相は、従来の近似微分のようには進まないため、制御の安定性を確保する目的には、本発明を使用することができない。制御の安定性を確保することも目的の一つである場合に、例えば、本発明の静止摩擦補償部40に更に、必要最小限のセンタ応答性ゲインを設定することにより、安定要素を別途確保又は設けさえすれば、本発明を制御の安定性を確保する目的に使用できるようになる。
車速感応ゲイン部42では、車速Velを入力し、入力した車速Velに基づいて、例えば図7に示すような特性を用いて、車速感応ゲインGvを算出し、算出した車速感応ゲインGvを乗算部44に出力するようになっている。このように、本発明の車速感応ゲイン部42は、車速Velから車速感応ゲインGvを算出するようにしているので、車速違いによる操舵感の変化を吸収できる。なお、本発明では、車速感応ゲイン部42で用いる特性は、図7の特性に限定されるものではなく、例えば、線形減少の特性を用いても良い。
本発明の目的はオンセンタ付近の摩擦感、特に静止摩擦違和感の低減であり、また、車速と摩擦は無関係のため、本来であれば、本発明にとって、車速による車速感応ゲインは不要である。
しかし、減速機構の摩擦は製品のバラつきや個体差、温度変化などにより変動するものであるため、製造された全ての製品において、摩擦のみを補償することは不可能である。また、オンセンタ付近のセルフアライニングトルク(SAT)は、車速などにより大きく変化する。
このため、上述したように、本発明では、静止摩擦補償部40に車速感応ゲイン部42を設けることによって、車速に応じたゲイン(車速感応ゲインGv)を設定できるようにし、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整可能としている。
このような構成において、本発明の動作例を図8のフローチャートを参照して説明する。
まず、操舵トルクThを入力し(ステップS1)、車速Velを入力し(ステップS2)、電流指令値演算部31で電流指令値Iref1を演算する(ステップS3)。
次に、静止摩擦補償部40では、操舵トルク変化率抽出部41によって操舵トルクThを加重平均するようにし(ステップS10)、操舵トルクTh(現在の操舵トルクTh)と加重平均した操舵トルクとの差分を操舵トルク変化率として算出し(ステップS11)、また、車速感応ゲイン部42によって、車速Velに応じて車速感応ゲインGvを算出し(ステップS12)、更に、乗算部44によって、操舵トルク変化率抽出部41で算出された操舵トルク変化率と、車速感応ゲイン部42で算出された車速感応ゲインGvを乗算して得られた静止摩擦補償指令値SCCを加算部32Cに出力する(ステップS13)。
更に、補償信号生成部34では、前述したように、収れん性341、慣性342及びSAT343に基づく補償信号CMを生成して出力する(ステップS20)。
なお、本発明では、操舵トルクTh及び車速Velを入力してから(ステップS1〜S2)、電流指令値Iref1の演算(ステップS3)、静止摩擦補償指令値SCCの演算(ステップS10〜S13)、補償信号CMの生成(ステップS20)の順番は適宜変更可能である。
上述のようにして求められた電流指令値Iref1、静止摩擦補償指令値SCC及び補償信号CMは、加算部32Cに入力されて加算処理され、電流指令値Iref2を生成する(ステップS30)。電流指令値Iref2は前述のように電流制限部33で制限された後に電流制御され(ステップS31)、モータ20が駆動制御される(ステップS32)。
1 ハンドル
2 コラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)
10 トルクセンサ
12 車速センサ
14 舵角センサ
20 モータ
30 コントロールユニット(ECU)
31 電流指令値演算部
33 電流制限部
34 補償信号生成部
35 PI制御部
36 PWM制御部
37 インバータ回路
40 静止摩擦補償部
41 操舵トルク変化率抽出部
42 車速感応ゲイン部
44 乗算部
50 CAN

Claims (7)

  1. 少なくとも操舵トルクに基づいて演算された電流指令値によって、ステアリング機構に操舵補助力を付与するモータを駆動制御する電動パワーステアリング装置において、
    前記操舵トルク及び車速に基づいて前記ステアリング機構の静止摩擦を補償するための静止摩擦補償指令値を演算する静止摩擦補償部を具備し、前記電流指令値を前記静止摩擦補償指令値で補正することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記静止摩擦補償部は、前記車速に応じて決まる車速感応ゲインを演算する車速感応ゲイン部と、前記操舵トルクに基づいて操舵トルク変化率を抽出する操舵トルク変化率抽出部とを具備し、前記車速感応ゲイン部で演算された前記車速感応ゲインを前記操舵トルク変化率抽出部で抽出された前記操舵トルク変化率に乗算して前記静止摩擦補償指令値とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記操舵トルク変化率抽出部は、前記操舵トルクを加重平均することで加重平均した操舵トルクを求め、前記操舵トルクと求めた前記加重平均した操舵トルクとの差分を算出し、算出した前記差分を前記操舵トルク変化率とする請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
  4. 前記車速感応ゲイン部では、車速違いによる車両応答と、摩擦感、操舵感を調整できるように、前記車速に応じて前記車速感応ゲインを設定する請求項2又は請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 前記操舵トルク変化率抽出部では、車両やコラム軸の特性に合わせて抽出したい操舵トルク変化率の勾配を選択できるように、加重平均の割合をチューニングする請求項2又は請求項3に記載の電動パワーステアリング装置。
  6. 前記操舵トルクはオンセンタ付近の微小操舵トルク領域における操舵トルクである請求項1乃至5の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
  7. 前記操舵トルクは減速機構の静止摩擦トルク以下のトルク領域に属する請求項1乃至5の何れかに記載の電動パワーステアリング装置。
JP2016539351A 2014-08-08 2015-08-03 電動パワーステアリング装置 Active JP6020776B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014162993 2014-08-08
JP2014162993 2014-08-08
PCT/JP2015/071910 WO2016021526A1 (ja) 2014-08-08 2015-08-03 電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6020776B2 JP6020776B2 (ja) 2016-11-02
JPWO2016021526A1 true JPWO2016021526A1 (ja) 2017-04-27

