JPWO2015156214A1 - 防曇部材及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

防曇部材100は、基材40上に複数の凸部60及び凹部70からなる凹凸パターン80が形成されている。凸部60の表面は、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成され、前記凸部60及び前記凹部70は、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状を有し且つ幅が10μm未満である。延在する方向に水滴が濡れ広がり、水膜を形成するため、細かな水滴の残留が防止される。防曇部材100は、優れた防曇性を有する。

Description

本発明は、防曇部材及びその製造方法に関する。
従来から、無機ガラスなどの透明基材は、建築用、産業用、自動車用などの窓材や鏡、眼鏡、ゴーグル、カメラレンズ、太陽電池パネルなど光学部材などに用いられている。このような基材は湿度が高い雰囲気に曝されると、その表面において水蒸気が凝縮して水滴が生じ(結露し)、これによって光が屈折あるいは反射されるために、その機能が妨げられるとともに美観も損なわれるという問題があった。基材表面の結露による曇りを防止するための手段として、基材表面の水に対する濡れ性を向上させ、微細な水滴を生じさせないようにする方法が知られている。例えば特許文献1には、略円形または多角形の底面を有する錐台状または錐状の形状を有する微細な突起を基材表面に形成することにより、基材表面を親水性にすることが開示されている。また、特許文献2には、微細凹凸構造が形成された親水性の領域と、微細凹凸構造が形成されていない撥水性の領域を基材上に形成することで、撥水性の領域から親水性の領域に水が移動するため、基材表面の曇りが防止されることが開示されている。
特開2008−158293号公報 特開2011−53334号公報
しかしながら、本発明者らが鋭意研究した結果、上記のような略円形または多角形の底面を有する錐台状または錐状の微細な突起を形成した基材は防曇性が不十分であることが分かった。また、特許文献2に記載されるような構造を有する基材は、雨滴などの比較的大きな水滴による曇りや、浴室での結露等、水分か多く水滴が大きく成長しやすい状況で生じる曇りは防止できても、洗面所用の鏡や屋内のガラス材等に適用した場合には、屋内の結露過程で生じる比較的小さい水滴に起因する曇りは防止できないという欠点があった。そこで本発明の目的は、従来技術の欠点を解消するとともに優れた防曇性を有する新規な防曇部材を提供することにある。
本発明の第1の態様に従えば、基材上に複数の凸部及び凹部からなる凹凸パターンが形成された防曇部材であって、前記凸部の表面は、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成され、前記凸部及び前記凹部は、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状を有し、且つ、幅が10μm未満であることを特徴とする防曇部材が提供される。
本発明の防曇部材において、前記凸部の延在方向と直交する断面形状は、底部から頂部に向かって狭くなっていてもよい。また、前記凸部及び前記凹部の延在方向及び延在長さが均一であってもよい。本発明の防曇部材は、さらに、前記基材上に前記凸部及び前記凹部の延在方向を示すマーカーを有していてもよい。また、前記凸部及び前記凹部の延在方向及び延在長さが不均一であってもよい。
本発明の防曇部材は、前記凹凸パターンの凹凸深さが25μm以下であってもよい。また、前記凹凸パターンの凸部長さが凸部間距離の3倍以上であってもよい。また、前記凸部及び前記凹部の前記幅が400nm以下であってもよい。この防曇部材の前記凸部の表面は、無機材料によって構成されていてもよい。
本発明の第2の態様に従えば、第1の態様の防曇部材の製造方法であって、基材上に塗膜を形成する塗布工程と、前記塗膜に凹凸パターンを有するモールドを押し付けることにより前記凹凸パターンを前記塗膜に転写して、前記基材上に凹凸構造層を形成する転写工程とを有する防曇部材の製造方法が提供される。
上記防曇部材の製造方法において、前記塗布工程において、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布することによって前記塗膜を形成し得る。また、前記凹凸構造層上に平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布してよい。
本発明の第3の態様に従えば、第1の態様の防曇部材の製造方法であって、表面に凹凸パターンを有するモールドの凹凸パターン面に塗膜を形成する塗布工程と、前記塗膜が形成された前記モールドと基材を密着させて前記塗膜を前記基材に前記凹凸パターンに従って転写する転写工程とを有する防曇部材の製造方法が提供される。
第3の態様に従う製造方法の前記塗布工程において、前記モールドの前記凹凸パターン面の凹部に前記塗膜を形成してよく、または前記塗布工程において、前記モールドの前記凹凸パターン面の凸部に前記塗膜を形成してもよい。
第3の態様に従う製造方法の前記塗布工程において、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布することによって前記塗膜を形成してもよい。また、第3の態様に従う製造方法において、前記基材に転写された前記塗膜上に平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布してもよい。
本発明の防曇部材は、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状の凸部及び凹部からなる凹凸パターンを有し、且つ凸部の表面が平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成されるため、本発明の防曇部材の表面で水蒸気が凝縮して水滴が形成された場合、水滴は凸部及び凹部の延在方向に沿って濡れ広がって合一し、水膜が形成されるため、防曇部材の表面には小さい水滴が残らない。ゆえに、本発明の防曇部材は水滴に起因する曇りが生じることがなく、優れた防曇性を有する。
図1は、実施形態の防曇部材の概略斜視図である。 図2(a)〜(d)は、実施形態の防曇部材の凸部の平面形状の例を示す概略図である。 図3(a)〜(f)は、実施形態の防曇部材の断面形状の例を示す概略断面図である。 図4は、複数の凹凸パターンが形成された実施形態の防曇部材の概略平面図である。 図5(a)〜(d)は、実施形態の防曇部材の断面構造の例を示す概略断面図である。 実施形態の防曇部材の製造方法における、押圧工程及び剥離工程の様子の一例を示す概念図である。 実施例及び比較例で作製した部材の凹凸パターンの形状、使用した材料、及び評価結果を示す表である。 実施例の防曇効果評価試験によって生じた水膜の形状の概略図である。
以下、本発明の防曇部材、及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
[防曇部材]
実施形態の防曇部材100は、図1に示すように、基材40と、その上に形成された複数の凸部60及び凹部70からなる凹凸パターン80を有する。
実施形態の防曇部材100の凸部60を平面視した形状(防曇部材100の基材40に垂直な方向から見た形状)は、図2(a)〜(d)に示すように、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状である。図2(a)、(b)に示すように、凸部60は平面視上、所定の太さを有する直線状または細長い長方形状である。長手方向(延在方向)の端部が、図2(a)に示すように角張っていてもよく、図2(b)に示すように丸みを持っていてもよい。あるいは、凸部60は、図2(c)、(d)に示すようにうねって(蛇行して)延在する曲線状でもよい。凸部60の太さは均一であってもよいし、不均一であってもよい。また、凸部60は、平面視上で、一部または全部が途中で分岐していてもよい(図2(d)参照)。凸部60の延在長さは、図2(a)〜(c)に示すように均一であってもよいし、図2(d)に示すように不均一であってもよい。また凸部60の延在方向及びうねり(屈曲)の方向は、図2(c)に示すように均一であってもよいし、図2(d)に示すように不均一(不規則)であってもよい。凹部70は、凸部60によって区画され、凸部60に沿って延在し、凸部60と同様に、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状を有する。
凸部60を延在方向に垂直な面で切断した断面は、図3(a)に示すように矩形であってもよいし、基材40の表面から上方(基材40の表面から離れる方向)に向かって先細りした形状であってもよい。すなわち、凸部60の断面は例えば、図3(b)、(c)に示すように三角形でもよいし、台形でもよいし、図3(d)に示すように多角形でもよい。また、図3(e)に示すようなかまぼこ型、半円、半楕円、放物線等の外形を有してもよい。さらに、図3(f)に示すように、凸部60の表面にさらに微細な凹凸が形成されていてもよい。凸部60が、図3(b)〜(f)に示すような頂部が底部よりも狭い形状、すなわち先細りした形状を有する場合、後述のようなナノインプリント法での製造が容易であるとともに、後述のように防曇効果が高くなる。また、図3(a)〜(f)に示すように凸部60の上部(上面または頂部)は互いに所定の距離を隔てて配置されている。凸部の頂部または上面が互いに所定の距離を隔てて配置されていれば、図3(c)に示すように凸部60の底面が互いに接していてもよい。
なお、本願において、図1に示すように、凸部の長手方向の長さを凸部長さLという。また、隣接する凸部の底面の間の面を凹部という。さらに、凸部の延在方向に垂直な面で切断した断面における凸部の上部の幅を凸部幅TW、凸部の底部の幅を凸部底面幅BW、2つの凸部の上部の間の距離を凸部間距離TD、2つの凸部の底面の間の距離を凹部幅BD、凸部の高さを凹凸深さDという。
