JPWO2016017504A1 - ダイレクトドライブモータの製造方法、及び治具 - Google Patents

ダイレクトドライブモータの製造方法、及び治具 Download PDF

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Abstract

高い回転精度と回転検出精度を得ることが可能なダイレクトドライブモータの製造方法、及び治具を提供する。ダイレクトドライブモータの製造方法は、ハウジングインナ(3)と、ハウジングインナの外側に配置されるロータフランジ(5)と、ハウジングインナ(3)に対してロータフランジ(5)を回転自在に支持する軸受(11)と、レゾルバ(27)とを備えるダイレクトドライブモータ(10)の製造方法であって、ロータフランジ(5)に軸受(11)の回転輪(23)を嵌め込み、回転輪(23)とロータフランジ(5)との隙間に充填剤を充填し、ロータフランジ(5)の外周面と固定輪(21)の内周面との間の径方向幅(A)及びロータフランジ(5)の外周面とレゾルバロータ(33)の内周面との間の径方向幅(W1)が規定された治具で固定する工程を有する。

Description

本発明は、ダイレクトドライブモータの製造方法、及び治具に関する。
一般に、回転体に回転力をダイレクトに伝達し、当該回転体を被回転体に対して所定方向へ回転させる駆動方式(モータ負荷直結型の駆動方式)を採用したダイレクトドライブモータ(以下、DDモータともいう)が知られている。この種のDDモータは、モータ部、軸受、回転検出器(レゾルバ)及びハウジングを備え、その全体概形が略円柱状に形成されている。DDモータが用いられる搬送装置、検査装置、及び、工作機械などの小型化を図るためには、該DDモータのハウジングの設置面積(いわゆるフットプリント)や該ハウジングの軸方向の高さを低減した扁平構造とすることが好ましい。このため、従来、DDモータのフットプリントの縮小を図るべく、モータ部、軸受、回転検出器(レゾルバ)を軸方向へ縦列配置させた構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−178926号公報
ところで、搬送装置、検査装置、及び、工作機械などの被回転体に設けられたインロー穴にロータフランジがインロー嵌合される構造のDDモータでは、出力軸の振れ精度が回転体の回転精度に直接影響する。従来、DDモータの振れ精度を上げるために各部品の寸法精度の向上が図られてきた。一方、各部品の嵌め合いには各部品の寸法公差を許容するためのマージンが必要となる。このため、各部品のマージンによって各部品の寸法精度よりも組み上げたDDモータの精度が低くなり、要求される回転精度が得られない可能性がある。
本発明は、上述した課題を解決するものであり、高い回転精度を得ることが可能なダイレクトドライブモータの製造方法、及び治具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、固定子と該固定子に対して回転可能な回転子とを有するモータ部と、固定子が固定される第1ハウジングと、第1ハウジングの外側に配置され、回転子が固定される第2ハウジングと、第1ハウジングに対して第2ハウジングを回転自在に支持する軸受と、第1ハウジングと共に軸受の固定輪を軸方向に挟持する固定輪押え部材と、モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、を備えるダイレクトドライブモータの製造方法であって、第2ハウジングの軸方向所定位置に回転子を構成する複数個の永久磁石を周方向に所定間隔で同心状に配置し固定する工程と、第2ハウジングに軸受の回転輪を嵌め込み、軸受の回転輪と第2ハウジングとの隙間に充填剤を充填し、第2ハウジングの外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅が規定された治具で固定する工程と、第1ハウジングの外周面の軸方向所定位置に固定子を構成する複数個のモータコアを周方向に所定間隔で同心状に配置し固定する工程と、軸受の固定輪に第1ハウジングを挿入する工程と、軸受の固定輪を第1ハウジングと固定輪押え部材とで挟持し、軸受の固定輪を軸方向に固定する工程と、を有することを特徴とするダイレクトドライブモータの製造方法を提供する。
本発明の第1の態様によれば、ダイレクトドライブモータの第2ハウジングの出力軸側端部の外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅のばらつきが抑制され、高い回転精度を得ることが可能なダイレクトドライブモータを得ることができる。
また、本発明の第2の態様は、第1の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、回転検出器がレゾルバロータと該レゾルバロータに対向して配置されるレゾルバステータとを含み、レゾルバロータを第2ハウジングに直接固定する工程と、レゾルバステータを固定輪押え部材に直接固定する工程と、を有してもよい。
本発明の第2の態様によれば、レゾルバロータ及びレゾルバステータの位置ばらつきによる第2ハウジングの回転角度位置の検出精度への影響を抑制することができ、モータ部の回転状態を高精度に検出することが可能なダイレクトドライブモータを得ることができる。
また、本発明の第3の態様は、第2の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、第2ハウジングにレゾルバロータを嵌め込み、第2ハウジングの外周面とレゾルバロータの内周面との間の径方向幅が規定された治具で固定する工程と、をさらに有してもよい。
本発明の第3の態様によれば、第2ハウジングの出力側の外周面とレゾルバロータの内周面との間の径方向幅のばらつきが抑制され、モータ部の回転状態をさらに高精度に検出することが可能なダイレクトドライブモータを得ることができる。
また、本発明の第4の態様は、固定子と該固定子に対して回転可能な回転子とを有するモータ部と、固定子が固定される第1ハウジングと、第1ハウジングの外側に配置され、回転子が固定される第2ハウジングと、第1ハウジングに対して第2ハウジングを回転自在に支持する軸受と、第1ハウジングと共に軸受の固定輪を軸方向に挟持する固定輪押え部材と、モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、を備えるダイレクトドライブモータの製造方法で用いられる治具であって、第2ハウジングが嵌め込まれる円環状の溝部と、軸受の固定輪を嵌め込む円柱状の凸部と、を含み、円環状の溝部は、モータ部の回転軸を中心とする外周側壁面と、外周側壁面よりも半径が大きい内周側壁面と、を有し、当該円環状の溝部の径方向幅が第2ハウジングの出力軸側端部の径方向幅よりも大きく、外周側壁面が第2ハウジングの出力軸側端部の外周面に接し、当該円環状の溝部の底部が第2ハウジングの出力軸側端部の軸方向端面に接するように構成され、円柱状の凸部は、モータ部の回転軸を中心とする外周壁面を有し、円環状の溝部の底面から当該円柱状の凸部の出力軸側端部までの高さが第2ハウジングの出力軸側端部の軸方向端面から軸受の出力軸側端面までの高さよりも大きく、外周壁面が前記軸受の固定輪の内周面に接するように構成され、円環状の溝部の内周側壁面と円柱状の凸部の外周壁面との間の径方向距離によって、第2ハウジングの外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅を規定する治具を提供する。
本発明の第4の態様によれば、ダイレクトドライブモータの第2ハウジングの出力軸側端部の外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅のばらつきが抑制され、高い回転精度を得ることが可能なダイレクトドライブモータを得ることができる。
