JP2004205026A - モータ内蔵転がり軸受装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のモータ内蔵転がり軸受装置は、軸受単体で内部すきまを有する転がり軸受8を用い、該転がり軸受8の固定輪(外輪4)の軸方向側方にステータ11を配設し、且つ回転輪(内輪5)の軸方向側方においてステータ11に対向させてロータ12を配設し、ステータ11とロータ12の間に作用する磁気力によって、転がり軸受8に予圧を負荷するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ内蔵転がり軸受装置に関し、詳しくはロボットや産業用自動化機器、コンピュータ機器やその周辺機器等の駆動装置に用いられるモータ内蔵転がり軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のモータ内蔵転がり軸受装置としては、クロスローラ軸受を用い、これにモータ部を一体的に組み込んで構成することによって、短時間で高精度の位置決めが可能な回転割出装置としたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、他の構成例として、図8に示したファクトリーオートメーション用のダイレクト・ドライブ・モータ100は、モータの軸受にクロスローラ軸受110を使用しており、軸受の内部には、ハウジング112を介して、径方向内側にエンコーダ114、軸方向にステータ116を保持している。
軸受の外輪には、ロータハブ118を介してロータ120とエンコーダ114のスリット板122が固定され、ロータ120とステータ116から形成されるモータの駆動力を受けて、ロータハブ118が回転する構成となっているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
更に、他の構成例として、図9に示したダイレクト・ドライブ・モータ140は、クロスローラ軸受110を使用しており、軸受の外輪に接続されたフレーム126にステータ138が固定され、このステータ138の内径側に対向してロータ130を軸側に設け、さらに、ロータ130を固定する軸の内側に位置や速度等の検出器132を配置した構造となっている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
また、他の構成例としては、図10に示した外輪141の内周面に形成した外周転動溝と、大径部142aと小径部142bとを有する二段軸142の大径部外周に形成した内周転動溝との間に玉143を介挿し、二段軸142の小径部142bに嵌めた内輪144の外周に形成した内周転動溝とスリーブ外輪145の内面に形成した外周転動溝との間に玉143を介挿してなる複合軸受装置150が開示されている。
その複合軸受装置150の玉軸受には、予圧が付与され、更にスリーブ外輪145の外周側に、ロータ148とステータ149とが配設されている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
軸受単体として内部すきまを有する一対の玉軸受に予圧を負荷する方法としては、定位置予圧法や定圧予圧法がある。負荷する予圧量は、軸受装置の使用目的に応じて、適宜決定されるものであり、従来文献等に開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
実公平6−21639号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献2】
特開昭63−213461号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献3】
実開昭62−68455公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献4】
特開平9−56108公報(第2−3頁、第1図)
【非特許文献1】
日本精工株式会社発行カタログ「転がり軸受」(CAT.No.1101e2001 D−12C日本精工株式会社 1996、第A96頁−第A99頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1〜4に記載された従来のダイレクト・ドライブ・モータは、駆動源となるロータ及びステータ、検出器等の部材を、軸受とは別にモータ内部に配置することになるため、その設置スペースのために装置の小型化が図りにくくなっている。
【0009】
また、特許文献1及び2に記載されたダイレクト・ドライブ・モータの構成では、クロスローラ軸受110の軸方向隣にロータ120及びステータ116を配置すると共に、クロスローラ軸受110の径方向内側にエンコーダ114を配置している。
また、特許文献3に記載されたダイレクト・ドライブ・モータ140の構成では、検出器132をロータ130の径方向内側に收容することで、軸方向長さを短縮しており、幾分はコンパクト化が図られているが、依然として充分なレベルにまで到っていない。
