JP7044078B2 - アンチグレア面を有する物品及び物品の製造方法 - Google Patents

アンチグレア面を有する物品及び物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ペン入力装置に用いられ、アンチグレア面を有する物品及び物品の製造方法に関する。
従来、表示装置の視認性を向上する観点から、表示装置の表示面上に反射防止層やアンチグレア層を設けることが提案されている。例えば、特許文献1には、低屈折率層を有する反射防止膜を基材の上に設けるとともに、低屈折率層の主面をアンチグレア処理し、反射防止機能だけでなく防眩機能も兼ね備える反射防止膜を形成することが記載されている。
また、特許文献2及び特許文献3には、アンチグレア処理されたガラス物品をペン入力装置のカバーガラスとして用いることが開示されている。
特開平10-221506号公報 特開2004-240548号公報 国際公開WO2015/072297号
ところで、ペン入力装置のカバーガラス等のようにペン入力操作を受ける部材は、ペン入力操作を行った際に、実際の筆記に近い筆記感が得られること、すなわち書き味の良いことが好ましい。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペン入力操作を行った際の書き味に優れた、アンチグレア面を有する物品及び物品の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための物品は、ペン入力操作が行われる部位に用いられる物品であって、基材と、前記基材における少なくとも一つの面に設けられたアンチグレア面とを備え、前記アンチグレア面に存在する、直径が1μm以上、高さが1μm以上である突起の1mmあたりの個数が50個以上である。
上記物品において、前記アンチグレア面は、SiO、Al、ZrO、TiOから選ばれる少なくとも一種を含有するアンチグレア膜により構成されることが好ましい。
上記物品において、前記突起の1mmあたりの個数が100個以上であることが好ましい。
本発明によれば、ペン入力操作を行った際の書き味が向上する。
ガラス物品の説明図。 ガラス物品の表面の走査型電子顕微鏡写真。 ガラス物品の表面の透過光による光学顕微鏡写真。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1に示すように、透明な物品であるガラス物品10は、板状の透明基材であるガラス基材11を備えている。ガラス基材11を構成するガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス等の公知のガラスを用いることができる。また、ガラス基材11としては、化学強化ガラス等の強化ガラスやLAS系結晶化ガラス等の結晶化ガラスを用いることもできる。なお、ガラス基材11として、これらのなかでも、アルミノシリケートガラスを用いること、特に、SiO:50~80質量%、Al:5~25質量%、B:0~15質量%、NaO:1~20質量%、KO:0~10質量%を含有する化学強化ガラスを用いることが好ましい。
ガラス基材11の一方の主面には、光を散乱させる凹凸構造を有するアンチグレア面を有するアンチグレア膜12が設けられている。アンチグレア膜12及びアンチグレア面の凹凸構造は、例えば、SiO、Al、ZrO、TiOからなるマトリックスにより構成されている。アンチグレア面たる凹凸構造の例としては、例えば、複数の島状の凸部間に平坦部分を有する島状の凹凸構造が挙げられる。アンチグレア膜12の表面、すなわちアンチグレア面の表面粗さRaは、例えば、5~600nmが好ましい。
アンチグレア膜12は、例えば、マトリックス前駆体、及びマトリックス前駆体を溶解する液状媒体を含むコーティング剤をガラス基材11に塗布し、加熱することにより形成することができる。コーティング剤に含まれるマトリックス前駆体の例としては、例えば、シリカ前駆体、アルミナ前駆体、ジルコニア前駆体、チタニア前駆体等の無機前駆体が挙げられる。アンチグレア膜12の屈折率を低くする点、反応性を制御しやすい点から、シリカ前駆体が好ましい。
シリカ前駆体の例としては、ケイ素原子に結合した炭化水素基及び加水分解性基を有するシラン化合物、シラン化合物の加水分解縮合物、シラザン化合物等が挙げられる。アンチグレア膜12を厚く形成した場合でも膜のクラックが充分に抑えられる点から、シラン化合物及びその加水分解縮合物のいずれか一方又は両方を少なくとも含むことが好ましい。
