JPH1067873A - 基材表面の親水化方法 - Google Patents
基材表面の親水化方法Info
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- JPH1067873A JPH1067873A JP9062252A JP6225297A JPH1067873A JP H1067873 A JPH1067873 A JP H1067873A JP 9062252 A JP9062252 A JP 9062252A JP 6225297 A JP6225297 A JP 6225297A JP H1067873 A JPH1067873 A JP H1067873A
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Abstract
媒の光励起に応じた親水化の程度を維持しつつ、より良
好な耐摩耗性を有する樹脂基材の親水化方法を提供する
こと。 【解決手段】 表面を放電処理又はアルカリ処理、紫外
線処理若しくは光触媒を接触させながら光触媒を励起さ
せうるエネルギ−を有する光子を含む光を照射する処理
を行う工程と、表面を光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層
で被覆する工程と、光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層に
前記光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含
む光を照射し、以てシリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結
合する有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程
と、を含む樹脂からなる表面を有する基材表面の親水化
方法。
Description
を有する基材の表面を、高度に親水化させる塗膜の形成
方法に関する。
基材表面に一様に拡がるようになるので、ガラス、レン
ズ、鏡の曇りを有効に防止でき、湿分による失透防止、
雨天時の視界性確保等に役立つ。さらに、都市媒塵、自
動車等の排気ガスに含有されるカ−ボンブラック等の燃
焼生成物、油脂、シ−ラント溶出成分等の疎水性汚染物
質が付着しにくく、付着しても降雨や水洗により簡単に
落せるようになるので便利である。
汚塗料の分野において、従来から親水性樹脂が提案され
ている(例えば、実開平5−68006号や、「高分
子」、44巻、1995年5月号、p.307)。ま
た、親水化するための表面処理方法も提案されている
(例えば、実開平3−129357号)。
樹脂は水との接触角に換算して30〜50゜程度までし
か親水化されず、充分な曇り防止効果が発揮できない。
また無機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、水洗
浄による清浄性が充分でない。 また従来提案されてい
る親水化するための表面処理方法(エッチング処理、プ
ラズマ処理等)では、一時的に高度に親水化できてもそ
の状態を長期間維持することができない。
3号において、基材表面に光触媒含有層を形成すると、
光触媒の光励起に応じて表面が水との接触角に換算して
10゜以下まで高度に親水化されることを発明し、この
技術をガラス、レンズ、鏡、外装材、水回り部材等の種
々の複合材に適用すれば、これら複合材に優れた防曇、
防汚等の機能を付与できることを提案した。この方法に
よれば、水との接触角に換算して10゜以下まで高度に
親水化されるので、充分な曇り防止効果が発揮され、無
機粘土質からなる汚染物質の付着及び降雨、水洗浄によ
る清浄性も飛躍的に向上する。また光触媒の光励起に応
じて親水化された状態が維持、回復される。
0733号においては、アクリル等の樹脂基材上に、光
触媒と、ケイ素原子に結合した有機基の少なくとも一部
が水酸基に置換したシリコ−ン樹脂と、からなる表面層
を形成した複合材の例を開示したが、そこで開示した方
法で作製した複合材表面層は、確かに光触媒の光励起に
応じて高度な親水性を呈するが、耐摩耗性は、鉛筆硬度
でH程度であった。そこで、本発明では、樹脂基材上に
形成した表面層において、光触媒の光励起に応じた親水
化の程度を維持しつつ、より良好な耐摩耗性を有する樹
脂基材の親水化方法を提供することを目的とする。
記課題を達成するために、樹脂からなる表面を有する基
材表面を親水処理する工程と、前記表面を光触媒とシリ
コ−ン樹脂を含む層で被覆する工程と、前記シリコ−ン
樹脂中のケイ素原子に結合する有機基の少なくとも一部
を水酸基に置換する工程と、を含むことを特徴とする基
材表面の親水化方法を提供する。表面を光触媒とシリコ
−ン樹脂を含む層で被覆する工程と、光触媒とシリコ−
ン樹脂を含む層中のシリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結
合する有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程
により、基材を親水化させることができる。また、基材
表面を親水処理することにより、表面層を基材に強固に
固着できようになる。親水処理方法としては、放電処
理、アルカリ処理、又は光触媒を接触させながら前記光
触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含む光を
照射する工程を利用するのが簡便であり好ましい。
