JP2015053859A - ダイレクトドライブモータ、位置決め装置、機械装置及びハウジング部品 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に開示されたDDモータ(インナーロータ型)のように、軸受の外側にモータ部を配したモータ構成とすることで、かかるDDモータを扁平構造とすることができ、モータ設置面からの高さの抑制を図ることができる。
その一方で、かかる構成では、軸受の外側に配したモータ部の分だけDDモータ全体の外径寸法が大きくなり、モータ設置面に対する設置面積(いわゆるフットプリント)が拡大されてしまう。このため、装置によっては必要なDDモータの設置領域が十分に確保できない場合(端的には、フットプリントの狭小化が要求されるような場合)もあり、このような場合には、軸受の外側にモータ部を配したモータ構成では十分に対応できない虞もある。
アブソリュートレゾルバ56aは、所定間隔を空けて対向配置されたいずれも円環状をなす固定子と回転子(レゾルバステータコア92aとレゾルバロータコア94a)を備えており、レゾルバステータコア92aは軸心Cと同心をなしてハウジングインナ72a(図3においては、軸方向上側のハウジングインナ)に取り付けられているのに対し、レゾルバロータコア94aはその内周が軸心Cに対して偏心した状態となるように、ロータフランジ74a(同図においては、軸方向上側のロータフランジ)に取り付けられている。このため、ロータフランジ74aの回転に伴ってレゾルバロータコア94aが回転すると、レゾルバステータコア92aとの間の距離を円周方向に連続して変化させ、両者の間のリラクタンスがレゾルバロータコア94aの位置により連続的に変化する。その際、かかるアブソリュートレゾルバ56a(レゾルバステータコア92aとレゾルバロータコア94a)は、レゾルバロータコア94aの1回転につき、リラクタンス変化の基本波成分が1周期となる単極レゾルバ信号を出力している。すなわち、アブソリュートレゾルバ56aは、いわゆるABS型の単極レゾルバとして構成されている。
このように、レゾルバ56をABS型(アブソリュートレゾルバ56a)とINC型(インクリメンタルレゾルバ56b)の複数構成とすることで、ロータフランジ74(具体的には、ロータフランジ74a)、ひいては出力軸90の回転状態(例えば、回転速度、回転方向あるいは回転角度など)をより高精度に計測することを可能としている。
その際、前記レゾルバステータコアは、非磁性の取付部材を介し、前記モータハウジングとの間に空間を設けた状態で取り付けられ、前記レゾルバロータコアは、非磁性の取付部材を介し、前記モータロータとの間に空間を設けた状態で取り付ければよい。
図1には、本発明の一実施形態に係るDDモータの構成が示されている。かかるDDモータは、出力軸Sに対して回転トルクを与えるモータ部2と、出力軸Sを回転自在に支持するための軸受4と、モータ部2の回転状態を検出するための回転検出器(レゾルバ)6と、これらのモータ部2、軸受4及び回転検出器(レゾルバ)6がモータ設置面Bに対して前記出力軸S方向(図1においては、上下方向)へ並ぶように位置決め固定するためのハウジング8を備えている。なお、図1には、モータ部2、軸受4及び回転検出器(レゾルバ)6をモータ設置面Bに対してこの順番で出力軸S方向(同図においては、上方)へ縦列配置させたDDモータの構成を一例として示しているが、これらはモータ設置面Bに対して前記出力軸S方向へ並ぶように位置決め固定されていれば、その配置順は特に限定されない。
すなわち、本実施形態においては、モータ部2、軸受4及び回転検出器(レゾルバ)6をモータ設置面Bに対して前記出力軸S方向へ縦列配置させることで、DDモータのフットプリントを最小限に抑えている。
また、以下の説明においては、モータ軸心C方向(図1においては、上下方向)に対してモータ設置面Bが位置付けられる側を設置面側(同図においては、下側)、当該設置面側とは反対側(出力軸Sの接続側)を出力軸側(同図においては、上側)という。
固定子(ステータ)2aは、複数の歯列(図示しない)が形成されて熊手状に内側に突出した磁極を円周方向に等間隔で複数個有する電磁石(モータコア)22を備えて円筒状に構成されており、隣接する磁極相互ではその歯列が所定ピッチだけ位相をずらして配設されている。なお、各電磁石(モータコア)22には、ボビン26に素線24が多重に巻回されてなるステータコイル28が固定(例えば、接着剤による接合や締結部材による締結など)されている。この場合、固定子2aには、電源からの電力を供給するための配線(図示しない)が接続されており、当該配線を通じて前記ステータコイル28に対して電力が供給されるようになっている。