シラン化合物は、ケイ素原子に結合した炭化水素基、及び加水分解性基を有する。炭化水素基は、炭素原子間に-O-、-S-、-CO-、及び-NR’-(R’は水素原子または1価の炭化水素基である。)から選ばれる1つ又は2つ以上を組み合わせた基を有していてもよい。
炭化水素基は、1つのケイ素原子に結合した1価の炭化水素基であってもよく、2つのケイ素原子に結合した2価の炭化水素基であってもよい。1価の炭化水素基の例としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられる。2価の炭化水素基の例としては、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基等が挙げられる。
加水分解性基の例としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基、イソシアネート基、ハロゲン原子等が挙げられ、シラン化合物の安定性と加水分解のしやすさとのバランスの点から、アルコキシ基、イソシアネート基、及びハロゲン原子(特に塩素原子)が好ましい。アルコキシ基としては、炭素数1~3のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましい。
シラン化合物の例としては、アルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等)、アルキル基を有するアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等)、ビニル基を有するアルコキシシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、エポキシ基を有するアルコキシシラン(2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(3-アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。これらのシラン化合物のなかでも、アルコキシシラン及びその加水分解縮合物のいずれか一方又は両方を用いることが好ましく、アルコキシシランの加水分解縮合物を用いることがより好ましい。
シラザン化合物は、その構造内にケイ素と窒素の結合(-SiN-)をもった化合物である。シラザン化合物としては、低分子化合物でも高分子化合物(所定の繰り返し単位を有するポリマー)であってもよい。低分子系のシラザン化合物の例としては、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、ジメチルアミノトリメチルシラン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチルシクロトリシラザン等が挙げられる。
アルミナ前駆体の例としては、アルミニウムアルコキシド、アルミニウムアルコキシドの加水分解縮合物、水溶性アルミニウム塩、アルミニウムキレート等が挙げられる。ジルコニア前駆体の例としては、ジルコニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドの加水分解縮合物等が挙げられる。チタニア前駆体の例としては、チタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解縮合物等が挙げられる。
コーティング剤に含まれる液状媒体は、マトリックス前駆体を溶解する溶媒であり、マトリックス前駆体の種類に応じて適宜、選択される。液状媒体の例としては、例えば、水、アルコール類、ケトン類、エーテル類、セロソルブ類、エステル類、グリコールエーテル類、含窒素化合物、含硫黄化合物等が挙げられる。
アルコール類の例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。ケトン類の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。エーテル類の例としては、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が挙げられる。セロソルブ類の例としては、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等が挙げられる。エステル類の例としては、酢酸メチル、酢酸エチル等が挙げられる。グリコールエーテル類の例としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。含窒素化合物の例としては、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。含硫黄化合物の例としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。液状媒体は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、液状媒体は、水を含む液状媒体、すなわち、水、又は水と他の液状媒体の混合液であることが好ましい。他の液状媒体としては、アルコール類が好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールが特に好ましい。
