JPWO2016002888A1 - 化学強化用ガラスおよび化学強化ガラス - Google Patents

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Abstract

ディスプレイ部材を製造する際の低温(150〜300℃)での熱処理において、ガラス成形時の冷却速度が速いフュージョン法等で製造したガラス板においても、コンパクションが小さく、ガラス板上の成膜パターニング精度が高い(位置ずれが生じ難い)、ディスプレイ部材に適した化学強化用ガラスおよびそれを用いて得られる化学強化ガラスを提供する。ガラス原料を溶融し冷却して得られる化学強化用ガラスであって、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を61〜75%、Al2O3を2.5〜10%、MgOを6〜12%、CaOを0.1〜8%、Na2Oを14〜19%、K2Oを0〜1.8%含有する化学強化用ガラス。

Description

本発明は、各種タッチパネルや各種ディスプレイパネル等の用途において、例えば、ガラス上に導電膜等がパターニングされて利用される、化学強化用ガラスおよび化学強化ガラスに関する。
化学強化用ガラス板は、ソーダライムシリケートガラスやアルカリアルミノシリケートガラスが用いられ、フロート法、ロールアウト法、フュージョン法等の各種の成形方法で製造できる。ガラス板を水平方向に引き出す成形方法である前記フロート法は徐冷炉の長さを充分に確保できるのに対し、フュージョン法などの垂直方向に成形する方法では徐冷炉の長さに制約があるため、徐冷時間が不足する。徐冷時間が不足すると、ガラス板の成形後の冷却速度が速くなり、その結果、ガラス板上に透明導電膜等をパターニングする際の熱工程で、ガラスの安定化現象によるガラス板寸法の縮み(以下、「コンパクション」という。)が大きくなる。そのため、成膜パターニング時の精度が低下するという問題があった(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−196879号公報
本発明は、静電容量式タッチパネルなどのタッチパネルを製造する際の低温(150〜300℃)での熱処理において、ガラス成形時の冷却速度が速いフュージョン法等で製造したガラス板、または、フロート法で冷却速度を早くして製造したガラス板においても、コンパクションが小さく、ガラス板上の成膜パターニング精度が高い(位置ずれが生じ難い)、ディスプレイ部材に適した化学強化用ガラスおよびそれを用いて得られる化学強化ガラスを提供することを目的とする。なお、ガラス成形時の冷却速度とは、ガラス原料を溶融し板状に成形後の徐冷工程における、ガラス転移点+50℃からガラス転移点−120℃の領域におけるガラス板の冷却速度のことをいう。以下、本明細書において、ガラス転移点を「Tg」と記載することもある。
本発明は、前記の目的を達成するために、ガラス原料を溶融し冷却して得られる化学強化用ガラスであって、酸化物基準の質量百分率表示で、
SiOを61〜75%、
Alを2.5〜10%、
MgOを6〜12%、
CaOを0.1〜8%、
NaOを14〜19%、
Oを0〜1.8%、
含有する化学強化用ガラスを提供する。
本発明は、また、上記本発明の化学強化用ガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラスを提供する。
本発明の化学強化用ガラスは、ディスプレイ部材の製造工程における低温(150〜300℃)での熱処理においてコンパクションが小さく、例えば、板状とした場合に後述の測定方法によるコンパクション(C1)が25ppm以下であって、ガラス板上の成膜パターニング時の位置ずれが生じ難い。
したがって、パネルの大型化、高精細化、表示フレームの高速化、高耐候性化、高機能化、高信頼性化、ドライバ等のIC回路の内蔵化に対応した、特にタッチパネルセンサ用一体型カバーガラスのための化学強化用ガラスとして好適に用いることができる。
また、本発明の化学強化用ガラスは、フュージョン法等での冷却速度の速い成形方法で製造したガラス、または、フロート法で冷却速度を早くして製造したガラスにも適用可能である。
また、本発明の化学強化用ガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラスは、表面圧縮応力が高く、表面圧縮応力層が深く入りやすく、ディスプレイ部材として、高い強度を備える。
以下に本発明の実施形態について説明する。
<化学強化用ガラス>
本実施形態の化学強化用ガラスは、ガラス原料を溶融し冷却して得られる化学強化用ガラスであって、酸化物基準の質量百分率表示で、下記成分を下記の量、含有する。
SiO;61〜75%、
Al;2.5〜10%、
MgO;6〜12%、
CaO;0.1〜8%、
NaO;14〜19%、
O;0〜1.8%
本明細書において、ガラスの組成の説明に用いる「%」は、特に断りのない限り、酸化物基準の質量百分率を示す。
本実施形態の化学強化用ガラスにおいて上記組成に限定する理由を好ましいガラス特性との関係で以下に説明する。なお、ガラス特性(1)は、化学強化用ガラス自体の特性であり、ガラス特性(2)は化学強化ガラスとされた際に発現する特性である。
[ガラス特性(1)]
(コンパクション(C1))
コンパクション(C1)は、以下の方法で測定される、低温の熱処理による化学強化用ガラスのコンパクションの程度を計る指標である。
(測定方法)
試料(100mm×10mm×1mm)をガラス転移点+50℃まで加熱し、該温度で1分間保持後、降温速度50℃/分で室温まで冷却した後、光学顕微鏡で観察しながらビッカース硬さ試験機を用いて試料の表面に圧痕を長辺方向に2箇所、間隔A1(A1=90mm)で打つ。
該圧痕付き試料を300℃まで昇温速度100℃/時(=1.6℃/分)で加熱し、300℃で1時間保持した後、降温速度100℃/時で室温まで冷却し、前記圧痕の間隔B1(mm)を光学顕微鏡により測定しコンパクション(C1)を下記式で求める。
コンパクション(C1)[ppm]=(A1−B1)/A1×10
本実施形態の化学強化用ガラスは、コンパクション(C1)が25ppm以下であることが好ましい。コンパクション(C1)は23ppm以下がより好ましく、21ppm以下がさらに好ましく、18ppm以下が最も好ましい。コンパクション(C1)が25ppm以下であると、化学強化処理した後において、ディスプレイ部材の製造工程における低温(150〜300℃)での熱処理に起因するガラス板上の成膜パターニング時の位置ずれが生じ難い。
(ガラス転移点(Tg))
本実施形態の化学強化用ガラスのガラス転移点(Tg)は560℃以上720℃以下であることが好ましい。本実施形態の化学強化用ガラスのTgは上記範囲であることでコンパクション(C1)を小さくするのに好ましい。Tgは570℃以上であるのが好ましく、575℃以上であるのがより好ましく、580℃以上であるのがさらに好ましい。