また、コンパクト化に伴い、軸受及びモータの全体的な構造が複雑化し、部品点数が増大する上に組立工程も煩雑化してコストが嵩む問題があった。
更に、組立時に、軸に対する回転精度が出し難く、充分な精度で組み立てることが困難な構成となっていた。
【0010】
また、特許文献1〜3に記載された従来のダイレクト・ドライブ・モータは、いずれも、装置を小型化するために、転がり軸受として1個のクロスローラ軸受が用いられている。クロスローラ軸受は、予圧を負荷する構成が不要であり、1つの軸受でラジアル荷重、両方向のアキシャル荷重及びモーメント荷重を受けることが可能である。しかし、軸受の動トルクが大きく、高速回転に不向きであるといった問題点があった。
【0011】
特許文献4に記載された複合軸受装置の構成は、複合軸受の外周側にロータとステータとが配置されており、やはり小型化が図り難かった。また、軸受単体で内部すきまを有する玉軸受が用いられているので、回転時の剛性や高速回転安定性を確保するために、モータへの組付け以前に、軸受装置の内輪を軸方向に押圧して予圧を負荷しておく必要がある。
使用条件に適合した予圧量の設定方法は、非特許文献1等に記載されているが、その作業は煩雑であり、改善の余地があった。また、適正な予圧が負荷された軸受装置に、モータを組み付ける際、軸受装置が変形して予圧量が変化してしまう虞があった。
また、特許文献4に記載された複合軸受装置の構成は、2個の玉軸受を用いた例であって、内部すきまを有する1個の転がり軸受を用いてダイレクト・ドライブ・モータを構成したものは開示されていない。また、1個の転がり軸受に予圧を負荷する手段も開示されていない。
【0012】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、クロスローラ軸受よりも摩擦トルクが小さい転がり軸受を用いることによって、モータの高速回転性能を向上させると共に、内部すきまを有する転がり軸受に簡単な構成で予圧を負荷できるようにして、低コスト、コンパクト、且つ高性能のモータ内蔵転がり軸受装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、外輪、内輪及び転動体からなり軸受単体で内部すきまがある転がり軸受を少なくとも1個有する軸受部と、ステータ及びロータを有し前記転がり軸受の前記外輪及び前記内輪を相対回転駆動するモータ部とを備えたモータ内蔵転がり軸受装置であって、前記外輪又は前記内輪の一方を固定輪とし、他方を回転輪とすると共に、前記固定輪の軸方向側方又は前記固定輪の半径方向内周側又は外周側に前記ステータを前記固定輪に固定して配設し、且つ前記回転輪の軸方向側方又は前記回転輪の半径方向内周側又は外周側において前記ステータに対向させて前記ロータを前記回転輪に固定して配設し、前記ステータと前記ロータの間に作用する磁気力により前記転がり軸受に予圧を負荷するようにしたことを特徴とする。
【0014】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、軸受単体で内部すきまがある転がり軸受を用い、該転がり軸受の固定輪の軸方向側方にステータを固定輪に固定して配設し、且つ回転輪の軸方向側方においてステータに対向させてロータを回転輪に固定して配設し、ステータとロータの間に作用する磁気力によって、転がり軸受に予圧を負荷するようにしたので、クロスローラ軸受より構成が単純、且つ安価な深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受又は円錐ころ軸受、等の軸受単体で内部すきまを有する転がり軸受に、簡単な構成で予圧を負荷することができる。
また、モータ内蔵転がり軸受装置の組付け方法や部材の変形等によって予圧量が変化することがなく、常に安定した予圧量を転がり軸受に負荷することができる。従って、内部すきまのある転がり軸受を使用した場合も、剛性が大きく、回転性能が高い、安定した性能を有するモータ内蔵転がり軸受装置を低コストで製作することができる。
【0015】
本発明に係る請求項2に記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、夫々の前記転がり軸受装置には、前記ロータ及び前記ステータからなる前記モータ部が内輪部材及び外輪部材の軸方向又は半径方向に対向して個別に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のモータ内蔵転がり軸受装置である。
【0016】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、夫々の転がり軸受にモータ部を個別に配置するようにしたので、軸受単体で内部すきまを有する転がり軸受に、ロータ及びステータ間に作用する磁気力を作用させて、確実に予圧を負荷することができる。また、転がり軸受の剛性を高めて高速回転性能を向上させることができる。
【0017】
本発明に係る請求項3に記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、前記転がり軸受と前記モータ部とは、軸方向に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ内蔵転がり軸受装置である。