これに対し、回転子(ロータ)2bは、その内径寸法が固定子(ステータ)2aの外径寸法よりも大寸の円筒状(つまり、固定子2aよりも一回り大きな円筒構造体)をなし、その内周部に鉄心の歯(図示しない)が均一に突設されており、当該鉄心の歯は固定子2aの電磁石22の磁極に形成された歯列とは異なるピッチで形成されている。
そして、これらの固定子(ステータ)2aと回転子(ロータ)2bは、固定子2aが回転子2bよりもモータ軸心Cに対して内側へ配されるとともに、当該固定子2aの電磁石22と当該回転子2bの歯が僅かなギャップを隔てて対向するように位置付けられている。すなわち、モータ部2はいわゆるアウターロータ型として構成されている。ただし、固定子を回転子よりもモータ軸心Cに対して外側へ配し、いわゆるインナーロータ型としてモータ部2を構成することも想定可能である。
そして、これらのハウジングインナ8a及びロータフランジ8bは、いずれもその円筒の延出方向(図1においては、上下方向)に対して切れ目なく一体をなして成形されている。すなわち、ハウジングインナ8a及びロータフランジ8bは、いずれもモータ軸心C方向に対して設置面側の端部から出力軸側の端部まで全周に亘って連続する略円筒状に構成されており、例えば、図3に示すモータ構成(ハウジングインナ72及びロータフランジ74)のように、その円筒の延出方向に対して二分される分割構造とはなっていない。
いずれの場合であっても、転動体は、環状を成す保持器のポケットに1つずつ所定間隔(一例として、等間隔)で配し、当該ポケット内で回転自在に保持された状態で内外輪の軌道間に組み込めばよい。これにより、各転動体は所定間隔を保った状態で、その転動面が相互に接触することなく、内外輪の軌道間を転動することができ、結果として、当該各転動体が相互に接触して摩擦が生じることによる回転抵抗の増大や、焼付きなどを防止することができる。保持器は、転動体の種類に応じて任意のタイプを適用すればよい。
このように、本実施形態においては内輪4aを静止輪、外輪4bを回転輪として構成しているが、これとは逆に、内輪を回転輪、外輪を静止輪とした軸受構成とすることも想定可能である。すなわち、DDモータの構成(例えば、アウターロータ型であるか、インナーロータ型であるかなど)に応じて内外輪のいずれかを静止輪に対して回転可能な回転輪とすればよい。
軸受4の内輪4aは、その設置面側の端面(図1においては、下端面)を突出部84aに当接させるとともに、その内周面を内輪固定部82aと当接させるように、当該内輪固定部82aに対して固定(一例として、接着剤により接合固定)されている。また、ロータフランジ8bには、その内周面のモータ軸心C方向に対して回転子固定部80bの出力軸側近傍に、ハウジングインナ8aの内輪固定部82aと対向するように外輪固定部82bが全周に亘って形成されており、当該外輪固定部82bの出力軸側には、全周に亘って縮径方向へ突出する突出部84bが設けられている。軸受4の外輪4bは、その出力軸側の端面(図1においては、上端面)を突出部84bに当接させるとともに、その外周面を外輪固定部82bと当接させるように、当該外輪固定部82bに対して固定(一例として、接着剤により接合固定)されている。すなわち、軸受4は、ハウジングインナ8aの突出部84aとロータフランジ8bの突出部84bの間に挟み込まれた状態で、これらのハウジングインナ8a及びロータフランジ8bに対して位置決め固定されている。ここで、図1には、一例として、ハウジングインナ8aの内輪固定部82aの設置面側に突出部84aを設けるとともに、ロータフランジ8bの外輪固定部82bの出力軸側に突出部84bを設け、これらの突出部84a,84bで軸受4を挟み込む構成としているが、例えば、ハウジングインナ8aの内輪固定部82aの出力軸側に突出部を設けるとともに、ロータフランジ8bの外輪固定部82bの設置面側に突出部を設け、これらの突出部で軸受4を挟み込む構成としてもよい。
なお、ハウジングインナ8aの内輪固定部82a、ロータフランジ8bの外輪固定部82b、及び突出部84a,84bのモータ軸心C方向に対する幅寸法や径方向に対する突出高さなどは、軸受4の内外輪4a,4bの大きさ(軸受幅)や、内輪4aの内径寸法及び外輪4bの外径寸法(軸受内外径寸法)などに応じて任意に設定すればよい。また、内輪固定部82aに対する内輪4aの固定、及び外輪固定部82bに対する外輪4bの固定は、接着剤による接合で行えばよいが、これに代えてもしくは加えて、例えば、圧入による嵌合や締結部材による締結などで行うことも想定可能である。