(平均線膨張係数(CTE))
本実施形態の化学強化用ガラスのJIS R 1618(2002)に準じて測定される50〜350℃における平均線膨張係数(CTE)は150×10−7/℃以下であることが好ましい。上記範囲であることで、ディスプレイ部材の製造工程での寸法変化が少なく、液晶ディスプレイなどのディスプレイパネルとの接着時の応力による品質(残留応力や光弾性効果)への影響が少ないことから、特に表示品質面で好ましい。なお、本明細書において、特に断りのない限り、CTEとは、JIS R 1618(2002)に準じて測定される50〜350℃における平均線膨張係数(CTE)をいう。
CTEは、より好ましくは120×10−7/℃以下、さらに好ましくは100×10−7/℃以下である。またディスプレイパネル用ガラス板にソーダライムガラスを用いる場合は、両者の熱膨張差の点から、65×10−7/℃以上が好ましい。
(失透特性(Tid))
失透特性(Tid)は、以下の式(1)で与えられる失透の発生に係る指標である。
id=T−T …(1)
式(1)においてTは粘度が10dPa・sとなる温度、Tは失透温度(T)である。失透温度(T)は、具体的には、ガラスを乳鉢で2mm程度のガラス粒に粉砕し、該ガラス粒を白金ボートに並べて置き、温度傾斜炉中において10℃刻みで24時間熱処理した際に結晶が析出しているガラス粒の温度の最高値をいう。
失透特性(Tid)は−50℃〜350℃が好ましい。失透特性(Tid)は−30℃以上がより好ましく、−10℃以上が特に好ましい。失透特性(Tid)が上記範囲内にあれば、失透が発生する可能性は低い。特に、フロート法などで失透の可能性なしに製造するためには、失透特性(Tid)は、0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましい。
(高温粘性)
高温での粘性を計る指標として、粘度が10dPa・sとなる温度(T)を設定した。Tは、原料の溶解性の観点から1600℃以下が好ましく、1570℃以下がより好ましく、1550℃以下がさらに好ましい。
(比重)
本実施形態の化学強化用ガラスは、比重が2.55以下であることがディスプレイ部材の軽量化のために好ましく、より好ましくは2.50以下であり、さらに好ましくは2.48以下である。なお、本実施形態の化学強化用ガラスは、他の物性確保の容易性を考慮すると、比重は2.40以上である。比重は、例えば、アルキメデス法により測定できる。
[ガラス特性(2)]
(コンパクション(C2))
コンパクション(C2)は、以下の方法で測定される、低温の熱処理による化学強化ガラスのコンパクションの程度を計る指標である。
(測定方法)
試料(100mm×10mm×1mm)を準備し、光学顕微鏡で観察しながらビッカース硬さ試験機を用いて試料の表面に圧痕を長辺方向に2箇所、間隔A2(A2=90mm)で打つ。
該圧痕付き試料を300℃まで昇温速度100℃/時(=1.6℃/分)で加熱し、300℃で1時間保持した後、降温速度100℃/時で室温まで冷却し、前記圧痕の間隔B2(mm)を光学顕微鏡により測定しコンパクション(C2)を下記式で求める。
コンパクション(C2)[ppm]=(A2−B2)/A2×10
本実施形態の化学強化用ガラスから得られる化学強化ガラスは、コンパクション(C2)が25ppm以下であることが好ましい。コンパクション(C2)は23ppm以下がより好ましく、21ppm以下がさらに好ましく、18ppm以下が最も好ましい。コンパクション(C2)が25ppm以下であると、ディスプレイ部材の製造工程における低温(150〜300℃)での熱処理に起因するガラス板上の成膜パターニング時の位置ずれが生じ難い。
(表面圧縮応力(CS))
表面圧縮応力(CS;Compressive stress)は、化学強化用ガラスの化学強化処理により該ガラスの表面をアルカリイオン交換することで得られる化学強化ガラスの強化特性を計る指標のひとつである。CSは複屈折を利用して測定することができ、例えば、表面応力計FSM−6000(折原製作所社製)で測定される。CSは、300MPa以上が好ましく、500MPa以上がより好ましく、600MPa以上がさらに好ましい。
(表面圧縮応力層深さ(DOL))
表面圧縮応力層深さ(DOL;Depth of layer)は、CSと共に化学強化ガラスの強化特性を計る指標のひとつである。DOLは、化学強化ガラスにおいて表面に存在するアルカリイオン交換がされた層の深さを示す。DOLは、例えば、表面応力計FSM−6000(折原製作所社製)で測定できる。DOLは、8μm以上が好ましく、9μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましく、11μm以上が特に好ましい。
[化学強化用ガラスの組成]
(SiO
SiOは、ガラス微細構造の中で網目構造を形成する成分として知られており、ガラスを構成する主要成分である。SiOの含有量は、61%以上であり、好ましくは62%以上、より好ましくは63%以上、さらに好ましくは64%以上である。また、SiOの含有量は、75%以下であり、好ましくは73%以下、より好ましくは71%以下である。SiOの含有量が61%以上であるとガラスとしての安定性および耐熱性、化学的耐久性、耐候性の点、さらには、比重、コンパクション(C1)、コンパクション(C2)(以下、これらを併せてコンパクション(C)という。)、CTEを小さくする点で優位である。一方、SiOの含有量が75%以下であるとガラス溶解時の粘度を低くし、溶解性を良好に保つ点、および成形性の点で優位である。
(Al
Alは化学強化におけるイオン交換性能を向上させる作用があり、特にCSを向上させる作用が大きい。Alは、ガラスのTgを上げ、耐候性、耐熱性および化学的耐久性を向上させ、ヤング率を高め、CTE、コンパクション(C)を低く抑える成分でもある。また、フロート成形時にボトム面からの錫の浸入を抑制する作用がある。さらに、ガラス中のアルカリイオンがセンサやドライバ等のIC回路のトランジスタ素子(センサ等)へ移動することを抑制しセンサ等の性能劣化を抑える作用も有する。Alの含有量は、2.5%以上であり、好ましくは3%以上、より好ましくは4%以上であり、さらに好ましくは5%以上である。また、Alの含有量は、10%以下であり、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは8%以下である。
Alの含有量が2.5%以上であると、アルカリイオン交換により、所望のCS値が得られ、また、製造時に錫の浸入を抑制する効果や製品としてセンサ等の性能劣化を抑える効果が得られる。一方、Alの含有量が10%以下であると、ガラスの粘性が高い場合でも失透温度が大きくは上昇しないため、ソーダライムガラス生産ラインでのガラス溶解時の粘度を低くし、溶解性の悪化を抑え、失透特性を向上させる等、成形性の点で優位である。
