以下の実施の形態では特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
さらに、以下の実施の形態では便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明などの関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数など(個数、数値、量、範囲などを含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合などを除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良いものとする。
また、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、以下の実施の形態において、構成要素等について、「Aから成る」、「Aより成る」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1のループアンテナの基本構造の一例を示す平面図である。
<ループアンテナの基本構造>
図1は、本実施の形態1のループアンテナの基本構造を示すものである。本実施の形態1のループアンテナ1は、例えば、携帯電話器等の携帯端末機器において、無線による給電システムに用いられるものであり、所謂、非接触で電力を伝送する際に用いられるものである。
ただし、電力以外の、無線で信号の伝送を行う他のシステム(装置)に用いられてもよいことは言うまでもない。
図1に示すループアンテナ1の構造について説明すると、給電が行われる第1電極端子2cおよび第1電極端子2cと一対に設けられた第2電極端子2dと、一端が第1電極端子2cに接続され、他端が第2電極端子2dに接続され、かつ、複数の巻き数で巻かれ、さらに、導体材料から成るループ状部材(導体配線、アンテナ本体)2と、を有している。
すなわち、ループ状部材2は、ループ状に複数回巻かれたアンテナ本体であり、本実施の形態1では、2周巻かれた構造である。
そして、第1電極端子2cおよび第2電極端子2dは、ループ状部材2の中心線3に対して一対に設けられている。ここで、中心線3は、ループ状部材2のループ形状における平面視での仮想の中心線3である。したがって、ループ状部材2のループ形状は、中心線3に対して左右対称の形状となっている。
なお、第1電極端子2cおよび第2電極端子2dが中心線3に対して一対に設けられているというのは、中心線3を介して左右対称な位置に設けられている、もしくは、第1電極端子2cおよび第2電極端子2dは、中心線3から等しい距離に配置されている、あるいは、第1電極端子2cおよび第2電極端子2dは、中心線3に対して左右対称となるような形状に設けられている、等である。
また、ループ状部材2は、相互に隣り合うループ状部材2のうちの外側に配置された第1ループ状部材2aと、第1ループ状部材2aの内側に配置された第2ループ状部材2bとを備えている。すなわち、図1に示すループアンテナ1は、2重ループのアンテナである。
また、ループ状部材2は、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bが交差する交差部2eを備えており、交差部2eは、平面視で中心線3に重なるように配置されている。つまり、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが交差して成る交差部2eは、平面視で中心線3上に配置されている。
そして、本実施の形態1のループアンテナ1のループ状部材2は、第1電極端子2cからループ状部材2を経て第2電極端子2dに至るまでが、一続きで繋がっており、かつ、そのループ形状が、仮想の中心線3に対して左右対称な形状に形成されている。
また、ループ状部材2は、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bにおいて、第1ループ状部材2aから第2ループ状部材2b、もしくは、第2ループ状部材2bから第1ループ状部材2aに切り替わる切り替わり部2hを備えている。なお、ループ状部材2は、少なくとも2つの切り替わり部(導体部)2hを備え、交差部2eは、2つの切り替わり部2hが平面視で交差して形成された部分である。
次に、ループアンテナ1の詳細構造について説明する。
ここで、ループアンテナ1は、例えば、プリント配線基板で構成される。プリント配線基板は、ガラス繊維に、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、マレイミド樹脂等を含浸させたリジット基板で構成される。つまり、ループアンテナ1はリジット基板で構成される。ただし、アンテナ効率に影響がない場合等にはフレキシブル基板やワイヤ線を用いてもよい。ワイヤ線の構造は単線、練り線、リッツ線等の何れを用いてもよい。アンテナ本体を形成する配線は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、金(Au)、あるいは金属ワイヤの表面に絶縁性樹脂を被覆した被覆ワイヤ等で形成される。
アンテナ本体は、リジット基板に2ターン以上のループ配線で配置され、中心線3付近で第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが交差している。クロスポイント(交差部2e)は、例えば、ビア(ビア配線、貫通電極2f)を介してNターンの配線と、N−1ターンの配線とが物理的かつ電気的にショートしないよう交差して配置される。例えば、4層リジット基板で2ターンのループ配線が第1層に設けられた場合、中心線3付近で第1層から第4層まで貫通されたビアが4個設けられ、外周ループ配線(第1ループ状部材2a)と内周ループ配線(第2ループ状部材2b)とが第2層と第3層で接続配線される。
そして、外周ループ配線と内周ループ配線とを接続する2本の配線は、平面視で直交配置(交差)される。なお、特性による影響がない場合には、直交配線される外周と内周を接続する2本の配線の角度は平面視で直交とならなくてもよい(直交以外の交差でもよい)。物理的かつ電気的にショートしない場合等にはループ配線および内周と外周を接続するクロス配線(交差部2e)は、リジット基板の何れの配線層に配置されてもよい。例えば、クロス配線を第1層と第3層とに形成し、かつループ配線を第2層に形成してもよく、クロス配線を第1層と第2層とに形成し、かつループ配線を第3層に形成してもよい。
別の表現を使うと、切り替わり部2hと平面視で交差する他方の切り替わり部(導体部)2haを、表面以外の配線層(例えば、下層の配線層)に形成してこの切り替わり部2haを、貫通電極(ビア配線またはスルーホール配線)2fを介して第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとを接続する。
この時、切り替わり部2hと切り替わり部2haとによって平面視で交差部2eが形成される。すなわち、切り替わり部2hと切り替わり部2haは、両者を異なる配線層に形成することで平面視で交差させることができる。
そして、ループアンテナ1では、切り替わり部2hと切り替わり部2haとから成る交差部2eが、中心線3上に配置されている。
なお、切り替わり部2hや切り替わり部2haは、上述のように、ビア配線を介して他の配線層に形成してもよいし、ジャンパー線等を用いて表面上に形成してもよい。
また、ループアンテナ1において、巻き数(ターン数)は、送受アンテナ位置やアンテナサイズ、インダクタンス値等によって決定される。
図1に示す構造のループアンテナ1では、巻き数が偶数の場合、交差部(クロスポイント)2eを奇数個備えている。また、巻き数が奇数の場合、交差部(クロスポイント)2eを偶数個備えている。
<ループアンテナの具体例の構造>
図2は実施の形態1のループアンテナの具体例の構造を示す平面図である。すなわち、図2は、図1に示す基本構造に基づいた具体例のループアンテナ1の構造を示すものである。
図2に示すループアンテナ1は、リジッド基板等の基板4に配線等から設けられた4重のループアンテナ1を示している。図2のループアンテナ1の構造は、表面(第1面)4a、表面4aの反対側の裏面(第2面:後述する図10参照)4b、表面4a上に設置された第1電極端子2cおよび第2電極端子2dを備えた基板4と、一続きのループ状部材(導体配線)2とを有している。
また、ループ状部材2は、そのループ形状のうち、図2に示すように、中心線3の向かって左側に配置された第1配線2iと、中心線3の向かって右側に配置された第2配線2jとを有している。そして、第1配線2iおよび第2配線2jは、例えば、図8に示す配線層2qに形成されている。すなわち、第1配線2iと第2配線2jとは、同一配線層に形成されている。
また、第1配線2iおよび第2配線2jは、それぞれ一端が第1電極端子2cもしくは第2電極端子2dに接続されている(図2に示すアンテナ構造では、第1配線2iが第2電極端子2dと接続し、第2配線2jが第1電極端子2cと接続されている)。
以上のようにループ状部材2は、図2に示す第1配線2iおよび第2配線2jが形成された図8に示す配線層2qを有しており、さらに配線層2qとこの配線層2qより下層の配線層2rとの間を貫通し、かつ、交差部2e付近で第1配線2iと第2配線2jとを接続する図2に示す複数の貫通電極(例えば、ビア配線)2fを含んでいる。
つまり、図8に示す基板4の表面4aと裏面4bとの間に積層された複数の配線層(例えば、配線層2q、配線層2r)には、第1配線2i、第2配線2jおよび複数の貫通電極2f等が形成されており、かつ、一端(一部)が第1電極端子2cと接続され、他端(一部)が第2電極端子2dと接続されている。
そして、ループ状部材(導体配線)2は、第1電極端子2cから基板4の外周に沿って、少なくとも2周以上周回している。図2に示す具体例のループアンテナ1では、4周周回している。すなわち、巻き数4回の4重のループアンテナ1である。
