JPWO2015182706A1 - 水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルム及びその製造方法、並びに校正用標準フィルムセット及びそれを利用した校正方法 - Google Patents

水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルム及びその製造方法、並びに校正用標準フィルムセット及びそれを利用した校正方法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、専用の接続部を必要とせずに、多くの水蒸気透過度測定装置に適用可能であり、通常のフィルム状試料と同様の取付機構及び測定条件で校正可能な校正用標準試料を提供することである。また、本発明の目的は、複数の校正用標準試料を用いてWVTR値を補正することで、例えば貼り合わせに使用する接着材の物性に起因する水蒸気透過度の変化を相殺することが可能な校正用標準フィルムセット及び校正方法を提供することである。本発明に係る校正用標準フィルム10は、樹脂製フィルム11上にバリア層12を備え、バリア層12が少なくとも1個の小孔13を有し、10−3g/m2/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムであって、小孔13の円相当半径をR[μm]、樹脂製フィルム11の厚さをL[μm]としたとき、R/L≦5である。

Description

本発明は、ガスバリア性評価を実施するための水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルム及びその製造方法、並びに校正用標準フィルムセット及びそれを利用した校正方法に関する。
近年、有機エレクトロルミネッサンス(有機EL)素子又は有機薄膜太陽電池素子などの有機電子デバイス素子において、外部から侵入する微量の水蒸気・酸素などのガスは素子性能を低下させる要因と考えられており、侵入ガスの遮断を目的とした封止が一般的に施されている。また、素子のフレキシブル化を実現するため、従来のガラスではなく、高分子膜を基材としたバリアフィルムが素子基板又は封止材として利用されている。
有機EL及び有機薄膜太陽電池素子では、水蒸気透過度(Water vapor transmission rate:WVTR)が10−6〜10−3g/m/dayオーダのバリアフィルムが求められている。水蒸気透過度が10−6〜10−3g/m/dayオーダの高感度の水蒸気透過度測定装置・手法としては、API‐MS(Atmospheric Pressure Ionization−Mass Spectrometry)、DELTAPERM、Ca腐食法などが開発されている。しかし、高感度の測定においては、同一のフィルムであっても装置によって水蒸気透過度が異なる場合や、同一装置においても測定手法によって水蒸気透過度が異なる場合が見受けられるのが現状である。そこで、各水蒸気透過度測定装置間で共通して使用できる装置の校正用標準試料が必要である。
従来の装置の校正用標準試料として、装置の水蒸気検出ラインに校正用試料を接続するものが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。これは、ステンレス製の管体と、この管体の内部に充填された樹脂と、前記管体の両端部に水蒸気透過度測定装置に接続するための継手とを有することを特徴とする。
ところで、包装・容器のバリア層に関する文献であるが、バリア層に形成された孔の半径が基材フィルムの厚さに対して十分に大きい場合、孔の開口面積と水蒸気透過度とが比例関係となるが、孔の半径が小さくなるにしたがって、比例関係からずれてくることが知られている(例えば、非特許文献1を参照。)。
一方、樹脂製フィルム上に金属被膜のパターンを形成する方法として、リフトオフ法が知られている(例えば、特許文献2又は3を参照。)。
特開2012−103151号公報 特開昭62−5639号公報 特開昭62−211924号公報 特開2011−47855号公報
G. Rossi and M. Nulman, "Effect of local flaws in polymeric permeation reducing barriers", J. Appl. Phys. 74, pp.5471−5475 (1993).
特許文献1の従来法の校正用標準試料では、標準試料が管体であるため、フィルム状試料用の測定装置に取り付けるには専用の接続部を設ける必要がある。これまで、専用の接続部を必要とせずに、水蒸気透過度が10−6〜10−3g/m/dayオーダの高感度測定では標準となる校正用の試料は無く、校正方法が未確立である。このため、各種測定方法及び各種測定装置の水蒸気透過度の測定値に関して、測定値の信頼性及びトレーサビリティが確保されていないという課題がある。一般的に水蒸気透過度測定では、フィルム形状の試料を透過セルと呼ばれるチャンバ内に設置するため、取り付け機構又は方法の違いによる水蒸気透過度への影響が考えられる。これらの影響を含めた評価が可能な校正用試料が必要である。
従来、リフトオフ法は、特許文献2又は3のように、半導体素子又は磁気記憶素子などの作製への採用例が多く報告されている。これらの従来技術は、基材上にメッキの微細な構造物を形成する技術である。これまで、リフトオフ法を、基材上に設けたメッキ被膜に円相当半径が100μm未満の微細な開口部(小孔)を設けることに応用する例は報告されていない。
本発明の目的は、専用の接続部を必要とせずに、多くの水蒸気透過度測定装置に適用可能であり、通常のフィルム状試料と同様の取付機構及び測定条件で校正可能な校正用標準試料を提供することである。また、本発明の目的は、複数枚の校正用標準フィルムを組み合わせて用い、WVTR値を補正することで、例えばフィルムの貼り合わせに使用する接着材の物性に起因する水蒸気透過度の変化を相殺することが可能な校正用標準フィルムセット及び校正方法を提供することである。
また、本発明の目的は、メッキ層に微細でサイズ制御が可能な小孔を形成することができる校正用標準フィルムの製造方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明者は、水蒸気透過度測定装置の校正に用いる標準試料を、水蒸気透過度測定装置に取り付けられるフィルム形状であって、基材として樹脂製フィルム上に水蒸気を遮断するバリア層を形成したフィルムとし、バリア層だけに小口径の孔を設け、その小孔の個数を変化させて水蒸気透過度の線形性を確認することによって水蒸気透過度測定装置の校正を可能であることを見出した。すなわち、本発明に係る校正用標準フィルムは、樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムであって、前記小孔の円相当半径をR[μm]、前記樹脂製フィルムの厚さをL[μm]としたとき、R/L≦5であることを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムでは、前記樹脂製フィルムの厚さLが5〜500μmであることが好ましい。繰り返し耐久性が高く、試料の劣化による水蒸気透過度の変化が少ないことが期待でき、複数の装置間での比較が可能である。また、校正の精度をより高めることができる。
本発明に係る校正用標準フィルムでは、前記バリア層は、金属、金属酸化物若しくは酸化ケイ素の蒸着層、金属箔又はメッキ層であることが好ましい。水蒸気の遮断性をより高めて、校正の精度をより高めることができる。