【0018】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、転がり軸受とモータ部とが軸方向に配置されているため、モータ部において、ステータ及びロータ間に作用する磁気力によって、転がり軸受に一定の大きさの予圧を負荷することができるとともに、半径方向の長さを小さくすることができる。
従って、軸受単体で内部すきまを有する玉軸受等の一般的な1個の転がり軸受を、複雑な構成とすることなく大きな予圧を負荷できるようにし、安定して回転させることができる。また、1個の転がり軸受をモータと一体として構成したので、モータ内蔵転がり軸受装置をコンパクトにすることができる。
【0019】
本発明に係る請求項4に記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、前記転がり軸受と前記モータ部とは、半径方向に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ内蔵転がり軸受装置である。
【0020】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、転がり軸受とモータ部とが半径方向に配置されているため、モータ部において、ステータ及びロータ間に作用する磁気力によって、転がり軸受に常に一定の大きさの予圧を負荷することができるとともに、軸方向の長さを小さくすることができる。
従って、軸受単体で内部すきまを有する玉軸受等の一般的な1個の転がり軸受を、複雑な構成とすることなく大きな予圧を負荷できるようにし、安定して回転させることができる。また、1個の転がり軸受をモータと一体として構成したので、モータ内蔵転がり軸受装置をコンパクトにすることができる。
【0021】
本発明に係る請求項5に記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、前記転がり軸受は、玉軸受であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモータ内蔵転がり軸受装置である。
【0022】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、転がり軸受は安価な玉軸受としたので、モータ内蔵転がり軸受装置の低コスト化が可能である。また、軸受摩擦トルクが小さく、高速回転性能の優れたモータ内蔵転がり軸受装置を提供することができる。
【0023】
本発明に係る請求項6に記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、前記モータ部は、前記ステータ及び前記ロータが軸方向に対向して配置された平面対向モータ、又は前記ステータ及び前記ロータが半径方向に対向し、且つ前記ステータ及び前記ロータの磁気中心が軸方向にずらされて配置された周対向モータであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモータ内蔵転がり軸受装置である。
【0024】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、モータ部は、ステータ及びロータが軸方向に対向して配置された平面対向モータ、又はステータ及びロータが半径方向に対向し、且つステータ及びロータの磁気中心が軸方向にずらされて配置された周対向モータとしたので、ステータ及びロータ間に作用する磁気力によって、転がり軸受に一定の大きさの予圧を負荷することができる。
従って、軸受単体で内部すきまを有する玉軸受等の一般的な1個の転がり軸受を、複雑な構成とすることなく大きな予圧を負荷できるようにし、安定して回転させることができる。また、1個の転がり軸受をモータと一体として構成したので、モータ内蔵転がり軸受装置をコンパクトにすることができる。
【0025】
本発明に係る請求項7に記載のモータ内蔵転がり軸受装置は、前記転がり軸受及び前記モータ部が取り付けられるハウジングは、磁性体の金属からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモータ内蔵転がり軸受装置である。
【0026】
前記構成のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、転がり軸受及びモータ部が取り付けられるハウジングは、磁性体の金属としたので、磁束の漏れを最小限に抑えることができ、モータ特性を向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の実施形態を図1乃至図7に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図、図2は本発明の第2実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図、図3は本発明の第3実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図、図4は本発明の第4実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図、図5は本発明の第5実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図、図6は本発明の第6実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図、図7は本発明の第7実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【0028】