本実施形態の防曇部材において、凸部幅TW及び凹部幅BDが10μm未満であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。本実施形態の防曇部材100が高湿度雰囲気等の曇りが生じやすい雰囲気に曝された場合、後述するように、防曇部材100の表面で水蒸気が凝縮して生じた水滴が凸部60及び凹部70の延在方向に沿って合一して水膜となるため、曇りの発生が防止されるが、凸部幅TWまたは凹部幅BDが10μm以上であると、凸部60または凹部70に形成される水滴が結合せずに残存する。凸部幅TW及び凹部幅BDが10μm未満であると、凸部60または凹部70に形成される水滴が凸部60及び凹部70の延在方向に沿って結合(合一)して水膜となる。凸部幅TW及び凹部幅BDが5μm以下であると、より水滴が結合して水膜を形成しやすくなる。凸部幅TWまたは凹部幅BDは、10nm以上にし得る。凹凸深さDは10nm〜25μmの範囲内であることが好ましい。凹凸深さDが10nm未満であると、水滴が凸部60及び凹部70の延在方向に沿って合一して水膜となる効果が小さい。凹凸深さDが25μm以上である場合、凸部幅TW及び凹部幅BDに対する比が大きく、そのような凹凸形状の形成及び維持は難しい。凹凸深さDは、200nm〜5μmの範囲内であることがより好ましい。このような凹凸深さDを有する凹凸形状はナノインプリント法によって製造することができる。凸部長さLは、水滴が濡れ広がって合一することを促す観点から、凸部間距離TDの3倍以上であることが好ましい。また、凸部幅TWは凸部底面幅BWよりも小さいことが好ましい。この場合、凸部60は基材40の表面から上方に向かって先細りした形状となり、水滴が凹凸パターン80の凹部70に入って合一しやすくなるため、そのような凸部60を有する凹凸パターン80が形成された防曇部材は防曇効果が高い。また、そのような凹凸パターン80はナノインプリント法での製造が容易である。
なお、図4に示すように、基材40上に複数の凸部60及び凹部70からなる凹凸パターン(凹凸の集合体)80が複数形成されていてもよい。凹凸パターン80が形成された領域の間隔DPは、凸部間距離TDより狭いことが好ましい。それにより、隣接する凹凸パターン80間において凹凸パターン80内(隣接する凸部60間)よりも強い毛管力が生じ、凹凸パターン80上に生じた水分が凹凸パターン80が形成された領域外に排出されやすくなるため、防曇部材100の防曇性が向上する。また、凹凸パターン80が形成された領域の間隔DPは、10μm未満であることがより好ましい。間隔が10μm以上である場合、凹凸パターン80が形成されていない領域において、水滴が結合せずに残存し、これらの水滴が光を散乱して目視上曇りとして見える。ただし、部材の一部に曇りが発生しても構わないような用途など、実施形態の防曇部材が用いられる用途によっては、凹凸パターン80が形成された領域の間隔は特に限定されない。
実施形態の防曇部材100が均一な方向に延在する直線状または曲線状の凸部60及び凹部70からなる凹凸パターン80を有する場合、凹凸パターン80の凸部60及び凹部70の延在方向に沿って風乾したときの水はけがよく、微生物の繁殖等を抑制することができるため、長期にわたって防曇部材の透明性を保つことができる。
図4に示す防曇部材100のように基材40上の凸部60及び凹部70が均一な方向に延在して配列されている場合、防曇部材表面の水分は凸部60及び凹部70の延在方向に沿って移動しやすい。そのため、このような防曇部材100は凸部60及び凹部70の延在方向に沿って風乾することにより容易に乾燥させることができる。また、防曇部材100を凸部60及び凹部70の延在方向が重力方向になるようにして用いても、防曇部材100表面の水膜が流れ落ちて除去されやすくなるため、防曇部材100を容易に乾燥できる。それにより防曇部材100表面における微生物の繁殖等を抑制できるため、長期にわたって防曇部材の透明性を保つことができる。このような防曇部材は、図4に示すように凸部60及び凹部70の延在方向を示すマーカー20が付けられていてもよい。マーカー20の形状は図示されるような矢印形に限らず、方向を区別できる形状であれば任意の形状にし得る。マーカー20の設置位置も凹凸パターン80に対して任意の位置にし得る。特に限定されない。このようなマーカー20があると凸部及び凹部の延在方向(乾燥方向)を視認可能になるため、防曇部材の乾燥方向、設置方向等を間違えることを防止できるので有利である。
実施形態の防曇部材100において、凸部60の表面は、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成される。本願において、「平滑表面における水の接触角」とは、ある材料で凹凸のない平滑な表面を形成してその表面上に水滴を形成した場合に、その表面と水滴表面が形成する角度のことをいい、平滑表面における水の接触角が大きいほど、表面がより疎水性であることを意味する。なお、平滑表面における水の接触角は、接触角計(例えば、協和界面科学株式会社製の型式「CA−A」等)を用いて測定することができる。具体的には、平滑表面を有する被測定材料からなる基板(または表面に被測定材料の平滑膜を作製した基板)を接触角計の水平台上に静置する。次いでイオン交換水を入れたシリンジを接触角計の水平台の上方に設置し、シリンジの先端に直径2mmの水滴を作製し、水平台を平滑表面と水滴が接触するまで上昇させた後水平台を下降させ、平滑表面上に水滴を25秒間静置する。この時点の水滴の左右端点の各々と水滴の頂点を結ぶ直線と、平滑表面の成す角度を求め、この角度を2倍することによって、水の接触角を算出することができる。
凸部60の表面を構成する材料として用いられる、平滑表面における水の接触角が90度以下であるような材料として、特に、シリカ、SiN、SiON等のSi系の材料、TiO等のTi系の材料、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)系の材料、ZnO、ZnS、ZrO、Al、BaTiO、SrTiO等の無機材料が挙げられる。
上記のような無機材料を用いることにより、凸部60の表面が硬質となるため、防曇部材の表面に傷が生じて透明性が損なわれることを防止できる。さらに、上記無機材料に光触媒機能を有するTiO等の材料を含有させてもよい。それにより凸部表面の親水性を向上させたり、防曇部材の防曇性を向上させたり、防曇部材にセルフクリーニング性を付与したりすることができる。このような光触媒機能を有する材料はNaイオンのようなアルカリ金属イオンにより結晶性が低下して光触媒活性が低下することがあるが、上記の無機材料はアルカリ金属を含有しないため、高い光触媒活性を維持することができる。
上記無機材料のほか、硬化性樹脂材料を用いてもよい。このような材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、AS樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ガラス強化ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリアレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等の紫外線硬化型樹脂、あるいはこれらを2種以上ブレンドした材料を用いることができる。さらに、上記樹脂材料に上記無機材料をコンポジット化した材料を用いてもよい。また、上記無機材料、上記樹脂材料ともに、ハードコート性等を得るために、公知の微粒子やフィラーを含んでいてもよい。
基材40としては、種々の基板を用いることができる。例えば、ガラス等の透明無機材料からなる基板、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート等)、アクリル系樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂(ABS樹脂等)、セルロース系樹脂(トリアセチルセルロース等)、ポリイミド系樹脂(ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂等)、シクロオレフィンポリマー等の樹脂からなる基板などの透光性を有する基板を利用することができる。基板40として、非透光性の基板を利用してもよい。非透光性の基板としては、金属やプラスチックなどからなる基板を用いることができる。透光性の基板を用いた防曇部材100を不透明な基板に貼合しても良い。基材40は親水性の基材でも疎水性の基材でもよい。基材40としてO処理などによって表面を親水処理した基板を使用してもよい。
実施形態の防曇部材において、図5(a)に示すように基材40上に凸部60及び凹部70を構成する層(凹凸構造層)62が形成されていてもよい。この場合、凹凸構造層62は平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成されてよい。実施形態の防曇部材において、図5(b)に示すように基材40上に凸部60をなす構造体が形成され、凸部60の間に基材40の表面が露出した領域(凹部70)が区画されていてもよい。この場合、凸部60をなす構造体が平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成されてよい。また、実施形態の防曇部材において、図5(c)に示すように、基材40の表面そのものが凸部60及び凹部70を構成していてもよい。この場合、基材40が平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成されてよい。さらに、実施形態の防曇部材において、図5(d)に示すように、基材40上に形成された凹凸パターン上に平滑表面における水の接触角が90度以下である材料から構成される被膜50が形成されていてもよい。この場合、凸部60の表面に露出していない部分(内部)、基材40及び凹部70の表面を構成する材料の水の接触角は90度以下でもよいし、90度を超えていてもよい。
従来の透明基材は、高湿度雰囲気等の曇りが生じやすい雰囲気に曝された場合、表面で水蒸気が凝縮して水滴が生じ、この水滴が光を散乱するために目視上曇りとなる。超親水性の表面においては、水滴が濡れ広がり水膜となることで曇りが防止されることが知られている。しかし、この防曇方法では、表面に適用できる材料がごく一部の超親水性材料に限られてしまううえに、表面が汚染されて接触角が大きくなる(親水性が低下する)と、防曇効果が得られなくなる。また、微小な凹凸がある面では平滑面の場合に比べて表面積が大きいため、材料の濡れ性が強調される(つまり、見かけ上、親水性材料はより親水性に、撥水性材料はより撥水性になる)ことが知られている。しかし、後述する比較例の凹凸パターン基板の評価結果が示すように、凹凸形状がホールやピラー、錘状などのときには曇り防止の効果は得られず、見かけの親水性を向上させるだけでは、十分な防曇効果を得ることができない。
本実施形態の防曇部材100は、上述のように真直にまたは屈曲して延在する細長い形状の複数の凸部及び凹部からなる凹凸パターンを有し、且つ、凸部の表面が平滑表面における水の接触角が90度以下である材料で構成されていることにより、部材表面で水滴が生じても以下のようにして水滴が合一して水膜を形成するため、曇りの発生が防止される。まず、凹部70で生じた水滴は、毛管現象により凹凸パターンをガイドとして凹部70延在方向に素早く均一に濡れ広がり、水膜を形成する。凸部60の表面において生じた水滴も濡れ広がって凹部70の水膜に合一する。このようにして、凹部70を埋めるように水膜が形成される。さらに水蒸気の凝縮が進行すると、凸部60及び凹部70の延在方向に水膜が延びるだけでなく、隣接する凹部70において形成された細長い水膜が、凹凸を越えて互いに合一することにより凸部60及び凹部70の延在方向と直交する方向にも徐々に広がり、さらに大面積の水膜が形成される。水膜は水滴として視認されないため、曇りの発生が防止される。本実施形態のような凹凸パターンは、毛管現象により水滴及び水膜の濡れ広がりを促すことができるため、曇り防止に最適である。しかし、ホール状、ピラー状、錘状などの形状の凹凸パターンでは、水滴及び水膜の広がりを促すガイドとしての効果が得られず、水膜が形成されない。それゆえ本実施形態の防曇部材100は、従来の防曇部材よりも優れた防曇性を有する。