らなる表面を有する基材表面を親水処理する工程と、前
記表面を光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層で被覆する工
程と、前記シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合する有
機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程と、前記
光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含む光
を照射し、基材表面に吸着水層を形成させる工程と、を
含むようにする。シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合
する有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程を
行った後、光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光
子を含む光を照射し、基材表面に吸着水層を形成させる
ことで、表面は10゜以下に高度に親水化され、さらに
驚くべきことに、この処理を施した試料表面の親水性は
暗所においても3週間程度の親水維持性を呈する。
材表面を親水処理する工程の代わりに、光触媒とシリコ
−ン樹脂を含む層で被覆する工程よりは後にコロナ放電
処理、水銀灯照射等の紫外線処理する工程を行うように
する。このようにしても密着性を向上させることができ
る。また紫外線により光触媒を励起させることもできる
ので、シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合する有機基
の少なくとも一部を水酸基に置換する工程、及び基材表
面に吸着水層を形成させる工程を同時に行わせることも
可能である。
リコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合する有機基の少なく
とも一部を水酸基に置換する工程は、前記光触媒とシリ
コ−ン樹脂を含む層に前記光触媒を励起させうるエネル
ギ−を有する光子を含む光を照射する工程であるように
すると、励起光源又は自然光のみで置換させることがで
きるので、特別の装置を必要とせず好ましい。
リコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合する有機基の少なく
とも一部を水酸基に置換する工程は、前記光触媒とシリ
コ−ン樹脂を含む層表面をコロナ放電処理する工程であ
るようにすると、放電処理により前記置換する工程に要
する時間を短縮することができるので好ましい。但し、
10゜未満まで高度に親水化するためには、さらに光触
媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含む光を照
射する工程が必要である。
材はアクリル樹脂からなり、前記光触媒とシリコ−ン樹
脂を含む層で被覆する工程は、オルガノアルコキシシラ
ン、その加水分解物、その脱水縮重合物の少なくとも1
種を含む塗膜形成要素と光触媒粒子を混合する工程と、
前記混合物を塗布する工程と、前記塗膜形成要素を加熱
硬化させる工程を含み、かつ前記加熱硬化は90℃以下
で行うようにする。加熱硬化を90℃以下で行うこと
で、アクリル樹脂の寸法安定性が向上する。
る表面を有する基材表面を親水処理する工程と、前記表
面を光触媒と無定型シリカを含む層で被覆する工程と、
を含むことを特徴とする基材表面の親水化方法を提供す
る。また、基材表面を親水処理することにより、光触媒
粒子と無定型シリカからなる親水性の表面層と基材表面
との密着性が向上するので、表面層を基材に強固に固着
できようになる。親水処理方法としては、放電処理、ア
ルカリ処理、親水性中間層の被覆、又は光触媒を接触さ
せながら前記光触媒を励起させうるエネルギ−を有する
光子を含む光を照射する工程を利用するのが簡便であり
好ましい。
らなる表面を有する基材表面を親水処理する工程と、前
記表面を光触媒と無定型シリカを含む層で被覆する工程
と、前記光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子
を含む光を照射し、基材表面に吸着水層を形成させる工
程と、を含むようにする。光触媒を励起させうるエネル
ギ−を有する光子を含む光を照射し、基材表面に吸着水
層を形成させることで、表面は10゜以下に高度に親水
化され、さらに驚くべきことに、この処理を施した試料
表面の親水性は暗所においても1週間以上の親水維持性
を呈する。
材表面を親水処理する工程の代わりに、光触媒と無定型
シリカを含む層で被覆する工程よりは後にコロナ放電処
理、水銀灯照射等の紫外線処理する工程を行うようにす
る。このようにしても密着性を向上させることができ
る。また紫外線により光触媒を励起させることもできる
ので、基材表面に吸着水層を形成させる工程を同時に行
わせることも可能である。
材はアクリル樹脂からなり、前記光触媒と無定型シリカ
を含む層で被覆する工程は、オルガノアルコキシシラ
ン、その加水分解物であるシラノ−ル、その脱水縮重合
物であるオルガノシリケ−トやポリシラノ−ル等の少な
くとも1種を含む塗膜形成要素と光触媒粒子を混合する
工程と、前記混合物を塗布する工程と、前記塗膜形成要
素を加熱硬化させる工程を含み、かつ前記加熱硬化は9
0℃以下で行うようにする。加熱硬化を90℃以下で行
うことで、アクリル樹脂の寸法安定性が向上する。
材の少なくとも表面は塩化ビニル樹脂からなり、前記光