(MgO)
MgOは、ガラスを安定化させる成分であり、必須の成分である。MgOの含有量は、6%以上、好ましくは7%以上、より好ましくは7.5%以上であり、さらに好ましくは8%以上である。また、MgOの含有量は、12%以下であり、好ましくは11%以下、より好ましくは10.5%以下である。MgOの含有量が6%以上であると、ガラスの耐薬品性、耐候性が良好になる。高温での溶解性が良好になり、失透が起こり難くなる。一方、MgOの含有量が12%以下であると、失透の起こりにくさが維持され、充分なイオン交換速度が得られるとともに、CTEおよびコンパクション(C)を低い値に抑えられる。
(CaO)
CaOはガラスを安定化させる成分であり、必須の成分である。CaOは、ガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果がある成分である。ただし、CaOはアルカリイオンの交換を阻害する傾向があるため、DOLを大きくしたい場合は含有量を減らすことが好ましい。また、CaOの含有によりコンパクション(C)が増大する傾向にあることから、その含有量はコンパクション(C)の値が上記好ましい範囲内になるように適宜調整される。CaOの含有量は0.1%以上、好ましくは0.4%以上、より好ましくは0.8%以上である。
CaOの含有量は、8%以下であり、好ましくは6%以下、より好ましくは5%以下であり、より好ましくは4%以下である。CaOの含有量が8%以下であると、充分なイオン交換速度が保たれ、所望のDOLが得られる。
一方、耐薬品性を向上させるためには、0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上含有することが好ましい。
(NaO)
NaOはアルカリイオン交換により表面圧縮応力層を形成させる必須成分であり、DOLを深くする作用がある。また、ガラスの高温粘性と失透温度を下げ、失透特性を向上させる効果があり、ガラスの溶解性、成形性を向上させる成分である。NaOの含有量は、14%以上であり、好ましくは14.5%以上、より好ましくは15%以上、特に好ましくは16%以上である。また、NaOの含有量は、19%以下であり、好ましくは18%以下、より好ましくは17%以下である。
NaOの含有量が14%以上であると、イオン交換により所望の表面圧縮応力層を形成することができる。一方、NaOの含有量が19%以下であると、充分な耐候性が得られる。
なお、コンパクション(C)を小さく抑えることを第一の目的とする場合、NaOの含有量は酸化物基準のモル百分率表示で15.5%以下とすることが好ましい。これにより、コンパクション(C)およびCTEの増大、化学的耐久性、耐候性の劣化を抑制する効果がみられる。また、この場合、ガラス成形設備の熱による劣化を抑制する観点からTgが580℃未満であることが好ましい。
NaOの含有量が酸化物基準のモル百分率表示で15.5%を超える場合には、よりDOLを深くできる点で有利である。このように、NaOの含有量については、コンパクション(C)の低下とDOLの増加が相反する関係にあり、他の成分の含有量や用途によって求められるガラス特性に応じてNaOの含有量を適宜選択する。
(KO)
Oは必須ではないが、イオン交換速度を増大しDOLを深くする効果があるため含有してもよい。さらに、KOはガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果もあることから含有してもよい成分である。一方、KOが多くなりすぎると充分なCSが得られなくなり、さらにコンパクション(C)の増大を招く。
Oを含有する場合の量は、1.8%以下であり、好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.1%以下であり、さらに好ましくは0.8%以下であり、最も好ましくは0.5%以下である。KOの含有量が1.8%以下であると、充分なCSが得られるとともに、コンパクション(C)の増大も許容の範囲内である。コンパクション(C)を適正な範囲に保つ観点からは、KOは実質的に含有しないことが特に好ましい。
なお、本明細書において、「実質的に含有しない」とは、原料等から混入する不可避的不純物以外には含有しないこと、すなわち、意図的に含有させないことを意味する。
(アルカリ土類金属酸化物の合計量)
上に説明した本実施形態の化学強化用ガラスにおける必須成分としてのMgOおよびCaO、さらに後述するその他成分であるSrOおよびBaOは、アルカリ土類金属酸化物であり、以下の共通した作用を有する。以下、MgO、CaO、SrOおよびBaOを総称して「MO」と示す。
MOは、ガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果がある。MOは、さらに、Tgと歪点の調節に有効な成分であり、また、ガラスの耐候性を向上させる作用も有する。ただし、MOを過剰に含有するとCTEおよびコンパクション(C)が増大するおそれがある。
上記観点からMOの含有量は好ましくは合計量で6.1%以上であり、より好ましくは7%以上であり、さらに好ましくは8%以上である。また、MOの含有量は好ましくは合計量で15%以下であり、13%以下がより好ましく、12%以下がさらに好ましい。
(アルカリ金属酸化物の合計量および各成分の含有量の関係)
上に説明したNaOおよびKO、さらに後述するその他成分であるLiOはアルカリ金属酸化物であり、以下の共通した作用を有する。以下、NaO、KOおよびLiOを総称して「M’O」と示す。なお、化学強化に関する作用については各成分で異なり、成分ごとに説明するとおりである。
本実施形態の化学強化用ガラスにおけるM’Oの含有は、ガラスの溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果がある。ただし、M’Oを過剰に含有するとコンパクション(C)が増大するおそれがある。
上記観点からM’Oの含有量は好ましくは合計量で、14%以上であり、より好ましくは15%以上であり、さらに好ましくは16%以上である。また、M’Oの含有量は好ましくは合計量で18%以下であり、17%以下がより好ましい。
ここで、コンパクション(C)を小さくするために、NaOおよびKOの含有量の関係は、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.9 ≦ NaO/(NaO+KO) ≦ 1.0 …(2)
上記式(2)は、低温(150〜300℃)での熱処理におけるコンパクション(C)を小さくする指標となる。コンパクション(C)を小さくするために、NaO/(NaO+KO)は、好ましくは、0.95以上であり、さらに好ましくは1.0である。