また、本発明の第5の態様は、第4の態様の治具において、ダイレクトドライブモータは、回転検出器がレゾルバロータと該レゾルバロータに対向して配置されるレゾルバステータとを含み、円環状の溝部の内周側壁面と外周側壁面との間の径方向距離によって、第2ハウジングの外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅及び第2ハウジングの外周面とレゾルバロータの内周面との間の径方向幅を規定してもよい。
本発明の第5の態様によれば、ダイレクトドライブモータの第2ハウジングの出力軸側端部の外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅のばらつき、及び、第2のハウジングの出力軸側端部の外周面とレゾルバロータの内周面との間の径方向幅のばらつきが抑制され、モータ部の回転状態の検出精度を高めることが可能なダイレクトドライブモータを得ることができる。
また、本発明の第6の態様は、第1の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、固定輪押え部材が非磁性材料で構成されていてもよい。この構成によれば、回転検出器へのモータ部からの磁気の回り込みによる第2ハウジングの回転角度位置の検出精度への影響を抑制することができ、モータ部の回転状態を高精度に検出することができる。
また、本発明の第7の態様は、第1の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、回転検出器が固定子に対する回転子の相対変位を検出するインクリメンタル方式の単一のレゾルバであってもよい。この構成によれば、ダイレクトドライブモータの軸方向の高さ寸法を低減でき、ダイレクトドライブモータの軸方向への小型化を図ることができる。
また、本発明の第8の態様は、第7の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、モータ部への電源投入時に力率が0となる位置を検出する力率検出部と、力率が0となる位置とレゾルバから出力されるインクリメンタル情報とにより、該モータ部の転流を制御する転流制御部とを備えてもよい。この構成によれば、単一のレゾルバを搭載した構成であっても、ダイレクトドライブモータの回転状態を高精度に検出できる。
また、本発明の第9の態様は、第1の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、モータ部、軸受、及び、レゾルバが軸受の軸方向に並んで配置されてもよい。この構成によれば、ダイレクトドライブモータの径方向への拡大が抑制され、フットプリントの低減を図ることができる。
また、本発明の第10の態様は、第1の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、第2ハウジングが軸受の回転輪の一方の軸方向端面側に延在する鍔部と、該回転輪の他方の軸方向端面側に配置される回転輪押え部材と、を備えた構成としてもよい。この構成によれば、万が一、軸受と第2ハウジングとの嵌合面に充填された充填剤の接着力が低下した場合でも、軸受と第2ハウジングとが外れることを防止できる。
また、本発明の第11の態様は、第1の態様のダイレクトドライブモータの製造方法において、ダイレクトドライブモータは、第2ハウジングが略円筒形状に形成され、かつ、軸方向に切れ目のない一体構造であってもよい。この構成によれば、第2ハウジングを軸方向に大型化することなく、軸受を支持することができ、ダイレクトドライブモータの小型化を図ることができる。
本発明の態様によれば、高い回転精度を得ることが可能なダイレクトドライブモータの製造方法、及び治具が提供される。
図1は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの構成を示す断面図である。 図2は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの回転角度位置を制御する構成を示すブロック図である。 図3は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータのロータフランジに対する軸受の固定手法について説明する図である。 図4は、本実施形態に係る治具の形状の一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの製造手順の一例を示す図である。 図6は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの製造方法における第1工程を示す図である。 図7は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの製造方法における第2工程を示す図である。 図8は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの製造方法における第3工程を示す図である。 図9は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの製造方法における第4工程を示す図である。 図10は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータの製造方法における第5工程を示す図である。 図11は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータを用いた検査装置の概略構成図である。 図12は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータを用いた工作機械の概略構成図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
図1は、本実施形態に係るダイレクトドライブモータ10の構成を示す断面図である。ダイレクトドライブモータ(以下、DDモータという)10は、減速機構(例えば、減速ギヤ、伝動ベルトなど)を介在させること無く回転体に回転力をダイレクトに伝達し、当該回転体を所定方向に回転させることができる。
本実施形態のDDモータ10は、いわゆるアウターロータ型として構成されている。DDモータ10は、図1に示すように、基台1に固定される環状のハウジングインナ(第1ハウジング)3と該ハウジングインナ3の外側に配置される環状のロータフランジ(第2ハウジング)5とを有するハウジング7と、ハウジングインナ3とロータフランジ5との間に組み込まれ、ハウジングインナ3に対してロータフランジ5を回転させるモータ部9と、ロータフランジ5をハウジングインナ3に回転可能に支持する軸受11とを備える。
ハウジングインナ3及びロータフランジ5は、それぞれ異径の略円筒形状に形成され、回転軸Sに対して同心状に配置されている。ロータフランジ5は、回転軸Sの軸方向(図1では上下方向)に切れ目のない一体構造である。すなわち、ロータフランジ5は、回転軸Sの軸方向に、下端部から上端部まで全周に亘って連続する略円筒状に構成されており、上端部に各種ワーク(図示しない)が取り付けられるようになっている。モータ部9によってロータフランジ5を回転させることで、これと共に各種ワークを所定方向に回転させることができる。このように、ロータフランジ5は、モータ部9の動作によって回転軸Sを中心に回転運動するため、出力軸として機能する。また、ハウジングインナ3は、回転軸Sの軸方向に、下端部から軸受11まで全周に亘って連続する略円筒状に構成されており、この軸受11を内輪押え(固定輪押え部材)29とで挟持している。なお、本実施形態では、ハウジングインナ3及びロータフランジ5を磁性材料で構成し、内輪押え29を非磁性材料で構成している。その理由については後述する。