また、複数の貫通電極2fは、2つの貫通電極2fから成る一対の貫通電極2fを有する複数の貫通電極対2gを含んでいる。そして、これら複数の貫通電極対2gの少なくとも1つは第1配線2iと第2配線2jとを図8に示す配線層2rの配線を介して接続している。さらに、ループ状部材2は、複数の貫通電極対2gの少なくとも1つを介して第1配線2iから第2配線2jに、および第2配線2jから第1配線2iに一続きで延在している。
また、第1電極端子2cおよび第2電極端子2dは、平面視において表面4a上の外周に沿って、一対で配置されている。
そして、複数の貫通電極対2gは、平面視において一対を成す第1電極端子2cと第2電極端子2dと対向して配置されている。もしくは、複数の貫通電極対2gのうちの少なくとも2つのそれぞれが、一対を成す第1電極端子2cと第2電極端子2dそれぞれから等しい距離に配置されている。もしくは、一対を成す第1電極端子2cと第2電極端子2dと対向して配置され、かつ、複数の貫通電極対2gのうちの少なくとも2つのそれぞれが、一対を成す第1電極端子2cと第2電極端子2dのそれぞれから等しい距離に配置されている。
また、導体配線であるループ状部材2は、複数の貫通電極対2gのうちの何れか2つの貫通電極対2gにおいて、それぞれの貫通電極対2gのうちの一対の貫通電極2fを接続する切り替わり部(導体部)2hが、平面視で交差して形成された交差部2eを備えている。
具体的に説明すると、図2に示すループアンテナ1には、3つの貫通電極対2gが形成されており、3つの貫通電極対2gのそれぞれにおいて、一対の貫通電極2fを接続する切り替わり部(導体部)2hもしくは切り替わり部(導体部)2haが、切り替わり部2haもしくは切り替わり部2hと交差部2eを形成している。なお、図2に示すアンテナ構造では、交差部2eにおいて一対の貫通電極2fを接続する切り替わり部2hまたは切り替わり部2haは、例えば図8に示す下層の配線層2rに形成されており、平面視で、上層の配線層2qに形成された切り替わり部2hまたは切り替わり部2haと交差している。
そして、図2に示すアンテナ構造では、第1配線2iと第2配線2j、および貫通電極2fを介さずに直接第1配線2iと第2配線2jを接続する切り替わり部2hまたは切り替わり部2haは、同一配線層(例えば、図8に示す配線層2q)に形成されている。したがって、図2に示すループアンテナ1においても、ループ状部材2のループ形状は、中心線3に対して左右対称の形状となっている。さらに、ループ状部材2の断面構造においても、例えば図8に示すアンテナ構造と同様に、中心線3に対して左右対称の形状となっている。
また、図2に示すループアンテナ1においても、ループ状部材(導体配線)2の基板4の外周に沿った周回の数が偶数の場合、交差部2eを奇数個備えている。図2に示すアンテナ構造の場合、ループ状部材2の基板4の外周に沿った周回の数は4回であり、その際の交差部2eの数は、3つである。
一方、ループ状部材2の基板4の外周に沿った周回の数が奇数の場合には、交差部2eを偶数個備えている。
次に、図2に示すループアンテナ1において、巻き数(ターン数)と交差部(クロスポイント)2eのそれぞれの数と位置関係について説明する。
巻き数が2回(2ターン)の場合、端子側(第1電極端子2cおよび第2電極端子2dが配置されている側)に交差部(クロスポイント)2eが0個であり、端子側と反対側に交差部2eが1個である。
また、巻き数が3回(3ターン)の場合、端子側に交差部2eが1個であり、端子側と反対側に交差部2eが1個である。
また、巻き数が4回(4ターン)の場合(図2に示す構造)、端子側に交差部2eが1個であり、端子側と反対側に交差部2eが2個である。
また、巻き数が5回(5ターン)の場合、端子側に交差部2eが2個であり、端子側と反対側に交差部2eが2個である。
また、巻き数が6回(6ターン)の場合、端子側に交差部2eが2個であり、端子側と反対側に交差部2eが3個である。
すなわち、巻き数(ターン数)をN(Nは2以上)とすると、N−1個の交差部2eが端子側とこれに対向する位置(反対側)とに存在する。
そして、本実施の形態1のループアンテナ1において、ループの直径や巻き数を増加すると、受信電圧が上昇する。この時、受信電圧は、ループアンテナ1の面積A(m2 )、ループの巻き数N(回)に比例し、Vα=A×Nである(VはAとNに比例する)。したがって、図2に示すループアンテナ1では、基板4の外周に沿ってループ状部材2を周回させることで、面積Aと巻き数Nが大きくなるようにし、これにより、受信電圧を上げている。
<ループアンテナによって形成される電界の分布>
図3は比較例のループアンテナの構造を示す平面図、図4は図3に示す比較例のループアンテナにおける電界の分布状態のシミュレーションの結果を示す電界分布図、図5は図2に示すループアンテナにおける電界の分布状態のシミュレーションの結果を示す電界分布図、図6はループアンテナにおける電界分布のシミュレーションの位置を示す斜視図である。
まず、図3に示す本願発明者が比較検討したループアンテナ50(比較例)について説明する。ループアンテナ50は、スパイラル(螺旋)構造のものであり、したがって、平面視のアンテナ形状が、中心線3に対して左右対称にはなっていない。すなわち、アンテナ形状が左右非対称のものである。
なお、図4(比較例)に示すループアンテナ50の電界分布と、図5(本実施の形態1の図2)に示すループアンテナ1の電界分布のシミュレーションにおいて、各アンテナにおけるシミュレーションの位置は、図6に示すものである。すなわち、図6に示すように、シミュレーションでは、送電側ループアンテナ6と受電側ループアンテナ7とを対向して配置し、それぞれのアンテナのループ形状の対向する位置に形成される電界分布をシミュレーションしている。
そして、シミュレーションの条件として、送受電のアンテナ間の距離を5mm、送受電のアンテナサイズを3mm×3mm、送受電のアンテナの巻き数をそれぞれ4回としている。
この条件の基でシミュレーションを行った結果、図4のスパイラル構造のループアンテナ50(比較例)の電界分布と、図5の左右対称構造(図2に示す構造)のループアンテナ1の電界分布とでは、図5の左右対称構造のループアンテナ1のアンテナ周辺の電界5の分布の拡がりの方が、図4のスパイラル構造のループアンテナ50の電界(磁界)5の分布の拡がりより小さいことが分かる。
言い換えると、図5の左右対称構造(図2に示す構造)のループアンテナ1の電界分布の方が、図4のスパイラル構造のループアンテナ50の電界分布の拡がりより拡がり方が均一であり、拡がる面積が小さい。つまり、ループアンテナ1では、電界(磁界)5の拡がりを抑制することができる。
これは、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが交差する交差部(クロスポイント、クロス配線)2eをループ状部材2の中心線3上に配置して、ループ状部材2の平面視の形状を、中心線3に対して左右対称にしたためであり、図1や図2に示す左右対称構造のアンテナにすることで、ループアンテナ1の周囲に形成される電界5および磁界の分布を均一にすることができる。
その結果、コモンモード電流が小さくなり、本実施の形態1のループアンテナ1から放射されるノイズの低減化を図ることができる。
なお、ループアンテナ1の断面構造においても、中心線3に対して左右対称な構造とすることで、さらにノイズの低減化を図ることができる。
また、ループアンテナ1を採用することで、電界(磁界)5の拡がりを抑制することができるため、作業者の人体防護にも有効である。
<ループアンテナの変形例>
図7は実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図、図8は図7に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図、図9は実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図、図10は図9に示すA−A線に沿って切断した断面の構造を示す断面図である。
図7に示す変形例のループアンテナ8aは、図1に示すループアンテナ1と略同様の形状のアンテナであるが、貫通電極対2gが1つのみとなっている。すなわち、図7のループアンテナ8aは、そのループ状部材2が、第1ループ状部材2aと、第2ループ状部材2bと、交差部2eとを備えており、交差部2eは、平面視で仮想の中心線3上に配置されている。
なお、ループアンテナ8aは、外周と内周とを接続する交差部2eの配線が1本の場合である。つまり、外周と内周を接続する2本のクロス配線(切り替わり部2hと切り替わり部2ha)のうちの1本は、ループ配線と接続し、かつループ配線と同じ配線層に形成されていてもよい。さらに、外周と内周を接続する2本のクロス配線はワイヤ線等でジャンパ接続されてもよい。
また、ループ配線(第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2b)のコーナー部は直角、45度、R形状等、何れの角度や形状で形成されていてもよい。そして、ターン数(巻き数)とクロスポイント(交差部2e)数の関係は、ターン数が偶数のときはクロスポイント数が奇数、ターン数が奇数のときはクロスポイント数が偶数となる。
そして、図7に示すループアンテナ8aにおいて、そのループ状部材2は、一続きで繋がっており、かつ、そのループ形状が中心線3に対して左右対称な形状に形成されている。また、ループ状部材2は、切り替わり部2hと、この切り替わり部2hと交差部2eで交差し、かつ切り替わり部2hが形成された配線層(例えば、図8に示す配線層2q)とは異なる他の配線層(例えば、図8に示す配線層2r)に形成された切り替わり部2haとを備えており、切り替わり部2hと切り替わり部2haとによって交差部2eが形成されている。
つまり、第1ループ状部材2a(第1配線2iおよび第2配線2j)と第2ループ状部材2b(第1配線2iおよび第2配線2j)と切り替わり部2hとが同一の配線層(例えば、図8に示す配線層2q)に形成され、切り替わり部2haは、2つの貫通電極2fである貫通電極対2gを介して他の配線層(例えば、図8に示す配線層2r)に形成されている。ただし、第1ループ状部材2aと、第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haと、2つの貫通電極2fとは、一続きで繋がっている。