(アルカリ土類金属酸化物とアルカリ金属酸化物)
本実施形態の化学強化用ガラスにおいて失透特性(Tid)と、アルカリ土類金属酸化物とアルカリ金属酸化物の合計含有量に対するアルカリ土類金属酸化物の含有量の割合(MO/(MO+M’O))は相関関係にあることがわかっている。失透特性(Tid)を上記好ましい範囲とするために、MO/(MO+M’O)は、下記式(3)を満たすことが好ましい。
0.20 ≦ MO/(MO+M’O) ≦ 0.42 …(3)
MO/(MO+M’O)の値が0.42を超えると、失透特性(Tid)は0℃未満となり、失透しやすくなる。したがって、本実施形態の化学強化ガラスにおいて、MO/(MO+M’O)の値が0.42以下であり、好ましくは0.41以下であり、より好ましくは0.40以下であり、さらに好ましくは0.39以下である。また、MO/(MO+M’O)の値は、0.20以上であり、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.30以上、最も好ましくは0.35以上である。MO/(MO+M’O)の値が0.20以上であると、CTEを低く抑えることができる。
(化学強化用ガラスの好ましい組成)
以上、本実施形態の化学強化用ガラスの組成について成分ごとに説明した。本実施形態の化学強化用ガラスの上記組成の範囲において、さらに好ましい組成を以下に示す。組成1は高いCSが得られ、T2が低下するという点で有利である。組成2は、さらに高いCSが得られ、さらにT2が低下するという点で有利である。
(組成1)
酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを61〜75%、Alを3〜10%、MgOを6〜12%、CaOを0.4〜6%、NaOを15〜19%、KOを0〜1.1%含有する。
(組成2)
酸化物基準の質量百分率表示で、SiOを61〜75%、Alを3〜10%、MgOを6〜12%、CaOを0.8〜5%、NaOを16〜19%、KOを0〜0.5%含有する。
(その他成分)
本実施形態の化学強化用ガラスは、好ましくは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。具体的には、上記成分以外に、MgO、CaO以外のアルカリ土類金属酸化物、例えば、SrO、BaOを各0〜1%含有してもよい。また、NaO、KO以外のアルカリ金属酸化物、例えば、LiOを0〜1%含有してもよい。さらに、Bを0〜2%、ZrO2を0〜3%、Feを0〜1%、TiOを0〜1%、ZnOを0〜2%含有してもよい。さらに、その他添加成分を合計量で0〜2%、清澄剤を0〜2%、着色剤を0〜1%含有してもよい。以下、その他成分を含有する場合について説明する。なお、その他成分の含有量は、合計量で5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。
(SrO)
SrOは必須ではないが、ガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果があるため、含有してもよい。一方、SrOが多くなりすぎると、コンパクション(C)の増大を招くとともに、充分なDOLが得られなくなる。SrOを含有する場合の量は1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、特に好ましくは実質的に含有しない。SrOの含有量が1%以下であるとコンパクション(C)の増大が抑制されるとともに、充分なDOLが得られる。
(BaO)
BaOは必須ではないが、ガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果があるため、含有してもよい。一方、BaOが多くなりすぎると、コンパクション(C)の増大を招くとともに、充分なDOLが得られなくなる。BaOを含有する場合の量は1%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましく、特に好ましくは実質的に含有しない。BaOの含有量が1%以下であるとコンパクション(C)の増大が抑制されるとともに、充分なDOLが得られる。
(LiO)
LiOは、ガラスの溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果があるので含有させることができる。ただし、LiOはTgを低くして応力緩和を起こりやすくし、その結果安定した表面圧縮応力層を得難くする成分であるので、化学強化特性の点からは含有しないことが好ましい。また、コンパクション(C)の増大を招くことが懸念される成分でもある。
このような観点から、LiOは、含有する場合であってもその含有量は1%未満であることが好ましく、より好ましくは0.1%以下、特に好ましくは0.01%未満である。本実施形態の化学強化用ガラスがLiOを含有する場合としては、例えば、使用後に廃棄されたディスプレイパネルをリサイクルすることによって得られるカレットの使用において、上記範囲内となるようLiOを含有するカレットを使用する場合が挙げられる。
(B
は、ガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透温度を降下する効果があり、強度特性を向上させるため、2%以下の範囲で含有してもよい。好ましくは1%以下である。一般的には、NaO、KO、LiO等のアルカリ成分とBを同時に含有すると揮散が激しくなり、煉瓦を著しく浸食するので、Bは実質的に含有しないことが好ましい。
液晶パネル用ガラス、あるいはインセル型タッチパネル用ガラス板として用いる場合、B含有率が低いと、ガラス板製造時にガラスを溶解する際の、溶解工程、清澄工程および成形工程での、Bの揮散量が少なく、製造されるガラス板が均質性および平坦性に優れる。その結果、高度の平坦性が要求される液晶パネル用ガラス板として使用する場合に、従来の液晶パネル用ガラス板に比べて、表示品質に優れる。
また、ガラス溶解時のBの揮散による環境負荷を考慮しても、Bの含有率はより低いことが好ましい。ただし、上記LiOと同様に、使用後に廃棄されたディスプレイのガラス板のリサイクル目的でカレットを使用する場合は、Bを含有するカレットを使用することができる。
(ZrO2
ZrO2はガラス溶解時の粘度を下げ、溶解を促進し、失透特性を向上させる効果があり、また、CSを向上させる効果があるので含有させてもよい。一方、過剰量のZrO2はコンパクション(C)の増大を招くおそれがある。このような観点から、ZrOの含有量は3%以下が好ましく、2%以下が好ましく、1%以下がより好ましい。
(Fe