触媒と無定型シリカを含む層で被覆する工程は、テトラ
アルコキシシラン、その加水分解物、その脱水縮重合物
の少なくとも1種を含む塗膜形成要素と光触媒粒子を混
合する工程と、前記混合物を塗布する工程と、前記塗膜
形成要素を加熱硬化させる工程を含み、かつ前記加熱硬
化は60℃以下で行うようにする。加熱硬化を60℃以
下で行うことで、塩化ビニル樹脂の製造時の変質を防止
できるとともに寸法安定性が向上する。
説明する。樹脂からなる表面を有する基材とは、樹脂自
体、表面に樹脂が被覆されている基材、表面層が樹脂層
からなる複合材のいずれをもを含む。樹脂自体として
は、飛散防止フィルム、意匠性フィルム、耐蝕性フィル
ム等のフィルム基材;看板、高速道路の防音壁等の樹脂
基材などが代表例として挙げられる。表面に樹脂が被覆
されている基材としては、自動車筐体、塗装建材等の塗
装板、表面に樹脂フィルムが貼着された積層板、プライ
マ−処理した基材、ハ−ドコ−ト処理した基材などが代
表例として挙げられる。表面層が樹脂層からなる複合材
としては、裏面に接着剤層が設けられた樹脂シ−ル材、
反射ミラ−、などが代表例として挙げられる。
る状態の変化をいう。都市媒塵、自動車等の排気ガスに
含有されるカ−ボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シ
−ラント溶出成分等の疎水性汚染物質が付着しにくく、
付着しても降雨や水洗により簡単に落せるようにするに
は、基材表面は水との接触角に換算して50゜以下、よ
り好ましくは30゜以下程度まで親水化するのがよい。
さらに無機粘土質汚染物質が付着しにくく、付着しても
降雨や水洗により簡単に落せるようにするには、基材表
面は水との接触角に換算して10゜以下、より好ましく
は5゜以下程度まで高度に親水化するのがよい。また透
明基材表面に付着した水滴を一様に拡がらせて、ガラ
ス、レンズ、鏡の曇りを有効に防止し、湿分による失透
防止、雨天時の視界性確保を図るためには、基材表面は
10゜以下程度までに高度に親水化するのがよい。
の光励起によって生成する正孔或いは伝導電子を介する
反応により、シリコ−ン樹脂のシリコン原子に結合する
有機基を水酸基に置換できるもの、及び/又は極性を付
与して、吸着水層を形成できる能力を有するものをさ
し、より具体的にはアナタ−ゼ型酸化チタン、ルチル型
酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、三酸化二ビスマス、三
酸化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウ
ム等が使用できる。
アルコキシシラン、その加水分解物、その脱水縮重合物
の少なくとも1種を含む塗膜形成要素の加水分解、脱水
縮重合により形成される樹脂をさす。ここでオルガノア
ルコキシシランとしては、メチルトリクロルシラン、メ
チルトリブロムシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシ
ラン、メチルトリt−ブトキシシラン、エチルトリクロ
ルシラン、エチルトリブロムシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソ
プロポキシシラン、エチルトリt−ブトキシシラン、n
−プロピルトリクロルシラン、n−プロピルトリブロム
シラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピ
ルトリエトキシシラン、n−プロピルトリイソプロポキ
シシラン、n−プロピルトリt−ブトキシシラン、n−
ヘキシルトリクロルシラン、n−ヘキシルトリブロムシ
ラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
トリエトキシシラン、n−ヘキシルトリイソプロポキシ
シラン、n−ヘキシルトリt−ブトキシシラン、n−デ
シルトリクロルシラン、n−デシルトリブロムシラン、
n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキ
シシラン、n−デシルトリイソプロポキシシラン、n−
デシルトリt−ブトキシシラン、フェニルトリクロルシ
ラン、フェニルトリブロムシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリ
イソプロポキシシラン、フェニルトリt−ブトキシシラ
ン、テトラクロルシラン、テトラブロムシラン、テトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプ
ロポキシシラン、テトラt−ブトキシシラン、ジメトキ
シジエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、ジメチ
ルジブロムシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチ
ルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラ
ン、ジメチルジt−ブトキシシラン、ジフェニルジクロ
ルシラン、ジフェニルジブロムシラン、ジフェニルジメ
トキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニ
ルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジt−ブトキシ
シラン、フェニルメチルジクロルシラン、フェニルメチ
ルジブロムシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、
フェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジイ
ソプロポキシシラン、フェニルメチルジt−ブトキシシ
ラン、トリクロルヒドロシラン、トリブロムヒドロシラ
ン、トリメトキシヒドロシラン、トリエトキシヒドロシ
ラン、トリイソプロポキシヒドロシラン、トリt−ブト
キシヒドロシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルト
リブロムシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、
ビニルトリt−ブトキシシラン、トリフルオロプロピル
トリクロルシラン、トリフルオロプロピルトリブロムシ
ラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリ
フルオロプロピルトリエトキシシラン、トリフルオロプ
ロピルトリイソプロポキシシラン、トリフルオロプロピ
ルトリt−ブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジクロルシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジブロムシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソ
プロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
t−ブトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメ
チルジクロルシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメ
チルジブロムシラン、γ−メタアクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピル
メチルジエトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピ
ルメチルジイソプロポキシシラン、γ−メタアクリロキ
シプロピルメチルジt−ブトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジクロルシラン、γ−アミノプロピルメチ
ルジブロムシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジイソプロポキシシラ
ン、γ−アミノプロピルメチルジt−ブトキシシラン、
γ−メルカプトプロピルメチルジクロルシラン、γ−メ
ルカプトプロピルメチルジブロムシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルメチルジイソプロポキシシラン、γ−メルカプトプロ
ピルメチルジt−ブトキシシラン、β−(3、4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3、4−エポキシシクロヘキシル)、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルトリクロルシラン、γ−グリシドキシプロピルトリ
ブロムシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリt−ブトキシシ
ラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリエトキシシラ
ン、γ−メタアクリロキシプロピルトリクロルシラン、
γ−メタアクリロキシプロピルトリブロムシラン、γ−
メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タアクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ
−メタアクリロキシプロピルトリt−ブトキシシラン、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリクロルシラン、γ−アミノプロピルトリブロ
ムシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリt−ブトキシシラン、及びそれらの混合
物を使用することができる。
層で被覆方法は、光触媒粒子、または光触媒ゾルと、上
記オルガノアルコキシシラン、その加水分解物、その脱
水縮重合物の少なくとも1種を含む塗膜形成要素を混合
して作製した液状物を、基材表面に塗布した後、加熱、
湿分、紫外線等の手段で、オルガノアルコキシシランの
加水分解を完遂させ、脱水縮重合させることにより、硬
化させることによる。ここで基材表面に液状物を塗布す
る方法には、スプレ−・コ−ティング法、フロ−・コ−
ティング法、スピン・コ−ティング法、ディップ・コ−
ティング法、ロ−ル・コ−ティング法等の方法が好適に
利用できる。
コキシシラン及び/又はアルキルシリケ−ト、その加水
分解物、その脱水縮重合物の少なくとも1種を含む塗膜
形成要素の加水分解、脱水縮重合により形成されるもの
が好適に利用できる。ここでテトラアルコキシシランと
しては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、
ジエトキシジメトキシシラン等が好適に利用できる。ま
たアルキルシリケ−トとしては、平均組成式SiO
m(OR)n(Rは1種又は2種以上のオルガノ基)を満
