JP2008215512A - 磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置 - Google Patents

磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 モーメント荷重が加わった場合に、回転センサの誤検出を防止するのに好適な転がり軸受装置を提供する。
【解決手段】 薄型モータ100は、内輪14aおよび外輪14bを有する深溝玉軸受14と、内輪14aに支持されるステータ22と、外輪14bに支持されるロータ12と、ロータ12に回転トルクを付与するモータ部16と、ロータ12の回転角度位置を検出するレゾルバ30とを備え、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16を径方向の同一平面上に配置した。また、ステータ22を磁性体で構成し、ロータ12に永久磁石48を固定し、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受および回転センサを備える転がり軸受装置に係り、特に、モーメント荷重が加わった場合に、回転センサの誤検出を防止するのに好適な磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置に関する。
従来、薄型モータとしては、転がり軸受および回転センサを備える薄型モータが知られている。
図9は、従来の薄型モータ200の軸方向の断面図である。
薄型モータ200は、図9に示すように、固定子であるハウジングインナ220と、回転子であるロータ12と、ロータ12とハウジングインナ220の間に介在してロータ12を回転可能に支持するクロスローラ軸受140とを有して構成されている。
クロスローラ軸受140は、内輪140aおよび外輪140bを有して構成されている。内輪140aは、ハウジングインナ220の外周面に嵌合し、内輪押え26により軸方向に押圧された状態でハウジングインナ220に固定されている。外輪140bは、ロータ12の内周面に嵌合し、外輪押え28により軸方向に押圧された状態でロータ12に固定されている。
ロータ12とハウジングインナ220の間には、ロータ12に回転トルクを付与するモータ部16と、ロータ12の回転角度位置を検出する回転センサとしてのレゾルバ30とが設けられている。
レゾルバ30は、クロスローラ軸受140の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出するレゾルバステータ20とを有して構成されている。レゾルバロータ18はロータ12の内周面に、レゾルバステータ20はハウジングインナ220の外周面に一体に取り付けられている。レゾルバロータ18を偏心させてレゾルバロータ18とレゾルバステータ20の間の距離を円周方向に変化させることにより、リラクタンスがレゾルバロータ18の位置により変化するようになっている。したがって、ロータ12の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるため、レゾルバ30は、ロータ12の回転角度位置に応じて変化するレゾルバ信号を出力する。
なお、従来の転がり軸受装置としては、例えば、特許文献1〜3記載の軸受装置が知られている。特許文献1記載の軸受装置は、軸方向の予圧を付与して内輪140aおよび外輪140bを固定したものであり、特許文献2記載の軸受装置は、軸受の作用点を出力軸外に設定したものであり、特許文献3記載の軸受装置は、軸受の外周にモータを配置したものである。
特開2005−69252号公報 特開2006−25525号公報 特開2002−281720号公報
しかしながら、上記従来の薄型モータ200にあっては、薄型モータ200にモーメント荷重が加わると、薄型モータ200がクロスローラ軸受140を中心として傾き、レゾルバ30のギャップが変化する。そのため、ロータ12の回転角度位置を正確に検出することができないという問題があった。特に、クロスローラ軸受140を中心として傾くので、クロスローラ軸受140から離れるほどギャップ変化は大きい。また、薄型モータであるため、1つのクロスローラ軸受140でモーメント荷重を受けなければならず、クロスローラ軸受140の数を増やすことで剛性を高めギャップ変化を防止することは難しい。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、モーメント荷重が加わった場合に、回転センサの誤検出を防止するのに好適な磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置を提供することを目的としている。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置は、内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間に配置され、それらの相対位置により変化するセンサ信号を出力する回転センサとを備える転がり軸受装置において、前記回転センサおよび前記転がり軸受を径方向の同一平面上に配置し、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方を磁性体で構成し、他方に磁石を固定し、前記磁石は、前記磁性体と軸方向に対向して配置されている。
このような構成であれば、転がり軸受により、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転可能に支持される。そして、回転センサにより、内輪被支持体および外輪被支持体の相対位置により変化するセンサ信号が出力される。
転がり軸受装置にモーメント荷重が加わると、転がり軸受装置が転がり軸受を中心として傾くが、回転センサが転がり軸受と径方向同一平面上に配置されているので、回転センサのギャップ変化を小さくすることができる。
また、回転センサおよび転がり軸受が径方向同一平面上に配置されているので、転がり軸受装置の高さ(軸方向の長さ)を小さくすることができる。
さらに、転がり軸受の予圧を高くする等の方法を採用した場合は、ギャップ変化を抑制できる半面、転がり軸受の寿命が短くなるという不具合を伴うところ、本発明では、ギャップ変化が小さい位置に回転センサを配置することによりギャップ変化を低減するので、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
さらに、磁石が磁性体と軸方向に対向して配置されているので、磁石と磁性体の間に発生する磁気吸引力により磁石および磁性体が軸方向に吸引され、これに伴って転がり軸受に軸方向の予圧が付与される。また、軸方向の隙間が補正される。
ここで、内輪被支持体および外輪被支持体は、転がり軸受により相対的に回転可能に支持されていればよく、内輪被支持体が固定されて外輪被支持体が回転可能に支持されていてもよいし、外輪被支持体が固定されて内輪被支持体が回転可能に支持されていてもよいし、両者が回転可能に支持されていてもよい。以下、発明2の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置において同じである。