なお、図7のループアンテナ8aは、巻き数が2回(2ターン)、交差部(クロスポイント)2eが1つのアンテナ形状となっている。
図7のループアンテナ8aによれば、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bにおいて、ループ状部材2の配線(第1配線2i、第2配線2j)を、図8に示すように1つの配線層2qに形成できるため、ループアンテナ8aそのものを薄く形成することができる。
さらに、ループアンテナ8aのループ形状が中心線3に対して左右対称な形状に形成されているため、ループアンテナ8aの周囲に形成される図4に示す電界5および磁界の分布を均一にすることができる。
その結果、コモンモード電流が小さくなり、ループアンテナ8aから放射されるノイズの低減化を図ることができる。
また、ループアンテナ8aの断面構造においても、中心線3に対して左右対称な構造とすることで、さらにノイズの低減化を図ることができる。
次に、図9に示す変形例のループアンテナ8bは、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとを別々の配線層に形成したものである。この時、配線層の切り替えは、貫通電極2fを介して行っている。
例えば、第1ループ状部材2a(第1配線2iおよび第2配線2j)を、図10に示す配線層2qに形成し、第2ループ状部材2b(第1配線2iおよび第2配線2j)を配線層2rに形成する。その際、切り替わり部2hは、配線層2qに形成し、切り替わり部2haは、例えば配線層2rに形成する。
なお、図9のループアンテナ8bも、ループ状部材2は、一続きで繋がっており、かつ、そのループ形状が中心線3に対して左右対称な形状に形成されている。さらに、図10に示すように、アンテナの断面構造においても、例えば図8に示すアンテナ構造と同様に中心線3に対して左右対称の形状となっている。つまり、第1ループ状部材2aは上層の配線層2qに形成され、一方、第2ループ状部材2bは、下層の配線層2rに形成されている。これにより、アンテナの断面構造においても中心線3に対して左右対称の形状となる。また、ループ状部材2は、切り替わり部2hと切り替わり部2haとによって形成される1つの交差部2eを備えている。
そして、図9のループアンテナ8bも、巻き数が2回(2ターン)、交差部(クロスポイント)2eが1つのアンテナ形状となっている。
つまり、ループアンテナ8bは、2ターンのループ配線を2層の配線層を有するリジット基板で構成した場合であり、例えば、ループ配線を1層で配置し、かつクロス配線のうちの1本(切り替わり部2h)をループ配線と接続、他方の1本を2層で配置し、2つのビアで接続させた構造である。この場合、ループ配線(第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2b)を1層と2層それぞれに平面視で重ならないよう配置し、クロス配線のうち1本をループ配線と接続、他方の1本を2層で配置し、1層目と2層目をビア(貫通電極2f)で接続させてもよい。クロスポイントは、アンテナ入力端子側でも、アンテナ入力端子と反対側でもよい。
図9のループアンテナ8bによれば、そのループ形状が中心線3に対して左右対称な形状に形成されているため、ループアンテナ8bの周囲に形成される図4に示す電界5および磁界の分布を均一にすることができる。
その結果、コモンモード電流が小さくなり、ループアンテナ8bから放射されるノイズの低減化を図ることができる。
また、ループアンテナ8bの断面構造においても、中心線3に対して左右対称な構造とすることで、さらにノイズの低減化を図ることができる。
ここで、図9のループアンテナ8bにおいて、そのアンテナ効率を図7のループアンテナ8aのアンテナ効率と同じにしようとすると、両者の第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとの距離を同一にすればよい。
この時、図9のループアンテナ8bでは、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bが異なった配線層に形成されるため、図8のCL1と図10のCL2とを、CL1=CL2となるように外側の第1ループ状部材2aを配置すればよい。つまり、両者で、内側の第2ループ状部材2bの径(大きさ)を同じとし、かつCL1=CL2を維持した場合、図9のループアンテナ8bの第1ループ状部材2aの平面的な径(大きさ)を、図7のループアンテナ8aの第1ループ状部材2aより小さくすることができる。
したがって、図7のループアンテナ8aにおいて、図8に示すように、中心線3から第1ループ状部材2aの外周までの距離をPとし、一方、図9のループアンテナ8bにおいて、図10に示すように、中心線3から第1ループ状部材2aの外周までの距離をQとすると、P−Q=Rとなる。したがって、図9のループアンテナ8bでは、そのループ形状の平面視でのアンテナサイズを、図7のループアンテナ8aに比べて、R(P−Q)の2倍分小さくすることができる。
つまり、図9のループアンテナ8bは、図7のループアンテナ8aに比べて、アンテナサイズの小型化を図ることができる。
次に、図11は実施の形態1の変形例のループアンテナ9の構造を示す平面図であり、このループアンテナ9について説明する。
図11に示すループアンテナ9は、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが平面視で重なる位置に配置されている。すなわち、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが、異なる配線層に、かつ同じアンテナサイズで、さらに平面視で重なる位置に設けられているアンテナである。
したがって、平面視では、1つのループ形状しか見えないアンテナ形状である。
これにより、ループアンテナ9は、巻き数が2回(2ターン)であるが、クロスポイントは備えていない。
なお、ループアンテナ9においても、中心線3に対して左右対称なアンテナ形状となっており、さらに、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが一続きで繋がった形状である。
図11に示すループアンテナ9では、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが平面視で重なって配置されているため、図9のループアンテナ8bに比べて、さらに平面的なアンテナサイズを小さくすることができる。
次に、図12および図13は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図12と図13に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図12に示すループアンテナ10aは、そのループ状部材2が、一続きで繋がっており、かつ、そのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。
さらに、ループ状部材2は、複数の交差部2eを含んでおり、これら複数の交差部2eには、第1交差部2eaと第2交差部2ebとが含まれている。
図12に示すアンテナ形状では、第1交差部2eaは、平面視で中心線3に重なるように配置されている。一方、第2交差部2ebは複数設けられており、これら複数の第2交差部2ebは、中心線3に対して一対に設けられている。
具体的には、1つの第1交差部2eaが中心線3上に配置され、一方、2つの第2交差部2ebが、中心線3に対して左右対称となる位置に一対に設けられている。
そして、図12のループアンテナ10aは、巻き数が2回(2ターン)、交差部(クロスポイント)2eが3つのアンテナ形状となっている。
つまり、図12のループアンテナ10aに示すように、2ターンのループ配線を2層の配線層を有したリジット基板で構成する場合、クロスポイントは、アンテナ入力の辺を除く3辺それぞれの中央部分に形成され、合計3つ配置される。
以上のように、図12のループアンテナ10aでは、交差部2eが3つ形成されており、交差部2eの数を増やしている。特に、2つの第2交差部2ebが左右対称となる位置に設けられたことにより、3つの交差部2eそれぞれのアンテナ配線の間隔を短くすることができ、発生するノイズの周波数を高周波帯にシフトすることができる。
ノイズは、低周波帯にシフトすると、干渉してしまう電子機器が多いため、低周波帯へのシフトは、好ましくない。
したがって、発生するノイズを高周波帯にシフトすることで、他の機器へのノイズの干渉を抑制することができる。
また、図13に示すループアンテナ10bは、そのループ状部材2が、一続きで繋がっており、かつそのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。さらに、ループ状部材2は、図12のアンテナ形状と同様に、複数の交差部2eを含んでおり、これら複数の交差部2eには、第1交差部2eaと第2交差部2ebとが含まれている。
図13に示すアンテナ形状では、第1交差部2eaは複数設けられており、これら複数の第1交差部2eaは、平面視で中心線3に重なるように配置されている。一方、第2交差部2ebも複数設けられており、これら複数の第2交差部2ebは、中心線3に対して一対に設けられている。
具体的には、2つの第1交差部2eaが中心線3上に配置されている。2つの第1交差部2eaのうちの一方は、第1電極端子2cおよび第2電極端子2dが位置する端子側に配置され、他方は、その反対側、つまり端子側から遠い反対側の位置に配置されている。なお、2つの第2交差部2ebは、中心線3に対して左右対称となる位置に一対に設けられている。
したがって、図13のループアンテナ10bは、巻き数が3回(3ターン)、交差部(クロスポイント)2eが4つのアンテナ形状となっている。