本発明に係る校正用標準フィルムでは、前記小孔はエッチング、エレクトロフォーミング、レーザー加工又は研磨によって設けられることが好ましい。開口面積をより高精度に制御して、校正の精度をより高めることができる。
本発明に係る校正用標準フィルムは、前記小孔を複数個有し、前記各小孔の円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にあることが好ましい。
本発明に係る校正用標準フィルムでは、隣り合う小孔同士の縁における間隔は2L以上であることが好ましい。校正の精度をより高めることができる。
本発明に係る校正用標準フィルムセットは、本発明に係る校正用標準フィルムを複数枚備え、該複数枚の校正用標準フィルムは、被験面内に有する小孔の個数が相互に異なるフィルムの組み合わせであり、かつ、前記複数枚の校正用標準フィルムに設けられた各小孔の円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にあることを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムセットでは、前記複数枚の校正用標準フィルムのうち少なくとも1枚は、水蒸気透過度の絶対値が判明しているフィルムであることが好ましい。水蒸気透過度の値の増減の校正に加えて、絶対値の校正を行なうことができる。
本発明に係る校正方法は、本発明に係る校正用標準フィルムセットを用いたことを特徴とする校正方法であって、前記各校正用標準フィルムの水蒸気透過度を測定する工程と、前記各校正用標準フィルムの小孔の開口面積[m]と水蒸気透過度[g/m/day]とを両対数グラフ上にプロットする工程と、各プロットが傾き1±5%の直線上にあることを確認する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムの製造方法は、樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、前記樹脂製フィルムの表面上にシード層を設ける工程1bと、該シード層の表面上の小孔形成予定領域をレジストでマスキングする工程2bと、前記シード層の前記小孔形成予定領域以外の表面上にメッキ処理を施し、前記バリア層としてメッキ層を設ける工程3bと、前記小孔形成予定領域に設けられたレジスト及び該レジストの直下の前記シード層を除去する工程4bと、を有し、前記小孔の円相当半径が、100μm未満であることを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムの製造方法では、前記工程1bのシード層が、無電解メッキ層であることが好ましい。シード層をより確実に除去することができる。
本発明に係る校正用標準フィルムの製造方法は、樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、前記樹脂製フィルムの表面上の小孔形成領域をレジストでマスキングする工程1aと、該レジストの表面上及び該レジストの周囲の前記樹脂製フィルムの表面上にシード層を設ける工程2aと、前記レジストを、該レジストの表面上のシード層とともにリフトオフして除去する工程3aと、前記樹脂製フィルムの表面上に残った前記シード層の表面上にメッキ処理を施し、前記バリア層として小孔を有するメッキ層を設ける工程4aと、を有し、前記小孔の円相当半径が、100μm未満であることを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムの製造方法では、前記小孔の円相当半径をR[μm]、前記メッキ層の厚さをT[μm]としたとき、R/T<3であることが好ましい。水蒸気透過度がより小さい領域(例えば10−5g/m/day以下)での校正により適した校正用標準フィルムを得ることができる。
本発明は、専用の接続部を必要とせずに、多くの水蒸気透過度測定装置に適用可能であり、通常のフィルム状試料と同様の取付機構及び測定条件で校正可能な校正用標準試料を提供することができる。本発明は、複数枚の校正用標準フィルムを組み合わせて用い、WVTR値を補正することで、例えばフィルムの貼り合わせに使用する接着材の物性に起因する水蒸気透過度の変化を相殺することが可能な校正用標準フィルムセット及び校正方法を提供することができる。
本発明に係る校正用標準フィルムはフィルム形状のため、多くの水蒸気透過度測定装置に適用可能である。また、試料の設置方法や測定条件に関して、通常のフィルム測定と同条件での測定が可能である。通常のバリアフィルムに対して繰り返し耐久性が高いため、試料の劣化による水蒸気透過度の変化が少ないことが期待でき、複数の装置間での比較が可能である。バリアフィルムのピンホール等と比較して、小孔のサイズは大きく構造は単純であることから、測定時間の短縮も期待できる。本発明に係る校正用標準フィルムセット及び校正方法は、複数の試料によってWVTR値を補正するため、例えば貼り合わせに使用する接着材の物性に起因する水蒸気透過度の変化を相殺することが可能である。
また、本発明は、メッキ層に微細でサイズ制御が可能な小孔を形成することができる校正用標準フィルムの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る校正用標準試料の第一例の概略断面図である。 本実施形態に係る校正用標準試料の第一例のバリア層側から見た概略上面図である。 本実施形態に係る校正用標準試料の第二例の概略断面図である。 本実施形態に係る校正用標準試料の第二例のバリア層側から見た概略上面図である。 本実施形態に係る校正方法の一例を説明するための概略図である。 本実施形態に係る校正方法を説明するためのフロー図である。 実施例のグラフである。 第一実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法を説明するための図である。 第二実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法を説明するための図である。
次に、本発明について実施形態を示して詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
図1は、本実施形態に係る校正用標準試料の第一例の概略断面図である。図2は、本実施形態に係る校正用標準試料の第一例の概略上面図である。本実施形態に係る校正用標準フィルム10は、樹脂製フィルム11上にバリア層12を備え、バリア層12が少なくとも1個の小孔13を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムであって、小孔13の円相当半径をR[μm]、樹脂製フィルム11の厚さをL[μm]としたとき、R/L≦5である。なお本明細書において円相当半径とは等面積相当半径をいう。本明細書において、水蒸気透過度(WVTR)とは、定常状態における水蒸気透過度をいい、特に断りがない限り、JIS K 7129:2008「プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法)」又はISO 15106−5、−6、−7:2015「プラスチック‐フィルム及びシート‐水蒸気透過度測定方法」に準拠して求めた水蒸気透過度をいう。特に記載の無い場合は25℃及び相対湿度50%RHの条件とする。