また、回転センサとしては、例えば、内輪被支持体と外輪被支持体の間のリラクタンスがそれらの相対位置により変化するレゾルバ、または円周方向に形成されたマークを検出するテープスケールが該当する。以下、発明2の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置において同じである。
また、内輪被支持体および外輪被支持体の一方は、当該一方の全部を磁性体で構成してもよいし、当該一方の一部を磁性体で構成してもよい。以下、発明2の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置において同じである。
また、内輪被支持体および外輪被支持体の他方に磁石を固定することには、当該他方に直接固定はされないが、当該他方に近接または接触して配置され、かつ、当該他方に固定される部材(回転センサおよび転がり軸受を含む。)または当該他方と一体をなす部材に固定されることにより当該他方と実質的に一体をなす固定状態を含む。
〔発明2〕 さらに、発明2の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置は、内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体を相対的に回転させる駆動体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間に配置され、それらの相対位置により変化するセンサ信号を出力する回転センサとを備える転がり軸受装置において、前記回転センサ、前記転がり軸受および前記駆動体を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置し、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方を磁性体で構成し、他方に磁石を固定し、前記磁石は、前記磁性体と軸方向に対向して配置されている。
このような構成であれば、転がり軸受により、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転可能に支持される。そして、回転センサにより、内輪被支持体および外輪被支持体の相対位置により変化するセンサ信号が出力される。
転がり軸受装置にモーメント荷重が加わると、転がり軸受装置が転がり軸受を中心として傾くが、回転センサが転がり軸受と径方向同一平面上に配置されているので、回転センサのギャップ変化を小さくすることができる。
また、回転センサ、転がり軸受および駆動体が径方向同一平面上に配置されているので、転がり軸受装置の高さ(軸方向の長さ)を小さくすることができる。
さらに、回転センサが転がり軸受を挟んで駆動体の反対側に配置されているので、回転センサが駆動体からのノイズや熱の影響を受けにくい。
さらに、転がり軸受の予圧を高くする等の方法を採用した場合は、ギャップ変化を抑制できる半面、転がり軸受の寿命が短くなるという不具合を伴うところ、本発明では、ギャップ変化が小さい位置に回転センサを配置することによりギャップ変化を低減するので、転がり軸受の長寿命化を図ることができる。
さらに、磁石が磁性体と軸方向に対向して配置されているので、磁石と磁性体の間に発生する磁気吸引力により磁石および磁性体が軸方向に吸引され、これに伴って転がり軸受に軸方向の予圧が付与される。また、軸方向の隙間が補正される。
ここで、駆動体としては、例えば、モータやエンジン等のアクチュエータが該当する。
また、内輪被支持体および外輪被支持体の他方に磁石を固定することには、当該他方に直接固定はされないが、当該他方に近接または接触して配置され、かつ、当該他方に固定される部材(回転センサ、転がり軸受および駆動体を含む。)または当該他方と一体をなす部材に固定されることにより当該他方と実質的に一体をなす固定状態を含む。
〔発明3〕 さらに、発明3の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置は、発明2の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置において、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体は、径方向内外に形成される内壁体および外壁体をそれぞれ有し、前記内輪被支持体の内壁体が前記外輪被支持体の内壁体と外壁体の間に、前記外輪被支持体の外壁体が前記内輪被支持体の内壁体と外壁体の間に位置するように互いに跨って配置され、前記外輪被支持体の内壁体および前記内輪被支持体の内壁体の一方に前記回転センサの被検出体を、他方に前記回転センサの検出手段を固定し、前記内輪被支持体の内壁体に前記内輪を、前記外輪被支持体の外壁体に前記外輪を固定し、前記外輪被支持体の外壁体および前記内輪被支持体の外壁体の一方に前記駆動体の回転子を、他方に前記駆動体の固定子を固定した。
このような構成であれば、外輪被支持体の外壁体に駆動体の回転子が固定されている場合は、外輪被支持体および外輪が回転し、内輪被支持体の外壁体に駆動体の回転子が固定されている場合は、内輪被支持体および内輪が回転する。そして、それらが回転すると、外輪被支持体の内壁体および内輪被支持体の内壁体の一方に固定された回転センサの被検出体が、他方に固定された回転センサの検出手段により検出されることにより、内輪被支持体と外輪被支持体の相対位置により変化するセンサ信号が回転センサから出力される。
ここで、内輪被支持体の内壁体または外壁体は、内輪被支持体と一体に構成してもよいし、内輪被支持体とは別体に構成してもよい。別体で構成する場合、内輪押え等の部材が内輪被支持体の内壁体を構成してもよい。
また、外輪被支持体の内壁体または外壁体は、外輪被支持体と一体に構成してもよいし、外輪被支持体とは別体に構成してもよい。別体で構成する場合、外輪押え等の部材が外輪被支持体の外壁体を構成してもよい。
また、内壁体または外壁体(この段落において、以下、「壁体」と略記する。)に固定することには、壁体に直接固定はされないが、壁体に近接または接触して配置され、かつ、壁体が固定される部材または壁体と一体をなす部材に固定されることにより壁体と実質的に一体をなす固定状態を含む。
〔発明4〕 さらに、発明4の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置は、発明1ないし3のいずれか1の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置において、前記回転センサは、内周および外周の一方を前記転がり軸受の軸心に対して偏心させた円環状の被検出体と、前記被検出体との間のリラクタンス変化を検出する検出手段とを有し、前記被検出体の内周および外周のうち偏心している側が前記検出手段に対向するように、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方に前記被検出体を、他方に前記検出手段を設けた。
このような構成であれば、内輪被支持体および外輪被支持体が相対的に回転すると、これに伴って検出手段および被検出体も相対的に回転する。そして、被検出体の内周および外周のうち検出手段に対向する側が偏心しているので、回転によりリラクタンス変化が生じ、検出手段により、そのリラクタンス変化が検出される。