つまり、図13のループアンテナ10bは、3ターンのループ配線を2層の配線層を有したリジット基板で構成した場合であり、このときのクロスポイントは、ループ状部材2の4辺それぞれの中央部分に形成され、合計4つ配置されている。
以上のように、図13のループアンテナ10bでは、交差部2eが4つ形成されており、交差部2eの数をさらに増やしたアンテナ形状である。
図12のループアンテナ10aに比べて、図13のループアンテナ10bは、交差部2eが4つ設けられたことで、さらに、交差部2eそれぞれのアンテナ配線の間隔を短くできる部分が増えたため、発生するノイズの周波数をさらに高周波帯にシフトすることができる。
したがって、他の機器へのノイズの干渉をさらに抑制することができる。
また、図13のループアンテナ10bでは、図12のアンテナ形状より巻き数が1回増えたことにより、受信電圧をさらに上げることができる。
次に、図14および図15は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図14と図15に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図14に示すループアンテナ11aは、そのループ状部材2が、2つのアンテナから構成されている。すなわち、ループ状部材2は、最外周に配置され、かつ給電も行われる給電ループアンテナ2kと、共鳴用の共鳴ループアンテナ2mとから構成される。なお、共鳴ループアンテナ2mは、給電ループアンテナ2kに対して絶縁されており、閉ループ配線となっている。
したがって、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、一続きで繋がっていない。ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、そのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。そして、ループ状部材2のうち共鳴ループアンテナ2mには、1つの交差部2eが形成されており、この交差部2eは、平面視で中心線3に重なるように配置されている。つまり、共鳴ループアンテナ2mの交差部2eは、中心線3上に配置されている。
なお、外周に配置された給電ループアンテナ2kは、巻き数が1回(1ターン)であり、一方、内側に配置された共鳴ループアンテナ2mは、巻き数が2回(2ターン)であり、かつクロスポイントが1つのアンテナ形状である。
つまり、ループアンテナ11aは、2つのアンテナから成る構成であり、1ターンのループ配線の同一層の内側に、1ターン以上の閉ループ配線が配置されるものである。アンテナ効率に影響がない場合等には、1ターン以上の開ループ配線でもよい。1ターン以上の閉ループ配線は、例えば、図14のように2ターンの場合、1ターンのループ配線のアンテナ入力端子側にクロスポイントが配置される。特性に影響がない場合等にはクロスポイントは、アンテナ入力端子と反対側でもよい。アンテナ効率に影響がない場合等には、1ターンのループ配線と1ターン以上の閉ループ配線とは同一層で配置されなくてもよい。
以上のように、図14のループアンテナ11aは、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
次に、図15に示すループアンテナ11bは、図14のアンテナ形状と同様に、そのループ状部材2が、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとの2つのアンテナから構成されている。ただし、外周側に共鳴ループアンテナ2mが配置され、共鳴ループアンテナ2mの内側で、かつ共鳴ループアンテナ2mの配線層とは異なる他の配線層に、給電ループアンテナ2kが配置されている。
したがって、共鳴ループアンテナ2mは、給電ループアンテナ2kに対して絶縁されており、閉ループ配線となっている。
そして、図14のアンテナ形状と同様に、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、一続きで繋がっていない。ただし、図15のアンテナ形状においても、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、そのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。さらに、外周側に配置された共鳴ループアンテナ2mに、1つの交差部2eが形成されており、この交差部2eは、平面視で中心線3に対応して配置されている。つまり、共鳴ループアンテナ2mの交差部2eは、中心線3上に配置されている。
なお、図15のループアンテナ11bにおいても、内周に配置された給電ループアンテナ2kは、巻き数が1回(1ターン)であり、一方、外周側に配置された共鳴ループアンテナ2mは、巻き数が2回(2ターン)であり、かつクロスポイントが1つのアンテナ形状である。
つまり、ループアンテナ11bは、1ターンのループ配線を、平面視で、1ターン以上の閉ループ配線の内側に配置したものである。2層の配線層を有したリジット基板で構成する場合、例えば1ターンのループ配線は第2層に配置され、1ターン以上の閉ループ配線は第1層に配置され、クロスポイントはアンテナ入力側に配置される。第2層の1ターンのループ配線は、第1層の閉ループ配線と平面視で重なって配置される。クロスポイントはアンテナ入力と反対側に配置されてもよい。アンテナ効率に影響がない場合等には、第2層のループ配線は、第1層の閉ループ配線と平面視で重なる位置に配置されていてもよい。
図15のループアンテナ11bは、図14のアンテナ形状と同様に、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
さらに、図15のループアンテナ11bは、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとが異なる配線層に設けられているため、図14のアンテナ形状と比べてアンテナサイズを小さくすることができる。
次に、図16および図17は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図16と図17に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図16に示すループアンテナ12aは、図14のアンテナ形状と同様に、そのループ状部材2が、2つのアンテナから構成されている。すなわち、給電が行われる給電ループアンテナ2kと、共鳴用の共鳴ループアンテナ2mとから構成されている。
ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、相互に異なる配線層に形成されており、かつ平面視で、2ターンの共鳴ループアンテナ2mのターン間の位置に、1ターンの給電ループアンテナ2kが配置されている。
つまり、図16のループアンテナ12aにおいては、共鳴ループアンテナ2mは、巻き数が2回(2ターン)であり、かつクロスポイント(交差部2e)が1つである。一方、平面視で、共鳴ループアンテナ2mの2本のアンテナ配線の間の位置に配置された給電ループアンテナ2kは、その巻き数は1回(1ターン)である。
なお、図16のループアンテナ12aにおいても、図14のアンテナ形状と同様に、共鳴ループアンテナ2mは、閉ループ配線となっており、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、一続きで繋がっていない。ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。そして、共鳴ループアンテナ2mの1つの交差部2eは、平面視で中心線3に重なるように配置されている。つまり、共鳴ループアンテナ2mの交差部2eは、中心線3上に配置されている。
以上のように、図16のループアンテナ12aは、図14のアンテナ形状と同様に、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
さらに、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとが異なる配線層に形成されているため、ループアンテナ12のアンテナサイズの小型化を図ることができる。
次に、図17に示すループアンテナ12bについても、図16のアンテナ形状と同様に、そのループ状部材2が2つのアンテナから構成されている。すなわち、給電が行われる給電ループアンテナ2kと、共鳴用の共鳴ループアンテナ2mとから構成されている。
ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、同一の配線層に形成されている。そして、図17のループアンテナ12bにおいても、平面視で、2ターンの共鳴ループアンテナ2mの2本のアンテナ配線の間の位置に、1ターンの給電ループアンテナ2kが配置されている。
つまり、図17のループアンテナ12bにおいても、共鳴ループアンテナ2mは、巻き数が2回(2ターン)であり、かつクロスポイント(交差部2e)が1つである。一方、平面視で、共鳴ループアンテナ2mの2本のアンテナ配線の間の位置に配置された給電ループアンテナ2kは、その巻き数は1回(1ターン)である。
そして、図17のループアンテナ12bにおいても、図14のアンテナ形状と同様に、共鳴ループアンテナ2mは閉ループ配線となっており、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、一続きで繋がっていない。ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。さらに、共鳴ループアンテナ2mの1つの交差部2eは、平面視で中心線3に重なるように配置されている。つまり、共鳴ループアンテナ2mの交差部2eは、中心線3上に配置されている。
以上のように、図17のループアンテナ12bにおいても、図14のアンテナ形状と同様に、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