回転検出器(レゾルバ)6は、所定間隔を空けて対向配置されたいずれも円環状をなす固定子であるレゾルバステータコア6aと、回転子であるレゾルバロータコア6bを備えており、これらはいずれもモータ軸心Cと同心をなし、レゾルバステータコア6aがハウジングインナ8aに取り付けられているのに対し、レゾルバロータコア6bがロータフランジ8bに取り付けられている。その際、レゾルバステータコア6aは、非磁性の取付部材60aを介し、ハウジングインナ8aとの間に空間を設けた状態で取り付けられており、レゾルバロータコア6bは、非磁性の取付部材60bを介し、ロータフランジ8bとの間に空間を設けた状態で取り付けられている。
一方、ロータフランジ8bには、取付部材60bを介してレゾルバロータコア6bがレゾルバロータ固定部86bに位置決め固定された状態で、当該レゾルバロータコア6bと径方向に正対する部位を全周に亘って拡径方向へ凹状に窪ませた溝部88bが形成されている。これにより、取付部材60bを介してレゾルバロータコア6bがレゾルバロータ固定部86bに位置決め固定された状態で、当該レゾルバロータコア6bとロータフランジ8bとの間に溝部88bによる空間を設けることができる。
なお、ハウジングインナ8aのレゾルバステータ固定部86a、及びロータフランジ8bのレゾルバロータ固定部86bのモータ軸心C方向に対する幅寸法や径方向に対する深さなどは、レゾルバ6のレゾルバステータコア6a及びレゾルバロータコア6b、取付部材60a,60bの大きさや当該レゾルバステータコア6aの歯と当該レゾルバロータコア6bの極のギャップの大きさなどに応じて任意に設定すればよい。また、レゾルバステータ固定部86aに対する取付部材60aの固定、及びレゾルバロータ固定部86bに対する取付部材60bの固定、並びにこれら取付部材60a,60bに対するレゾルバステータコア6a及びレゾルバロータコア6bの取り付けは、例えば、圧入による嵌合、接着剤による接合、締結部材による締結などの各種方法で、もしくはこれらの方法を組み合わせて行えばよい。
かかるレゾルバステータコア6aは、複数のステータポール62が円周方向に等間隔に形成された環状の成層鉄心を有し、各ステータポール62にレゾルバコイル64が巻回された構造を成している。これに対し、レゾルバロータコア6bは、中空環状の成層鉄心により構成されている。
そして、レゾルバ制御回路(図示しない)によって、レゾルバステータコア6aが検出したリラクタンスの変化を電気信号(デジタル信号)に変換するとともに、当該電気信号に基づいて、単位時間当たりのレゾルバロータコア6bの位置や角度などの変動量を演算処理することで、レゾルバロータコア6bが固定されたロータフランジ8b、ひいては当該ロータフランジ8bに接続された出力軸Sの回転状態(例えば、回転速度、回転方向あるいは回転角度など)を計測することが可能となる。
2a モータ部固定子
2b モータ部回転子
4 軸受
6 回転検出器(レゾルバ)
8 ハウジング
8a モータハウジング(ハウジングインナ)
8b モータロータ(ロータフランジ)
B モータ設置面
S 出力軸
また、本発明に係るダイレクトドライブモータは、出力軸に対して回転トルクを与えるモータ部と、前記出力軸を回転自在に支持するための軸受と、前記モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、これらのモータ部、軸受及び回転検出器がモータ設置面に対して前記出力軸方向へ並ぶように位置決め固定するためのハウジングとを備えている。かかるダイレクトドライブモータにおいて、前記モータ部は、常時静止状態に維持される固定子と、当該固定子に対して回転可能に対向して配された回転子で構成され、前記ハウジングは、前記固定子が固定されるモータハウジングと、前記回転子が固定されるモータロータとを有し、これらのモータハウジングとモータロータとが同軸状に配された異径の二重の略円筒構造をなし、前記回転検出器は、前記モータハウジングに取り付けられた円環状のレゾルバステータコアと、前記レゾルバステータコアとの間に所定間隔を空けて対向配置され、前記モータロータに取り付けられた円環状のレゾルバロータコアとを有し、前記レゾルバステータコアは、前記モータハウジングとの間に径方向に空間を設けた状態で前記モータハウジングに取り付けられている。
さらに、前記モータハウジングは、前記モータ部、前記軸受及び前記回転検出器を支持する略円筒構造の部品を有し、前記部品は、その円筒の延出方向に対して切れ目なく一体をなして成形してもよい。