図1に示すように、本発明の第1実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置1は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受(深溝玉軸受)8から構成されている。玉軸受8は、外輪4及び内輪5の転動面4a,5aで形成された軌道内に、転動体である複数個の玉6が回動自在に配置された構成となっている。
また、玉6の軸方向両側には、外輪4及び内輪5間にシールドリング9が配設されて軌道内に異物が侵入するのを防止するようになっている。玉軸受8は、軸受単体で内部すきまを有する転がり軸受の一種であり、図1に示す実施形態においては、外輪4が固定輪とされ、内輪5が回転輪として設定されている。
【0029】
モータ部3は、ステータ11及びロータ12が対向して配置された構成となっている。外輪4には、玉軸受8の軸方向に延設された略円筒形状の外ハウジング13が外嵌し、圧入や接着等によって固定されている。
外ハウジング13の内径部の略軸方向中央には、内径方向に突出するリング状の隔壁13aが形成されており、該隔壁13aは玉軸受8の軸方向側方に位置するように外輪4に嵌合している。隔壁13aの玉軸受8と反対側の面には、モータ基板14を介してステータ11が固定されている。
【0030】
内輪5の内径部には、玉軸受8の軸方向に延設された略円筒形状の内ハウジング15が嵌合し、圧入や接着等によって固定されている。内ハウジング15の玉軸受8から軸方向に離間した一端は、径方向外方に延びる鍔部15aが、隔壁13aに対向するように形成されている。鍔部15aの内側面には、ロータ12が固定されている。ロータ12は、ステータ11に対向して配置され、ロータ12とステータ11との間に僅かな隙間Sが設けられている。
【0031】
ロータ12は、例えば円環状の永久磁石であり、フェライト系磁石、アルミマンガン磁石、アルニコ磁石や希土類磁石(Nd−Fe−B磁石等)等を用いることができる。特に、希土類磁石は、磁石のエネルギー積が大きいので、小さい体積でモータに大きなトルクを発生させることが可能である。ロータ12には、円周方向にS極,N極が互い違いに複数着磁されている。
【0032】
本実施形態においては、ステータ11とロータ12とが、玉軸受8の軸方向に対向して配置された平面対向モータ18として構成されている。そして、ステータ11にモータ駆動ドライバ(図示せず)からの信号と電力を供給して、回転磁界を発生させ、ロータ12に磁気吸引力を作用させることによって、内ハウジング15(内輪5)を回転駆動するようになっている。
また、ステータ11とロータ12間に作用する磁気吸引力が、外ハウジング13及び内ハウジング15を介して、外輪4及び内輪5に伝達され、該外輪4及び内輪5を軸方向に相対的に移動させて玉軸受8の内部すきまを吸収して玉軸受8に予圧を負荷する。これによって、軸受単体で内部すきまを有する1個の転がり軸受(玉軸受8)によって、アキシャル荷重、ラジアル荷重及びモーメント荷重を支持することができる。
【0033】
外ハウジング13及び内ハウジング15は、磁性体の金属、例えば鉄やマルテンサイト系ステンレス鋼、等からなる。これによって、磁路が閉じられているので、永久磁石(ロータ12)の磁束は外部に漏れ出すことがなく、永久磁石の磁束を有効に活用し、モータ部3の回転駆動力を大きくすることができる。
【0034】
また、外ハウジング13及び内ハウジング15を、例えばアルミニウム合金やオーステナイト系ステンレス鋼、等の非磁性体で形成しても良い。この場合には、磁束の漏れを防止するために、永久磁石と内ハウジング15の間、及びモータ基板14と外ハウジング13の間に、磁性体の金属板を設けるか、又はモータ基板14そのものを磁性体とすることが望ましい。
外ハウジング13及び内ハウジング15は、外輪4及び内輪5と別体で形成し、夫々外輪4及び内輪5に嵌合させて固定するようにしたが、外ハウジング13と外輪4、内ハウジング15と内輪5を一体として形成しても良い。
【0035】
上述した実施形態では、1個の転がり軸受にモータ部が組み込まれて配設されたものとしたが、2個の転がり軸受を軸方向に対向配置し、該2個の転がり軸受の中間にモータ部を配置した構成として、2個の転がり軸受に予圧を負荷することも可能である。
また、回転部材(内ハウジング15)の回転速度や位置を検出するために、エンコーダやホール素子等の検出装置を内蔵させて構成することもできる。