樹脂製フィルム11は、バリア層12を保持する基材である。樹脂製フィルム11は、バリア層を保持することができればよく、特に限定されないが、有機材料、有機無機ハイブリッド材料であることが好ましい。樹脂製フィルム11は、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(Ny)、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのプラスチックフィルム、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルム(例えば、製品名Sila−DEC、チッソ社製)、更には前記プラスチックフィルムを2層以上積層してなる積層フィルムである。コストや入手の容易性の点では、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、PCTFE(Poly Chloro Tri Furuoro Ethylene)などが好ましく用いられる。また、光学的透明性、耐熱性、無機層との密着性の点においては、有機無機ハイブリッド構造を有するシルセスキオキサンを基本骨格とした耐熱透明フィルムが好ましく用いられる。本発明では、樹脂製フィルム11の熱膨張率は、特に限定されないが、バリア層12の熱膨張率と同一であるか、又はバリア層12の熱膨張率の80〜120%であることが好ましい。樹脂製フィルム11とバリア層12との熱膨張率を同一とするか又は差を小さくすることで、熱膨張又は熱収縮によって、樹脂製フィルム11とバリア層12とが剥離することを防止することができる。
樹脂製フィルム11の厚さL[μm]は、5〜500μmであることが好ましく、20〜300μmであることがより好ましく、50〜250μmであることが更に好ましい。樹脂製フィルム11の厚さが500μmを超えると小孔13の開口面積が大きくなりすぎて、小孔の開口面積と水蒸気透過度とが比例関係を満たさなくなる場合がある。樹脂製フィルム11の厚さが5μm未満では、繰り返し耐久性が不足する場合がある。取り扱い性の向上及び測定時の意図しないリークを予防できる点から、樹脂製フィルム11の厚さは20μm以上であることが好ましい。樹脂製フィルム11の厚さを前記範囲とすることで、繰り返し耐久性が高く、試料の劣化による水蒸気透過度の変化が少ないことが期待でき、複数の装置間での比較が可能となる。また、校正の精度をより高めることができる。
樹脂製フィルム11の形状及び寸法は校正を実施する測定装置の規格に合わせることが可能であり、例えば、外形を直径100mmの円形状とし、被験面を直径80〜90mmの円形状とした形態である。
バリア層12は、金属、金属酸化物若しくは酸化ケイ素の蒸着層、金属箔又はメッキ層であることが好ましい。水蒸気の遮断性をより高めて、校正の精度をより高めることができる。バリア層12は、樹脂製フィルム11のいずれか一方の表面の一部又は全体を被覆することが好ましい。バリア層12が樹脂製フィルム11のいずれか一方の表面の一部を被覆する形態は、例えば、バリア層12が少なくとも校正用標準フィルムの被験面となる領域だけに設けられ、装置への取り付けシロとなる領域には設けない形態である。より好ましくは、バリア層12は、樹脂製フィルム11のいずれか一方の表面の全体を被覆することが好ましい。
バリア層12が蒸着層であるとき、蒸着層は、例えば物理蒸着法又は化学蒸着法で形成する。金属は、例えば、アルミニウム、クロム、亜鉛、金、銀、銅、ニッケル、チタンである。金属酸化物は、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素である。蒸着層の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。本発明は、蒸着法、蒸着層の材質及び厚さに限定されない。
バリア層12が金属箔であるとき、金属箔は、例えば、アルミニウム箔、銅箔である。金属箔の厚さは、繰り返し耐久性を考慮して、10〜50μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。本発明は、金属箔の材質及び厚さに限定されない。バリア層12が金属箔であるとき、金属箔は、樹脂製フィルム11に、例えば接着剤を用いて貼り合わされる。
バリア層12がメッキ層であるとき、メッキ層は、例えば電気メッキ法、無電解メッキ法又は溶融亜鉛メッキ法で形成する。メッキの種類は、例えば、金、銀、銅、亜鉛、錫、クロム、ニッケル、チタンである。メッキ層の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。本発明は、メッキ法、メッキ層の材質及び厚さに限定されない。
小孔13は、バリア層12を貫通する貫通孔である。小孔13の形状は、バリア層12の樹脂製フィルム11側とは反対側の表面を平面視したとき、例えば、円状、楕円状、三角形状、四角形状などの多角形状であり、円状であることが好ましく、真円状であることがより好ましい。
小孔13は、バリア層12の表面のうち被験面となる領域に設けられる。被験面となる領域は、例えば、バリア層12の中央部である。
小孔13は、エッチング、エレクトロフォーミング、レーザー加工又は研磨によって設けられることが好ましい。バリア層12が蒸着層である場合、小孔13は、ウェット又はドライエッチングによる加工が適用可能である。バリア層12が金属箔である場合、小孔13は、ウェット又はドライエッチングによる加工が適用可能である。このとき、金属箔に小孔13を形成後、金属箔を樹脂製フィルム11に貼り合わせるか、又は金属箔を樹脂製フィルム11に貼り合わせた後に、小孔13を形成してもよい。バリア層12がメッキ層である場合、小孔13はエレクトロフォーミングによる加工が適している。このとき、樹脂製フィルム11の小孔13を設けようとする部分にマスクを施し、エレクトロフォーミングによってメッキ層を形成することで、小孔13が形成される。
小孔13の個数は、測定装置の感度、必要とされる水蒸気透過度に応じて任意であり、1個とするか、又は複数個としてもよい。小孔の個数の上限は特に限定されないが、例えば100個以下であることが好ましく、50個以下であることがより好ましく、10個以下であることがより好ましく、5個以下であることが特に好ましい。図1、図2では第一例として小孔13が1個である形態を示した。図3、図4では第二例として小孔23が25個である形態を示した。
図3、図4に示すように、小孔23を複数個有する場合、隣り合う小孔23同士の縁における間隔は2L以上であることが好ましい。本明細書では、隣り合う小孔23同士の縁における間隔とは、隣り合う小孔23の外周縁同士の最短距離をいう。小孔23同士の間隔が2L未満であると、定常状態での小孔付近の水蒸気濃度分布が互いに干渉し水蒸気透過度が変動する場合がある。隣り合う小孔23同士の間隔は3L以上であることがより好ましい。隣り合う小孔23同士の間隔の上限は、特に限定されないが、被験面内の中央部に均等に分布していることが好ましい。