Feは、自然界および生産ラインのあらゆるところに存在するため、その含有量をゼロにすることが極めて困難な成分である。酸化状態にあるFeが黄色の着色原因となり、還元状態にあるFeOが青色の着色原因となることが知られており、両者のバランスでガラスは緑色に着色することが知られている。Feの含有量は典型的には0.005%以上であってもよい。Feの含有量は、ガラスが着色することを回避できる観点から、1%以下が好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.05以下であることがさらに好ましい。
(TiO
TiOは、天然原料中に多く存在し、黄色の着色源となることが知られている。TiOを含有する場合の量は、1%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。TiOの含有量が1%以下であることでガラスが黄色味を帯びる現象を回避できる。なお、TiOの含有は、ガラスのヤング率向上にも寄与するとされる。
(ZnO)
ZnOはガラスの高温での溶融性を向上するために、具体的には、2%まで含有してもよい。例えば、上記LiOと同様、使用後に廃棄されたディスプレイのガラス板のリサイクル目的でカレットを使用する場合、ZnOを含有するカレットを使用することができる。しかし、フロート法で製造する場合には、フロートバスで還元され製品欠点となるので含有しないことが好ましい。
(その他添加成分)
その他添加成分とは、上記成分以外の、例えば、化学的耐久性、耐候性、溶解性、失透性、紫外線遮蔽、赤外線遮蔽、紫外線透過、赤外線透過等の改善を目的に添加される成分をいう。その他添加成分は、合計量で2%以下含有してもよく、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下で含有することができる。
その他添加成分の例としては、ガラスの化学的耐久性向上、ガラスのヤング率向上のため、ガラス中にYやLaをこれら合計量で2%以下含有させてもよい。あるいは、使用後に廃棄されたディスプレイパネルのリサイクルによるカレット使用による不純物混入として、WO、Nb、V、Bi、MoO、P、Ga、In、GeO等を含有してもよい。
(清澄剤)
本実施形態の化学強化用ガラスは、ガラスの溶解性、清澄性を改善するため、ガラス中にSO、F、Cl、SnOを合計量で2%以下含有するように、これらの原料をガラス原料に添加してもよい。
(着色剤)
本実施形態の化学強化用ガラスは、ガラスの色調を調整するため、ガラス中に上記Fe以外に、CeO等の着色剤を含有してもよい。このような着色剤の含有量は、合計量で1%以下が好ましい。
本実施形態の化学強化用ガラスは、環境負荷を考慮すると、As、Sbを実質的に含有しないことが好ましい。また、安定してフロート成形することを考慮すると、ZnOを実質的に含有しないことが好ましい。本実施形態の化学強化用ガラスは、ガラスの引き出し速度が速い薄いガラスへの適用や、フュージョン法によるガラス成形への適用により効果的である。
本実施形態の化学強化用ガラスの形状は特に制限されない。用途に応じて、板状、円筒状、球面状等、適宜選択される。化学強化用ガラスの形状が板形状の場合、平板でも曲げ加工を施した曲板でもよい。
<化学強化用ガラスの製造>
本実施形態の化学強化用ガラスは、得られるガラスの組成が酸化物基準の質量百分率表示で上記の組成となるようにガラス原料を準備し、通常の方法により、該ガラス原料を溶融し冷却することで得られる。なお、通常、溶融後、所望の形状に成形して冷却が行われる。成形方法としては、フロート法、フュージョン法、スロットダウンドロー法など、既知のガラス成形方法が挙げられる。
本実施形態の化学強化用ガラスは、これらの既存の成形方法により、それぞれの成形法で成形可能な寸法に成形され、例えば、フロート法により、フロート成形幅の連続したリボン状のガラスに成形され冷却後、最終的に後述する各種使用目的に適した大きさに切断されて、化学強化処理に供される。本実施形態の化学強化用ガラスは、一般的には矩形に切断されるが、円形または多角形などの他の形状に切断されてもよく、穴あけ加工等が施されてもよい。
本実施形態の化学強化用ガラスは、ディスプレイ部材に適した板状の化学強化用ガラスとして好適に用いることができる。以下、ディスプレイ部材用の化学強化用ガラス板を例にして、本実施形態の化学強化用ガラスの製造方法について説明する。
本実施形態の化学強化用ガラスをガラス板として製造する場合、従来の液晶パネル用ガラス板、カバーガラス用ガラス板を製造する際と同様に、溶解、清澄、成形および徐冷工程を経る。
溶解工程は、得られるガラス板の組成となるように原料を調製し、前記原料を溶解炉に連続的に投入し、1450〜1650℃程度に加熱して溶融ガラスを得る工程である。
原料には酸化物、炭酸塩、水酸化物、場合により塩化物などのハロゲン化物なども使用できる。原料粒度も溶け残りが生じない程度の数百ミクロンの大きな粒径の原料から、原料搬送時の飛散が生じない、二次粒子として凝集しない程度の数ミクロン程度の小さな粒径の原料まで適宜使用できる。造粒体の使用も可能である。含水量、すなわちβ−OH、Feの酸化還元度、すなわちレドックス(Fe2+/(Fe2++Fe3+))などの溶解条件も適宜調整、使用できる。
清澄工程においては、本実施形態の化学強化用ガラスがアルカリ金属酸化物(NaO、KO)を含有するアルカリガラスであることから、清澄剤としてSOを効果的に用いることができる。また、減圧による脱泡法を適用してもよい。減圧による脱泡法における清澄剤としてはClやFなどのハロゲンを使用するのが好ましい。
成形工程としてフロート法およびフュージョン法(ダウンドロー法)を適用してガラスリボンを得る。
徐冷工程として、ガラスリボンを所定の冷却速度によって室温状態まで冷却し、切断後、ガラス板を得る。なお、冷却速度とは、原料を溶融し板状に成形後の徐冷工程における、Tg+50℃からTg−120℃の領域におけるガラス板の冷却速度のことをいう。
ディスプレイ部材用の化学強化用ガラス板として使用する場合に、上記で得られるガラス板の厚みは2mm以下が好ましい。ガラス板の厚みが2mm以下であれば、ディスプレイあるいはセンサ一体型カバーガラス装着製品の薄型化と軽量化に貢献できる。好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下である。
なお、本実施形態の化学強化用ガラスを板状に成形する場合、ガラス板の厚さは上記に限定されない。用途に応じてガラス板の厚さは適宜選択される。
CaOを含有するソーダライムシリケートガラスのように高いDOLを得にくいガラス組成の場合、高いDOLを得るために、徐冷工程における冷却速度を早くすることが考えられる。これは、冷却速度を早くするによって、ガラス構造が粗になり、イオン交換速度が上昇する結果、DOLを高くすることができるためである。