このように、1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるタイプの回転センサでは、モーメント荷重によるギャップ変化の影響が大きいので、ギャップ変化の低減は、誤検出防止に効果的である。
ここで、被検出体および検出手段については、内輪被支持体に被検出体を、外輪被支持体に検出手段を設けてもよいし、その逆の配置で設けてもよい。前者の場合は、被検出体の外周を偏心させ、被検出体の外周を検出手段に対向させて被検出体および検出手段を設ける。後者の場合は、被検出体の内周を偏心させ、被検出体の内周を検出手段に対向させて被検出体および検出手段を設ける。
以上説明したように、発明1の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置によれば、転がり軸受装置にモーメント荷重が加わっても、ギャップ変化が小さい位置に回転センサが配置されているので、従来に比して、回転センサのギャップ変化を小さくすることができ、回転センサが誤検出する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、回転センサおよび転がり軸受が径方向同一平面上に配置されているので、転がり軸受装置の高さを小さくすることができるという効果も得られる。さらに、転がり軸受の予圧を高くする等の方法に比して、転がり軸受の長寿命化を図ることができるという効果も得られる。さらに、磁石および磁性体の軸方向対向配置により転がり軸受に予圧が付与されるので、複数の方向からの荷重を受けることができるとともに、組合せ軸受を用いる場合に比して、部品点数を低減することができ、信頼性を向上することができるという効果も得られる。さらに、モータ部の磁石とコイルの間の磁気吸引力を利用する場合に比して、駆動用電流による磁気吸引力の変動を受けず、出力軸の挙動を安定させることができるという効果も得られる。さらに、磁石の個数や、磁石と磁性体のギャップにより、予圧量を適宜調整することができるという効果も得られる。
さらに、発明2の磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置によれば、転がり軸受装置にモーメント荷重が加わっても、ギャップ変化が小さい位置に回転センサが配置されているので、従来に比して、回転センサのギャップ変化を小さくすることができ、回転センサが誤検出する可能性を低減することができるという効果が得られる。また、回転センサ、転がり軸受および駆動体が径方向同一平面上に配置されているので、転がり軸受装置の高さを小さくすることができるという効果も得られる。さらに、回転センサが転がり軸受を挟んで駆動体の反対側に配置されているので、回転センサが駆動体からのノイズや熱の影響を受けにくく、高い検出精度を実現することができるという効果も得られる。さらに、転がり軸受の予圧を高くする等の方法に比して、転がり軸受の長寿命化を図ることができるという効果も得られる。さらに、磁石および磁性体の軸方向対向配置により転がり軸受に予圧が付与されるので、複数の方向からの荷重を受けることができるとともに、組合せ軸受を用いる場合に比して、部品点数を低減することができ、信頼性を向上することができるという効果も得られる。さらに、モータ部の磁石とコイルの間の磁気吸引力を利用する場合に比して、駆動用電流による磁気吸引力の変動を受けず、出力軸の挙動を安定させることができるという効果も得られる。さらに、磁石の個数や、磁石と磁性体のギャップにより、予圧量を適宜調整することができるという効果も得られる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置の実施の形態を示す図である。
まず、本発明を適用する薄型モータ100の構成を説明する。
図1は、本実施の形態に係る薄型モータ100の軸方向の断面図である。
薄型モータ100は、図1に示すように、固定子であるステータ22と、回転子であるロータ12と、ロータ12とステータ22の間に介在してロータ12を回転可能に支持する深溝玉軸受14と、ロータ12に回転トルクを付与するモータ部16と、ロータ12の回転角度位置を検出するレゾルバ30とを有して構成されている。ここで、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16は、径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置されている。
ステータ22には、軸方向上方(図1の上方向)に突出した円環状の内壁体22aが形成され、内壁体22aよりも径方向外側には、軸方向上方に突出した円環状の外壁体22bが形成されている。一方、ロータ12には、軸方向下方(図1の下方向)に突出した円環状の内壁体12aが形成され、内壁体12aよりも径方向外側には、軸方向下方に突出した円環状の外壁体12bが形成されている。そして、ステータ22およびロータ12は、ステータ22の内壁体22aがロータ12の内壁体12aと外壁体12bの間に、ロータ12の外壁体12bがステータ22の内壁体22aと外壁体22bの間に位置するように互いに跨って配置されている。
ステータ22は、フェライト等の磁性体で構成されている。一方、ロータ12の内壁体12aの下端には、径方向外側に突出したフランジ46が形成されている。そして、フランジ46の下面には永久磁石48が固定され、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
深溝玉軸受14は、内輪14aと、外輪14bと、内輪14aおよび外輪14bの間で転動可能に設けられた複数の転動体14cとを有して構成されている。
内輪14aは、ステータ22の内壁体22aに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ステータ22の内壁体22aの上端を内輪14aの下面に当接させ、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでステータ22の内壁体22aに締結することにより固定される。
外輪14bは、ロータ12の外壁体12bに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ロータ12の外壁体12bの下端を外輪14bの上面に当接させ、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの下面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12の外壁体12bに締結することにより固定される。
なお、ステータ22は、ボルト24aにより固定板24に固定され、ロータ12は、出力軸の外周面に嵌合している。
モータ部16は、永久磁石16aと、永久磁石16aと所定間隔をもって対向して配置されるコイル16bとを有して構成されている。永久磁石16aは、外輪押え28の外周面に取り付けられ、外輪押え28と一体にロータ12の外壁体12bの外周面側に固定されている。一方、コイル16bは、ボルト16cによりステータ22の外壁体22bに取り付けられている。