モータ部9は、ハウジング7の下部(基台1の近く)に配置される。モータ部9は、ハウジングインナ3の外周面に固定されたステータ(固定子)13と、ロータフランジ5の内表面に固定されて、ステータ13に対向配置されるロータ(回転子)15とを備える。ステータ13は、周方向(ロータフランジ5の回転方向)に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で同心状に配列される複数個のモータコア17を備え、各モータコア17に素線が多重に巻回されてなるステータコイル19が固定されている。ステータ13には、制御ユニット20(図2)からの電力を供給するための配線が接続されており、当該配線を通じてステータコイル19に対して電力が供給されるようになっている。ロータ15は、周方向(ロータフランジ5の回転方向)に沿って所定間隔(例えば、等間隔)で同心状に配列される複数個の永久磁石によって構成される。制御ユニット20を通じて、ステータコイル19に通電されると、フレミングの左手の法則に従ってロータフランジ5に回転力が与えられ、ロータフランジ5は所定方向に回転する。なお、本実施形態に係るDDモータ10は、搬送装置、検査装置、及び、工作機械などの被回転体200に設けられたインロー穴200aにロータフランジ5がインロー嵌合され、被回転体200を回転させる。以下、ロータフランジ5において被回転体200を取り付ける側の軸方向端部を出力軸側端部と定義する。
軸受11は、モータ部9よりも軸方向に基台1から遠い位置に配置される。軸受11は、相対回転可能に対向配置された内輪(固定輪)21及び外輪(回転輪)23と、これら内輪21及び外輪23の間に転動可能に設けられた複数の転動体25とを備える。軸受11は、1つでアキシアル荷重とモーメント荷重の両方を負荷することが可能なものであることが好ましく、例えば、4点接触玉軸受、3点接触玉軸受、深溝玉軸受、あるいはクロスローラ軸受などを採用することができる。クロスローラ軸受を採用する場合には、一般的な内輪もしくは外輪が分割構造となるものではなく、内外輪とも一体構造のものを使用することが望ましい。内輪21は、ハウジングインナ3と内輪押え29とで挟持され、外輪23はロータフランジ5の内周面に固定されている。軸受11の支持構造については後述する。
また、DDモータ10は、軸受11の上方(すなわち軸受11よりも軸方向に基台1から遠い位置)に、モータ部9の回転状態(例えば、回転速度、回転方向あるいは回転角度など)を検出するためのレゾルバ(回転検出器)27が設けられている。これにより、ロータフランジ5に取り付けられた各種ワークを所定角度だけ正確に回転させ、目標位置に高精度に位置決めすることが可能となる。また、レゾルバ27は、ハウジングインナ3に連結される内輪押え29の上部に設けられた円板状のカバー31によって外界から隔離されて保護されている。
本実施形態では、DDモータ10は、モータ部9、軸受11及びレゾルバ27を回転軸Sの軸方向(図1では上下方向)へ並ぶようにハウジング7内に縦列配置した構成としている。これにより、DDモータ10では、回転軸Sを中心とした径方向への増大が抑制されるため、ハウジング7の設置面積(いわゆるフットプリント)の低減を図ることができる。一方、近年、ハウジングの設置面積のみならず、軸方向の高さ寸法を低減したDDモータが要望されている。
本実施形態では、ハウジング7内に単一のレゾルバ27だけが配置されている。レゾルバ27は、ステータ13に対するロータ15の相対変位を検出するインクリメンタルレゾルバである。レゾルバ27は、円環状のレゾルバロータ33と、レゾルバロータ33の内側に対向して配置され、回転軸Sを中心とする円環状の形状を有し、レゾルバロータ33との間のリラクタンス変化を検出するレゾルバステータ35とを有して構成されている。このように、ハウジング7内に単一のレゾルバ27だけが配置されている構成とすることにより、アブソリュートレゾルバとインクリメンタルレゾルバの2種類の各レゾルバを軸方向へ縦列配置する構成よりもDDモータ10の軸方向の高さ寸法を低減することができる。
レゾルバロータ33は、ボルト33aによりロータフランジ5の内周面に形成されたレゾルバロータ固定部5aに他の部材を介することなく直接取り付けられ一体化している。また、レゾルバステータ35は、ボルト35aにより内輪押え29の外周面に形成されたレゾルバステータ固定部29aに他の部材を介することなく直接取り付けられ一体化している。
上記構成により、リラクタンスがレゾルバロータ33の位置により変化する。これにより、ロータフランジ5の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となる。レゾルバ27は、ロータフランジ5の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号(インクリメンタル情報)を出力する。
図2は、本実施形態に係るDDモータ10の回転角度位置を制御する構成を示すブロック図である。DDモータ10には、このDDモータ10の動作を制御する制御ユニット20が接続されている。この制御ユニット20は、モータ部9への電源投入時に力率が0となる位置を検出する力率検出部41と、この力率が0となる位置とレゾルバ信号とに基づいて、モータ部9の転流を制御する転流制御部43とを備える。
本実施形態では、力率検出部41は、モータ部9(ステータコイル19)への電源を投入した際に力率が0となるレゾルバロータ33の位置を検出し、この検出した位置を基準位置として設定する。そして、この基準位置を転流制御部43に出力する。転流制御部43は、レゾルバ27が検出するレゾルバ信号を取得し、このレゾルバ信号の変化と、基準位置とに基づき、モータ部9に流れるモータ電流の転流タイミングの制御を行う。これにより、モータ電流の転流タイミングを検出する際にアブソリュートレゾルバが不要となるため、アブソリュートレゾルバとインクリメンタルレゾルバの2種類の回転検出器を搭載させる必要がない。したがって、単一のレゾルバ構成とすることができ、DDモータ10の軸方向の高さを抑えることができる。
次に、軸受11の外輪(回転輪)23の支持構造について説明する。ロータフランジ5の内周面には、軸受11の軸方向高さに相当する幅の外輪固定部50が全周に亘って形成されており、この外輪固定部50のレゾルバ27側には、全周に亘って、軸受11の外輪(回転輪)23の外径よりも縮径して内側に突出する鍔部51が形成されている。また、外輪固定部50のモータ部9側には、軸受11の外輪(回転輪)23の外径よりも拡径された溝部52が形成されている。
鍔部51は、外輪(回転輪)23の軸方向一端面(レゾルバ27側端面)23a側に延在する。鍔部51は、この鍔部51の内周面51bが外輪(回転輪)23の内周面よりも外側に位置し、かつ、外輪(回転輪)23の面取部よりも内側に位置するように形成することが好ましい。これによれば、鍔部51で軸受11の外輪(回転輪)23を確実に支持することができる。
また、溝部52には、外径方向に膨らもうとするばね力をもつ外輪押え(回転輪押え部材)53が装着され、この外輪押え53は、外輪(回転輪)23の軸方向他端面(モータ部9側端面)23b側に延在する。溝部52の外径は軸受11の外輪(回転輪)23の最外径より少し大きく、軸受11自体の許容荷重が外輪押え53に加わっても外れないようになっている。なお、外輪押え53としては、例えば、C型止め輪であっても良いし、ばねリングを用いることもできる。
また、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との間の隙間には充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)が充填され、この充填剤が固化することにより軸受11とロータフランジ5とが固定される。
このように、軸受11の外輪(回転輪)23は、外輪固定部50の軸方向の上下(両端)に設けられた鍔部51と外輪押え53とによって軸方向に挟持され、軸受11と外輪固定部50との間の隙間に充填された充填剤が固化して固定される。
次に、軸受11の内輪(固定輪)21の支持構造について説明する。ロータフランジ5と軸受11の外輪(回転輪)23とが固定された後、軸受11の内輪(固定輪)21をハウジングインナ3と内輪押え29とで挟持し、複数個のボルト35bで締結することで、軸受11の内輪(固定輪)21が軸方向に固定されて支持される。なお、本実施形態では、ハウジングインナ3と内輪押え29とを挿通固定するボルト35bは、レゾルバステータ35を内輪押え29に固定するためのボルト35aとは異なる別の部品としている。