【0036】
次に、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の第2実施形態を説明する。なお、以下の説明において、既に図1において説明した部材等については、図中に同一符号或いは相当符号を付すことにより、説明を簡略化あるいは省略する。
図2に示すように、本発明の第2実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置20は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受8から構成されており、外輪4が回転輪とされ、内輪5が固定輪に設定されている。
【0037】
外輪4には、一端に鍔部21aが形成された略円筒形状の外ハウジング21が外嵌し、圧入や接着等によって固定されている。鍔部21aの玉軸受8と反対側の面には、玉軸受8の軸方向側方に位置して、ロータ12が固定されている。
【0038】
内輪5の内径部には、玉軸受8の軸方向に延設された略円筒形状の内ハウジング22が嵌合し、圧入や接着等によって固定されている。内ハウジング22の玉軸受8から軸方向に離間した一端は、径方向外方に延びる鍔部22a、該鍔部22aから玉軸受8に向かう方向に延設され、鍔部22aに連続して形成された円環状のカバー部22bが形成されている。鍔部22aの内側面には、ステータ11が固定されている。
ステータ11は、ロータ12に対向して配置されており、ステータ11とロータ12との間に、僅かな隙間Sが設けられている。ステータ11及びロータ12によって、所謂、平面対向モータ18が構成されている。
【0039】
次に、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の第3実施形態を説明する。
図3に示すように、本発明の第3実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置30は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受(深溝玉軸受)8から構成されて、外輪4が固定輪とされ、内輪5が回転輪に設定されている。
【0040】
外輪4の外周部には、略円筒形状の外ハウジング31が外嵌し、圧入や接着等によって外輪4に固定されている。内輪5の内周部には、玉軸受8の軸方向に延設された略円筒形状の内ハウジング32が嵌合し、圧入や接着等によって内輪5に固定されている。外ハウジング31の内周部31aに、ステータ11が固定されると共に、内ハウジング32の外周部32aにロータ12がステータ11に対向して固定されている。
また、半径方向に対向して配置されたステータ11とロータ12との間には、僅かな隙間Sが設けられており、ステータ11とロータ12によって所謂、周対向モータ35が構成されている。
【0041】
ステータ11とロータ12は、その磁気中心が、軸方向にずらされて配置されている。これによって、ステータ11、ロータ12間に軸方向の磁気吸引力を発生させて、玉軸受8に予圧を負荷するようになっている。ステータ11とロータ12の磁気中心のずれ量が大きくなると、モータ部3の電磁音が大きくなる傾向がある。従って、大きな予圧を負荷する場合は、図1及び図2に示す平面対向モータ18を用いることが好ましい。
なお、ステータ11を内輪側に取り付け、ロータ12を外輪側に取り付けて、外輪回転としても良い。
【0042】
次に、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の第4実施形態を説明する。
図4に示すように、本発明の第4実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置40は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受8から構成されており、外輪4が回転輪とされ、内輪5が固定輪に設定されている。
【0043】
外輪4の外径部には、円板部41aと円筒部41bとを一体に有する前ハウジング41の円筒部41bが外嵌され、圧入や接着等によって固定されている。前ハウジング41の円板部41aには、玉軸受8の半径方向の内周側に位置して、ロータ12が固定されている。
【0044】
内輪5の内径部には、円板部42aと円筒部42bとを一体に有する後ハウジング42の円筒部42bが内嵌され、圧入や接着等によって固定されている。後ハウジング42の円板部42aには、円筒部42bの内周側に、玉軸受8の半径方向の内周側に位置して、ステータ11が配されている。ステータ11は、モータ基板14により円板部42aに固定されている。
ステータ11は、ロータ12に対向して配置されており、ステータ11とロータ12との間に、僅かな隙間Sが設けられている。ステータ11及びロータ12によって、所謂、平面対向モータ18が構成されている。
【0045】
前ハウジング41の円板部41a,円筒部41bと、後ハウジング42の円板部42aとにより、玉軸受8,ステータ11,ロータ12が囲まれて配置されている。
【0046】