レゾルバ30は、中空環状の成層鉄心からなるレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、複数のステータポールが円周方向に等間隔に形成された環状の成層鉄心からなるレゾルバステータ20とを有して構成されるアウターロータ式のレゾルバである。図1において、一方のレゾルバ30(軸方向上方)は、深溝玉軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18を有し、レゾルバロータ18の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となる単極レゾルバ信号を出力するABS(Absolute)型の単極レゾルバである。他方のレゾルバ30(軸方向下方)は、突極状の複数の歯が円周方向に等間隔に形成されたレゾルバロータ18を有し、レゾルバロータ18の1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が多周期となる多極レゾルバ信号を出力するINC(Increment)型の多極レゾルバである。
2つのレゾルバ30のレゾルバロータ18は、ロータ間座42を介して微小な間隔をもって配置され、ボルト18aによりロータ12の内壁体12aの外周面に取り付けられている。一方、2つのレゾルバ30のレゾルバステータ20は、ステータ間座44を介して微小な間隔をもって配置され、ボルト20aにより内輪押え26の内周面に取り付けられ、内輪押え26と一体にステータ22の内壁体22aの内周面側に固定されている。
そして、コイル16bに通電することにより、ロータ12およびレゾルバロータ18が一体に回転し、レゾルバステータ20によりリアクタンス変化を検出し、制御器(不図示)により回転速度や位置決めの制御を行う構造となっている。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
コイル16bに通電すると、ロータ12に回転トルクが付与され、ロータ12が回転する。そして、レゾルバ30により、ロータ12と一体に回転するレゾルバロータ18との間のリラクタンス変化が検出され、制御器(不図示)により回転速度や位置決めの制御が行われる。
薄型モータ100にモーメント荷重が加わると、薄型モータ100が深溝玉軸受14を中心として傾くが、レゾルバ30が深溝玉軸受14と径方向同一平面上に配置されているので、レゾルバ30のギャップ変化を小さくすることができる。
また、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16が径方向同一平面上に配置されているので、薄型モータ100の高さ(軸方向の長さ)を小さくすることができる。
さらに、レゾルバ30が深溝玉軸受14を挟んでモータ部16の反対側に配置されているので、レゾルバ30がモータ部16からのノイズや熱の影響を受けにくい。
さらに、深溝玉軸受14の予圧を高くする等の方法を採用した場合は、ギャップ変化を抑制できる半面、深溝玉軸受14の寿命が短くなるという不具合を伴うところ、本発明では、ギャップ変化が小さい位置にレゾルバ30を配置することによりギャップ変化を低減するので、深溝玉軸受14の長寿命化を図ることができる。
さらに、永久磁石48がステータ22と軸方向に対向して配置されているので、永久磁石48とステータ22の間に発生する磁気吸引力により永久磁石48およびステータ22が軸方向に吸引され、これに伴って深溝玉軸受14に軸方向の予圧が付与される。また、軸方向の隙間が補正される。
このようにして、本実施の形態では、内輪14aおよび外輪14bを有する深溝玉軸受14と、内輪14aに支持されるステータ22と、外輪14bに支持されるロータ12と、ロータ12に回転トルクを付与するモータ部16と、ロータ12の回転角度位置を検出するレゾルバ30とを備え、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16を径方向の同一平面上に配置し、ステータ22を磁性体で構成し、ロータ12に永久磁石48を固定し、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
これにより、薄型モータ100にモーメント荷重が加わっても、ギャップ変化が小さい位置にレゾルバ30が配置されているので、従来に比して、レゾルバ30のギャップ変化を小さくすることができ、レゾルバ30が誤検出する可能性を低減することができる。また、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16が径方向同一平面上に配置されているので、薄型モータ100の高さを小さくすることができる。さらに、深溝玉軸受14の予圧を高くする等の方法に比して、深溝玉軸受14の長寿命化を図ることができる。さらに、永久磁石48およびステータ22の軸方向対向配置により深溝玉軸受14に予圧が付与されるので、複数の方向からの荷重を受けることができるとともに、組合せ軸受を用いる場合に比して、部品点数を低減することができ、信頼性を向上することができる。さらに、モータ部16の永久磁石16aとコイル16bの間の磁気吸引力を利用する場合に比して、駆動用電流による磁気吸引力の変動を受けず、出力軸の挙動を安定させることができる。さらに、永久磁石48の個数や、永久磁石48とステータ22のギャップにより、予圧量を適宜調整することができる。
さらに、本実施の形態では、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した。
これにより、レゾルバ30が深溝玉軸受14を挟んでモータ部16の反対側に配置されているので、レゾルバ30がモータ部16からのノイズや熱の影響を受けにくく、高い検出精度を実現することができる。
さらに、本実施の形態では、レゾルバ30は、深溝玉軸受14の軸心に対して偏心させた内周を有する円環状のレゾルバロータ18と、レゾルバロータ18と所定間隔をもって対向して配置され、レゾルバロータ18との間のリラクタンス変化を検出するレゾルバステータ20とを有して構成されている。
このように、1回転につきリラクタンス変化の基本波成分が1周期となるタイプのレゾルバ30では、モーメント荷重によるギャップ変化の影響が大きいので、ギャップ変化の低減は、誤検出防止に効果的である。
上記実施の形態において、深溝玉軸受14は、発明1ないし4の転がり軸受に対応し、ステータ22は、発明1ないし4の内輪被支持体に対応し、ロータ12は、発明1ないし4の外輪被支持体に対応し、レゾルバ30は、発明1ないし4の回転センサに対応している。また、レゾルバロータ18は、発明3または4の被検出体に対応し、レゾルバステータ20は、発明3または4の検出手段に対応し、モータ部16は、発明2または3の駆動体に対応し、永久磁石16aは、発明3の回転子に対応し、コイル16bは、発明3の固定子に対応している。
なお、上記実施の形態においては、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置したが、これに限らず、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16の配置順序は任意とすることができ、例えば、次の5つの構成を採用することができる。
まず、第1の構成を説明する。