次に、図18および図19は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図18と図19に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図18に示すループアンテナ13aは、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとから成るループ状部材2のループ形状が、平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。そして、巻き数は2回(2ターン)であるが、クロスポイントは備えていない。
ループアンテナ13aにおいては、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bは、同一の配線層に形成されており、かつ内側の第2ループ状部材2bは、外側の第1ループ状部材2aから枝分かれした配線として形成されている。したがって、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとを同一の配線層に形成できる。
以上により、ループアンテナ13aは、1つのアンテナから成る構造である。そして、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが平面視で重ならない位置に配置されたアンテナである。
これにより、1つの配線層のみを有した1層基板にループアンテナ13aを形成することができ、アンテナを含めた基板の厚さを薄く形成することができる。
次に、図19に示すループアンテナ13bは、そのループ状部材2が、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとの2つのアンテナから構成されている。その際、外周側に給電ループアンテナ2kが配置され、給電ループアンテナ2kの内側で、かつ給電ループアンテナ2kの配線層と同一の配線層に、共鳴ループアンテナ2mが配置されている。
つまり、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは絶縁されており、かつ共鳴ループアンテナ2mは閉ループ配線となっている。したがって、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mは、一続きで繋がっていない。ただし、両者は、同一の配線層に形成されている。
さらに、図19に示すループアンテナ13bにおいても、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、そのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。ただし、ループ状部材2は、クロスポイントは備えていない。
また、ループアンテナ13bでは、その外側に配置された給電ループアンテナ2kは、巻き数が1回(1ターン)であり、一方、内側に配置された共鳴ループアンテナ2mも巻き数が1回(1ターン)である。
以上により、ループアンテナ13bにおいても、図18のループアンテナ13aと同様に、1つの配線層のみを有した1層基板にループアンテナ13bを形成することができ、アンテナを含めた基板の厚さを薄く形成することができる。
さらに、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
次に、図20および図21は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図20と図21に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図20に示すループアンテナ14aは、そのループ状部材2が、第1ループ状部材2aと、第2ループ状部材2bと、交差部2eとを備えており、交差部2eは、平面視で仮想の中心線3上に配置されている。さらに、ループ状部材2は、一続きで繋がっており、かつ、そのループ形状が中心線3に対して左右対称な形状に形成されている。
また、ループ状部材2は、切り替わり部2hと、この切り替わり部2hと平面視で交差し、かつ切り替わり部2hが形成された配線層とは異なる他の配線層に形成された切り替わり部2haとを備えており、切り替わり部2hと切り替わり部2haとによって交差部2eが形成されている。
したがって、ループ状部材2において、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとが同一の配線層に形成され、また、切り替わり部2hが他の配線層に形成され、かつ、切り替わり部2haがさらに別の配線層に形成されている。つまり、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとがそれぞれ異なる配線層に形成されているアンテナ形状である。
なお、ループアンテナ14aは、巻き数が2回(2ターン)、交差部(クロスポイント)2eが1つのアンテナ形状となっている。
したがって、ループアンテナ14aは、例えば、4層の配線層を備えた多層基板の何れか3つの配線層に、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとが振り分けられて形成されたアンテナである。
図20のループアンテナ14aによれば、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとを、それぞれ異なる配線層に振り分けて形成することにより、アンテナサイズの小型化を図ることができる。
次に、図21に示すループアンテナ14bについても、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとを同一の配線層に形成し、また、切り替わり部2hを他の配線層に形成し、かつ、切り替わり部2haをさらに別の配線層に形成したものである。
すなわち、図20のループアンテナ14aと同様に、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとがそれぞれ異なる配線層に形成されたアンテナ形状である。例えば、図21に示すアンテナ形状では、切り替わり部2hが第1層に形成され、一方、切り替わり部2haが第3層に形成され、さらに、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bが、第1層と第3層との間の第2層に形成されている。
つまり、ループアンテナ14bにおいても、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとが、それぞれ異なる配線層に振り分けられて形成されており、例えば、4層の配線層を備えた多層基板の何れか3つの配線層に、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとが振り分けられている。
また、ループアンテナ14bにおいても、そのループ状部材2は、切り替わり部2hと切り替わり部2haとが平面視で交差して成る交差部2eを備えている。そとて、交差部2eは、平面視で仮想の中心線3上に配置されている。
また、ループ状部材2は、一続きで繋がっており、かつ、そのループ形状が中心線3に対して左右対称な形状に形成されている。
なお、ループアンテナ14bについても、巻き数は2回(2ターン)、交差部(クロスポイント)2eが1つのアンテナ形状となっている。
図21のループアンテナ14bによれば、図20のループアンテナ14aと同様に、第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bと、切り替わり部2hと、切り替わり部2haとを、それぞれ異なる配線層に振り分けて形成することにより、アンテナサイズの小型化を図ることができる。
次に、図22、図23および図24は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図22、図23および図24に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図22に示すループアンテナ15aは、4つのループ形状が形成された、巻き数が4回(4ターン)のアンテナ形状のものである。すなわち、外側から順に、第1ループ状部材2a、第2ループ状部材2b、第3ループ状部材2nおよび第4ループ状部材2pが形成されている。
そして、各ループ状部材は、それぞれ異なる配線層に形成されている。例えば、4層の配線層を有する基板の上記4つの配線層に、第1ループ状部材2a、第2ループ状部材2b、第3ループ状部材2nおよび第4ループ状部材2pが振り分けられて形成されており、各ループ状部材が、複数の貫通電極2fを介してそれぞれ接続されている(繋がっている)。
なお、ループアンテナ15aは、巻き数が4回(4ターン)であるが、クロスポイントは備えていない。
また、ループアンテナ15aにおいても、そのループ状部材2は、中心線3に対して左右対称なアンテナ形状となっている。
図22に示すループアンテナ15aでは、巻き数を増やしたため、受信電圧を上げることができる。
さらに、各ループ状部材を、4つの配線層にそれぞれ振り分けて形成しているため、平面的なアンテナサイズを小さくすることができる。
次に、図23に示すループアンテナ15bは、図22のループアンテナ15aと同様に、4つのループ形状が形成された、巻き数が4回(4ターン)のアンテナ形状のものである。
ただし、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bとを同じアンテナサイズとして重なる位置に配置し、同様に、第3ループ状部材2nと第4ループ状部材2pとを同じアンテナサイズとして重なる位置で、かつ第1ループ状部材2aおよび第2ループ状部材2bの内側に配置している。したがって、平面視では、2つのループ形状が見えているが、4つの配線層のそれぞれに各ループ状部材が振り分けて形成され、かつ貫通電極2fを介して接続されている。