小孔13の円相当半径R[μm]は、樹脂製フィルム11の厚さL[μm]に応じて適宜選択される。例えば、樹脂製フィルム11の厚さLが100μmであるとき、小孔13の円相当半径Rは500μm(0.5mm)以下であることが好ましく、400μm(0.4mm)以下であることがより好ましい。小孔13の円相当半径Rの下限は、加工が可能であれば特に限定されないが、例えば、0.01μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。本明細書において、小孔13の円相当半径とは、小孔13の個数が1個であるとき、当該小孔の円相当半径をいい、小孔13の個数が複数個であるとき、各小孔13の円相当半径をいう。また、小孔13の個数が複数個であるとき、各小孔13の円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にあることが好ましい。より好ましくは75%以上の範囲内にあり、特に好ましくは80%以上の範囲内にある。また、小孔13の開口面積とは、バリア層12の樹脂製フィルム11側の表面における小孔13の開口部の面積をいう。すなわち、小孔13の開口面積とは、樹脂製フィルム11の被験面となる表面のうちバリア層12で被覆されていない部分の面積と言い換えることができる。小孔23の個数が複数個であるとき、小孔23の開口面積は、複数個の小孔23の面積の合計である。
小孔13の円相当半径R[μm]及び樹脂製フィルム11の厚さL[μm]は、R/L≦5を満たす。非特許文献1の式(13)には、バリア層に形成された孔の半径が基材フィルムの厚さに対して十分に小さい場合、Q(L,R)=4DRΦ(非特許文献1において、Qは小孔における流束、Lは基材の厚さ、Rは孔の半径、Dは透過拡散係数、Φは平衡濃度)と記載され、非特許文献1の式(15)には、バリア層に形成された孔の半径が基材フィルムの厚さに対して十分に大きい場合、Q(L,R)=D(πR/L)Φと記載されている。そうすると、式(13)と式(15)とが交差するのは、4DRΦ=D(πR/L)Φとすると、R/L=4/π(≒1.27)の時と考えられる。このため、R/Lが4/π以上では式(15)に当てはまることが予想される。しかし、非特許文献1のFIG.4を見ると、R/Lが小さくなるにしたがってプロットが式(15)のグラフからずれている。プロットが式(15)のグラフからずれ始めるのは、R/L=5付近である。このことから、R/L≦5であると小孔13の開口面積と水蒸気透過度とが比例関係からずれてくるため、孔の開口面積を変化させることで校正を行うことはできない。そこで、本発明者は、同じ面積を有する小孔13の個数を変化させた校正用標準フィルム10、20を複数枚組み合わせることで、R/L≦5の範囲であっても校正を行うことができることを見出した。本実施形態では、R/L≦3であることがより好ましく、R/L≦2であることが特に好ましい。
本実施形態に係る校正用標準フィルムは、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムである。より好ましくは10−4g/m/day以下である。例えば、樹脂製フィルム11として外形が直径100mmφ、被験面が直径80mmφ、厚さ100μmのPETフィルムにバリア層12として直径0.1mm(半径50μm)の小孔13を1個設けた厚さ30μmのアルミニウム箔を貼り合わせた校正用標準フィルム10を用いた場合、温度40℃及び相対湿度90%RHの条件で、WVTRは4×10−5〜7×10−5g/m/dayである。WVTRが10−4g/m/day以下の校正を行なう方法としては、例えば、校正用標準フィルムの被験面の面積を大きく(例えば直径264mmφ以上)する方法、樹脂製フィルムとして水蒸気透過度の高いフィルム(例えばPCTFE)を用いる方法、小孔の円相当半径を小さく(例えば20μm以下)する方法がある。
本実施形態に係る校正用標準フィルムセットは、本実施形態に係る校正用標準フィルム10、20を複数枚備え、複数枚の校正用標準フィルム10、20は、被験面内に有する小孔12、23の個数が相互に異なるフィルムの組み合わせであり、かつ、複数枚の校正用標準フィルム10、20に設けられた各小孔13、23の円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にある。ここで、円相当半径の最小値・最大値とは、校正用標準フィルムセットの全フィルムの小孔を対象としている。そして、校正用標準フィルムセットの全フィルムの小孔を対象として、円相当半径の最小値と最大値とを求めたとき、円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にあることをいう。校正用標準フィルム10、20の枚数は、特に限定されないが、2〜20枚であることが好ましく、5〜10枚であることがより好ましい。
複数枚の校正用標準フィルム10、20は、例えば、小孔13の個数がn個(ただし、nは1以上の整数である。)である第1フィルム10と、小孔23の個数がm個(ただし、mはnより大きい整数である。)である第2フィルム20とを含むことが好ましい。第1フィルム10は、例えば、図1、図2に示す校正用標準フィルムである。図1、図2では、一例として小孔13の個数を1個としているが、小孔13の個数nは、これに限定されず、2個以上としてもよい。第2フィルム20は、例えば、図3、図4に示す校正用標準フィルムである。図3、図4では、一例として小孔23の個数を25個としているが、小孔23の個数mは、第1フィルム10の小孔13の個数nよりも大きい整数であればよく、本発明はこれに限定されない。
本実施形態に係る校正用標準フィルムセットでは、複数枚の校正用標準フィルム10、20のうち少なくとも1枚は、水蒸気透過度の絶対値が判明しているフィルムであることが好ましい。水蒸気透過度の絶対値が判明しているフィルムとは、校正用標準フィルムであって、予め校正がなされた測定装置で水蒸気透過度の絶対値を測定したフィルムをいい、例えば、小孔23が複数個であり、小孔23の開口面積(各小孔23の開口部の面積の合計)を有する1個の仮想孔を想定したとき、仮想孔の円相当半径XがX/L≧5.75となるフィルムである。
次に、本実施形態に係る校正用標準フィルムセットを用いた校正方法を説明する。図5は、本実施形態に係る校正方法の一例を説明するための概略図である。図5を参照して、校正用標準フィルムセットが、校正用標準フィルムとして第1フィルム10及び第2フィルム20を含む場合を例にとって本実施形態に係る校正用標準フィルムセットを用いた校正方法を説明する。本実施形態に係る校正方法は、各校正用標準フィルム10、20の水蒸気透過度を測定する工程と、各校正用標準フィルム10、20の小孔の開口面積[m]と水蒸気透過度[g/m/day]とを両対数グラフ上にプロットする工程と、各プロットが傾き1±5%の直線上にあることを確認する工程と、を含む。より具体的には、図5に示すように、小孔の開口面積と水蒸気透過度との両対数グラフ上に、第1フィルム10のプロット10、第2フィルム20のプロット20をし、プロット10及びプロット20を結んだ線g1を引く。第1フィルム10及び第2フィルム20の水蒸気透過度(WVTR10、WVTR20)が開口面積(S10、S20)に対して比例関係(各プロットが傾き1±5%(傾きが0.95〜1.05の範囲)の直線上にある)になっていることを確認する。±5%は傾き1に対する測定誤差の許容範囲である。
図5のグラフg2に示すように、R/L>5では孔の開口面積と水蒸気透過度とが比例関係にあるが、図5のグラフg3に示すように、R/L≦5であると小孔13の開口面積と水蒸気透過度とが比例関係からずれてくるため、開口面積から水蒸気透過度を算出することは困難である。第一実施形態に係る校正用標準フィルムセットは、R/L≦5を満たす小口径の小孔13の個数を変化させることで小孔13の開口面積を変化させているため、校正用標準フィルムの小孔13の開口面積と校正用標準フィルムの水蒸気透過度とが、図5のグラフg1に示すように、両対数グラフにおいて傾き1±5%の比例関係を有する。この操作によって、装置において、水蒸気透過度の増減に対して、検出値も正しく増減することが確認できる。さらに、水蒸気透過度の絶対値が判明しているフィルムを含むことで、水蒸気透過度の値の増減の校正に加えて、絶対値の校正を行なうことができる。