たすものが好適に利用できる。
光子とは、光触媒結晶の伝導電子帯と価電子帯との間の
エネルギ−・ギャップよりも大きなエネルギ−(すなわ
ち短い波長)を有する光子をいう。より具体的には、光
触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場合には波長387n
m以下、ルチル型酸化チタンの場合には波長413nm
以下、酸化錫の場合には波長344nm以下、酸化亜鉛
の場合には387nm以下の波長の光子である。
光子を含む光とは、上記波長の光子を含む光源から発せ
られる光である。上記光触媒の場合、紫外線光源により
励起されるので、光源としては、蛍光灯、白熱電灯、メ
タルハライドランプ、水銀ランプのような室内照明、太
陽光や、それらの光源を低損失のファイバ−で誘導した
光源等を利用できる。
処理は、基材表面と光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層と
の密着性を高める意図で行い、親水性の程度が水との接
触角に換算して50゜以下、より好ましくは20゜以下
程度まで行う。
処理、光触媒を接触させながら前記光触媒を励起させう
るエネルギ−を有する光子を含む光を照射する工程等に
より行うことができる。ここで放電処理には、コロナ放
電処理、プラズマ放電処理等が好適に利用できる。アル
カリ処理は、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム
水溶液等に、基材を浸漬させる等の方法で接触させるこ
とにより行うことができる。光触媒を接触させながら前
記光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含む
光を照射する工程は、基材に光触媒ゾルを塗布する、基
材を光触媒ゾルに浸漬させる等の方法で接触させなが
ら、光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含
む光を照射することにより行うことができる。
使用条件より照度の強い紫外線照射手段を試料表面に照
射することにより行う。好ましくは2mW/cm2 以
上、より好ましくは10mW/cm2 以上の紫外線を照
射することにより行う。紫外線照射手段としては、コロ
ナ放電装置、水銀灯等が好適に利用できる。
有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程は、被
覆層中の光触媒を光励起させうるエネルギ−を有する光
子を含む光を照射する工程や放電処理により行うことが
できる。被覆層中の光触媒を光励起させうるエネルギ−
を有する光子を含む光を照射する工程を利用する場合に
は、0.01mW/cm2 以上、より好ましくは0.1
mW/cm2 以上の前記光子が照射されるようにするの
が好ましい。また、この処理の光源にコロナ放電装置、
水銀灯等の高照度紫外線照度手段を用いると、この工程
の反応を加速化することができる。
光子を含む光をさらに照射すると、被覆層中の光触媒が
励起されて、基材表面の吸着水層が形成、増加されるこ
とは、赤外分光(IR)分析におけるO−H伸縮ピ−
ク、H−O−H伸縮ピ−ク、H−O−H屈曲ピ−クの増
加により確認される。吸着水層の形成、増加により被覆
層表面の高度の親水化は達成される。基材表面の吸着水
層の形成、増加のために必要な光触媒を励起させうるエ
ネルギ−を有する光子の照度は、0.001mW/cm
2 以上あれば実現される。
(東芝シリコ−ン製、PH93をトルエン溶媒で6倍に
希釈した塗料)をスプレ−・コ−ティング法にて塗布後
室温で乾燥させて、基板をプライマ−樹脂層で被覆し
た。次に、シリコ−ン系ハ−ドコ−ティング剤(東芝シ
リコ−ン製、トスガ−ド)をフロ−・コ−ティング法に
て塗布し、120℃で30分乾燥させて、#1試料を得
た。さらに、#1試料表面を、コロナ表面処理装置(春
日電機製)により、電極にワイヤ−電極を用い、電極先
端と試料表面とのギャップ2mm、電圧26kV、周波
数39kHz、試料送り速度4.2m/分の条件で、高
周波コロナ放電処理して、#2試料を得た。#1試料表
面を5%水酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬し、試料
を傾斜して水溶液が表面に拡がる様子を確認後、水洗浄
し、さらに水分を拭き取って、#3試料を得た。#1試
料表面に、アナタ−ゼ型酸化チタンゾル(日産化学、T
A−15)を塗布後、紫外線照度0.6mW/cm2 の
光源(三共電気製、ブラックライトブル−(BLB蛍光
灯))を24時間照射し、その後酸化チタンを水洗によ
り除去し、さらに水分を拭き取って、#4試料を得た。
一方、アナタ−ゼ型酸化チタンゾル56重量部(日産化
学、TA−15)とシリカゾル33重量部(日本合成ゴ
ム製、グラスカA液)を混合し、エタノ−ルで希釈後、
更にトリメトキシシラン11重量部(日本合成ゴム製、
グラスカB液)を添加し、酸化チタン含有塗料組成物を
調整した。上記塗料組成物を、#1〜#4試料夫々に、
フロ−・コ−ティング法にて塗布し、120℃で30分
熱処理して硬化させ、#5〜#8試料を得た。得られた
試料について、塗膜の密着性と酸化チタン粒子の光励起
による親水化を評価した。ここで塗膜の密着性は、セロ
ファンテ−プを塗膜表面の片端かた他端にわたって貼着
した後、素早く剥したときに、塗膜が同時に剥れるか否
かにより評価した。 また酸化チタン粒子の光励起によ
る親水化は、紫外線照度0.6mW/cm2 のBLB蛍
光灯48時間照射前後の水との接触角の変化により調べ