本実施形態においては、ステータ11とロータ12とからなるモータ部3が、玉軸受8の半径方向における内周側に配置され、ステータ11とロータ12が、玉軸受8の軸方向に対向して配置された平面対向モータ18として構成されている。そして、ステータ11にモータ駆動ドライバ(図示せず)からの信号と電力を供給して、回転磁界を発生させ、ロータ12に磁気吸引力を作用させることによって、前ハウジング41(外輪4)を回転駆動するようになっている。
また、ステータ11とロータ12間に作用する磁気吸引力が、前ハウジング41及び後ハウジング42を介して、外輪4及び内輪5に伝達され、該外輪4及び内輪5を軸方向に相対的に移動させて玉軸受8の内部すきまを吸収して玉軸受8に予圧を負荷する。これによって、軸受単体で内部すきまを有する1個の転がり軸受(玉軸受8)によって、アキシャル荷重、ラジアル荷重及びモーメント荷重を支持することができる。
【0047】
前ハウジング41及び後ハウジング42は、磁性体の金属、例えば鉄やマルテンサイト系ステンレス鋼、等からなる。これによって、磁路が閉じられているので、永久磁石(ロータ12)の磁束は外部に漏れ出すことがなく、永久磁石の磁束を有効に活用し、モータ部3の回転駆動力を大きくすることができる。
【0048】
また、前ハウジング41及び後ハウジング42を、例えばアルミニウム合金やオーステナイト系ステンレス鋼、等の非磁性体で形成しても良い。この場合には、磁束の漏れを防止するために、永久磁石と前ハウジング41の間、及びモータ基板14と後ハウジング42の間に、磁性体の金属板を設けるか、又はモータ基板14そのものを磁性体とすることが望ましい。
前ハウジング41及び後ハウジング42は、外輪4及び内輪5と別体で形成し、夫々外輪4及び内輪5に嵌合させて固定するようにしたが、前ハウジング41と外輪4、後ハウジング42と内輪5を一体として形成しても良い。
【0049】
上述した実施形態では、1個の転がり軸受にモータ部が組み込まれて配設されたものとしたが、2個の転がり軸受を軸方向に対向配置し、該2個の転がり軸受の中間にモータ部を配置した構成として、2個の転がり軸受に予圧を負荷することも可能である。
また、回転部材(前ハウジング41)の回転速度や位置を検出するために、エンコーダやホール素子等の検出装置を内蔵させて構成することもできる。
【0050】
次に、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の第5実施形態を説明する。
図5に示すように、本発明の第5実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置50は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受(深溝玉軸受)8から構成されて、外輪4が固定輪とされ、内輪5が回転輪に設定されている。
【0051】
外輪4の外径部には、円板部51aと円筒部51bとを一体に有する前ハウジング51の円筒部51bが外嵌され、圧入や接着等によって固定されている。前ハウジング51の円板部51aには、玉軸受8の半径方向の内周側に位置して、ステータ11が配されている。ステータ11は、モータ基板14により円板部51aに固定されている。
固定されている。
【0052】
内輪5の内径部には、円板部52aと円筒部52bとを一体に有する後ハウジング52の円筒部52bが内嵌され、圧入や接着等によって固定されている。後ハウジング52の円板部52aには、円筒部52aの内周側に、玉軸受8の半径方向の内周側に位置して、ロータ12が配されている。
ステータ11は、ロータ12に対向して配置されており、ステータ11とロータ12との間に、僅かな隙間Sが設けられている。ステータ11及びロータ12によって、所謂、平面対向モータ18が構成されている。
【0053】
前ハウジング51の円板部51a,円筒部51bと、後ハウジング52の円板部52aとにより、玉軸受8,ステータ11,ロータ12が囲まれて配置されている。
【0054】
本実施形態においては、ステータ11とロータ12とからなるモータ部3が、玉軸受8の半径方向における内周側に配置され、ステータ11とロータ12が、玉軸受8の軸方向に対向して配置された平面対向モータ18として構成されている。そして、ステータ11にモータ駆動ドライバ(図示せず)からの信号と電力を供給して、回転磁界を発生させ、ロータ12に磁気吸引力を作用させることによって、後ハウジング52(内輪5)を回転駆動するようになっている。
また、ステータ11とロータ12間に作用する磁気吸引力が、前ハウジング51及び後ハウジング52を介して、外輪4及び内輪5に伝達され、該外輪4及び内輪5を軸方向に相対的に移動させて玉軸受8の内部すきまを吸収して玉軸受8に予圧を負荷する。これによって、軸受単体で内部すきまを有する1個の転がり軸受(玉軸受8)によって、アキシャル荷重、ラジアル荷重及びモーメント荷重を支持することができる。
【0055】
次に、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の第6実施形態を説明する。