内輪押え29の外径は、軸受11の内輪(固定輪)21の内径よりも拡径されている。内輪押え29の外縁部は、内輪(固定輪)21の軸方向一端面(レゾルバ27側端面)21a側に延在する。内輪押え29は、この内輪押え29の外縁部が内輪(固定輪)21の外周面よりも内側に位置し、かつ、内輪(固定輪)21の面取部よりも外側に位置するように形成することが好ましい。これによれば、内輪押え29で軸受11の内輪(固定輪)21を確実に支持することができる。
また、ハウジングインナ3の外周面には、上端部から軸受11の軸方向高さに相当する幅の内輪固定部60が全周に亘って形成されており、この内輪固定部60のモータ部9側には、全周に亘って、軸受11の内輪(固定輪)21の内径よりも拡径して外側に突出する鍔部61が形成されている。
鍔部61は、内輪(固定輪)21の軸方向他端面(モータ部9側端面)21b側に延在する。鍔部61は、この鍔部61の外周面61bが内輪(固定輪)21の外周面よりも内側に位置し、かつ、内輪(固定輪)21の面取部よりも外側に位置するように形成することが好ましい。これによれば、鍔部61で軸受11の内輪(固定輪)21を確実に支持することができる。
また、軸受11の内輪(固定輪)21とハウジングインナ3に形成された内輪固定部60との間の隙間には充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)が充填され、この充填剤が固化することにより軸受11とハウジングインナ3とが固定される。
このように、軸受11の内輪(固定輪)21は、内輪押え29と内輪固定部60の軸方向の下端に設けられた鍔部61とによって軸方向に挟持され、軸受11と内輪固定部60との間の隙間に充填された充填剤が固化して固定される。
ところで、本実施形態に係るDDモータ10は、ハウジングインナ3や内輪押え29を始めとする回転しない構成部に対し、出力軸としてのロータフランジ5を高い回転精度で回転させるためには、軸受11とロータフランジ5とで構成される構造体の径方向幅の精度を高める必要がある。また、ハウジングインナ3やレゾルバステータ35に対し、ロータフランジ5の回転を高い精度で検知するためには、ロータフランジ5に取り付けられたレゾルバロータ33の径方向幅の精度を高める必要がある。
次に、ロータフランジ5に対する軸受11の固定手法及びロータフランジ5に対するレゾルバロータ33の固定手法、について、図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係るDDモータ10のロータフランジ5に対する軸受11の固定手法について説明する図である。
軸受11やロータフランジ5、ハウジングインナ3、内輪押え29等、DDモータ10を構成する構成部には高い寸法精度が要求されるが、各部品を組み合わせた際に各部品の寸法公差を許容するためにマージンが必要となる。このマージンにより、各部品を組み合わせた際に各部品間の嵌合面に隙間が生じる。特に、軸受11とロータフランジ5との間の嵌合面、つまり、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との間に隙間(例えば、20μm〜200μm)が生じ、その隙間が周方向でばらついた場合には、DDモータ10の回転精度に影響を及ぼすこととなる。このため、本実施形態では、図3に示すように、治具300を用いてロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅A及びロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅W1を規定する。
具体的には、ロータフランジ5に形成された外輪固定部50に軸受11の外輪(回転輪)23を嵌め込み、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との隙間に充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)を充填し、外輪押え53を取り付けて、軸受11の外輪(回転輪)23を外輪押え53とロータフランジ5の鍔部51とで軸方向に挟持する。そして、ロータフランジ5に形成されたレゾルバロータ固定部5aにレゾルバロータ33をボルト33aで仮固定する。その状態で、治具300を用いてロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅A及びロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅W1を規定し、軸受11の外輪23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との隙間に充填した充填剤が固化するまで固定しておくとともに、レゾルバロータ33をボルト33aで固定する。
図4は、本実施形態に係る治具300の形状の一例を示す図である。図4に示す例では、治具300は、ロータフランジ5が嵌め込まれる円環状の溝部301が構成されている。この溝部301は、回転軸Sを中心とする半径R1の外周側壁面302と半径R1よりも小さい半径R2の内周側壁面304とを有し、外周側壁面302がロータフランジ5の出力軸側端部の外周面に接し、底部303がロータフランジ5の出力軸側端部の軸方向端面に接するように構成されている。また、溝部301は、溝部301の外周側壁面302と内周側壁面304との径方向距離、つまり、溝部301の径方向幅W1が、ロータフランジ5の出力軸側端部の径方向幅W2よりも大きくなるように構成されている(W1>W2)。
また、治具300は、軸受11の内輪(固定輪)21を嵌め込む円柱状の凸部305がモータ部9側に突出して構成されている。この凸部305は、回転軸Sを中心とする半径R3の外周壁面306を有し、溝部301の底部303から出力軸側端部までの高さH1が、ロータフランジ5の出力軸側端部の軸方向端面から軸受11の出力軸側端面までの高さH2よりも大きくなるように構成され(H1>H2)、外周壁面306が軸受11の内輪(固定輪)21の内周面に接するように構成されている。但し、凸部305の高さH1とロータフランジ5の出力軸側端部の軸方向端面から軸受11の出力軸側の端面までの高さH2との差が小さい場合、凸部305の外周壁面306と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面とが接する面積が小さくなり、軸受11の軸心が回転軸Sに対して傾いて固定される可能性がある。このため、凸部305の高さH1は、ロータフランジ5の出力軸側端部の軸方向端面から軸受11のモータ部9側の端面までの高さH3以上となるように構成されているのがより好ましい(H1≧H3)。
また、治具300の溝部301の内周側壁面304の高さH4は、ロータフランジ5の出力軸側端部の軸方向端面からレゾルバロータ固定部5aまでの高さH5以上、且つ、ロータフランジ5の出力軸側端部の軸方向端面から軸受11の出力軸側の端面までの高さH2未満となるように構成され(H5≦H4<H2)、内周側壁面304がレゾルバロータ33の内周面に接するように構成されている。
上記のように構成された治具300を用いることで、(溝部301の外周側壁面302の半径R1)−(凸部305の外周壁面306の半径R3)=(ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅A)を規定することができる。
さらに、上記のように構成された治具300を用いることで、(溝部301の外周側壁面302の半径R1)―(溝部301の内周側壁面304の半径R2)=(ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅W1)を規定することができる。