上記化学強化用ガラスの製造において、徐冷工程の冷却速度が遅いほどコンパクション(C1)およびコンパクション(C2)は小さくなる。本実施形態の化学強化用ガラス製造の徐冷工程での冷却速度は、300℃/分以下が好ましく、より好ましくは200℃/分以下、さらに好ましくは140℃/分以下である。一方、生産効率を向上するためには冷却速度が速いことが好ましい。本実施形態の化学強化用ガラス製造の徐冷工程での冷却速度は、30℃/分以上が好ましく、より好ましくは50℃/分以上、さらに好ましくは70℃/分以上である。冷却速度を、30℃/分以上、300℃/分以下とすることにより、適切な生産効率を保ったままコンパクション(C)の増加を充分に抑制することができる。
上記化学強化用ガラスの製造において、従来の化学強化用ガラスでは、コンパクション(C1)およびコンパクション(C2)が大きくなるため、徐冷工程における冷却速度を概ね30℃/分以上、特に概ね50℃/分以上にできなかった。本実施形態の化学強化用ガラスを用いれば、冷却を30℃/分以上、特に50℃/分以上の速度で行った場合においても、得られる化学強化用ガラスにおいて、コンパクション(C1)およびコンパクション(C2)を25ppm以下と非常に小さい値とすることができる。
ガラスの製造においては、冷却速度を上げることにより冷却時間が短縮され、生産効率の点で大きな改善を図ることができる。本実施形態においては、冷却速度が70℃/分以上の場合に、コンパクション(C1)およびコンパクション(C2)を25ppm以下とできる化学強化用ガラスがより好ましく、冷却速度が200℃/分以上の場合に、コンパクション(C1)およびコンパクション(C2)を25ppm以下とできる化学強化用ガラスが特に好ましい。
このようにして得られる本実施形態の化学強化用ガラスは上記組成を有し、上に示したガラス特性(1)を有するものであって、ディスプレイ部材の製造工程における低温(150〜300℃)での熱処理においてコンパクションが小さく、例えば、板状とした場合に上記の測定方法によるコンパクション(C1)を好ましくは25ppm以下とすることができ、ガラス板上の成膜パターニング時の位置ずれが生じ難い。
したがって、パネルの大型化、高精細化、表示フレームの高速化、高耐候性化、高機能化、高信頼性化、ドライバ等のIC回路の内蔵化に対応した、特にタッチパネルセンサ用一体型カバーガラスのための化学強化用ガラスとして好適に用いることができる。
また、本実施形態の化学強化用ガラスは、フュージョン法等での冷却速度の速い成形方法で製造したガラスにも適用可能である。
また、本実施形態の化学強化用ガラスは、これを化学強化処理して化学強化ガラスとした際に、表面圧縮応力が高く、表面圧縮応力層が深く入りやすく、ディスプレイ部材として、高い強度を備える。以下に、本実施形態の化学強化用ガラスを化学強化処理して得られる本実施形態の化学強化ガラスについて説明する。
<化学強化処理>
化学強化処理は、従来公知の方法によって行うことができる。なお、必要があれば、化学強化処理の前に、用途に応じた形状加工、例えば、切断、端面加工および穴あけ加工などの機械的加工やエッチング、研磨あるいはアニールを行うことが好ましい。なお、必要に応じて化学強化処理後に、上記加工や処理を行ってもよいが、化学強化処理による化学強化の効果を損なわない範囲で行うことが好ましい。上記加工や処理の方法は特に限定されず公知の方法で実行できる。
化学強化処理は、大きなイオン半径のアルカリ金属イオン(典型的には、Kイオン)を含むアルカリ金属塩(例えば、硝酸カリウム塩)の融液に、浸漬などによってガラスを接触させることにより、ガラス中の小さなイオン半径の金属イオン(典型的には、Naイオン)を大きなイオン半径の金属イオンと置換させる。
化学強化処理は、例えば、340〜550℃の硝酸カリウム溶融塩中にガラスを5分〜20時間浸漬することによって行うことができる。イオン交換条件は、ガラスの粘度特性や、用途、板厚、ガラス内部の引っ張り応力等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
イオン交換処理を行うための溶融塩としては、例えば、硝酸カリウム塩、硫酸カリウム塩、および塩化カリウム塩等のアルカリ硝酸塩、アルカリ硫酸塩およびアルカリ塩化物塩などが挙げられる。これらの溶融塩は単独で用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。また、化学強化特性を調整するために、ナトリウムを含む塩を混ぜてもよい。
本発明において、化学強化処理の処理条件は、特に限定されず、ガラスの特性および用いる溶融塩の種類等を考慮して最適な条件を選択すればよい。
<化学強化ガラス>
本実施形態の化学強化用ガラスを化学強化して得られる本実施形態の化学強化ガラスは、イオン交換処理によって表面に圧縮応力層を備える。本実施形態の化学強化用ガラスを用いることにより得られる本実施形態の化学強化ガラスは、上に示したガラス特性(2)を有するものであって、ディスプレイ部材の製造工程における低温(150〜300℃)での熱処理においてコンパクションが小さく、例えば、板状とした場合に上記の測定方法によるコンパクション(C2)を好ましくは25ppm以下とすることができ、ガラス板上の成膜パターニング時の位置ずれが生じ難い。
本実施形態の化学強化ガラスにおいて、ガラス特性(2)に示したとおりCSは300MPa以上が好ましく、500MPa以上がより好ましく、600MPa以上がさらに好ましい。また、ガラスの厚みが2mmを下回るような場合などには、CSは1400MPa以下であることが好ましい。1400MPa超では内部引張応力(CT)が大きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは1000MPa以下、典型的には900MPa以下である。
化学強化ガラスの使用時に表面圧縮応力層の深さを超える傷がつくとガラスの破壊につながるため、表面圧縮応力層は深い方が好ましく、DOLは、8μm以上が好ましく、9μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。また、ガラスの厚みが2mmを下回るような場合などには、DOLは50μm以下であることが好ましい。50μm超では内部引張応力(CT)が大きくなりすぎるおそれがある。より好ましくは40μm以下、典型的には30μm以下である。さらに、化学強化処理後の切断を可能とするためには、25μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。
また、以下の式(4)で示される化学強化ガラスの内部引張応力(CT)は50MPa以下であることが好ましい。好ましくは45MPa以下、さらに好ましくは40MPa以下、最も好ましくは30MPa以下である。