図6は、本実施形態に係る校正方法を説明するためのフロー図である。本実施形態に係る校正方法では、図6に示すように、第1フィルム10の水蒸気透過度WVTR10及び第2フィルム20の水蒸気透過度WVTR20を測定し、数1を満たすことを確認してもよい。
Figure 2015182706
小孔の円相当半径Rが樹脂製フィルムの厚さLに対して十分に小さいとき(例えばR/L≦0.4であるとき)は、1個の小孔の円相当半径を変化させたフィルムを複数枚用意し、小孔の開口面積と水蒸気透過度とが、両対数グラフで傾きが1/2±5%となることを確認することで校正を行なってもよい。
次に、本実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法の例について説明する。ここで説明する製造方法は、リフトオフ法を応用した方法(第一実施形態)及びエッチング法を利用した方法(第二実施形態)である。第一実施形態及び第二実施形態に係る製造方法は、小孔の円相当半径を100μm未満としたい場合に特に有効である。小孔の円相当半径は50μm以下であることがより好ましい。小孔の円相当半径の下限は、加工が可能であれば特に限定されないが、例えば、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
まず、第一実施形態について説明する。第一実施形態の方法が、従来のリフトオフ法と異なる点は、従来のリフトオフ法は、基材上にメッキの微細な構造物を形成するのに対して、第一実施形態の方法は、基材上に設けたメッキ被膜に円相当半径が100μm未満の微細な開口部(小孔)を設ける点である。
図8は、第一実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法を説明するための図である。第一実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法は、樹脂製フィルム31上にバリア層32を備え、バリア層32が少なくとも1個の小孔33を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、樹脂製フィルム31の表面上の小孔形成領域33aをレジスト34でマスキングする工程1a(マスキング工程)と、レジスト34の表面上及びレジスト34の周囲の樹脂製フィルム31の表面上にシード層35(35a,35b)を設ける工程2a(シード層形成工程)と、レジスト34を、レジスト34の表面上のシード層35bとともにリフトオフして除去する工程3a(リフトオフ工程)と、樹脂製フィルム31の表面上に残ったシード層35aの表面上にメッキ処理を施し、バリア層32として小孔33を有するメッキ層を設ける工程4a(メッキ処理工程)と、を有し、小孔33の円相当半径が、100μm未満である。
工程1a(マスキング工程)について説明する。レジスト34のパターンは、例えばフォトリソグラフィの技術を用いて形成される。レジスト34のパターンは、形成予定の小孔33のサイズ、形状及び個数に応じて適宜設計される。例えば、円相当半径が50μmの小孔33を形成しようとする場合、レジスト34のパターンを、半径50μm、高さ(厚さ)30μm以上の円柱形状とすることが好ましい。また、複数個(例えばn個(nは2以上の整数)の小孔33を設ける場合は、レジスト34のパターンをn個設ける。
工程2a(シード層形成工程)について説明する。シード層35(35a,35b)は、レジスト34上及びレジスト34の周囲の樹脂製フィルム31上に形成される。シード層35の形成方法は、特に限定されないが、例えばイオンプレーティング法、スパッタリング法または無電解メッキ法である。シード層35の厚さは、特に限定されないが、0.1〜0.5μmであることが好ましい。また、シード層35は1層構造であるか、又は積層構造であってもよい。シード層35を積層構造とする場合の具体例としては、樹脂製フィルム31側から順に、Tiからなる層及びCuからなる層が配置された2層構造である。本発明はこの構造に限定されない。
工程3a(リフトオフ工程)について説明する。リフトオフ工程では、例えばレジスト剥離液を用いてレジスト34を溶解又は膨張させて除去するとともに、レジスト34上に形成されたシード層35bを同時に除去する。リフトオフ工程によって、小孔形成領域33aに開口を有するシード層35aが、樹脂製フィルム31上に積層された積層体が得られる。
工程4a(メッキ処理工程)について説明する。メッキ処理工程では、リフトオフ工程で得られた積層体にメッキ処理を施す。バリア層(メッキ層)32は、導電性のシード層35a上だけに形成され、絶縁性の樹脂性フィルム31が露出した小孔形成領域33aには形成されない。そして、小孔33を有するメッキ層32が、シード層35aを介在させて樹脂製フィルム31上に積層された小孔付きメッキ樹脂フィルム(本実施形態に係る校正用標準フィルム)30が得られる。メッキ層32の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜20μmであることがより好ましい。メッキ処理は、1回の処理で所望の厚さのメッキ層32を形成するか、又は2回以上の処理で所望の厚さのメッキ層32を形成してもよい。本実施形態では、メッキ処理を2回以上行うことが好ましい。これによって、メッキ層32をより緻密にして、バリア性をより高めることができる。
第一実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法では、マスキング工程の前に、樹脂製フィルム31のメッキ層32を設ける側の表面を洗浄する洗浄工程を有することが好ましい。洗浄工程は、アセトン、エタノール、イソプロピルアルコール等の有機溶媒を使用して、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを拭きあげる。洗浄工程を行うことで、シード層35をより均一に形成することができ、メッキ層32の小孔33以外の部分に意図しないピンホールが生じることを防止することができる。
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態の方法が、従来のエッチング法と異なる点は、従来のエッチング法は、基材上にメッキの微細な構造物を形成するのに対して、第二実施形態の方法は、基材上に設けたメッキ被膜に円相当半径が100μm未満の微細な開口部(小孔)を設ける点である。微細な開口部(小孔)を設けるために、第二実施形態に係る製造方法は、従来のエッチング法に比べて、エッチングの難易度が上がり、エッチングしやすい素材を使用する又は温度条件などエッチング条件を最適化するなどの工夫が必要になる。