た。ここで、水との接触角は、接触角測定器(協和界面
化学製、CA−X150)により、マイクロシリンジか
ら試料表面に水滴を滴下した後30秒後に測定した。結
果を表1に示す。表1より放電処理、アルカリ処理、又
は光触媒処理(請求項3)により親水化の程度を落さず
に、塗膜の密着性を向上させることができることがわか
る。
処理の影響) まず、10cm角のポリカ−ボネイト板(#9試料)上
にプライマ−塗料(信越シリコ−ン製、PC−7A)を
スプレ−・コ−ティング法にて塗布後120℃で20分
乾燥させて、基板をプライマ−樹脂層で被覆し、#10
試料を得た。次に、シリコ−ン系ハ−ドコ−ティング剤
(信越シリコ−ン製、KP−85)をスプレ−・コ−テ
ィング法にて塗布し、120℃で60分乾燥させて、#
11試料を得た。また、10cm角のポリカ−ボネイト
板上にプライマ−塗料(東芝シリコ−ン製、PH91)
をスプレ−・コ−ティング法にて塗布後120℃で20
分乾燥させて、基板をプライマ−樹脂層で被覆後、さら
に、シリコ−ン系ハ−ドコ−ティング剤(東芝シリコ−
ン製、トスガ−ド)をスプレ−・コ−ティング法にて塗
布し、120℃で60分乾燥させて、#12試料を得
た。さらに、#9〜#12試料表面を、実施例1と同じ
条件でコロナ放電処理して、#13〜#16試料を得
た。#9〜#12試料、及び#13〜#16試料につい
て、表面の水との接触角を測定し、コロナ放電処理前後
の試料の水濡れ性の変化を調べた。結果を表2に示す。
表2よりコロナ放電処理により各試料表面は水濡れ性が
向上した。このことは、後述するように、酸化チタン含
有膜の密着性により適した状態に変化したことを意味す
ると考えられる。
量部(日産化学、TA−15)とシリカゾル33重量部
(日本合成ゴム製、グラスカA液)を混合し、エタノ−
ルで希釈後、更にトリメトキシシラン11重量部(日本
合成ゴム製、グラスカB液)を添加し、酸化チタン含有
塗料組成物を調整した。上記塗料組成物を、#9、#1
3〜#16試料夫々に、フロ−・コ−ティング法にて塗
布し、120℃で30分熱処理して硬化させ、#17〜
#21試料を得た。得られた試料について、実施例1と
同様の手法で塗膜の密着性と酸化チタン粒子の光励起に
よる親水化を評価した。結果を表3に示す。表3より放
電処理により親水化の程度を落さずに、塗膜の密着性を
向上させることができることがわかる。
加速親水化) 実施例2で作製した#20試料(水との接触角97.4
゜)を、実施例1と同じ条件でコロナ放電処理して、#
22試料を得た。#22試料の水との接触角を測定した
ところ、13.2゜であった。次に、#20試料、#2
2試料夫々に紫外線照度0.6mW/cm2 のBLB蛍
光灯を照射し、水との接触角に換算して0゜になるまで
親水化されるまでの時間を比較した。その結果、#20
試料では48時間かかったのが、#22試料では15時
間で親水化され、コロナ放電処理により親水化されるま
での時間を短縮できることが確認された。
膜の密着性への影響) 実施例2で作製した#17試料と同様にして作製した試
料を、実施例1と同じ条件でコロナ放電処理して、#2
3試料を得た。#17試料と#23試料について実施例
1と同様の手法で塗膜の密着性を評価した。その結果、
#17試料では5%程度の剥離が観察されたのに対し、
#23試料では剥離しなかった。このことから、コロナ
放電を塗膜形成後に行った場合にも、塗膜の密着性を向
上させることができることが確認された。
法に及ぼす影響) 30×20cm角のPMMA板表面#24に、プライマ
−塗料(東芝シリコ−ン製、PH93をトルエン溶媒で
6倍に希釈した塗料)をスプレ−・コ−ティング法にて
塗布後室温で乾燥させて、基板をプライマ−樹脂層で被
覆した。次に、シリコ−ン系ハ−ドコ−ティング剤(東
芝シリコ−ン製、トスガ−ド)をフロ−・コ−ティング
法にて塗布し、90℃で3時間、及び120℃で30分
乾燥させて、#25、#26試料を得た。#25、#2
6試料表面を5%水酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬
し、試料を傾斜して水溶液が表面に拡がる様子を確認
後、水洗浄し、さらに水分を拭き取って、#27、#2
8試料を得た。一方、アナタ−ゼ型酸化チタンゾル56
重量部(日産化学、TA−15)とシリカゾル33重量
部(日本合成ゴム製、グラスカA液)を混合し、エタノ
−ルで希釈後、更にトリメトキシシラン11重量部(日
本合成ゴム製、グラスカB液)を添加し、酸化チタン含
有塗料組成物を調整した。上記塗料組成物を、#27、
#28試料夫々に、フロ−・コ−ティング法にて塗布
し、#27試料は90℃で3時間、#28試料は120
℃で30分熱処理して硬化させ、#29、#30試料を
得た。得られた試料#29、#30試料と元のアクリル
板#24試料との寸法を比較した。その結果、#30試
料では5%程度収縮していたのに対し、#29試料では
寸法変化は認められなかった。
したが、以前表面の水との接触角は4゜に止まった。
−トの耐摩耗性をより定量的に調べるため、鉛筆スクラ
ッチ試験を行った。鉛筆スクラッチ試験は日本工業規格
(JIS)H8602に従い、試料の表面を鉛筆の芯で
スクラッチし、トップコ−トが剥離する最も硬い鉛筆芯
を検出した。その結果、4Hと良好な結果が得られた。
料(信越シリコ−ン製、PC−7A)に浸漬後、100
mm/分で引上げるディップコ−ティング法によって、
ポリカ−ボネイト板をプライマ−樹脂層で被覆後、12
0℃で30分乾燥させて、#31試料を得た。次に、#
31試料をシリコ−ン系ハ−ドコ−ティング液(信越シ