図2は、モータ部16、深溝玉軸受14およびレゾルバ30を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。
モータ部16、深溝玉軸受14およびレゾルバ30は、図2に示すように、径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置されている。
ステータ22には、軸方向上方(図2の上方向)に突出した円環状の内壁体22aが形成され、内壁体22aよりも径方向外側には、軸方向上方に突出した円環状の外壁体22bが形成されている。一方、ロータ12には、軸方向下方(図2の下方向)に突出した円環状の内壁体12aが形成され、内壁体12aよりも径方向外側には、軸方向下方に突出した円環状の外壁体12bが形成されている。そして、ステータ22およびロータ12は、ロータ12の内壁体12aがステータ22の内壁体22aと外壁体22bの間に、ステータ22の外壁体22bがロータ12の内壁体12aと外壁体12bの間に位置するように互いに跨って配置されている。
ステータ22は、フェライト等の磁性体で構成されている。一方、ロータ12の外壁体12bの下端には、径方向内側に突出したフランジ46が形成されている。そして、フランジ46の下面には永久磁石48が固定され、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
内輪14aは、ロータ12の内壁体12aに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ロータ12の内壁体12aの下端を内輪14aの上面に当接させ、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの下面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでロータ12の内壁体12aに締結することにより固定される。
外輪14bは、ステータ22の外壁体22bに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ステータ22の外壁体22bの上端を外輪14bの下面に当接させ、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの上面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでステータ22の外壁体22bに締結することにより固定される。
永久磁石16aは、内輪押え26の内周面に取り付けられ、内輪押え26と一体にロータ12の内壁体12aの内周面側に固定されている。一方、コイル16bは、ボルト16cによりステータ22の内壁体22aの外周面に取り付けられている。
レゾルバ30は、単極レゾルバ信号および多極レゾルバ信号を出力するABS/INC一体型のレゾルバであって、上記実施の形態におけるレゾルバ30とは、一体に構成されている点を除き同等の機能を有する。レゾルバロータ18は、ボルト18aによりロータ12の外壁体12bに取り付けられている。一方、レゾルバステータ20は、ボルト20aにより外輪押え28の外周面に取り付けられ、外輪押え28と一体にステータ22の外壁体22bの外周面側に固定されている。
このようにして、第1の構成では、モータ部16、深溝玉軸受14およびレゾルバ30を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した。
これにより、レゾルバ30の誤検出の可能性を低減する効果および深溝玉軸受14の長寿命化を図る効果のほか、レゾルバ30が深溝玉軸受14を挟んでモータ部16の反対側に配置されているので、レゾルバ30がモータ部16からのノイズや熱の影響を受けにくく、高い検出精度を実現することができる。また、レゾルバ30を径方向の最も外側に配置したことにより、レゾルバ30の直径を大きくすることができるので、金型加工時等の精度を安定化でき、さらに高い検出精度を実現することができる。
次に、第2の構成を説明する。
図3は、深溝玉軸受14、モータ部16およびレゾルバ30を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。
深溝玉軸受14、モータ部16およびレゾルバ30は、図3に示すように、径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置されている。
ステータ22には、軸方向上方(図3の上方向)に突出した円環状の内壁体22aが形成され、内壁体22aよりも径方向外側には、軸方向上方に突出した円環状の外壁体22bが形成されている。一方、ロータ12には、軸方向下方(図3の下方向)に突出した円環状の内壁体12aが形成され、内壁体12aよりも径方向外側には、軸方向下方に突出した円環状の外壁体12bが形成されている。そして、ステータ22およびロータ12は、ロータ12の内壁体12aがステータ22の内壁体22aと外壁体22bの間に、ステータ22の外壁体22bがロータ12の内壁体12aと外壁体12bの間に位置するように互いに跨って配置されている。
ステータ22は、フェライト等の磁性体で構成されている。一方、ロータ12の外壁体12bの下端には、径方向内側に突出したフランジ46が形成されている。そして、フランジ46の下面には永久磁石48が固定され、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
内輪14aは、ステータ22の内壁体22aに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ステータ22の内壁体22aの上端を内輪14aの下面に当接させ、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでステータ22の内壁体22aに締結することにより固定される。
外輪14bは、ロータ12の内壁体12aに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ロータ12の内壁体12aの下端を外輪14bの上面に当接させ、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの下面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12の内壁体12aに締結することにより固定される。
永久磁石16aは、外輪押え28の外周面に取り付けられ、外輪押え28と一体にロータ12の内壁体12aの外周面側に固定されている。一方、コイル16bは、ボルト16cによりステータ22の外壁体22bの内周面に取り付けられている。
レゾルバ30は、単極レゾルバ信号および多極レゾルバ信号を出力するABS/INC一体型のレゾルバであって、上記実施の形態におけるレゾルバ30とは、一体に構成されている点を除き同等の機能を有する。レゾルバロータ18は、ボルト18aによりロータ12の外壁体12bに取り付けられている。一方、レゾルバステータ20は、ボルト20aによりステータ22の外壁体22bの外周面に取り付けられている。
このようにして、第2の構成では、深溝玉軸受14、モータ部16およびレゾルバ30を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した。