図9は、第二実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法を説明するための図である。第二実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法は、樹脂製フィルム41上にバリア層42を備え、バリア層42が少なくとも1個の小孔43を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、樹脂製フィルム41の表面上にシード層45を設ける工程1b(シード層形成工程)と、シード層45の表面上の小孔形成予定領域43aをレジスト44でマスキングする工程2b(マスキング工程)と、シード層45の小孔形成予定領域43a以外の表面上にメッキ処理を施し、バリア層42としてメッキ層を設ける工程3b(メッキ処理工程)と、小孔形成予定領域43aに設けられたレジスト44及びレジスト44の直下のシード層45を除去する工程4b(除去工程)と、を有し、小孔43の円相当半径が、100μm未満である。
工程1b(シード層形成工程)について説明する。シード層45は、樹脂製フィルム41の表面上に形成される。シード層45の形成方法、厚さ及び構造は、工程2aと同様である。第二実施形態では、シード層45が、無電解メッキ層であることが好ましい。無電解メッキ層は、例えば、無電解ニッケルメッキ層又は無電解銅メッキ層であり、無電解銅メッキ層であることがより好ましい。後に行う工程4b(除去工程)において、シード層45をより確実に除去することができる。
工程2b(マスキング工程)について説明する。レジスト44は、シード層45の表面上の小孔形成予定領域43aに形成される。レジスト44の形成方法及びパターンは、工程1aと同様である。
工程3b(メッキ処理工程)について説明する。メッキ層42は、レジスト44の周囲のシード層45上に形成される。メッキ処理の方法及びメッキ層42の厚さは、工程4aと同様である。
工程4b(除去工程)について説明する。除去工程は、小孔形成予定領域43aに設けられたレジスト44を除去する工程4b1と、工程4b1で除去したレジスト44の直下にあったシード層45を除去する工程4b2とを順次有する。
工程4b1において、レジスト44は、例えばレジスト剥離液を用いて溶解又は膨潤させて除去する。
工程4b2では、工程4b1でレジスト44を除去することによって露出したシード層45を除去する。工程4b2において、シード層45は、エッチングで除去することが好ましい。エッチングは、ウェットエッチングであるか、又はドライエッチングであってもよい。ウェットエッチングであるとき、エッチング液は、シード層45のうちCu層のエッチングには、塩化第二鉄液又は塩化第二銅液などを用いることが好ましい。より好ましくは、塩化第二鉄液である。塩化第二鉄の濃度は、通常10〜45質量%、より好ましくは30〜40質量%である。シード層45のうちTi層のエッチングには、熱硫酸、熱硝酸、フッ酸系エッチング溶液又は過酸化水素系エッチング液などを用いることが好ましい。より好ましくは、過酸化水素系エッチング液である。Ti層のエッチング時におけるエッチング液の温度は、30℃以上であることが好ましく、40℃以上であることがより好ましい。エッチングを高温で行うことで、シード層45をより確実に除去することができる。
第一及び第二実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法では、小孔33,43の円相当半径をR[μm]、メッキ層32,42の厚さをT[μm]としたとき、R/T<3であることが好ましい。水蒸気透過度がより小さい領域(例えば10−5g/m/day以下)での校正により適した校正用標準フィルムとして利用することができる。R/Tはより好ましくは1未満である。R/Tの下限は、特に限定されないが、0.001以上であることが好ましく、0.01以上であることがより好ましい。
第一及び第二実施形態に係る製造方法では、メッキ層32,42に円相当半径が100μm未満の微細な小孔33,43を加工することが可能である。また、形成されるメッキ層32は、実質的に水蒸気又は酸素などのガスを遮断する。ここで、実質的に水蒸気を遮断するとは、メッキ層32,42の小孔33,43を含まない部分の水蒸気透過度(WVTR)が10−6g/m/day未満であることをいう。また、実質的に酸素を遮断するとは、メッキ層32,42の小孔33,43を含まない部分の酸素透過度(Oxygen transmission rate:OTR)が10−3cm/m/day未満であることをいう。ここで、酸素透過度(OTR)とは、JIS K 7126−1又は−2:2006「プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法」に準拠して温度23℃の条件で求めた値である。そして、得られる校正用標準フィルム30,40は、メッキ層32,42によって水蒸気又は酸素などのガスを実質的に遮断し、小孔33,43のサイズ制御によって水蒸気又は酸素などのガス透過量を制御することができる。
このような特性を利用して、本実施形態に係る製造方法で得られる校正用標準フィルムは、水蒸気透過度測定装置の校正用途の他に、例えば、ガス流量フィルターとして用いることができる。ガス流量フィルターは、例えば、特許文献4に記載された「微小孔フィルター」のように、標準混合ガスを真空容器に導入する時に圧力条件によって流量が一意に定まるフィルターである。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実験例1−1)
(校正用標準フィルムの作製)
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを樹脂製フィルムとし、厚さ30μmのアルミニウム箔をバリア層として接着材を用いて貼り合わせたフィルムを校正用標準フィルムAとした。校正用標準フィルムのバリア層には、円形状の小孔をウェットエッチングによって1個設けた。校正用標準フィルムAの小孔の開口面積を表1に、円相当半径を表2に示す。なお、小孔の開口面積測定位置は、バリア層の最下部(すなわち、バリア層の樹脂製フィルム側の表面であって、本実験例では接着材露出面)とした。このときの水蒸気透過度は、温度40℃及び相対湿度90%RHの条件で、約1×10−4g/m/dayであった。
(校正用標準フィルムセットの作製)
校正用標準フィルム(補正用多穴試料)は円形状の小孔を2個、5個、10個設けた3種類のフィルムを作製し、それぞれ校正用標準フィルムB,C,Dとした。これらのフィルムを校正用標準フィルムAと合わせて校正用標準フィルムセットとした。校正用標準フィルムB,C,Dの小孔の開口面積を表1に、円相当半径を表2に示す。
Figure 2015182706
Figure 2015182706
(WVTRの測定)
各校正用標準フィルムについて、API−MS又はCRDS(Cavity Ring Down Spectroscopy)を検出器として使用した水蒸気透過度測定装置によってWVTRを測定した。測定条件は温度40℃、水蒸気供給側の相対湿度90%とした。校正用標準フィルムA〜Dについて水蒸気透過度と開口面積とをプロットしたグラフg4を図7に示す。図7に示すように、小孔を1個、2個、5個、10個と変化させた校正用標準フィルムでは傾きが0.97であり、傾き1に対して誤差±5%の範囲内で水蒸気透過度と開口面積の比例関係を確認した。また、本校正用標準フィルムを使用することによって約1×10−4g/m/dayまでの水蒸気透過度の校正が確立した。
(確認評価)