図6に示すように、本発明の第6実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置60は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受(深溝玉軸受)8から構成されて、外輪4が回転輪とされ、内輪5が固定輪に設定されている。
【0056】
外輪4の外径部には、円板部61aと円筒部61bと中央軸部61cとを一体に有する前ハウジング61の円筒部61bが外嵌され、圧入や接着等によって外輪4に固定されている。内輪5の内径部には、円板部62aと円筒部62bとを一体に有する後ハウジング62の円筒部62bが外嵌され、圧入や接着等によって内輪5に固定されている。
そして、前ハウジング61の中央軸部61cにロータ12が固定され、後ハウジング62の円筒部62bの内周側に、玉軸受8の半径方向の内周側に位置して、ステータ11がロータ12に対向して固定されている。
また、半径方向に対向して配置されたステータ11とロータ12との間には、僅かな隙間Sが設けられており、ステータ11とロータ12によって所謂、周対向モータ35が構成されている。
【0057】
ステータ11とロータ12は、その磁気中心が、軸方向にずらされて配置されている。これによって、ステータ11、ロータ12間に軸方向の磁気吸引力を発生させて、玉軸受8に予圧を負荷するようになっている。ステータ11とロータ12の磁気中心のずれ量が大きくなると、モータ部3の電磁音が大きくなる傾向がある。従って、大きな予圧を負荷する場合は、図1,図2,図4,図5に示す平面対向モータ18を用いることが好ましい。
【0058】
次に、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置の第7実施形態を説明する。
図7に示すように、本発明の第7実施形態であるモータ内蔵転がり軸受装置70は、軸受部2と、モータ部3とを備えている。軸受部2は、1個の玉軸受(深溝玉軸受)8から構成されて、外輪4が固定輪とされ、内輪5が回転輪に設定されている。
【0059】
外輪4の外径部には、円板部71aと円筒部71bと中央軸部71cとを一体に有する前ハウジング71の円筒部71bが外嵌され、圧入や接着等によって外輪4に固定されている。内輪5の内径部には、円板部72aと円筒部72bとを一体に有する後ハウジング72の円筒部72bが外嵌され、圧入や接着等によって内輪5に固定されている。
そして、前ハウジング71の中央軸部71cにステータ11が固定され、後ハウジング72の円筒部72bの内周側に、玉軸受8の半径方向の内周側に位置して、ロータ12がステータ11に対向して固定されている。
また、半径方向に対向して配置されたステータ11とロータ12との間には、僅かな隙間Sが設けられており、ステータ11とロータ12によって所謂、周対向モータ35が構成されている。
【0060】
ステータ11とロータ12は、その磁気中心が、軸方向にずらされて配置されている。これによって、ステータ11、ロータ12間に軸方向の磁気吸引力を発生させて、玉軸受8に予圧を負荷するようになっている。ステータ11とロータ12の磁気中心のずれ量が大きくなると、モータ部3の電磁音が大きくなる傾向がある。従って、大きな予圧を負荷する場合は、図1,図2,図4,図5に示す平面対向モータ18を用いることが好ましい。
【0061】
本実施形態の作用を説明する。
図1,図2,図4,図5において、ステータ11にモータ駆動ドライバ(図示せず)から電力を供給して、回転磁界を発生させると、ロータ12はステータ11の磁気に吸引されて回転輪(図1では内輪5、図2では外輪4、図4では外輪4、図5では内輪5)と共に回転駆動される。このとき、ロータ12は磁気吸引力によって軸方向に吸引されているので、外輪4と内輪5は、相対的に軸方向に移動し、軸受単体で内部すきまを有する玉軸受8に予圧が負荷される。
従って、玉軸受8の剛性が高められ、モータ内蔵転がり軸受装置1,20,40,50を安定して高速で回転させることができる。ここで注目すべき特徴は、用いられる玉軸受8が1個であるにも係わらず、簡単な構成で予圧が負荷されていることである。
【0062】
また、図3,図6,図7においても同様に、ステータ11に電力を供給して回転磁界を発生させると、ロータ12はステータ11の磁気に吸引されて回転輪(図3では内輪5、図6では外輪4、図7では内輪5)と共に回転駆動される。このとき、ステータ11とロータ12の磁気中心は軸方向にずれた位置に設定されているので、ロータ12に軸方向(図3では上方向、図6,図7では下方向)の力が作用する。この軸方向の力によって玉軸受8に予圧が負荷される。
【0063】
上述したように、本発明のモータ内蔵転がり軸受装置は、内部すきまを有する転がり軸受にステータ、ロータ間に作用する磁気力によって予圧を負荷するようにしたので、簡単な構成で予圧を負荷することができる。
従って、モータ内蔵転がり軸受装置の製造コストを低減させることができる。また、使用される転がり軸受が1個であっても、該転がり軸受に予圧を負荷して転がり軸受の剛性を高めることができるので、モータ内蔵転がり軸受装置の大幅な小型化が達成され、回転性能を向上させることができる。