つまり、ループアンテナ15bも、例えば、4層の配線層を有する基板に形成されたものである。また、ループアンテナ15bにおいても、そのループ状部材2は、中心線3に対して左右対称なアンテナ形状となっている。
図23に示すループアンテナ15bにおいても、巻き数を増やしたため、受信電圧を上げることができる。
さらに、各ループ状部材を、4つの配線層に振り分けて形成しているため、平面的なアンテナサイズを小さくすることができる。
また、2つのループ状部材が同じアンテナサイズであり、かつ両者を重なる位置に配置しているため、ループアンテナ15bは、図22のループアンテナ15aに比べて平面的なアンテナサイズを小さくすることができる。
次に、図24に示すループアンテナ15cは、第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bと第3ループ状部材2nと第4ループ状部材2pとが同じアンテナサイズのものであり、かつ4つのループ状部材が平面視で重なる位置に配置されているものである。すなわち、それぞれ同じアンテナサイズの第1ループ状部材2aと第2ループ状部材2bと第3ループ状部材2nと第4ループ状部材2pとが、それぞれ4つの配線層に振り分けられて、かつ平面視で重なる位置に配置されているものである。
したがって、平面視では、1つのループ形状しか見えないアンテナ形状である。
これにより、ループアンテナ15cも、巻き数が4回(4ターン)となっている。さらに、中心線3に対して左右対称なアンテナ形状となっている。
そして、ループアンテナ15cも、例えば、4層の配線層を有する基板に形成されたものである。
このようにループアンテナ15cは、クロスポイントを持たず、アンテナ入力端子側で各ループ状部材が、ビア(貫通電極2f)を介して、かつ平面視で重なって配置されたアンテナである。
図24に示すループアンテナ15cにおいても、巻き数を増やしたため、受信電圧を上げることができる。
さらに、各ループ状部材を、4つの配線層に振り分けて形成しているため、平面的なアンテナサイズを小さくすることができる。
また、4つのループ状部材がそれぞれ同じアンテナサイズであり、かつそれら4つのループ状部材を重なる位置に配置しているため、ループアンテナ15cは、図22のループアンテナ15aや図23のループアンテナ15bに比べてさらに平面的なアンテナサイズを小さくすることができる。
次に、図25および図26は、それぞれ実施の形態1の変形例のループアンテナの構造を示す平面図であり、図25と図26に示す変形例のアンテナ形状について説明する。
図25に示すループアンテナ16aは、そのループ状部材2が、2つのアンテナから構成されている。すなわち、ループ状部材2は、最外周に配置され、かつ給電も行われる給電ループアンテナ2kと、給電ループアンテナ2kの内側に配置された共鳴用の共鳴ループアンテナ2mとから構成される。なお、共鳴ループアンテナ2mは、給電ループアンテナ2kに対して絶縁されており、閉ループ配線となっている。
したがって、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、一続きで繋がっていない。ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、そのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。そして、ループ状部材2のうち共鳴ループアンテナ2mには、3つの交差部2eが形成されており、これら3つの交差部2eのうちの第1交差部2eaが、平面視で中心線3に重なるように配置されている。つまり、共鳴ループアンテナ2mの第1交差部2eaは、中心線3上に配置されている。一方、3つの交差部2eのうちの他の2つの交差部2eは、中心線3に対して左右対称の位置に配置された第2交差部2ebである。
なお、外周に配置された給電ループアンテナ2kは、巻き数が1回(1ターン)であり、一方、内側に配置された共鳴ループアンテナ2mは、巻き数が2回(2ターン)であり、かつクロスポイント(交差部2e)を3つ備えている。
また、給電ループアンテナ2kと給電ループアンテナ2kとが同一の配線層に形成され、さらに平面視で交差して交差部2eを形成する切り替わり部2hと切り替わり部2haとがそれぞれ異なる配線層に形成されている。したがって、4つの配線層を有した基板の何れか3つの配線層に、給電ループアンテナ2kと給電ループアンテナ2k、切り替わり部2h、切り替わり部2haが振り分けられて形成されている。
また、ループアンテナ16aでは、給電ループアンテナ2kの内側に配置された共鳴ループアンテナ2mが、中心線3の左右対称な位置にそれぞれループ形状を有している。すなわち、共鳴ループアンテナ2mは、給電ループアンテナ2kの内側において、中心線3に対して左右対称な位置にそれぞれ2ターンのループ形状を備えている。
ループアンテナ16aでは、その中心線3上に第1交差部2eaが形成されているため、この第1交差部2eaによって、ループアンテナ16aが中心線3を介した2つの領域に区分けされたような状態となっている。
したがって、ループアンテナ16aのループ状部材2において、その領域を2つに分けているため、ループアンテナ16aに印加する電流を少なくすることができる。
その結果、ループアンテナ16aの消費電力の低減化を図ることができる。
また、ループアンテナ16aにおいても、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
次に、図26に示すループアンテナ16bは、図25のループアンテナ16aと同様に、そのループ状部材2が、2つのアンテナから構成されている。すなわち、ループ状部材2は、最外周に配置され、かつ給電も行われる給電ループアンテナ2kと、給電ループアンテナ2kの内側に配置された共鳴用の共鳴ループアンテナ2mとから構成される。なお、共鳴ループアンテナ2mは、給電ループアンテナ2kに対して絶縁されており、閉ループ配線となっている。
したがって、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとは、一続きで繋がっていない。ただし、給電ループアンテナ2kと共鳴ループアンテナ2mとから成るループ状部材2は、そのループ形状が平面視で中心線3に対して左右対称な形状となっている。なお、ループアンテナ16bでは、ループ状部材2のうち共鳴ループアンテナ2mには、2つの交差部2eが形成されており、これら2つの交差部2eは、中心線3に対して左右対称の位置に配置された第2交差部2ebである。
ここで、ループアンテナ16bには、中心線3上のクロスポイントは形成されていない。
また、外周に配置された給電ループアンテナ2kは、巻き数が1回(1ターン)であり、一方、内側に配置された共鳴ループアンテナ2mは、巻き数が2回(2ターン)であり、かつクロスポイント(交差部2e)を2つ備えている。
また、図25のループアンテナ16aと同様に、給電ループアンテナ2kと給電ループアンテナ2kとが同一の配線層に形成され、さらに平面視で交差して交差部2eを形成する切り替わり部2hと切り替わり部2haとがそれぞれ異なる配線層に形成されている。すなわち、4つの配線層を有した基板の何れか3つの配線層に、給電ループアンテナ2kと給電ループアンテナ2k、切り替わり部2h、切り替わり部2haが振り分けられて形成されている。
また、ループアンテナ16bでは、ループアンテナ16aと同様に、給電ループアンテナ2kの内側に配置された共鳴ループアンテナ2mが、中心線3の左右対称な位置にそれぞれループ形状を有している。すなわち、共鳴ループアンテナ2mは、給電ループアンテナ2kの内側において、中心線3に対して左右対称な位置にそれぞれ2ターンのループ形状を備えている。
ただし、ループアンテナ16bでは、その中心線3上にクロスポイントが形成されていないため、中心線3に対して左右に形成された2ターンのループ形状が見かけ上1つの領域となっている。
したがって、一方の第2交差部2ebと他方の第2交差部2ebとの距離が長いため、ループアンテナ16bに印加する電流が大きくなる。これにより、ループアンテナ16bの全体の磁界を強くすることができ、給電可能な面積を大きく確保することができる。
また、ループアンテナ16bにおいても、共鳴ループアンテナ2mが設けられていることにより、共振周波数により共鳴させて増幅することができ、より遠くまで電波を送ることができる。
以上のように、上述の全ての変形例のループアンテナにおいても、アンテナ形状を左右対称とすることにより、電界(磁界)5の拡がりを抑制することができ、ループアンテナから放射されるノイズの低減化を図ることができる。
さらに、電界(磁界)5の拡がりを抑制することができるため、作業者の人体防護にも有効である。
(実施の形態2)
<無線給電システムの構成>
図27は実施の形態2の給電システムの構造の一例を示す構成ブロック図、図28は図27に示す給電システムにおける通信制御装置(受電側)の構造の一例を示す構成ブロック図である。
図27に示す給電システムについて説明する。給電システム20は、送電側のワイヤレス通信装置(以下、「送電側装置」と称する)30と、受電側のワイヤレス通信装置(以下、「受電側装置」と称する)21と、を含む。給電システム2では、近距離無線(ワイヤレス)通信によって、送電側装置30と受電側装置21との間で相互にデータの送信と受信が可能とされる。上記近距離無線通信は、例えば、NFC(Near Field Communication)による近距離無線通信(以下、単に、「NFC通信」と称する)である。
また、給電システム20では、送電側装置30から受電側装置21への非接触(ワイヤレス、無線)による電力供給が可能とされる。特に制限されないが、ワイヤレスの給電システム20は、電磁共鳴方式の給電システムであり、NFCによる通信に用いるアンテナと電磁共鳴方式のワイヤレス給電に用いるアンテナとを共用し、電力の送電・受電と、情報伝達のための通信とを切り替えて行うことが可能である。
送電側装置30は、例えば、電源回路32、ドライブ回路33、フィルタ回路31、整合回路34、およびアンテナ35を含んで構成されている。