なお、治具300は、図3及び図4に示すようなDDモータ10の回転軸Sを中心として全周に亘る形状でなくてもよく、例えば、少なくとも回転軸Sから放射状に延びる3方向(例えば、周方向に120°ずつずれた3方向)において、ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅A及びロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅W1を規定できるような形状であってもよい。また、治具300は中空構造であってもよいし、ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅A及びロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅W1を規定できるものであればその素材も問わない。
そして、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との隙間に充填された充填剤が固化することによって、軸受11とロータフランジ5とが固定された後に、治具300を外す。
このようにすれば、ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅のばらつきを抑制することができ、DDモータ10の回転精度を高めることができる。また、ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅のばらつきも抑制することができるのでDDモータ10の回転検出の精度を高めることができる。
ここで、本実施形態に係るDDモータ10では、ハウジングインナ3及び内輪押え29をDDモータ10の固定部を構成する構造体として定義し、ロータフランジ5をDDモータ10の回転部を構成する構造体として定義する。
例えば、回転部を構成する構造体が下部のロータフランジ部材と上部の外輪押え部材とで構成され、外輪押え部材とロータフランジ部材とで軸受の外輪(回転輪)を挟持する構造のものでは、外輪押え部材とロータフランジ部材とを、複数個のボルト等を挿通して固定する必要がある。このような構成では、軸受の外輪(回転輪)を外輪押え部材とロータフランジ部材とで挟持してボルトを締結することで軸受を固定するが、このような構成では、DDモータを構成する部品点数が多くなり、各部品の寸法公差を許容するためのマージンにより、DDモータを組み上げた際の寸法精度が低下する可能性がある。
本実施形態では、上述したように、DDモータ10の回転部を構成する構造体であるロータフランジ5は、回転軸Sの軸方向(図1では上下方向)に切れ目のない一体構造であり、回転軸Sの軸方向に、下端部から上端部まで全周に亘って連続する略円筒状に構成されている。このため、DDモータ10を組み上げた際の寸法精度の低下を抑制することができ、ロータフランジ5の出力軸側端部と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅のばらつきが抑制されることで、ステータ(固定子)13とロータ(回転子)15との隙間、つまりモータギャップの回転変動が抑制され、延いては、コギングトルクを抑制することができる。また、DDモータ10を構成するための部品点数が少なくなることから、DDモータ10のコストや製造コストを低減することができる。さらに、ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅のばらつきも抑制することができるのでDDモータ10の回転検出の精度を高めることができる。
また、本実施形態では、上述したように、ハウジング7内に単一のレゾルバ27だけが配置された構成であるため、DDモータ10の軸方向の高さ寸法を低減することができ、それに伴い、ロータフランジ5の軸方向の高さ寸法を低減することができる。これにより、ロータフランジ5の材料の使用量を低減することができ、DDモータ10の低コスト化に寄与することができる。
次に、上述したDDモータ10の本実施形態に係る製造方法について、図5から図10を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るDDモータ10の製造手順の一例を示す図である。図6は、本実施形態に係るDDモータ10の製造方法における第1工程を示す図である。図7は、本実施形態に係るDDモータ10の製造方法における第2工程を示す図である。図8は、本実施形態に係るDDモータ10の製造方法における第3工程を示す図である。図9は、本実施形態に係るDDモータ10の製造方法における第4工程を示す図である。図10は、本実施形態に係るDDモータ10の製造方法における第5工程を示す図である。
第1工程では、図6に示すように、ロータ15を構成する複数個の永久磁石がロータフランジ5の内周面の軸方向所定位置に張り付けられ固定される。本実施形態では、各永久磁石は、周方向(ロータフランジ5の回転方向)に所定間隔(例えば、等間隔)で同心状に配置され固定される(図5のステップST101)。この永久磁石のロータフランジ5への固定手段は、例えば接着剤等の既知の固定手段で良く、この固定手段により本発明が限定されるものではない。なお、本実施形態では、永久磁石がロータフランジ5の内周面に張り付けられ固定された例を示しているが、永久磁石がロータフランジ5内に埋め込まれ周方向に同心状に配置されていても良い。また、レゾルバロータ33がボルト33aによりロータフランジ5の内周面に形成されたレゾルバロータ固定部5aに位置調整が可能なように仮止めされる。
第2工程では、図7に示すように、第1工程においてロータ15を固定したロータフランジ5の出力軸方向端部が軸方向に治具300の溝部301に嵌め込まれ、ロータフランジ5に仮止めされたレゾルバロータ33の内周面が、治具300の溝部301の内周側壁面304に嵌め込まれ、軸受11が軸方向に治具300の凸部305に嵌め込まれる。そして、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5の外輪固定部50との間に形成された隙間に充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)が充填され、外輪押え53がロータフランジ5に形成された溝部52に取り付けられて、軸受11の外輪(回転輪)23が外輪押え53とロータフランジ5の鍔部51とで軸方向に挟持される(図5のステップST102)。そして、レゾルバロータ33のボルト33aを本締めして固定する。そのために、治具300には、ボルト33aを回す工具が通る為の複数の貫通孔307が設けられている。
なお、上記説明では、ロータフランジ5の出力軸方向端部を治具300の溝部301に嵌め込み、軸受11を治具300の凸部305に嵌め込む例を記載したが、予めロータフランジ5に軸受11を組み込んだ状態で、治具300の溝部301にロータフランジ5の出力軸方向端部を嵌め込み、治具300の凸部305に軸受11を嵌め込んでも良い。また、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5の外輪固定部50との間に形成された隙間に充填剤を充填する例を記載したが、予め軸受11の外輪(回転輪)23あるいはロータフランジ5の外輪固定部50に接着剤を塗布しておき、ロータフランジ5と軸受11とを組み合わせるようにしても良い。但し、この場合には、ロータフランジ5と軸受11とを組み合わせた際に、何れかのエッジで予め塗布した接着剤が削がれ、ロータフランジ5と軸受11との隙間が十分に接着剤で満たされないことが考えられる。このため、治具300にロータフランジ5と軸受11とが組み込まれた状態で、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5の外輪固定部50との間に形成された隙間に充填剤を充填するのが好ましい。
また、上記説明では、レゾルバロータ33をロータフランジに仮止めした状態で治具300を嵌め込む例を記載したが、レゾルバロータ33を溝部301の内周側壁面304に嵌め込んだ状態で、治具300をハウジングロータ5に嵌め込んだ後に、レゾルバロータ33をロータフランジ5に固定してもよい。但し、この場合には、固定のためのボルト33aを挿入しやすくするために、治具300の貫通孔307はボルト33aが充分に通過可能な大きさであることが好ましい。