CT=CS×DOL/(t−2×DOL) …(4)
上記式(4)において、tはガラス板の厚み(μm)である。
CTが大きいとガラスが破壊する際に細片となって粉々に飛散する傾向が強くなる。
本実施形態の化学強化ガラスは、ナトリウムイオン、銀イオン、カリウムイオン、セシウムイオンおよびルビジウムイオンからなる群から選ばれる少なくとも1種を表面に有することが好ましい。これにより、表面に圧縮応力が誘起されガラスが高強度化される。また、銀イオンを表面に有することで、抗菌性を付与することができる。
本実施形態の化学強化ガラスは、そのまま、あるいは加工されて化学強化ガラス製品となる。化学強化ガラス製品としては、ディスプレイ装置などのカバーガラス並びにディスプレイのガラス基板が挙げられる。
本実施形態の化学強化ガラスの用途は、特段限定されない。高い機械的強度を有することから、落下による衝撃や、他の物質との接触が予想される箇所への使用に好適である。
具体的には、例えば、携帯電話機(スマートフォン等の多機能情報端末を含む。)、PHS、PDA、タブレット型端末、ノート型パーソナルコンピューター、ゲーム機、携帯音楽・動画プレーヤー、電子ブック、電子端末、時計、カメラまたはGPS等のディスプレイ部分用のカバーガラス、およびこれらの機器のタッチパネル操作用モニターのカバーガラス、電子レンジ、オーブントースター等の調理器のカバーガラス、電磁調理器等のトッププレート、メーター、ゲージ等の計器類のカバーガラス並びにコピー機またはスキャナ等の読み取り部分用のガラス板等の機械または機器類の保護用途がある。
また、例えば、車両、船舶、航空機等の窓用ガラス、家庭用または産業用の照明機器、信号、誘導灯、電光掲示板のカバーガラス、ショーケースおよび防弾ガラス等の用途が挙げられる。太陽電池保護用のカバーガラスおよび太陽電池の発電効率を高めるための集光用のガラス材の用途が挙げられる。
また、例えば、水槽、皿やコップ等の食器、びん又はまな板等の各種の調理器具、食器棚、冷蔵庫の棚板および壁、屋根または仕切り等の建材としての用途が挙げられる。
これらの用途に加え、化学強化処理を終えて製造される化学強化ガラスは、液晶、プラズマ、有機EL等の各種画像表示装置に組み込まれるディスプレイ用ガラス材として最適である。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。なお、例1〜8が実施例であり、例9〜15が比較例である。
[例1〜15]
(化学強化用ガラスの作製)
表1および表2で表示した組成(酸化物基準の質量百分率表示およびモル百分率表示)になるように、化学強化用ガラスを作製するための各成分の原料を調合した。該ガラス用原料成分の100質量部に対し、硫酸塩をSO換算で0.1質量部、ガラス用原料に添加し、白金坩堝を用いて1600℃の温度で3時間加熱し溶解した。溶解にあたっては、白金スターラーを挿入し1時間撹拌しガラスの均質化を行った。次いで溶融ガラスを流し出し、Tg+50℃で1時間保持した後、1℃/分で冷却した。冷却後、板状に研削、研磨加工を行い、例1〜15の化学強化用ガラスとして、各例において複数枚の物性測定用ガラス板および化学強化用ガラス板を得た。
物性測定用ガラス板は、比重測定用、ガラス転移点・CTE測定用、コンパクション測定用、T、T、T測定用を別々に用意した。なお、コンパクション測定用ガラス板、および、化学強化用ガラス板は、平板状であり、サイズが100mm×10mm、厚みが1mmであった。
冷却速度を変えたガラスを用意するため、上記で得られた全ての化学強化用ガラスを赤外線加熱炉で、Tg+50℃で1分間保持した後、所定の冷却速度で冷却した。なお、Tg+50℃で1分間保持することにより、該温度で保持する以前の熱履歴を消すことができる。したがって、Tg+50℃で1分間保持した後の冷却速度を、成形後の徐冷工程における冷却速度とみなすことができる。
上記所定の冷却速度を、1℃/分、50℃/分、70℃/分、200℃/分の4種類として化学強化用ガラス板を得た。なお、以下の説明において、各例で得られた4種類の化学強化用ガラスについては以下の略号で記載する。
冷却速度1℃/分で得られた化学強化用ガラス板;ガラス板A、
冷却速度50℃/分で得られた化学強化用ガラス板;ガラス板B、
冷却速度70℃/分で得られた化学強化用ガラス板;ガラス板C、
冷却速度200℃/分で得られた化学強化用ガラス板;ガラス板D
また、物性測定用ガラス板については全て冷却速度を50℃/分とした。該ガラス板を化学強化用ガラス板と同様にガラス板Bという。
ここで、冷却速度が明らかでないガラスの場合、検量線を作成することにより冷却速度を求めることができる。検量線は、屈折率の測定値と冷却速度の対数をプロットした直線から作成することができる。ガラスをTg+50℃で1分間以上保持した後、所定の冷却速度で冷却し、屈折率を測定する。10℃/分より遅い冷却速度のガラスを作製するためには、抵抗加熱式電気炉、または、赤外線加熱炉を用いることができる。10℃/分以上の冷却速度のガラスを作製するためには、温度の追従性のよい赤外線加熱炉を用いることが好ましい。少なくとも、Tg+50℃からTg−120℃の領域で一定の冷却速度が得られるものを用いる。
(化学強化ガラスの作製)
上記各例で得られたガラス板Cを425℃の97.8質量%KNO、2.2質量%NaNO溶融塩中に150分間浸漬して化学強化処理する(条件1)ことにより化学強化ガラスCを得た。
上記各例で得られたガラス板A、ガラス板B、ガラス板Dを425℃の100%KNO、溶融塩中に120分間浸漬して化学強化処理する(条件2)ことにより化学強化ガラスA、化学強化ガラスB、化学強化ガラスDを得た。
上記で得られた、化学強化用ガラスについて以下の評価(1)を行った。測定はガラス板B(物性測定用ガラス板)を用いて行った。
また、化学強化ガラスA〜Dについて以下の評価(2)を行った。結果を表1および表2に示す。
[評価方法]
評価(1)
(1−1)比重
比重はアルキメデス法で測定した。
(1−2)ガラス転移点(Tg)
ガラス転移点は、熱機械分析装置(TMA、ブルカー・エイエックスエス社製、TD5000SA)により測定した。
(1−3)高温粘性(T、T
粘度が10dPa・sとなる温度(T)、粘度が10dPa・sとなる温度(T)は回転式粘度計(モトヤマ製、GMシリーズ)を用いて測定した。
(1−4)CTE
CTEはJIS R 1618:2002に基づき、ガラス転移点(Tg)の測定と同時に熱膨張計(TMA、ブルカー・エイエックスエス社製、TD5000SA)を用いて5℃/分の昇温速度で測定し50〜350℃の平均線熱膨張係数を求めた。
(1−5)失透温度(T)および失透特性(Tid