これにより、レゾルバ30の誤検出の可能性を低減する効果および深溝玉軸受14の長寿命化を図る効果のほか、レゾルバ30を径方向の最も外側に配置したことにより、レゾルバ30の直径を大きくすることができるので、金型加工時等の精度を安定化でき、さらに高い検出精度を実現することができる。また、深溝玉軸受14が径方向の最も内側に配置されているので、深溝玉軸受14のサイズを小さくすることにより薄型モータ100の高さを小さくすることができるとともに、モータ部16またはレゾルバ30への配線がしやすく、深溝玉軸受14のグリースが漏れにくい。
次に、第3の構成を説明する。
図4は、深溝玉軸受14、レゾルバ30およびモータ部16を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。
深溝玉軸受14、レゾルバ30およびモータ部16は、図4に示すように、径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置されている。
ステータ22には、軸方向上方(図4の上方向)に突出した円環状の内壁体22aが形成され、内壁体22aよりも径方向外側には、軸方向上方に突出した円環状の外壁体22bが形成されている。一方、ロータ12には、軸方向下方(図4の下方向)に突出した円環状の内壁体12aが形成され、内壁体12aよりも径方向外側には、軸方向下方に突出した円環状の外壁体12bが形成されている。そして、ステータ22およびロータ12は、ロータ12の内壁体12aがステータ22の内壁体22aと外壁体22bの間に、ステータ22の外壁体22bがロータ12の内壁体12aと外壁体12bの間に位置するように互いに跨って配置されている。
ステータ22は、フェライト等の磁性体で構成されている。一方、ロータ12の外壁体12bの下端には、径方向内側に突出したフランジ46が形成されている。そして、フランジ46の下面には永久磁石48が固定され、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
内輪14aは、ステータ22の内壁体22aに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ステータ22の内壁体22aの上端を内輪14aの下面に当接させ、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでステータ22の内壁体22aに締結することにより固定される。
外輪14bは、ロータ12の内壁体12aに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ロータ12の内壁体12aの下端を外輪14bの上面に当接させ、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの下面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12の内壁体12aに締結することにより固定される。
永久磁石16aは、ロータ12の外壁体12bの内周面に取り付けられている。一方、コイル16bは、ボルト16cによりステータ22の外壁体22bの外周面に取り付けられている。
レゾルバ30は、単極レゾルバ信号および多極レゾルバ信号を出力するABS/INC一体型のレゾルバであって、上記実施の形態におけるレゾルバ30とは、一体に構成されている点を除き同等の機能を有する。レゾルバロータ18は、ボルト18aにより外輪押え28の外周面に取り付けられ、外輪押え28と一体にロータ12の内壁体12aの外周面側に固定されている。一方、レゾルバステータ20は、ボルト20aによりステータ22の外壁体22bの内周面に取り付けられている。
このようにして、第3の構成では、深溝玉軸受14、レゾルバ30およびモータ部16を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した。
これにより、レゾルバ30の誤検出の可能性を低減する効果および深溝玉軸受14の長寿命化を図る効果のほか、深溝玉軸受14が径方向の最も内側に配置されているので、深溝玉軸受14のサイズを小さくすることにより薄型モータ100の高さを小さくすることができるとともに、モータ部16またはレゾルバ30への配線がしやすく、深溝玉軸受14のグリースが漏れにくい。また、モータ部16が径方向の最も外側に配置されているので、巻線を巻くスペースを大きく確保することができ、高い出力トルクを実現することができる。さらに、モータ部16の極数を増やすことができ、低速から超低速の運転を実現することができる。
次に、第4の構成を説明する。
図5は、モータ部16、レゾルバ30および深溝玉軸受14を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。
モータ部16、レゾルバ30および深溝玉軸受14は、図5に示すように、径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置されている。
ステータ22には、軸方向上方(図5の上方向)に突出した円環状の内壁体22aが形成され、内壁体22aよりも径方向外側には、軸方向上方に突出した円環状の外壁体22bが形成されている。一方、ロータ12には、軸方向下方(図5の下方向)に突出した円環状の内壁体12aが形成され、内壁体12aよりも径方向外側には、軸方向下方に突出した円環状の外壁体12bが形成されている。そして、ステータ22およびロータ12は、ロータ12の内壁体12aがステータ22の内壁体22aと外壁体22bの間に、ステータ22の外壁体22bがロータ12の内壁体12aと外壁体12bの間に位置するように互いに跨って配置されている。
ステータ22は、フェライト等の磁性体で構成されている。一方、ロータ12の内壁体12aの下端には、径方向外側に突出したフランジ46が形成されている。そして、フランジ46の下面には永久磁石48が固定され、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
内輪14aは、ステータ22の外壁体22bに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ステータ22の外壁体22bの上端を内輪14aの下面に当接させ、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでステータ22の外壁体22bに締結することにより固定される。
外輪14bは、ロータ12の外壁体12bに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ロータ12の外壁体12bの下端を外輪14bの上面に当接させ、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの下面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12の外壁体12bに締結することにより固定される。
永久磁石16aは、ロータ12の内壁体12aの内周面に取り付けられている。一方、コイル16bは、ボルト16cによりステータ22の内壁体22aの外周面に取り付けられている。