実施形態の防曇部材は、種々の用途に使用することができ、例えば、車両用ミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物の窓ガラス及びその他建材用のガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の乗物の窓ガラス;乗物の風防ガラス;防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグルのようなゴーグル;防護用マスク、スポーツ用マスク、ヘルメット等のシールド;冷凍食品等の陳列ケースのガラス;計測機器のカバーガラス;これらの物品表面に貼付するためのフィルム等に用いることができる。
[防曇部材の製造方法]
実施形態の防曇部材100は、以下に説明するようなナノインプリント法により製造することができる。以下の説明では、図5(a)に示されるように基材40上に凸部60及び凹部70を構成する層(凹凸構造層)62が形成されており、その凹凸構造層62がゾルゲル材料で構成されている防曇部材100の製造方法を例に挙げて説明する。このような防曇部材100の製造方法は、主に、ゾルゲル材料を調製する溶液調製工程、調製されたゾルゲル材料を基板に塗布する塗布工程、基板に塗布されたゾルゲル材料の塗膜を乾燥する乾燥工程、転写パターンが形成されたモールドを押し付ける押圧工程、モールドが押し付けられた塗膜を仮焼成する仮焼成工程、モールドを塗膜から剥離する剥離工程、及び塗膜を硬化させる硬化工程を有する。なお、押圧工程、仮焼成工程及び剥離工程を合わせて転写工程ともいう。以下、各工程について順に説明する。
<溶液調整工程>
凹凸構造層をゾルゲル法により形成するため、最初にゾルゲル材料の溶液を調製する。凹凸構造層は、硬質で傷がつきにくいことから無機材料から形成されることが好ましく、凹凸構造層材料として、上記のような平滑表面における水の接触角が90度以下であるようなゾルゲル材料を用いることができる。例えば、基材上にシリカからなる凸部をゾルゲル法で形成する場合は、ゾルゲル材料として金属アルコキシド(シリカ前駆体)を調製する。シリカの前駆体として、テトラメトキシシラン(TMOS)、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−ブトキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシランに代表されるテトラアルコキシドモノマーや、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン(MTES)、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、イソプロピルトリプロポキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、イソプロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、トリルトリエトキシシラン等のトリアルコキシシランに代表されるトリアルコキシドモノマー、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジ−n−ブトキシシラン、ジメチルジ−i−ブトキシシラン、ジメチルジ−sec−ブトキシシラン、ジメチルジ−t−ブトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジ−n−ブトキシシラン、ジエチルジ−i−ブトキシシラン、ジエチルジ−sec−ブトキシシラン、ジエチルジ−t−ブトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、ジプロピルジプロポキシシラン、ジプロピルジイソプロポキシシラン、ジプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジイソプロピルジエトキシシラン、ジイソプロピルジプロポキシシラン、ジイソプロピルジイソプロポキシシラン、ジイソプロピルジ−n−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−i−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−sec−ブトキシシラン、ジイソプロピルジ−t−ブトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジプロポキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジ−n−ブトキシシラン、ジフェニルジ−i−ブトキシシラン、ジフェニルジ−sec−ブトキシシラン、ジフェニルジ−t−ブトキシシラン等のジアルコキシシランに代表されるジアルコキシドモノマーを用いることができる。さらに、アルキル基の炭素数がC4〜C18であるアルキルトリアルコキシシランやジアルキルジアルコキシシランを用いることもできる。ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するモノマー、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ基を有するモノマー、p−スチリルトリメトキシシラン等のスチリル基を有するモノマー、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリル基を有するモノマー、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のアクリル基を有するモノマー、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するモノマー、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基を有するモノマー、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するモノマー、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等のスルフィド基を有するモノマー、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート基を有するモノマー、これらモノマーを少量重合したポリマー、前記材料の一部に官能基やポリマーを導入したことを特徴とする複合材料などの金属アルコキシドを用いてもよい。また、これらの化合物のアルキル基やフェニル基の一部、あるいは全部がフッ素で置換されていてもよい。さらに、金属アセチルアセトネート、金属カルボキシレート、オキシ塩化物、塩化物や、それらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。金属種としては、Si以外にTi、Sn、Al、Zn、Zr、Inなどや、これらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されない。上記酸化金属の前駆体を適宜混合したものを用いることもできる。また、これらの材料中に界面活性剤を加えることで、メソポーラス化された凹凸構造層を形成してもよい。さらに、シリカの前駆体として、分子中にシリカと親和性、反応性を有する加水分解基および撥水性を有する有機官能基を有するシランカップリング剤を用いることができる。例えば、n−オクチルトリエトキシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のシランモノマー、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のメタクリルシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン、3−オクタノイルチオ−1−プロピルトリエトキシシラン等のサルファーシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、これらモノマーを重合したポリマー等が挙げられる。
ゾルゲル材料の溶液としてTEOSとMTESの混合物を用いる場合には、それらの混合比は、例えばモル比で1:1にすることができる。このゾルゲル材料は、加水分解及び重縮合反応を行わせることによって非晶質シリカを生成する。合成条件として溶液のpHを調整するために、塩酸等の酸またはアンモニア等のアルカリを添加する。pHは4以下もしくは10以上が好ましい。また、加水分解を行うために水を加えてもよい。加える水の量は、金属アルコキシド種に対してモル比で1.5倍以上にすることができる。
ゾルゲル材料溶液の溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブトキシエチルエーテル、ヘキシルオキシエチルアルコール、メトキシ−2−プロパノール、ベンジルオキシエタノール等のエーテルアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、フェノール、クロロフェノール等のフェノール類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエタン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、二硫化炭素等の含ヘテロ元素化合物、水、およびこれらの混合溶媒が挙げられる。特に、エタノールおよびイソプロピルアルコールが好ましく、またそれらに水を混合したものも好ましい。
ゾルゲル材料溶液の添加物としては、粘度調整のためのポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールや、溶液安定剤であるトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、アセチルアセトンなどのβジケトン、βケトエステル、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキサンなどを用いることが出来る。また、ゾルゲル材料溶液の添加物として、エキシマUV光等紫外線に代表されるエネルギー線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を用いることができる。このような材料を添加することにより、光を照射することよってゾルゲル材料溶液を硬化させることができるようになる。