リコ−ン製、KP−85)に浸漬後、100mm/分で
引上げるディップコ−ティング法によって、#31試料
をハ−ドコ−ト層で被覆後、120℃で60分乾燥させ
て、#32試料を得た。#32試料表面に、紫外線洗浄
改質装置(センエンジニアリング製、PL21−20
0、低圧水銀ランプ200W、波長253.7nm及び
184.9nm)を用いて、光源と試料表面との距離を
10mmに設定して、試料表面に紫外線を5分照射して
#33試料を得た。紫外線の照射により試料表面は85
゜から21゜に親水化された。次に、#33試料を、光
触媒性コ−ティング液(固形分はアナタ−ゼ型酸化チタ
ン粒子150重量部とシリカ粒子37重量部とメチルト
リメトキシシラン79重量部とγ−グリコキシドプロピ
ルトリメトキシシラン34重量部)に浸漬し、50mm
/分で引上げるディップコ−ティング法によって、#3
3試料を光触媒性コ−ティング液で被覆後、120℃で
60分乾燥させて、光触媒とシリコ−ンを含有する表面
層を形成し、#34試料を得た。#34試料にBLB蛍
光灯で照度0.3mW/cm2の紫外線を24時間照射
し、#35試料を得た。#35試料表面の水との接触角
を測定したところ0゜の親水性を呈した。また#35試
料について、実施例1と同様の手法で塗膜の密着性を調
べた。その結果、剥離は生じなかった。以上のことか
ら、コロナ放電ではなく、一般の紫外線光源を用いて親
水化処理した場合にも、光励起に応じて超親水性を呈す
る表面層を樹脂からなる表面を有する基材に強固に固着
させることができることが確認された。この方法に従え
ば、コロナ放電と比較して、多様な形状の基材に対応可
能であり、かつ電力消費も少なくてすむという長所があ
り、その意義は大きいと考えられる。
水化方法において、表面を放電処理又はアルカリ処理、
紫外線処理若しくは光触媒を接触させながら光触媒を励
起させうるエネルギ−を有する光子を含む光を照射する
処理を行う工程と、表面を光触媒とシリコ−ン樹脂を含
む層で被覆する工程と、光触媒とシリコ−ン樹脂を含む
層に前記光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子
を含む光を照射し、以てシリコ−ン樹脂中のケイ素原子
に結合する有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する
工程とを含むようにすることにより、光触媒の光励起に
応じた親水化の程度を維持しつつ、より良好な耐摩耗性
を有するようになる。
Claims (16)
- 【請求項1】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を親水処理する工程と、前
記表面を光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層で被覆する工
程と、前記シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合する有
機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程と、を含
むことを特徴とする基材表面の親水化方法。 - 【請求項2】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を親水処理する工程と、前
記表面を光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層で被覆する工
程と、前記シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に結合する有
機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工程と、前記
光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含む光
を照射し、基材表面に吸着水層を形成させる工程と、を
含むことを特徴とする基材表面の親水化方法。 - 【請求項3】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を親水処理する工程と、前
記表面を光触媒と無定型シリカを含む層で被覆する工程
と、を含むことを特徴とする基材表面の親水化方法。 - 【請求項4】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を親水処理する工程と、前
記表面を光触媒と無定型シリカを含む層で被覆する工程
と、前記光触媒を励起させうるエネルギ−を有する光子
を含む光を照射し、基材表面に吸着水層を形成させる工
程と、を含むことを特徴とする基材表面の親水化方法。 - 【請求項5】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を光触媒とシリコ−ン樹脂
を含む層で被覆する工程と、前記シリコ−ン樹脂中のケ
イ素原子に結合する有機基の少なくとも一部を水酸基に
置換する工程と、前記被覆する工程よりは後に紫外線処
理する工程と、を含むことを特徴とする基材表面の親水
化方法。 - 【請求項6】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を光触媒とシリコ−ン樹脂
を含む層で被覆する工程と、前記シリコ−ン樹脂中のケ
イ素原子に結合する有機基の少なくとも一部を水酸基に
置換する工程と、前記光触媒を励起させうるエネルギ−
を有する光子を含む光を照射し、基材表面に吸着水層を