レゾルバ30は、単極レゾルバ信号および多極レゾルバ信号を出力するABS/INC一体型のレゾルバであって、上記実施の形態におけるレゾルバ30とは、一体に構成されている点を除き同等の機能を有する。レゾルバロータ18は、ボルト18aによりロータ12の内壁体12aの外周面に取り付けられている。一方、レゾルバステータ20は、ボルト20aにより内輪押え26の内周面に取り付けられ、内輪押え26と一体にステータ22の外壁体22bの内周面側に固定されている。
このようにして、第4の構成では、モータ部16、レゾルバ30および深溝玉軸受14を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した。
これにより、レゾルバ30の誤検出の可能性を低減する効果および深溝玉軸受14の長寿命化を図る効果のほか、深溝玉軸受14が径方向の最も外側に配置されているので、大径の深溝玉軸受14を収容することができ、高い剛性を実現することができる。
次に、第5の構成を説明する。
図6は、レゾルバ30、モータ部16および深溝玉軸受14を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。
レゾルバ30、モータ部16および深溝玉軸受14は、図6に示すように、径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置されている。
ステータ22には、軸方向上方(図6の上方向)に突出した円環状の内壁体22aが形成され、内壁体22aよりも径方向外側には、軸方向上方に突出した円環状の外壁体22bが形成されている。一方、ロータ12には、軸方向下方(図6の下方向)に突出した円環状の内壁体12aが形成され、内壁体12aよりも径方向外側には、軸方向下方に突出した円環状の外壁体12bが形成されている。そして、ステータ22およびロータ12は、ロータ12の内壁体12aがステータ22の内壁体22aと外壁体22bの間に、ステータ22の外壁体22bがロータ12の内壁体12aと外壁体12bの間に位置するように互いに跨って配置されている。
ステータ22は、フェライト等の磁性体で構成されている。一方、ロータ12の内壁体12aの下端には、径方向内側に突出したフランジ46が形成されている。そして、フランジ46の下面には永久磁石48が固定され、永久磁石48は、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。
内輪14aは、ステータ22の外壁体22bに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ステータ22の外壁体22bの上端を内輪14aの下面に当接させ、内輪押え26の押圧部26bを内輪14aの上面に接触させ、内輪押え26をボルト26aでステータ22の外壁体22bに締結することにより固定される。
外輪14bは、ロータ12の外壁体12bに軸方向に押圧された状態で固定されている。具体的には、ロータ12の外壁体12bの下端を外輪14bの上面に当接させ、外輪押え28の押圧部28bを外輪14bの下面に接触させ、外輪押え28をボルト28aでロータ12の外壁体12bに締結することにより固定される。
永久磁石16aは、ロータ12の内壁体12aの外周面に取り付けられている。一方、コイル16bは、ボルト16cにより内輪押え26の内周面に取り付けられ、内輪押え26と一体にステータ22の外壁体22bの内周面側に固定されている。
レゾルバ30は、単極レゾルバ信号および多極レゾルバ信号を出力するABS/INC一体型のレゾルバであって、上記実施の形態におけるレゾルバ30とは、一体に構成されている点を除き同等の機能を有する。レゾルバロータ18は、ボルト18aによりロータ12の内壁体12aの内周面に取り付けられている。一方、レゾルバステータ20は、ボルト20aによりステータ22の内壁体22aの外周面に取り付けられている。
このようにして、第5の構成では、レゾルバ30、モータ部16および深溝玉軸受14を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した。
これにより、レゾルバ30の誤検出の可能性を低減する効果および深溝玉軸受14の長寿命化を図る効果のほか、深溝玉軸受14が径方向の最も外側に配置されているので、大径の深溝玉軸受14を収容することができ、高い剛性を実現することができる。
また、上記実施の形態においては、ロータ12の内壁体12aにフランジ46を形成し、永久磁石48をフランジ46の下面に固定したが、これに限らず、図7および図8に示す位置に永久磁石48を固定することもできる。図2ないし図6の構成についても同様である。
図7は、内輪14aの直上に永久磁石48を固定した場合の薄型モータ100の軸方向の断面図である。
永久磁石48は、図7に示すように、ロータ12の深溝玉軸受14と対向する面のうち内輪14aの直上に固定され、磁性体である深溝玉軸受14と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。これにより、永久磁石48と内輪14aの間に発生する磁気吸引力により永久磁石48および内輪14aが軸方向に吸引され、これに伴って深溝玉軸受14に軸方向の予圧が付与される。
図8は、外輪14bに永久磁石48を固定した場合の薄型モータ100の軸方向の断面図である。
永久磁石48は、図8に示すように、外輪14bの下面に固定され、ステータ22と所定間隔をもって軸方向に対向して配置されている。これにより、永久磁石48とステータ22の間に発生する磁気吸引力により永久磁石48およびステータ22が軸方向に吸引され、これに伴って深溝玉軸受14に軸方向の予圧が付与される。
また、上記実施の形態においては、薄型モータ100の内側が回転するインナーロータ型で構成したが、これに限らず、薄型モータ100の外側が回転するアウターロータ型で構成することもできる。この場合、ロータ12が内輪被支持体となり、ステータ22が外輪被支持体となる。
また、図2ないし図6の構成においては、薄型モータ100の外側が回転するアウターロータ型で構成したが、これに限らず、薄型モータ100の内側が回転するインナーロータ型で構成することもできる。この場合、ロータ12が内輪被支持体となり、ステータ22が外輪被支持体となる。
また、上記実施の形態においては、レゾルバロータ18をロータ12の内壁体12aの外周面に、レゾルバステータ20を内輪押え26の内周面に取り付けて構成したが、これに限らず、レゾルバステータ20をロータ12の内壁体12aの外周面に、レゾルバロータ18を内輪押え26の内周面に取り付けて構成することもできる。図2ないし図6の構成についても同様である。
また、上記実施の形態においては、ABS型およびINC型のレゾルバ30を設けて構成したが、これに限らず、ABS型のレゾルバを設けて構成することもできるし、INC型のレゾルバを設けて構成することもできるし、レゾルバに代えて、円周方向に形成されたマークを検出するテープスケールを設けて構成することもできる。図2ないし図6の構成についても同様である。