失透温度は、ガラスを乳鉢で2mm程度のガラス粒に粉砕し、このガラス粒を白金ボートに並べて置き、温度傾斜炉中において10℃刻みで24時間熱処理した。結晶が析出しているガラス粒の温度の最高値を失透温度(T)とした。TとTから上記式(1)により失透特性(Tid)を算出した。
(1−6)コンパクション(C1)
上記の方法によりコンパクション(C1)を測定した。
評価(2)
(2−1)表面圧縮応力(CS)および表面圧縮応力層深さ(DOL)
化学強化ガラスA〜Dについて、CSおよびDOLを、折原製作所社製、表面応力計FSM−6000にて測定した。
(2−2)コンパクション(C2)
化学強化ガラスA、化学強化ガラスB、化学強化ガラスDについて上記の方法によりコンパクション(C2)を測定した。
Figure 2016002888
Figure 2016002888
表1および表2からわかるように、本発明に係る化学強化用ガラス、およびそれを化学強化処理して得られた化学強化ガラスは、コンパクション(C1)およびコンパクション(C2)が25ppm以下であって、ディスプレイ部材の製造工程における低温(150〜300℃)での熱処理においてコンパクションが小さく、ガラス板上の成膜パターニング時の位置ずれが生じ難いといえる。
また、本発明に係る化学強化用ガラスを化学強化処理して得られた化学強化ガラスは、冷却速度の速い成形方法で製造した場合においても、CS、DOLが充分であり、コンパクション(C1)およびコンパクション(C2)が25ppm以下である。かつ失透特性(Tid)も良好である。
比較例の化学強化用ガラスは、コンパクション(C1)または化学強化ガラスとした際のDOLが充分でない。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本発明の化学強化用ガラスは、これを化学強化処理にすることにより得られる本発明の化学強化ガラスについて、タッチパネルセンサを有する液晶ディスプレイ部材用ガラス板として好適である。さらに、タッチパネルセンサを有する他のディスプレイ用板、例えば、プラズマディスプレイパネル(PDP)、無機エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイ等に使用することができる。また、ビル住宅用の複層ガラスや太陽電池基板などにも利用することができる。

Claims (16)

  1. ガラス原料を溶融し冷却して得られる化学強化用ガラスであって、
    酸化物基準の質量百分率表示で、
    SiOを61〜75%、
    Alを2.5〜10%、
    MgOを6〜12%、
    CaOを0.1〜8%、
    NaOを14〜19%、
    Oを0〜1.8%含有する化学強化用ガラス。
  2. 前記NaOの含有量が酸化物基準のモル百分率表示で15.5%以下であって、
    ガラス転移点が580℃未満である請求項1記載の化学強化用ガラス。
  3. 前記NaOの含有量が酸化物基準のモル百分率表示で15.5%超である請求項1記載の化学強化用ガラス。
  4. 酸化物基準の質量百分率表示で、
    SiOを61〜75%、
    Alを3〜10%、
    MgOを6〜12%、
    CaOを0.4〜6%、
    NaOを15〜19%、
    Oを0〜1.1%含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  5. 酸化物基準の質量百分率表示で、
    SiOを61〜75%、
    Alを3〜10%、
    MgOを6〜12%、
    CaOを0.8〜5%、
    NaOを16〜19%、
    Oを0〜0.5%含有する請求項4に記載の化学強化用ガラス。
  6. 粘度が10d・Pa・sとなる温度(T)が1600℃以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  7. 下記方法で測定されるコンパクション(C1)が25ppm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
    (測定方法)
    試料(100mm×10mm×1mm)をガラス転移点+50℃まで加熱し、該温度で1分間保持後、降温速度50℃/分で室温まで冷却した後、光学顕微鏡で観察しながらビッカース硬さ試験機を用いて試料の表面に圧痕を長辺方向に2箇所、間隔A1(A1=90mm)で打つ。該圧痕付き試料を300℃まで昇温速度100℃/時(=1.6℃/分)で加熱し、300℃で1時間保持した後、降温速度100℃/時で室温まで冷却し、前記圧痕の間隔B1(mm)を光学顕微鏡により測定しコンパクション(C1)を、コンパクション(C1)[ppm]=(A1−B1)/A1×10で求める。
  8. 前記溶融後の冷却速度が30℃/分以上、300℃/分以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  9. 前記溶融後の冷却速度が50℃/分以上である請求項8に記載の化学強化用ガラス。
  10. さらに、酸化物基準の質量百分率表示で、BaOを0〜1%含有する請求項1〜9のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  11. さらに、酸化物基準の質量百分率表示で、Bを0〜2%含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  12. さらに、酸化物基準の質量百分率表示で、Feを0〜1%含有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  13. さらに、酸化物基準の質量百分率表示で、TiOを0〜1%含有する請求項1〜12のいずれか1項に記載の化学強化用ガラス。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の化学強化用ガラスを化学強化処理して得られる化学強化ガラス。
  15. 下記方法で測定されるコンパクション(C2)が25ppm以下である請求項14に記載の化学強化ガラス。
    (測定方法)
    試料(100mm×10mm×1mm)を準備し、光学顕微鏡で観察しながらビッカース硬さ試験機を用いて試料の表面に圧痕を長辺方向に2箇所、間隔A2(A2=90mm)で打つ。該圧痕付き試料を300℃まで昇温速度100℃/時(=1.6℃/分)で加熱し、300℃で1時間保持した後、降温速度100℃/時で室温まで冷却し、前記圧痕の間隔B2(mm)を光学顕微鏡により測定しコンパクション(C2)を、コンパクション(C2)[ppm]=(A2−B2)/A2×10で求める。
  16. 表面圧縮応力が300MPa以上である請求項14または15に記載の化学強化ガラス。
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