また、コーティング剤は、マトリックス前駆体の加水分解及び縮合を促進する酸触媒を含むものであってもよい。酸触媒は、マトリックス前駆体の加水分解及び縮合を促進し、アンチグレア膜12を短時間で形成させる成分である。酸触媒は、コーティング剤の調製に先立って、マトリックス前駆体の溶液の調製の際に、原料(アルコキシシラン等)の加水分解、縮合のために添加されたものであってもよく、必須成分を調製した後にさらに添加されたものであってもよい。酸触媒としては、無機酸(硝酸、硫酸、塩酸等)、有機酸(ギ酸、シュウ酸、酢酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸等)が挙げられる。
コーティング剤の塗布方法の例としては、公知のウェットコート法(スプレーコート法、スピンコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フローコート法、グラビアコート法、バーコート法、フレキソコート法、スリットコート法、ロールコート法等)等が挙げられる。塗布方法としては、凹凸を形成しやすい点から、スプレーコート法が好ましい。
スプレーコート法に用いるノズルの例としては、2流体ノズル、1流体ノズル等が挙げられる。ノズルから吐出されるコーティング剤の液滴の粒径は、通常0.1~100μmであり、1~50μmが好ましい。液滴の粒径が0.1μm以上であれば、防眩効果が充分に発揮される凹凸を短時間で形成できる。液滴の粒径が100μm以下であれば、防眩効果が充分に発揮される適度な凹凸を形成しやすい。コーティング剤の液滴の粒径は、ノズルの種類、スプレー圧力、液量等により適宜、調整できる。例えば、2流体ノズルでは、スプレー圧力が高くなるほど液滴は小さくなり、また、液量が多くなるほど液滴は大きくなる。なお、液滴の粒径は、レーザ測定器によって測定されるザウター平均粒子径である。
コーティング剤を塗布する際のガラス基材11の表面温度は、例えば、20~75℃であり、35℃以上であることが好ましく、60℃以上であることが更に好ましい。ガラス基材11を加熱する方法としては、例えば、温水循環式の加熱装置を用いることが好ましい。また、コーティング剤を塗布する際の湿度は、例えば、20~80%であり、50%以上であることが好ましい。
ガラス物品10におけるアンチグレア膜12が設けられている側の外表面(アンチグレア面)には、アンチグレア膜12の凹凸構造と比較して10~100倍程度の高さの突起が形成される場合がある。上記突起は、直径(平均粒径)が1μm以上、高さが1μm以上の突起である。なお、上記突起の平面形状が円でなく、楕円や多角形のような非円形である場合、上記突起の直径は、円相当直径である。また、上記突起の高さは20μm以下であることが好ましい。
図2に示される倍率20000倍の走査型電子顕微鏡写真において、上記の大きな突起は、表面から盛り上がった粒状の部分として確認することができる。上記突起の高さは、走査型電子顕微鏡によりアンチグレア膜12のアンチグレア面に対して斜めから撮影することにより確認することができる。例えば、走査型電子顕微鏡の電子ビームの照射方向と、アンチグレア膜12が形成されたガラス基材11の一方の主面とのなす角が17°となる状態で画像を撮像し、得られた画像における突起の高さHを求め、高さHを「cos17°」で割ることにより、実際の突起の高さを求めることができる。上記突起は、アンチグレア膜12の成膜時に、成膜材料が凝集及び粒状化してアンチグレア膜12の表面(アンチグレア面)に付着することにより形成されると考えられる。