また、上記実施の形態においては、ステータ22の内壁体22aおよび外壁体22bをステータ22の一部として形成したが、これに限らず、ステータ22の内壁体22aまたは外壁体22bを別部材で構成し、これをステータ22に取り付けて構成することもできる。また、ステータ22の内壁体22aを形成せずに内輪押え26をステータ22に直接取り付けて構成することもできるが、この場合は、内輪押え26がステータ22の内壁体を構成することとなる。図2ないし図6の構成についても同様である。
また、上記実施の形態においては、ロータ12の内壁体12aおよび外壁体12bをロータ12の一部として形成したが、これに限らず、ロータ12の内壁体12aまたは外壁体12bを別部材で構成し、これをロータ12に取り付けて構成することもできる。また、ロータ12の外壁体12bを形成せずに外輪押え28をロータ12に直接取り付けて構成することもできるが、この場合は、外輪押え28がロータ12の外壁体を構成することとなる。図2ないし図6の構成についても同様である。
また、上記実施の形態においては、レゾルバ30、深溝玉軸受14およびモータ部16を径方向の同一平面上に配置したが、これに限らず、モータ部16は、レゾルバ30および深溝玉軸受14と径方向同一平面上に配置しなくてもよい。図2ないし図6の構成についても同様である。
また、上記実施の形態においては、深溝玉軸受14を適用したが、これに限定するものではなく、クロスローラ軸受、4点接触玉軸受、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円錐ころ軸受などを適用してもよい。この場合、モーメント荷重、アキシャル荷重およびラジアル荷重を同時に受けることができる転がり軸受を採用することが好ましい。かかる転がり軸受としては、例えば、クロスローラ軸受または4点接触玉軸受が該当する。図2ないし図6の構成についても同様である。
また、上記実施の形態においては、本発明に係る磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置を、ステータ22とロータ12を回転可能に支持する構造に適用したが、これに限らず、2つの部材の間に介在してそれらを相対的に回転可能に支持する構造であればどのような構造にも適用することもできる。図2ないし図6の構成についても同様である。
本実施の形態に係る薄型モータ100の軸方向の断面図である。 モータ部16、深溝玉軸受14およびレゾルバ30を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。 深溝玉軸受14、モータ部16およびレゾルバ30を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。 深溝玉軸受14、レゾルバ30およびモータ部16を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。 モータ部16、レゾルバ30および深溝玉軸受14を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。 レゾルバ30、モータ部16および深溝玉軸受14を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置した薄型モータ100の軸方向の断面図である。 内輪14aの直上に永久磁石48を固定した場合の薄型モータ100の軸方向の断面図である。 外輪14bに永久磁石48を固定した場合の薄型モータ100の軸方向の断面図である。 従来の薄型モータ200の軸方向の断面図である。
符号の説明
100、200 薄型モータ
12 ロータ
14 深溝玉軸受
14a 内輪
14b 外輪
14c 転動体
16 モータ部
16a、48 永久磁石
16b コイル
30 レゾルバ
18 レゾルバロータ
20 レゾルバステータ
42 ロータ間座
44 ステータ間座
46 フランジ
22 ステータ
12a、22a 内壁体
12b、22b 外壁体
26 内輪押え
28 外輪押え
26b、28b 押圧部
16c、18a、20a、24a、26a、28a ボルト
24 固定板
140 クロスローラ軸受
140a 内輪
140b 外輪
220 ハウジングインナ

Claims (4)

  1. 内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間に配置され、それらの相対位置により変化するセンサ信号を出力する回転センサとを備える転がり軸受装置において、
    前記回転センサおよび前記転がり軸受を径方向の同一平面上に配置し、
    前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方を磁性体で構成し、他方に磁石を固定し、前記磁石は、前記磁性体と軸方向に対向して配置されていることを特徴とする磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置。
  2. 内輪および外輪を有する転がり軸受と、前記内輪に支持される内輪被支持体と、前記外輪に支持される外輪被支持体と、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体を相対的に回転させる駆動体と、前記内輪被支持体と前記外輪被支持体の間に配置され、それらの相対位置により変化するセンサ信号を出力する回転センサとを備える転がり軸受装置において、
    前記回転センサ、前記転がり軸受および前記駆動体を径方向内側からその順序で径方向の同一平面上に配置し、
    前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方を磁性体で構成し、他方に磁石を固定し、前記磁石は、前記磁性体と軸方向に対向して配置されていることを特徴とする磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置。
  3. 請求項2において、
    前記内輪被支持体および前記外輪被支持体は、径方向内外に形成される内壁体および外壁体をそれぞれ有し、前記内輪被支持体の内壁体が前記外輪被支持体の内壁体と外壁体の間に、前記外輪被支持体の外壁体が前記内輪被支持体の内壁体と外壁体の間に位置するように互いに跨って配置され、
    前記外輪被支持体の内壁体および前記内輪被支持体の内壁体の一方に前記回転センサの被検出体を、他方に前記回転センサの検出手段を固定し、
    前記内輪被支持体の内壁体に前記内輪を、前記外輪被支持体の外壁体に前記外輪を固定し、
    前記外輪被支持体の外壁体および前記内輪被支持体の外壁体の一方に前記駆動体の回転子を、他方に前記駆動体の固定子を固定したことを特徴とする磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、
    前記回転センサは、内周および外周の一方を前記転がり軸受の軸心に対して偏心させた円環状の被検出体と、前記被検出体との間のリラクタンス変化を検出する検出手段とを有し、前記被検出体の内周および外周のうち偏心している側が前記検出手段に対向するように、前記内輪被支持体および前記外輪被支持体の一方に前記被検出体を、他方に前記検出手段を設けたことを特徴とする磁石による予圧付与構造を有する転がり軸受装置。
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