Family

ID=55263792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016539351A Active JP6020776B2 (ja) 2014-08-08 2015-08-03 電動パワーステアリング装置

Country Status (5)

Country Link
US (1) US9840272B2 (ja)
EP (1) EP3178725B1 (ja)
JP (1) JP6020776B2 (ja)
CN (1) CN106573646B (ja)
WO (1) WO2016021526A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BR112017011296A2 (pt) 2014-12-02 2018-10-09 Nsk Ltd aparelho de direção elétrica assistida
JP6108050B2 (ja) * 2014-12-02 2017-04-05 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
KR101684513B1 (ko) * 2015-04-28 2016-12-08 현대자동차 주식회사 Mdps 시스템의 복원 제어장치
KR102341111B1 (ko) * 2015-12-14 2021-12-21 현대모비스 주식회사 전동식 조향 장치 및 그 제어 방법
JP6326171B1 (ja) * 2017-07-20 2018-05-16 株式会社ショーワ 操舵制御装置、電動パワーステアリング装置
JP6939692B2 (ja) * 2018-04-27 2021-09-22 トヨタ自動車株式会社 車両制御システム
JP7170971B2 (ja) * 2019-04-18 2022-11-15 日本精工株式会社 車両用操向システムの制御装置
DE102019206980B4 (de) 2019-05-14 2023-06-22 Volkswagen Aktiengesellschaft Verfahren und Lenkungssteuergerät zum Ermitteln einer Stellgröße für das Einstellen eines Servolenkmoments bei einem Fahrzeuglenksystem
TWI731699B (zh) * 2020-05-27 2021-06-21 台達電子工業股份有限公司 進給系統的摩擦力預測與補償方法以及電腦可讀取儲存媒體
DE102021202482B4 (de) * 2021-03-15 2023-06-29 Continental Automotive Technologies GmbH Regelungseinrichtung und Verfahren zur Lenkwinkelregelung eines Fahrzeugs

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3416474B2 (ja) * 1997-08-07 2003-06-16 三菱電機株式会社 電動式パワーステアリング装置
JP3481468B2 (ja) * 1998-09-30 2003-12-22 三菱電機株式会社 電動パワーステアリング装置
JP3623721B2 (ja) * 2000-07-21 2005-02-23 三菱電機株式会社 電動式パワーステアリング装置
JP4411514B2 (ja) * 2003-09-08 2010-02-10 株式会社ジェイテクト 電動パワーステアリング装置
JP4852975B2 (ja) 2005-10-28 2012-01-11 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置及びその制御装置
JP2007161157A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Nsk Ltd 電動パワーステアリング装置
JP5257445B2 (ja) 2009-01-28 2013-08-07 日本精工株式会社 電動パワーステアリング装置
US20120203430A1 (en) * 2009-10-20 2012-08-09 Honda Motor Co., Ltd. Electric power steering system
JP5430673B2 (ja) * 2009-11-20 2014-03-05 本田技研工業株式会社 電動パワーステアリング装置
ES2388245T3 (es) * 2010-03-10 2012-10-11 Thyssenkrupp Presta Ag Compensación de fuerza de rozamiento en un sistema eléctrico de direccionamiento
JP2013159240A (ja) * 2012-02-06 2013-08-19 Jtekt Corp 電動パワーステアリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6020776B2 (ja) 2016-11-02
US20170166243A1 (en) 2017-06-15
EP3178725A4 (en) 2018-05-30
CN106573646B (zh) 2019-01-04
WO2016021526A1 (ja) 2016-02-11
US9840272B2 (en) 2017-12-12
EP3178725B1 (en) 2019-05-22
CN106573646A (zh) 2017-04-19
EP3178725A1 (en) 2017-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6020776B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP3459825B1 (en) Electric power steering device
JP5896091B1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6098764B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6004146B1 (ja) 電動パワーステアリング装置
US10179601B2 (en) Electric power steering apparatus
JP6350619B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6365711B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP2990302B1 (en) Electric power steering device
WO2016017235A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
EP3199426B1 (en) Electrically actuated power steering device
WO2016104681A1 (ja) 電動パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20160823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160906

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6020776

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150