本実施形態のガラス物品10においては、アンチグレア膜12におけるアンチグレア面の単位面積あたりの上記突起の個数が特定の値以上に設定されている。すなわち、ガラス物品10における上記突起の1mmあたりの個数は、50個以上である。そして、上記突起の1mmあたりの個数は、好ましくは76個以上であり、より好ましくは100個以上であり、更に好ましくは300個以上である。このように上記突起の個数を設定することにより、ペン先が上記突起に適度に引っ掛かり、実際の紙に文字等を記載した時と同様の書き味が得られる。すなわち、ペン入力操作を行った際の書き味が向上する。なお、ガラス物品10における上記突起の1mmあたりの個数の上限は特に限定されるものではないが、例えば、1500個であることが好ましく、1000個であることがより好ましく、500個であることが更に好ましい。図3は、倍率200倍(対物レンズ20倍、接眼レンズ10倍)の透過光による光学顕微鏡写真であり、この光学顕微鏡写真において上記突起は、黒い点として確認することができる。
上記突起の個数は、アンチグレア膜12の成膜条件を変更することによって制御することができる。例えば、スプレーコート法によりコーティング剤を塗布してアンチグレア膜12を形成する場合であれば、ノズルから成膜対象であるガラス基材11までの距離(以下、スプレー距離と記載する。)を変更することで上記突起の個数も変化する。スプレー距離には適切な範囲があり、その範囲外では上記突起が少なくなることが本発明者の研究によって判明した。適切なスプレー距離は、コーティング剤の種類や粘度、スプレー条件(温度、湿度)によって異なるが、上記突起の個数を多くするためには、スプレー距離を長く設定する方がよく、例えば、60mm以上に設定することが好ましい。なお、スプレー距離の上限は特に限定されるものではないが、例えば、200mmであることが好ましい。また、コーティング剤を塗布する際のガラス基材11の表面温度や、コーティング剤を塗布する際の湿度を上述の範囲内とすることによっても、上記突起の個数を多くすることができる。
本実施形態のガラス物品10は、ペン入力装置の入力面に配されて使用される。ガラス物品10は、ペン入力装置の入力面の上に取り付けられる部材であってもよい。すなわち、ガラス物品10は、ペン入力装置に事後的に取り付けられる部材であってもよい。
次に、本実施形態の効果について記載する。
(1)ペン入力操作が行われる部位に用いられる、透明な物品であるガラス物品10は、透明基材であるガラス基材11と、ガラス基材11に設けられたアンチグレア膜12とを備えている。アンチグレア膜12の表面、すなわちアンチグレア面に存在する、直径が1μm以上、高さが1μm以上である突起の1mmあたりの個数が50個以上である。上記構成によれば、ペン入力操作を行った際の書き味が向上する。
(2)突起の1mmあたりの個数が100個以上であれば、ペン入力操作を行った際の書き味が更に向上する。
(3)ガラス基材11に対して、マトリックス前駆体を含むコーティング剤をスプレーコート法により塗布してアンチグレア膜12を形成する際のスプレー距離を60mm以上とすれば、ガラス物品10の表面に形成される上記突起の個数を多くすることができる。したがって、ペン入力操作を行った際の書き味に優れたガラス物品10を容易に製造することができる。
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・基材の面のうちの二つ以上の面にアンチグレア面を有するアンチグレア膜が設けられていてもよい。
・基材とアンチグレア膜との間、及びアンチグレア膜の上の少なくとも一方に、反射防止層や防汚層等のその他の層が設けられていてもよい。
・透明基材として、ガラス基材11の代わりに、ポリカーボネート基材等の樹脂基材を用いてもよい。
・上記実施形態におけるアンチグレア面は、コーティング剤をガラス基材11に塗布し、加熱することにより形成されたアンチグレア膜12によって形成されているが、アンチグレア面は、ガラス基材11の表面をエッチング処理して形成されてもよい。
次に、上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
・前記アンチグレア面は、ウェットコート法により塗布されてなるアンチグレア膜により構成されている前記透明物品。
・透明基材と、前記透明基材における少なくとも一つの面に設けられたアンチグレア面とを備える透明物品の表面に存在する、直径が1μm以上、高さが1μm以上である突起の1mmあたりの個数に基づいて透明物品の表面の書き味を評価する評価方法。
・ペン入力操作が行われる部位に用いられる透明物品の製造方法であって、前記透明物品は、透明基材と、前記透明基材における少なくとも一つの面に設けられたアンチグレア面とを備え、
前記アンチグレア面はアンチグレア膜の表面であり、前記アンチグレア膜は、前記透明基材に対して、マトリックス前駆体を含むコーティング剤をスプレーコート法により塗布して形成され、前記コーティング剤をスプレーコート法で塗布する際のスプレー距離が60mm以上であることを特徴とする透明物品の製造方法。