その後、軸受11とロータフランジ5との隙間に充填された充填剤が固化することによって、軸受11とロータフランジ5とが固定された後に、治具300が外される。なお、治具300を外すタイミングは、後述する第4工程の前であればいつでも良い。
第3工程では、図8に示すように、ステータ13を構成する複数個のモータコア17がハウジングインナ3の外周面の軸方向所定位置に張り付けられ固定される。本実施形態では、各モータコア17は、周方向(ロータフランジ5の回転方向)に所定間隔(例えば、等間隔)で同心状に配置され固定される(図5のステップST103)。各モータコア17には、素線が多重に巻回されてなるステータコイル19が固定されている。このモータコア17のハウジングインナ3への固定手段、及びステータコイル19のモータコア17への固定手段は、例えば接着剤等の既知の固定手段で良く、これらの固定手段により本発明が限定されるものではない。
第4工程では、図9に示すように、軸受11の内輪(固定輪)21にハウジングインナ3の外周面に形成された内輪固定部60が挿入される(図5のステップST104)。そして、軸受11の内輪(固定輪)21とハウジングインナ3に形成された内輪固定部60との隙間に充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)が充填される。
第5工程では、図10に示すように、軸受11の内輪(固定輪)21がハウジングインナ3と内輪押え29とで挟持され、複数個のボルト35bで締結されることで、軸受11の内輪(固定輪)21が軸方向に固定されて支持される(図5のステップST105)。その後、軸受11とハウジングインナ3との隙間に充填された充填剤が固化することによって、軸受11とハウジングインナ3とが固定される。
なお、上記説明では、軸受11とハウジングインナ3との隙間に充填剤を充填する例を記載したが、軸受11とハウジングインナ3との固定手段はこれに限らず、他の既知の固定手段を用いても良い。また、軸受11の内輪(固定輪)21をハウジングインナ3と内輪押え29とで挟持し、複数個のボルト35bで締結することで十分な固定強度が得られる場合には、充填剤や他の固定手段を併用しなくても良い。
ここで、本実施形態では、第2工程においてロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅のばらつきが抑制されているので、軸受11の内輪(固定輪)21とハウジングインナ3に形成された内輪固定部60との隙間の間隔にばらつきが生じたとしても、理論的には、DDモータ10の回転精度に影響しないと言える。
そして、レゾルバステータ35がボルト35aにより内輪押え29の外周面に形成されたレゾルバステータ固定部29aに一体に取り付けられ、カバー31、基台1等が取り付けられて、DDモータ10が完成する(図1参照)。なお、レゾルバステータ35の取り付けタイミングは第5工程の後に限らず、例えば、第5工程の前に、予めレゾルバステータ35を内輪押え29に取り付けた状態としておいても良い。レゾルバステータ35の取り付け手順により本発明が限定されるものではない。
なお、通常、DDモータの構造体(ロータフランジ、ハウジングインナ、軸受、内輪押え等)は、磁性材料で構成される。これに対し、レゾルバ27は、上述したように磁気的なセンシングを行うことでロータフランジ5の回転角度位置を検出するものであるので、モータ部9からの磁気の回り込みによりロータフランジ5の回転角度位置の検出精度に悪影響を及ぼす可能性がある。
ここで、例えば、固定部を構成する構造体が1つのハウジングインナ部材で構成されているものでは、磁性材料で構成されたハウジングインナ部材を介してモータ部からの磁気の回り込みによる影響を回避するために、他の非磁性材料で構成された取付部材等を介してレゾルバステータをハウジングインナ部材に取り付ける必要がある。
本実施形態では、上述したように、ハウジングインナ3と、そのハウジングインナ3と共に軸受11を挟持する非磁性材料で構成された内輪押え29とで固定部を構成し、さらに、ハウジングインナ3と内輪押え29とを挿通固定するボルト35bは、レゾルバステータ35を内輪押え29に固定するためのボルト35aとは異なる別の部品としている。すなわち、磁性材料で構成されたハウジングインナ3とレゾルバステータ35とが導通しない構造である。
これにより、モータ部9からの磁気の回り込みによるロータフランジ5の回転角度位置の検出精度への影響を抑制することができ、ロータフランジ5の回転角度位置の検出精度を高めることができる。また、レゾルバステータ35と内輪押え29との間に他の部品を介する必要がないので、レゾルバステータ35の取り付け位置のばらつきを抑制することができ、ロータフランジ5の回転角度位置の検出精度をより高めることができる。また、ロータフランジ5が1ピース構造であることと併せて、DDモータ10を構成する部品点数を削減できるので、DDモータ10のコストや生産コストをより低減することができる。
図11は、本実施形態に係るDDモータ10を用いた検査装置100の概略構成図である。DDモータ10のロータフランジ5の上端には、円板上のテーブル80が連結され、ロータフランジ5の動作によって、テーブル80が回転する。このテーブル80の縁部には、等間隔をあけて検査対象物(搬送物)81が配置される。この構成では、検査対象物81は、DDモータ10の運転により、テーブル80と共に回転して搬送されるため、DDモータ10とテーブル80とを備えて搬送装置を構成する。また、テーブル80の縁部の上方には、テーブル80と共に回転(搬送)される検査対象物81を個々に観察するカメラ(検査部)82が配置されている。そして、このカメラ82で撮影することにより、撮影画像に基づき、検査対象物81の検査を行うことができる。この構成によれば、検査対象物81をカメラ82の下方に移動する際の位置精度を高めると共に、検査装置100の小型化を実現できる。
図12は、本実施形態に係るDDモータ10を用いた工作機械101の概略構成図である。DDモータ10のロータフランジ5の上端には、円板上のテーブル80が連結され、ロータフランジ5の動作によって、テーブル80が回転する。このテーブル80の縁部には、等間隔をあけて加工対象物(対象物)91が配置される。また、テーブル80の縁部には、例えば、加工対象物91に新たな部品92,93を積載する加工を施す積載ロボット(加工部)が配置され、テーブル80の回転に合わせて、加工対象物91に加工を施すことができる。この構成によれば、加工対象物91を積載ロボットの位置まで移動する際の位置精度を高めると共に、工作機械101の小型化を実現できる。
以上、説明したように、本実施形態によれば、DDモータ10は、ステータ13と該ステータ13に対して回転可能なロータ15とを有するモータ部9と、ステータ13が固定されるハウジングインナ(第1ハウジング)3と、ハウジングインナ(第1ハウジング)3の外側に配置され、ロータ15が固定されるロータフランジ(第2ハウジング)5と、ハウジングインナ(第1ハウジング)3に対してロータフランジ(第2ハウジング)5を回転自在に支持する軸受11と、ハウジングインナ(第1ハウジング)3と共に軸受11の内輪(固定輪)21を軸方向に挟持する内輪押え(固定輪押え部材)29と、モータ部9の回転状態を検出するためのレゾルバ27と、を備える。このDDモータ10を製造する際に、ロータフランジ(第2ハウジング)5に形成された外輪固定部50に軸受11の外輪(回転輪)23を嵌め込み、軸受11の外輪(回転輪)23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との隙間に充填剤(例えば、モールド剤、接着剤)を充填し、外輪押え53を取り付けて、軸受11の外輪(回転輪)23を外輪押え53とロータフランジ5の鍔部51とで軸方向に挟持した状態で、治具300を用いてロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅Aを規定し、軸受11の外輪23とロータフランジ5に形成された外輪固定部50との隙間に充填した充填剤が固化するまで固定しておく。これにより、ロータフランジ5の出力軸側端部の外周面と軸受11の内輪(固定輪)21の内周面との間の径方向幅のばらつきを抑制することができ、DDモータ10の回転精度を高めることができる。