また、前記軸受は、相対回転可能に対向配置された一対の軌道輪と、これら軌道輪の対向面にそれぞれ形成された軌道間に転動可能に組み込まれた複数の転動体とを有し、各転動体が前記一対の軌道輪の軌道それぞれと2点ずつ合計4点で接触する4点接触玉軸受であり、前記モータハウジング及び前記モータロータのそれぞれには、前記出力軸方向の互いに異なる位置に、全周に亘って径方向へ突出する突出部が設けられ、前記一対の軌道輪のうちの一方の軌道輪の一端が前記モータハウジングの突出部に当接され、他方の軌道輪の一端が前記モータロータの突出部に当接され、前記モータハウジングの突出部と前記モータロータの突出部との間に前記軸受が挟み込まれた状態で、前記一方の軌道輪が前記モータハウジングに対して接着剤によって接合固定され、前記他方の軌道輪が前記モータロータに対して接着剤によって接合固定されることにより、前記モータハウジング及び前記モータロータに対して前記軸受を位置決め固定してもよい。
さらに、前記軸受は、相対回転可能に対向配置された一対の軌道輪と、これら軌道輪の対向面にそれぞれ形成された軌道間に転動可能に組み込まれた複数の転動体とを有し、前記モータハウジング及び前記モータロータのそれぞれには、前記出力軸方向の互いに異なる位置に、全周に亘って径方向へ突出する突出部が設けられ、前記一対の軌道輪のうちの一方の軌道輪の一端が前記モータハウジングの突出部に当接され、他方の軌道輪の一端が前記モータロータの突出部に当接され、前記モータハウジングの突出部と前記モータロータの突出部との間に前記軸受が挟み込まれた状態で、前記一対の軌道輪が前記軸受を介した対角位置でかしめられることにより、前記モータハウジング及び前記モータロータに対して前記軸受が位置決め固定してもよい。
さらに、前記回転検出器が前記ハウジングに取り付けられた状態で、前記回転検出器と径方向に正対する前記ハウジングの部位に、全周に亘って凹状に窪ませた溝部を形成することで、前記空間を設けてもよい。
また、前記回転検出器は、非磁性体からなる取付部材を介して前記ハウジングに取り付けられている。
Claims (6)
- 出力軸に対して回転トルクを与えるモータ部と、前記出力軸を回転自在に支持するための軸受と、前記モータ部の回転状態を検出するための回転検出器と、これらのモータ部、軸受及び回転検出器がモータ設置面に対して前記出力軸方向へ並ぶように位置決め固定するためのハウジングを備え、
前記モータ部は、常時静止状態に維持される固定子と、当該固定子に対して回転可能に対向して配された回転子で構成され、前記ハウジングは、前記固定子が固定されるモータハウジングと、前記回転子が固定されるモータロータを有し、これらのモータハウジングとモータロータが同軸状に配された異径の二重の略円筒構造をなし、
前記モータハウジング及び前記モータロータは、いずれもその円筒の延出方向に対して切れ目なく一体をなして成形されているダイレクトドライブモータ。 - 前記軸受は、相対回転可能に対向配置された一対の軌道輪と、これら軌道輪の対向面にそれぞれ形成された軌道間に転動可能に組み込まれた複数の転動体を備え、
前記一対の軌道輪のうちの一方は、前記モータハウジングに固定され、他方は、前記モータロータに固定されており、
前記モータハウジングには、前記一方の軌道輪が固定される円筒面に、当該一方の軌道輪の脱落を防止するためのかしめ部が設けられ、
前記モータロータには、前記他方の軌道輪が固定される円筒面に、当該他方の軌道輪の脱落を防止するためのかしめ部が設けられており、
前記軸受は、前記モータハウジングのかしめ部と前記モータロータのかしめ部で前記一対の軌道輪が挟持された状態で、これらモータハウジング及びモータロータに対して位置決め固定されている請求項1に記載のダイレクトドライブモータ。 - 前記回転検出器は、前記ハウジングへ1つだけ位置決め固定され、所定間隔を空けて対向配置されたいずれも円環状をなすレゾルバステータコアとレゾルバロータコアを備えており、
前記レゾルバステータコアは、前記モータハウジングに取り付けられているのに対し、
前記レゾルバロータコアは、前記モータロータに取り付けられ、
前記レゾルバステータコアの歯数と、前記レゾルバロータコアの極対数を一致させている請求項1に記載のダイレクトドライブモータ。 - 前記レゾルバステータコアは、非磁性の取付部材を介し、前記モータハウジングとの間に空間を設けた状態で取り付けられ、
前記レゾルバロータコアは、非磁性の取付部材を介し、前記モータロータとの間に空間を設けた状態で取り付けられている請求項3に記載のダイレクトドライブモータ。 - 請求項1乃至5の何れか1項に記載の前記ダイレクトドライブモータを備えた位置決め装置。
- 請求項1又は5の何れか1項に記載の前記ダイレクトドライブモータを備えた機械装置。
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