(試験例1~14)
アンチグレア膜の成膜条件を異ならせた試験例1~14のガラス物品を作製した。すなわち、縦150mm、横300mm、厚さ1.1mmの強化ガラスからなるガラス基材(日本電気硝子社製:Dinorex(登録商標))の表面に対して、ノズル径0.6mmのスプレーコーティング装置により、水を含む液状媒体にアンチグレア膜の前駆体(オルトケイ酸テトラエチル)を溶解することで調製したコーティング剤を塗布することによりアンチグレア膜を形成した。ガラス基材に対するコーティング剤の単位面積あたりの塗布量は3×10-5g/mmとした。また、成膜時における雰囲気温度、雰囲気湿度、スプレー移動速度(ノズルの移動速度)、及びスプレー距離は、表1に示すとおりである。
(突起数の測定)
試験例1~14のガラス物品について、アンチグレア膜のアンチグレア面に存在する、直径が1μm以上、高さが1μm以上の突起の数を測定した。突起数の測定は、光学顕微鏡(倍率200倍)を用いて、図3に示すような黒点の個数を数えることにより行った。具体的には、アンチグレア面から1mm(縦1mm×横1mm)の領域を無作為に5箇所選定し、それらの各領域内に存在する上記突起の数を数えるとともに、その平均値を算出した。その結果を表1に示す。
(書き味の評価)
30人のパネラーに、入力ペン(ワコム社製:プロペン(KP-503E))を用いて各試験例のガラス物品の表面に描画する操作を行わせ、紙に近い質感で書き味が良いと感じるか否かを評価させた。その結果を表1の「書き味」欄に示す。なお、「書き味」欄においては、書き味が良いと評価した人数が26人以上のものを「◎」、書き味が良いと評価した人数が21人以上25人以下のものを「○」、書き味が良いと評価した人数が16人以上20人以下のものを「△」、書き味が良いと評価した人数が15人以下のものを「×」で示している。
Figure 0007044078000001
表1に示すように、スプレー距離が長くなるにしたがって、直径が1μm以上、高さが1μm以上の突起数が増加することが分かる。また、1mmあたりの上記突起数が50個未満である試験例7~14と比較して、1mmあたりの上記突起数が50個以上である試験例1~6は、書き味の評価が高い結果となった。そして、試験例1~6のなかでも、1mmあたりの上記突起数が100個以上である試験例1~4、特に1mmあたりの上記突起数が300個以上である試験例1は、書き味の評価が非常に高い結果となった。この結果から、上記突起数に応じてペン入力操作を行った際の書き味が変化することが分かる。また、1mmあたりの上記突起数を50個以上とすることにより、ペン入力操作を行った際の書き味が優れたものとなることが分かる。
10…ガラス物品、11…ガラス基材、12…アンチグレア膜。

Claims (4)

  1. ペン入力操作が行われる部位に用いられる物品であって、
    基材と、前記基材における少なくとも一つの面に設けられたアンチグレア面とを備え、
    前記アンチグレア面は、光を散乱させる凹凸構造を有し、
    前記アンチグレア面には、前記凹凸構造の表面から盛り上がった粒状の突起が形成されており、
    前記アンチグレア面に存在する、直径が1μm以上、高さが1μm以上である前記突起の1mmあたりの個数が50個以上1500個以下であることを特徴とする物品。
  2. 前記アンチグレア面は、SiO、Al、ZrO、TiOから選ばれる少なくとも一種を含有するアンチグレア膜により構成されることを特徴とする請求項1に記載の物品。
  3. 前記突起の1mmあたりの個数が100個以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物品。
  4. 基材と、前記基材における少なくとも一つの面に設けられたアンチグレア面とを備え、
    前記アンチグレア面は、アンチグレア膜の表面であるとともに、光を散乱させる凹凸構造を有し、
    前記アンチグレア面には、前記凹凸構造の表面から盛り上がった粒状の突起が形成されている、ペン入力操作が行われる部位に用いられる物品の製造方法であって、
    前記基材に対して、2流体ノズルを用いたスプレーコート法によりマトリックス前駆体を含むコーティング剤を塗布することにより前記アンチグレア膜を形成する工程を有することを特徴とする物品の製造方法。
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