<塗布工程>
上記のように調製したゾルゲル材料の溶液を基材上に塗布する。基材上には密着性を向上させるために、表面処理や易接着層を設けるなどをしてもよい。ゾルゲル材料の塗布方法として、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、インクジェット法などの任意の塗布方法を使用することができるが、比較的大面積の基材にゾルゲル材料を均一に塗布可能であること、ゾルゲル材料がゲル化する前に素早く塗布を完了させることができることからすれば、バーコート法、ダイコート法及びスピンコート法が好ましい。
<乾燥工程>
ゾルゲル材料の塗布後、塗膜中の溶媒を蒸発させるために基材を大気中もしくは減圧下で保持してもよい。この保持時間が短いと塗膜の粘度が低くなりすぎて塗膜への凹凸パターンの転写ができなくなり、保持時間が長すぎると前駆体の重合反応が進み塗膜の粘度が高くなりすぎて塗膜への凹凸パターンの転写ができなくなる。また、ゾルゲル材料を塗布後、溶媒の蒸発の進行とともに前駆体の重合反応も進行し、ゾルゲル材料の粘度などの物性も短時間で変化する。凹凸パターン形成の安定性の観点から、パターン転写が良好にできる乾燥時間範囲が十分広いことが望ましく、これは乾燥温度(保持温度)、乾燥圧力、ゾルゲル材料種、ゾルゲル材料種の混合比、ゾルゲル材料調製時に使用する溶媒量(ゾルゲル材料の濃度)等によって調整することができる。なお、乾燥工程では、基材をそのまま保持するだけでゾルゲル材料溶液中の溶媒が蒸発するので、必ずしも加熱や送風などの積極的な乾燥操作を行う必要はなく、塗膜を形成した基材をそのまま所定時間だけ放置したり、後続の工程を行うために所定時間の間に搬送したりするだけでもよい。すなわち、実施形態の防曇部材の製造方法において乾燥工程は必須ではない。
<押圧工程>
次いで、凹凸パターン転写用のモールドを用いて、モールドの凹凸パターンをゾルゲル材料の塗膜に転写することで、凹凸構造層を形成する。モールドとして、後述するような方法で製造することができるフィルム状モールドや金属モールドを用いることができるが、柔軟性または可撓性のあるフィルム状モールドを用いることが望ましい。この際、押圧ロールを用いてモールドをゾルゲル材料の塗膜に押し付けてもよい。押圧ロールを用いたロールプロセスでは、プレス式と比較して、モールドと塗膜とが接する時間が短いため、モールドや基材及び基材を設置するステージなどの熱膨張係数の差によるパターンくずれを防ぐことができること、ゾルゲル材料溶液中の溶媒の突沸によってパターン中にガスの気泡が発生したり、ガス痕が残ったりすることを防止することができること、基材(塗膜)と線接触するため、転写圧力及び剥離力を小さくでき、大面積化に対応し易いこと、押圧時に気泡をかみ込むことがないなどの利点を有する。また、モールドを押し付けながら基材を加熱してもよい。押圧ロールを用いてモールドをゾルゲル材料の塗膜に押し付ける例として、図6に示すように押圧ロール122とその直下に搬送されている基材40との間にフィルム状モールド140を送り込むことでフィルム状モールド140の凹凸パターンを基材40上の塗膜64に転写することができる。すなわち、フィルム状モールド140を押圧ロール122により塗膜64に押し付ける際に、フィルム状モールド140と基材40を同期して搬送しながら、基材40上の塗膜64の表面をフィルム状モールド140で被覆する。この際、押圧ロール122をフィルム状モールド140の裏面(凹凸パターンが形成された面と反対側の面)に押しつけながら回転させることで、フィルム状モールド140と基材40が進行しながら密着する。なお、長尺のフィルム状モールド140を押圧ロール122に向かって送り込むには、長尺のフィルム状モールド140が巻き付けられたフィルムロールからそのままフィルム状モールド140を繰り出して用いるのが便利である。
<仮焼成工程>
ゾルゲル材料の塗膜にモールドを押し付けた後、塗膜を仮焼成してもよい。仮焼成することにより塗膜のゲル化を進め、パターンを固化し、剥離の際に崩れにくくする。仮焼成を行う場合は、大気中で40〜150℃の温度で加熱することが好ましい。なお、仮焼成は必ずしも行う必要はない。また、ゾルゲル材料溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、塗膜を仮焼成する代わりに、例えばエキシマUV光等の紫外線に代表されるエネルギー線を照射してもよい。
<剥離工程>
モールドの押圧またはゾルゲル材料の塗膜の仮焼成の後、塗膜からモールドを剥離する。モールドの剥離方法として公知の剥離方法を採用することができる。実施形態の製造方法で用いるモールドの凹凸パターンの凸部及び凹部は、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状であるため、離形性がよい。また、モールドの凹凸パターンが、凸部及び凹部が一様な方向に延在して配列されているパターンの場合、モールドの剥離方向を凸部及び凹部の延在方向と平行な方向にしてよい。それによりモールドの離形性をさらに向上することができる。加熱しながらモールドを剥離してもよく、それにより塗膜から発生するガスを逃がし、膜内に気泡が発生することを防ぐことができる。ロールプロセスを使用する場合、プレス式で用いるプレート状モールドに比べて剥離力は小さくてよく、塗膜がモールドに残留することなく容易にモールドを塗膜から剥離することができる。特に、塗膜を加熱しながら押圧するので反応が進行し易く、押圧直後にモールドは塗膜から剥離し易くなる。さらに、モールドの剥離性の向上のために、剥離ロールを使用してもよい。図6に示すように剥離ロール123を押圧ロール122の下流側に設け、剥離ロール123によりフィルム状モールド140を塗膜64に付勢しながら回転支持することで、フィルム状モールド140が塗膜64に付着された状態を押圧ロール122と剥離ロール123の間の距離だけ(一定時間)維持することができる。そして、剥離ロール123の下流側でフィルム状モールド140を剥離ロール123の上方に引き上げるようにフィルム状モールド140の進路を変更することでフィルム状モールド140は凹凸が形成された塗膜(凹凸構造層)62から引き剥がされる。なお、フィルム状モールド140が塗膜64に付着されている期間に前述の塗膜64の仮焼成や加熱を行ってもよい。なお、剥離ロール123を使用する場合には、例えば40〜150℃に加熱しながら剥離することによりモールド140の剥離を一層容易にすることができる。
<硬化工程>
塗膜(凹凸構造層)からモールドを剥離した後、凹凸構造層を硬化してもよい。本実施形態では、本焼成によりゾルゲル材料からなる凹凸構造層を硬化させることができる。本焼成により凹凸構造層を構成するシリカ(アモルファスシリカ)中に含まれている水酸基などが脱離して塗膜がより強固となる。本焼成は、200〜1200℃の温度で、5分〜6時間程度行うのが良い。この時、凹凸構造層がシリカからなる場合、焼成温度、焼成時間に応じて非晶質または結晶質、または非晶質と結晶質の混合状態となる。なお、硬化工程は必ずしも行う必要はない。また、ゾルゲル材料溶液に紫外線などの光を照射することによって酸やアルカリを発生する材料を添加した場合には、凹凸構造層を焼成する代わりに、例えばエキシマUV光等の紫外線に代表されるエネルギー線を照射することによって、凹凸構造層を硬化することができる。
以上のようにして、図5(a)に示すような、基材40上に凸部60及び凹部70を構成する層(凹凸構造層)62が形成された、凹凸パターン80を有する防曇部材100を製造することができる。
なお、上記の塗布工程において塗布するゾルゲル材料の溶液としては、シリカの前駆体のほかに、TiO、ZnO、ZnS、ZrO、Al、BaTiO、SrTiO、ITO等の前駆体の溶液を用いてもよい。
またゾルゲル法のほか、無機材料の微粒子の分散液を用いる方法、液相堆積法(LPD:Liquid Phase Deposition)などを用いて凹凸構造層を形成してもよい。
また、ポリシラザンを用いて凹凸構造層を形成してもよい。この場合、これを塗布及び転写して形成した凹凸構造層を、硬化工程においてセラミックス化(シリカ改質)してシリカ、SiNまたはSiONからなる凹凸構造層を形成してもよい。なお、「ポリシラザン」とは、珪素−窒素結合を持つポリマーで、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO、Si及び両方の中間固溶体SiO等のセラミック前駆体無機ポリマーである。特開平8−112879号公報に記載されている下記の一般式(1)で表されるような比較的低温でセラミック化してシリカ等に変性する化合物がより好ましい。
一般式(1):
−Si(R1)(R2)−N(R3)−
式中、R1、R2、R3は、各々水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基またはアルコキシ基を表す。
上記一般式(1)で表される化合物の中で、R1、R2及びR3のすべてが水素原子であるパーヒドロポリシラザン(PHPSともいう)や、Siと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換されたオルガノポリシラザンが特に好ましい。
低温でセラミック化するポリシラザンの別の例としては、ポリシラザンにケイ素アルコキシドを反応させて得られるケイ素アルコキシド付加ポリシラザン(例えば、特開平5−238827号公報)、グリシドールを反応させて得られるグリシドール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−122852号公報)、アルコールを反応させて得られるアルコール付加ポリシラザン(例えば、特開平6−240208号公報)、金属カルボン酸塩を反応させて得られる金属カルボン酸塩付加ポリシラザン(例えば、特開平6−299118号公報)、金属を含むアセチルアセトナート錯体を反応させて得られるアセチルアセトナート錯体付加ポリシラザン(例えば、特開平6−306329号公報)、金属微粒子を添加して得られる金属微粒子添加ポリシラザン(例えば、特開平7−196986号公報)等を用いることもできる。
ポリシラザン溶液の溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。酸化珪素化合物への改質を促進するために、アミンや金属の触媒を添加してもよい。