R/Lと、水蒸気透過度及び小孔の開口面積の比例関係との関係を確認した。厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを樹脂製フィルムとし、厚さ30μmのアルミニウム箔をバリア層として接着材を用いて貼り合わせ、バリア層に円形状の大孔を1個ずつ設けた6種類の試料を用意した。各フィルムの大孔の円相当半径は、それぞれ116.79μm、209.14μm、575.08μm、988.45μm、2468.59μm、4821.95μmであった。この6種類の試料についてWVTRを測定した。測定条件は温度40℃、水蒸気供給側の相対湿度90%とした。大孔を1個ずつ設けた6種類のフィルムについて水蒸気透過度と開口面積とをプロットしたグラフg5を図7に示す。図7に示すように、開口面積が大きい領域では水蒸気透過度と開口面積とが両対数グラフにおいて傾き1±5%の比例関係があること、開口面積が小さくなると両対数グラフにおいて傾き1±5%の比例関係からずれてくることが確認された。さらに、R/L≦5では、比例関係がずれてくることが確認された。比例関係がずれてくるのは基材の樹脂フィルムの材質に拘わらずR/Lで決まる。
(実験例1−2)
校正用標準フィルムAの作製において、レジストに設ける開口部の半径を50μmとしてウェットエッチングを行った以外は校正用標準フィルムAと同様にして校正用標準フィルムを得た。得られた校正用標準フィルムの小孔を含む表面領域を、レーザー顕微鏡を用いて倍率1080倍で観察したところ、小孔の開口面積は、7.5928×10−9であり、円相当半径は49.16μmであった。小孔の開口面積測定位置は、実験例1−1と同様とした。また、この校正用標準フィルムの水蒸気透過度は温度40℃及び相対湿度90%RHの条件で、約6×10−5g/m/dayであった。
(実験例2)
第一実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法で、校正用標準フィルムを作製した。
(マスキング工程)
まず、樹脂製フィルムとして厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、半径50μm、高さ56μmの円柱形のレジストパターンを形成した。具体的には、フィルムタイプのフォトレジストを貼り付け、開口部をパターニングしたマスクを通した紫外光を、露光装置を用いて照射した。水酸化ナトリウム水溶液を用いて、未露光部分を溶解することでマスキングした。
(シード層形成工程)
マスキング工程で得たレジストパターンが形成された樹脂性フィルム上に、樹脂製フィルム側から順に、Tiからなる層(厚さ0.1μm)及びCuからなる層(厚さ0.3μm)が配置された2層構造のシード層を形成した。具体的にはイオンプレーティング装置内に蒸着材(Ti(純度99.9%)、Cu(純度99.99%))および樹脂製フィルムを入れ、10−3〜10−4Pa程度の高真空状態にした後、Arガスを導入した。その後、電子銃にて蒸着材を加熱し、樹脂製フィルムにバイアス電圧を印加し、Ti(成膜レート0.1nm/sec)、Cu(成膜レート1nm/sec)の順に成膜した。
(リフトオフ工程)
レジストを、レジスト上のシード層とともにリフトオフして除去した。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬することでレジストを溶解又は膨張させて除去した。レジスト上に形成されたシード層は上記工程において同時に除去された。
(メッキ処理工程)
リフトオフ工程で得られた積層体のシード層上にメッキ処理を施してCuからなるメッキ層(厚さ20μm)を形成して校正用標準フィルムを得た。具体的には、硫酸銅メッキ浴を使用し、処理条件は室温で電流値:1.5A/dmで、処理時間は60分とした。
得られた校正用標準フィルムの小孔を含む表面領域を、レーザー顕微鏡を用いて倍率1080倍で観察したところ、小孔の開口面積は4.8509×10−9であり、円相当半径は39.29μmであった。小孔の開口面積測定位置はバリア層の最下部(すなわち、バリア層の樹脂製フィルム側の表面であって、本実験例では樹脂製フィルム露出面)とした。実験例2の結果から、第一実施形態に係る製造方法は、より微細な孔加工が可能であることが確認できた。また、校正用標準フィルムの水蒸気透過度は温度40℃及び相対湿度90%RHの条件で、約2×10−5g/m/dayであった。この校正用標準フィルムを使用することによって、約1×10−5g/m/dayまでの水蒸気透過度の校正を行うことができる。
(実験例3−1)
第二実施形態に係る校正用標準フィルムの製造方法で、校正用標準フィルムを作製した。
(シード層形成工程)
マスキング工程で得たレジストパターンが形成された樹脂性フィルム上に、樹脂製フィルム側から順に、Tiからなる層(厚さ0.1μm)及びCuからなる層(厚さ0.3μm)が配置された2層構造のシード層を形成した。具体的にはイオンプレーティング装置内に蒸着材(Ti(純度99.9%)、Cu(純度99.99%))および樹脂製フィルムを入れ、10−3〜10−4Pa程度の高真空状態にした後、Arガスを導入した。その後、電子銃にて蒸着材を加熱し、樹脂製フィルムにバイアス電圧を印加し、Ti(成膜レート0.1nm/sec)、Cu(成膜レート1nm/sec)の順に成膜した。
(マスキング工程)
シード層上に、フォトリソグラフィ技術を用いて、半径50μm、高さ56μmの円柱形のレジストパターンを形成した。具体的には、フィルムタイプのフォトレジストを貼り付け、開口部をパターニングしたマスクを通した紫外光を、露光装置を用いて照射した。水酸化ナトリウム水溶液を用いて、未露光部分を溶解することでマスキングした。
(メッキ処理工程)
シード層上にメッキ処理を施してCuからなるメッキ層(厚さ20μm)を形成した。具体的には、硫酸銅メッキ浴を使用し、処理条件は室温で電流値:1.5A/dmで、処理時間は60分とした。
(除去工程−レジストの除去)
小孔形成領域に形成されたレジストを除去した。具体的には、水酸化ナトリウム水溶液中に、浸漬することでレジストを溶解又は膨張させて除去した。
(除去工程−シード層の除去)
レジストの除去で露出したシード層をエッチングで除去した。具体的には、常温で40質量%の塩化第二鉄液に1分間浸漬することで、Cu層をエッチングした。その後、50℃に加熱した過酸化水素エッチング液(ADEKA社製、アデカテックW)に5分間浸漬することで、Ti層をエッチングした。
実験例3−1で得られた校正用標準フィルムの小孔を含む表面領域を、レーザー顕微鏡を用いて倍率1080倍で観察したところ、小孔の開口面積は、8.4553×10−9であり、円相当半径は51.88μmであった。小孔の開口面積測定位置は、実験例2と同様とした。また、実験例3−1で得られた校正用標準フィルムの水蒸気透過度は温度40℃及び相対湿度90%RHの条件で、約4×10−5g/m/dayであった。
(実験例3−2)
実験例3−1のマスキング工程において、レジストパターンを、半径10μm、高さ30μmの円柱形のレジストパターンに変更した以外は、実験例3−1と同様にして校正用標準フィルムを得た。
実験例3−2で得られた校正用標準フィルムの小孔を含む表面領域を、レーザー顕微鏡を用いて倍率2160倍で観察したところ、小孔の開口面積は2.49×10−11であり、円相当半径は2.82μmであった。小孔の開口面積測定位置は、実験例2と同様とした。また、実験例3−2で得られた校正用標準フィルムの水蒸気透過度は温度40℃及び相対湿度90%RHの条件で、約3×10−6g/m/dayであった。
実験例3−1及び実験例3−2の結果から、第二実施形態に係る製造方法は、より微細な孔加工が可能であり、約1×10−5g/m/day以下の水蒸気透過度の校正を行うことができる校正用標準フィルムが得られることが確認できた。