形成させる工程と、前記被覆する工程よりは後に紫外線
処理する工程と、を含むことを特徴とする基材表面の親
水化方法。 - 【請求項7】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を光触媒と無定型シリカを
含む層で被覆する工程と、前記被覆する工程よりは後に
紫外線処理する工程と、を含むことを特徴とする基材表
面の親水化方法。 - 【請求項8】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を光触媒と無定型シリカを
含む層で被覆する工程と、前記光触媒を励起させうるエ
ネルギ−を有する光子を含む光を照射し、基材表面に吸
着水層を形成させる工程と、前記被覆する工程よりは後
に紫外線処理する工程と、を含むことを特徴とする基材
表面の親水化方法。 - 【請求項9】 樹脂からなる表面を有する基材表面の親
水化方法において、前記表面を光触媒とシリコ−ン樹脂
を含む層で被覆する工程と、前記被覆する工程よりは後
に紫外線処理する工程と、を含むことを特徴とする基材
表面の親水化方法。 - 【請求項10】 前記表面を親水処理する工程は、前記
表面を放電処理する工程、アルカリ処理する工程のいず
れかの処理である請求項1〜4に記載の基材表面の親水
化方法。 - 【請求項11】 前記表面を親水処理する工程は、前記
表面に、光触媒を接触させながら前記光触媒を励起させ
うるエネルギ−を有する光子を含む光を照射する工程で
ある請求項1〜4に記載の基材表面の親水化方法。 - 【請求項12】 前記シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に
結合する有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工
程は、前記光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層に前記光触
媒を励起させうるエネルギ−を有する光子を含む光を照
射する工程である請求項1、2、5、6に記載の基材表
面の親水化方法。 - 【請求項13】 前記シリコ−ン樹脂中のケイ素原子に
結合する有機基の少なくとも一部を水酸基に置換する工
程は、前記光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層表面をコロ
ナ放電処理する工程であることを特徴とする請求項1、
2、5、6に記載の基材の親水化方法。 - 【請求項14】 前記基材はアクリル樹脂からなり、前
記光触媒とシリコ−ン樹脂を含む層で被覆する工程は、
オルガノアルコキシシラン、その加水分解物、その脱水
縮重合物の少なくとも1種を含む塗膜形成要素と光触媒
粒子を混合する工程と、前記混合物を塗布する工程と、
前記塗膜形成要素を加熱硬化させる工程を含み、かつ前
記加熱硬化は90℃以下で行うことを特徴とする請求項
1、2、5、6、9〜13に記載の基材表面の親水化方
法。 - 【請求項15】 前記基材はアクリル樹脂からなり、前
記光触媒と無定型シリカを含む層で被覆する工程は、テ
トラアルコキシシラン、その加水分解物、その脱水縮重
合物の少なくとも1種を含む塗膜形成要素と光触媒粒子
を混合する工程と、前記混合物を塗布する工程と、前記
塗膜形成要素を加熱硬化させる工程を含み、かつ前記加
熱硬化は90℃以下で行うことを特徴とする請求項3、
4、7〜13に記載の基材表面の親水化方法。 - 【請求項16】 前記基材の少なくとも表面は塩化ビニ
ル樹脂からなり、前記光触媒と無定型シリカを含む層で
被覆する工程は、テトラアルコキシシラン、その加水分
解物、その脱水縮重合物の少なくとも1種を含む塗膜形
成要素と光触媒粒子を混合する工程と、前記混合物を塗
布する工程と、前記塗膜形成要素を加熱硬化させる工程
を含み、かつ前記加熱硬化は60℃以下で行うことを特
徴とする請求項3、4、7〜13に記載の基材表面の親
水化方法。
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EP1072327A2 (en) * | 1999-07-30 | 2001-01-31 | Kabushiki Kaisha Toyoda Jidoshokki Seisakusho | Process for forming a film with photocatalytic function |
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WO2010107087A1 (ja) | 2009-03-18 | 2010-09-23 | Toto株式会社 | 光触媒部材 |
JP2015531009A (ja) * | 2012-07-23 | 2015-10-29 | ユニヴェルシテット・ヤジェロンスキ | 可視光で活性化される、ポリマー表面上の光触媒TiO2コーティング、その調製方法、及びその使用 |
KR20160105080A (ko) * | 2015-02-27 | 2016-09-06 | 엘지이노텍 주식회사 | 글라스 렌즈 및 이의 표면 처리 방법 |
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1997
- 1997-02-28 JP JP06225297A patent/JP3191259B2/ja not_active Expired - Lifetime
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