整合回路34は、アンテナ35とそれに接続される内部回路との間のインピーダンス整合を行うための回路であり、例えば、アンテナ35に並列接続されて共振回路を形成する。特に制限されないが、アンテナ35は、ループアンテナである。図27には、アンテナ35が電力の送電とNFC通信による信号の送受信とを行うための共用アンテナである場合を例示するが、アンテナ周辺の構成は特に限定されない。例えば、電力を行うためのアンテナとNFC通信を行うためのアンテナを別個に設け、通信の種類に応じてそれらのアンテナを切り替えて駆動する構成を採用しても良い。
ドライブ回路33は、アンテナ35を駆動するための駆動信号を生成する。例えば、NFC通信における信号の送信時には送信すべきデータに応じて駆動信号を生成し、電力の送電時には供給すべき電力の大きさに応じた駆動信号を生成する。この駆動信号によってアンテナ35が励振される。また、ドライブ回路33は、例えば、電源回路32から出力される出力電圧を電源として動作する。
電源回路32は、例えば電源アダプタやユニバーサルシリアルバス(USB)等から供給された入力電圧VINに基づいて、送電側装置30内の各機能部の動作電源となる複数の電圧を生成する。例えば、ドライブ回路33の動作電源となる電圧等を生成する。
フィルタ回路31は、ノイズの低減化を図る回路であり、ドライブ回路33のアンプ内の最終段の直前に設けられている。
一方、受電側装置21は、例えば、携帯端末などの小型携帯機器であり、NFC通信とワイヤレス給電(非接触給電)によるバッテリの充電が可能にされる。受電側装置21は、例えば、ループアンテナ1、通信制御装置22、バッテリ26、および内部回路を含む。ループアンテナ1は、送電側装置30のアンテナ35によって発生された電磁波の共鳴作用によって起電力(交流信号)を生ずるとともに、NFC通信に係る信号の送信および受信を行う。また、上記内部回路は、受電側装置21(例えばスマートフォン等)としての特有の機能を実現するための電子回路である。
バッテリ26は、直流電圧に基づいて充電が可能にされる二次電池である。特に制限されないが、バッテリ26は、例えば1セルの電池(4.0〜4.2V)とされ、例えばリチウムイオン電池である。
通信制御装置22は、1つのループアンテナ1を用いて電力の受電を行う給電動作と、情報伝達のための通信を行う通信動作とを切り替えて行う。具体的に、通信制御装置22は、データ通信時にはループアンテナ1を介してデータの送受信を行い、給電時にはループアンテナ1を介して受信した電力に基づいて所望の電圧を生成するとともに、生成した電圧によって通信制御装置22内の各ブロックの駆動や上記内部回路の駆動、バッテリ26の充電等を行う。
具体的に、通信制御装置22は、図28に示すように、アンテナ電極AP,AN、整合回路23a,23b,23c、フィルタ回路28、電源回路25、スイッチ部SW、および通信回路29が実装基板等に実装された通信モジュールとして構成される。
アンテナ電極AP、ANは、ループアンテナ1を接続するための電極である。ループアンテナ1の一端がアンテナ電極APに接続され、他端がアンテナANに接続される。アンテナ電極AP、ANは、通信回路29と電気的に接続されるとともに、電源回路25と電気的に接続される。
以下、アンテナ電極AP、ANと通信回路29とを接続する信号経路(アンテナ電極AP、ANと通信回路29との間で信号が伝達される経路)を“通信系経路”と称し、アンテナ電極AP、ANと電源回路25とを接続する信号経路(アンテナ電極AP、ANと電源回路25との間で信号が伝達される経路)を“給電系経路”と称する。
通信系経路41は、アンテナ電極AP、ANと通信回路29との間に接続される各種の信号線(配線パターン)のみならず、それらの信号線に接続される整合回路23a,23b,23cやスイッチ部SW等も含まれる。また、通信系経路41は、ループアンテナ1で受信した信号をアンテナ電極AP、ANを介して通信回路29に供給する受信用信号経路LRxと、通信回路29から送信された信号をアンテナ電極AP、ANを介してループアンテナ1に供給する送信用信号経路LTxと、を含んでいる。
受信用信号経路LRxは、整合回路23a、スイッチ部SW、および整合回路23bと、それらの間を結ぶ各種の信号線(配線パターン)を含む。送信用信号経路LTxは、整合回路23a、スイッチ部SW、および整合回路23cと、それらの間を結ぶ各種の信号線(配線パターン)を含む。給電系経路42は、アンテナ電極AP、ANと電源回路25との間に接続される各種の信号線(配線パターン)のみならず、それらの信号線に接続される整合回路23a等も含まれる。
通信回路29は、ループアンテナ1を介して送電側装置30との間でNFC通信を行う。具体的に、通信回路29は、通信部29aと、メモリ29b、および制御部29cを含んでいる。通信部29aは、NFC通信による信号の送受信を行う。例えば、通信部29aは、NFC通信によるデータ受信時において、ループアンテナ1で受信した信号を正側の外部端子と負側の外部端子から入力し、入力したアナログ信号をデジタル信号に変換し、制御部29cに与える。
また、NFC通信によるデータ送信時において、通信部29aは、制御部29cから与えられたデータ(デジタル信号)をアナログ信号に変換し、正側の外部端子と負側の外部端子から出力する。制御部29cは、例えば中央処理装置(CPU)によって構成され、プログラムを実行することにより、NFC通信によって送信すべきデータの生成や受信したデータに基づく各種のデータ処理を行う。
メモリ29bは、ROMやRAM等を含んでいる。上記ROMには、上記中央処理装置で実行されるプログラムが格納されている。上記RAMは、上記中央処理装置で行われる演算処理の作業領域等に利用される。特に制限されないが、通信回路29は、公知のCMOS集積回路の製造技術によって1個の単結晶シリコンのような半導体基板に形成された半導体チップをモールドレジン等の絶縁性樹脂により封止したBGA(Ball Grid Array)型パッケージの半導体装置である。
整合回路23aは、ループアンテナ1と電源回路25との間のインピーダンスを整合するための回路である。整合回路23a,23b,23cは、ループアンテナ1と通信回路29との間のインピーダンスを整合するための回路である。整合回路23a,23b,23cは、例えば容量素子やインダクタ等を含んで構成される。例えば、整合回路23aは、アンテナ端子AP、ANと電源回路25との間に直列に接続される容量素子を含む。
整合回路23bは、アンテナ端子AP、ANと通信回路29の外部端子との間に直列に接続される容量素子を含み、また、整合回路23cは、アンテナ端子AP、ANと通信回路29の外部端子との間に直列に接続される容量素子と、送信端子との間に接続される容量とを含む。なお、整合回路23a,23b,23cは、図28に例示された回路構成に限定されず、所望の特性を得るために種々の変更が可能である。
フィルタ回路28は、給電系経路42においてノイズの低減化を図る回路である。
電源回路25は、ループアンテナ1を介して受信した交流信号に基づいて各種の直流電圧を生成するとともに、生成した直流電圧を受電側装置2における各機能部に供給するための制御を行う。
整流回路24は、ループアンテナ1を介して得られた交流信号を整流して出力する。特に制限されないが、整流回路24は、4つの整流ダイオードを用いて構成されたブリッジ型の全波整流回路である。また、容量(コンデンサ)27は、整流回路24と電源回路25との間に接続される平滑化容量である。これにより、整流回路24によって整流された電圧が平滑化される。
スイッチ部SWは、アンテナ電極APと通信回路29との間に設けられるスイッチ回路SWPと、アンテナ電極ANと通信回路29との間に設けられるスイッチ回路SWNと、を含んでいる。そして、ループアンテナ1を介して通信を行う場合、スイッチ回路SWP、SWNは、アンテナ電極AP、ANと通信回路29との間を接続する。一方、電源回路25がループアンテナ1で受信した交流信号に基づいて直流電圧を生成する場合、スイッチ回路SWP、SWNは、アンテナ電極AP、ANと通信回路29との間を遮断する。
<通信制御装置における部品配置について>
図29は、図28に示す通信制御装置における実装基板上の主部品の配置状態の一例を示す平面図である。
ここでは、図29に示す実装基板40上に実装される給電系経路(図28参照)42の実装部品について、図28と照らし合わせながら説明する。なお、図29に示す通信制御装置22では、その実装基板(配線基板)40の主面40aに形成された配線の給電系経路(図28参照)42において、アンテナ電極AP,ANに接続する配線パターンや主要部品を、部品配置の中心線43に対して左右対称となるように形成・配置している。
まず、実装基板40において、ループアンテナ1の一方の電極端子と接続されるアンテナ電極(第1接続端子)APと、ループアンテナ1の他方の電極端子と接続されるアンテナ電極(第2接続端子)ANとが中心線43に対して一対(例えば、同じ距離、同じ形状)に、左右対称となる位置に設けられている。
この時、アンテナ電極APとアンテナ電極ANは、実装基板40の主面40aの端部に設けられている。これにより、部品配置のスペースを確保して、部品を左右対称に配置し易くすることができる。
また、アンテナ電極APに接続する第1配線40bと、アンテナ電極ANに接続する第2配線40cとが、中心線43に対して一対(例えば、同じ距離、同じ形状)に、または左右対称となるように配置されている。
また、整合回路23aである第1共振用コンデンサ(共振用部品)23aaが第1配線40bを介してアンテナ電極APと接続して設けられ、一方、整合回路23aである第2共振用コンデンサ(共振用部品)23abが第2配線40cを介してアンテナ電極ANと接続して設けられている。そして、第1共振用コンデンサ23aaと第2共振用コンデンサ23abとが、中心線43に対して一対(例えば、同じ距離)に、もしくは左右対称となるように配置されている。