また、本実施形態によれば、レゾルバ27は、レゾルバロータ33とそのレゾルバロータ33に対向して配置されるレゾルバステータ35とを含み、治具300を用いてロータフランジ5の出力軸側端部の外周面とレゾルバロータ33の内周面との間の径方向幅W1を規定し、レゾルバロータ33をロータフランジ(第2ハウジング)5に直接固定し、レゾルバステータ35を内輪押え(固定輪押え部材)29に直接固定する構成である。このため、レゾルバロータ33及びレゾルバステータ35の位置ばらつきによるロータフランジ(第2ハウジング)5の回転角度位置の検出精度への影響を抑制することができ、モータ部9の回転状態を高精度に検出することができる。また、DDモータ10を構成する部品点数の増加を抑制することができ、DDモータ10のコストや生産コストの削減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、内輪押え(固定輪押え部材)29を非磁性材料で構成することにより、レゾルバステータ35へのモータ部9からの磁気の回り込みによるロータフランジ(第2ハウジング)5の回転角度位置の検出精度への影響をも抑制することができ、モータ部9の回転状態をより高精度に検出することができる。
また、本実施形態によれば、レゾルバ27は、ステータ13に対するロータ15の相対変位を検出するインクリメンタル方式の単一のレゾルバである。このため、ハウジング7の軸方向の高さ寸法を低減でき、DDモータ10の軸方向への小型化を図ることができる。
また、本実施形態によれば、モータ部9への電源投入時に力率が0となる位置を検出する力率検出部41と、力率が0となる位置とレゾルバ27から出力されるレゾルバ信号とにより、該モータ部9の転流を制御する転流制御部43とを備える。この構成により、モータ電流の転流タイミングを検出する際にアブソリュートレゾルバが不要となる。このため、アブソリュートレゾルバとインクリメンタルレゾルバの2種類の回転検出器を搭載させる必要がなく、単一のレゾルバ構成とすることができる。したがって、モータ部9の回転状態を高精度に検出できると共に、DDモータ10の軸方向の高さを抑えることができる。
また、本実施形態によれば、モータ部9、軸受11、及び、レゾルバ27は、軸受11の軸方向に並んで配置される。これにより、回転軸Sを中心とした径方向への大型化が抑制され、DDモータ10の設置面積(いわゆるフットプリント)の低減を図ることができる。
また、本実施形態によれば、ロータフランジ(第2ハウジング)5は、軸受11の外輪(回転輪)23の軸方向一端面23a側に延在する鍔部51と、外輪(回転輪)23の軸方向他端面23b側に配置される外輪押え(回転輪押え部材)53とを備える。この構成により、万が一、軸受11とロータフランジ(第2ハウジング)5に形成された外輪固定部50との間の隙間に充填された充填剤の接着力が低下した場合でも、ロータフランジ(第2ハウジング)5が外れることを防止することができる。
また、本実施形態によれば、ロータフランジ(第2ハウジング)5は、略円筒形状に形成され、かつ、軸方向に切れ目のない一体構造である。この構造により、ロータフランジ(第2ハウジング)5が軸方向に大型化することを抑制しつつ、軸受11を支持することができ、DDモータ10の小型化を図ることができる。
以上、実施形態を説明したが、前述した内容により実施形態が限定されるものではない。なお、本実施形態では、単一の軸受11を備える構成を説明しているが、複数の軸受を組み合わせて使用する構成(軸受と軸受の間に間座を設けるような場合も含む)でも同様の効果を得ることができる。
3 ハウジングインナ(第1ハウジング)
5 ロータフランジ(第2ハウジング)
7 ハウジング
9 モータ部
10 DDモータ
11 軸受
13 ステータ(固定子)
15 ロータ(回転子)
20 制御ユニット
21 内輪(固定輪)
21a 内輪(固定輪)の軸方向一端面(一方の軸方向端面)
21b 内輪(固定輪)の軸方向他端面(他方の軸方向端面)
23 外輪(回転輪)
23a 外輪(回転輪)の軸方向一端面(一方の軸方向端面)
23b 外輪(回転輪)の軸方向他端面(他方の軸方向端面)
25 転動体
27 レゾルバ(回転検出器)
29 内輪押え(固定輪押え部材)
33 レゾルバロータ
35 レゾルバステータ
41 力率検出部
43 転流制御部
51 鍔部(ロータフランジ)
52 溝部
53 外輪押え(回転輪押え部材)
60 内輪固定部
61 鍔部(ハウジングインナ)
80 テーブル
81 検査対象物(搬送物)
82 カメラ(検査部)
91 加工対象物(対象物)
100 検査装置
101 工作機械
200 被回転体
200a インロー穴(被回転体)
300 治具
301 溝部(治具)
302 外周側壁面(溝部)
303 底部(溝部)
304 内周側壁面(溝部)
305 凸部(治具)
306 外周壁面(凸部)
307 貫通孔
S 回転軸
また、本発明の第4の態様は、固定子と該固定子に対して回転可能な回転子とを有するモータ部と、固定子が固定される第1ハウジングと、第1ハウジングの外側に配置され、回転子が固定される第2ハウジングと、第1ハウジングに対して第2ハウジングを回転自在に支持する軸受と、第1ハウジングと共に軸受の固定輪を軸方向に挟持する固定輪押え部材と、モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、を備えるダイレクトドライブモータの製造方法で用いられる治具であって、第2ハウジングが嵌め込まれる円環状の溝部と、軸受の固定輪を嵌め込む円柱状の凸部と、を含み、円環状の溝部は、モータ部の回転軸を中心とする外周側壁面と、外周側壁面よりも半径が小さい内周側壁面と、を有し、当該円環状の溝部の径方向幅が第2ハウジングの出力軸側端部の径方向幅よりも大きく、外周側壁面が第2ハウジングの出力軸側端部の外周面に接し、当該円環状の溝部の底部が第2ハウジングの出力軸側端部の軸方向端面に接するように構成され、円柱状の凸部は、モータ部の回転軸を中心とする外周壁面を有し、円環状の溝部の底面から当該円柱状の凸部の出力軸側端部までの高さが第2ハウジングの出力軸側端部の軸方向端面から軸受の出力軸側端面までの高さよりも大きく、外周壁面が前記軸受の固定輪の内周面に接するように構成され、円環状の溝部の外周側壁面と円柱状の凸部の外周壁面との間の径方向距離によって、第2ハウジングの外周面と軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅を規定する治具を提供する。
また、本発明の第5の態様は、第4の態様の治具において、ダイレクトドライブモータは、回転検出器がレゾルバロータと該レゾルバロータに対向して配置されるレゾルバステータとを含み、円環状の溝部の内周側壁面と外周側壁面との間の径方向距離によって、第2ハウジングの外周面とレゾルバロータの内周面との間の径方向幅を規定してもよい。
また、上記説明では、レゾルバロータ33をロータフランジに仮止めした状態で治具300を嵌め込む例を記載したが、レゾルバロータ33を溝部301の内周側壁面304に嵌め込んだ状態で、治具300をロータフランジ5に嵌め込んだ後に、レゾルバロータ33をロータフランジ5に固定してもよい。但し、この場合には、固定のためのボルト33aを挿入しやすくするために、治具300の貫通孔307はボルト33aが充分に通過可能な大きさであることが好ましい。
その後、軸受11とロータフランジ5との隙間に充填された充填剤が固化することによって、軸受11とロータフランジ5とが固定された後に、治具300が外される。なお、治具300を外すタイミングは、後述する第4工程の前であればいつでも良い。