10 校正用標準フィルム
11 基材
12 バリア層
13 小孔
20 校正用標準フィルム(補正用多穴試料)
21 基材
22 バリア層
23 小孔
30,40 校正用標準フィルム
31,41 樹脂製フィルム
32,42 バリア層(メッキ層)
33,43 小孔
33a,43a 小孔形成領域
34,44 レジスト
35(35a,35b),45 シード層
上記目的を達成するために、本発明者は、水蒸気透過度測定装置の校正に用いる標準試料を、水蒸気透過度測定装置に取り付けられるフィルム形状であって、基材として樹脂製フィルム上に水蒸気を遮断するバリア層を形成したフィルムとし、バリア層だけに小口径の孔を設け、その小孔の個数を変化させて水蒸気透過度の線形性を確認することによって水蒸気透過度測定装置の校正を可能であることを見出した。すなわち、本発明に係る校正用標準フィルムは、樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10 −6 g/m /day以上10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムであって、前記小孔の円相当半径をR[μm]、前記樹脂製フィルムの厚さをL[μm]としたとき、R/L≦5であることを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムの製造方法は、樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10 −6 g/m /day以上10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、前記樹脂製フィルムの表面上にシード層を設ける工程1bと、該シード層の表面上の小孔形成予定領域をレジストでマスキングする工程2bと、前記シード層の前記小孔形成予定領域以外の表面上にメッキ処理を施し、前記バリア層としてメッキ層を設ける工程3bと、前記小孔形成予定領域に設けられたレジスト及び該レジストの直下の前記シード層を除去する工程4bと、を有し、前記小孔の円相当半径が、100μm未満であることを特徴とする。
本発明に係る校正用標準フィルムの製造方法は、樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10 −6 g/m /day以上10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、前記樹脂製フィルムの表面上の小孔形成領域をレジストでマスキングする工程1aと、該レジストの表面上及び該レジストの周囲の前記樹脂製フィルムの表面上にシード層を設ける工程2aと、前記レジストを、該レジストの表面上のシード層とともにリフトオフして除去する工程3aと、前記樹脂製フィルムの表面上に残った前記シード層の表面上にメッキ処理を施し、前記バリア層として小孔を有するメッキ層を設ける工程4aと、を有し、前記小孔の円相当半径が、100μm未満であることを特徴とする。

Claims (13)

  1. 樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムであって、
    前記小孔の円相当半径をR[μm]、前記樹脂製フィルムの厚さをL[μm]としたとき、R/L≦5であることを特徴とする校正用標準フィルム。
  2. 前記樹脂製フィルムの厚さLが5〜500μmであることを特徴とする請求項1に記載の校正用標準フィルム。
  3. 前記バリア層は、金属、金属酸化物若しくは酸化ケイ素の蒸着層、金属箔又はメッキ層であることを特徴とする請求項1又は2記載の校正用標準フィルム。
  4. 前記小孔はエッチング、エレクトロフォーミング、レーザー加工又は研磨によって設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つ記載の校正用標準フィルム。
  5. 前記小孔を複数個有し、前記各小孔の円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の校正用標準フィルム。
  6. 隣り合う小孔同士の縁における間隔は2L以上であることを特徴とする請求項5に記載の校正用標準フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一つに記載の校正用標準フィルムを複数枚備え、
    該複数枚の校正用標準フィルムは、被験面内に有する小孔の個数が相互に異なるフィルムの組み合わせであり、かつ、前記複数枚の校正用標準フィルムに設けられた各小孔の円相当半径のうち最小値が最大値の70%以上の範囲にあることを特徴とする校正用標準フィルムセット。
  8. 前記複数枚の校正用標準フィルムのうち少なくとも1枚は、水蒸気透過度の絶対値が判明しているフィルムであることを特徴とする請求項7に記載の校正用標準フィルムセット。
  9. 請求項7又は8に記載の校正用標準フィルムセットを用いたことを特徴とする校正方法であって、
    前記各校正用標準フィルムの水蒸気透過度を測定する工程と、
    前記各校正用標準フィルムの小孔の開口面積[m]と水蒸気透過度[g/m/day]とを両対数グラフ上にプロットする工程と、
    各プロットが傾き1±5%の直線上にあることを確認する工程と、を含むことを特徴とする校正方法。
  10. 樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂製フィルムの表面上にシード層を設ける工程1bと、
    該シード層の表面上の小孔形成予定領域をレジストでマスキングする工程2bと、
    前記シード層の前記小孔形成予定領域以外の表面上にメッキ処理を施し、前記バリア層としてメッキ層を設ける工程3bと、
    前記小孔形成予定領域に設けられたレジスト及び該レジストの直下の前記シード層を除去する工程4bと、を有し、
    前記小孔の円相当半径が、100μm未満であることを特徴とする校正用標準フィルムの製造方法。
  11. 前記工程1bのシード層が、無電解メッキ層であることを特徴とする請求項10に記載の校正用標準フィルムの製造方法。
  12. 樹脂製フィルム上にバリア層を備え、該バリア層が少なくとも1個の小孔を有し、10−3g/m/day以下の水蒸気透過度を測定する水蒸気透過度測定装置の校正用標準フィルムの製造方法であって、
    前記樹脂製フィルムの表面上の小孔形成領域をレジストでマスキングする工程1aと、
    該レジストの表面上及び該レジストの周囲の前記樹脂製フィルムの表面上にシード層を設ける工程2aと、
    前記レジストを、該レジストの表面上のシード層とともにリフトオフして除去する工程3aと、
    前記樹脂製フィルムの表面上に残った前記シード層の表面上にメッキ処理を施し、前記バリア層として小孔を有するメッキ層を設ける工程4aと、を有し、
    前記小孔の円相当半径が、100μm未満であることを特徴とする校正用標準フィルムの製造方法。
  13. 前記小孔の円相当半径をR[μm]、前記メッキ層の厚さをT[μm]としたとき、R/T<3であることを特徴とする請求項10〜12のいずれか一つに記載の校正用標準フィルムの製造方法。
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