更に、転がり軸受の摩擦トルクは、クロスローラ軸受よりも小さいので、従来以上の高速回転に対応することが可能となる。
【0064】
尚、本発明において、転がり軸受は、深溝玉軸受として説明したが、これに限定されるものではなく、軸受単体で内部すきまを有する転がり軸受であればどのような軸受であってもよく、アンギュラ玉軸受や円錐ころ軸受、等を用いることもできる。しかし、製造コスト的には、深溝玉軸受を使用することが最も有利である。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る請求項1に記載のモータ内蔵転がり軸受装置によれば、軸受単体で内部すきまがある転がり軸受を用い、該転がり軸受の固定輪の軸方向側方又は前記固定輪の半径方向内周側又は外周側にステータを固定輪に固定して配設し、且つ回転輪の軸方向側方又は前記回転輪の半径方向内周側又は外周側においてステータに対向させてロータを回転輪に固定して配設し、ステータとロータの間に作用する磁気力によって、転がり軸受に予圧を負荷するようにしたので、クロスローラ軸受より構成が単純、且つ安価な深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受や円錐ころ軸受、等の軸受単体で内部すきまを有する転がり軸受に、簡単な構成で予圧を負荷することができる。
従って、モータ内蔵転がり軸受装置の組付け方法や部材の変形等によって予圧量が変化することがなく、常に安定した予圧量を転がり軸受に負荷することができる。よって、コンパクトであるにも係わらず、剛性が大きく、回転精度の高い、安定した性能を有するモータ内蔵転がり軸受装置を低コストで製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図7】本発明の第7実施形態に係るモータ内蔵転がり軸受装置の縦断面図である。
【図8】従来のダイレクト・ドライブ・モータの縦断面図である。
【図9】従来の他のダイレクト・ドライブ・モータの縦断面図である。
【図10】従来の更に他のダイレクト・ドライブ・モータの縦断面図である。
【符号の説明】
1,20,30,40,50,60,70 モータ内蔵転がり軸受装置
2 軸受部
3 モータ部
4 外輪
5 内輪
6 玉(転動体)
8 玉軸受(転がり軸受)
11 ステータ
12 ロータ
13,21,31 外ハウジング(ハウジング)
15,22,32 内ハウジング(ハウジング)
18 平面対向モータ
35 周対向モータ
41,51,61,71 前ハウジング(ハウジング)
42,52,62,72 後ハウジング(ハウジング)
Claims (7)
- 外輪、内輪及び転動体からなり軸受単体で内部すきまがある転がり軸受を少なくとも1個有する軸受部と、ステータ及びロータを有し前記転がり軸受の前記外輪及び前記内輪を相対回転駆動するモータ部とを備えたモータ内蔵転がり軸受装置であって、
前記外輪又は前記内輪の一方を固定輪とし、他方を回転輪とすると共に、前記固定輪の軸方向側方又は前記固定輪の半径方向内周側又は外周側に前記ステータを前記固定輪に固定して配設し、且つ前記回転輪の軸方向側方又は前記回転輪の半径方向内周側又は外周側において前記ステータに対向させて前記ロータを前記回転輪に固定して配設し、前記ステータと前記ロータの間に作用する磁気力により前記転がり軸受に予圧を負荷するようにしたことを特徴とするモータ内蔵転がり軸受装置。 - 前記転がり軸受装置は、前記ロータ及び前記ステータからなる前記モータ部が内輪部材及び外輪部材の軸方向又は半径方向に対向して個別に配置されたことを特徴とする請求項1に記載のモータ内蔵転がり軸受装置。
- 前記転がり軸受と前記モータ部とは、軸方向に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ内蔵転がり軸受装置。
- 前記転がり軸受と前記モータ部とは、半径方向に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のモータ内蔵転がり軸受装置。
- 前記転がり軸受は、玉軸受であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のモータ内蔵転がり軸受装置。
- 前記モータ部は、前記ステータ及び前記ロータが軸方向に対向して配置された平面対向モータ、又は前記ステータ及び前記ロータが半径方向に対向し、且つ前記ステータ及び前記ロータの磁気中心が軸方向にずらされて配置された周対向モータであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のモータ内蔵転がり軸受装置。
- 前記転がり軸受及び前記モータ部が取り付けられるハウジングは、磁性体の金属からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のモータ内蔵転がり軸受装置。
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