また、上記実施形態の製造方法では、ゾルゲル材料を用いて凹凸構造層を形成したが、上述の無機材料のほか、硬化性樹脂材料を用いてもよい。硬化性樹脂を用いて凹凸構造層を形成する場合、例えば、硬化性樹脂を基材に塗布した後、塗布した硬化性樹脂層に凹凸パターンを有するモールドを押し付けつつ塗膜を硬化させることによって、硬化性樹脂層にモールドの凹凸パターンを転写することができる。硬化性樹脂は有機溶剤で希釈してから塗布してもよい。この場合に用いる有機溶剤としては硬化前の樹脂を溶解するものを選択して使用することができる。例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、などのケトン系溶剤等の公知のものから選択できる。硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。凹凸パターンを有するモールドとしては、例えばフィルム状モールド、金属モールドなど所望のモールドを用いることができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。
凹凸構造層の材料は、無機材料または硬化性樹脂材料に紫外線吸収材料を含有させたものであってもよい。紫外線吸収材料は、紫外線を吸収し光エネルギーを熱のような無害な形に変換することにより、膜の劣化を抑制する作用がある。紫外線吸収剤としては、従来から公知のものが使用でき、例えば、ベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等を使用できる。上記のように凹凸構造層、特に、凸部の表面を構成する材料として種々のものを使用することができるが、いずれも平滑表面における水の接触角が90度以下となるような材料とする。
なお、図5(b)に示すような、基材40上に凸部60をなす構造体が形成され、凸部60の間に基材40の表面が露出した領域(凹部70)が区画されている防曇部材100は、例えば次のようにして製造することができる。上記の塗布工程において、基材上にゾルゲル材料を塗布する代わりに、凹凸パターン転写用モールドの凹部のみまたは凸部のみにゾルゲル材料を塗布する。上記の押圧工程において、モールドに塗布したゾルゲル材料を密着させる。それによってモールドの凹部または凸部の形状に対応する形状を有するゾルゲル材料からなる凸部が基材上に形成される。そのようにして形成した凸部の間では、基材の表面が露出した領域(凹部)が区画されている。
図5(c)に示すような、基材40の表面そのものが凸部60及び凹部70を構成している防曇部材100は、例えば、次のようにして製造することができる。公知のナノインプリントやフォトリソグラフィ等の技術より、基材上に凹凸パターンを有するレジスト層を形成する。レジスト層の凹部をエッチングして基材表面を露出させた後、残存するレジスト層をマスクとして基材をエッチングする。エッチング後、残ったマスク(レジスト)を薬液で除去する。以上のような操作により、基材の表面そのものに凹凸を形成することができる。
上記のような方法で製造した部材の凹凸パターン面上にさらに被膜を形成してもよい。それにより図5(d)に示すような防曇部材が得られる。凹凸パターン面上に形成する被膜の材料としては、平滑表面における水の接触角が90度以下の材料を用いる。このような防曇部材の製造方法で製造される部材においては、凹凸パターンの凸部の表面が被膜で覆われているため、基材、及び凹凸構造層又は凸部をなす構造体の材料としては任意の透光性材料を用いることができ、基材、及び凹凸構造層又は凸部をなす構造体の材料は、平滑表面における水の接触角が90度以下の材料でもよいし、90度を超える材料でもよい。平滑表面における水の接触角が90度以下の材料からなる被膜は、上記で例示したようなSiO、TiOZnO、ZrO、Al、ZnS、BaTiO、SrTiO、ITO(インジウム・スズ・オキサイド)等のゾルゲル材料;SiO、TiO、ZnO、ZnS、ZrO、BaTiO、SrTiO等の微粒子分散液;ポリシラザン;可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂等の硬化性樹脂材料;上記樹脂材料に上記無機材料をコンポジット化した材料;これらに公知の微粒子、フィラー、紫外線吸収材等を含有させたもの等を用いて形成することができる。
<凹凸パターン転写用モールド>
上記の実施形態の防曇部材の製造方法において用いられる凹凸パターン転写用のモールドとしては、例えば、後述する方法で製造される金属モールド又はフィルム状の樹脂モールド等が含まれる。樹脂モールドを構成する樹脂には、天然ゴム又は合成ゴムのようなゴムも含まれる。モールドは表面に凹凸パターンを有する。
凹凸パターン転写用のモールドの製造方法の例について説明する。最初にモールドの凹凸パターンを形成するための母型パターンの作製を行う。例えば、不均一な方向に延在する曲線状の凸部及び凹部からなる凹凸パターンを有する防曇部材を製造する場合には、本出願人らによるWO2012/096368号に記載されたブロック共重合体の加熱による自己組織化(ミクロ相分離)を利用する方法(以下、適宜「BCP(Block Copolymer)熱アニール法」という)や、WO2013/161454号に記載されたブロック共重合体の溶媒雰囲気下における自己組織化を利用する方法(以下、適宜「BCP溶媒アニール法」という)、又は、WO2011/007878A1に開示されたポリマー膜上の蒸着膜を加熱・冷却することによりポリマー表面の皺による凹凸を形成する方法(以下、適宜「BKL(Buckling)法」という)を用いて母型を形成することが好適である。BCP熱アニール法またはBCP溶媒アニール法でパターンを形成する場合、パターンを形成する材料は任意の材料を使用することができるが、ポリスチレンのようなスチレン系ポリマー、ポリメチルメタクリレートのようなポリアルキルメタクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリビニルピリジン、及びポリ乳酸からなる群から選択される2種の組合せからなるブロック共重合体が好適である。これらの材料の自己組織化により形成するパターンは、WO2013/161454号に記載されるような水平シリンダ構造(シリンダが基材に対して水平に配向した構造)、またはMacromolecules 2014,47,2に記載されるような垂直ラメラ構造(ラメラが基材に対して垂直に配向した構造)であることが好ましい。より深い凹凸を形成する場合は、垂直ラメラ構造がより好ましい。また、溶媒アニール処理により得られた凹凸パターンに対して、エキシマUV光などの紫外線に代表されるエネルギー線を照射することによるエッチングや、RIE(反応性イオンエッチング)、ICPエッチングのようなドライエッチング法によるエッチングを行ってもよい。またそのようなエッチングを行った凹凸パターンに対して、加熱処理を施してもよい。さらに、Adv.Mater.2012,24,5688−5694、Science322,429(2008)等に記載されるような方法で、BCP熱アニール法またはBCP溶媒アニール法により形成される凹凸パターンを元に、より凹凸深さが大きい凹凸パターンを形成することができる。すなわち、SiO、Si等からなる下地層上にブロック共重合体を塗布し、BCP熱アニール法またはBCP溶媒アニール法によりブロック共重合体の自己組織化構造を形成する。次いで、ブロック共重合体の一方のセグメントを選択的にエッチングして除去する。残った他方のセグメントをマスクとして下地層をエッチングして、下地層に所望の深さ溝(凹部)を形成する。
上記のようなBCP熱アニール法、BKL法及びBCP溶媒アニール法に代えて、フォトリソグラフィ法で凹凸パターンを形成してもよい。そのほか、例えば、切削加工法、電子線直接描画法、粒子線ビーム加工法及び操作プローブ加工法等の微細加工法、並びに微粒子の自己組織化を使用した微細加工法によっても、母型の凹凸パターンを作製することができる。均一な方向に延在する直線状または曲線状の凸部及び凹部からなる凹凸パターンを有する防曇部材を製造する場合は、これらの方法を用いて、均一な方向に延在する直線状または曲線状の凸部及び凹部からなる凹凸パターンを有する母型を形成してもよい。
凹凸パターンの母型をBCP熱アニール法やBKL法又はBCP溶媒アニール法等により形成した後、以下のようにして電鋳法などにより、パターンをさらに転写したモールドを形成することができる。最初に、電鋳処理のための導電層となるシード層を、無電解めっき、スパッタまたは蒸着等によりパターンを有する母型上に形成することができる。シード層は、後続の電鋳工程における電流密度を均一にして後続の電鋳工程により堆積される金属層の厚みを一定にするために10nm以上が好ましい。シード層の材料として、例えば、ニッケル、銅、金、銀、白金、チタン、コバルト、錫、亜鉛、クロム、金・コバルト合金、金・ニッケル合金、ホウ素・ニッケル合金、はんだ、銅・ニッケル・クロム合金、錫ニッケル合金、ニッケル・パラジウム合金、ニッケル・コバルト・リン合金、またはそれらの合金などを用いることができる。次に、シード層上に電鋳(電界めっき)により金属層を堆積させる。金属層の厚みは、例えば、シード層の厚みを含めて全体で10〜30000μmの厚さにすることができる。電鋳により堆積させる金属層の材料として、シード層として用いることができる上記金属種のいずれかを用いることができる。形成した金属層は、後続のモールドの形成のための樹脂層の押し付け、剥離及び洗浄などの処理の容易性からすれば、適度な硬度及び厚みを有することが望ましい。
上記のようにして得られたシード層を含む金属層を、凹凸構造を有する母型から剥離して金属基板を得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、パターンを形成する材料を、それらを溶解する有機溶媒、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン(THF)、クロロホルムなどを用いて溶解して除去してもよい。金属基板を母型から剥離するときに、残留している材料成分を洗浄にて除去することができる。洗浄方法としては、界面活性剤などを用いた湿式洗浄や紫外線やプラズマを使用した乾式洗浄を用いることができる。また、例えば、粘着剤や接着剤を用いて残留している材料成分を付着除去するなどしてもよい。こうして得られる、母型からパターンが転写された金属基板(金属モールド)は、本実施形態の凹凸パターン転写用のモールドとして用いられ得る。
さらに、得られた金属基板を用いて、金属基板の凹凸構造(パターン)をフィルム状の支持基板に転写することでフィルム状モールドのように可撓性のあるモールドを作製することができる。例えば、硬化性樹脂を支持基板に塗布した後、金属基板の凹凸構造を樹脂層に押し付けつつ樹脂層を硬化させる。支持基板として、例えば、ガラス、石英、シリコン等の無機材料からなる基材;シリコーン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリイミド(PI)、ポリアリレート等の有機材料からなる基材、ニッケル、銅、アルミ等の金属材料が挙げられる。また、支持基板の厚みは、1〜500μmの範囲にし得る。
硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、メタクリル系、ビニルエーテル系、オキセタン系、ウレタン系、メラミン系、ウレア系、ポリエステル系、ポリオレフィン系、フェノール系、架橋型液晶系、フッ素系、シリコーン系、ポリアミド系等のモノマー、オリゴマー、ポリマー等の各種樹脂が挙げられる。硬化性樹脂の厚みは0.5〜500μmの範囲内であることが好ましい。厚みが前記下限未満では、硬化樹脂層の表面に形成される凹凸の高さが不十分となり易く、前記上限を超えると、硬化時に生じる樹脂の体積変化の影響が大きくなり凹凸形状が良好に形成できなくなる可能性がある。
硬化性樹脂を塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、滴下法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、ダイコート法、カーテンコート法、インクジェット法、スパッタ法等の各種コート方法を採用することができる。さらに、硬化性樹脂を硬化させる条件としては、使用する樹脂の種類により異なるが、例えば、硬化温度が室温〜250℃の範囲内であり、硬化時間が0.5分〜3時間の範囲内であることが好ましい。また、紫外線や電子線のようなエネルギー線を照射することで硬化させる方法でもよく、その場合には、照射量は20mJ/cm〜5J/cmの範囲内であることが好ましい。
次いで、硬化後の硬化樹脂層から金属基板を取り外す。金属基板を取り外す方法としては、機械的な剥離法に限定されず、公知の方法を採用することができる。こうして得ることができる支持基板上に凹凸が形成された硬化樹脂層を有するフィルム状の樹脂モールドは、本実施形態の凹凸パターン転写用のモールドとして用いられ得る。
また、上述の方法で得られた金属基板の凹凸構造(パターン)上にゴム系の樹脂材料を塗布し、塗布した樹脂材料を硬化させ、金属基板から剥離することにより、金属基板の凹凸パターンが転写されたゴムモールドを作製することができる。得られたゴムモールドは本実施形態の凹凸パターン転写用のモールドとして用いられ得る。ゴム系の樹脂材料は、特に、シリコーンゴム、またはシリコーンゴムと他の材料との混合物もしくは共重合体が好ましい。シリコーンゴムとしては、例えば、ポリオルガノシロキサン、架橋型ポリオルガノシロキサン、ポリオルガノシロキサン/ポリカーボネート共重合体、ポリオルガノシロキサン/ポリフェニレン共重合体、ポリオルガノシロキサン/ポリスチレン共重合体、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリ4メチルペンテンなどが用いられる。シリコーンゴムは、他の樹脂材料と比べて安価で、耐熱性に優れ、熱伝導性が高く、弾性があり、高温条件下でも変形しにくいことから、凹凸パターン転写プロセスを高温条件下で行う場合には好適である。さらに、シリコーンゴム系の材料は、ガスや水蒸気透過性が高いため、被転写材の溶媒や水蒸気を容易に透過することができる。そのため、ゾルゲル材料に凹凸パターンを転写する目的でゴムモールドを用いる場合には、シリコーンゴム系の材料が好適である。また、ゴム系材料の表面自由エネルギーは25mN/m以下が好ましい。これによりゴムモールドの凹凸パターンを基材上の塗膜に転写するときの離形性が良好となり、転写不良を防ぐことができる。ゴムモールドは、例えば、長さ50〜1000mm、幅50〜3000mm、厚み1〜50mmにし得る。ゴムモールドの厚みが前記下限より小さいと、ゴムモールドの強度が小さくなり、ゴムモールドのハンドリング中に破損する恐れがある。厚みが前記上限より大きいと、ゴムモールド作製時にマスターモールドから剥離することが困難となる。また、必要に応じて、ゴムモールドの凹凸パターン面上に離型処理を施してもよい。
また、凹凸パターン転写用のモールドとして、液晶物質を含有し、該液晶物質の配向によってレリーフ構造が形成された凹凸面を有するモールド(液晶モールド)を用いてもよい。
このようなモールドは、液晶物質の自己組織化する性質に基づいて表面にレリーフ構造が形成されていることから、リソグラフィ技術のように凹凸面の面積が制限されることがない。そのため、このようなモールドは、転写用の凹凸面の面積が大きい場合であっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造されることが可能である。
レリーフ構造を効率的かつ安定的に形成するために、上記液晶物質の重量平均分子量は1000以上であることが好ましい。同様の観点から、液晶物質が、らせん構造が形成されるように配向していることが好ましい。また、液晶物質の配向によって形成されたキラルスメクチックC相又はキラルスメクチックCA相が固定されていることがより好ましい。
液晶モールドの凹凸面を構成するレリーフ構造のピッチ(凹凸の一周期の長さ)は、液晶物質によって形成されるらせん構造等に応じて変化し得るが、3000nm以下程度である。また、レリーフ構造を構成する凹凸の深さは3〜500nmである。液晶モールドは、このような微細なパターンを有する場合であっても容易に製造されることが可能である。
この液晶層の凹凸面の凹部、またはこの液晶層の凹凸が転写されたレジスト層の凹凸面の凹部をエッチングして液晶層又はレジスト層の下の基材表面を露出させた後、残存する液晶層またはレジスト層をマスクとして基材をエッチングするなどして、液晶層またはレジストの凹凸をより深くすることもできる。エッチング方法としては、エキシマUV光などの紫外線に代表されるエネルギー線を照射することによるエッチングや、RIE、ICPエッチングのようなドライエッチング法等が適用できる。
液晶モールドにおいて、液晶物質の配向によって形成された、上記のようならせん構造を有する液晶相が、実質的に流動性を有しない状態で固定されていることが好ましい。液晶物質の配向が固定される結果、モールド表面のレリーフ構造が固定される。らせん構造の安定性、らせんピッチの可変の容易さ、らせん構造を構成する液晶物質の合成の容易さ、さらには液晶状態での粘性が低いことによる配向の容易さ等の観点から、キラルスメクチックC相又はキラルスメクチックCA相が固定されていることが好ましい。
液晶モールドは、液晶物質を1種又は2種以上含有する組成物である液晶材料によって形成された成形品である。大きな面積を有する長尺な成形品を得やすいことから、液晶モールドは、好適にはフィルム(液晶フィルム)である。
液晶モールドは、液晶物質を含有する膜を形成する工程と、液晶物質をらせん構造が形成されるように配向させ、該液晶物質の配向を固定することにより、膜の表面にレリーフ構造を形成させて、凹凸面を有する膜をモールドとして得る工程により、製造することができる。
液晶モールドのレリーフ構造から転写された凹凸面を有する金属成形品を、本実施形態の凹凸パターン転写用のモールドとして用いてもよい。そのような金属成型品は、液晶物質を含有する膜を形成する工程と、液晶物質をらせん構造が形成されるように配向させ、該液晶物質の配向を固定することにより、膜の表面にレリーフ構造を形成させて、凹凸面を有する膜を得る工程と、膜の凹凸面上に金属成形品を形成して、レリーフ構造からの転写により形成された凹凸面を有する金属成形品をモールドとして得る工程により製造することができる。
これらの方法によれば、転写用の凹凸面の面積が大きいモールドであっても、つなぎ目を設けることなく容易に製造することが可能である。
以下、本発明の防曇部材を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例1〜13及び比較例1〜14においてそれぞれ凹凸パターンを有する基板(凹凸パターン基板)を作製し、各凹凸パターン基板の防曇性を評価した。
実施例1
まず、凹凸パターンの母型として協同インターナショナル社製DTM−1−2を用意した。この母型において、幅1,000nm、長さ4,000μm、高さ5,000nmの直線状に延在する凸部(ライン)が1,000nm間隔で形成されている。すなわち、この母型において、凸部(ライン)幅1,000nm、凹部(スペース)幅1,000nm、凹凸深さ5,000nm、ライン長4,000μmのラインアンドスペースパターン(L&Sパターン)が形成されている。このL&Sパターンにおいて、凸部(ライン)の長さ方向に対して垂直に切断した凸部の断面は幅1,000nm、高さ5,000nmの矩形となる。実施例1ではこのL&Sパターンを凹凸パターンとして用いた。
次に、PET基板(東洋紡製、コスモシャインA−4100)上にフッ素系UV硬化性樹脂を塗布し、母型を押し付けながら、紫外線を600mJ/cmで照射することでフッ素系UV硬化性樹脂を硬化させた。樹脂が硬化した後、硬化した樹脂から母型を剥離した。こうして母型の表面形状が転写された樹脂膜付きPET基板からなるフィルムモールドを得た。
水1g、IPA19g及び酢酸0.1mLを撹拌しながら、シランカップリング剤(信越化学製、KBM−5103)1gを滴下し、その後1hrさらに撹拌して、シランカップリング剤溶液を調製した。30mm×30mm×0.7(厚み)mmの無アルカリガラス基材(日本電気硝子製)を用意し、この基材を洗剤(純正化学製、RBS−25)とスポンジを用いてよくこすり洗いした。その後、スピン乾燥により基材表面の水分を除き、この上にシランカップリング剤溶液をスピンコートした。スピンコートは1000rpmで30秒間行った。その後130℃のオーブンで15分間基材を焼成して易接着処理済み基材を得た。易接着処理済み基材の易接着処理面に、UV硬化樹脂としてPAK−02(東洋合成工業製、平滑膜時の水の接触角:70°)を滴下した。滴下したUV硬化樹脂にフィルムモールドの凹凸パターンが形成された面を重ね合わせ、基材の一端から他端に向かってハンドローラーを回転移動させることでモールドを基材上の塗膜に押し付けた。モールドの押圧終了後、モールドを前記一端から他端に向かって剥離角度(基材に対するモールドの角度)が約30°になるように手作業で剥離した。これにより、モールドの凹凸パターンが転写された凹凸パターン基板を作製した。
実施例2
凹凸パターンの母型として協同インターナショナル社製DTM−1−2を用意した。この母型において、凸部(ライン)幅5,000nm、凹部(スペース)幅5,000nm、凹凸深さ5,000nm、ライン長4,000μmのL&Sパターンが形成されている。このL&Sパターンを凹凸パターンとして用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例1
実施例1、2と比較するために、凹凸パターンの母型として協同インターナショナル社製DTM−1−2を用意した。この母型において、凸部(ライン)幅10,000nm、凹部(スペース)幅10,000nm、凹凸深さ5,000nm、ライン長4,000μmのL&Sパターンが形成されている。このL&Sパターンを凹凸パターンとして用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例2