図11は、本実施形態に係るDDモータ10を用いた検査装置100の概略構成図である。DDモータ10のロータフランジ5の上端には、円板のテーブル80が連結され、ロータフランジ5の動作によって、テーブル80が回転する。このテーブル80の縁部には、等間隔をあけて検査対象物(搬送物)81が配置される。この構成では、検査対象物81は、DDモータ10の運転により、テーブル80と共に回転して搬送されるため、DDモータ10とテーブル80とを備えて搬送装置を構成する。また、テーブル80の縁部の上方には、テーブル80と共に回転(搬送)される検査対象物81を個々に観察するカメラ(検査部)82が配置されている。そして、このカメラ82で撮影することにより、撮影画像に基づき、検査対象物81の検査を行うことができる。この構成によれば、検査対象物81をカメラ82の下方に移動する際の位置精度を高めると共に、検査装置100の小型化を実現できる。
図12は、本実施形態に係るDDモータ10を用いた工作機械101の概略構成図である。DDモータ10のロータフランジ5の上端には、円板のテーブル80が連結され、ロータフランジ5の動作によって、テーブル80が回転する。このテーブル80の縁部には、等間隔をあけて加工対象物(対象物)91が配置される。また、テーブル80の縁部には、例えば、加工対象物91に新たな部品92,93を積載する加工を施す積載ロボット(加工部)が配置され、テーブル80の回転に合わせて、加工対象物91に加工を施すことができる。この構成によれば、加工対象物91を積載ロボットの位置まで移動する際の位置精度を高めると共に、工作機械101の小型化を実現できる。

Claims (11)

  1. 固定子と該固定子に対して回転可能な回転子とを有するモータ部と、前記固定子が固定される第1ハウジングと、前記第1ハウジングの外側に配置され、前記回転子が固定される第2ハウジングと、前記第1ハウジングに対して前記第2ハウジングを回転自在に支持する軸受と、前記第1ハウジングと共に前記軸受の固定輪を軸方向に挟持する固定輪押え部材と、前記モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、を備えるダイレクトドライブモータの製造方法であって、
    前記第2ハウジングの軸方向所定位置に前記回転子を構成する複数個の永久磁石を周方向に所定間隔で同心状に配置し固定する工程と、
    前記第2ハウジングに前記軸受の回転輪を嵌め込み、前記軸受の回転輪と前記第2ハウジングとの隙間に充填剤を充填し、前記第2ハウジングの外周面と前記軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅が規定された治具で固定する工程と、
    前記第1ハウジングの外周面の軸方向所定位置に前記固定子を構成する複数個のモータコアを周方向に所定間隔で同心状に配置し固定する工程と、
    前記軸受の固定輪に前記第1ハウジングを挿入する工程と、
    前記軸受の固定輪を前記第1ハウジングと前記固定輪押え部材とで挟持し、前記軸受の固定輪を軸方向に固定する工程と、
    を有するダイレクトドライブモータの製造方法。
  2. 前記ダイレクトドライブモータは、前記回転検出器がレゾルバロータと該レゾルバロータに対向して配置されるレゾルバステータとを含み、
    前記レゾルバロータを前記第2ハウジングに直接固定する工程と、
    前記レゾルバステータを前記固定輪押え部材に直接固定する工程と、
    をさらに有する請求項1に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  3. 前記第2ハウジングに前記レゾルバロータを嵌め込み、前記第2ハウジングの外周面と前記レゾルバロータの内周面との間の径方向幅が規定された治具で固定する工程をさらに有する請求項2に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  4. 固定子と該固定子に対して回転可能な回転子とを有するモータ部と、前記固定子が固定される第1ハウジングと、前記第1ハウジングの外側に配置され、前記回転子が固定される第2ハウジングと、前記第1ハウジングに対して前記第2ハウジングを回転自在に支持する軸受と、前記第1ハウジングと共に前記軸受の固定輪を軸方向に挟持する固定輪押え部材と、前記モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、を備えるダイレクトドライブモータの製造方法で用いられる治具であって、
    前記第2ハウジングが嵌め込まれる円環状の溝部と、
    前記軸受の固定輪を嵌め込む円柱状の凸部と、
    を含み、
    前記円環状の溝部は、
    前記モータ部の回転軸を中心とする外周側壁面と、
    前記外周側壁面よりも半径が大きい内周側壁面と、
    を有し、
    当該円環状の溝部の径方向幅が前記第2ハウジングの出力軸側端部の径方向幅よりも大きく、前記外周側壁面が前記第2ハウジングの出力軸側端部の外周面に接し、当該円環状の溝部の底部が前記第2ハウジングの出力軸側端部の軸方向端面に接するように構成され、
    前記円柱状の凸部は、
    前記モータ部の回転軸を中心とする外周壁面を有し、
    前記円環状の溝部の底面から当該円柱状の凸部の出力軸側端部までの高さが前記第2ハウジングの出力軸側端部の軸方向端面から前記軸受の出力軸側端面までの高さよりも大きく、前記外周壁面が前記軸受の固定輪の内周面に接するように構成され、
    前記円環状の溝部の前記内周側壁面と前記円柱状の凸部の前記外周壁面との間の径方向距離によって、前記第2ハウジングの外周面と前記軸受の固定輪の内周面との間の径方向幅を規定する治具。
  5. 前記ダイレクトドライブモータは、前記回転検出器がレゾルバロータと該レゾルバロータに対向して配置されるレゾルバステータとを含み、
    前記円環状の溝部の前記内周側壁面と前記外周側壁面との間の径方向距離によって、前記第2ハウジングの外周面と前記レゾルバロータの内周面との間の径方向幅を規定する請求項4に記載の治具。
  6. 前記ダイレクトドライブモータは、前記固定輪押え部材が非磁性材料で構成されている請求項1に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  7. 前記ダイレクトドライブモータは、前記回転検出器が前記固定子に対する前記回転子の相対変位を検出するインクリメンタル方式の単一のレゾルバである請求項1に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  8. 前記ダイレクトドライブモータは、
    前記モータ部への電源投入時に力率が0となる位置を検出する力率検出部と、
    前記力率が0となる位置と前記レゾルバから出力されるインクリメンタル情報とにより、該モータ部の転流を制御する転流制御部と、
    を備える請求項7に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  9. 前記ダイレクトドライブモータは、前記モータ部、前記軸受、及び、前記回転検出器が前記軸受の軸方向に並んで配置される請求項1に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  10. 前記ダイレクトドライブモータは、前記第2ハウジングが前記軸受の回転輪の一方の軸方向端面側に延在する鍔部と、該回転輪の他方の軸方向端面側に配置される回転輪押え部材と、を備えた請求項1に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
  11. 前記ダイレクトドライブモータは、前記第2ハウジングが略円筒形状に形成され、かつ、前記軸方向に切れ目のない一体構造である請求項1に記載のダイレクトドライブモータの製造方法。
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