さらに、フィルタ回路28として、抵抗である第1フェライトビーズ(ノイズフィルタ回路)28aが、第1配線40bに接続されている。同様に、フィルタ回路28として、抵抗である第2フェライトビーズ(ノイズフィルタ回路)28bが、第2配線40cに接続されている。そして、第1フェライトビーズ28aと第2フェライトビーズ28bとが、中心線43に対して一対(例えば、同じ距離)に、または左右対称となるように配置されている。
第1フェライトビーズ28aおよび第2フェライトビーズ28bは、アンテナ電極AP,ANと整流回路24との間の位置に配置されている。
同様に、フィルタ回路28として、インダクタ(コイル)であるコモンモードチョーク(ノイズフィルタ回路)28cが、第1配線40bと第2配線40cを介してアンテナ電極AP,ANに接続されている。コモンモードチョーク28cは、アンテナ電極AP,ANと整流回路24との間の位置に配置されている。
コモンモードチョーク28cを配置することで、目的の周波数より低い周波数の電流を通し、かつ目的の周波数より高い電流を阻止することができる。
これにより、第1共振用コンデンサ23aaは、アンテナ電極APとノイズフィルタ回路との間の位置に設けられ、一方、第2共振用コンデンサ23abも、アンテナ電極ANとノイズフィルタ回路との間の位置に設けられている。
そして、整流回路24である第1整流ダイオード24aが第1配線40bを介してアンテナ電極APと接続して設けられ、一方、整流回路24である第2整流ダイオード24bが第2配線40cを介してアンテナ電極ANと接続して設けられている。そして、第1整流ダイオード24aと第2整流ダイオード24bとが、中心線43に対して一対(例えば、同じ距離)に、または左右対称となるように配置されている。ここでは、2つの第1整流ダイオード24aと2つの第2整流ダイオード24bとが、中心線43に対して一対(例えば、同じ距離)に、または左右対称となるように配置されている。すなわち、整流回路24として、合計4つの整流ダイオードが搭載されており、これらの整流ダイオードによって交流(サイン波)を直流(DC)に変換する。
また、整流回路24の後段には、電圧平滑化のための容量(コンデンサ)27が第1配線40bおよび第2配線40cを介してアンテナ電極AP,ANに接続するように設けられている。
また、容量(コンデンサ)27の後段には、電源回路25として、整流回路24により整流された電圧に基づいて直流電圧を生成するDC/DCコンバータ25aが、第1配線40bおよび第2配線40cを介してアンテナ電極AP,ANに接続して設けられている。
また、アンテナ電極AP,ANには、第1配線40bおよび第2配線40cを介して図28に示す通信回路29が接続されている。
以上のように、通信制御装置22の実装基板40においては、搭載される主要部品や配線パターンが、部品配置の中心線43に対して一対(例えば、同じ距離)、または左右対称になるように形成・配置されている。
特に、ノイズフィルタ回路であるノイズ対策部品(フェライトビーズやコモンモードチョーク)が、アンテナ電極AP,ANと整流回路24との間、好ましくは、整合回路23aと整流回路24との間に、中心線43に対してそれぞれ一対(例えば、同じ距離)、または左右対称となるように配置されている。
その結果、中心線43の両側でのインピーダンスを略等しくする(整合する)ことができ、図28の給電系経路42において発生するノイズを抑制することができる。さらに、ループアンテナ1からのノイズが整流回路24に影響することを低減できる。
また、給電系経路42に流れるコモンモード電流を減らすことができるため、人体防護に加えて、遠方に対するノイズの影響も抑制することができる。
また、ノイズ対策部品(フェライトビーズやコモンモードチョーク)を配置したことにより、アンテナ電極AP,ANに接続されるループアンテナ1へのノイズの影響を抑制することができる。
次に、図29に示す実装基板40上に実装される通信系経路(図28参照)41の実装部品について、図28と照らし合わせながら説明する。
まず、給電系経路42において、コンデンサ(第1共振用コンデンサ23aa、第2共振用コンデンサ23ab)とフェライトビーズ(第1フェライトビーズ28a、第2フェライトビーズ28b)を接続する第1配線40b、第2配線40cにそれぞれ別個に接続する第3配線40d、第4配線40eが設けられ、このうち、第3配線40dには、図28に示すSWのSWNであるSW用IC36aが設けられている。一方、第4配線40eには、SWのSWPであるSW用IC36bが設けられている。
さらに、SW用IC36aには第3配線40dを介して整合回路23cであるコンデンサ23ca、および整合回路23bであるコンデンサ23baが接続されている。一方、SW用IC36bにも第4配線40eを介して同様に整合回路23cであるコンデンサ23ca、および整合回路23bであるコンデンサ23baが接続されている。
そして、コンデンサ23ca、コンデンサ23baのそれぞれには、第3配線40dおよび第4配線40eを介して通信回路29である通信用IC29dが接続されている。この通信用IC29dは、内部に通信部29a、メモリ29b、制御部29cを備えている。なお、通信用IC29dは、他の配線40f等を介してDC/DCコンバータ25aとも接続されている。
<ノイズの測定について>
実施の形態1のループアンテナ1と実施の形態2の通信制御装置22とを組み合わせた構造によるノイズの測定結果について説明する。
図30は図28に示す通信制御装置を用いた給電システムにおけるノイズレベルの測定結果の一例を示すノイズ測定図、図31は比較例の給電システムにおけるノイズレベルの測定結果を示すノイズ測定図である。
図31に示すノイズの測定は、本願発明者が比較検討を行った給電システムに対するものである。図31のノイズ測定に用いた構造は、アンテナがスパイラル構造のものであり、かつ、通信制御装置における実装基板上の部品配置が、中心線に対して一対(例えば、同じ距離)、もしくは左右対称にはなっていないものである。
図31の比較例のノイズの測定結果では、CISPR22規格に対して、周波数が特に150MHz付近でノイズレベルが大きく規格オーバーとなっていることが分かる。
これに対して、図30は、実施の形態1のアンテナ形状として左右対称のループアンテナ1を適用し、かつ実施の形態2の部品配置が一対(例えば、同じ距離)、もしくは左右対称となっている通信制御装置22を組み合わせた構造に対するノイズの測定を示している。
図30によれば、測定対象の全周波数帯において、ノイズレベルがCISPR22規格を下回っていることが分かる。
これは、左右対称形状のループアンテナ1を適用したことで、電界分布を均一化することができ、また、通信制御装置22において、コモンモードチョーク28cを搭載したことにより、250/650/800MHz付近でのノイズの低減化を図ることができたことが要因と考えられる。
さらに、左右対称形状のループアンテナ1の適用に加えて、通信制御装置22において、共振用コンデンサを中心線43に対して一対(例えば、同じ距離)に、もしくは左右対称に配置したことで、部品実装におけるインピーダンスの整合を図ることができ、周波数が150MHz付近でのノイズレベルを低減化することができる。
以上により、測定対象の全周波数帯において、ノイズレベルをCISPR22規格より下げることができる。
また、本実施の形態2の通信制御装置22のように、基板パターン配置、ノイズ対策部品配置、共振用部品配置、整流回路部品配置等を左右対称とし、かつ実施の形態1のループアンテナ1を左右線対称アンテナ構造とすることにより、給電システム(通信制御装置22)の給電系経路42に流れるコモンモード電流を減らすことができる。その結果、人体防護に加え、遠方へのノイズの影響も抑制化することができる。
<実施の形態2の変形例>
図32は実施の形態2の変形例における実装基板上の主部品の配置状態を示す平面図、図33は実施の形態2の変形例における実装基板上の主部品の配置状態を示す平面図である。
図32に示す変形例は、通信制御装置22の実装基板40上での部品配置において、実装基板40の主面40aの端部(角部)付近にアンテナ電極AP,ANを配置し、実装基板40の長手方向の外周に沿って整流回路24やDC/DCコンバータ25aを配置するものである。
これにより、実装基板40の基板面積を有効に活用できるため、基板面積の縮小化、もしくは基板の小型化を図ることができる。
また、図33に示す変形例は、通信制御装置22の実装基板40上での部品配置において、実装基板40の主面40aの1辺の中央部付近にアンテナ電極AP,ANを配置し、実装基板40の長手方向の中央に整流回路24やDC/DCコンバータ25aを配置するものである。
この場合、整流回路24やDC/DCコンバータ25aの左右対称配置を行うためのスペース確保が容易であり、その結果、基板の配線設計を容易にすることができる。
<変形例>
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明はこれまで記載した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
(変形例1)
上記実施の形態2において、アンテナ電極AP,ANと整流回路24との間におけるフィルタ回路(ノイズフィルタ回路)28の配置位置、すなわち、フェライトビーズ(第1フェライトビーズ28aおよび第2フェライトビーズ28b)とコモンモードチョーク28cの配置の位置については、どちらが前段(アンテナ電極AP,AN寄り)であっても、後段であってもよい。
(変形例2)
さらに、上記実施の形態で説明した技術思想の要旨を逸脱しない範囲内において、変形例同士を組み合わせて適用することができる。
(変形例3)
また、上記実施の形態で説明した図1,2,7,9,11〜26に示すアンテナ構造では、それらの何れにおいても、そのループ形状が、平面視で中心線3に対して左右対称な形状に形成されており、したがって、アンテナの周囲に形成される電界および磁界の分布を均一にすることができ、ループアンテナから放射されるノイズの低減化を図ることができる。
さらに、上記何れのアンテナの断面構造においても、中心線3に対して左右対称な構造となっており、ノイズの低減化をさらに図ることができる。