実施例1、2と比較するために、凹凸パターンの母型として協同インターナショナル社製DTM−1−2を用意した。この母型において、凸部(ライン)幅50,000nm、凹部(スペース)幅50,000nm、凹凸深さ5,000nm、ライン長4,000μmのL&Sパターンが形成されている。このL&Sパターンを凹凸パターンとして用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
実施例3
凹凸パターンの母型としてNTT−AT社製特注モールドA(Siモールド)を用意した。この母型において、凸部(ライン)幅200nm、凹部(スペース)幅200nm、凹凸深さ200nm、ライン長10,000μmのL&Sパターンが形成されている。この母型を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
実施例4
エタノール22mol、水5mol、濃塩酸0.004mol及びアセチルアセトン4molを混合した液に、ジメチルジエトキシシラン(DMDES)1molを滴下して加え、さらに添加剤として界面活性剤S−386(セイミケミカル製)を0.5wt%加え、23℃、湿度45%で2時間攪拌してゾルゲル材料の溶液を得た。無アルカリガラス基材上にゾルゲル材料の溶液をスピンコートした。スピンコータは、ACT−300DII(ACTIVE社製)を用い、スピンは最初に500rpmで8秒間行った後、1000rpmで3秒間行った。スピンコート後塗膜を20〜1200秒間室温にて乾燥させた。ゾルゲル材料の塗膜に、実施例3と同様にして作製したフィルムモールドの凹凸パターンが形成された面を重ね合わせ、基材の一端から他端に向かって23℃の押圧ロールを回転移動させることでモールドを基材上の塗膜に押し付けた。押圧終了直後に、基材をホットプレート上へ移動し、100℃で加熱した(仮焼成)。加熱を30秒間または5分間続けた後、ホットプレート上から基板を取り外し、モールドを前記一端から他端に向かって剥離角度が約30°になるように手作業で剥離した。これにより、モールドの凹凸パターンが転写された凹凸パターン基板を作製した。なお、DMDESから形成されたシリカの平滑膜時の水の接触角は84°であった。
実施例5
DMDESの代わりにテトラエトキシシラン(TEOS)を用いた以外は実施例4と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。なお、TEOSから形成されたシリカの平滑膜時の水の接触角は10°であった。
実施例6
UV硬化樹脂としてPAK−02の代わりにUVHC8558(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、平滑膜時の水の接触角:87°)を用いた以外は実施例3と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
比較例3
実施例3〜6と比較するために、UV硬化樹脂としてPAK−02の代わりにフッ素系UV硬化性樹脂(平滑膜時の水の接触角:95°)を用いた以外は実施例3と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
実施例7
凹凸パターンの母型としてNTT−AT社製特注パターンB(Siモールド)を用意した。この母型において、凸部(ライン)上部幅400nm、凸部(ライン)下部幅400nm、凹部(スペース)幅400nm、凹凸深さ200nm、ライン長10,000μmのL&Sパターンが形成されている。この母型を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。なお、本実施例で用いる凹凸パターンの母型において、凸部の長さ方向に対して垂直に切断した凸部の断面は幅400nm、高さ200nmの矩形となる。
実施例8
実施例7と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、実施例4と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
実施例9
実施例7と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、実施例5と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
実施例10
実施例7と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、実施例6と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
比較例4
実施例7〜10と比較するために、実施例7と同様にして作製したフィルムモールドを用い、それ以外は比較例3と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
実施例11
凹凸パターンの母型としてNTT−AT社製特注パターンCを用意した。この母型において、凸部(ライン)上部幅100nm、凸部(ライン)下部幅200nm、凹部(スペース)幅50nm、凹凸深さ400nm、ライン長15,000μmのL&Sパターンが形成されている。この母型を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。なお、本実施例で用いる凹凸パターンの母型において、凸部の長さ方向に対して垂直に切断した凸部の断面は上底100nm、下底200nm、高さ400nmの等脚台形となる。
実施例12
実施例11と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、実施例4と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
実施例13
実施例11と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、実施例6と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
比較例5
実施例11〜13と比較するために、実施例11と同様にして作製したフィルムモールドを用い、それ以外は比較例3と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
比較例6
実施例2と比較するために、凹凸パターンの母型として協同インターナショナル社製DTM−1−2を用意した。この母型において、5,000nmφ、深さ5,000nmの円柱形状のホールを5,000nmの間隔で配列したホールパターン(すなわち、凸部幅(ホール間距離)5,000nm、凹部幅(ホール径)5,000nm、凹凸深さ(ホール深さ)5,000nmのホールパターン)が形成されている。このホールパターンを凹凸パターンとして用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例7
実施例3と比較するために、凹凸パターンの母型としてSCIVAX社製FLH230/200−120を用意した。この母型において、230nmφ、深さ200nmの円柱形状のホールを230nmの間隔で配列したホールパターン(すなわち、凸部幅(ホール間距離)230nm、凹部幅(ホール径)230nm、凹凸深さ(ホール深さ)200nmのホールパターン)が形成されている。この母型を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例8
比較例3、7と比較するために、比較例7と同様にして作製したフィルムモールドを用い、それ以外は比較例3と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例9
実施例2と比較するために、凹凸パターンの母型として協同インターナショナル社製DTM−1−2を用意した。この母型において、5,000nmφ、高さ5,000nmの円柱形状のピラーを5,000nmの間隔で配列したピラーパターン(すなわち、凸部幅(ピラー径)5,000nm、凹部幅(ピラー間距離)5,000nm、凹凸深さ(ピラー高さ)5,000nmのピラーパターン)が形成されている。このピラーパターンを凹凸パターンとして用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例10
実施例3と比較するために、凹凸パターンの母型としてSCIVAX社製FLP230/200−120を用意した。この母型において、230nmφ、高さ200nmの円柱形状のピラーを230nmの間隔で配列したピラーパターン(すなわち、凸部幅(ピラー径)230nm、凹部幅(ピラー間距離)230nm、凹凸深さ(ピラー高さ)200nmのピラーパターン)が形成されている。この母型を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例11
比較例3、10と比較するために、比較例10と同様にして作製したフィルムモールドを用い、それ以外は比較例3と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例12
実施例3と比較するために、凹凸パターンの母型としてNILTechnology社製Anti−Reflective stampを用意した。この母型において、250nmφ、高さ250nmの円錐を50nmの間隔で配列したモスアイパターン(すなわち、凸部底辺幅(円錐径)250nm、凹部幅(円錐間距離)50nm、凹凸深さ(円錐高さ)250nmのモスアイパターン)が形成されている。この母型を用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムモールドを作製し、このフィルムモールドを用いて実施例1と同様にして凹凸パターン基板を作製した。
比較例13
実施例4及び比較例12と比較するために、比較例12と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、実施例4と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
比較例14
比較例3、12、13と比較するために、比較例12と同様にして作製したフィルムモールドを用いた以外は、比較例3と同様にして、凹凸パターン基板を作製した。
<防曇効果の評価>
実施例1〜13及び比較例1〜14で作製した凹凸パターン基板の防曇効果を次のようにして評価した。温度25±2℃、湿度25%の恒温室に凹凸パターン基板を30分間放置した。次いで、−10±2℃のプレート上に凹凸パターン基板を1分間静置した。その後、凹凸パターン基板表面の曇りの発生状況を目視で確認し、基板表面に曇りが見られなかったものを合格、曇りが見られたものを不合格とした。評価結果を図7の表中に、合格を〇、不合格を×と表記して示す。
<平滑膜時の水の接触角の測定>
なお、実施例1〜13及び比較例1〜14において用いたPAK−02、DMDES、TEOS、UVHC8558及びフッ素系UV硬化性樹脂の平滑膜時の水の接触角は次のようにして測定した。
PAK−02、UVHC8558及びフッ素系UV硬化樹脂のそれぞれを、5×5×0.07cmにカットしたガラス板(日本電気硝子社製、OA10G)上にスピンコートした。スピンコータとしてACT−300DII(ACTIVE社製)を用い、1000rpmで30秒間スピンさせて塗布した。次いで窒素雰囲気中(酸素濃度0.5%以下)にて紫外線を600mJ/cmで照射することで塗膜を硬化させた。
DMDES、TEOSのそれぞれの溶液を、5×5×0.07cmにカットしたガラス板(日本電気硝子社製、OA10G)上にスピンコートし、塗膜を形成した。スピンコータとしてACT−300DII(ACTIVE社製)を用い、最初に500rpmで8秒間行った後、1000rpmで3秒間スピンさせて塗布した。次いで、塗膜を90秒間室温にて乾燥させ、ホットプレートを用いて100℃で5分間仮焼成した。得られた基板を300℃で1時間加熱し、塗膜を焼成した。
このようにして作製したPAK−02、UVHC8558、フッ素系UV硬化性樹脂、DMDESから形成したシリカ、及びTEOSから形成したシリカからなる平滑膜について、接触角計(協和界面科学株式会社製、CA−A)を用いて、水の接触角の測定を行った。その結果、図7の表中に示すように、PAK−02膜の水の接触角は70°、UVHC8558膜の水の接触角は87°、フッ素系UV硬化性樹脂膜の水の接触角は95°、DMDESから形成したシリカ膜の水の接触角は84°、TEOSから形成したシリカ膜の水の接触角は10°であった。
図7の表に示されるように、実施例1、2及び比較例1、2の凹凸パターン基板の防曇効果の評価結果から、凸部幅(ライン幅)及び凹部幅(スペース幅)が10μm未満であるL&Sパターンを有する凹凸パターン基板は十分な防曇効果を有するが、凸部幅(ライン幅)及び凹部幅(スペース幅)が10μm以上であるL&Sパターンを有する凹凸パターン基板は防曇効果が不十分であることがわかった。防曇効果評価試験後の凸部幅(ライン幅)及び凹部幅(スペース幅)が10μm未満である凹凸パターン基板の表面を顕微鏡で観察したところ、図8に概念的に示すように凹凸パターンの凹部及び凸部の延在方向に沿って濡れ広がった形状の水膜が形成されていた。このことから、凸部幅(ライン幅)及び凹部幅(スペース幅)が10μm未満である凹凸パターン基板では、基板表面に生じた水滴が、ラインアンドスペース(凸部及び凹部)の長さ方向(延在方向)に沿って合一したと考えられる。ゆえに、凸部幅(ライン幅)及び凹部幅(スペース幅)が10μm未満である凹凸パターン基板では、ラインアンドスペースの長さ方向に沿って水滴が合一して、水膜(光を散乱しない大きな水滴)となるため、曇りが生じなかったと考えられる。一方、凸部幅(ライン幅)または凹部幅(スペース幅)が10μm以上である凹凸パターン基板では、凸部表面または凹部表面に光を散乱する比較的小さい水滴が合一することなく残存したため、曇りが生じたと考えられる。
図7の表に示されるように、実施例3〜10及び比較例3、4の凹凸パターン基板の防曇効果の評価結果から、PAK−02、DMDES、TEOS、UVHC8558を用いた凹凸パターン基板は十分な防曇効果を有するが、フッ素系UV硬化性樹脂を用いた凹凸パターン基板は防曇効果が不十分であることがわかった。PAK−02、DMDES、TEOS、UVHC8558の水の接触角は90度以下であり、フッ素系UV硬化性樹脂の水の接触角は90度を超えることから、十分な防曇効果を得るためには、凹凸パターンを形成する材料の水の接触角が90度以下となるような親水性を有する必要があることが分かった。凹凸パターンを形成する材料の水に対する接触角が90°以下である場合、上記のように水滴がラインアンドスペースの長さ方向に沿って濡れ広がって合一し、水膜(光を散乱しない大きな水滴)となったために曇りが生じなかったと考えられる。一方、凹凸パターンを形成する材料の親水性が不十分である場合、水滴がラインアンドスペースの長さ方向に沿って濡れ広がらず、上記のような水滴の合一が十分に発生しなかったために、光を散乱する小さな水滴が基板表面に残り、曇りが生じたと考えられる。
図7の表に示されるように、実施例11〜13及び比較例5の凹凸パターン基板の防曇効果の評価結果から、ラインアンドスペースパターンの凸部が基材側の底部から上部に向かって幅が狭くなるような断面形状を有する場合(すなわち凸部がテーパー形状である場合)も、凸部の断面が矩形の場合と同様に防曇効果が得られることが分かった。
図7の表に示されるように、実施例2及び比較例6、9の凹凸パターン基板の防曇効果の評価結果の比較、実施例3及び比較例7、10、12の凹凸パターン基板の防曇効果の評価結果の比較、並びに実施例4及び比較例13の凹凸パターン基板の防曇効果の評価結果の比較から、凹凸パターンがホールパターン、ピラーパターン、またはモスアイパターンである場合、凹凸パターンがL&Sパターンである場合と異なり、凹凸パターン基板の防曇効果が不十分であることがわかった。L&S形状の凹凸は水滴が合一するためのガイドとして働くことができるが、ホール、ピラーまたはモスアイ形状の凹凸は、水滴の合一のためのガイドとしての機能が不十分であり、それゆえにホールパターン、ピラーパターンまたはモスアイパターンを有する凹凸パターン基板では、基板表面に光を散乱する小さな水滴が合一することなく残存し、曇りが生じたと考えられる。また、比較例3、8、11、14の評価結果から、凹凸パターンを形成する材料がフッ素系UV硬化性樹脂である場合、すなわち凹凸パターンを形成する材料の水の接触角が90度を超える場合は、L&Sパターンを有する凹凸パターン基板と同様にホールパターン、ピラーパターンまたはモスアイパターンを有する凹凸パターン基板も防曇効果が不十分であることがわかった。
以上、本発明を実施例及び比較例により説明してきたが、本発明の防曇部材は上記実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内で適宜改変することができる。
本発明の防曇部材は優れた防曇性を有するため、例えば、車両用ミラー、浴室用鏡、洗面所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物の窓ガラス及びその他建材用のガラス;自動車、鉄道車両、航空機、船舶等の乗物の窓ガラス;乗物の風防ガラス;防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグルのようなゴーグル;防護用マスク、スポーツ用マスク、ヘルメット等のシールド;冷凍食品等の陳列ケースのガラス;計測機器のカバーガラス;これらの物品表面に貼付するためのフィルム等の種々の用途に用いることができる。
20 バッファ層、 40 基材、 50 被膜
60 凸部、 62 凹凸構造層、 70 凹部
80 凹凸パターン、100 防曇部材

Claims (17)

  1. 基材上に複数の凸部及び凹部からなる凹凸パターンが形成された防曇部材であって、
    前記凸部の表面は、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料によって構成され、
    前記凸部及び前記凹部は、真直にまたは屈曲して延在する細長い形状を有し、且つ、幅が10μm未満であることを特徴とする防曇部材。
  2. 前記凸部の延在方向と直交する断面形状は、底部から頂部に向かって狭くなることを特徴とする請求項1に記載の防曇部材。
  3. 前記凸部及び前記凹部の延在方向及び延在長さが均一であることを特徴とする請求項1または2に記載の防曇部材。
  4. さらに、前記基材上に前記凸部及び前記凹部の延在方向を示すマーカーを有する請求項3に記載の防曇部材。
  5. 前記凸部及び前記凹部の延在方向及び延在長さが不均一であることを特徴とする請求項1または2に記載の防曇部材。
  6. 前記凹凸パターンの凹凸深さが25μm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の防曇部材。
  7. 前記凹凸パターンの凸部長さが凸部間距離の3倍以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の防曇部材。
  8. 前記凸部及び前記凹部の前記幅が400nm以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の防曇部材。
  9. 前記凸部の表面が無機材料によって構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の防曇部材。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の防曇部材の製造方法であって、
    基材上に塗膜を形成する塗布工程と、
    前記塗膜に凹凸パターンを有するモールドを押し付けることにより前記凹凸パターンを前記塗膜に転写して、前記基材上に凹凸構造層を形成する転写工程とを有する防曇部材の製造方法。
  11. 前記塗布工程において、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布することによって前記塗膜を形成することを特徴とする請求項10に記載の防曇部材の製造方法。
  12. 前記凹凸構造層上に平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布することを特徴とする請求項10または11に記載の防曇部材の製造方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の防曇部材の製造方法であって、
    表面に凹凸パターンを有するモールドの凹凸パターン面に塗膜を形成する塗布工程と、
    前記塗膜が形成された前記モールドと基材を密着させて前記塗膜を前記基材に前記凹凸パターンに従って転写する転写工程とを有する防曇部材の製造方法。
  14. 前記塗布工程において、前記モールドの前記凹凸パターン面の凹部に前記塗膜を形成することを特徴とする請求項13に記載の防曇部材の製造方法。
  15. 前記塗布工程において、前記モールドの前記凹凸パターン面の凸部に前記塗膜を形成することを特徴とする請求項13に記載の防曇部材の製造方法。
  16. 前記塗布工程において、平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布することによって前記塗膜を形成することを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載の防曇部材の製造方法。
  17. 前記基材に転写された前記塗膜上に平滑表面における水の接触角が90度以下である材料を塗布することを特徴とする請求項13〜16のいずれか一項に記載の防曇部材の製造方法。
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